JP2011117923A - Scca2濃度測定によるアレルギー疾患の検査方法 - Google Patents

Scca2濃度測定によるアレルギー疾患の検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アレルギー疾患の罹患と非罹患とを明確に区別することができ、かつアレルギー疾患の罹患と癌の罹患とを明確に区別することができ、更にアレルギー疾患の重症度をも区別することができる、アレルギー疾患の検査方法を提供する。
【解決手段】アレルギー疾患の検査方法として、生体試料中のSCCA2濃度を測定することを特徴とするものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、アレルギー疾患の検査方法に関するものである。
本発明は、臨床検査、臨床病理学、免疫学及び医学などの生命科学分野等において有用なものである。
アレルギー疾患は、外来由来の環境アレルゲンに対し、過剰に免疫応答を起こした結果、炎症を生じる疾患である。
このアレルギー疾患としては、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、又はアレルギー性結膜炎等が知られている。
現在、アレルギー性疾患の診断においては、一般に、問診、家族歴、そして本人の既往症の確認が重要な要素となっている。
また、アレルギーをより客観的な情報に基づいて診断するために、血液を試料とする試験方法や、アレルゲンに対する患者の免疫学的な応答を観察する方法も実施されている。
前者の例として、アレルゲン特異的IgE測定、白血球ヒスタミン遊離試験、又はリンパ球幼若化試験等が挙げられる。
アレルゲン特異的IgEの存在は、そのアレルゲンに対するアレルギー反応の証明である。
しかし、患者によっては、必ずしもアレルゲン特異的なIgEを検出できるとは限らない場合もある。
また、その測定原理上、診断に必要なアレルゲンの全てに対して、試験を実施しなければならない。
白血球ヒスタミン遊離試験やリンパ球幼若化試験は、免疫システムのアレルゲンに対する反応をin vitroで観察する方法である。
これらの方法は、操作が煩雑である。
一方、患者を実際にアレルゲンに接触させたときに観察される免疫応答をアレルギーの診断に役立てる方法(後者)も公知である。
プリック・テスト、スクラッチ・テスト、パッチ・テスト、皮内反応、又は誘発試験等が、この種の試験に含まれる。
これらの試験では、患者のアレルギー反応を直接診断することができる反面、実際に被検者をアレルゲンに曝露する侵襲性の高い検査であるということができる。
この他、アレルゲンに関わらず、アレルギー反応の関与を証明するための試験方法も試みられている。
たとえば、血清IgE値が高値である場合、その患者にはアレルギー反応が起きていると推定することができる。
血清IgE値は、アレルゲン特異IgEの総量に相当する情報である。
アレルゲンの種類に関わらずIgEの総量を決定することは容易であるが、非アトピー型気管支炎等の疾患を持つ患者では、IgEが低値となる場合がある。
したがって、患者に対する危険が少なく、しかも診断に必要な情報を容易に得ることができる、アレルギー疾患のマーカーが提供されれば有用である。
ところで、SCCA(Squamous Cell Carcinoma Antigen;扁平上皮細胞癌抗原)は、分子量45,000のタンパク質であり、Serpinファミリーに属するプロテアーゼインヒビターである。
このSCCAは、子宮頸部扁平上皮癌、子宮体癌、食道癌、肺扁平上皮癌、及びその他の扁平上皮癌において、血中濃度が上昇し、腫瘍マーカーとして知られている。
そして、このSCCAに特異的に結合する抗体、及びこの抗体を用いるSCCAの免疫学的測定方法が知られている(特許文献1参照。特許文献2参照。)。
なお、SCCAには、SCCA1とSCCA2の2つのアイソフォームが存在し、SCCA1とSCCA2との相同性はアミノ酸レベルで91%である。
そして、本発明者らにより、また、他の研究者らにより、このSCCA1に特異的に結合する抗体、SCCA2に特異的に結合する抗体、SCCA1の免疫学的測定方法、及びSCCA2の免疫学的測定方法が発明された(特許文献3参照。非特許文献1参照。非特許文献2参照。)。
なお、本発明者の一人である出原は、他の研究者と共に、従来腫瘍マーカーとして知られていたSCCAの遺伝子が、気管支喘息発作の指標遺伝子となることを見出し、SCCA1および/またはSCCA2の蛋白質のアミノ酸配列からなるペプチドを認識する抗体からなる、気管支喘息発作の検査用試薬等を発明した。(特許文献4参照。)。
特開昭61−160060号公報 特開昭62−84100号公報 特表2006−516114号公報 国際公開公報WO2003/014395
Clinica Chimica acta.2000,Vol.295,No.1−2,p.107−127 臨床病理,2008,Vol.56,No.11,p.980−985
上述の通り、本発明者の一人である出原は、他の研究者と共に、腫瘍マーカーとして知られていたSCCAの遺伝子が、気管支喘息発作の指標遺伝子となることを見出し、SCCA1および/またはSCCA2の蛋白質のアミノ酸配列からなるペプチドを認識する抗体からなる、気管支喘息発作の検査用試薬等を発明したが、生体試料中のSCCAの濃度は、気管支喘息発作において高くなるだけではなく、癌の罹患においても高くなるため、生体試料中のSCCA濃度が高い場合に、それが気管支喘息発作によるものか、又は癌の罹患によるものか、区別することができなかった。
つまり、生体試料中のSCCA濃度を測定しても、アレルギー疾患の罹患と、癌の罹患とを、区別することができない、という問題点(課題)があった。
本発明は、アレルギー疾患の罹患と非罹患とを明確に区別することができ、かつアレルギー疾患の罹患と癌の罹患とを明確に区別することができる、アレルギー疾患の検査方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、アレルギー疾患と生体試料中のSCCA濃度との関係について検討を重ねたところ、生体試料中のSCCA2濃度を測定することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明よりなる。
(1) 生体試料中のSCCA2濃度を測定することを特徴とする、アレルギー疾患の検査方法。
(2) 生体試料中のSCCA2濃度を測定することにより、アレルギー疾患の罹患と非罹患とを区別する、前記(1)記載のアレルギー疾患の検査方法。
(3) 生体試料中のSCCA2濃度を測定することにより、アレルギー疾患の罹患と癌の罹患とを区別する、前記(1)記載のアレルギー疾患の検査方法。
(4) 生体試料中のSCCA2濃度を測定することにより、アレルギー疾患の重症度を区別する、前記(1)記載のアレルギー疾患の検査方法。
(5) 測定したSCCA2濃度を対照となるSCCA2濃度と比較することを含む、前記(1)記載のアレルギー疾患の検査方法。
(6) 対照となるSCCA2濃度の濃度が、アレルギー疾患の非罹患者のSCCA2濃度である、前記(5)記載のアレルギー疾患の検査方法。
(7) 対照となるSCCA2濃度が、癌の罹患者のSCCA2濃度である、前記(5)記載のアレルギー疾患の検査方法。
(8) 対照となるSCCA2濃度が、アレルギー疾患の非罹患者及び癌の罹患者のSCCA2濃度である、前記(5)記載のアレルギー疾患の検査方法。
(9) 対照となるSCCA2濃度が、異なる重症度のアレルギー疾患罹患者のSCCA2濃度である、前記(5)記載のアレルギー疾患の検査方法。
本発明のアレルギー疾患の検査方法は、アレルギー疾患の罹患を、アレルギー疾患の非罹患と明確に区別することができ、かつ癌の罹患とも明確に区別することができ、アレルギー疾患のみを特異的に検査することができる方法である。
また、本発明のアレルギー疾患の検査方法は、アレルギー疾患の重症度を区別することができる方法である。
抗SCCA1抗体、抗SCCA2抗体、並びにSCCA1及びSCCA2に結合する抗体の、SCCA1及びSCCA2それぞれとの結合性を確認した免疫沈降法及びウェスタンブロット法の結果を示した図である。 抗SCCA1抗体のSCCA1及びSCCA2それぞれとの結合性を確認した酵素免疫測定法による結果を示した図である。 抗SCCA2抗体のSCCA1及びSCCA2それぞれとの結合性を確認した酵素免疫測定法による結果を示した図である。 アレルギー疾患罹患(A)及びアレルギー疾患非罹患(B)それぞれの生体試料中のSCCA1濃度とSCCA2濃度との関係を示した図である。 アレルギー疾患罹患、アレルギー疾患非罹患、及び癌罹患それぞれの生体試料中のSCCA1濃度(A)及びSCCA2濃度(B)を示した図である。 アレルギー疾患の重症度と生体試料中のSCCA1濃度(A)及びSCCA2濃度(B)との関係を示した図である。
〔1〕アレルギー疾患
本発明は、生体試料中のSCCA2濃度を測定することを特徴とする、アレルギー疾患の検査方法であるが、このアレルギー疾患としては特に限定はなく、アレルギー疾患であれば対象となる。
このアレルギー疾患として、例えば、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、又はアレルギー性結膜炎等を挙げることができる。
〔2〕SCCA2
本発明は、生体試料中のSCCA2濃度を測定することを特徴とする、アレルギー疾患の検査方法であるが、この濃度の測定を行うSCCA2は、SCCA(Squamous Cell Carcinoma Antigen;扁平上皮細胞癌抗原)のアイソフォームの一つであるSCCA2又はこのSCCA2の抗原性を有する断片、変異体若しくは修飾物のことをいう。
本発明において、SCCA2は、ヒトのみならず、他種におけるホモログを含む。
〔3〕生体試料中のSCCA2濃度の測定
1.SCCA2濃度の測定
本発明における生体試料中のSCCA2濃度の測定について、以下説明を行う。
本発明における生体試料中のSCCA2濃度の測定は、特に限定はなく、生体試料中のSCCA2の濃度を正確に測定することができるのであれば、どのような方法でも良い。
生体試料中のSCCA2の濃度の測定は、抗原としてのSCCA2とこれに対する抗体、プロテアーゼインヒビターとしてのSCCA2とこれに対するプロテアーゼ等の特異的な親和性を有する物質間の反応を利用した方法により測定することが好ましい。
特に、抗原としてのSCCA2とこれに対する抗体の抗原抗体反応を利用した免疫学的測定法により測定することが好ましい。
2.免疫学的測定法による測定
生体試料中のSCCA2の濃度の測定を、抗原としてのSCCA2とこれに対する抗体の抗原抗体反応を利用した免疫学的測定法により測定する場合を例として、以下説明を行う。
(1)抗体
本発明において、生体試料中のSCCA2の濃度の測定を、抗原としてのSCCA2とこれに対する抗体の抗原抗体反応を利用した免疫学的測定法により測定する場合に用いる抗体は、SCCA2に特異的に結合することができる抗体であれば、いかなるものでもよい。(このSCCA2に特異的に結合することができる抗体を、以下、「抗SCCA2抗体」という。)
本発明において、抗SCCA2抗体それぞれの由来については特に限定はなく、それぞれ抗体の由来として、哺乳動物(マウス、ウサギ、ラット、ヒツジ、ヤギ、若しくはウマなど)、又は鳥類(ニワトリ、ウズラ、キジ、ダチョウ、若しくはアヒルなど)等を挙げることができる。
なお、本発明における抗SCCA2抗体はそれぞれ、ポリクローナル抗体、ポリクローナル抗体を含む抗血清、モノクローナル抗体、又はこれらの抗体のフラグメント(Fab、F(ab’)又はFab’など)等のいずれのものであってもよい。
(2)免疫原
本発明における抗SCCA2抗体それぞれを取得するために使用する免疫原について、以下説明を行う。
本発明における抗SCCA2抗体を取得するための免疫原としては、SCCA2、又はSCCA2にアミノ酸残基の欠失、置換、挿入、付加若しくは修飾を施すことにより得られるSCCA2の断片、変異体、類縁体若しくは修飾体、あるいはこれらのものと担体との結合物を挙げることができる。
(3)免疫原の取得方法
本発明における抗SCCA2抗体を取得するために使用する免疫原の取得方法について、以下説明を行う。
前記の免疫原として、SCCA2、又はSCCA2にアミノ酸残基の欠失、置換、挿入、付加若しくは修飾を施すことにより得られるSCCA2の断片、変異体、類縁体若しくは修飾体、あるいはこれらのものと担体との結合物を挙げることができるが、これはヒト又は動物の体液、細胞、組織又は臓器等より、公知の方法等により抽出、精製等して、取得することができる。
また、前記の免疫原は、液相法及び固相法等のペプチド合成の方法により合成することができ、更にペプチド自動合成装置を用いてもよい。
例えば、日本生化学会編「生化学実験講座1 タンパク質の化学IV」,東京化学同人,1975年;泉屋ら「ペプチド合成の基礎と実験」,丸善,1985年;又は日本生化学会編「続生化学実験講座2 タンパク質の化学 下」,東京化学同人,1987年等に記載された方法に従い合成することができる。
更に、前記の免疫原は、対応する核酸塩基配列を持つDNA又はRNAより遺伝子工学技術を用いて調製してもよく、日本生化学会編「続生化学実験講座1 遺伝子研究法I」,東京化学同人,1986年;日本生化学会編「続生化学実験講座1 遺伝子研究法II」,東京化学同人,1986年;又は日本生化学会編「続生化学実験講座1 遺伝子研究法III」,東京化学同人,1987年等を参照して調製すればよい。
例えば、SCCA2又はこのアミノ酸配列に対応する遺伝子をクローニングし、得られた遺伝子をプラスミド等の発現ベクターへ組み込む。
次に、この発現ベクターを大腸菌等の宿主細胞に導入し、得られた形質変換体を培養することにより前記のSCCA2に対応するタンパク質又はペプチドを発現させることができる。
なお、遺伝子の塩基配列をクローニングする方法としては、例えば、PCR法、リコンビナントPCR法、ライゲーション法、又はリンカーライゲーション法等を挙げることができる。
なお、免疫原として、前記の担体との結合物を用いる場合の担体としては、スカシガイのヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒト血清アルブミン(HSA)、ニワトリ血清アルブミン、ポリ−L−リシン、ポリアラニルリシン、ジパルミチルリシン、破傷風トキソイド又は多糖類等の担体として公知なものを用いることができる。
前記のSCCA2等と担体との結合法は、グルタルアルデヒド法、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド法、マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシサクシニミドエステル法、ビスジアゾ化ペンジジン法又はN−サクシミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオン酸法等の公知の結合法を用いることができる。
また、ニトロセルロース粒子、ポリビニルピロリドン又はリポソーム等の担体に前記のSCCA2等を吸着させたものも免疫原とすることができる。
(4)抗SCCA2抗体(ポリクローナル抗体)の取得方法
(a)ポリクローナル抗体の血清からの取得
本発明における抗SCCA2抗体において、ポリクローナル抗体又は抗血清は、以下の操作により、免疫原を免疫した動物の血清から取得することができる。
まず、前記の免疫原(SCCA2等)を、哺乳動物(マウス、ウサギ、ラット、ヒツジ、ヤギ、若しくはウマなど)、又は鳥類(ニワトリ、ウズラ、キジ、ダチョウ、若しくはアヒルなど)等の動物に免疫する。
なお、この前記の免疫原は、アジュバントと添加混合して免疫注射することが好ましい。
免疫注射は、皮下、静脈内、腹腔内又は背部等の部位に行えばよい。
初回免疫後、2〜3週間間隔で皮下、静脈内、腹腔内又は背部等の部位に、前記の免疫原を追加免疫注射する。
この場合も、前記の免疫原は、アジュバントを添加混合して追加免疫注射することが好ましい。
初回免疫の後、免疫した動物の血清中の抗体価の測定をELISA法等により繰り返し行い、抗体価がプラトーに達したら全採血を行い、血清を分離して抗SCCA2抗体を含む抗血清を得る。
この抗血清を、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム等による塩析法、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過法若しくはアフィニティークロマトグラフィー等の方法、又はこれらの方法を組み合わせて抗体の精製を行い、ポリクローナル抗体(抗SCCA2抗体)を得る。
(b)ポリクローナル抗体の卵からの取得
本発明における抗SCCA2抗体において、ポリクローナル抗体は、以下の操作により、免疫原を免疫した鳥類の卵から取得することができる。
まず、前記の免疫原(SCCA2等)をニワトリ等の鳥類のメスに免疫する。
なお、この前記の免疫原は、アジュバントと添加混合して免疫注射することが好ましい。
免疫注射は、皮下、静脈内、腹腔内又は背部等の部位に行えばよい。
初回免疫後、2〜3週間間隔で皮下、静脈内、腹腔内又は背部等の部位に、前記の免疫原を追加免疫注射する。
この場合も、前記の免疫原は、アジュバントを添加混合して追加免疫注射することが好ましい。
初回免疫の後、免疫した鳥類が産卵した卵中の抗体価の測定をELISA法等により繰り返し行い、抗体価がプラトーに達したら、この時以降に産卵する卵より卵黄を得る。
この卵黄を、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム等による塩析法、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過法若しくはアフィニティークロマトグラフィー等の方法、又はこれらの方法を組み合わせて抗体の精製を行い、ポリクローナル抗体を得る。
(c)担体に対する抗体の吸収除去操作
免疫原として前記のSCCA2等と担体との結合物を用いて動物に免疫した場合には、得られた抗血清又はポリクローナル抗体中に、この担体に対する抗体(即ち、当該担体に結合する抗体)が存在するので、このような担体に対する抗体の吸収除去処理を行うことが好ましい。
以上、前記(a)、(b)、及び(c)に記載したようにして、本発明における抗SCCA2抗体のポリクローナル抗体を単離して得ることができる。
(5)抗SCCA2抗体(モノクローナル抗体)の取得方法
本発明における抗SCCA2抗体において、モノクローナル抗体は、以下の操作により取得することができる。
モノクローナル抗体は、ケラーらの細胞融合法(G.Koehlerら,Nature,256巻,495〜497頁,1975年発行)によるハイブリドーマ、又はエプスタン−バーウイルス等のウイルスによる腫瘍化細胞等の抗体産生細胞により得ることができる。
前記のケラーらの細胞融合法(G.Koehlerら,Nature,256巻,495〜497頁,1975年発行)を例として、モノクローナル抗体を調製する方法を、以下記載する。
まず、前記の免疫原(SCCA2等)を、哺乳動物(マウス、ウサギ、ラット、ヒツジ、ヤギ、若しくはウマなど)、又は鳥類(ニワトリ、ウズラ、キジ、ダチョウ、若しくはアヒルなど)等の動物に免疫する。
なお、前記の免疫原は、アジュバントを添加混合して免疫注射することが好ましい。
免疫注射は、皮下、静脈内、腹腔内又は背部等の部位に行えばよい。
初回免疫後、1〜2週間間隔で皮下、静脈内、腹腔内又は背部等の部位に、前記の免疫原を追加免疫注射する。
この追加免疫注射の回数としては2〜6回が一般的である。この場合も前記の免疫原は、アジュバントを添加混合して追加免疫注射することが好ましい。
初回免疫の後、免疫した動物の血清中又は免疫した動物が産卵した卵中の抗体価の測定をELISA法等により繰り返し行い、抗体価がプラトーに達したら、前記の免疫原を生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム水溶液)に溶解したものを静脈内又は腹腔内に注射し、最終免疫とする。
この最終免疫の3〜5日後に、免疫した動物の脾細胞、リンパ節細胞又は末梢リンパ球等の抗体産生能を有する細胞を取得する。
この免疫した動物より得られた抗体産生能を有する細胞(脾細胞、リンパ節細胞又は末梢リンパ球等)と、哺乳動物又は鳥類等の骨髄腫細胞(ミエローマ細胞)又はB細胞とを細胞融合させるのであるが、ミエローマ細胞としてはヒポキサンチン・グアニン・ホスホリボシル・トランスフェラーゼ(HGPRT)又はチミジンキナーゼ(TK)等の酵素を欠損した細胞株のものが好ましい。
細胞融合は、各種分子量のポリエチレングリコール(PEG)、リポソーム若しくはセンダイウイルス(HVJ)等の融合促進剤を用いて行うか、又は電気融合法等により行うことができる。
ミエローマ細胞がHGPRT欠損株又はTK欠損株のものである場合には、ヒポキサンチン・アミノプテリン・チミジンを含む選別用培地(HAT培地)を用いることにより、抗体産生能を有する細胞とミエローマ細胞の融合細胞(ハイブリドーマ)のみを選択的に培養し、増殖させることができる。
このようにして得られたハイブリドーマの培養上清を、前記の免疫原、又はSCCA2等を用いてELISA法やウエスタンブロット法等の免疫学的測定法により測定することにより、抗SCCA2抗体を産生するハイブリドーマを選択することができる。
また、前記のハイブリドーマの培養上清を、SCCA1等を用いてELISA法やウエスタンブロット法等の免疫学的測定法により測定することにより、SCCA1等には結合しない抗体を産生するハイブリドーマを選択することができる。
この2種類のハイブリドーマ選択方法と限界希釈法等の公知のクローニングの方法を組み合わせて行うことにより、本発明における抗SCCA2抗体のモノクローナル抗体を単離して得ることができる。
このモノクローナル抗体産生細胞株を適当な培地で培養して、その培養上清から本発明の抗SCCA2抗体のモノクローナル抗体を得ることができるが、培地としては無血清培地又は低濃度血清培地等を用いてもよく、この場合は抗体の精製が容易となる点で好ましく、DMEM培地、RPMI1640培地又はASF培地103等の培地を用いることができる。
このようにして得られたモノクローナル抗体は、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウムなどによる塩析法、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過法又はアフィニティークロマトグラフィーなどの方法、あるいはこれらの方法を組み合わせること等により、精製された本発明における抗SCCA2抗体のモノクローナル抗体を得ることができる。
(6)免疫学的測定法によるSCCA2濃度の測定
生体試料中のSCCA2の濃度を、免疫学的測定法により測定するには、SCCA2に特異的に結合することができる前記の抗SCCA2抗体を使用することにより、生体試料中のSCCA2の濃度を正確に測定することができる。
なお、SCCA2に結合することができる抗体として2つ又はそれ以上の抗体を使用する免疫学的測定法においては、その2つ又はそれ以上の抗体のうち少なくとも1つが、SCCA2に特異的に結合することができる前記の抗SCCA2抗体であればよく、これにより正確に測定することができる。
そして、他の抗体は、SCCA2に結合することができる抗体であれば如何なるものでもよい。
すなわち、この他の抗体は、SCCA1及びSCCA2の両方に結合することができる抗体であってよい。
なお、2つ又はそれ以上の抗体が、前記の抗SCCA2抗体であってもよく、また、用いる全ての抗体が前記の抗SCCA2抗体であってもよい。
例えば、酵素免疫測定法(ELISA法)、蛍光免疫測定法又は発光免疫測定法等のサンドイッチ法においては、酵素等により標識された抗体及び固相化抗体のいずれか一方又は両方が、前記の抗SCCA2抗体であればよく、また、両方の抗体とも前記の抗SCCA2抗体であってもよい。
この抗SCCA2抗体は、1種類のものだけではなく、複数種類のものを同時に使用してもよい。
なお、本発明において、生体試料中のSCCA2の濃度を、免疫学的測定法により測定するのに、特にその測定原理は限定されるものではない。
この免疫学的測定法としては、例えば、酵素免疫測定法(ELISA、EIA)、蛍光免疫測定法(FIA)、放射免疫測定法(RIA)、発光免疫測定法(LIA)、酵素抗体法、蛍光抗体法、イムノクロマトグラフィー法、免疫比濁法、ラテックス比濁法、ラテックス凝集反応測定法、赤血球凝集反応法、又は粒子凝集反応法等を挙げることができる。
そして、前記の免疫学的測定法においては、サンドイッチ法、競合法又は均一系法(ホモジニアス系法)等のいずれの手法をも、本発明における生体試料中のSCCA2の濃度の測定に適用することができる。
また、この免疫学的測定法における測定は、用手法により行ってもよいし、又は分析装置等の装置を用いて行ってもよい。
(7)試料
本発明における生体試料としては、ヒト又は動物の血液、血清、血漿、尿、精液、髄液、唾液、汗、涙、腹水若しくは羊水などの体液;大便;血管若しくは肝臓などの臓器;組織;細胞;又は大便、臓器、組織若しくは細胞などの抽出液等、SCCA2が含まれる可能性のある生体試料であれば対象となる。
(8)標識抗体を用いた免疫学的測定法
本発明における、生体試料中のSCCA2の濃度の測定を、標識物質を抗体(又は抗原)に結合した標識抗体(又は標識抗原)、及び抗体(又は抗原)を固相担体に固相化した固相化抗体(又は固相化抗原)を用いる、酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法、放射免疫測定法又は発光免疫測定法等の免疫学的測定法により実施する場合には、サンドイッチ法又は競合法等により行うことができるが、サンドイッチ法により実施することが好ましい。
本発明における生体試料中のSCCA2の濃度の測定を、前記のサンドイッチ法により実施する時には、標識抗体及び固相化抗体のいずれか一方の抗体が前記の抗SCCA2抗体であればよく、また、標識抗体及び固相化抗体の両方が前記の抗SCCA2抗体であってもよい。
前記の免疫学的測定法に用いる固相化抗体(又は固相化抗原)に使用する固相担体としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリビニルトルエン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ラテックス、リポソーム、ゼラチン、アガロース、セルロース、セファロース、ガラス、セラミックス、金属又は磁性体等の材質よりなる、マイクロカプセル、ビーズ、マイクロプレート(マイクロタイタープレート)、試験管、スティック又は試験片等の形状の固相担体を使用することができる。
固相化抗体(又は固相化抗原)は、前記の抗SCCA2抗体等の抗体と固相担体とを物理的吸着法、化学的結合法又はこれらの併用等の公知の方法により吸着、結合させて調製することができる。
物理的吸着法による場合は、公知の方法に従い、抗体(又は抗原)と固相担体を緩衝液などの溶液中で混合し接触させたり、又は緩衝液などに溶解した抗体(又は抗原)と固相担体を接触させること等により行うことができる。
また、化学的結合法により行う場合は、日本臨床病理学会編「臨床病理臨時増刊特集第53号 臨床検査のためのイムノアッセイ−技術と応用−」,臨床病理刊行会,1983年発行;日本生化学会編「新生化学実験講座1 タンパク質IV」,東京化学同人,1991年発行等に記載の公知の方法に従い、抗体(又は抗原)と固相担体をグルタルアルデヒド、カルボジイミド、イミドエステル又はマレイミド等の二価性の架橋試薬と混合、接触させ、抗体(又は抗原)と固相担体のそれぞれのアミノ基、カルボキシル基、チオール基、アルデヒド基又は水酸基などと反応させること等により行うことができる。
また、更に非特異的反応や固相担体の自然凝集等を抑制するために処理を行う必要があれば、抗体(又は抗原)を固相化させた固相担体の表面又は内壁面に、例えば、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒト血清アルブミン(HSA)、卵白アルブミン、カゼイン、ゼラチン若しくはその塩などのタンパク質、界面活性剤又は脱脂粉乳等を接触させ被覆させること等の公知の方法により処理して、固相担体のブロッキング処理(マスキング処理)を行ってもよい。
標識物質としては、酵素免疫測定法の場合には、例えば、パーオキシダーゼ(POD)、アルカリホスファターゼ(ALP)、β−ガラクトシダーゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、グルコースオキシダーゼ、乳酸脱水素酵素又はアミラーゼ等を用いることができる。
また、蛍光免疫測定法の場合には、例えば、フルオレセインイソチオシアネート、テトラメチルローダミンイソチオシアネート、置換ローダミンイソチオシアネート又はジクロロトリアジンイソチオシアネート等を用いることができる。
そして、放射免疫測定法の場合には、例えば、トリチウム、ヨウ素125又はヨウ素131等を用いることができる。
また、発光免疫測定法においては、例えば、NADH−FMNH−ルシフェラーゼ反応系、ルミノール−過酸化水素−POD反応系、アクリジニウムエステル反応系、又はジオキセタン化合物反応系などの反応系に係わる物質等を用いることができる。
なお、本発明においては、前記の標識物質を抗体又は抗原に結合させるだけではなく、標識物質と抗体又は抗原の間に「アビジン−ビオチン」又は「ストレプトアビジン−ビオチン」等を介在させてもよい。
なお、具体的には、例えば、「ビオチンを標識した抗体(又は抗原)」と共に、次のいずれかのものを用いる等すればよい。
・「アビジン(又はストレプトアビジン)」、及び「ビオチンを結合させた標識物質」
・「アビジン(又はストレプトアビジン)を結合させた標識物質」
・「アビジン(又はストレプトアビジン)と、ビオチンを結合させた標識物質との複合体」
前記の抗SCCA2抗体等の抗体(又はSCCA2等の抗原)と酵素等の標識物質との結合法は、日本臨床病理学会編「臨床病理臨時増刊特集第53号 臨床検査のためのイムノアッセイ−技術と応用−」,臨床病理刊行会,1983年発行;日本生化学会編「新生化学実験講座1 タンパク質IV」,東京化学同人,1991年発行等に記載の公知の方法に従い、抗体(又は抗原)と標識物質をグルタルアルデヒド、カルボジイミド、イミドエステル又はマレイミド等の二価性の架橋試薬と混合、接触させ、抗体(又は抗原)と標識物質のそれぞれのアミノ基、カルボキシル基、チオール基、アルデヒド基又は水酸基等と反応させることにより結合を行うことができる。
前記の酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法、放射免疫測定法又は発光免疫測定法等の免疫学的測定法における測定の操作法は公知の方法(日本臨床病理学会編「臨床病理臨時増刊特集第53号 臨床検査のためのイムノアッセイ−技術と応用−」,臨床病理刊行会,1983年発行;石川榮治ら編「酵素免疫測定法」,第3版,医学書院,1987年発行;北川常廣ら編「蛋白質核酸酵素別冊No.31 酵素免疫測定法」,共立出版,1987年発行)等により行うことができる。
例えば、固相化抗体(「固相担体−抗体」)と試料を反応させ、同時に標識抗体(「抗体−標識物質」)を反応させるか、又は洗浄の後に標識抗体を反応させることにより、「固相担体−抗体」=「SCCA2」=「抗体−標識物質」の複合体を形成させる。
そして、未結合の標識抗体を洗浄分離して、「固相担体−抗体」=「SCCA2」=「抗体−標識物質」の結合により固相担体に間接的に結合した標識抗体の量又は未結合の標識抗体の量を測ることにより生体試料中に含まれていたSCCA2の量(濃度)を測定することができる。
具体的には、酵素免疫測定法の場合は、抗体に標識した酵素に、その至適条件下等で基質を反応させ、その酵素反応生成物の量を光学的方法等により測定する。
また、蛍光免疫測定法の場合には蛍光物質標識による蛍光強度を測定する。
そして、放射免疫測定法の場合には放射性物質標識による放射線量を測定する。
更に、発光免疫測定法の場合は発光反応系による発光量を測定する。
(9)凝集反応法による免疫学的測定法
本発明における、生体試料中のSCCA2の濃度の測定を、免疫複合体凝集物の生成を、その透過光や散乱光を光学的方法により測るが、又は目視的に測ることにより、生体試料中に含まれていたSCCA2の量(濃度)を測定する、免疫比濁法、ラテックス比濁法、ラテックス凝集反応法、赤血球凝集反応法又は粒子凝集反応法等の免疫学的測定方法によっても実施することができる。
前記の抗SCCA2抗体を固相担体に固相化させて用いる場合には、固相担体としては、例えば、ポリスチレン、スチレン−スチレンスルホン酸塩共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、ポリアクロレイン、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−グリシジル(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、メタクリル酸重合体、アクリル酸重合体、ラテックス、ゼラチン、リポソーム、マイクロカプセル、赤血球、シリカ、アルミナ、カーボンブラック、金属化合物、セラミックス、金属又は磁性体等の材質よりなる粒子を使用することができる。
前記の抗SCCA2抗体を固相担体に固相化させる方法としては、物理的吸着法、化学的結合法又はこれらの併用等の公知の方法により行うことができる。
物理的吸着法による場合は、公知の方法に従い、抗体と固相担体を緩衝液等の溶液中で混合し接触させたり、又は緩衝液等に溶解した抗体と固相担体を接触させること等により行うことができる。
また、化学的結合法により行う場合は、日本臨床病理学会編「臨床病理臨時増刊特集第53号 臨床検査のためのイムノアッセイ−技術と応用−」,臨床病理刊行会,1983年発行;日本生化学会編「新生化学実験講座1 タンパク質IV」,東京化学同人,1991年発行等に記載の公知の方法に従い、抗体と固相担体をグルタルアルデヒド、カルボジイミド、イミドエステル又はマレイミド等の二価性の架橋試薬と混合、接触させ、抗体と固相担体のそれぞれのアミノ基、カルボキシル基、チオール基、アルデヒド基又は水酸基等と反応させること等により行うことができる。
また、更に非特異的反応や固相担体の自然凝集等を抑制するために処理を行う必要があれば、前記の抗SCCA2抗体を固相化させた固相担体の表面又は内壁面に、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒト血清アルブミン(HSA)、卵白アルブミン、カゼイン、ゼラチン若しくはその塩などのタンパク質、界面活性剤又は脱脂粉乳等を接触させ被覆させること等の公知の方法により処理して、固相担体のブロッキング処理(マスキング処理)を行ってもよい。
なお、ラテックス比濁法を測定原理とする場合、固相担体として用いるラテックス粒子の粒径については、特に制限はないものの、ラテックス粒子が前記の抗SCCA2抗体及び測定対象物質であるSCCA2を介して結合し、凝集塊を生成する程度、及びこの生成した凝集塊の測定の容易さ等の理由より、ラテックス粒子の粒径は、その平均粒径が、0.04〜1μmであることが好ましい。
また、ラテックス比濁法を測定原理とする場合、前記の抗SCCA2抗体を固相化させたラテックス粒子を含ませる濃度については、試料中に含まれる測定対象物質であるSCCA2の濃度、前記の抗SCCA2抗体のラテックス粒子表面上での分布密度、ラテックス粒子の粒径、生体試料と測定試薬の混合比率等の各種条件により最適な濃度は異なるので一概に言うことはできない。
しかし、通常は、生体試料と測定試薬が混合され、ラテックス粒子に固相化された前記の抗SCCA2抗体と試料中に含まれていた測定対象物質であるSCCA2との抗原抗体反応が行われる測定反応時に、前記の抗SCCA2抗体を固相化させたラテックス粒子の濃度が、反応混合液中において0.005〜1%(w/v)となるようにするのが一般的であり、この場合、反応混合液中においてこのような濃度になるような濃度の「抗SCCA2抗体を固相化させたラテックス粒子」を測定試薬に含ませる。
本発明における、生体試料中のSCCA2の濃度の測定を、免疫比濁法、ラテックス比濁法、ラテックス凝集反応法、赤血球凝集反応法又は粒子凝集反応法等の免疫学的測定方法により実施する場合には、溶媒として、リン酸緩衝液、グリシン緩衝液、トリス緩衝液又はグッド緩衝液等を用いることができ、更にポリエチレングリコール等の反応促進剤や非特異的反応抑制剤を含ませてもよい。
前記の免疫比濁法、ラテックス比濁法、ラテックス凝集反応法、赤血球凝集反応法又は粒子凝集反応法等の免疫学的測定方法における測定の操作法は、公知の方法等により行うことができるが、例えば、光学的方法により測定する場合には、試料と前記の抗SCCA2抗体、又は試料と固相担体に固相化させた前記の抗SCCA2抗体を反応させ、エンドポイント法又はレート法により、透過光や散乱光を測定する。
また、目視的に測定する場合には、プレートやマイクロプレート等の前記容器中で、試料と固相担体に固相化させた前記の抗SCCA2抗体を反応させ、凝集の状態を目視的に判定する。
なお、この目視的に測定する代わりにマイクロプレートリーダー等の機器を用いて測定を行ってもよい。
また、本発明における、生体試料中のSCCA2の濃度の測定を、前記の免疫複合体凝集物の生成を測定する方法により実施する場合、SCCA2に結合することができる抗体として2つ又はそれ以上の抗体を使用するときには、その2つ又はそれ以上の抗体のうち少なくとも1つが、SCCA2に特異的に結合することができる前記の抗SCCA2抗体であればよく、これにより正確に測定することができる。
そして、他の抗体は、SCCA2に結合することができる抗体であれば如何なるものでもよい。
すなわち、この他の抗体は、SCCA1及びSCCA2の両方に結合することができる抗体であってよい。
なお、2つ又はそれ以上の抗体が、前記の抗SCCA2抗体であってもよく、また、用いる全ての抗体が前記の抗SCCA2抗体であってもよい。
(10)SCCA2濃度の免疫学的測定試薬
(a)免疫学的測定試薬
本発明における生体試料中のSCCA2の濃度の免疫学的測定試薬は、生体試料中のSCCA2の濃度を、このSCCA2に特異的に結合する前記の抗SCCA2抗体との抗原抗体反応を利用して測定を行うものであり、前記の抗SCCA2抗体を含むものである。
なお、前記のSCCA2に結合する抗体として2種類以上の抗体を含む免疫学的測定試薬においては、その2つ又はそれ以上の抗体のうち少なくとも1つが、この抗SCCA2抗体であればよく、これにより正確に測定することができる。
そして、他の抗体は「SCCA2に結合することができる抗体」であれば如何なるものでもよい。
なお、この2種類以上の抗体のうち、2つ又はそれ以上の抗体が前記の抗SCCA2抗体であってもよく、また、用いる全ての抗体がこの抗SCCA2抗体であってもよい。
本発明における、生体試料中のSCCA2の濃度の免疫学的測定試薬においては、その測定原理として、酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法、放射免疫測定法若しくは発光免疫測定法などの標識物質を用いる免疫学的測定方法(サンドイッチ法又は競合法等)のもの、又は免疫比濁法、ラテックス比濁法、ラテックス凝集反応法、赤血球凝集反応法若しくは粒子凝集反応法などの免疫複合体凝集物の生成を測定する免疫学的測定方法のもの等、特に制限なく適用することができる。
例えば、酵素免疫測定法(ELISA法)、蛍光免疫測定法又は発光免疫測定法等におけるサンドイッチ法を測定原理とする免疫学的測定試薬においては、標識物質を抗体に結合した標識抗体、及び抗体を固相担体に固相化した固相化抗体のいずれか一方又は両方が、前記の抗SCCA2抗体であればよく、両方の抗体ともこの前記の抗SCCA2抗体であってもよい。
また、例えば、ラテックス比濁法、ラテックス凝集反応法、赤血球凝集反応法又は粒子凝集反応法等を測定原理とする免疫学的測定試薬においては、ラテックス粒子等の固相担体に固相化させる抗体が前記の抗SCCA2抗体であればよく、また、免疫比濁法を測定原理とする測定試薬においては、抗体として前記の抗SCCA2抗体を用いればよい。
(b)その他の試薬成分
本発明における、生体試料中のSCCA2の濃度の免疫学的測定試薬において、溶媒としては、各種の水系溶媒を用いることができる。
この水系溶媒としては、例えば、精製水、生理食塩水、又は、トリス緩衝液、リン酸緩衝液若しくはリン酸緩衝生理食塩水などの各種緩衝液等を挙げることができる。
この緩衝液のpHについては、適宜適当なpHを選択して用いればよく、特に制限はないものの、通常は、pH3〜12の範囲内のpHを選択して用いることが一般的である。
また、前記の免疫学的測定試薬には、前記の抗SCCA2抗体などの抗体を固相担体に固相化した「固相化抗体」、及び/又は前記の抗SCCA2抗体などの抗体と酵素などの標識物質を結合させた「標識抗体」等の試薬成分の他に、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒト血清アルブミン(HSA)、卵白アルブミン、カゼイン、ゼラチン若しくはその塩などのタンパク質;各種塩類;各種糖類;脱脂粉乳;正常ウサギ血清などの各種動物血清;アジ化ナトリウム若しくは抗生物質などの各種防腐剤;活性化物質;反応促進物質;ポリエチレングリコールなどの感度増加物質;非特異的反応抑制物質;又は、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤もしくは陰イオン性界面活性剤などの各種界面活性剤等の1種又は2種以上を適宜含有させてもよい。
そして、これらを測定試薬に含有させる際の濃度は特に限定されるものではないが、0.001〜10%(W/V)が好ましく、特に0.01〜5%(W/V)が好ましい。
〔4〕生体試料中のSCCA2濃度
1.測定したSCCA2濃度
本発明は、前記〔3〕に記載した測定した生体試料中のSCCA2の濃度より、アレルギー疾患の検査を行う方法である。
また、本発明においては、生体試料中のSCCA2濃度を測定することにより、アレルギー疾患の罹患と非罹患とを区別することができる。
更に、本発明においては、生体試料中のSCCA2濃度を測定することにより、アレルギー疾患の罹患と、癌の罹患とを区別することができる。
本発明においては、生体試料中のSCCA2濃度を測定することにより、アレルギー疾患の重症度を区別することができる。
本発明においては、測定したSCCA2濃度を、対照となるSCCA2濃度と、比較することが好ましい。
この場合、アレルギー疾患の非罹患者(アレルギー疾患非罹患者)のSCCA2濃度を、対照となるSCCA2濃度とすることが好ましい。
この場合、単一のアレルギー疾患非罹患者のSCCA2濃度を、対照となるSCCA2濃度としてもよい。
しかし、一定数以上のアレルギー疾患非罹患者について、その生体試料のSCCA2濃度を測定し、このSCCA2濃度を複数求め、これにより得られた一定数以上のアレルギー疾患非罹患者のSCCA2濃度の平均値等を、対照となるSCCA2濃度とすることが好ましい。
なお、この対照となるSCCA2濃度とする、アレルギー疾患非罹患者のSCCA2濃度を求めるのは、アレルギー疾患の検査のために、生体試料中のSCCA2濃度を測定し、これらの濃度を求める際に、同時に行ってもよい。
また、この対照となるSCCA2濃度とする、アレルギー疾患非罹患者のSCCA2濃度を、予め求めておき、アレルギー疾患の検査のために、生体試料中のSCCA2濃度を測定し、これらの濃度を求める毎に、前記の対照となる濃度を使用してもよい。
また、癌の罹患者(癌罹患者)のSCCA2濃度を、対照となるSCCA2濃度の濃度とすることも好ましい。
この場合、単一の癌罹患者のSCCA2濃度を、対照となるSCCA2濃度としてもよい。
しかし、一定数以上の癌罹患者について、その生体試料中のSCCA2濃度を測定し、このSCCA2濃度を複数求め、これにより得られた一定数以上の癌罹患者のSCCA2濃度の平均値等を、対照となるSCCA2濃度とすることが好ましい。
なお、この対照となるSCCA2濃度とする、癌罹患者のSCCA2濃度を求めるのは、アレルギー疾患の検査のために、生体試料中のSCCA2濃度を測定し、これらの濃度を求める際に、同時に行ってもよい。
また、この対照となるSCCA2濃度とする、癌罹患者のSCCA2濃度を、予め求めておき、アレルギー疾患の検査のために、生体試料中のSCCA2濃度を測定し、これらの濃度を求める毎に、前記の対照となる濃度を使用してもよい。
あるいは、アレルギー疾患の非罹患者(アレルギー疾患非罹患者)及び癌の罹患者(癌罹患者)のSCCA2濃度を、対照となるSCCA2濃度とすることも好ましい。
この場合、単一のアレルギー疾患非罹患者及び単一の癌罹患者のSCCA2濃度を、対照となるSCCA2濃度としてもよい。
しかし、一定数以上のアレルギー疾患非罹患者及び一定数以上の癌罹患者について、その生体試料のSCCA2濃度を測定し、このSCCA2濃度を複数求め、これにより得られた一定数以上のアレルギー疾患非罹患者及び一定数以上の癌罹患者のSCCA2濃度の平均値等を、対照となるSCCA2濃度とすることが好ましい。
なお、この対照となるSCCA2濃度とする、アレルギー疾患非罹患者及び癌罹患者のSCCA2濃度を求めるのは、アレルギー疾患の検査のために、生体試料中のSCCA2濃度を測定し、これらの濃度を求める際に、同時に行ってもよい。
また、この対照となるSCCA2濃度とする、アレルギー疾患非罹患者及び癌罹患者のSCCA2濃度を、予め求めておき、アレルギー疾患の検査のために、生体試料中のSCCA2濃度を測定し、これらの濃度を求める毎に、前記の対照となる濃度を使用してもよい。
また、異なる重症度のアレルギー疾患罹患者のSCCA2濃度を、対照となるSCCA2濃度の濃度とすることも好ましい。
この場合、単一の、異なる重症度のアレルギー疾患罹患者のSCCA2濃度を、対照となるSCCA2濃度としてもよい。
しかし、一定数以上の、異なる重症度のアレルギー疾患罹患者について、その生体試料中のSCCA2濃度を測定し、このSCCA2濃度を複数求め、これにより得られた一定数以上の、異なる重症度のアレルギー疾患罹患者のSCCA2濃度の平均値等を、対照となるSCCA2濃度とすることが好ましい。
なお、この対照となるSCCA2濃度とする、異なる重症度のアレルギー疾患罹患者のSCCA2濃度を求めるのは、アレルギー疾患の検査のために、生体試料中のSCCA2濃度を測定し、これらの濃度を求める際に、同時に行ってもよい。
また、この対照となるSCCA2濃度とする、異なる重症度のアレルギー疾患罹患者のSCCA2濃度を、予め求めておき、アレルギー疾患の検査のために、生体試料中のSCCA2濃度を測定し、これらの濃度を求める毎に、前記の対照となる濃度を使用してもよい。
生体試料を測定して得たSCCA2濃度を、対照となるSCCA2濃度と比較する場合、この対照となるSCCA2濃度が、アレルギー疾患非罹患者のSCCA2濃度、癌罹患者のSCCA2濃度、又はアレルギー疾患非罹患者及び癌罹患者のSCCA2濃度である場合には、測定して得たSCCA2濃度を、前記の対照となるSCCA2濃度と比較し、測定して得たSCCA2濃度が、対照となるSCCA2濃度よりも高い場合には、アレルギー疾患であるとする。
また、測定して得たSCCA2濃度が、対照となるSCCA2濃度と同じ又は低い場合には、アレルギー疾患ではない(アレルギー疾患に非罹患)とする。
これにより、本発明においては、アレルギー疾患の罹患と非罹患とを明確に区別することができ、かつアレルギー疾患の罹患と癌の罹患とを明確に区別することができる。
従って、本発明により、アレルギー疾患を検査することができる。
また、生体試料を測定して得たSCCA2濃度を、対照となるSCCA2濃度と比較する場合、この対照となるSCCA2濃度が、異なる重症度のアレルギー疾患罹患者のSCCA2濃度である場合には、次の通りとする。
すなわち、測定して得たSCCA2濃度を、前記の対照となるSCCA2濃度と比較し、測定して得たSCCA2濃度が、対照となるSCCA2濃度よりも高い場合には、対照としたSCCA2濃度の重症度よりも重症であるとする。
また、測定して得たSCCA2濃度が、対照となるSCCA2濃度と同程度である場合には、対照としたSCCA2濃度の重症度と同じ重症度であるとする。
更に、測定して得たSCCA2濃度が、対照となるSCCA2濃度よりも低い場合には、対照としたSCCA2濃度の重症度よりも軽症であるとする。
これにより、本発明においては、アレルギー疾患の重症度を区別することができる。
従って、本発明により、アレルギー疾患を検査することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に詳述するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
〔抗体のSCCA1、SCCA2との結合性の確認〕
SCCA1に特異的に結合することができる抗SCCA1抗体、SCCA2に特異的に結合することができる抗SCCA2抗体、並びにSCCA1及びSCCA2に結合する抗体の、SCCA1及びSCCA2それぞれとの結合性を免疫沈降法及びウェスタンブロット法により確認した。
また、抗SCCA1抗体、及び抗SCCA2抗体の、SCCA1及びSCCA2それぞれとの結合性を酵素免疫測定法により確認した。
〔1〕.免疫沈降法及びウェスタンブロット法
1.抗体
(1)抗SCCA1抗体
SCCA1のcDNAを、GEX−KGベクター(Guan KLら,Anal Biochem,1991,Vol.192,p.262−267)に組み込んで、大腸菌BL21にトランスフェクションした。
これをアンピシリン入りLB培地にて培養し、菌体よりグルタチオンセファロース4B(GE Healthcare社、米国)により、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)を付加したSCCA1を精製した。
このGST付加SCCA1を、TiterMax Goldアジュバント(CytRx社、米国)と混合して、Wistarラットの足蹠皮下に投与した(50μg/ラット)。
2週間〜2ヵ月後、同じ抗原を足蹠皮下に投与し、3日後に、鼠径、膝窩、及び腸骨リンパ節よりリンパ球を調製し、Sp2/Oミエローマ細胞とポリエチレングリコール法にて細胞融合した。
抗体産生ハイブリドーマクローンのスクリーニングは、固相化抗体としてSCCA1及びSCCA2に結合する抗体(ポリクローナル抗体)を用い、抗原についてはSCCA1抗原として293T/SCCA1細胞株の培養上清を用い(又はSCCA2抗原として293T/SCCA2細胞株の培養上清を用い)、そして検出抗体としてこの抗体産生ハイブリドーマの培養上清を用いた酵素免疫測定法(ELISA)により行った。
SCIDマウスの腹腔内にハイブリドーマを投与して、貯留した腹水を採取し、腹水よりプロテインGセファロース(GE Healthcare社、米国)を用いて抗体(クラス:IgG)を精製した。
SCCA1に結合し、SCCA2には結合しないモノクローナル抗体を産生する細胞株(クローン)であったSS11G細胞株を、SCCA1に特異的に結合する抗体である抗SCCA1抗体の産生細胞株として選択した。
そして、以後、このSS11G細胞株が産生するモノクローナル抗体を、抗SCCA1抗体として用いた。
(2)抗SCCA2抗体
SCCA2のcDNAを、GEX−KGベクター(Guan KLら,Anal Biochem,1991,Vol.192,p.262−267)に組み込んで、大腸菌BL21にトランスフェクションした。
これをアンピシリン入りLB培地にて培養し、菌体よりグルタチオンセファロース4B(GE Healthcare社、米国)により、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)を付加したSCCA2を精製した。
このGST付加SCCA2を、TiterMax Goldアジュバント(CytRx社、米国)と混合して、Wistarラットの足蹠皮下に投与(50μg/ラット)する以外は、前記(1)の記載の通りに行い、SCCA2に結合し、SCCA1には結合しないモノクローナル抗体を産生する細胞株(クローン)であったSS8G細胞株を、SCCA2に特異的に結合する抗体である抗SCCA2抗体の産生細胞株として選択した。
そして、以後、このSS8G細胞株が産生するモノクローナル抗体を、抗SCCA2抗体として用いた。
(3)SCCA1及びSCCA2に結合する抗体
SCCA2のcDNAを、GEX−KGベクター(Guan KLら,Anal Biochem,1991,Vol.192,p.262−267)に組み込んで、大腸菌BL21にトランスフェクションした。
これをアンピシリン入りLB培地にて培養し、菌体よりグルタチオンセファロース4B(GE Healthcare社、米国)により、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)を付加したSCCA2を精製した。
このGST付加SCCA2を、TiterMax Goldアジュバント(CytRx社、米国)と混合して、Wistarラットの足蹠皮下に投与(50μg/ラット)する以外は、前記(1)の記載の通りに行い、SCCA1に結合し、かつSCCA2にも結合するモノクローナル抗体を産生する細胞株(クローン)であったSS14B細胞株を、SCCA1及びSCCA2に結合する抗体の産生細胞株として選択した。
そして、以後、このSS14B細胞株が産生するモノクローナル抗体を、SCCA1及びSCCA2に結合する抗体として用いた。
2.SCCA1、SCCA2
(1)SCCA1
SCCA1のcDNAを、pIRESpuro3ベクター(Clontech社、米国)に組み込んで、HEK293T細胞にトランスフェクションした後、puromycin耐性株を選択して、SCCA1の安定発現細胞株(293T/SCCA1)を樹立した。
この293T/SCCA1細胞株の培養上清には、Hisタグを付加したSCCA1が含まれる。
(2)SCCA2
SCCA2のcDNAを、pIRESpuro3ベクター(clontech社、米国)に組み込んで、HEK293T細胞にトランスフェクションした後、puromycin耐性株を選択して、SCCA2の安定発現細胞株(293T/SCCA2)を樹立した。
この293T/SCCA2細胞株の培養上清には、Hisタグを付加したSCCA2が含まれる。
3.免疫沈降法及びウェスタンブロット法
(1)抗SCCA1抗体
(a) 前記1の(1)の抗SCCA1抗体の産生細胞株(SS11G細胞株)の培養上清(抗SCCA1抗体を含む)の1mLと、予め4℃で1時間反応させたプロテインGセファロースビーズの20μLを、前記2の(1)の293T/SCCA1細胞株の培養上清(SCCA1を含む)の1mLと混合し、4℃で1時間静置し、免疫沈降法を行った。
次に、一次抗体として、SCCA1及びSCCA2に結合する抗体(ポリクローナル抗体)を用いて、常法によりウェスタンブロット法を行った。
(b) また、前記293T/SCCA1細胞株の培養上清(SCCA1を含む)に代えて、前記2の(2)の293T/SCCA2細胞株の培養上清(SCCA2を含む)を用いる以外は、前記(a)の記載の通りに行い、ウェスタンブロット法を行った。
(c) 前記(a)及び(b)の免疫沈降法及びウェスタンブロット法の結果、すなわち、前記の抗SCCA1抗体(SS11G細胞株)のSCCA1及びSCCA2それぞれとの結合性を確認した結果(写真)を、図1に示した。
なお、この図において、上段はSCCA1との結合性を示し、下段はSCCA2との結合性を示す。
(2)抗SCCA2抗体
前記の抗SCCA1抗体の産生細胞株(SS11G細胞株)の培養上清(抗SCCA1抗体を含む)に代え、前記1の(2)の抗SCCA2抗体の産生細胞株(SS8G細胞株)の培養上清(抗SCCA2抗体を含む)を用いる以外は、前記(1)の記載の通りに行い、免疫沈降法及びウェスタンブロット法を行った。
この免疫沈降法及びウェスタンブロット法の結果、すなわち、前記の抗SCCA2抗体(SS8G細胞株)のSCCA1及びSCCA2それぞれとの結合性を確認した結果(写真)についても、図1に示した。
なお、この図において、上段はSCCA1との結合性を示し、下段はSCCA2との結合性を示す。
(3)SCCA1及びSCCA2に結合する抗体
前記の抗SCCA1抗体の前記産生細胞株(SS11G細胞株)の培養上清(抗SCCA1抗体を含む)に代え、前記1の(3)のSCCA1及びSCCA2に結合する抗体の産生細胞株(SS14B細胞株)の培養上清(SCCA1及びSCCA2に結合する抗体を含む)を用いる以外は、前記(1)の記載の通りに行い、免疫沈降法及びウェスタンブロット法を行った。
この免疫沈降法及びウェスタンブロット法の結果、すなわち、前記のSCCA1及びSCCA2に結合する抗体(SS14B細胞株)のSCCA1及びSCCA2それぞれとの結合性を確認した結果(写真)についても、図1に示した。(この図において、この抗体を「抗SCCA1/2共通抗体」と表した。)
なお、この図において、上段はSCCA1との結合性を示し、下段はSCCA2との結合性を示す。
4.まとめ
(1) 前記の免疫沈降法及びウェスタンブロット法の結果である図1より、抗SCCA1抗体(SS11G細胞株)は、SCCA1には結合するものの、SCCA2には結合しないことが分かる。
よって、この抗SCCA1抗体は、SCCA1に特異的に結合する抗体であることが、この免疫沈降法及びウェスタンブロット法により確かめられた。
(2) また、この図1より、抗SCCA2抗体(SS8G細胞株)は、SCCA2には結合するものの、SCCA1には結合しないことが分かる。
よって、この抗SCCA2抗体は、SCCA2に特異的に結合する抗体であることが、この免疫沈降法及びウェスタンブロット法により確かめられた。
(3) また、この図1より、SCCA1及びSCCA2に結合する抗体(SS14B細胞株)は、SCCA1に結合し、かつSCCA2にも結合することが分かる。
よって、このSCCA1及びSCCA2に結合する抗体は、SCCA1及びSCCA2に結合する抗体であることが、この免疫沈降法及びウェスタンブロット法により確かめられた。
〔2〕.酵素免疫測定法
1.測定試薬
(1)抗SCCA1・SCCA2抗体固相化マイクロプレート
前記〔1〕の1の(3)の抗体産生細胞株〔SS14B細胞株〕の培養上清に含まれるSCCA1及びSCCA2に結合する抗体(モノクローナル抗体)をプロティンSを用いて精製し、これをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)でその濃度が2μg/mLとなるように希釈した。
次に、これを、マイクロプレート(マイクロタイタープレート)〔Nunc社、商品名:Maxisorp〕の各ウェルに100μLずつ分注し、25℃で一晩静置し、前記のSCCA1及びSCCA2に結合する抗体をマイクロプレートのウェルに固相化した。
次に、マイクロプレートのウェル中の液を除去し、0.5%カゼイン及び0.1%アジ化ナトリウムを含むトリス緩衝生理食塩水(TBS)の250μLずつを各ウェルに分注し、室温で3時間静置し、ブロッキング処理を行った。
この後、各ウェルの上をプレートシールで封をし、蒸発しないようにして、使用時まで冷蔵保存した。
これを、抗SCCA1・SCCA2抗体固相化マイクロプレートとした。
(2)ビオチン標識抗SCCA1抗体
前記〔1〕の1の(1)の抗体産生細胞株〔SS11G細胞株〕の培養上清に含まれる抗SCCA1抗体(モノクローナル抗体)を、Sulfo−NHS−LC−Biotin(Pierce社、商品コード番号:21335)を用いてビオチン標識を行った。
これを、ビオチン標識抗SCCA1抗体とした。
(3)ビオチン標識抗SCCA2抗体
前記〔1〕の1の(2)の抗体産生細胞株〔SS8G細胞株〕の培養上清に含まれる抗SCCA2抗体(モノクローナル抗体)を、Sulfo−NHS−LC−Biotin(Pierce社、商品コード番号:21335)を用いてビオチン標識を行った。
これを、ビオチン標識抗SCCA2抗体とした。
(4)ストレプトアビジン−ペルオキシダーゼコンジュゲート
Streptavidin−PolyHRP40(Stereospecific Detection Technologies社、ドイツ、商品コード番号:SP40C)を、0.5%カゼインナトリウム及び100mM塩化ナトリウムを含む50mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)で15,000倍に希釈した。
これを、ストレプトアビジン−ペルオキシダーゼコンジュゲートとした。
(5)洗浄液
0.05%のTween20を含むリン酸緩衝生理食塩水を、洗浄液とした。
(6)希釈液
0.5%カゼインナトリウム、100mM塩化ナトリウム及び0.1%アジ化ナトリウムを含む50mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)を、希釈液とした。
(7)発色液
0.2mMのEDTA・2ナトリウムを含む0.045%の3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン塩酸塩水溶液(pH2.0)を、発色液とした。
(8)基質液
5mM過酸化水素、41mMクエン酸、0.2mMのEDTA・2ナトリウムを含む60mMリン酸二ナトリウム水溶液(pH4.3)を、基質液とした。
(9)発色基質
前記の発色液と基質液を使用前に室温に戻した上で、使用時に等量混合し、発色基質とした。
(10)反応停止液
0.7N硫酸を、反応停止液とした。
2.試料
(1)SCCA1
SCCA1のcDNAを、GEX−KGベクター(Guan KLら,Anal Biochem,1991,Vol.192,p.262−267)に組み込んで、大腸菌BL21にトランスフェクションした。
これをアンピシリン入りLB培地にて培養し、菌体よりグルタチオンセファロース4B(GE Healthcare社、米国)により、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)を付加したSCCA1を精製した。
このGST付加SCCA1について、トロンビンにてGSTを切断し、再度グルタチオンセファロース4Bにより精製し、SCCA1を得た。
これをBradford法〔プロテインアッセイキットII(バイオラッド社)を使用〕にてタンパク質濃度を決定し、この精製標品をSCCA1として用いた。
このSCCA1を、前記1の(6)の希釈液で希釈して、0.00625ng/mL、0.0125ng/mL、0.025ng/mL、0.05ng/mL、0.1ng/mL、及び0.2ng/mLの各濃度のSCCA1溶液を調製した。
なお、前記1の(6)の希釈液を、SCCA1もSCCA2も含まない、SCCA1濃度及びSCCA2濃度が0ng/mLのSCCA1溶液とした。
これにより、濃度が異なる7種類のSCCA1試料を調製した。
(2)SCCA2
SCCA2のcDNAを、GEX−KGベクター(Guan KLら,Anal Biochem,1991,Vol.192,p.262−267)に組み込んで、大腸菌BL21にトランスフェクションした。
これをアンピシリン入りLB培地にて培養し、菌体よりグルタチオンセファロース4B(GE Healthcare社、米国)により、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)を付加したSCCA2を精製した。
このGST付加SCCA2について、トロンビンにてGSTを切断し、再度グルタチオンセファロース4Bにより精製し、SCCA2を得た。
これをBradford法〔プロテインアッセイキットII(バイオラッド社)を使用〕にてタンパク質濃度を決定し、この精製標品をSCCA2として用いた。
このSCCA2を、前記1の(6)の希釈液で希釈して、0.00625ng/mL、0.0125ng/mL、0.025ng/mL、0.05ng/mL、0.1ng/mL、及び0.2ng/mLの各濃度のSCCA2溶液を調製した。
なお、前記1の(6)の希釈液を、SCCA1もSCCA2も含まない、SCCA1濃度及びSCCA2濃度が0ng/mLのSCCA2溶液とした。
これにより、濃度が異なる7種類のSCCA2試料を調製した。
3.測定
(1) 前記1の(1)の抗SCCA1・SCCA2抗体固相化マイクロプレートの各ウェルを、前記1の(5)の洗浄液の250μLで3回洗浄した。
(2) 次に、前記2の(1)の7種類のSCCA1試料それぞれの100μLを各ウェルに分注した後、各ウェルの上をプレートシールで封をし、室温で一晩静置し、抗原抗体反応を行わせた。
(3) 次に、各ウェルを、前記1の(5)の洗浄液の250μLで5回洗浄した。
(4) 次に、前記1の(2)のビオチン標識抗SCCA1抗体を、前記1の(6)の希釈液で20ng/mLとなるように希釈し、この100μLを各ウェルに分注し、室温で90分間静置し、抗原抗体反応を行わせた。
(5) 次に、各ウェルを、前記1の(5)の洗浄液の250μLで5回洗浄した。
(6) 次に、各ウェルに、前記1の(4)のストレプトアビジン−ペルオキシダーゼコンジュゲートを100μL分注し、室温で60分間静置し、「ビオチン−ストレプトアビジン」の結合反応を行わせた。
(7) 次に、各ウェルを、前記1の(5)の洗浄液の250μLで5回洗浄した。
(8) 次に、各ウェルに、前記1の(9)の発色基質を100μL分注し、室温で20分間静置し、標識酵素であるペルオキシダーゼによる発色反応を行わせた。
(9) 次に、各ウェルに、前記1の(10)の反応停止液を100μL分注し、発色反応を停止させた。
(10) 次に、各ウェルの液の吸光度(主波長:450nm、副波長:550nm)を測定し、前記の7種類のSCCA1試料をそれぞれ測定した場合の吸光度を得た。
(11) 前記(2)における7種類のSCCA1試料の代わりに、前記2の(2)の7種類のSCCA2試料を用いる以外は、前記(1)〜(10)の記載の通りに行い、前記の7種類のSCCA2試料をそれぞれ測定した場合の吸光度を得た。
(12) 前記(4)におけるビオチン標識抗SCCA1抗体の代わりに、前記1の(3)のビオチン標識抗SCCA2抗体を用いる以外は、前記(1)〜(11)の記載の通りに行い、前記の7種類のSCCA1試料及び前記の7種類のSCCA2試料をそれぞれ測定した場合の吸光度を得た。
4.測定結果
(1) 前記3の(4)でビオチン標識抗SCCA1抗体を用い、前記の7種類のSCCA1試料及び前記の7種類のSCCA2試料をそれぞれ測定した場合の吸光度を、図2に示した。
この図において、横軸はSCCA1試料中のSCCA1濃度(ng/mL)又はSCCA2試料中のSCCA2濃度(ng/mL)を示し、縦軸は測定により得られた吸光度を示す。
また、この図において、「◆」は試料がSCCA1試料であるときの測定値(吸光度)を示し、「■」は試料がSCCA2試料であるときの測定値(吸光度)を示す。
(2) また、前記3の(4)でビオチン標識抗SCCA2抗体を用い、前記の7種類のSCCA1試料及び前記の7種類のSCCA2試料をそれぞれ測定した場合の吸光度を、図3に示した。
この図において、横軸はSCCA1試料中のSCCA1濃度(ng/mL)又はSCCA2試料中のSCCA2濃度(ng/mL)を示し、縦軸は測定により得られた吸光度を示す。
また、この図において、「◆」は試料がSCCA1試料であるときの測定値(吸光度)を示し、「■」は試料がSCCA2試料であるときの測定値(吸光度)を示す。
5.まとめ
(1) 前記の酵素免疫測定法の結果である図2より、前記3の(4)でビオチン標識抗SCCA1抗体を用いた場合、すなわち、抗SCCA1抗体(SS11G細胞株)を用いた場合には、SCCA1試料では試料中のSCCA1の濃度に応じて得られる吸光度が増加するのに対して、SCCA2試料では試料中のSCCA2の濃度がいずれの濃度であっても吸光度はほとんど得られていないことが分かる。
つまり、抗SCCA1抗体(SS11G細胞株)は、SCCA1には結合するものの、SCCA2には結合しないことが分かる。
よって、この抗SCCA1抗体は、SCCA1に特異的に結合する抗体であること、及びこの抗SCCA1抗体を用いることにより生体試料中のSCCA1を定量的かつ精確に測定することができることが、この酵素免疫測定法の結果から確かめられた。
(2) また、前記の酵素免疫測定法の結果である図3より、前記3の(4)でビオチン標識抗SCCA2抗体を用いた場合、すなわち、抗SCCA2抗体(SS8G細胞株)を用いた場合には、SCCA1試料では試料中のSCCA1の濃度がいずれの濃度であっても吸光度はほとんど得られていないのに対して、SCCA2試料では試料中のSCCA2の濃度に応じて得られる吸光度が増加していることがわかる。
つまり、抗SCCA2抗体(SS8G細胞株)は、SCCA2には結合するものの、SCCA1には結合しないことが分かる。
よって、この抗SCCA2抗体は、SCCA2に特異的に結合する抗体であること、及びこの抗SCCA2抗体を用いることにより生体試料中のSCCA2を定量的かつ精確に測定することが、この酵素免疫測定法の結果から確かめられた。
〔アレルギー疾患の検査方法としての適性の確認−1〕
アレルギー疾患の罹患者、非罹患者それぞれの生体試料中のSCCA1濃度、SCCA2濃度を測定し、アレルギー疾患の検査方法としての適性を確かめた。
1.測定試薬
(1)抗SCCA1・SCCA2抗体固相化マイクロプレート
前記実施例1の〔2〕の1の(1)の抗SCCA1・SCCA2抗体固相化マイクロプレートを用いた。
(2)ビオチン標識抗SCCA1抗体
前記実施例1の〔2〕の1の(2)のビオチン標識抗SCCA1抗体を用いた。
(3)ビオチン標識抗SCCA2抗体
前記実施例1の〔2〕の1の(3)のビオチン標識抗SCCA2抗体を用いた。
(4)ストレプトアビジン−ペルオキシダーゼコンジュゲート
前記実施例1の〔2〕の1の(4)のストレプトアビジン−ペルオキシダーゼコンジュゲートを用いた。
(5)洗浄液
前記実施例1の〔2〕の1の(5)の洗浄液を用いた。
(6)希釈液
前記実施例1の〔2〕の1の(6)の希釈液を用いた。
(7)発色基質
前記実施例1の〔2〕の1の(9)の発色基質を用いた。
(8)反応停止液
前記実施例1の〔2〕の1の(10)の反応停止液を用いた。
2.試料
(1)アレルギー疾患試料
アレルギー疾患(アトピー性皮膚炎及び食物アレルギーの合併)に罹患している72名(生後2ヵ月〜8歳)の計188の血清検体をアレルギー疾患試料とした。
(2)非アレルギー疾患試料
アレルギー疾患に罹患していないことが確認されている49名(1歳〜10歳)の計49の血清検体を非アレルギー疾患試料とした。
3.測定
(1) 前記1の(1)の抗SCCA1・SCCA2抗体固相化マイクロプレートの各ウェルを、前記1の(5)の洗浄液の250μLで3回洗浄した。
(2) 次に、前記2の(1)の計188のアレルギー疾患試料それぞれを前記1の(6)の希釈液でSCCA1濃度が0.2ng/mL以内となるように希釈し、そして、これらの100μLを各ウェルに分注した後、各ウェルの上をプレートシールで封をし、室温で一晩静置し、抗原抗体反応を行わせた。
(3) 次に、各ウェルを、前記1の(5)の洗浄液の250μLで5回洗浄した。
(4) 次に、前記1の(2)のビオチン標識抗SCCA1抗体を、前記1の(6)の希釈液で20ng/mLとなるように希釈し、この100μLを各ウェルに分注し、室温で90分間静置し、抗原抗体反応を行わせた。
(5) 次に、各ウェルを、前記1の(5)の洗浄液の250μLで5回洗浄した。
(6) 次に、各ウェルに、前記1の(4)のストレプトアビジン−ペルオキシダーゼコンジュゲートを100μL分注し、室温で60分間静置し、「ビオチン−ストレプトアビジン」の結合反応を行わせた。
(7) 次に、各ウェルを、前記1の(5)の洗浄液の250μLで5回洗浄した。
(8) 次に、各ウェルに、前記1の(7)の発色基質を100μL分注し、室温で20分間静置し、標識酵素であるペルオキシダーゼによる発色反応を行わせた。
(9) 次に、各ウェルに、前記1の(8)の反応停止液を100μL分注し、発色反応を停止させた。
(10) 次に、各ウェルの液の吸光度(主波長:450nm、副波長:550nm)を測定し、前記の計188のアレルギー疾患試料をそれぞれ測定した場合の吸光度を得た。
(11) 次に、前記の測定により得られた吸光度から、前記の計188のアレルギー疾患試料中のSCCA1の濃度を求めた。
なお、この各生体試料中のSCCA1の濃度は、前記の測定により得られた吸光度と、前記実施例1の〔2〕の2の(1)のSCCA1の濃度が既知であるSCCA1の精製標品を測定して得た吸光度とを対比して算出することにより得た。
(12) 前記(2)における計188のアレルギー疾患試料の代わりに、前記2の(2)の計49の非アレルギー疾患試料を用いる以外は、前記(1)〜(11)の記載の通りに行い、前記の計49の非アレルギー疾患試料中のSCCA1の濃度を得た。
(13) 前記(2)においてSCCA2濃度が2ng/mL以内となるように生体試料を希釈すること、前記(4)におけるビオチン標識抗SCCA1抗体の代わりに、前記1の(3)のビオチン標識抗SCCA2抗体を用いること、及び前記(11)のSCCA1の濃度が既知であるSCCA1の精製標品の代わりに、前記実施例1の〔2〕の2の(2)のSCCA2の濃度が既知であるSCCA2の精製標品を用いること以外は、前記(1)〜(12)の記載の通りに行い、前記の計188のアレルギー疾患試料中のSCCA2の濃度、及び前記の計49の非アレルギー疾患試料中のSCCA2の濃度を得た。
4.測定結果
(1) 前記の計188のアレルギー疾患試料のそれぞれについて、前記3の測定で得たSCCA1の濃度〔ng/ml(ng/mL)〕を横軸に、SCCA2の濃度〔ng/ml(ng/mL)〕を縦軸に取ってプロットしたグラフを図4の(A)に示した。
なお、このグラフにおいて、xをSCCA1の濃度とし、yをSCCA2の濃度としたときの回帰式はy=2.12x−1.54であり、相関係数Rは0.98であった。
(2) また、前記の計49のアレルギー疾患試料のそれぞれについて、前記3の測定で得たSCCA1の濃度〔ng/ml(ng/mL)〕を横軸に、SCCA2の濃度〔ng/ml(ng/mL)〕を縦軸に取ってプロットしたグラフを図4の(B)に示した。
なお、このグラフにおいて、xをSCCA1の濃度とし、yをSCCA2の濃度としたときの回帰式はy=0.89x−0.08であり、相関係数Rは0.87であった。
5.まとめ
(1) 前記の図4の(A)より、アレルギー疾患試料、すなわちアレルギー疾患の罹患においては、生体試料中のSCCA2の濃度が、SCCA1の濃度のおよそ2倍以上となっていることが分かる。
すなわち、同一のアレルギー疾患試料を測定しても、SCCA1の濃度を測定するよりも、SCCA2の濃度を測定する方が、より高い測定値(シグナル)を得ることができることが分かる。
このことより、SCCA1の濃度を測定するよりも、SCCA2の濃度を測定する方が、測定の感度が高く、測定の正確性及び精密性において有利であり、アレルギー疾患の検査に適していることが確かめられた。
なお、この図4の(A)グラフの回帰式の相関係数Rが0.98であり、この測定結果が非常に精確なものであることが分かる。
(2) また、前記の図4の(B)より、非アレルギー疾患試料、すなわちアレルギー疾患に罹患していない非罹患においては、生体試料中のSCCA2の濃度は、概してSCCA1の濃度以下となっていることが分かる。
すなわち、同一の非アレルギー疾患試料を測定しても、SCCA1の濃度を測定するよりも、SCCA2の濃度を測定する方が、より低い測定値(シグナル)を得ることができることが分かる。
このことより、SCCA1の濃度を測定するよりも、SCCA2の濃度を測定する方が、アレルギー疾患の非罹患を反映したより低い測定値(シグナル)を得ることができ、高い測定値となるアレルギー疾患の罹患の測定値との差をより広げ、差異を明確にすることができるので、この点においても有利であり、アレルギー疾患の検査に適していることが確かめられた。
なお、この図4の(B)グラフの回帰式の相関係数Rが0.87であり、この測定結果が精確なものであることが分かる。
〔アレルギー疾患の検査方法としての適性の確認−2〕
アレルギー疾患の罹患者、非罹患者、癌罹患者それぞれの生体試料中のSCCA1濃度、SCCA2濃度を測定し、アレルギー疾患の検査方法としての適性を確認した。
1.試薬等
(1)抗SCCA1・SCCA2抗体固相化マイクロプレート
前記実施例1の〔2〕の1の(1)の抗SCCA1・SCCA2抗体固相化マイクロプレートを用いた。
(2)ビオチン標識抗SCCA1抗体
前記実施例1の〔2〕の1の(2)のビオチン標識抗SCCA1抗体を用いた。
(3)ビオチン標識抗SCCA2抗体
前記実施例1の〔2〕の1の(3)のビオチン標識抗SCCA2抗体を用いた。
(4)ストレプトアビジン−ペルオキシダーゼコンジュゲート
前記実施例1の〔2〕の1の(4)のストレプトアビジン−ペルオキシダーゼコンジュゲートを用いた。
(5)洗浄液
前記実施例1の〔2〕の1の(5)の洗浄液を用いた。
(6)希釈液
前記実施例1の〔2〕の1の(6)の希釈液を用いた。
(7)発色基質
前記実施例1の〔2〕の1の(9)の発色基質を用いた。
(8)反応停止液
前記実施例1の〔2〕の1の(10)の反応停止液を用いた。
2.試料
(1)アレルギー疾患試料
アレルギー疾患(アトピー性皮膚炎及び食物アレルギーの合併)に罹患している72名(生後2ヵ月〜8歳)の計188の血清検体をアレルギー疾患試料とした。
(2)非アレルギー疾患試料
アレルギー疾患に罹患していないことが確認されている49名(1歳〜10歳)の計49の血清検体を非アレルギー疾患試料とした。
(3)癌罹患試料
癌(子宮頸癌)に罹患している194名の計194の血清検体を癌罹患試料とした。
3.測定
(1) 前記1の(1)の抗SCCA1・SCCA2抗体固相化マイクロプレートの各ウェルを、前記1の(5)の洗浄液の250μLで3回洗浄した。
(2) 次に、前記2の(1)の計188のアレルギー疾患試料それぞれを前記1の(6)の希釈液でSCCA1濃度が0.2ng/mL以内となるように希釈し、そして、これらの100μLを各ウェルに分注した後、各ウェルの上をプレートシールで封をし、室温で一晩静置し、抗原抗体反応を行わせた。
(3) 次に、各ウェルを、前記1の(5)の洗浄液の250μLで5回洗浄した。
(4) 次に、前記1の(2)のビオチン標識抗SCCA1抗体を、前記1の(6)の希釈液で20ng/mLとなるように希釈し、この100μLを各ウェルに分注し、室温で90分間静置し、抗原抗体反応を行わせた。
(5) 次に、各ウェルを、前記1の(5)の洗浄液の250μLで5回洗浄した。
(6) 次に、各ウェルに、前記1の(4)のストレプトアビジン−ペルオキシダーゼコンジュゲートを100μL分注し、室温で60分間静置し、「ビオチン−ストレプトアビジン」の結合反応を行わせた。
(7) 次に、各ウェルを、前記1の(5)の洗浄液の250μLで5回洗浄した。
(8) 次に、各ウェルに、前記1の(7)の発色基質を100μL分注し、室温で20分間静置し、標識酵素であるペルオキシダーゼによる発色反応を行わせた。
(9) 次に、各ウェルに、前記1の(8)の反応停止液を100μL分注し、発色反応を停止させた。
(10) 次に、各ウェルの液の吸光度(主波長:450nm、副波長:550nm)を測定し、前記の計188のアレルギー疾患試料をそれぞれ測定した場合の吸光度を得た。
(11) 次に、前記の測定により得られた吸光度から、前記の計188のアレルギー疾患試料中のSCCA1の濃度を求めた。
なお、この各生体試料中のSCCA1の濃度は、前記の測定により得られた吸光度と、前記実施例1の〔2〕の2の(1)のSCCA1の濃度が既知であるSCCA1の精製標品を測定して得た吸光度とを対比して算出することにより得た。
(12) 前記(2)における計188のアレルギー疾患試料の代わりに、前記2の(2)の計49の非アレルギー疾患試料を用いる以外は、前記(1)〜(11)の記載の通りに行い、前記の計49の非アレルギー疾患試料中のSCCA1の濃度を得た。
(13) 前記(2)における計188のアレルギー疾患試料の代わりに、前記2の(3)の計194の癌罹患試料を用いる以外は、前記(1)〜(11)の記載の通りに行い、前記の計194の癌罹患試料中のSCCA1の濃度を得た。
(14) 前記(2)においてSCCA2濃度が2ng/mL以内となるように生体試料を希釈すること、前記(4)におけるビオチン標識抗SCCA1抗体の代わりに、前記1の(3)のビオチン標識抗SCCA2抗体を用いること、及び前記(11)のSCCA1の濃度が既知であるSCCA1の精製標品の代わりに、前記実施例1の〔2〕の2の(2)のSCCA2の濃度が既知であるSCCA2の精製標品を用いること以外は、前記(1)〜(13)の記載の通りに行い、前記の計188のアレルギー疾患試料中のSCCA2の濃度、前記の計49の非アレルギー疾患試料中のSCCA2の濃度、及び前記の計194の癌罹患試料中のSCCA2の濃度を得た。
4.測定結果
(1) 前記の計188のアレルギー疾患試料、前記の計49の非アレルギー疾患試料、及び前記の計194の癌罹患試料のそれぞれについて、前記3の測定で得たSCCA1の濃度の範囲を、各疾患毎にまとめて、図5の(A)に示した。
この図において、横軸はアレルギー疾患試料、非アレルギー疾患試料、及び癌罹患試料の別を示し、縦軸は測定により得たSCCA1の濃度〔ng/ml(ng/mL)〕を示す。
(2) また、前記の計188のアレルギー疾患試料、前記の計49の非アレルギー疾患試料、及び前記の計194の癌罹患試料のそれぞれについて、前記3の測定で得たSCCA2の濃度の範囲を、各疾患毎にまとめて、図5の(B)に示した。
この図において、横軸はアレルギー疾患試料、非アレルギー疾患試料、及び癌罹患試料の別を示し、縦軸は測定により得たSCCA2の濃度〔ng/ml(ng/mL)〕を示す。
5.まとめ
(1) 前記の図5の(A)及び(B)より、生体試料中のSCCA1濃度において、アレルギー疾患におけるSCCA1濃度の範囲は、非アレルギー疾患におけるSCCA1濃度の範囲とはその相違は明らかである。
しかし、癌罹患におけるSCCA1濃度の範囲とは、その相違は明確ではないことが分かる。
これに対し、生体試料中のSCCA2濃度において、アレルギー疾患におけるSCCA2濃度の範囲は、非アレルギー疾患におけるSCCA2濃度の範囲とはその相違は明らかであり、癌罹患におけるSCCA2濃度の範囲ともその相違は明らかである。
すなわち、SCCA1の濃度を測定するよりも、SCCA2の濃度を測定する方が、アレルギー疾患の罹患と癌の罹患とをより明確に区別することができる点で、アレルギー疾患の検査方法として優れていることが確かめられた。
(2) また、前記の図5の(A)及び(B)より、アレルギー疾患におけるSCCA1濃度の範囲に比べ、アレルギー疾患におけるSCCA2濃度の範囲は、およそ2倍高く拡がっていることが分かる。
このことからも、SCCA1の濃度を測定するよりも、SCCA2の濃度を測定する方が、測定の感度が高く、測定の正確性及び精密性において有利であり、アレルギー疾患の検査に適していることが分かる。
〔アレルギー疾患の検査方法としての適性の確認−3〕
異なる重症度のアレルギー疾患の罹患者、アレルギー疾患の非罹患者それぞれの生体試料中のSCCA1濃度、SCCA2濃度を測定し、アレルギー疾患の検査方法としての適性を確認した。
1.試薬等
(1)抗SCCA1・SCCA2抗体固相化マイクロプレート
前記実施例1の〔2〕の1の(1)の抗SCCA1・SCCA2抗体固相化マイクロプレートを用いた。
(2)ビオチン標識抗SCCA1抗体
前記実施例1の〔2〕の1の(2)のビオチン標識抗SCCA1抗体を用いた。
(3)ビオチン標識抗SCCA2抗体
前記実施例1の〔2〕の1の(3)のビオチン標識抗SCCA2抗体を用いた。
(4)ストレプトアビジン−ペルオキシダーゼコンジュゲート
前記実施例1の〔2〕の1の(4)のストレプトアビジン−ペルオキシダーゼコンジュゲートを用いた。
(5)洗浄液
前記実施例1の〔2〕の1の(5)の洗浄液を用いた。
(6)希釈液
前記実施例1の〔2〕の1の(6)の希釈液を用いた。
(7)発色基質
前記実施例1の〔2〕の1の(9)の発色基質を用いた。
(8)反応停止液
前記実施例1の〔2〕の1の(10)の反応停止液を用いた。
2.試料
(1)非アレルギー疾患試料
アレルギー疾患に罹患していないことが確認されている計77の血清検体を非アレルギー疾患試料とした。
(2)アレルギー疾患試料〔軽症〕
アレルギー疾患(アトピー性皮膚炎及び食物アレルギーの合併)に罹患していて軽症である計49の血清検体をアレルギー疾患試料〔軽症〕とした。
(3)アレルギー疾患試料〔中等症〕
アレルギー疾患(アトピー性皮膚炎及び食物アレルギーの合併)に罹患していて中等症である計34の血清検体をアレルギー疾患試料〔中等症〕とした。
(4)アレルギー疾患試料〔重症〕
アレルギー疾患(アトピー性皮膚炎及び食物アレルギーの合併)に罹患していて重症である計27の血清検体をアレルギー疾患試料〔重症〕とした。
(5)アレルギー疾患試料〔最重症〕
アレルギー疾患(アトピー性皮膚炎及び食物アレルギーの合併)に罹患していて最重症である計5の血清検体をアレルギー疾患試料〔最重症〕とした。
3.測定
(1) 前記1の(1)の抗SCCA1・SCCA2抗体固相化マイクロプレートの各ウェルを、前記1の(5)の洗浄液の250μLで3回洗浄した。
(2) 次に、前記2の(1)の計77の非アレルギー疾患試料それぞれを前記1の(6)の希釈液ででSCCA1濃度が0.2ng/mL以内となるように希釈し、そして、これらの100μLを各ウェルに分注した後、各ウェルの上をプレートシールで封をし、室温で一晩静置し、抗原抗体反応を行わせた。
(3) 次に、各ウェルを、前記1の(5)の洗浄液の250μLで5回洗浄した。
(4) 次に、前記1の(2)のビオチン標識抗SCCA1抗体を、前記1の(6)の希釈液で20ng/mLとなるように希釈し、この100μLを各ウェルに分注し、室温で90分間静置し、抗原抗体反応を行わせた。
(5) 次に、各ウェルを、前記1の(5)の洗浄液の250μLで5回洗浄した。
(6) 次に、各ウェルに、前記1の(4)のストレプトアビジン−ペルオキシダーゼコンジュゲートを100μL分注し、室温で60分間静置し、「ビオチン−ストレプトアビジン」の結合反応を行わせた。
(7) 次に、各ウェルを、前記1の(5)の洗浄液の250μLで5回洗浄した。
(8) 次に、各ウェルに、前記1の(7)の発色基質を100μL分注し、室温で20分間静置し、標識酵素であるペルオキシダーゼによる発色反応を行わせた。
(9) 次に、各ウェルに、前記1の(8)の反応停止液を100μL分注し、発色反応を停止させた。
(10) 次に、各ウェルの液の吸光度(主波長:450nm、副波長:550nm)を測定し、前記の計77の非アレルギー疾患試料をそれぞれ測定した場合の吸光度を得た。
(11) 次に、前記の測定により得られた吸光度から、前記の計77の非アレルギー疾患試料中のSCCA1の濃度を求めた。
なお、この各生体試料中のSCCA1の濃度は、前記の測定により得られた吸光度と、前記実施例1の〔2〕の2の(1)のSCCA1の濃度が既知であるSCCA1の精製標品を測定して得た吸光度とを対比して算出することにより得た。
(12) 前記(2)における計77の非アレルギー疾患試料の代わりに、前記2の(2)の計49のアレルギー疾患試料〔軽症〕を用いる以外は、前記(1)〜(11)の記載の通りに行い、前記の計49のアレルギー疾患試料〔軽症〕中のSCCA1の濃度を得た。
(13) 前記(2)における計77の非アレルギー疾患試料の代わりに、前記2の(3)の計34のアレルギー疾患試料〔中等症〕を用いる以外は、前記(1)〜(11)の記載の通りに行い、前記の計34のアレルギー疾患試料〔中等症〕中のSCCA1の濃度を得た。
(14) 前記(2)における計77の非アレルギー疾患試料の代わりに、前記2の(4)の計27のアレルギー疾患試料〔重症〕を用いる以外は、前記(1)〜(11)の記載の通りに行い、前記の計27のアレルギー疾患試料〔重症〕中のSCCA1の濃度を得た。
(15) 前記(2)における計77の非アレルギー疾患試料の代わりに、前記2の(5)の計5のアレルギー疾患試料〔最重症〕を用いる以外は、前記(1)〜(11)の記載の通りに行い、前記の計5のアレルギー疾患試料〔最重症〕中のSCCA1の濃度を得た。
(16) 前記(2)においてSCCA2濃度が2ng/mL以内となるように生体試料を希釈すること、前記(4)におけるビオチン標識抗SCCA1抗体の代わりに、前記1の(3)のビオチン標識抗SCCA2抗体を用いること、及び前記(11)のSCCA1の濃度が既知であるSCCA1の精製標品の代わりに、前記実施例1の〔2〕の2の(2)のSCCA2の濃度が既知であるSCCA2の精製標品を用いること以外は、前記(1)〜(15)の記載の通りに行い、前記の計77の非アレルギー疾患試料中のSCCA2の濃度、前記の計49のアレルギー疾患試料〔軽症〕中のSCCA2の濃度、前記の計34のアレルギー疾患試料〔中等症〕中のSCCA2の濃度、前記の計27のアレルギー疾患試料〔重症〕中のSCCA2の濃度、及び前記の計5のアレルギー疾患試料〔最重症〕中のSCCA2の濃度を得た。
4.測定結果
(1) 前記の計77の非アレルギー疾患試料、前記の計49のアレルギー疾患試料〔軽症〕、前記の計34のアレルギー疾患試料〔中等症〕、前記の計27のアレルギー疾患試料〔重症〕、及び前記の計5のアレルギー疾患試料〔最重症〕のそれぞれについて、前記3の測定で得たSCCA1の濃度の範囲を、罹患の有無及び各重症度毎にまとめて、図6の(A)に示した。
この図において、横軸は、非アレルギー疾患試料(「なし」と表示)、アレルギー疾患試料〔軽症〕、アレルギー疾患試料〔中等症〕、アレルギー疾患試料〔重症〕、及びアレルギー疾患試料〔最重症〕の別を示し、縦軸は測定により得たSCCA1の濃度〔ng/ml(ng/mL)〕を示す。
(2) 前記の計77の非アレルギー疾患試料、前記の計49のアレルギー疾患試料〔軽症〕、前記の計34のアレルギー疾患試料〔中等症〕、前記の計27のアレルギー疾患試料〔重症〕、及び前記の計5のアレルギー疾患試料〔最重症〕のそれぞれについて、前記3の測定で得たSCCA2の濃度の範囲を、罹患の有無及び各重症度毎にまとめて、図6の(B)に示した。
この図において、横軸は、非アレルギー疾患試料(「なし」と表示)、アレルギー疾患試料〔軽症〕、アレルギー疾患試料〔中等症〕、アレルギー疾患試料〔重症〕、及びアレルギー疾患試料〔最重症〕の別を示し、縦軸は測定により得たSCCA2の濃度〔ng/ml(ng/mL)〕を示す。
5.まとめ
前記の図6の(A)及び(B)より、アレルギー疾患〔重症〕の範囲とアレルギー疾患〔中等症〕の範囲の重なり度合いは、SCCA2濃度測定の場合よりもSCCA1濃度測定の場合の方が、重なり度が大きいことが分かる。
すなわち、SCCA1の濃度を測定するよりも、SCCA2の濃度を測定する方が、アレルギー疾患の重症度をより明確に区別することができる点で、アレルギー疾患の検査方法として優れていることが確かめられた。

Claims (9)

  1. 生体試料中のSCCA2濃度を測定することを特徴とする、アレルギー疾患の検査方法。
  2. 生体試料中のSCCA2濃度を測定することにより、アレルギー疾患の罹患と非罹患とを区別する、請求項1記載のアレルギー疾患の検査方法。
  3. 生体試料中のSCCA2濃度を測定することにより、アレルギー疾患の罹患と癌の罹患とを区別する、請求項1記載のアレルギー疾患の検査方法。
  4. 生体試料中のSCCA2濃度を測定することにより、アレルギー疾患の重症度を区別する、請求項1記載のアレルギー疾患の検査方法。
  5. 測定したSCCA2濃度を対照となるSCCA2濃度と比較することを含む、請求項1記載のアレルギー疾患の検査方法。
  6. 対照となるSCCA2濃度の濃度が、アレルギー疾患の非罹患者のSCCA2濃度である、請求項5記載のアレルギー疾患の検査方法。
  7. 対照となるSCCA2濃度が、癌の罹患者のSCCA2濃度である、請求項5記載のアレルギー疾患の検査方法。
  8. 対照となるSCCA2濃度が、アレルギー疾患の非罹患者及び癌の罹患者のSCCA2濃度である、請求項5記載のアレルギー疾患の検査方法。
  9. 対照となるSCCA2濃度が、異なる重症度のアレルギー疾患罹患者のSCCA2濃度である、請求項5記載のアレルギー疾患の検査方法。
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