JP3088120B2 - (1→3)−β−D−グルカン測定剤 - Google Patents

(1→3)−β−D−グルカン測定剤

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JP3088120B2
JP3088120B2 JP03073651A JP7365191A JP3088120B2 JP 3088120 B2 JP3088120 B2 JP 3088120B2 JP 03073651 A JP03073651 A JP 03073651A JP 7365191 A JP7365191 A JP 7365191A JP 3088120 B2 JP3088120 B2 JP 3088120B2
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glucan
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endotoxin
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重則 田中
弘志 田村
誠 大木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カブトガニ・アメボサ
イト・ライセートを用いる(1→3)−β−D−グルカ
ン測定剤に関する。
【0002】
【従来の技術】カブトガニ・アメボサイト・ライセート
(以下単にライセートという)を使用して、エンドトキ
シンを測定する方法が知られている。この方法は、微量
のエンドトキシンによりライセートが凝固することに基
づいているが、その後の生化学的解明により、該反応は
いくつかの凝固因子の段階的活性化より成ることが明ら
かにされている(中村隆範他、日本細菌学雑誌、38
781−803(1983))。
【0003】この反応を、例えば日本産カブトガニ(Ta
chypleus tridentatus)から得られるライセートによ
り、図1を用いて説明すると、ライセートにエンドトキ
シンが加わると、ライセート中に存在するC因子(エン
ドトキシン感受性因子、分子量123,000)が活性
化され、生成した活性型C因子がB因子(分子量64,
000)の特定箇所を限定水解して活性型B因子を生成
し、活性型B因子はプロクロッティングエンザイム(分
子量54,000)を活性化してクロッティングエンザ
イムに変換し、クロッティングエンザイムはコアギュロ
ーゲン(凝固タンパク、分子量19,723)のジスル
フィド結合で架橋されたループ内の特定箇所を、すなわ
ち…Arg18−Thr19…の間および…Arg46−Gl
47…の間を限定水解してH−Thr19…Arg46−O
Hで表されるペプチドC(アミノ酸28残基)を遊離し
つつ残余の部分がコアギュリンゲルに変換される、とい
う一連の反応(カスケード反応とも言う)である。
【0004】一方、このカスケード反応は、エンドトキ
シンのみではなく、ライセートに(1→3)−β−D−
グルカンが加わると図1におけるG因子が活性化され、
生成する活性型G因子がプロクロッティングエンザイム
をクロッティングエンザイムに活性化し、以下エンドト
キシンの場合と同様に反応してコアギュリンゲルを生成
する。
【0005】また、上記カスケード反応により生成する
クロッティングエンザイムは、反応系に別に添加され
る、例えばt−ブトキシカルボニル−ロイシル−グリシ
ル−アルギニン−パラ−ニトロアニリド(BOC−Le
u−Gly−Arg−pNA)のパラ−ニトロアニリン
を遊離させるので、生成する発色物質パラ−ニトロアニ
リンの吸光度を測定することによりエンドトキシンまた
は(1→3)−β−D−グルカンの定量を行うことがで
きる。その作用を利用して、後記する実施例における
(1→3)−β−D−グルカンの特異的測定に使用して
いる。
【0006】一方、従来から、ライセート中のG因子を
用いることにより(1→3)−β−D−グルカンを測定
する方法が報告されている(ObayashiT. et al., Clin.
Chim. Acta, 149, 55-65 (1985))。
【0007】しかし、この方法は、ライセートをゲルろ
過法によりあるいはヘパリンまたはデキストラン硫酸を
固定化したアフィニティー担体を用いるクロマトグラフ
ィーにより分画し、エンドトキシン感受性因子のC因子
を除去して、G因子とクロッティングエンザイムとで
(1→3)−β−D−グルカンを測定する方法であっ
て、極めて煩雑な操作を必要とする方法である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、改良された
方法により得られた、エンドトキシン感受性因子を実質
的に含まないライセートからなる(1→3)−β−D−
グルカン測定剤を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、カブトガニ・
アメボサイト・ライセートを、または該ライセートとデ
キストランとの混合物を、セルロース系不溶性担体に接
触させて得られるエンドトキシン感受性因子を実質的に
含まないライセートからなる(1→3)−β−D−グル
カン測定剤である。
【0010】ライセートとしては、リムルス・ポリフェ
ムス(L. polyphemus 、アメリカ産)、タキプレウス・
トリデンタツス(T. tridentatus、日本、中国産)、タ
キプレウス・ギガス(T. gigas、タイ国、マレーシア半
島産)、カルシノスコルピウス・ロツンディカウダ(C.
rotundicauda 、タイ国、マレーシア半島産)等のカブ
トガニ血リンパから、通常の方法により調製した血球抽
出液を挙げることができる。
【0011】セルロース系不溶性担体に、カブトガニ・
アメボサイト・ライセートを接触させ、次いでこの担体
をライセートから除去する方法としては、膜状の該担体
にライセートを通過させ、その通過液を採取する方法、
粒状の担体を充填したカラムにライセートを通過させて
その素通り液を採取する方法、適当な大きさの担体(例
えば、チップ状の担体)にライセートを接触させた後
に、遠心分離、ろ過等の手法により該担体を除去する方
法等を挙げることができる。
【0012】また、該担体にライセートを接触させる
際、ライセートにデキストランを混合しておくことによ
り、さらにエンドトキシン感受性因子の該担体への吸着
作用を増大させることができ、かつ(1→3)−β−D
−グルカンに対する測定感度も高めることができる。
【0013】用いるデキストランとしては平均分子量
5,000〜5,000,000、好ましくは10,0
00〜100,000の範囲を挙げることができる。
【0014】平均分子量が5,000より下のデキスト
ランはエンドトキシン感受性因子の吸着効果が弱く使用
することができない。また5,000,000より上の
ものは粘性が高すぎて使用することができない。
【0015】本発明に使用するセルロース系担体として
は、膜状、粒状、チップ状等の形態を有するセルロー
ス、セルロースエステル(例えばセルロースアセテート
及びセルロースニトレート等)、アミノエチル−、ブロ
モアセチル−、ホスホ−、カルボキシメチル−等の置換
基を有するセルロース、カルボキシメチルセルロースの
ヒドラジド誘導体等を挙げることができる。
【0016】本発明により、(1→3)−β−D−グル
カンを測定する生体試料としては、血液、血漿、血清、
脳脊髄液、腹水、関節液、胸水、乳汁、尿等の、体液、
浸出液、排泄液等を挙げることができる。
【0017】本発明の測定剤を用いて(1→3)−β−
D−グルカンを測定するには、前述の発色合成基質ある
いは発蛍光合成基質を反応液中に共存させ、クロッティ
ングエンザイムのアミダーゼ活性を測定する方法、凝固
反応によるゲル形成を検査する方法等を採用することが
できる。
【0018】
【作用】本発明は、セルロース系不溶性担体に(1→
3)−β−D−グルカン感受性因子の活性が損なわれる
ことなく、ライセート中のエンドトキシン感受性因子が
吸着除去されることによって、(1→3)−β−D−グ
ルカンにのみ反応するライセートが得られる。また、該
担体にライセートを接触させる際に、ライセートにデキ
ストランを混合してライセートの粘性を上げることによ
って、該吸着除去の効果を高める。
【0019】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0020】実施例1 カブトガニ(T. tridentatus)血リンパ液500mlを4
℃、1,500rpm で10分間遠心し、その沈殿部分
(アメボサイト)約20g に100mlの0.02M トリ
ス−塩酸緩衝液(pH8.0)を加え、ホモゲナイザー
(ポリトロンR PT10(商品名)、Kinematica社製
造)にて均一に破砕および抽出し、10,000×Gで
30分間冷却遠心し、上澄液と沈殿物とを採取した。得
られた沈殿物をさらに60mlの緩衝液にて2回抽出し、
最終的に200mlのライセートを得た。
【0021】以下の方法で4種類の試薬を調製し、エン
ドトキシンおよび(1→3)−β−D−グルカンに対す
る反応性を比較検討した。
【0022】A剤は、0.8M 塩化マグネシウム200
μl と6mMBoc−Leu−Gly−Arg−pNA2
00μl の混液(以下MS混液)にライセート880μ
l を添加し、凍結乾燥することにより調製した無処理の
ライセートである。
【0023】B剤は、ライセート3.0mlを0.22μ
m のセルロールエステル膜(ステリフィルD−GS(商
品名)、直径47mm、ミリポア社製)に通過させた後、
そのろ液880μl をMS混液に添加し、凍結乾燥する
ことにより調製した本発明のセルロースエステル膜処理
ライセートである。
【0024】C剤は、ライセート3.0mlを0.20μ
m のセルロースアセテート膜(ナルゲンフィルターウェ
ア(商品名)、直径47mm、ナルジェ社製)に通過させ
た後、そのろ液880μl をMS混液に添加し、凍結乾
燥することにより調製した本発明のセルロースアセテー
ト膜処理ライセートである。
【0025】D剤は、ライセート3.0mlを0.20μ
m のセルロースニトレート膜(ナルゲンフィルターウェ
ア(商品名)、直径47mm、ナルジェ社製)に通過させ
た後、そのろ液880μl をMS混液に添加し、凍結乾
燥することにより調製した本発明のセルロースニトレー
ト膜処理ライセートである。
【0026】上記4種類の試薬それぞれに、2.2mlの
0.2M トリス−塩酸緩衝液(pH8.0)を加えて溶解
し、その溶液0.1mlにエンドトキシン(25pg/ml)お
よび(1→3)−β−D−グルカン(30pg/ml)各々
0.1mlを添加して、37℃で30分間加温した。4種
類の試薬に対する試料の反応性は、30分後に生じたp
NA(パラニトロアニリン)を、0.5mlの0.04%
亜硝酸ナトリウム(0.48M 塩酸溶液)、0.3%ス
ルファミン酸アンモニウム、0.7%N−(1−ナフチ
ル)エチレンジアミン二塩酸塩を順次添加して発色さ
せ、545nmの吸光度値で示した。
【0027】その結果を表1に示した。この結果からセ
ルロース系膜を一度通過させたライセートを使用すれ
ば、エンドトキシンの影響を受けずに、(1→3)−β
−D−グルカンを特異的に定量することができる。
【0028】
【表1】
【0029】*…((1→3)−β−D−グルカンの調
製法)国際特許公開第90/02951(1990)に
準じ、カードラン(和光純薬工業販売)の1g を約10
0mlの5mM NaOH水溶液に懸濁し、氷冷下で音波発
生機、ソニケーターTM(大岳製作所、型式5202PZ
T、東京)により20KHz 、80W で12分間音波処理
による低分子化を行った。処理液を5M NaOH水溶液
を用い、最終0.3M 水溶液とし、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー;GPCカラム:TSK gel
G3000PW×L 2本、G2500PW×L 1
本、移動相:0.3M NaOH水溶液、流速0.5ml/
min)により分画採取し、再クロマトグラフィーにより分
子量216,000のGPC分画精製標品((1→3)
−β−D−グルカン標品)を得た。
【0030】実施例2 実施例1で調製した原料ライセート40mlに同量の蒸留
水を加えた(以下、ライセート+DW)。また該ライセ
ート40mlに同量の15%(W/V)デキストラン(分
子量40,000)水溶液を加え、3,500rpm で1
0分間遠心して、その上清を得た(以下、ライセート+
Dx)。
【0031】以下の方法で6種類の試薬を調製し、エン
ドトキシンおよび(1→3)−β−D−グルカンに対す
る反応性を比較検討した。
【0032】E剤は、MS混液にライセート+DW1.
76mlを添加し、凍結乾燥することにより調製した無処
理のライセート+DWである。
【0033】F剤は、MS混液にライセート+Dx1.
76mlを添加し、凍結乾燥することにより調製した無処
理のライセート+Dxである。
【0034】G剤は、ライセート+DW2.1mlを0.
22μm のセルロースエステル膜(マイレクスGS(商
品名)、直径25mm、ミリポア社製)に通過させた後、
そのろ液1.76mlをMS混液に添加し、凍結乾燥する
ことにより調製した本発明のセルロースエステル膜処理
ライセート+DWである。
【0035】H剤は、ライセート+Dx2.1mlを0.
22μm のセルロースエステル膜(マイレクスGS)に
通過させた後、そのろ液1.76mlをMS混液に添加
し、凍結乾燥することにより調製した本発明のセルロー
スエステル膜処理ライセート+Dxである。
【0036】I剤は、ライセート+DWを0.20μm
のセルロースアセテート膜(ナルゲンシリンジフィルタ
ー(商品名)、直径25mm、ナルジェ社製)に通過させ
た後、そのろ液1.76mlをMS混液に添加し、凍結乾
燥することにより調製した本発明のセルロースアセテー
ト膜処理ライセート+DWである。
【0037】J剤は、ライセート+Dx2.1mlを0.
20μm のセルロースアセテート膜(ナルゲンシリンジ
フィルター)に通過させた後、そのろ液1.76mlをM
S混液に添加し、凍結乾燥することにより調製した本発
明のセルロースアセテート膜処理ライセート+Dxであ
る。
【0038】上記6種類の試薬それぞれに2.2mlの
0.2M トリス−塩酸緩衝液(pH8.0)を加えて溶解
し、その溶液0.1mlにエンドトキシン(25pg/ml)お
よび(1→3)−β−D−グルカン(30pg/ml)各々
0.1mlを添加して、37℃で30分間加温し、実施例
1と同様にして6種類の試薬に対する試料の反応性を調
べた。その結果を表2に示した。この結果から、あらか
じめライセートにデキストランを共存させておくと、エ
ンドトキシン感受性因子の吸着効果を高めるとともに、
(1→3)−β−D−グルカンに対する感度を著しく高
めることができることがわかる。
【0039】
【表2】
【0040】実施例3 カブトガニ(L. polyphemus)血リンパ液600mlを4
℃、1,500rpm で10分間遠心し、その沈殿部分
(アメボサイト)約23g に110mlの0.02Mトリ
ス−塩酸緩衝液(pH8.0)を加え、ホモゲナイザー
(ポリトロンR PT10)にて均一に破砕および抽出
し、10,000×Gで30分間冷却遠心し、上澄液と
沈殿物とを採取した。得られた沈殿物をさらに65mlの
緩衝液にて2回抽出し、最終的に220mlのライセート
を得た。同ライセート20mlに同量の15%(W/V)
デキストラン(分子量70,000)を加え、3,50
0rpmで10分間遠心後、その上清をD−ライセートと
した。これを用いて、以下の方法で8種類の試薬を調製
し、エンドトキシンおよび(1→3)−β−D−グルカ
ンに対する反応性を比較検討した。
【0041】K剤は、MS混液にD−ライセート1.7
6mlを添加し、凍結乾燥して調製した無処理のライセー
トである。
【0042】L剤は、D−ライセート2.6mlを同量の
多孔性セルロースゲル(セルロファインGC−200m
(商品名)、生化学工業販売)と混合後、ガラスフィル
ター(G3)でろ過し、そのろ液1.76mlをMS混液
に添加し、凍結乾燥して調製した本発明のセルロースゲ
ル処理ライセートである。
【0043】M剤は、D−ライセート2.6mlを同量の
ジエチルアミノエチルセルロースゲル(DEAEセルロ
ース、Serva Feinbiochemica GmbH 製)と混合後、ガラ
スフィルター(G3)でろ過し、そのろ液1.76mlを
MS混液に添加し、凍結乾燥して調製した本発明のジエ
チルアミノエチルセルロースゲル処理ライセートであ
る。
【0044】N剤は、D−ライセート2.6mlを同量の
カルボキシメチルセルロースゲル(Serva Feinbiochemic
a GmbH製)と混合後、ガラスフィルター(G3)でろ過
し、そのろ液1.76mlをMS混液に添加し、凍結乾燥
して調製した本発明のカルボキシメチルセルロースゲル
処理ライセートである。
【0045】O剤は、D−ライセート2.6mlを同量の
ホスホセルロースゲル(Serva Feinbiochemica GmbH製)
と混合後、ガラスフィルター(G3)でろ過し、そのろ
液1.76mlをMS混液に添加し、凍結乾燥して調製し
た本発明のホスホセルロースゲル処理ライセートであ
る。
【0046】P剤は、D−ライセート2.6mlを同量の
アガロースゲル(セファロースCL−6B(商品名)、
Pharmacia 社製)と混合後、ガラスフィルター(G3)
でろ過し、そのろ液1.76mlをMS混液に添加し、凍
結乾燥して調製した比較のアガロースゲル処理ライセー
トである。
【0047】Q剤は、D−ライセートを同量のデキスト
ランゲル(セファデックスG−150(商品名)、Phar
macia 社製)と混合後、ガラスフィルター(G3)でろ
過し、そのろ液1.76mlをMS混液に添加し、凍結乾
燥して調製した比較のデキストランゲル処理ライセート
である。
【0048】R剤は、D−ライセート2.6mlを同量の
ポリアクリルアミドゲル(バイオゲルP−300(商品
名)、Bio-Rad Laboratories製)と混合後、ガラスフィ
ルター(G3)でろ過し、そのろ液1.76mlをMS混
液に添加し、凍結乾燥して調製した比較のポリアクリル
アミドゲル処理ライセートである。
【0049】上記8種類の試薬それぞれに2.2mlの
0.2M トリス−塩酸緩衝液(pH8.0)を加えて溶解
し、その溶液0.1mlにエンドトキシン(25pg/ml)及
び(1→3)−β−D−グルカン溶液(30pg/ml)各々
0.1mlを添加し、37℃で30分間加温し、実施例1
と同様にして8種類の試薬に対する試料の反応性を調べ
た。その結果を表3に示した。この結果から、セルロー
ス系担体を通過させたライセートを使用すれば、エンド
トキシンの影響を受けずに、(1→3)−β−D−グル
カンを特異的に定量することができることは明らかであ
る。
【0050】
【表3】
【0051】実施例4 市販ゲル化法リムルステスト試薬を使用する(1→3)
−β−D−グルカン測定剤の調製 市販のライセート製品すなわちゲル化法リムルステスト
試薬を使用して、目的とする(1→3)−β−D−グル
カン測定剤を以下のようにして調製した。
【0052】L−1剤は、プレゲル−M(生化学工業販
売ライセート、LotAB-01)を2.6mlの注射用蒸留水に
溶解した後、0.22μmのセルロースアセテート膜
(ナルゲンフィルターウェア)に通過させ、そのろ液
1.4mlを凍結乾燥することにより調製した本発明のセ
ルロースアセテート膜処理ライセート+DWである。
【0053】L−2剤は、無処理のプレゲル−Mであ
る。
【0054】L−3剤はリムルスHSII−テストワコー
(和光純薬工業販売ライセート、Lot. EMM090)を5.0
mlの注射用蒸留水に溶解した後、0.22μm のセルロ
ースエステル膜(ステリフィルD−GS)に通過させ、
そのろ液を使用した本発明のセルロースエステル膜処理
ライセート+DWである。
【0055】L−4剤は無処理のリムルスHSII−テス
トワコーである。
【0056】注射用蒸留水を用い、L−1剤は1.4m
l、L−2剤は2.6ml、L−4剤は5.0mlで溶解し
た。L−1〜L−4剤の0.1mlに注射用蒸留水(ブラ
ンク)、エンドトキシン(E. coli 0111:B4 由来)およ
び(1→3)−β−D−グルカンを別々に0.1ml加
え、37℃で60分間静置加温し、ゲル形成の有無を調
べた。その結果を表4に示した。表中、+はゲル化した
ことを、−はゲル化しなかったことを表す。表4から明
らかなようにL−1およびL−3剤は(1→3)−β−
D−グルカンとのみ反応する目的に適したライセートで
あることがわかる。
【0057】
【表4】
【0058】実施例5(血漿検体の測定) 真菌による敗血症を疑った入院中の重症血液疾患(急性
リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫等)
を有する患者11例を対象に、それぞれ無菌的に採血し
たヘパリン加血漿を試料として、4℃で150×G、1
0分間遠心して多血小板血漿を得た。その0.1mlに
0.32M 過塩素酸0.2mlを加え、37℃で20分間
加温し、析出物を遠心(3,000rpm 、10分間)除
去し、その上清0.05mlに0.18M NaOHを0.
05ml加えて中和し被検液とした。
【0059】ひきつづき実施例2に記載の方法で調製し
た本発明の(1→3)−β−D−グルカン測定剤(H
剤)0.1mlを加え、37℃で30分間加温した。その
反応液に0.04%亜硝酸ナトリウム(0.48M 塩酸
溶液)、0.3%スルファミン酸アンモニウム、0.0
7%N−1−ナフチルエチレンジアミンニ塩酸塩を各
0.5ml順次加えてジアゾカップリングし、545nmで
その吸光度を測定して別に作成した検量線(図2)より
(1→3)−β−D−グルカン換算量として表した。表
5に示すように全例(No. 1〜No. 11)において高濃
度の(1→3)−β−D−グルカンが検出され(健常
人:0.2±0.3pg/ml)、そのうちの5例(No. 1
〜No. 5)は、血培にて、カンジダ・アルビカンス(Ca
ndida albicans)、カンジダ・グリエルモンディ(Cand
ida guilliermondii)、カンジダ・トロピカリス(Cand
ida tropicalis)、カンジダ・クルセイ(Candida krus
ei)およびクリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryp
tococcus neoformans)をそれぞれ検出し、2例(No. 6
及びNo. 7)は血培では陰性であったが、死亡後の解剖
による組織病理学的検査によりアスペルギルス・フミガ
ツス(Aspergillus fumigatus)を検出した。さらに残り
4例(No. 8〜No. 11)については、臨床症状、経
過、薬剤感受性等から真菌感染を強く疑ったにもかかわ
らず血培では陰性であったが、抗真菌剤(アンホテリシ
ン、ミコナゾール、フルコナゾール)投与により、臨床
的に顕著な改善を見た。従って、本発明の測定剤は真菌
感染症とりわけ通常の検査法では診断がきわめて困難な
深在性真菌感染症の迅速診断法として、適切に用いられ
ることが理解できる。
【0060】
【表5】
【0061】実施例6(尿検体の測定) 入院中に尿路感染症を併発した症例で、尿培養でカンジ
ダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・グ
ラブレイタ(Candida glabrata)を検出した3症例につ
き、本発明方法による尿中(1→3)−β−D−グルカ
ンの定量を行った。尿は中間尿を無菌的に滅菌採尿コッ
プに採取し、その0.005mlに注射用蒸留水0.1ml
を加えた後、実施例1に記載の本発明方法による(1→
3)−β−D−グルカン測定剤(C剤)0.1mlを加
え、37℃で30分間加温した。前記と同様にジアゾカ
ップリング後、545nmでその溶液の吸光度を測定し、
別に作成した検量線より(1→3)−β−D−グルカン
換算値として表した。表6に示すように3例中全例にお
いて高濃度の(1→3)−β−D−グルカンが検出され
(健常人:10pg/ml以下)、本発明の測定剤は真菌性
尿路感染症の迅速診断法として、適切に用いられること
が理解できる。
【0062】
【表6】
【0063】実施例7(脳脊髄液検体の測定) 入院中に髄膜炎を疑われ、髄液中にクリプトコッカス・
ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)を検出し
た真菌性髄膜炎の3症例につき、本発明方法による髄液
中(1→3)−β−D−グルカンの定量を行った。腰椎
穿刺にて無菌的に採取した髄液0.05mlに注射用蒸留
水0.05mlを加え、さらに実施例3に記載の本発明方
法による(1→3)−β−D−グルカン測定剤(L剤)
0.1mlを加えて、37℃で30分間加温した。前記と
同様にジアゾカップリング後、545nmでその溶液の吸
光度を測定し、別に作成した検量線より(1→3)−β
−D−グルカン換算値として表した。表7に示すよう
に、3例中全例において高濃度の(1→3)−β−D−
グルカンが検出され(健常人:1pg/ml以下)、本発明
の測定剤は真菌性髄膜炎の迅速診断法として、適切に用
いられることが理解できる。
【0064】
【表7】
【0065】
【発明の効果】本発明はライセートを用いて(1→3)
−β−D−グルカンを特異的に測定するための、エンド
トキシン感受性因子を含まない測定剤を提供するもので
あり、血液や尿をはじめとした生体試料中に存在する真
菌由来の(1→3)−β−D−グルカンを迅速簡便かつ
高い精度で測定することが可能である。菌培養法等に代
表される通常の検査法では診断困難な深在性真菌感染症
の迅速診断ならびに適切な治療法および治療効果の判定
に利用することができる。
【0066】さらに本発明の測定剤は、注射用蒸留水、
注射薬および医療用具に混入する(1→3)−β−D−
グルカンを迅速かつ正確に測定することを可能とし、ま
た(1→3)−β−D−グルカンに代表される抗腫瘍性
多糖のスクリーニングにも利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カブトガニ・アメボサイト・ライセートのエン
ドトキシンならびに(1→3)−β−D−グルカンによ
る反応機構を示す。
【図2】H剤の(1→3)−β−D−グルカンに対する
検量線を示す。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12Q 1/00 - 1/52 G01N 33/579 BIOSIS(DIALOG) MEDLINE(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カブトガニ・アメボサイト・ライセート
    をセルロース系不溶性担体に接触させ、次いでこの担体
    を該ライセートから除去することによって得られる、エ
    ンドトキシン感受性因子を実質的に含まないライセート
    からなる、(1→3)−β−D−グルカン測定剤。
  2. 【請求項2】 カブトガニ・アメボサイト・ライセート
    が、デキストランを含有するライセートである、請求項
    1記載の測定剤。
  3. 【請求項3】 カブトガニ・アメボサイト・ライセート
    をセルロース系不溶性担体に接触させ、次いでこの担体
    を該ライセートから除去することによってエンドトキシ
    ン感受性因子を実質的に含まないライセートを得る工程
    を含む、(1→3)−β−D−グルカン測定剤の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の(1→3)−β
    −D−グルカン測定剤に、検体を接触させる工程を含
    む、(1→3)−β−D−グルカンの測定方法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2に記載の(1→3)−β
    −D−グルカン測定剤を含む、真菌感染症診断薬。
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