JP3073501B2 - C―反応性タンパクの修飾形態による免疫複合体の結合 - Google Patents

C―反応性タンパクの修飾形態による免疫複合体の結合

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、C−反応性タンパク、天然産タンパク質の
修飾形態を用いる、哺乳類の全ての免疫グロブリンイソ
タイプ、特にIgG、IgA及びIgMを含む、免疫グロブリ
ン、凝集免疫グロブリンまたは免疫複合体の結合に関す
る。特に、本発明は、種々の病気の治療に於ける、及び
免疫複合体の検出及び定量化のための分析の一部として
免疫複合体を結合するための修飾されたC−反応性タン
パクの使用に関する。C−反応性タンパクの修飾形態
は、固体表面に被覆される場合または免疫複合体を含む
溶液に添加される場合に、免疫複合体を結合できる試薬
として使用し得る。ネオCRP抗原を形質発現する修飾C
−反応性タンパクが好ましい。
更に本発明は、修飾C−反応性タンパクの調製方法、
並びにそれらをネオCRPに対する抗体と接触させること
を含む凝集免疫グロブリン、免疫複合体及び免疫グロブ
リンの結合方法に関する。最後に、また本発明は、免疫
複合体を検出し、定量化するための試験キット、並びに
免疫複合体及び免疫グロブリンを液体から除去するため
の装置に関する。
発明の背景 免疫複合体は,しばしばその他のタンパク質と組合せ
て、抗体を抗原と結合することにより生成される。免疫
複合体を形成する抗原は、感染生物の成分、宿主生物に
対し外来性のその他の分子、腫瘍に関連した分子及び、
多くの病気の場合には、正常な組織分子の成分を含む。
抗原に対して生産される抗体は、特別な抗原物質に特異
的である。抗体は、抗原に結合し、そして、例えば、毒
素の生物活性を変えること、微生物の感染力を中和する
こと、または認識信号を与えることにより抗原を実質的
に中和し、それにより抗体+結合された抗原が循環また
は組織から除去される。抗体が抗原に結合する場合、抗
体−抗原複合体は免疫複合体と称される。
抗原+抗体=抗原−抗体複合体 異物+免疫系応答=免疫複合体 免疫複合体は、肝臓、脾臓及びリンパ節中に見られる
固定マクロファージ並びに循環マクロファージによるよ
うな種々の正常な機構により循環及び組織から除去され
る。抗体及び免疫複合体の生成は、感染及び癌の如き病
気と戦うための個人の自然応答の一部である。抗原への
抗体の結合及び免疫複合体の除去は、抗原が中和され、
組織及び血液から取り除かれ、ついで分解される機構で
ある。
循環中の免疫複合体の継続する存在及び組織中のそれ
らの沈着は、悪化した免疫系機能及び炎症性病状の原因
となる。免疫複合体は肺、腎臓、心臓および関節の如き
組織中に沈着することがあり、これらの器官に一過性の
損傷及び永久的な損傷の両方を生じる。癌の場合、存在
複合体は免疫機構の適当な機能を阻害し得ると考えら
れ、この機構はそれがなければ癌細胞を破壊し、体内の
癌の増殖及び拡大を防止するであろう。
循環免疫複合体が病気中に多量に見られるのには一つ
または幾つかの理由があり得る。抗原及び免疫応答系は
ほぼ最高であることがあり、生成される免疫複合体はそ
れらの除去のためのこれらの系の能力を簡単に圧倒する
ことがある。また、或る機構が免疫複合体除去系の有効
性を悪化したのかもしれないし、あるいは関与する抗原
及び抗体の性質が不充分な除去をもたらすかもしれな
い。免疫複合体は、癌、自己免疫、関節性の病気、及び
感染性の病気 病気をもつ多くの個人中に存在することが知られてい
る。それ故、体外装置による免疫複合体の結合及び除去
は、癌をもつ個人の臨床的な改善をもたらすことができ
癌のその他の治療の有効性を改良することができ、感染
性の病気中に生じる免疫複合体に関連する器官中の病変
の防止をもたらすことができ、しかもこれらの後者の病
気の臨床的な改善をもたらすことができる。事実、多く
の発表された研究は、循環免疫複合体の除去、または循
環からのそれらの浄化値の増大は有効な治療上の処置を
構成し得ることを示す。〔セオフィロポウロス(Theofi
lopoulos),A.M及びディクソン(Dixon),F.J.著、Adv.
Immunol.、28巻、90〜220頁(1979年);セオフィロポ
ウラス,A.N及びディクソン,F.J.著、“癌の免疫診断(I
mmunodiagnostics of Cancer)"896頁(M.デッカー・イ
ンコーポレーション(Decker Inc.)、ニューヨーク197
9年)を参照のこと〕。
抗原に結合する抗体分子の数に広い変化があることが
あり、抗原が種々の大きさ及び形状のものであり、こう
して免疫複合体の大きさに広い変化をもたらす。また、
幾つかの免疫複合体は、更に大きく、更に不均一な構造
をもたらし得るClq及びC3の如き補体タンパクを固着し
得る。或種の免疫複合体は白血球を刺激し、一方、その
他の免疫複合体はリンパ球または血小板を刺激する〔リ
ッツマン(Ritzmann)ら著、Clin.Chem.,28巻、1259〜1
271頁(1982年);マイアー(Maire)ら著、Clin.Exp.I
mmunol.,51巻、215〜224頁(1983年)、及びシッフエル
リ(Shifferli)ら著、New Eng.J.Med.,315巻、448〜49
5頁(1986年)を参照のこと〕。免疫複合体は長期間に
わたって循環中に残存し種々の組織中に沈着し、自己免
疫及びその他の病気の炎症性の症状発現及びびらん性の
症状発現の原因となることがある〔エマンチパトー(Em
ancipator)ら著、Lab.Invest.,54巻、475〜478頁(198
6年)を参照のこと〕。
循環免疫複合体は、悪性転換に関して仮定されたよう
に、免疫系の自然効果機構の有効性を阻害し、また低下
することがある〔フェルドマン(Feldman)ら著、J.Ex
p.Med.,131巻、247頁(1970年);マンガリ(Mangari)
ら著、J.Immmunol.,121巻、767頁(1978年);セオフィ
ロポウロスら著、J.Immunol.,119巻、657〜663頁(1977
年);セオフィロポウラスら著、“癌の免疫診断”、89
6頁、M.デッカー、ニューヨーク(1979年)、及びレビ
ンスキィ(Levinsky)ら著、Lancet、1巻、564頁(197
7年)を参照のこと〕。循環からの免疫複合体の除去
は、自己免疫症及び感染症並びに癌に関連する臨床上の
問題の多くを減少し得る。例えば、血液中の循環免疫複
合体の量を監視すること、及び循環免疫複合体を特異的
に結合し除去すること(これらの複合体はそうしないと
免疫系機能を悪化し、また急性もしくは慢性の炎症をも
たらし得る)が、有益である。それ故、多くの研究は、
循環免疫複合体と選択的に反応するが未複合の免疫グロ
ブリンと反応しないように分析及び吸着剤を工夫するこ
とにより循環免疫複合体の監視及び除去を試みた。
免疫複合体に関する分析に使用される方法は、ポリエ
チレングリコールを用いる物理的な分離;免疫複合体を
含む溶液の温度を低下すること(例えば、低温沈殿);
補体タンパクClqまたは補体タンパクC3及びC3分解生成
物に対して特異的な抗体への免疫複合体の結合;リウマ
チ因子への免疫複合体の結合;ウシタンパクコングルチ
ニンへの結合;または血小板もしくはラージリンパ芽球
様細胞株(Raji lymphoblastoidal cell line)への免
疫複合体の結合を含む〔セオフィロポウロスら著、Hos
p.Pract.,107〜121頁(1980年2月);イングラム(Ing
ram)著、“免疫プロセスの動物モデル(Animal Models
of Immunological Processes)”、221〜253頁(1982
年);レビンソン(Levinsson)ら著、J.Clin.Immunol.
7巻、328〜336頁(1984年);シンフ(Singh)ら著、J.
Immunol.Meth.,50巻、109〜114頁(1982年);ハイ(Ha
y)ら著、Clin.Exp.Immunol.24巻、396〜400頁(1976
年);ペレイラ(pereira)ら著、J.Immunol.,125巻、7
63〜770頁(1980年);テオフィロポウロスら著、J.Cli
n.Invest.,61巻、1570頁(1978年);クレイトン(Crei
ghton)ら著、J.Immunol.,111巻、1219頁(1973年);
シュール(Schur)著、N.Engl.J.Med.,298巻、161頁(1
978年)、及びブルニュー(Bruneau)ら著、J.Clin.Inv
est.,64巻、191頁(1979年)を参照のこと〕。夫々の分
析には利点があり、並びに非感受性、非特異性、全ての
大きさの免疫複合体並びに全ての免疫グロブリンイソタ
イプ及びサブイソタイプの免疫複合体を検出できないこ
と、補体タンパクを含む免疫複合体に関する信頼性、並
びに非複合免疫グロブリンによる干渉を含む欠点があ
る。また、特定の病気をもつ患者からの血清中で循環免
疫複合体を検出する能力が使用される分析により変化す
ることが明らかである〔マクドウガル(McDougal),J.
S.ら著、Adv.Clin.Chem.24巻、1〜60頁(1985年)を参
照のこと〕。それ故、上記の分析のいずれかにより集め
られた結果は、診断目的のためには限界値であると考え
ることができるが、診断を支持し、免疫複合体の量と相
関関係づけることにより病気の重度を評価し、あるいは
Clin.Chem.News.4巻、5〜6頁(1987年)に於いてフェ
ルドカンプ(Feldkamp)により示唆されているような治
療上の処置後のフオローアップを監視するのに使用し得
る。
血液から免疫複合体を除去する方法は血漿交換または
血液濾過の治療を強調していた。一般に、血液濾過治療
に関して、複合免疫グロブリンを結合し得る物質が、オ
ンラインに入れられる固体担体上に固定化され、この中
を患者から取り出された血液または血漿が通される。或
る場合には、吸着剤(体外の装置中)の通過後に、血液
成分が患者中に再注入され、こうして多量の血漿交換ま
たはその他の液体の交換の必要をなくす。
現在、固定化された循環免疫複合体吸着剤としてのブ
ドウ球菌プロテインA(種々の亜型が“プロテインA"と
して集合的に知られている)の使用の研究に関心があ
る。研究者らによる幾つかの試みが有望な結果をもたら
したが、その他の試みは、おそらくプロテインAが免疫
複合体中の免疫グロブリンを非複合免疫グロブリンから
有効に区別し得ないことのために、及びこの細菌生産物
が発熱活性の刺激、補体活性化及び全般の免疫系反応性
に関して有する何らかの効果(ベトラム(Betram)ら
著、J.Biol.Resp.Mod.,3巻、235〜240頁(1984年);テ
ーマン(Terman)ら著、New Eng.J.Med.,305巻、1195〜
2000頁(1981年);ドブレ(Dobre)ら著、J.Immunol.M
eth.,66巻、171〜178頁(1984年);ニルソン(Nilsso
n)ら著、Scand.J.Haematol.,30巻、458〜464頁(1983
年)、及びナウツ(Nauts)著、“癌に対する宿主防御
及びその強化(Host Defense Against Cancer and Its
Potentiation)”、337〜351頁(1975年)に報告されて
いる)のために失敗した。
プロテインAは、免疫グロブリンの“Fc"部分に結合
する。その他の研究者らは、Clqもしくはリウマチ因子
の如きその他のFcレセプター、または特異的な抗原もし
くは抗体を固定化免疫吸着剤として使用することを提案
し、また試みていた〔ニルソン(Nilsson)、I.M.ら
著、Plasma.Ther.Transfers.Technol.,5巻、127〜134頁
(1984年);ライ(Lai),K.N.ら著、Artificial Organ
s.11巻、259〜264頁(1987年);ニルソン,I.M.ら著、
“第VIII因子インヒビター(Factor VIII Inhibitor
s)”、225頁(1984年);リベルチ(Liberti),P.A.ら
著、J.Immunol.,123巻、2212〜2219(1979年);ランダ
ーソン(Randerson),D.H.ら著、Artificial Organs.6
巻、43〜49頁(1982年)を参照のこと〕。
C−反応性タンパク(CRPと称する)は、原型の急性
期反応物質である。それは、J.Exp.Med.,52巻、561〜57
1頁(1930年)に於いてティレット(Tillett)及びフラ
ンシス(Francis)により最初に記載されたものであ
り、彼らは、急性疾患の患者からの血清が肺炎球菌細胞
壁の分画Cと共に沈殿することを観察した。その後、別
の研究者が反応性血清因子をタンパクとして同定し、そ
れ故C−反応性タンパクと称した。
CRPは宿主防御の役割をもつことが、後に発見され
た。
CRPは、細胞または細菌の表面上で、または懸濁液中
で幾つかのリガンドの一つを認識し結合し得る。これら
のリガンドは、ホスホリルコリン、クロマチン及びポリ
カチオンを含む。或種のCRP−リガンド複合体は、補体
経路を活性化し、こうして免疫系の或る面を刺激するこ
とが明らかである。
臨床用途に於いて、CRPは急性炎症のマーカーとして
使用されていた。生体の炎症応答に於けるその正確な役
割はまだ知られていないが、マウスにC−反応性タンパ
クを注射することは或種の腫瘍増殖を抑制または反転す
るのに有効であり得ることが示されていた〔デオドハー
(Deodhar),S.D.ら著、Cacer Res.42巻、5084〜5088頁
(1982年);バルナ(Barna),B.P.ら著、Cancer Res.,
44巻、305〜310頁(1984年);トムブレ(Thombre),P.
S.ら著、Cancer Immunol.Immunother、16巻、145〜150
頁(1984年)を参照のこと〕。
特別の実験条件下で、CRPは急性炎症マーカーとして
監視されるCRP分子とはかなり異なる電荷、大きさ、溶
解性及び抗原性特性をもつように変えることができる
〔ポテンパ(Potempa),L.A.ら著、Mol.Immunol.,20
巻、1165〜1175頁(1983年)を参照のこと〕。変性CRP
と関連する示差的抗原性は“ネオCRP"と称され、変性CR
P分子それ自体は“修飾CRP"と称された。適当な試薬及
び分析を使用して、ネオCRP抗原性を形質発現する修飾C
RPは免疫系反応性の状態を評価するのに使用される種々
の分析で試験管内で作用することが決定された。要約す
ると、修飾CRPは、 − ガラス付着性の単核細胞を刺激してインターロイキ
ン1を分泌し; − ガラス付着性の単核細胞を刺激してプロスタグラン
ジン及びロイコトリエンの代謝を増大し; − 血小板を刺激して顆粒状の成分を凝集し分泌し; − 多形核白血球及び単核細胞を強化して、凝集(複
合)免疫グロブリンにより刺激される酸化的代謝を増大
し、且つ − 内皮細胞を刺激してタンパク質を増殖し合成するこ
とが知られていた。
〔ポテンパ,L.A.,ゲウルツ(Gewurz)、H.,ハリス(H
arris),J.E.及びブラウン(Braun),D.P.著、“生物液
体のプロタイド(Protides of the Biological Fluid
s)、34巻、287〜290頁(1986年)・ポテンパ,L.A.、ゼ
ルラー(Zeller),J.M.フィーデル(Fiedal),B.A.、キ
ノシタ,C.M.及びゲウルツ,H.著、Inflammation.12巻、3
91〜405頁(1988年);グプタ(Gupta),R.C.、ポテン
パ,L.A.、クリシュナン(Krishnan),M.R.、及びポスト
レスバイト(Postlethwaite),A.E.著、“関節炎及びリ
ウマチ”、31巻、R39a(1988年);チュー(Chu).E.
B.、ポテンパ,L.A.、ハリス,J.E.、ゲウルツ,H.、及び
ブラウン,D.P.著、Amer.Assoc.Cancer.Res.29巻、371a
(1988年);ドウフェリイ(Doughery),T.J.、ゼルラ
ー,J.M.、ポテンパ,L.A.、ゲウルツ,H.、及びシーゲル
(Siegal),J.著、“生物液体のプロタイド”、34巻、2
91〜293頁(1986年)を参照のこと〕。
修飾CRPがこれらの活性に寄与する正確な機構は知ら
れていない。しかしながら、全てのこれらの列記された
活性に共通の一致する特徴は、修飾CRPが凝集免疫グロ
ブリンにより刺激されるこれらの活性を模擬し、または
増強することである。
また、修飾CRPは生体内でも使用されていた。致死量
(90%)の型7F肺炎球菌を受ける30分前に修飾CRPを注
射されたマウスは、投薬量に比例する相当な様式で死を
まぬがれた〔チュドウイン(Chudwin),D.S.ら著、J.Al
lergy Clin.Immunol.、77巻、2169頁(1986年)を参照
のこと〕。
生体細胞でネオCRP抗原としての修飾CRPの自然産出を
同定するのに適当な試薬及び技術を用いて、ネオCRP抗
原性が大きい顆粒状リンパ球の表面上に自然成分(例え
ば、ナチュラルキラー(NK)細胞、Bリンパ球、多形核
白血球及び単核細胞)として見られることが、最近測定
された。ナチュラル・キラー及びB細胞に関して、ネオ
CRPに対する抗体により認識された抗原は、いずれの細
胞でも見られるFcレセプターにより直接会合されること
がわかった。ナチュラルキラー細胞のFcレセプターは、
B細胞のFcレセプターと異なり、これはCRPが二つの物
理的に異なるが機能的に関連する分子の構造中の共通の
リンクであり得ることを示唆する〔アンケレス(Unkele
ss),J.C.ら著、Adv.Immunol.、31巻、247〜270頁、(1
981頁);ペルシア(Perussia),Bら著、J.Immunol.、1
33巻、180〜189頁(1984年);アンダーソン(Anderso
n),C.L.及びローニイ(Looney),J.R.著、Immunol.Tod
ay、7巻、264〜266頁(1986年)を参照のこと〕。
発明の要約 本発明は、凝集免疫グロブリンまたは免疫複合体を下
記のC−反応性タンパク(修飾CRPと称する)と接触さ
せることを含む凝集免疫グロブリンまたは免疫複合体の
結合方法を含む。その方法は、液体を修飾CRPと接触さ
せ、ついで修飾CRPに結合された凝集免疫グロブリンま
たは免疫複合体から液体を分離することにより、凝集免
疫グロブリンまたは免疫複合体を液体から除去するのに
使用し得る。本発明のこの特徴は、免疫複合体の除去を
必要とする哺乳類の体液から免疫複合体を除去するのに
特に有益であり、且つ治療操作に使用される液体(例え
ば、γ−グロブリン)または診断操作に使用される液体
(例えば、抗体溶液)から凝集免疫グロブリンまたは免
疫複合体を除去するのに特に有益である。また、その方
法は、免疫複合体を検出し定量化する分析に使用し得
る。免疫複合体を検出または定量化するために、ラベル
した修飾CRPが使用されてもよく、あるいは修飾CRPまた
は免疫複合体に結合するラベルした成分が添加されて免
疫複合体を検出または定量化してもよい。こうして、本
発明の方法は、診断分析、病気の治療、及び診断操作ま
たは治療操作に使用された液体から望ましくない凝集免
疫グロブリン及び免疫複合体を除去することに利用し得
る。
特に、本発明の方法は、体液(例えば、全血、血清、
血漿、関節液、髄液、胸膜液、または腹水)中またはそ
の他の免疫グロブリンを結合し、もしくは含む物質中の
免疫複合体を結合することにより有害免疫反応を制御す
るのに使用し得る。免疫グロブリンを結合し、または含
む物質は、診断試験、治療上の処置のため、あるいは免
疫グロブリンを結合し、または含む研究目的のために使
用される物質または溶液と定義し得る。詳しくは、これ
らの物質は、血漿、血清、モノクローナル抗体、免疫複
合体に関連する抗原、注射用のγ−グロブリン、補体タ
ンパクもしくはその誘導体、凝固機構に関連するタンパ
ク、即ちフィブリノーゲンまたはフィブロネクチン、等
を含んでもよい。一般に、血液から血漿の分離を除き、
液体物質の特別な前処理または分離は必要ではない。
本発明の方法の好ましい態様を実施する際に、免疫複
合体を含む哺乳類からの液体は、臨床的な診断目的のた
めに現在定量化されるCRPと異なる抗原性を形質発現す
るように分離され処理された固定して結合されたC−反
応性タンパク(CRP)で被覆された固体担体表面と接触
される。この示差的抗原性は、n−CRPまたはネオCRPと
称され、本発明の実施に使用するのに好ましい修飾CRP
はネオCRP抗原性を形質発現する。免疫複合体を含む液
体は、体外の装置中のカラム中の粒状濾過物質、マイク
ロタイターウエルの如き固体担体表面またはその他の好
適な表面に通され、またはそれらの表面上で保温され、
その結果、免疫複合体は未複合の免疫グロブリンの認め
られる結合なく吸着される。このようにして、免疫複合
体は、固体担体表面に固定化される。免疫複合体がこの
処理により除去された液体は、その後、治療上の処置の
一部として哺乳類に戻すことができる。
本発明の一つの実施態様は、免疫複合体が結合される
自然プロセスを模擬し改善するための半ビボの修飾CRP
の使用である。CRPまたは修飾CRPを固体表面に適当に固
定化するため、免疫複合体を含む溶液がそれらを選択的
に除去され得る。CRPを固体表面に固定化する殆どの方
法が、CRPの修飾及びネオCRP抗原性の形質発現をもたら
す。表面に固定化されたCRPまたは修飾CRPは、診断目的
及び治療目的の両方のためのその使用を最適化するよう
に形づくられる。
診断用に於いて、標準免疫分析の場合のように、免疫
複合体が修飾CRPにより固体担体表面に結合された後
に、それらは表面に結合されたままで充分に洗浄でき
る。このような洗浄は、免疫複合体測定の精度を低下し
得る未結合成分の除去を確実にする。固体担体表面との
接触により、免疫複合体を含む試料の除去の後に、好ま
しくは表面を洗浄した後に、表面上の免疫複合体の濃度
が通常の免疫測定技術により測定される。
本発明の別の実施態様は、固定化された修飾CRPへの
凝集免疫グロブリンまたは免疫複合体の結合を強化する
のに必要であり、あるいはその結合を強化し得るその他
の分子による修飾CRPの結合を含む。こうして、凝集免
疫グロブリンまたは免疫複合体を結合する修飾CRPの感
受性及び/または特異性が、また免疫グロブリン結合活
性を有するその他の分子により修飾CRPを同時固定化す
ること(CO−immobilizing)により、または修飾CRPを
適当な親水性または疎水性の表面に固定化することによ
り、あるいは付着されたリンキング剤を有する固体表面
に修飾CRPを固定化することにより増強し得る。
ガウザー(Gauther)ら著、J.Exp.Med.,156巻、766〜
777頁(1982年)は、免疫複合体付着に関する表面電荷
の効果を報告した。また、−lys−ala−asp−trp−Tyr
−Val−asp−glyの如き種々のペプチドが、Clqタンパク
への免疫複合体の結合に影響を及ぼすと示されていた
〔ボアクル(Boackle),R.J.ら著、Nature、282巻、742
頁(1979年)を参照のこと〕。ポリカチオン系(例え
ば、ポリ−リシンまたはポリ−アルギニン)、ポリアニ
オン系(例えば、ポリ−グルタミン酸またはポリ−アス
パラギン酸)の静電力及び非静電力は全て免疫グロブリ
ンとその他の分子との相互作用に関係していた〔バート
ン(Burton),D.R.著、Mol.Immunol.,22巻、161〜206頁
(1985年)を参照のこと〕。ポテンパら著、J.Immuno
l.、127巻、1509〜1514頁(1982年)は、CRPが選択性を
有するポリカチオン性リガンドに結合し得ることを報告
していた。
それ故、本発明の別の実施態様は、カチオン電荷また
はアニオン電荷を示すように処理された表面に修飾CRP
を固定化することである。例えば、プロタミンが疎水性
表面を下塗りするのに使用されてもよい。その後、修飾
CRPがこのカチオン性表面に吸着される時に、免疫複合
体の結合に優れた結果が見られた(実施例9を参照のこ
と)。修飾CRPがアニオン性表面に吸着される時に、増
強された結合がまた得られる。その他の表面は、市販の
イオン交換樹脂、特に誘導体化された表面及び種々の型
のマイクロタイタプレートを含むが、これらに限定され
ない。
別の実施態様は、治療上の処置または診断試験に使用
された試薬液体または溶液から凝集免疫グロブリンまた
は免疫複合体を除去するための固体表面に結合されたCR
Pまたは修飾CRPの使用を含む。このような試薬または溶
液は、静脈内のγ−グロブリン、モノクローナル抗体及
びポリクローナル抗体、抗血清、アフィニティ精製抗
体、並びに第VIII因子及び遺伝子操作したタンパクの如
きその他の単離された血液成分を含むが、これらに限定
されるべきではない。
更に、本発明は、固体表面に結合された修飾CRP及び
液体がその固体表面と接触できるように固体表面を入れ
るための手段を含む、凝集免疫グロブリンまたは免疫複
合体を液体から除去するための装置を含む。
また、本発明は、修飾C−反応性タンパクを保持する
容器を含む、免疫複合体を検出または定量化するための
試験キットを含む。修飾CRPは免疫複合体の検出または
定量化を与えるためにラベルされてもよく、あるいはキ
ットは免疫複合体が検出または定量化できるように免疫
複合体または修飾CRPに結合するラベルされた成分を保
持する容器をまた含んでもよい。
本発明の別の実施態様は、免疫複合体の量を減少する
のに有効な量の修飾CRPを哺乳類に投与することを含
む、免疫複合体の量の減少を必要とする哺乳類でその量
を減少する方法である。哺乳類の体内または血液中への
修飾CRPの注射は、哺乳類中の修飾CRPの相対濃度を増大
する。ネオCRP抗原性を形質発現する修飾CRPは、哺乳類
中に見られる天然成分である。実施例10(下記を参照の
こと)に記載されるように、懸濁液中の修飾CRPは熱凝
集免疫グロブリンを溶液から有効に除去した。
また、本発明は、凝集免疫グロブリンまたは免疫複合
体をネオCRPに対する抗体と接触させることを含む、凝
集免疫グロブリンまたは免疫複合体の結合方法を含む。
凝集免疫グロブリンまたは免疫複合体は、ネオCRP抗原
を形質発現する修飾CRPを当然含んでもよく、あるいは
ネオCRPに対する抗体と接触される前もしくはその間に
それを結合させて凝集免疫グロブリンまたは免疫複合体
に結合されるネオCRP抗原の量を追加または増加しても
よい。その方法は免疫複合体を検出または定量化するの
に使用でき、またネオCRPに対する抗体を保持する容器
を含む免疫複合体を検出または定量化するための試験キ
ットが提供される。また、固体表面に結合されたネオCR
Pに対する抗体及び液体がその固体表面と接触し得るよ
うに固体表面を入れるための手段を含む、凝集免疫グロ
ブリンまたは免疫複合体を除去するための装置が本発明
の一部である。
最後に、本発明は、修飾CRPをつくる方法、及び免疫
グロブリンを修飾CRPまたはネオCRPに対する抗体と接触
させることを含む単量体免疫グロブリンの結合方法を含
む。修飾CRPは単量体免疫グロブリンよりも非常に大き
な程度に免疫複合体を結合するが、それは免疫グロブリ
ンのサブクラスであると考えられる或種の単量体免疫グ
ロブリンを結合する。
図面の簡単な説明 第1図〜第3図は、病気のヒト血清及び正常な(即
ち、陰性の)ヒト血清からの免疫グロブリンの、ホリス
チレンマイクロタイタウエルに固定化された修飾CRPへ
の結合を示す。
第4図は、多発硬化症をもつ患者の血漿からの免疫グ
ロブリンの、未置換アガロース樹脂及び修飾CRPが付着
された臭化シアン活性化アガロース樹脂への結合を示
す。
第5図は、重症筋無力症をもつ患者の血漿及び凍結融
解した正常な血漿からの免疫グロブリンの結合を示す。
現在好ましい実施態様の詳細の説明 天然源からC−反応性タンパク(CRP)を単離する方
法は、公知である。本発明で利用したCRPは、ボラナキ
ス(Volanakis)ら著、J.Immun.、113巻、9〜17頁(19
78年)に記載されポテンパら著、Mol.Immunol.、24巻、
531〜541頁(1987年)により改良されたような、ポリホ
スホリルコリン置換セファロース(Sepharose)(ファ
ーマシア(Pharmacia)によりつくられたアガロース系
樹脂)を用いるカルシウム依存性アフィニティクロマト
グラフィーにより胸膜液または腹水から単離された。こ
の操作に於いて、初期のアフィニティカラムは、280nm
に於ける吸光度が0.02未満になるまで、2mMのCaCl2を含
む75mMのトリス(Tris)−HCl−緩衝食塩水(pH7.2)で
徹底的に洗浄され、CRPが75mMのトリス、7.5mMのクエン
酸塩緩衝食塩水(pH7.2)中に溶出される。この高濃度
のトリスは、アフィニティ精製CRP調製物を汚染すると
認められる非特異的に吸着されるタンパクをかなり減少
する。CRPを含む画分が溜められ、脱イオン蒸留水で3
倍に希釈され、DE52イオン交換樹脂に吸着され、線形0.
05〜0.5MのNaCl勾配を用いて溶出される。CRPを含む画
分が溜められ、2mMのCaCl2を含む10mMのトリス−HCl緩
衝食塩水(pH7.2)中に透析され、未置換バイオゲル(B
iogel)A0.5に適用されて残留の血清アミロイド成分(S
APと称する)を除去する。最終CRP調製物は、1.98のCRP
吸光率(mg/ml)を用いて1mg/mlに濃縮される。CRPは、
2mMのCaCl2を含む10mMのトリス−HCl−緩衝食塩水(pH
7.2)中で徹底的に透析され、無菌濾過され、4℃で貯
蔵される。これらの調製物は、連続SDS−PAGE電気泳動
で単一のMr 22,000帯を生じる。最終CRP調製物は主な汚
染物質SAP及びIgGを>99%含まず、全てのその他のタン
パクを97%含まない。
また、CRPは通常の組換えDNA技術及び発酵技術を用い
て調製し得る。CRPの遺伝子配列が知られており、CRPが
クローン化された〔レイ(Lei)ら著、J.Biol.Chem.、2
60巻、13377〜13383頁(1985年)を参照のこと〕。事
実、組換えDNA技術によりつくられたCRPは、それがネオ
CRPを形質発現することが知られていたので、特に有益
であることがわかる。〔マントゾウラニス(Mantzouran
is)ら著、Pediatric Research、18巻、260a頁(1984
年)を参照のこと〕。
CRPは、環状対称に配置された5つのサブユニットを
含む分子である。個々のサブユニットが解離またはそれ
以外に修飾されるようになった時、CRPは構造を変化
し、新しい抗原性が形質発現される(即ち、ネオCR
P)。また、リガンド結合特性、溶解性及び電気泳動特
性が未修飾分子と異なる〔ポテンパら著、Mol.Immuno
l.、20巻、1165〜1175頁(1983年)を参照のこと〕。
修飾CRPは、それが本明細書に更に説明されるような
免疫複合体、凝集免疫グロブリン及び単量体免疫グロブ
リンを結合するように、好適な方法により変性されたCR
Pと定義される。それは、CRPを変性することにより、ま
たはCRPを疎水性もしくは親水性の固体表面に吸着させ
ることにより調製し得る。ネオCRP抗原は改良法により
形質発現されることが好ましい。また、“修飾CRP"とい
う用語は、ネオCRPに対して特異的な試薬を用いて見い
出されたCRPの形態を含み、それによりネオCRPは、今ま
でのところ未知の機構により生成される。また、修飾CR
Pの形態は、免疫系の種々の作用を刺激することが示さ
れている。
CRPは、熱、酸、尿素キレート化、疎水性もしくは親
水性の固体表面への吸着、またはその他の方法により構
造的に修飾または変性することができ、本発明者らがネ
オCRPとして同定するネオ抗原性を形質発現する。重合
体物質に見られるような固体表面の如き固体表面と接触
する時に、CRPは修飾または変性されてネオCRPを形質発
現する。この形態の修飾CRPは、凝集免疫グロブリンま
たは免疫重合体を結合するのに使用される好ましい実施
態様の一つである。
CRPは固体表面に固定化されることにより修飾または
変性されることが好ましいが、その他の修飾方法または
変性方法がネオCRP抗原を形質発現するのに使用し得
る。例えば、CRPは有効量の尿素及び通常のキレート剤
により処理または接触し得る。好ましいキレート剤は、
エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、クエン酸及びヘ
パリンを含む。更に、CRPは、そのタンパクのpHを約3
以下または約9以上に調節することにより修飾または変
性し得る。
また、加熱がCRPの修飾または変性を生じ得る。キレ
ート試薬は、CRP調製物がカルシウムイオンを含む場合
に必要なことがある。変性または修飾を生じるのに有効
な時間にわたって50℃以上に加熱することが好ましい。
その後、CRPは、好ましくは0.075Mの塩濃度を有する緩
衝液中に透析し得る。しかしながら、塩濃度はこの好ま
しい量よりも高くても、低くてもよい。
CRPが修飾された後に、それは凝集免疫グロブリンま
たは免疫複合体を結合するのに使用し得る。修飾CRP
は、凝集免疫グロブリンまたは免疫複合体を含む液体に
直接添加されてもよく、あるいは凝集免疫グロブリンま
たは免疫複合体を含む液体と接触される前に固体表面に
付着されてもよい。
固体担体表面に付着された修飾CRPに関して、体液は
診断分析に使用するための固定化された修飾CRPの上で
静的に保温されてもよく、あるいは液体は治療上の処置
のための、即ち免疫複合体を結合するための体外の装置
中で固定化された修飾CRPを横切って動的に通されても
よい。固体担体表面を選択する際に、修飾CRPが固相表
面を浸出するか否かについて考慮すべきである。そうで
ある場合には、浸出は最小にされる必要がある。
本発明の修飾CRPと共に使用し得る固相表面の例は、
アガロース系樹脂、ポリアクリルアミド、ポリメチル−
メタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポ
リアクリロニトリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ラテックスビーズ、デキストラン、ガラス、ナイロン、
ポリビニルアルコール、ゲル、クレー、及びセルロース
誘導体並びに特別な処理により親水性にされたポリスチ
レンを含むその他の重合体物質を含むが、これらに限定
されない。しかしながら、一般には、固相表面から修飾
CRPの著しい浸出を生じながらあるゆる重合体物質が使
用し得る。重合体物質は親水性、疎水性、またはその両
方であってもよい。しかしながら、親水性重合体物質が
使用されることが好ましい。重合体物面の正に荷電され
た表面は、実施例9に示されるように、凝集免疫グロブ
リンまたは免疫複合体を結合するための修飾CRPの結合
活性を増強する。また、増強された結合は、負に荷電さ
れた表面を用いて得られる。しかしながら、診断分析の
ための静的系に使用される96ウエルのマイクロタイタプ
レート上の如き疎水性表面が使用される場合には、その
上に吸着された修飾CRPはまた凝集免疫グロブリンまた
は免疫複合体を結合する能力を有する。
本発明の別の実施態様に於いて、固体表面(疎水性ま
たは親水性)に吸着されたCRPが凝集免疫グロブリンま
たは免疫複合体を結合するのに使用し得る。CRPが固体
表面に直接吸着される場合、それは変化し、結合活性が
支配的である抗原性ネオCRPを形質発現する。こうして
吸着されたCRPは、固体表面への吸着の前に修飾されたC
RPの免疫複合体及び凝集免疫グロブリン結合特性を有す
る。
更に、修飾CRPは、カラム中に使用するためのビーズ
として成形された重合体物質の表面に吸着させることが
でき、循環免疫複合体を結合し得る。CRPが使用される
場合、それはビーズの表面に吸着され、変性され、ほぐ
されて、ネオCRP抗原を形質発現する。カラム及び固相
物質は、バイオ・ラド・ラボラトリィ(Bio Rad Labora
tories)(リッチモンド、CA);ピアース・ケミカル・
カンパニィ(Pierce Chemical Co.)(ロックフオー
ド、IL);パル・バイオサポート(Pall Biosupport)
(グレンコーブ、NY);ミクロ・メンブランズ(Micro
Membrans)(ニューアーク、NJ);ファーマシア・ファ
イン・ケミカルズ(Pharmacia Fine Chemicals)(アッ
プサラ、スウェーデン);その他から米国で支配されて
いる。
凝集免疫グロブリンまたは免疫複合体を修飾CRPに完
全に結合することを確実にする試みで、リンキング剤が
重合体物質への修飾CRPの付着を確保するのに使用し得
る。修飾CRPは、リンキング剤により重合体物質の表面
に非共有結合または共有結合で固定化し得る。本発明の
目的のため、リンキング剤は、タンパクが添加される前
に、重合体固形表面の一部として組込まれ、あるいはそ
の表面上に誘導体化され、通常と考えられ、それらはジ
イミドエステル、カルボジイミド、過ヨウ素酸塩、ハロ
ゲン化アルキル、ジメチルピメリミデート及びジマレイ
ミドを含むがこれらに限定されない〔ブライト(Blai
t),A.H.及びゴーセ(Ghose),T.I.著、J.Immunol.Meth
ods、59巻、129頁(1983年);ブライアー(Blair),A.
H.及びゴーセ,T.I.著、Cancer Res.、41巻、2700頁(19
81年);ガウシアー(Gauthier)ら著、J.Expr.Med.156
巻、766〜777頁(1982頁)を参照のこと〕。
リズク(Rizk)、S.L.らは、Cancer、58巻、55〜60頁
(1986年7月1日)に於いて、正に荷電したペプチドが
CRPを標的細胞に定着させ得ことを報告している。これ
らのポリカチオンは、ポリ−L−アルギニン、ヒストン
(核)、及びプロタミン並びに主要な塩基性タンパク
(エオシン好性)を含む。また、ポリカチオンによるリ
ンキングが修飾CRPに有効であることがわかった。
また、負に荷電した表面は、凝集免疫グロブリンまた
は免疫複合体の結合を増強することがわかった。このよ
うな負に荷電した表面を調製するのに有効な好適な物質
は、グリシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、及びヘ
パリンを含む。グリシンは溶液中で双性イオン性であ
り、アミン基により固体表面に結合された後にのみ負の
電荷を示すことが注目すべきである。
接合反応は、一般にタンパク質アミノ酸R基もしくは
架橋剤またはその両方の初期修飾を必要とする。このよ
うな修飾は、R基(例えば、カルボジイミド−O−アシ
ル尿素、アスパラギン酸残基、グルタミン酸残基、及び
C−末端カルボン酸残基による中間体生成)を選択的に
活性化し、適当な有効な薬剤官能基(カルボジイミドの
場合、アミノ基)との反応を与えるのに利用し得る。ま
た、修飾は、リシンε−アミノ残基にピリジルジチオ基
を導入する新規な反応性部分(例えば、N−スクシンイ
ミジル−3−(2−ピリジルジチオ)−プロピネート)
の導入を含む。これは、タンパクと薬剤との間にジスル
フィド結合生成を与える。或る場合には、タンパクR基
と関係する薬剤との間に橋を形成する二官能性カップリ
ング試薬が使用される。
本発明の修飾CRPは、液体を修飾CRPと単に接触させる
ことにより、全血、血漿、その他の体液またはその他の
免疫グロブリンを結合し、または含む物質の如く液体か
ら凝集免疫グロブリン、免疫複合体を除去するのに使用
し得る。このような接触は、修飾CRPで被覆された固体
表面及び液体がその固体表面と接触するように固体表面
を入れるための手段を有する体外の装置中に血液、血漿
またはその他の液体を通すことにより行なうことができ
る。接触の期間は重要な制限に拘束されないが、それ
は、勿論、凝集免疫タンパク質または免疫複合体を固体
表面上の修飾CRPに吸着させ、結合させるのに充分であ
るべきである。
治療用に関し、CRPまたは適切には修飾CRPは、全血ま
たは血漿が動的に循還される体外の装置中にオンライン
で入れられる固体担体表面に塗布でき、その結果、全血
または血漿中に含まれる免疫複合体が結合され、それに
より血漿または血液から除去される。この方法は、通常
のプラズマフェレーシス技術または血液透析技術を用い
て使用し得る。このような液体は体内に戻すことがで
き、血液交換治療の必要をなくす。
装置の固体表面及びそれを入れる手段は、如何なる生
体適合性物質からつくられてもよい。例えば、固体表面
は、CRPで被覆された膜表面、アガロース系ビーズまた
は中空繊維であってもよい。体外の装置は、ビーズで充
填されたカラム、腎臓透析に使用されるシリンダーのよ
うなシリンダーに入れられた中空繊維膜、ウエルを含む
マイクロタイタプレート、または好適な表面(これらは
修飾CRPで被覆されている)であってもよい。また、装
置は、それを患者に接続するための適当な管並びに装置
中の液体の通過及び患者への戻しを助け、且つ空気が系
に入ることを防止するためのポンプを含んでもよい。装
置は治療用には滅菌される必要があり、滅菌はエチレン
オキサイドによるパージ、または装置を照射することに
よるような通常の方法で行ない得る。
また、本発明は、免疫複合体が修飾CRPに結合するよ
うに、免疫複合体を修飾CRPと接触させることを含む免
疫複合体を検出または定量化する方法を含む。修飾CRP
は、免疫複合体を含む液体に直接添加されてもよく、あ
るいは上記の型の固体表面に上記の方法で固定化されて
もよい。また、修飾CRPは免疫複合体を有する細胞また
は組織試料に直接添加されてもよく、ラベルした修飾CR
Pが哺乳類に注射されてもよく、その結果それは哺乳類
の体の領域(炎症の領域のように、免疫複合体が見られ
る)中に局所化する。
診断分析に於いて、修飾CRPは、免疫複合体を含む溶
液に直接添加でき、免疫複合体を結合し変化させ、且つ
免疫複合体の沈殿を促進するように免疫複合体の性質を
変え、且つ免疫複合体のその他の結合相互作用を増強し
て、循環からの免疫複合体の除去をもたらす。また、CR
Pまたは適当に修飾されたCRPは、固体担体表面上に固定
化でき、その結果、免疫複合体または免疫グロブリンを
含む液体がそれと接触でき、または保温でき、そして所
望により、非特異的に結合された免疫グロブリンを洗浄
して除去した後に、結合された免疫複合体が検出または
定量化し得る。
免疫複合体を検出または定量化するために、ラベルし
た修飾CRPが使用し得る。本発明に有効なラベルは、I
125ラベル、ビオチンラベル、酵素ラベルまたは蛍光ラ
ベルの如き、当業界で既知のラベルである。また、免疫
複合体は、免疫複合体または修飾CRPに結合するラベル
した成分を添加することにより通常の免疫測定技術を用
いて検出または定量化し得る。このような通常の免疫測
定技術は、凝集測定、放射免疫測定、酵素免疫測定及び
蛍光測定を含む。酵素結合免疫吸着検定法(EIAと称す
る)は、それらが免疫複合体の量の感度の良い定量化の
ための手段を与えるので好ましい。
本明細書中の実施例に使用されるEIAは、以下のよう
に行なわれる標準のEIA測定である。試験タンパク(1
〜10μg/ml)100μがポリスチレンプレート中の夫々
のウエルに入れられ、37℃で2時間保温される。CRPま
は修飾CRPが直接固定化されたEIA測定に関して、CRPま
たは修飾CRPは、被覆の前に透析され、または10mMの重
炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)中で希釈された。CRPま
たは修飾CRPがリン酸塩緩衝液(pH7.4)中で調製された
場合に同様の結果が得られた。ウエルが0.3MのNaCl及び
0.05%のトウイーン(Tween)−20を含む10mMのリン酸
塩緩衝液(pH7.3)(洗浄緩衝液)で洗浄され、その
後、水中の1%ウシ血清アルブミン(BASと称する)で3
7℃で30分間裏面塗布され、洗浄緩衝液ですすがれた。
試験試料(100μ/ウエル)が、1%BSAを含む0.1Mの
リン酸塩緩衝食塩水(pH7.3)(PBS)中で希釈され、37
℃で1時間保温された。多くの洗浄工程後、1%BSAを
含む0.02MのPBS中で希釈された適当な酵素複合体130μ
が添加され、37℃で2時間保温された。洗浄後、酵素
基質溶液100μがウエルに添加され、37℃で保温され
た。ウエルが、タイターテク(Titertek)マルチスカン
プレートリーダー(フロー・ラボラトリィズ(Flow Rab
oratories)、ヘルシンキ、フィンランド)で適当な波
長で吸光度に関して読み取られた。
また、修飾CRPは、凝集測定に使用するためのラテッ
クスビーズ、または定量的もしくは半定量的免疫測定に
使用するためのディップスティック(dipstick)(例え
ば、ポリカーボネート、ポリスルホンまたはラテックス
からつくられる)に被覆されてもよい。一般に、観察し
得る性質の変化を生じるあらゆる免疫測定技術が使用し
得る。
免疫複合体の検出または定量化を与えるために、修飾
CRPに結合された免疫複合に添加されるラベルした成分
は、免疫測定に使用される通常の試薬である。また、使
用されるラベルは当業界で既知のものである。例えば、
免疫グロブリンまたは免疫複合体中の抗原に対して、酵
素ラベルした抗体、I125ラベルした抗体またはビオチン
ラベルした抗体が使用できた。
哺乳類からの体液は通常免疫複合体を含んでいるの
で、哺乳類からの試料中の免疫複合体の量の比較は、症
状を指示する免疫複合体の量を同定するためには、正常
体中に見られる量に対して行なわれる必要がある。
免疫複合体を検出または定量化するための試験キット
がまた本発明の一部である。そのキットは、修飾CRPの
溶液または固体表面に付着された修飾CRPを保持する容
器を含む。固体表面は上記の型であり、修飾CRPは上記
のように付着される。こうして、その容器は、保護包装
材中に入れられた修飾CRPで被覆されたディップスティ
ック、修飾CRPで被覆されたラテックスビーズ、または
壁が修飾CRPで被覆されるマイクロタイタプレートであ
り得る。
修飾CRPは、それが免疫複合体を検出または定量化の
ために使用される場合には、ラベルされてもよい。ま
た、キットは、免疫測定技術が使用される場合に、免疫
複合体の検出または定量化を可能にする上記のラベルし
た成分を保持する容器を更に含んでもよい。
CRPまたは修飾CRPから誘導されたフラグメント(これ
らはネオCRP抗原性を形質発現してもよいし、それを形
質発現しなくてもよい)は、修飾CRPの生物学的機能を
もつことがある。これらのフラグメントはペプチドであ
ってもよい。こうして、本発明はまた免疫複合体または
凝集免疫グロブリンを結合するこのようなあらゆるフラ
グメントの使用を包含する。
ネオCRPまたはCRPのペプチドフラグメントに対して通
常の技術により生成されるポリクローナル抗体またはモ
ノクローナル抗体及び抗血清が、また凝集免疫グロブリ
ンまたは免疫複合体を結合するのに使用し得る。好まし
くは、CRPは上記のように変性または修飾でき、その後
抗体が通常の技術によりネオCRP抗原に対して生成し得
る。CRPを解離し、CRP抗原を単離し、特性決定する方法
がポテンパら著、Mol.Immunol.、24巻、531〜541頁(19
87年)に開示されており、この文献は参考として本明細
書に含まれる。
その後、ネオCRPに対する抗体は、凝集免疫グロブリ
ンまたは免疫複合体(これらは当然にネオCRP抗原を形
質発現するCRPを含み得る)を結合するのに使用し得
る。また、免疫複合体または凝集免疫グロブリンは、ネ
オCRPに対する抗体と接触される前またはその間にネオC
RP抗原を形質発現する修飾CRPと接触させることがで
き、凝集免疫グロブリンまたは免疫複合体に結合される
量を追加し、または増加し得る。
この方法は、液体、細胞または組織中の免疫複合体を
検出または定量化するのに使用でき、ネオCRPに対する
抗体を保持する容器及び、必要により、ネオCRPを形質
発現する修飾CRPを保持する容器を含む試験キットがま
た提供される。ネオCRPに対する抗体は既知のラベルで
ラベルでき(例えば、I125、酵素、ビオチン、フルオレ
セインでラベルされる)、免疫複合体の検出及び定量化
を可能にする。また、免疫複合体またはネオCRPに対す
る抗体に結合するラベルした成分が免疫複合体を検出ま
たは定量化するのに使用でき、そのキットはこの成分を
保持する容器を更に含む。再度、これらのラベルした成
分及びラベルは、免疫測定に使用するための既知のもの
である。また、固体表面に結合されたネオCRPに対する
抗体及び液体がその固体表面と接触し得るように固体表
面を入れるための手段を含む、凝集免疫グロブリンまた
は免疫複合体を液体から除去するための装置が提供され
る。抗体を固体表面に結合する方法は知られている。そ
れ以外に、この装置の構造、操作及び実用性は、固体表
面に結合された修飾CRPを有する上記の装置と同じであ
る。
担体用の固体表面を使用しないで独立に使用される場
合に、修飾CRPは液相相互作用が免疫複合体を依然とし
て結合し得る。こうして、修飾CRP、修飾CRPの選択され
た生物活性部分、またはCRPは、癌その他の病気に対す
る治療活性のために体液中に注入し得る。免疫複合体を
含む体液中への修飾CRPの導入の際に、可溶性抗原及び
抗体複合体は物理的な大きさの点で一層大きく成長する
ことがあり、沈殿する(溶液から析出する)ことがあ
り、あるいは、そうでなければ、修飾されて食細胞によ
るそれらの除去を促進することがある。ザヘジ(Zahed
i)ら著、Cancer Res.46巻5077〜5083頁(1986年)及び
バーナ(Barna)ら著、Cancer Res.47巻、3959〜3963頁
(1987年)は、マクロファージ及び単核細胞がCRPの存
在下に刺激されて抗癌応答を増大することを示してい
た。本発明は、実施例10に示されるように、沈殿を促進
することによる修飾CRPの治療効果を開示する。
実験室の実施に際し、修飾CRPは、研究もしくは治療
操作または診断試験に使用された液体から凝集免疫グロ
ブリンまたは免疫複合体を除去するのに使用し得る。こ
のような試薬中の凝集免疫グロブリンの存在は、補体を
失活するための抗血清の熱処理の如き、これらの液体を
つくるのに使用される処理のために予想し得る。修飾CR
PまたはCRPは、試薬物質または溶液、例えば、モノクロ
ーナル抗体、誘導体化試薬、静脈内のγ−グロブリン、
または単離された血液成分を含む溶液から凝集免疫グロ
ブリンまたは複合免疫グロブリンを結合するために固体
表面に結合されてもよい。また、修飾CRPは、凝集免疫
グロブリンまたは複合免疫グロブリンを除去するために
このような試薬物質または溶液に直接添加されてもよ
く、それによりそれらを無害にし得る。
以下の実施例に示されるように、修飾CRPはまた単量
体免疫グロブリンに結合するが、それが凝集免疫グロブ
リンまたは免疫複合体に結合するよりも非常に少ない程
度である。修飾CRPが結合されているアガロースビーズ
のカラムに正常な血漿を連続的に通すことにより、単量
体免疫グロブリンの約5%が最初のカラムにより除去さ
れ、約1%が第二カラムにより除去され、1%未満が第
三カラムにより除去されることがわかった。こうして、
免疫グロブリンの選ばれた部分またはサブクラスのみが
結合し、単量体免疫グロブリンは一般に結合しない。免
疫グロブリンのこのサブクラスはまだ特性決定されてい
なかったが、異常な免疫グロブリンであり得るし、症状
と関連し得る。こうして、本発明の方法は、免疫グロブ
リンのこのサブクラスを特性決定するのに有効であり、
この物質を液体から定量化して除去し、且つこのような
症状を監視し治療するのに使用し得る。
免疫グロブリンのこのサブクラスを結合し、定量化
し、除去する方法は、修飾CRP及びネオCRPに対する抗体
を用いて免疫複合体を結合し、定量化し、除去すること
に関して既に説明した方法と同じである。また、既に説
明したキット及び装置と同様のキット及び装置が、この
免疫グロブリンを検出し定量化し、且つそれを液体から
除去するのに使用し得る。
実 施 例 本発明の方法が、以下の実施例により更に説明され
る。
実施例 1 尿素及びキレート化を用いて、CRTネオ抗原を提示する
分子の調製 精製CRT(1mg/ml)(上記のようにして調製した)
を、10mMのEDTAの存在下で8Mの超純粋な尿素(シュワル
ツーマン(Schwartz−Mann)、スプリング・バレー・ニ
ューヨーク)中で室温で1時間保温した。これらの条件
は、ポテンパら著、Mol.Immunol.、20巻、1165〜1175頁
(1983年)に記載されているようにネオCRPの発生に関
して最適であることが知られている。0.15MのNaClを含
む10mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4)中の透析により尿素
を除去した時、殆どのCRPが沈殿した。吸光率及びロー
リータンパク測定の両方により定量化されるように、約
100〜150μg/mlのCRPが可溶性のまま残った。電気泳動
法及び抗原検出法を用いて、ネオCRP抗原が沈殿画分及
び可溶性画分の両方に見られた。0.015MのNaClを含む10
mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4)中の透析により尿素を除
去した時、目視できる沈殿は観察されなかった。処理前
に有効なタンパクの>90%が、透析後に溶液相中に明ら
かにされた。
実施例 2 修飾CRPによる種々の抗体−抗原比の免疫複合体のEIA結
合 ウサギ抗ペルオキシダーゼ抗血清及び単離されたペル
オキシダーゼを、6.25%のウサギ血清の存在下で種々の
比で一緒に予備保温して可溶性免疫複合体(sol−ICsと
称する)を生成した。ウサギ血清を使用前に遠心分離し
て、存在する内因性の複合免疫グロブリンまたは凝集免
疫グロブリン(Igs)の効果を最小にした。試薬の比を
調節して約5:1、2.5:1、及び1.25:1の抗体(Ab):酵素
(Enz)の比(モル:モル)のICsを生成した。抗−ペル
オキシダーゼ:ペルオキシダーゼsol−ICsを含む血清
を、修飾CRP(実施例1に記載したようにして調製し
た)が前記の条件により10μg/mlで固定化されたポリス
チレン96−ウエルマイクロタイタプレートのウエル中で
保温した。この測定構成物は、ペルオキシダーゼ基質に
より結合された複合体に関するEIAの直接展開を可能に
し、こうして別の洗浄工程及び保温工程の必要を回避し
た。対照として、表面固定化BSA(陰性対照)及びブド
ウ球菌プロテインA(陽極対照)を、表面固定化した修
飾CRPへの結合の比較のために使用した。全ての場合、
正常なウサギ血清に添加された酵素単独は、実験表面に
結合しなかった。下記の結果を得た。
これらのデータは、修飾CRPが抗体単独よりも2.2倍〜
174倍大きくsol−ICを結合することを示す。抗原に対し
1〜3の抗体を含むICsは、自由抗体結合とは最も顕著
に異なっていた。また、sol−ICsは、ここに記載された
全ての比でプロテインAを結合することがわかった。し
かしながら、66倍まで多い未複合の免疫グロブリンは修
飾CRPよりもプロテインAに結合した(1.25:1の比
で)。こうして、プロテインAは、ICs中の免疫グロブ
リンよりも単量体免疫グロブリンを結合するのに選択的
ではない。アフィニティ精製されたウサギ抗ペルオキシ
ダーゼ試薬を用いる同様の実験、ウサギ抗−β−ガラク
トシダーゼ−β−ガラクトシダーゼ抗体:酵素系を用い
る同様の実験、及びヤギ抗ビオチン(またアフィニティ
精製された)−ビオチニル化アルカリホスファターゼ系
を用いる同様の実験を行なった。全ての系で、実験結果
は示されたものと実質的に同じであった。
実施例 3 ICsを結合する固定化された修飾CRPの感度 実施例2に記載された系と同様のアフィニティ精製抗
体系を、2.5:1の抗体対酵素の比に調節した。特定量のs
ol−ICsを、1%のBSAを含む緩衝液または希釈した正常
の血清(6.25%)に添加した。固定化された修飾CRP
(実施例1に記載したようにして修飾した)の量を10μ
g/ウエルから1ng/ウエルに変え、修飾CRPに与えられ、
結合されたsol−ICの多数のシグモイド結合曲線を確立
した。0.5〜1μgの修飾CRP/ウエルがEIAに関して最適
であり、50〜100ng/ウエルの程度の少量が或種の測定条
件及びsol−IC濃度で機能的であった。
測定構成物は、sol−ICsとして存在する抗体タンパク
1〜10μgを検出できた。sol−ICsとしてのヤギ抗体及
びウサギ抗体は修飾CRPに選択的に結合した。ウサギ抗
体及びヤギ抗体のsol−ICsを用いる別の抑制実験は、修
飾CRPへのそれらの結合の際に明らかな種特異性を示さ
ないことを示した。
実施例 4 修飾CRPへのヒト免疫グロブリン凝集物の結合 特定のヒト免疫複合体系が容易に入手できなかったの
で、対称系としてビオチニル、化された単離ヒト免疫グ
ロブリン(Ig)を使用した。ポリスチレン表面に固定化
された1μg/ウエルの量の修飾CRPを用いて、実施例2
及び実施例3に記載したようにして、EIAを行なった。
ビオチニル化Igを63℃で30分間熱凝集させ(aggIg)、
大きい複合体を遠心分離により除去した。熱凝集したピ
オチニル化Igを、示された濃度に希釈し、固定化された
修飾CRPの上で1時間保温した。結合しなかった物質を
多くの洗浄工程で除去し、連鎖球菌−アビジン−β−ガ
ラクトシダーゼ−酵素複合体及び適当な基質を用いて、
結合Igを検出した。
これらのデータは、修飾CRPがプロテインA及びClqと
同様の感度でヒトaggIgを結合することを示す。更に、
これらの実験から、修飾CRPは、それがプロテインAま
たはClqよりも単量体Igを多く結合しない点で優れた試
薬であることが明らかである。修飾CRPに結合する単量
体IgはaggIgとの間の明らかな区別は、約2μg/ml〜50
μg/mlのIg濃度で観察される(表2中の下線を付した値
を参照のこと)。正常なヒト血清(NHS)中に存在と予
想されるsol−ICsが合計Ig(10mg/mlであると推定され
る)の0.001〜1%に相当すると計算したとするなら
ば、sol−IC検出測定は0.5μg/ml〜100μg/mlの感度を
必要とする。こうして、修飾CRPは、この濃度範囲内
で、試験したその他の試薬よりも有効にsol−ICsを機能
的に識別する。
実施例 5 血清中の修飾CRP結合因子を同定し定量化するための抑
制EIA 血清の種々の希釈液を、ポリスチレンマイクロタイタ
プレート上に1μg/ウエルで固定化された修飾CRP(実
施例1に記載したようにして調製した)の上で保温して
ICsの結合を可能にした。洗浄後、特別に調製した抗〜
ネオCRP−酵素複合体試薬の結合に何らかの変化(即
ち、予想される減少)があることが予想される。その理
由は、修飾CRPに結合されたICsがネオCRP抗原に対する
抗−ネオCRPポリクローナル抗体及びモノクローナル抗
体(及び適当な酵素−複合体)の結合の増大を阻止する
からである。二つの結果が得られた。1)血清因子、お
そらくICsは、別個の測定ウエル中の酵素接合した抗ヒ
トIgG試薬で検出されるように、固相吸着した修飾CRPに
結合した。そして、2)修飾CRPに結合されたIgGは、酵
素結合されたプロテインAに対し反応性ではなかった。
この後の知見は、IgGがIgGのC2−C3スイッチ領域へのプ
ロテインAの結合を阻止するように修飾CRPに結合して
いることを示唆した〔バートン、D.R.著、Mol.Immuno
l.、22巻、161〜206頁(1985年);スジョダール(Sjod
ahl)著、J.Eur.J.Biochem.、78巻、471〜490頁(1977
年)を参照のこと〕。
尿素キレート化により調製された修飾CRPに代えて、
マイクロタイタプレートのウエルで直接固定化すること
により調製された修飾CRPを用いて、匹敵する結果を得
た。
実施例 6 患者の血清、血漿及び胸膜液からの免疫複合体の修飾CR
Pへの結合 種々の病気をもつ21人の患者の血清、血漿、及び胸膜
液を、実施例1に記載されたようにして調製した修飾CR
Pに結合するヒトIgG(酵素接合された抗ヒトIgG試薬を
用いる)に関して試験した。本発明者らは21の試料のう
ちの17個中で結合する物質を見い出した(81%陽性)。
一般に、血漿試料は、血清に比較して、同じか、または
幾つかの場合に増大された量の修飾CRP結合物質を与え
た。前記の修飾CRP結合物質の場合のように、結合したI
gGはプロテインA展開試薬(developing reagents)で
は検出できなかった。試験した10の正常なヒト血清に関
して、少量(グラフ中の陰性)のIgGを、血清の1:10以
下の希釈液でのみ検出した。EIA結合曲線の例が第1図
〜第3図に示されている。
一般に、二つのパターンが観察された。一つの結果
が、慢性関節リウマチ(第1図)または盲腸炎(第2
図)をもつ患者からの血清で示される。修飾CRPに結合
したIgG物質の量は、血清濃度(血液希釈)と相関関係
にあった。結果の第二の型は、側頭動脈炎(第1図また
は第2図)または盲腸炎(第3図)をもつ患者からの血
清で示される。プロゾンに似た現象を示唆するベル形曲
線が得られた。修飾CRPに結合したIgGの量は、正常な血
清試料中よりも患者試料中で非常に多かった(1:1000ま
での希釈で観察される)。本発明者らは、修飾CRP結合I
gGの量及びCRPの血清量の正もしくは逆の相関関係を見
い出さなかった。こうして、CRPは炎症の一般指数とし
て使用されるが、その量はおそらく複合IgGを結合する
修飾CRPの能力に関して明らかに反映しない。
尿素キレート化により調製された修飾CRPに代えて、
マイクロタイタプレートのウエルで直接固定化により調
製された修飾CRPを用いて匹敵する結果が得られた。
実施例 7 リウマチ活性因子を含む血清からのIgsの修飾CRPへの結
合 本発明者らは、ラテックス凝集試験により測定される
ように、リウマチ因子をもつことが知られている患者血
清を固相固定化された修飾CRP(実施例1に記載された
ようにして調製した)の上で保温した。測定条件は、前
の実施例に記載されたものと同じであった。洗浄後、抗
ヒトIgM及び抗ヒトIgG酵素複合体を用いて、ウエルを結
合IgM及びIgGに関して精査した。正常のヒト血清を対照
として使用した。全ての試料をエアフュージ(airfug
e)中で予め遠心分離してプレート保温の前に粒状複合
体を除去した。下記の結果が観察された。
これらのデータは、慢性関節リウマチ患者からのIgG
が修飾CRPに結合し、またその血清の少なくとも一つか
らのIgMが修飾CRPに結合した(表3中の下線を付した値
を参照のこと)ことを示す。IgMは二つの正常な血清か
ら結合せず、少量のIgGのみが二つの正常な血清から結
合した。血清が1:40の水準に希釈された時に、検出され
た結合IgGまたはIgMの量は減少した。これらのデータ
は、修飾CRPが単量体Igsより非常に過剰の量でICsを結
合し得ることを示す前の結果と一致する。
実施例 8 修飾CRPが凝集IgM及び凝集IgA並びに凝集IgGを結合する
ことの実証 精製ビオチニル化ヒトIgG(ベクター・ラボラトリィ
ズ(Vector Laboratories)、バーリントン、CA)並び
に標準プロトコルによりビオチニル化されたクロマトグ
ラフィー精製したIgM調製物及びIgA調製物(ジャクソン
・イムン・リサーチ・ラボラトリィズ(Jackson Immune
Research Laboratories)アボンパーク、NY)を使用し
た。夫々の複合体のアリコートを、63℃の水浴中の25分
間の保温により熱凝集させた。熱凝集したアリコート及
び熱凝集しなかったアリコートの両方を、140,000×g
で10分間遠心分離して、大きな不溶性の凝集物を除去し
た。得られた上澄液を、280nmに於ける吸光度により定
量化し、直ちに使用した。
ポリスチレンEIAプレートを、0.1Mの重炭酸ナトリウ
ム(pH9.4)中の修飾CRP(実施例1に記載されたように
して調製した)の10μg/ml溶液100μ/ウエルで4℃
で一夜塗布した。ウエルを吸引し、1%BSA、0.02%ア
ジ化ナトリウム及び0.1%トウィーンを含むPBS(洗浄緩
衝液)中で徹底的に洗浄し、その後、凝集及び非凝集
の、遠心分離し、ビオチニル化した免疫グロブリンの10
0μ/ウエル希釈液を、修飾CRPで塗布されたウエル中
で37℃で1時間保温した。ウエルを吸引し、洗浄緩衝液
で徹底的に洗浄し、その後、洗浄緩衝液中の連鎖球菌−
アビジン−β−ガラクトシダーゼ複合体(ライフ・テク
ノロジィズ・インコーポレーション(Life Technologie
s、Inc.)、ガイザーズブルグ、MD)の希釈液100μウ
エルをウエルに添加し、37℃で1時間保温した。ウエル
を吸引し、洗浄緩衝液中で徹底的に洗浄し、5mMの塩化
マグネシウム及び0.78%のβ−メルカプトエタノールを
含む基質緩衝液(PBS)中の4mg/mlの酵素基質オルトニ
トロフェニル−β−ガラクトピラノシド100μg/ウエル
を添加した。周囲温度で10〜120分間保温した後、その
反応を405nmに於ける吸光度の変化により定量化した。
結果が、下記のように要約される。
これらの結果は、修飾CRPが単離体Igを結合するのよ
りも3〜10倍良好に、修飾CRPがIgG、IgM及びIgA凝集物
の夫々を結合することを示す。三つのIgの種類の全てが
ICs中に天然に存在することが示されていたので、これ
らのデータは修飾CRPが全てのIgの種類のICsを結合する
のに有効であることを示す。
実施例 9 修飾CRPが吸着される表面を親水性リガンドで下塗りす
ることの、単量体及び凝集IgGの結合に及ぼす効果 ポリスチレンEIAプレートを、種々の濃度のプロタミ
ン(ポリカチオン性リガンド)100μを0.1Mの重炭酸
ナトリウム(pH9.4)中で4℃で一夜塗布した。吸引
後、100μg/mlの修飾CRP(実施例1に記載されたように
して調製した)100μを添加し、0.1Mの重炭酸ナトリ
ウム緩衝液(pH9.3)中で37℃で2時間保温した。吸引
後、ウエルを、0.02%のアジ化ナトリウム0.02%を含む
PBS中で1%のBSAで37℃で1時間にわたって裏面塗布し
た。ウエルを吸引し、洗浄緩衝液中で徹底的に洗浄し、
実施例8に記載されたようにして調製した熱凝集ビオチ
ニル化ヒトIgGまたは単量体15μg/mlの100μを洗浄緩
衝液中で添加し、37℃で1時間保温した。吸引し徹底的
に洗浄した後、連鎖球菌−アビジン−β−ガラクトシダ
ーゼ複合体の吸引された希釈液を添加し、37℃で1時間
保温した。吸引し洗浄した後、オルトーニトロフェニル
−β−D−ガラクトピラノシドを添加し、実施例8に記
載したようにして反応を正確に記録した。結果が、下記
のように要約される。
これらの結果は、修飾CRPが、ポリカチオン性表面に
固定化された時、凝集(複合)IgGを結合し、加えて、
ポリスチレンプレート表面に直接固定化された修飾CRP
よりも1.3倍〜少なくとも4.5倍多いagg IgGを結合する
その能力を保持することを示す。グリシン、アスパラギ
ン酸及びグルタミンが固体表面に固定化された場合、及
びヘパリンが固体表面に塗布された場合に、匹敵する結
果が得られた。これらのデータは、修飾CRPがICを結合
する有効性が、修飾CRPを特別に調製された表面に固定
化する時に増大されることを示唆する。
修飾CRPはBSA被覆表面に吸着し、凝集Igに対する選択
的な結合活性を保持した。しかしながら、修飾CRPが凝
集IgGを結合した有効性は、ポリスチレンプレート表面
に直接吸着した修飾CRPの結合により測定された水準よ
りも改良されなかった。
実施例10 単量体ヒトIgGまたは凝集ヒトIgGを含む溶液に修飾CRP
を添加することの効果 ヒトIgG(イムン・セルム・グロブリン(Immune Ser
um Globulin)、カッター−ガマスタン(Cutter−Gama
stan))を、10mMのリン酸塩、0.3Mの塩化ナトリウム
(pH7.3)中で1mg/mlで調製した。アリコートを水浴中
で63℃で30分間加熱した。実施例1に記載されたような
尿素キレート化(8M尿素、10mMのEDTA、37℃で1時間、
PBS中に透析)により単離CRPから調製された修飾CRP
を、未処理のIgGまたは熱凝集IgGを添加した。これらの
条件下で修飾CRPは優先的に沈殿した。それ故、修飾CRP
の懸濁液をつくり、IgG(単量体IgGまたは熱凝集IgG)
アリコートに、最終修飾CRP濃度が約100μg/mlとなるよ
うに、添加した。修飾CRP−IgG混合物を37℃で1時間保
温し、その後、試料を10,000×gで30分間遠心分離して
沈殿を除去した。上澄をデカントし、可溶性のまま残る
タンパクの濃度を280nmに於ける吸光度により計算し
た。
同じ処理下でPBS中に可溶性のまま残存した修飾CRPに
よる混合物に更に帰因した吸光度の最大値に関して補正
した。
これらの条件下で、単量体IgG(加熱されなかった)
を修飾CRPと混合した場合、IgG濃度の減少は観察されな
かった。熱凝集IgGを修飾CRPと混合した場合、凝集IgG
の34.9%を溶液から除去した。これらのデータは、修飾
CRPが液相中で凝集(複合)IgGの沈殿を促進し得ること
を示す。
実施例11 抗−ネオCRP血清及びアフィニティ精製抗−ネオ−CRP抗
体の調製 抗血清を調製するための通常の方法が使用し得る。し
かしながら、ネオ−CRP抗原の形質発現を最適化するた
めに、尿素キレート化CRPで免疫することが必要であ
る。
ネオCRPに対して単特異性抗血清を、操作を用いてヤ
ギで調節する。尿素キレート化CRP(500μg/mlで5ml)
を、多重の皮下注射、片側注射、側脊椎(paraspinal)
注射用の完全フロントアジュバントの等容量で乳化す
る。同一濃度の4つのブースター接種を、2週間隔で脊
椎の対向面で不完全フロイント中で与える。血清を45%
の硫酸アンモニウムで分別し、ヒトアルブミンカラム及
びSAP−アフィニィテルカラムに連続して通した。これ
は抗血液を部分精製し、更に精製する場合には、尿素キ
レート化CRPを臭化シアン活性化バイオゲル(バイオー
ラド・ラボラトリィズ、リッチモンド、CA)で固定化し
たアフィニティカラムに通すことにより精製する。特異
的抗体が、2MのMgCl2(最終pH4.5)を含むトリス緩衝食
塩水(pH7.4)を用いて溶出され、1%BSAを含む10mMの
PBS(pH7.4)中で平衡にされる。
この抗体は、ネオCRPを形質発現する修飾CRPを含む
か、またはそれを含むように補充された免疫グロブリン
または免疫複合体を結合するのに使用し得る。
実施例12 多発硬化症をもつ患者からの血漿(第4図)及び重症
筋無力症をもつ患者からの血漿(第5図)を、修飾CRP
(実施例1に記載されたようにして調製した)が付着さ
れた臭化シアン活性化アガロース樹脂を含むカラムに通
した。洗浄後、結合タンパクを1MのCaCl2を含む緩衝食
塩水(pH7.4)で溶出した。
多量のタンパクを結合し、溶出した。含量に関して分
析した場合、両方の患者からの結合タンパクは主として
IgG(少なくとも90%)であることがわかった。正常な
血漿からのタンパクの大部分がまたIgGとして同定され
た。
多発硬化症の血漿の同一のアリコートから未置換アガ
ロースに結合されたタンパクの量が第4図に示される。
また、凍結融解した正常の血漿から修飾CRP−アガロー
ス樹脂に結合されたタンパクの量が比較のために第5図
に示される。正常な血漿の凍結融解処理は、血漿試料中
の凝集IgGの量を非特異的に増加することが知られてい
る。こうして、この試験試料が“正常”であったとして
も、相当な量のタンパク(IgG)が修飾CRP−アガロース
に結合した。それにもかかわらず、結合しカラムから溶
出した凍結融解した正常な血漿からのIgGの量は、等容
量の患者の血漿から結合されたIgGの量のわずかに25%
〜40%であった。
尿素キレート化により調製された修飾CRPに代えて、
アガロース樹脂に直接固定化することにより調製された
修飾CRPを用いて、匹敵する結果が得られた。
実施例13 ネオCRP抗原性の形質発現に及ぼす種々の処理の効果
を評価するための尿素キレート以外のCRPの試験管内操
作 1mg/mlの単離CRPのアリコートを、以下のように処理
した。(1)EDTAの如きキレート剤の存在下で選択的
に、CRPを緩衝食塩水中で2分間加熱した。(2)緩衝
食塩水中のCRPをHClでpH2.0に調節し、NaOHで中和する
前に周囲温度で1分間保温した。(3)CRPをポリスチ
レンビースまたはその他のラテックス表面上で保温し
た。また、CRPを、分子生物学技術により試験管内で合
成した。実施例11で生産された抗体を通常の免疫測定に
使用して、これらの操作の全てがネオCRPの形質発現を
生じたことを測定した。
先の実施例は、一般にもしくは詳細に記載された反応
体を置換すること、及び/または実施例に特別に使用さ
れたものに関して本発明の条件を操作することにより同
様に成功して反覆し得る。以上の説明から、本発明が関
係する当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱しない
で、本発明の必須の特徴を容易に確かめることができ、
それを種々の用途及び条件に適するように種々の変化及
び改良をなし得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アンダーソン バイロン イー アメリカ合衆国 イリノイ州 60053 モートン グローヴ リーバ 5801 (56)参考文献 特開 平1−213573(JP,A) Molecular Immunol ogy:vol.20(No.11)p1165 −1175(1983) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61M 1/36 A61K 49/00 G01N 33/564 BIOSIS(DIALOG) CA(STN)

Claims (40)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】修飾C−反応性タンパクを含有する複合体
    の製造方法であって、凝集免疫グロブリンまたは免疫複
    合体を修飾C−反応性タンパクと接触させることによ
    り、修飾C−反応性タンパクを凝集免疫グロブリンまた
    は免疫複合体と結合させる工程を含む、前記製造方法。
  2. 【請求項2】修飾C−反応性タンパクがネオCRP抗原性
    を形質発現する、請求の範囲1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】修飾C−反応性タンパクが固体表面に固定
    化される、請求の範囲1項に記載の方法。
  4. 【請求項4】固体表面が疎水性である、請求の範囲3項
    記載の方法。
  5. 【請求項5】固体表面が親水性である、請求の範囲3項
    記載の方法。
  6. 【請求項6】修飾C−反応性タンパクがネオCRP抗原性
    を形質発現する、請求の範囲3項記載の方法。
  7. 【請求項7】固体表面への修飾C−反応性タンパクの結
    合がネオCRP抗原性の形質発現を生じる、請求の範囲6
    項記載の方法。
  8. 【請求項8】リンキング剤が固体表面へのC−反応性タ
    ンパクの結合を増強するのに使用される、請求の範囲3
    項記載の方法。
  9. 【請求項9】液体から凝集免疫グロブリンまたは免疫複
    合体をインビトロで除去する方法であって、 凝集免疫グロブリンまたは免疫複合体が修飾C−反応性
    タンパクに結合するように、液体を修飾C−反応性タン
    パクと接触させ、ついで 修飾C−反応性タンパクに結合された凝集免疫グロブリ
    ンまたは免疫複合体を液体から分離する ことを特徴とする、上記の凝集免疫グロブリンまたは免
    疫複合体の除去方法。
  10. 【請求項10】修飾C−反応性タンパクがネオCRP抗原
    性を形質発現する、請求の範囲9項に記載の方法。
  11. 【請求項11】修飾C−反応性タンパクが固体表面に固
    定化される、請求の範囲9項に記載の方法。
  12. 【請求項12】固体表面が疎水性である、請求の範囲11
    項記載の方法。
  13. 【請求項13】固体表面が親水性である、請求の範囲11
    項記載の方法。
  14. 【請求項14】修飾C−反応性タンパクがネオCRP抗原
    性を形質発現する、請求の範囲11項記載の方法。
  15. 【請求項15】固体表面への修飾C−反応性タンパクの
    結合がネオCRP抗原性の形質発現を生じる、請求の範囲1
    4項記載の方法。
  16. 【請求項16】リンキング剤が固体表面へのC−反応性
    タンパクの結合を増強するのに使用される、請求の範囲
    11項記載の方法。
  17. 【請求項17】免疫複合体が修飾C−反応性タンパクに
    結合するように免疫複合体を修飾C−反応性タンパクと
    接触させ、ついで 修飾C−反応性タンパクに結合された免疫複合体を検出
    または定量化することを特徴とする、免疫複合体の検出
    または定量化方法。
  18. 【請求項18】修飾C−反応性タンパクがラベルされて
    免疫複合体の検出または定量化を可能にする、請求の範
    囲17項記載の方法。
  19. 【請求項19】免疫複合体または修飾C−反応性タンパ
    クに結合するラベルした成分が添加されて免疫複合体を
    検出または定量化する、請求の範囲17項記載の方法。
  20. 【請求項20】修飾C−反応性タンパクがネオCRP抗原
    性を形質発現する、請求の範囲17、18または19項に記載
    の方法。
  21. 【請求項21】修飾C−反応性タンパクが固体表面に固
    定化される、請求の範囲17または19項に記載の方法。
  22. 【請求項22】固体表面が疎水性である、請求の範囲21
    項記載の方法。
  23. 【請求項23】固体表面が親水性である、請求の範囲21
    項記載の方法。
  24. 【請求項24】修飾C−反応性タンパクがネオCRP抗原
    性を発現する、請求の範囲21項記載の方法。
  25. 【請求項25】固体表面への修飾C−反応性タンパクの
    結合がネオCRP抗原性の形質発現を生じる、請求の範囲2
    4項記載の方法。
  26. 【請求項26】リンキング剤が固体表面へのC−反応性
    タンパクの結合を増強するのに使用される、請求の範囲
    21項記載の方法。
  27. 【請求項27】修飾C−反応性タンパクを保持する容器
    を含むことを特徴とする、免疫複合体を検出または定量
    化するための試験キット。
  28. 【請求項28】修飾C−反応性タンパクがラベルされて
    免疫複合体の検出または定量化を可能にする、請求の範
    囲27項記載のキット。
  29. 【請求項29】免疫複合体または修飾C−反応性タンパ
    クに結合して免疫複合体を検出または定量化するラベル
    した成分を保持する容器を更に含む、請求の範囲27項記
    載のキット。
  30. 【請求項30】液体から凝集免疫グロブリンまたは免疫
    複合体を除去するための装置であって、 固体表面に結合された修飾C−反応性タンパク、及び 液体が固体表面と接触し得るように固体表面を覆うため
    の手段 を含むことを特徴とする、上記の凝集免疫グロブリンま
    たは免疫複合体の除去装置。
  31. 【請求項31】複合体の製造方法であって、修飾C−反
    応性タンパクが結合した凝集免疫グロブリンまたは免疫
    複合体を、修飾C−反応性タンパクのネオCRP抗原性に
    対して特異的な抗体と接触させることにより、抗体を修
    飾C−反応性タンパクと結合させる工程とを含む、前記
    製造方法。
  32. 【請求項32】ネオCRPに対する抗体がラベルされて免
    疫複合体の検出または定量化を可能にする、請求の範囲
    31項記載の方法。
  33. 【請求項33】免疫複合体はまたネオCRPに対する抗体
    に結合するラベルした成分が添加されて免疫複合体を検
    出または定量化する、請求の範囲31項記載の方法。
  34. 【請求項34】複合体の製造方法であって、 凝集免疫グロブリンまたは免疫複合体を、ネオCRPを発
    現する修飾C−反応性タンパクと接触させ、ついで 同時に、またはその後に凝集免疫グロブリンまたは免疫
    複合体をネオCRPに対する抗体と接触させる ことを含む、前記方法。
  35. 【請求項35】凝集免疫グロブリンまたは免疫複合体が
    液体中に含まれ、液体がネオCRPに対する抗体に結合さ
    れた凝集免疫グロブリンまたは免疫複合体から分離さ
    れ、それにより液体から凝集免疫グロブリンまたは免疫
    複合体の除去を可能にする、請求の範囲31項または34項
    記載の方法。
  36. 【請求項36】ネオCRPに対する抗体を保持する容器を
    含むことを特徴とする、免疫複合体を検出または定量化
    するための試験キット。
  37. 【請求項37】ネオCRPを形質発現する修飾C−反応性
    タンパクを保持する容器を更に含む、請求の範囲36項記
    載のキット。
  38. 【請求項38】ネオCRPに対する抗体または免疫複合体
    に結合して免疫複合体を検出または定量化するラベルし
    た成分を更に含む、請求の範囲36項記載のキット。
  39. 【請求項39】液体から凝集免疫グロブリンまたは免疫
    複合体を除去するための装置であって、 固体表面に結合されたネオCRPに対する抗体、及び 液体が固体表面と接触し得るように固体表面を覆うため
    の手段 を含むことを特徴とする、上記の凝集免疫グロブリンま
    たは免疫複合体の除去装置。
  40. 【請求項40】複合体の製造方法であって、修飾C−反
    応性タンパクが結合した免疫グロブリンを、修飾C−反
    応性タンパクのネオCRP抗原性に対して特異的な抗体と
    接触させることにより、抗体を修飾C−反応性タンパク
    と結合させる工程を含む、前記製造方法。
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