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Scca2濃度測定によるアレルギー疾患の検査方法
JP5750646B2
Japan
- Other languages
English - Inventor
昭一郎 太田 昭一郎 太田 出原 賢治 賢治 出原 瑠美子 柴田 瑠美子 柴田 東 義則 義則 東 - Current Assignee
- NATIONAL UNIVERSITY CORPORATION SAGA UNIVERSITY
- Shino Test Corp
- National Hospital Organization
Description
translated from
本発明は、臨床検査、臨床病理学、免疫学及び医学などの生命科学分野等において有用なものである。
このアレルギー疾患としては、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、又はアレルギー性結膜炎等が知られている。
また、アレルギーをより客観的な情報に基づいて診断するために、血液を試料とする試験方法や、アレルゲンに対する患者の免疫学的な応答を観察する方法も実施されている。
前者の例として、アレルゲン特異的IgE測定、白血球ヒスタミン遊離試験、又はリンパ球幼若化試験等が挙げられる。
アレルゲン特異的IgEの存在は、そのアレルゲンに対するアレルギー反応の証明である。
また、その測定原理上、診断に必要なアレルゲンの全てに対して、試験を実施しなければならない。
これらの方法は、操作が煩雑である。
プリック・テスト、スクラッチ・テスト、パッチ・テスト、皮内反応、又は誘発試験等が、この種の試験に含まれる。
これらの試験では、患者のアレルギー反応を直接診断することができる反面、実際に被検者をアレルゲンに曝露する侵襲性の高い検査であるということができる。
たとえば、血清IgE値が高値である場合、その患者にはアレルギー反応が起きていると推定することができる。
血清IgE値は、アレルゲン特異IgEの総量に相当する情報である。
アレルゲンの種類に関わらずIgEの総量を決定することは容易であるが、非アトピー型気管支炎等の疾患を持つ患者では、IgEが低値となる場合がある。
したがって、患者に対する危険が少なく、しかも診断に必要な情報を容易に得ることができる、アレルギー疾患のマーカーが提供されれば有用である。
このSCCAは、子宮頸部扁平上皮癌、子宮体癌、食道癌、肺扁平上皮癌、及びその他の扁平上皮癌において、血中濃度が上昇し、腫瘍マーカーとして知られている。
そして、このSCCAに特異的に結合する抗体、及びこの抗体を用いるSCCAの免疫学的測定方法が知られている(特許文献1参照。特許文献2参照。)。
そして、本発明者らにより、また、他の研究者らにより、このSCCA1に特異的に結合する抗体、SCCA2に特異的に結合する抗体、SCCA1の免疫学的測定方法、及びSCCA2の免疫学的測定方法が発明された(特許文献3参照。非特許文献1参照。非特許文献2参照。)。
つまり、生体試料中のSCCA濃度を測定しても、アレルギー疾患の罹患と、癌の罹患とを、区別することができない、という問題点(課題)があった。
(2) 生体試料(ヒト又は動物の血液、血清又は血漿)中のSCCA2濃度を測定し、当該測定して得たSCCA2濃度を、対照となるSCCA2濃度と比較し、当該測定して得たSCCA2濃度が、当該対照となるSCCA2濃度よりも高い場合にはアレルギー疾患であるとし、当該測定して得たSCCA2濃度が、当該対照となるSCCA2濃度と同じ又はより低い場合にはアレルギー疾患ではないとすることにより、アレルギー疾患の罹患と非罹患とを区別する、前記(1)記載のアレルギー疾患の検査方法。
(3) 生体試料(ヒト又は動物の血液、血清又は血漿)中のSCCA2濃度を測定し、当該測定して得たSCCA2濃度を、対照となるSCCA2濃度と比較し、当該測定して得たSCCA2濃度が、当該対照となるSCCA2濃度よりも高い場合にはアレルギー疾患であるとし、当該測定して得たSCCA2濃度が、当該対照となるSCCA2濃度と同じ又はより低い場合にはアレルギー疾患ではないとすることにより、アレルギー疾患の罹患と扁平上皮癌の罹患とを区別する、前記(1)記載のアレルギー疾患の検査方法。
(4) 対照となるSCCA2濃度が、アレルギー疾患の非罹患者のSCCA2濃度である、前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のアレルギー疾患の検査方法。
(5) 対照となるSCCA2濃度が、癌の罹患者のSCCA2濃度である、前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のアレルギー疾患の検査方法。
(6) 対照となるSCCA2濃度が、アレルギー疾患の非罹患者及び癌の罹患者のSCCA2濃度である、前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のアレルギー疾患の検査方法。
(7) 生体試料(ヒト又は動物の血液、血清又は血漿)中のSCCA2濃度を測定し、当該測定して得たSCCA2濃度を、対照となるSCCA2濃度と比較し、当該測定して得たSCCA2濃度が、当該対照となるSCCA2濃度よりも高い場合には対照としたSCCA2の重症度よりも重症であるとし、当該測定して得たSCCA2濃度が、当該対照となるSCCA2濃度と同程度である場合には対照としたSCCA2の重症度と同じ重症度であるとし、当該測定して得たSCCA2濃度が、当該対照となるSCCA2濃度よりも低い場合には対照としたSCCA2の重症度よりも軽症であるとすることにより、アレルギー疾患の重症度を区別することを特徴とする、アレルギー疾患の検査方法。
(8) 対照となるSCCA2濃度が、異なる重症度のアレルギー疾患罹患者のSCCA2濃度である、前記(7)記載のアレルギー疾患の検査方法。
また、本発明のアレルギー疾患の検査方法は、アレルギー疾患の重症度を区別することができる方法である。
本発明は、生体試料中のSCCA2濃度を測定することを特徴とする、アレルギー疾患の検査方法であるが、このアレルギー疾患としては特に限定はなく、アレルギー疾患であれば対象となる。
本発明は、生体試料中のSCCA2濃度を測定することを特徴とする、アレルギー疾患の検査方法であるが、この濃度の測定を行うSCCA2は、SCCA(Squamous Cell Carcinoma Antigen;扁平上皮細胞癌抗原)のアイソフォームの一つであるSCCA2又はこのSCCA2の抗原性を有する断片、変異体若しくは修飾物のことをいう。
1.SCCA2濃度の測定
本発明における生体試料中のSCCA2濃度の測定について、以下説明を行う。
本発明における生体試料中のSCCA2濃度の測定は、特に限定はなく、生体試料中のSCCA2の濃度を正確に測定することができるのであれば、どのような方法でも良い。
生体試料中のSCCA2の濃度の測定は、抗原としてのSCCA2とこれに対する抗体、プロテアーゼインヒビターとしてのSCCA2とこれに対するプロテアーゼ等の特異的な親和性を有する物質間の反応を利用した方法により測定することが好ましい。
特に、抗原としてのSCCA2とこれに対する抗体の抗原抗体反応を利用した免疫学的測定法により測定することが好ましい。
生体試料中のSCCA2の濃度の測定を、抗原としてのSCCA2とこれに対する抗体の抗原抗体反応を利用した免疫学的測定法により測定する場合を例として、以下説明を行う。
本発明において、生体試料中のSCCA2の濃度の測定を、抗原としてのSCCA2とこれに対する抗体の抗原抗体反応を利用した免疫学的測定法により測定する場合に用いる抗体は、SCCA2に特異的に結合することができる抗体であれば、いかなるものでもよい。(このSCCA2に特異的に結合することができる抗体を、以下、「抗SCCA2抗体」という。)
本発明における抗SCCA2抗体それぞれを取得するために使用する免疫原について、以下説明を行う。
本発明における抗SCCA2抗体を取得するために使用する免疫原の取得方法について、以下説明を行う。
次に、この発現ベクターを大腸菌等の宿主細胞に導入し、得られた形質変換体を培養することにより前記のSCCA2に対応するタンパク質又はペプチドを発現させることができる。
なお、遺伝子の塩基配列をクローニングする方法としては、例えば、PCR法、リコンビナントPCR法、ライゲーション法、又はリンカーライゲーション法等を挙げることができる。
また、ニトロセルロース粒子、ポリビニルピロリドン又はリポソーム等の担体に前記のSCCA2等を吸着させたものも免疫原とすることができる。
(a)ポリクローナル抗体の血清からの取得
本発明における抗SCCA2抗体において、ポリクローナル抗体又は抗血清は、以下の操作により、免疫原を免疫した動物の血清から取得することができる。
初回免疫後、2〜3週間間隔で皮下、静脈内、腹腔内又は背部等の部位に、前記の免疫原を追加免疫注射する。
この場合も、前記の免疫原は、アジュバントを添加混合して追加免疫注射することが好ましい。
本発明における抗SCCA2抗体において、ポリクローナル抗体は、以下の操作により、免疫原を免疫した鳥類の卵から取得することができる。
初回免疫後、2〜3週間間隔で皮下、静脈内、腹腔内又は背部等の部位に、前記の免疫原を追加免疫注射する。
この場合も、前記の免疫原は、アジュバントを添加混合して追加免疫注射することが好ましい。
免疫原として前記のSCCA2等と担体との結合物を用いて動物に免疫した場合には、得られた抗血清又はポリクローナル抗体中に、この担体に対する抗体(即ち、当該担体に結合する抗体)が存在するので、このような担体に対する抗体の吸収除去処理を行うことが好ましい。
本発明における抗SCCA2抗体において、モノクローナル抗体は、以下の操作により取得することができる。
まず、前記の免疫原(SCCA2等)を、哺乳動物(マウス、ウサギ、ラット、ヒツジ、ヤギ、若しくはウマなど)、又は鳥類(ニワトリ、ウズラ、キジ、ダチョウ、若しくはアヒルなど)等の動物に免疫する。
初回免疫後、1〜2週間間隔で皮下、静脈内、腹腔内又は背部等の部位に、前記の免疫原を追加免疫注射する。
この追加免疫注射の回数としては2〜6回が一般的である。この場合も前記の免疫原は、アジュバントを添加混合して追加免疫注射することが好ましい。
生体試料中のSCCA2の濃度を、免疫学的測定法により測定するには、SCCA2に特異的に結合することができる前記の抗SCCA2抗体を使用することにより、生体試料中のSCCA2の濃度を正確に測定することができる。
そして、他の抗体は、SCCA2に結合することができる抗体であれば如何なるものでもよい。
すなわち、この他の抗体は、SCCA1及びSCCA2の両方に結合することができる抗体であってよい。
本発明における生体試料としては、ヒト又は動物の血液、血清、血漿、尿、精液、髄液、唾液、汗、涙、腹水若しくは羊水などの体液;大便;血管若しくは肝臓などの臓器;組織;細胞;又は大便、臓器、組織若しくは細胞などの抽出液等、SCCA2が含まれる可能性のある生体試料であれば対象となる。
本発明における、生体試料中のSCCA2の濃度の測定を、標識物質を抗体(又は抗原)に結合した標識抗体(又は標識抗原)、及び抗体(又は抗原)を固相担体に固相化した固相化抗体(又は固相化抗原)を用いる、酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法、放射免疫測定法又は発光免疫測定法等の免疫学的測定法により実施する場合には、サンドイッチ法又は競合法等により行うことができるが、サンドイッチ法により実施することが好ましい。
なお、具体的には、例えば、「ビオチンを標識した抗体(又は抗原)」と共に、次のいずれかのものを用いる等すればよい。
・ 「アビジン(又はストレプトアビジン)」、及び「ビオチンを結合させた標識物質」
・ 「アビジン(又はストレプトアビジン)を結合させた標識物質」
・ 「アビジン(又はストレプトアビジン)と、ビオチンを結合させた標識物質との複合体」
また、蛍光免疫測定法の場合には蛍光物質標識による蛍光強度を測定する。
そして、放射免疫測定法の場合には放射性物質標識による放射線量を測定する。
更に、発光免疫測定法の場合は発光反応系による発光量を測定する。
本発明における、生体試料中のSCCA2の濃度の測定を、免疫複合体凝集物の生成を、その透過光や散乱光を光学的方法により測るか、又は目視的に測ることにより、生体試料中に含まれていたSCCA2の量(濃度)を測定する、免疫比濁法、ラテックス比濁法、ラテックス凝集反応法、赤血球凝集反応法又は粒子凝集反応法等の免疫学的測定方法によっても実施することができる。
そして、他の抗体は、SCCA2に結合することができる抗体であれば如何なるものでもよい。
すなわち、この他の抗体は、SCCA1及びSCCA2の両方に結合することができる抗体であってよい。
(a)免疫学的測定試薬
本発明における生体試料中のSCCA2の濃度の免疫学的測定試薬は、生体試料中のSCCA2の濃度を、このSCCA2に特異的に結合する前記の抗SCCA2抗体との抗原抗体反応を利用して測定を行うものであり、前記の抗SCCA2抗体を含むものである。
そして、他の抗体は「SCCA2に結合することができる抗体」であれば如何なるものでもよい。
本発明における、生体試料中のSCCA2の濃度の免疫学的測定試薬において、溶媒としては、各種の水系溶媒を用いることができる。
この水系溶媒としては、例えば、精製水、生理食塩水、又は、トリス緩衝液、リン酸緩衝液若しくはリン酸緩衝生理食塩水などの各種緩衝液等を挙げることができる。
1.測定したSCCA2濃度
本発明は、前記〔3〕に記載した測定した生体試料中のSCCA2の濃度より、アレルギー疾患の検査を行う方法である。
この場合、単一のアレルギー疾患非罹患者のSCCA2濃度を、対照となるSCCA2濃度としてもよい。
しかし、一定数以上のアレルギー疾患非罹患者について、その生体試料中のSCCA2濃度を測定し、このSCCA2濃度を複数求め、これにより得られた一定数以上のアレルギー疾患非罹患者のSCCA2濃度の平均値等を、対照となるSCCA2濃度とすることが好ましい。
なお、この対照となるSCCA2濃度とする、アレルギー疾患非罹患者のSCCA2濃度を求めるのは、アレルギー疾患の検査のために、生体試料中のSCCA2濃度を測定し、これらの濃度を求める際に、同時に行ってもよい。
また、この対照となるSCCA2濃度とする、アレルギー疾患非罹患者のSCCA2濃度を、予め求めておき、アレルギー疾患の検査のために、生体試料中のSCCA2濃度を測定し、これらの濃度を求める毎に、前記の対照となる濃度を使用してもよい。
この場合、単一の癌罹患者のSCCA2濃度を、対照となるSCCA2濃度としてもよい。
しかし、一定数以上の癌罹患者について、その生体試料中のSCCA2濃度を測定し、このSCCA2濃度を複数求め、これにより得られた一定数以上の癌罹患者のSCCA2濃度の平均値等を、対照となるSCCA2濃度とすることが好ましい。
なお、この対照となるSCCA2濃度とする、癌罹患者のSCCA2濃度を求めるのは、アレルギー疾患の検査のために、生体試料中のSCCA2濃度を測定し、これらの濃度を求める際に、同時に行ってもよい。
また、この対照となるSCCA2濃度とする、癌罹患者のSCCA2濃度を、予め求めておき、アレルギー疾患の検査のために、生体試料中のSCCA2濃度を測定し、これらの濃度を求める毎に、前記の対照となる濃度を使用してもよい。
この場合、単一のアレルギー疾患非罹患者及び単一の癌罹患者のSCCA2濃度を、対照となるSCCA2濃度としてもよい。
しかし、一定数以上のアレルギー疾患非罹患者及び一定数以上の癌罹患者について、その生体試料中のSCCA2濃度を測定し、このSCCA2濃度を複数求め、これにより得られた一定数以上のアレルギー疾患非罹患者及び一定数以上の癌罹患者のSCCA2濃度の平均値等を、対照となるSCCA2濃度とすることが好ましい。
なお、この対照となるSCCA2濃度とする、アレルギー疾患非罹患者及び癌罹患者のSCCA2濃度を求めるのは、アレルギー疾患の検査のために、生体試料中のSCCA2濃度を測定し、これらの濃度を求める際に、同時に行ってもよい。
また、この対照となるSCCA2濃度とする、アレルギー疾患非罹患者及び癌罹患者のSCCA2濃度を、予め求めておき、アレルギー疾患の検査のために、生体試料中のSCCA2濃度を測定し、これらの濃度を求める毎に、前記の対照となる濃度を使用してもよい。
この場合、単一の、異なる重症度のアレルギー疾患罹患者のSCCA2濃度を、対照となるSCCA2濃度としてもよい。
しかし、一定数以上の、異なる重症度のアレルギー疾患罹患者について、その生体試料中のSCCA2濃度を測定し、このSCCA2濃度を複数求め、これにより得られた一定数以上の、異なる重症度のアレルギー疾患罹患者のSCCA2濃度の平均値等を、対照となるSCCA2濃度とすることが好ましい。
なお、この対照となるSCCA2濃度とする、異なる重症度のアレルギー疾患罹患者のSCCA2濃度を求めるのは、アレルギー疾患の検査のために、生体試料中のSCCA2濃度を測定し、これらの濃度を求める際に、同時に行ってもよい。
また、この対照となるSCCA2濃度とする、異なる重症度のアレルギー疾患罹患者のSCCA2濃度を、予め求めておき、アレルギー疾患の検査のために、生体試料中のSCCA2濃度を測定し、これらの濃度を求める毎に、前記の対照となる濃度を使用してもよい。
また、測定して得たSCCA2濃度が、対照となるSCCA2濃度と同じ又はより低い場合には、アレルギー疾患ではない(アレルギー疾患に非罹患)とする。
これにより、本発明においては、アレルギー疾患の罹患と非罹患とを明確に区別することができ、かつアレルギー疾患の罹患と癌の罹患とを明確に区別することができる。
従って、本発明により、アレルギー疾患を検査することができる。
すなわち、測定して得たSCCA2濃度を、前記の対照となるSCCA2濃度と比較し、測定して得たSCCA2濃度が、対照となるSCCA2濃度よりも高い場合には、対照としたSCCA2濃度の重症度よりも重症であるとする。
また、測定して得たSCCA2濃度が、対照となるSCCA2濃度と同程度である場合には、対照としたSCCA2濃度の重症度と同じ重症度であるとする。
更に、測定して得たSCCA2濃度が、対照となるSCCA2濃度よりも低い場合には、対照としたSCCA2濃度の重症度よりも軽症であるとする。
これにより、本発明においては、アレルギー疾患の重症度を区別することができる。
従って、本発明により、アレルギー疾患を検査することができる。
SCCA1に特異的に結合することができる抗SCCA1抗体、SCCA2に特異的に結合することができる抗SCCA2抗体、並びにSCCA1及びSCCA2に結合する抗体の、SCCA1及びSCCA2それぞれとの結合性を免疫沈降法及びウェスタンブロット法により確認した。
また、抗SCCA1抗体、及び抗SCCA2抗体の、SCCA1及びSCCA2それぞれとの結合性を酵素免疫測定法により確認した。
1.抗体
(1)抗SCCA1抗体
SCCA1のcDNAを、pGEX−KGベクター(Guan KLら,Anal Biochem,1991,Vol.192,p.262−267)に組み込んで、大腸菌BL21にトランスフェクションした。
これをアンピシリン入りLB培地にて培養し、菌体よりグルタチオンセファロース4B(GE Healthcare社、米国)により、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)を付加したSCCA1を精製した。
2週間〜2ヵ月後、同じ抗原を足蹠皮下に投与し、3日後に、鼠径、膝窩、及び腸骨リンパ節よりリンパ球を調製し、Sp2/Oミエローマ細胞とポリエチレングリコール法にて細胞融合した。
抗体産生ハイブリドーマクローンのスクリーニングは、固相化抗体としてSCCA1及びSCCA2に結合する抗体(ポリクローナル抗体)を用い、抗原についてはSCCA1抗原として293T/SCCA1細胞株の培養上清を用い(又はSCCA2抗原として293T/SCCA2細胞株の培養上清を用い)、そして検出抗体としてこの抗体産生ハイブリドーマの培養上清を用いた酵素免疫測定法(ELISA)により行った。
SCIDマウスの腹腔内にハイブリドーマを投与して、貯留した腹水を採取し、腹水よりプロテインGセファロース(GE Healthcare社、米国)を用いて抗体(クラス:IgG)を精製した。
SCCA1に結合し、SCCA2には結合しないモノクローナル抗体を産生する細胞株(クローン)であったSS11G細胞株を、SCCA1に特異的に結合する抗体である抗SCCA1抗体の産生細胞株として選択した。
そして、以後、このSS11G細胞株が産生するモノクローナル抗体を、抗SCCA1抗体として用いた。
SCCA2のcDNAを、pGEX−KGベクター(Guan KLら,Anal Biochem,1991,Vol.192,p.262−267)に組み込んで、大腸菌BL21にトランスフェクションした。
これをアンピシリン入りLB培地にて培養し、菌体よりグルタチオンセファロース4B(GE Healthcare社、米国)により、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)を付加したSCCA2を精製した。
そして、以後、このSS8G細胞株が産生するモノクローナル抗体を、抗SCCA2抗体として用いた。
SCCA2のcDNAを、pGEX−KGベクター(Guan KLら,Anal Biochem,1991,Vol.192,p.262−267)に組み込んで、大腸菌BL21にトランスフェクションした。
これをアンピシリン入りLB培地にて培養し、菌体よりグルタチオンセファロース4B(GE Healthcare社、米国)により、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)を付加したSCCA2を精製した。
そして、以後、このSS14B細胞株が産生するモノクローナル抗体を、SCCA1及びSCCA2に結合する抗体として用いた。
(1)SCCA1
SCCA1のcDNAを、pIRESpuro3ベクター(Clontech社、米国)に組み込んで、HEK293T細胞にトランスフェクションした後、puromycin耐性株を選択して、SCCA1の安定発現細胞株(293T/SCCA1)を樹立した。
この293T/SCCA1細胞株の培養上清には、Hisタグを付加したSCCA1が含まれる。
SCCA2のcDNAを、pIRESpuro3ベクター(Clontech社、米国)に組み込んで、HEK293T細胞にトランスフェクションした後、puromycin耐性株を選択して、SCCA2の安定発現細胞株(293T/SCCA2)を樹立した。
この293T/SCCA2細胞株の培養上清には、Hisタグを付加したSCCA2が含まれる。
(1)抗SCCA1抗体
(a) 前記1の(1)の抗SCCA1抗体の産生細胞株(SS11G細胞株)の培養上清(抗SCCA1抗体を含む)の1mLと、予め4℃で1時間反応させたプロテインGセファロースビーズの20μLを、前記2の(1)の293T/SCCA1細胞株の培養上清(SCCA1を含む)の1mLと混合し、4℃で1時間静置し、免疫沈降法を行った。
次に、一次抗体として、SCCA1及びSCCA2に結合する抗体(ポリクローナル抗体)を用いて、常法によりウェスタンブロット法を行った。
なお、この図において、上段はSCCA1との結合性を示し、下段はSCCA2との結合性を示す。
前記の抗SCCA1抗体の産生細胞株(SS11G細胞株)の培養上清(抗SCCA1抗体を含む)に代え、前記1の(2)の抗SCCA2抗体の産生細胞株(SS8G細胞株)の培養上清(抗SCCA2抗体を含む)を用いる以外は、前記(1)の記載の通りに行い、免疫沈降法及びウェスタンブロット法を行った。
なお、この図において、上段はSCCA1との結合性を示し、下段はSCCA2との結合性を示す。
前記の抗SCCA1抗体の前記産生細胞株(SS11G細胞株)の培養上清(抗SCCA1抗体を含む)に代え、前記1の(3)のSCCA1及びSCCA2に結合する抗体の産生細胞株(SS14B細胞株)の培養上清(SCCA1及びSCCA2に結合する抗体を含む)を用いる以外は、前記(1)の記載の通りに行い、免疫沈降法及びウェスタンブロット法を行った。
なお、この図において、上段はSCCA1との結合性を示し、下段はSCCA2との結合性を示す。
(1) 前記の免疫沈降法及びウェスタンブロット法の結果である図1より、抗SCCA1抗体(SS11G細胞株)は、SCCA1には結合するものの、SCCA2には結合しないことが分かる。
よって、この抗SCCA1抗体は、SCCA1に特異的に結合する抗体であることが、この免疫沈降法及びウェスタンブロット法により確かめられた。
よって、この抗SCCA2抗体は、SCCA2に特異的に結合する抗体であることが、この免疫沈降法及びウェスタンブロット法により確かめられた。
よって、このSCCA1及びSCCA2に結合する抗体は、SCCA1及びSCCA2に結合する抗体であることが、この免疫沈降法及びウェスタンブロット法により確かめられた。
1.測定試薬
(1)抗SCCA1・SCCA2抗体固相化マイクロプレート
前記〔1〕の1の(3)の抗体産生細胞株〔SS14B細胞株〕の培養上清に含まれるSCCA1及びSCCA2に結合する抗体(モノクローナル抗体)をプロテインGを用いて精製し、これをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)でその濃度が2μg/mLとなるように希釈した。
次に、これを、マイクロプレート(マイクロタイタープレート)〔Nunc社、商品名:Maxisorp〕の各ウェルに100μLずつ分注し、25℃で一晩静置し、前記のSCCA1及びSCCA2に結合する抗体をマイクロプレートのウェルに固相化した。
次に、マイクロプレートのウェル中の液を除去し、0.5%カゼイン及び0.1%アジ化ナトリウムを含むトリス緩衝生理食塩水(TBS)の250μLずつを各ウェルに分注し、室温で3時間静置し、ブロッキング処理を行った。
この後、各ウェルの上をプレートシールで封をし、蒸発しないようにして、使用時まで冷蔵保存した。
これを、抗SCCA1・SCCA2抗体固相化マイクロプレートとした。
前記〔1〕の1の(1)の抗体産生細胞株〔SS11G細胞株〕の培養上清に含まれる抗SCCA1抗体(モノクローナル抗体)を、Sulfo−NHS−LC−Biotin(Pierce社、商品コード番号:21335)を用いてビオチン標識を行った。
これを、ビオチン標識抗SCCA1抗体とした。
前記〔1〕の1の(2)の抗体産生細胞株〔SS8G細胞株〕の培養上清に含まれる抗SCCA2抗体(モノクローナル抗体)を、Sulfo−NHS−LC−Biotin(Pierce社、商品コード番号:21335)を用いてビオチン標識を行った。
これを、ビオチン標識抗SCCA2抗体とした。
Streptavidin−PolyHRP40(Stereospecific Detection Technologies社、ドイツ、商品コード番号:SP40C)を、0.5%カゼインナトリウム及び100mM塩化ナトリウムを含む50mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)で15,000倍に希釈した。
これを、ストレプトアビジン−ペルオキシダーゼコンジュゲートとした。
0.05%のTween20を含むリン酸緩衝生理食塩水を、洗浄液とした。
0.5%カゼインナトリウム、100mM塩化ナトリウム及び0.1%アジ化ナトリウムを含む50mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)を、希釈液とした。
0.2mMのEDTA・2ナトリウムを含む0.045%の3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン塩酸塩水溶液(pH2.0)を、発色液とした。
5mM過酸化水素、41mMクエン酸、0.2mMのEDTA・2ナトリウムを含む60mMリン酸二ナトリウム水溶液(pH4.3)を、基質液とした。
前記の発色液と基質液を使用前に室温に戻した上で、使用時に等量混合し、発色基質とした。
0.7N硫酸を、反応停止液とした。
(1)SCCA1
SCCA1のcDNAを、pGEX−KGベクター(Guan KLら,Anal Biochem,1991,Vol.192,p.262−267)に組み込んで、大腸菌BL21にトランスフェクションした。
これをアンピシリン入りLB培地にて培養し、菌体よりグルタチオンセファロース4B(GE Healthcare社、米国)により、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)を付加したSCCA1を精製した。
これをBradford法〔プロテインアッセイキットII(バイオラッド社)を使用〕にてタンパク質濃度を決定し、この精製標品をSCCA1として用いた。
なお、前記1の(6)の希釈液を、SCCA1もSCCA2も含まない、SCCA1濃度及びSCCA2濃度が0ng/mLのSCCA1溶液とした。
これにより、濃度が異なる7種類のSCCA1試料を調製した。
SCCA2のcDNAを、pGEX−KGベクター(Guan KLら,Anal Biochem,1991,Vol.192,p.262−267)に組み込んで、大腸菌BL21にトランスフェクションした。
これをアンピシリン入りLB培地にて培養し、菌体よりグルタチオンセファロース4B(GE Healthcare社、米国)により、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)を付加したSCCA2を精製した。
これをBradford法〔プロテインアッセイキットII(バイオラッド社)を使用〕にてタンパク質濃度を決定し、この精製標品をSCCA2として用いた。
なお、前記1の(6)の希釈液を、SCCA1もSCCA2も含まない、SCCA1濃度及びSCCA2濃度が0ng/mLのSCCA2溶液とした。
これにより、濃度が異なる7種類のSCCA2試料を調製した。
(1) 前記1の(1)の抗SCCA1・SCCA2抗体固相化マイクロプレートの各ウェルを、前記1の(5)の洗浄液の250μLで3回洗浄した。
(1) 前記3の(4)でビオチン標識抗SCCA1抗体を用い、前記の7種類のSCCA1試料及び前記の7種類のSCCA2試料をそれぞれ測定した場合の吸光度を、図2に示した。
この図において、横軸はSCCA1試料中のSCCA1濃度(ng/mL)又はSCCA2試料中のSCCA2濃度(ng/mL)を示し、縦軸は測定により得られた吸光度を示す。
また、この図において、「◆」は試料がSCCA1試料であるときの測定値(吸光度)を示し、「■」は試料がSCCA2試料であるときの測定値(吸光度)を示す。
この図において、横軸はSCCA1試料中のSCCA1濃度(ng/mL)又はSCCA2試料中のSCCA2濃度(ng/mL)を示し、縦軸は測定により得られた吸光度を示す。
また、この図において、「◆」は試料がSCCA1試料であるときの測定値(吸光度)を示し、「■」は試料がSCCA2試料であるときの測定値(吸光度)を示す。
(1) 前記の酵素免疫測定法の結果である図2より、前記3の(4)でビオチン標識抗SCCA1抗体を用いた場合、すなわち、抗SCCA1抗体(SS11G細胞株)を用いた場合には、SCCA1試料では試料中のSCCA1の濃度に応じて得られる吸光度が増加するのに対して、SCCA2試料では試料中のSCCA2の濃度がいずれの濃度であっても吸光度はほとんど得られていないことが分かる。
つまり、抗SCCA1抗体(SS11G細胞株)は、SCCA1には結合するものの、SCCA2には結合しないことが分かる。
よって、この抗SCCA1抗体は、SCCA1に特異的に結合する抗体であること、及びこの抗SCCA1抗体を用いることにより生体試料中のSCCA1を定量的かつ精確に測定することができることが、この酵素免疫測定法の結果から確かめられた。
つまり、抗SCCA2抗体(SS8G細胞株)は、SCCA2には結合するものの、SCCA1には結合しないことが分かる。
よって、この抗SCCA2抗体は、SCCA2に特異的に結合する抗体であること、及びこの抗SCCA2抗体を用いることにより生体試料中のSCCA2を定量的かつ精確に測定することができることが、この酵素免疫測定法の結果から確かめられた。
アレルギー疾患の罹患者、非罹患者それぞれの生体試料中のSCCA1濃度、SCCA2濃度を測定し、アレルギー疾患の検査方法としての適性を確かめた。
(1)抗SCCA1・SCCA2抗体固相化マイクロプレート
前記実施例1の〔2〕の1の(1)の抗SCCA1・SCCA2抗体固相化マイクロプレートを用いた。
前記実施例1の〔2〕の1の(2)のビオチン標識抗SCCA1抗体を用いた。
前記実施例1の〔2〕の1の(3)のビオチン標識抗SCCA2抗体を用いた。
前記実施例1の〔2〕の1の(4)のストレプトアビジン−ペルオキシダーゼコンジュゲートを用いた。
前記実施例1の〔2〕の1の(5)の洗浄液を用いた。
前記実施例1の〔2〕の1の(6)の希釈液を用いた。
前記実施例1の〔2〕の1の(9)の発色基質を用いた。
前記実施例1の〔2〕の1の(10)の反応停止液を用いた。
(1)アレルギー疾患試料
アレルギー疾患(アトピー性皮膚炎及び食物アレルギーの合併)に罹患している72名(生後2ヵ月〜8歳)の計188の血清検体をアレルギー疾患試料とした。
アレルギー疾患に罹患していないことが確認されている49名(1歳〜10歳)の計49の血清検体を非アレルギー疾患試料とした。
(1) 前記1の(1)の抗SCCA1・SCCA2抗体固相化マイクロプレートの各ウェルを、前記1の(5)の洗浄液の250μLで3回洗浄した。
なお、この各生体試料中のSCCA1の濃度は、前記の測定により得られた吸光度と、前記実施例1の〔2〕の2の(1)のSCCA1の濃度が既知であるSCCA1の精製標品を測定して得た吸光度とを対比して算出することにより得た。
(1) 前記の計188のアレルギー疾患試料のそれぞれについて、前記3の測定で得たSCCA1の濃度〔ng/ml(ng/mL)〕を横軸に、SCCA2の濃度〔ng/ml(ng/mL)〕を縦軸に取ってプロットしたグラフを図4の(A)に示した。
なお、このグラフにおいて、xをSCCA1の濃度とし、yをSCCA2の濃度としたときの回帰式はy=2.12x−1.54であり、相関係数Rは0.98であった。
なお、このグラフにおいて、xをSCCA1の濃度とし、yをSCCA2の濃度としたときの回帰式はy=0.89x−0.08であり、相関係数Rは0.87であった。
(1) 前記の図4の(A)より、アレルギー疾患試料、すなわちアレルギー疾患の罹患においては、生体試料中のSCCA2の濃度が、SCCA1の濃度のおよそ2倍以上となっていることが分かる。
すなわち、同一のアレルギー疾患試料を測定しても、SCCA1の濃度を測定するよりも、SCCA2の濃度を測定する方が、より高い測定値(シグナル)を得ることができることが分かる。
このことより、SCCA1の濃度を測定するよりも、SCCA2の濃度を測定する方が、測定の感度が高く、測定の正確性及び精密性において有利であり、アレルギー疾患の検査に適していることが確かめられた。
なお、この図4の(A)のグラフの回帰式の相関係数Rが0.98であり、この測定結果が非常に精確なものであることが分かる。
すなわち、同一の非アレルギー疾患試料を測定しても、SCCA1の濃度を測定するよりも、SCCA2の濃度を測定する方が、より低い測定値(シグナル)を得ることができることが分かる。
このことより、SCCA1の濃度を測定するよりも、SCCA2の濃度を測定する方が、アレルギー疾患の非罹患を反映したより低い測定値(シグナル)を得ることができ、高い測定値となるアレルギー疾患の罹患の測定値との差をより広げ、差異を明確にすることができるので、この点においても有利であり、アレルギー疾患の検査に適していることが確かめられた。
なお、この図4の(B)のグラフの回帰式の相関係数Rが0.87であり、この測定結果が精確なものであることが分かる。
アレルギー疾患の罹患者、非罹患者、癌罹患者それぞれの生体試料中のSCCA1濃度、SCCA2濃度を測定し、アレルギー疾患の検査方法としての適性を確認した。
(1)抗SCCA1・SCCA2抗体固相化マイクロプレート
前記実施例1の〔2〕の1の(1)の抗SCCA1・SCCA2抗体固相化マイクロプレートを用いた。
前記実施例1の〔2〕の1の(2)のビオチン標識抗SCCA1抗体を用いた。
前記実施例1の〔2〕の1の(3)のビオチン標識抗SCCA2抗体を用いた。
前記実施例1の〔2〕の1の(4)のストレプトアビジン−ペルオキシダーゼコンジュゲートを用いた。
前記実施例1の〔2〕の1の(5)の洗浄液を用いた。
前記実施例1の〔2〕の1の(6)の希釈液を用いた。
前記実施例1の〔2〕の1の(9)の発色基質を用いた。
前記実施例1の〔2〕の1の(10)の反応停止液を用いた。
(1)アレルギー疾患試料
アレルギー疾患(アトピー性皮膚炎及び食物アレルギーの合併)に罹患している72名(生後2ヵ月〜8歳)の計188の血清検体をアレルギー疾患試料とした。
アレルギー疾患に罹患していないことが確認されている49名(1歳〜10歳)の計49の血清検体を非アレルギー疾患試料とした。
癌(子宮頸癌)に罹患している194名の計194の血清検体を癌罹患試料とした。
(1) 前記1の(1)の抗SCCA1・SCCA2抗体固相化マイクロプレートの各ウェルを、前記1の(5)の洗浄液の250μLで3回洗浄した。
なお、この各生体試料中のSCCA1の濃度は、前記の測定により得られた吸光度と、前記実施例1の〔2〕の2の(1)のSCCA1の濃度が既知であるSCCA1の精製標品を測定して得た吸光度とを対比して算出することにより得た。
(1) 前記の計188のアレルギー疾患試料、前記の計49の非アレルギー疾患試料、及び前記の計194の癌罹患試料のそれぞれについて、前記3の測定で得たSCCA1の濃度の範囲を、各疾患毎にまとめて、図5の(A)に示した。
この図において、横軸はアレルギー疾患試料、非アレルギー疾患試料、及び癌罹患試料の別を示し、縦軸は測定により得たSCCA1の濃度〔ng/ml(ng/mL)〕を示す。
この図において、横軸はアレルギー疾患試料、非アレルギー疾患試料、及び癌罹患試料の別を示し、縦軸は測定により得たSCCA2の濃度〔ng/ml(ng/mL)〕を示す。
(1) 前記の図5の(A)及び(B)より、生体試料中のSCCA1濃度において、アレルギー疾患におけるSCCA1濃度の範囲は、非アレルギー疾患におけるSCCA1濃度の範囲とはその相違は明らかである。
しかし、癌罹患におけるSCCA1濃度の範囲とは、その相違は明確ではないことが分かる。
これに対し、生体試料中のSCCA2濃度において、アレルギー疾患におけるSCCA2濃度の範囲は、非アレルギー疾患におけるSCCA2濃度の範囲とはその相違は明らかであり、癌罹患におけるSCCA2濃度の範囲ともその相違は明らかである。
すなわち、SCCA1の濃度を測定するよりも、SCCA2の濃度を測定する方が、アレルギー疾患の罹患と癌の罹患とをより明確に区別することができる点で、アレルギー疾患の検査方法として優れていることが確かめられた。
このことからも、SCCA1の濃度を測定するよりも、SCCA2の濃度を測定する方が、測定の感度が高く、測定の正確性及び精密性において有利であり、アレルギー疾患の検査に適していることが分かる。
異なる重症度のアレルギー疾患の罹患者、アレルギー疾患の非罹患者それぞれの生体試料中のSCCA1濃度、SCCA2濃度を測定し、アレルギー疾患の検査方法としての適性を確認した。
(1)抗SCCA1・SCCA2抗体固相化マイクロプレート
前記実施例1の〔2〕の1の(1)の抗SCCA1・SCCA2抗体固相化マイクロプレートを用いた。
前記実施例1の〔2〕の1の(2)のビオチン標識抗SCCA1抗体を用いた。
前記実施例1の〔2〕の1の(3)のビオチン標識抗SCCA2抗体を用いた。
前記実施例1の〔2〕の1の(4)のストレプトアビジン−ペルオキシダーゼコンジュゲートを用いた。
前記実施例1の〔2〕の1の(5)の洗浄液を用いた。
前記実施例1の〔2〕の1の(6)の希釈液を用いた。
前記実施例1の〔2〕の1の(9)の発色基質を用いた。
前記実施例1の〔2〕の1の(10)の反応停止液を用いた。
(1)非アレルギー疾患試料
アレルギー疾患に罹患していないことが確認されている計77の血清検体を非アレルギー疾患試料とした。
アレルギー疾患(アトピー性皮膚炎及び食物アレルギーの合併)に罹患していて軽症である計49の血清検体をアレルギー疾患試料〔軽症〕とした。
アレルギー疾患(アトピー性皮膚炎及び食物アレルギーの合併)に罹患していて中等症である計34の血清検体をアレルギー疾患試料〔中等症〕とした。
アレルギー疾患(アトピー性皮膚炎及び食物アレルギーの合併)に罹患していて重症である計27の血清検体をアレルギー疾患試料〔重症〕とした。
アレルギー疾患(アトピー性皮膚炎及び食物アレルギーの合併)に罹患していて最重症である計5の血清検体をアレルギー疾患試料〔最重症〕とした。
(1) 前記1の(1)の抗SCCA1・SCCA2抗体固相化マイクロプレートの各ウェルを、前記1の(5)の洗浄液の250μLで3回洗浄した。
なお、この各生体試料中のSCCA1の濃度は、前記の測定により得られた吸光度と、前記実施例1の〔2〕の2の(1)のSCCA1の濃度が既知であるSCCA1の精製標品を測定して得た吸光度とを対比して算出することにより得た。
(1) 前記の計77の非アレルギー疾患試料、前記の計49のアレルギー疾患試料〔軽症〕、前記の計34のアレルギー疾患試料〔中等症〕、前記の計27のアレルギー疾患試料〔重症〕、及び前記の計5のアレルギー疾患試料〔最重症〕のそれぞれについて、前記3の測定で得たSCCA1の濃度の範囲を、罹患の有無及び各重症度毎にまとめて、図6の(A)に示した。
この図において、横軸は、非アレルギー疾患試料(「なし」と表示)、アレルギー疾患試料〔軽症〕、アレルギー疾患試料〔中等症〕、アレルギー疾患試料〔重症〕、及びアレルギー疾患試料〔最重症〕の別を示し、縦軸は測定により得たSCCA1の濃度〔ng/ml(ng/mL)〕を示す。
この図において、横軸は、非アレルギー疾患試料(「なし」と表示)、アレルギー疾患試料〔軽症〕、アレルギー疾患試料〔中等症〕、アレルギー疾患試料〔重症〕、及びアレルギー疾患試料〔最重症〕の別を示し、縦軸は測定により得たSCCA2の濃度〔ng/ml(ng/mL)〕を示す。
前記の図6の(A)及び(B)より、アレルギー疾患〔重症〕の範囲とアレルギー疾患〔中等症〕の範囲の重なり度合いは、SCCA2濃度測定の場合よりもSCCA1濃度測定の場合の方が、重なり度が大きいことが分かる。
すなわち、SCCA1の濃度を測定するよりも、SCCA2の濃度を測定する方が、アレルギー疾患の重症度をより明確に区別することができる点で、アレルギー疾患の検査方法として優れていることが確かめられた。
Claims (4)
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translated from
- 生体試料(ヒト又は動物の血液、血清又は血漿)中のSCCA2濃度を測定し、当該測定して得たSCCA2濃度を、対照となるSCCA2濃度と比較し、当該測定して得たSCCA2濃度が、当該対照となるSCCA2濃度よりも高い場合にはアレルギー疾患であるとすることを特徴とする、アレルギー疾患の検査方法。
- 対照となるSCCA2濃度が、アレルギー疾患の非罹患者のSCCA2濃度である、請求項1記載のアレルギー疾患の検査方法。
- 対照となるSCCA2濃度が、癌の罹患者のSCCA2濃度である、請求項1記載のアレルギー疾患の検査方法。
- 対照となるSCCA2濃度が、アレルギー疾患の非罹患者及び癌の罹患者のSCCA2濃度である、請求項1記載のアレルギー疾患の検査方法。