JP3793531B2 - 蛍光寿命測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、蛍光寿命の被測定試料に励起光を照射し、該試料から発する蛍光光子数を測定し、測定した蛍光光子数にもとづいて蛍光寿命を算出する蛍光寿命測定装置に関するものである。
励起光を照射して試料を励起状態にし、試料が基底状態に遷移する過程で発する蛍光を測定し蛍光寿命を算出することにより、試料の種類または、試料の状態を知ることができる。蛍光寿命を算出するには、試料にパルス励起光を照射してから、蛍光が発するまでの時間を測定し、その時間分布から蛍光寿命を算出する時間相関単一光子計数(TCSPC:Time Correlated Single Photon Counting)法が知られている(非特許文献1参照)。
一方、試料にパルス励起光を照射し、試料から放出される蛍光光子数を複数の時間帯において測定し、複数の時間帯において測定した蛍光光子数から蛍光寿命を算出する方法(以下、時間ゲート法と称す。)も知られている。時間ゲート法は、蛍光光子数を測定する時間帯である時間ゲートを適当に設定すると誤差の小さい蛍光寿命が算出できるという利点がある。
"Array fluorometry:the theory of the statisticall multiplexing of single photon timing " D.J.S.Brich et al,SPIE:Society of Photo-Optical Insturmentation Engineers Proceedings,.1990.
ところで、時間ゲート法は、複数の時間ゲートに入射した蛍光光子数にもとづき蛍光寿命を算出するが、蛍光光子の放出確率が一般的に小さいため、パルス励起光の照射を何度も行う必要があり、蛍光光子数の測定に長い時間を要するという問題点があった。
また、蛍光光子数の測定を短時間に行うために、蛍光光子の放出確率を大きくし、蛍光光子の放出確率が大きい時間帯に時間ゲートを設定すると、蛍光光子数の測定誤差が大きくなるという問題点があった。つまり、同じ時間ゲートに複数の蛍光光子が入射したときにこれらの蛍光光子を分別することが困難であるために、蛍光光子数の測定誤差を招くという問題点があった。そのため、蛍光光子数の測定誤差を小さくするため、1回のパルス励起光に対して各時間ゲートに入射する平均の蛍光光子数が各々の時間ゲートにおいて0.01個程度と極めて低い放出確率にして蛍光光子数の測定を行う必要があった。結果的に1回の蛍光寿命の算出のために、最低数万回のパルス励起光の照射が必要となり、蛍光寿命の算出に多大な時間を要することが避けられないという問題点があった。
また、同一試料においても経時的に蛍光寿命自体が変わる場合があり、このような場合、蛍光寿命の算出に多大な時間を要する時間ゲート法では対応できず、蛍光寿命の経時変化を知ることができないとう問題点があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡易かつ短時間に、誤差の小さい蛍光寿命を算出することができる蛍光寿命測定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1にかかる蛍光寿命測定装置は、試料にパルス励起光を照射し、該パルス励起光によって励起された前記試料から放出される蛍光光子数を、複数の測定対象時間帯である複数の時間ゲートにより測定し、該複数の時間ゲートにより測定した蛍光光子数から蛍光寿命を算出する蛍光寿命測定装置において、前記蛍光寿命の算出過程において、所定の確率分布にしたがい蛍光寿命の補正を行う補正手段を備えたことを特徴とする。
この請求項1の発明によれば、蛍光光子の放出確率を大きくし、複数の時間ゲートに入射する蛍光光子数を増加させても、測定した蛍光光子数を所定の確率分布にしたがうように補正することで、短時間に蛍光寿命の算出ができる。
また、請求項2にかかる蛍光寿命測定装置は、上記の発明において、前記所定の確率分布は、前記パルス励起光により励起された前記試料から放出される蛍光光子数の確率分布として、ポアソン分布を使用することを特徴とする。
また、請求項3にかかる蛍光寿命測定装置は、上記の発明において、前記補正手段は、前記複数の時間ゲートにより測定した各時間ゲートにおける蛍光光子数と前記パルス励起光の照射回数とを用いることを特徴とする。
本発明にかかる蛍光寿命測定装置によれば、複数の時間ゲートにより測定した蛍光光子数の分布を、所定の確率分布にしたがうように補正することにより、誤差が小さい蛍光寿命が短時間に算出できるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる蛍光寿命測定装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態)
図1は、この発明の実施の形態である蛍光寿命測定装置1の概要構成を示すブロック図である。蛍光寿命測定装置1は、励起光を試料に照射して蛍光光子を発生させ、発生した蛍光光子を検出する測定部2と、測定部2で検出した蛍光光子の信号から複数の時間ゲートごとに蛍光光子数を測定する信号処理部4と、複数の時間ゲートごとに測定した蛍光光子数にもとづいて蛍光寿命を算出する演算処理部5と、測定部2と信号処理部4と演算処理部5とを制御する制御部3とを有している。制御部3は、測定部2のパルスレーザ光源2aの出射タイミングを制御し、信号処理部4の複数の時間ゲートの時間帯を制御し、演算処理部5の演算処理を制御している。
測定部1は、パルスレーザ光源2aとレンズ系2b,2dと試料2cと検出器2eとを有している。パルスレーザ光源2aから出射されたパルス励起光はレンズ系2bにより試料2cに集光し、集光したパルス励起光によって試料2cは励起されて励起状態になり、励起状態から基底状態に遷移する間に所定の確率分布をもち蛍光光子を放出する。試料2cから放出された蛍光光子はレンズ系2dにより検出器2eに集光する。検出器2eは集光した蛍光光子を電気信号に変換して、信号処理部4に出力する。信号処理部4は、入力した電気信号を、複数の時間ゲートごとに蛍光光子数を測定し、測定した蛍光光子数を演算処理部5に出力する。
図2は、信号処理部4の概要構成を示すブロック図である。本実施の形態では、時間ゲートを2個使用している。信号処理部4は、アンプ4a,4b,4cとスイッチS1,S2と波高分別器4d,4eとカウンタ4f,4gとを有している。信号処理部4は、検出部2eから入力した電気信号をアンプ4aによって増幅し、スイッチS1,S2に分岐させている。スイッチS1,S2は、制御部3からのゲート制御信号によって「ON」,「OFF」動作のタイミングが制御され、「ON」動作の間だけ電気信号を、アンプ4b,4cを介して波高分別器4d,4eに出力している。つまりスイッチS1,S2の「ON」動作の時間がそれぞれの時間ゲートに相当する。波高分別器4d,4eは、入力した電気信号を所定の値によって2値化し、2値化した信号をカウンタ4f,4gに出力する。カウンタ4f,4gは、2値化された信号を入力し、信号を入力した時に1蛍光光子を測定したとして時間ゲートごとに蛍光光子数を測定し、測定した蛍光光子数を演算処理部5に出力する。
演算処理部5は、信号処理部4から入力された時間ゲートごとの蛍光光子数をもとに、制御部3が設定した複数の時間ゲートごとに測定された蛍光光子数を検知し、各時間ゲートにおける蛍光光子数にもとづいて蛍光寿命を算出する。
演算処理部5は、補正部5aと蛍光寿命演算部5bとを有し、補正部5aは、複数の時間ゲートごとに測定された蛍光光子数に補正を加え、補正した蛍光光子数を蛍光寿命演算部5bに出力する。蛍光寿命演算部5bは、補正された蛍光光子数にもとづいて蛍光寿命を算出する。
一般的に励起状態から基底状態に遷移する過程で放出される蛍光光子の放出確率はポアソン分布にしたがうとされ、パルス励起光のエネルギーを増大させると蛍光光子の放出確率は高くなり、前述したように、蛍光光子数の測定誤差が生じ易い。
従来は、このような測定誤差が生じることを避けるために、パルス励起光のエネルギーを所定値まで減少させ、蛍光光子の放出確率を低くしていた。そのため、蛍光寿命を算出するために多大の時間を要していた。
この実施の形態は、測定した蛍光光子数の分布をポアソン分布にしたがうように補正し、蛍光光子の放出確率が高い時間ゲートを設定して蛍光光子数の測定を行っても、誤差の小さい蛍光寿命を短時間に算出できる。
つぎに、補正部5aにおける補正について説明する。補正内容は、信号処理部4から入力した複数の時間ゲートごとに測定された蛍光光子数の時間に対する分布が、ポアソン分布にしたがうように補正するものである。試料2cから放出される蛍光光子が、1回のパルス励起光の照射において、所定の時間ゲートΔTに入射する平均蛍光光子数をμ個とすると、時間ゲートΔTにおいて入射する蛍光光子数がr個である確率p(r,μ)は以下の式(1)で表せる。
Figure 0003793531
・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
また、rが1以上とすると、式(1)から式(2)が導き出される。
Figure 0003793531
・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
パルス励起光の照射をN回行い、時間ゲートΔTにおいて測定された蛍光光子数をk個とすると、時間ゲートΔTにおいて測定された平均の蛍光光子数(カウントレート)xは、x=k/Nとなる。一方、時間ゲートΔTにおいて蛍光光子が入射しない確率p(0,μ)はカウントレートxを用いて以下の式(3)で表せる。
Figure 0003793531
・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
また、同様に時間ゲートΔTにおいて蛍光光子が入射しない確率p(0,μ)は、式(1)から以下の式(4)によって表せる。
Figure 0003793531
・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
式(3),(4)から時間ゲートΔTにおいて入射する平均蛍光光子数μは、以下の式(5)で表せる。
Figure 0003793531
・・・・・・・・・・・・・・・・(5)
したがって、時間ゲートΔTにおいて入射する蛍光光子数をm個とすると、mは以下の式(6)のように、パルス励起光の照射回数Nと時間ゲートΔTにおいて入射した平均蛍光光子数μとの乗算値になる。
Figure 0003793531
・・・・・・・・・・・・・・・・(6)
つまり補正部5aは、制御部3から入力するパルス励起光の照射回数と測定部4から入力する測定された蛍光光子数とから式(6)を演算し、測定された蛍光光子数k個を実際に入射した蛍光光子数m個に補正する。
補正部5aは、上述したk個からm個に変更した蛍光光子数を蛍光寿命演算部5bに出力し、蛍光寿命演算部5bは、入力した蛍光光子数にもとづいて蛍光寿命の算出を行う。
つぎに、蛍光寿命演算部5bの演算について説明する。複数の時間ゲートを第1の時間ゲートΔT1と第2の時間ゲートΔT2とに設定し、第1の時間ゲートΔT1において測定された蛍光光子数をk1個とし、第2の時間ゲートΔT2において測定された蛍光光子数をk2個とし、第1の時間ゲートΔT1と第2の時間ゲートΔT2の測定開始時間の時間差をtとすると、第1の時間ゲートΔT1と第2の時間ゲートΔT2との時間幅が等しいとき、蛍光寿命τは以下の式(7)で表される。
Figure 0003793531
・・・・・・・・・・・・・・・・(7)
図3は、レーザ光源の「ON」,「OFF」動作と、スイッチS1,S2の「ON」,「OFF」動作のタイミングを示すタイミングチャートである。制御部3は、測定部2のパルスレーザ光源2aのレーザ光の出射タイミングと信号処理部3のスイッチS1,S2とを制御することによって、第1の時間ゲートΔT1と第2の時間ゲートΔT2と時間差tとを設定している。
補正部5aは、式(6)を用いて測定した蛍光光子数k1個をm1個に補正し、同様にk2個をm2個に補正して蛍光寿命演算部5bに出力する。蛍光寿命演算部5bは、入力した第1の時間ゲートΔT1に入射した蛍光光子数をm1個とし、第2の時間ゲートΔT2に入射した蛍光光子数をm2個として、式(8)を演算して蛍光寿命τを算出する。
Figure 0003793531
・・・・・・・・・・・・・・・・(8)
このようにして、測定した蛍光光子数をポアソン分布にしたがった補正を行い、補正を行った蛍光光子数にもとづいて蛍光寿命τを算出すると、蛍光光子の放出確率が大きい時間帯において蛍光光子の測定を行っても、誤差の小さい蛍光寿命が短時間に算出できる。
式(8)では、k1,k2個を補正したm1,m2個を使用したが、1回のパルス励起光の照射において、第1の時間ゲートΔT1,第2の時間ゲートΔT2に入射した蛍光光子数の平均値をそれぞれμ1,μ2とすると式(6)の関係よりm1,m2を計算せずに、μ1,μ2から蛍光寿命τを算出することもできる。
図4は、カウントレートxに対する蛍光寿命との関係を表したグラフである。第1の時間ゲートΔT1を16nsとし、第2の時間ゲートΔT2を16nsとし、時間差tを16nsとして蛍光寿命を算出している。なお、各プロットは131,072回のパルス励起光の照射と蛍光光子数の測定結果にもとづくものである。図4に図示されたプロットの集合は、補正を行わない蛍光光子数の値にもとづいて算出した蛍光寿命τ1と、補正を行った蛍光光子数の値にもとづいて算出した蛍光寿命τ2とを示している。
図4において補正された蛍光寿命τ2は、3.96nsとなりカウントレートxに係わらずほぼ一定となっている。一方、補正されない蛍光寿命τ1は、カウントレートxが増大するにしたがい増加している。これは蛍光光子の放出確率を増加させカウントレートxを増大させると蛍光光子の測定誤差が増大することを示している。カウントレートxを増加させると、第1の時間ゲートΔT1における蛍光光子の測定数が第2の時間ゲートΔT2における蛍光光子の測定数と比較すると相対的に少なくなり、その結果、蛍光寿命τ1の値が増加することになる。
これに対して、補正を行った場合、測定した蛍光光子数の分布をポアソン分布にしたがうよう補正し、上述した蛍光光子数の測定誤差を補償しているため、算出された蛍光寿命τ2はカウントレートxに依存することなくほぼ一定の値に収束している。この結果、パルス励起光のエネルギーを増大させ、蛍光光子の放出確率を増加させてもカウントレートxに依存しない蛍光寿命が算出でき、つまり短時間で誤差の小さい蛍光寿命が算出できることを示している。
図5は、カウントレートxと平均の蛍光寿命との関係を示したグラフである。各プロットは、500,000回のパルス励起光の照射と蛍光光子数の測定とを行って蛍光寿命を1回算出し、この蛍光寿命の算出を100回行った平均値を表している。図4と同様に、測定した蛍光光子数の値の補正を行わずに算出した平均の蛍光寿命τ1´と、蛍光光子数の値の補正を行って算出した平均の蛍光寿命τ2´との双方を示している。図5は、測定した蛍光光子数に補正を行わないとカウントレートxの増加にともなって算出される蛍光寿命の値が増加し、誤差が大きくなることを示している。
上記の実施の形態においては複数の時間ゲート数を2に設定したが、時間ゲート数が2個の場合には、式(8)から分かるように、蛍光光子数から算出できる蛍光寿命の値は一つだけである。試料に含まれる蛍光物質の成分が一種類だけの場合には、2個の時間ゲートにより測定可能であるが、複数の蛍光物質が含まれており、それぞれの蛍光寿命が異なるような場合がしばしば存在する。このような試料に含まれる各蛍光成分の蛍光寿命を測定する際には、3個以上の時間ゲートを用いた測定を行い、その結果を複数の蛍光寿命成分を含んだ関数でフィッティングすることで各蛍光成分の蛍光寿命を算出する。
しかし、式(5)は試料に複数の蛍光成分が含まれている場合を想定していないので、ここではq種類の蛍光寿命の成分が含まれている場合について考える。それぞれの成分が蛍光光子を放出する事象は独立試行と考えることができるので、各成分から放出される蛍光光子数の確率分布は、それぞれがポアソン分布にしたがう。
このとき、パルス励起光の1回の照射あたりに、i番目の成分からの蛍光光子が、ある時間ゲート内に入射する平均の蛍光光子数をμiとすると、この成分iからの蛍光光子がこの時間ゲートに入射しない確率は、以下の式(9)で表せる。
Figure 0003793531
・・・・・・・・・・・・・・・・(9)
となる。よって、q個の成分のうち少なくとも一つの成分の蛍光光子がこの時間ゲートに入射する確率をPとすると、Pは以下の式(10)で表せる。
Figure 0003793531
・・・・・・・・・・・・・・・・(10)
となる。さらにμを以下の式(11)のように表し、
Figure 0003793531
・・・・・・・・・・・・・・・・(11)
と置けば、μはパルス励起光の1回の照射あたりに全ての蛍光成分からこの時間ゲートに入射する平均の蛍光光子数となり、Pは以下の式(12)で表せる。
Figure 0003793531
・・・・・・・・・・・・・・・・(12)
また、この時間ゲートで実際に測定したときのカウントレートをxとすれば、以下の式(13)が成り立ち、
Figure 0003793531
・・・・・・・・・・・・・・・・(13)
式(12),(13)から以下の式(14)が導かれる。
Figure 0003793531
・・・・・・・・・・・・・・・・(14)
が得られる。
式(14)は、式(5)と等価であり、試料に複数の蛍光寿命の成分が含まれている場合にも、上述の実施の形態と同様に、複数の時間ゲートぞれぞれで測定した蛍光光子数とパルス励起光の照射回数から、パルス励起光の1回の照射あたりに各時間ゲートに入射した平均の蛍光光子数、あるいは実際に入射した蛍光光子数を求められる。
上述の試料に複数の蛍光寿命の成分が含まれている場合など、スイッチを2個以上のn個設けることにより、時間ゲート数をn個に設定してもよい。図6は、スイッチS1〜Snの「ON」,「OFF」動作のタイミングを示すタイムチャートである。このように、スイッチS1〜Snを設けることによって、時間ゲートΔT1〜ΔTnを設定することができ、時間ゲート数が増加すれば、各時間ゲートにおける蛍光光子数の測定が正確になり、より高精度の蛍光寿命が算出できる。
また、図7は図6と同様に、スイッチS1〜Snの「ON」,「OFF」動作のタイミングを示すタイムチャートである。図7では、パルス励起光の照射後、時間の経過にともなって時間ゲートの時間帯が長くなるようにしている。このようにすると、蛍光光子の放出確率に合わせて蛍光光子数を測定することができる。つまり、測定された蛍光光子数の誤差が均一になるようにしている。結果的に算出される蛍光寿命は高精度になる。
また、図8は図6と同様に、スイッチS1〜Snの「ON」,「OFF」動作のタイミングを示すタイムチャートである。図8では、パルス励起光の照射後、時間の経過とともに時間ゲートの時間帯が長くなるようにするとともに、夫々の時間ゲート間に蛍光光子の測定を行わない時間帯を設けるようにしている。このようにすると、複数の時間ゲートに跨って蛍光光子が測定されることが避けられ、より正確な蛍光光子数が測定できる。
この発明の実施の形態である蛍光寿命測定装置の概要構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態の測定部の概要構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態のパルスレーザ光源とスイッチの「ON」,「OFF」動作のタイミングを示すタイミングチャートである。 この発明の実施の形態の補正による効果を示すグラフである。 この発明の実施の形態の補正による効果を示すグラフである。 この発明の実施の形態の変形例であるパルスレーザ光源とスイッチの「ON」,「OFF」動作のタイミングを示すタイミングチャートである。 この発明の実施の形態の変形例であるパルスレーザ光源とスイッチの「ON」,「OFF」動作のタイミングを示すタイミングチャートである。 この発明の実施の形態の変形例であるパルスレーザ光源とスイッチの「ON」,「OFF」動作のタイミングを示すタイミングチャートである。
符号の説明
1 蛍光寿命測定装置
2 測定部
2a パルスレーザ光源
2b,2d レンズ系
2c 試料
2e 検出器
3 制御部
4 信号処理部
4a,4b,4c アンプ
4d,4e 波高分別器
4f,4g カウンタ
5 演算処理部
5a 補正部
5b 蛍光寿命演算部
S1,S2 スイッチ

Claims (3)

  1. 試料にパルス励起光を照射し、該パルス励起光によって励起された前記試料から放出される蛍光寿命を算出する蛍光寿命測定装置において、
    前記パルス励起光の照射によって発生する蛍光光子を受けて検出信号を出力する検出器と、
    前記検出信号に基づいて、前記パルス励起光の照射時刻から異なる所定時間を経過した複数の時間帯でそれぞれ蛍光光子が発生したか否かを検出する光子発生検出手段と、
    前記パルス励起光を繰り返して照射したときの、各時間帯において前記光子発生検出手段がそれぞれ検出した蛍光光子の数を計数する計数手段と、
    前記計数手段によって計数された各時間帯の各蛍光光子の数並びに前記パルス励起光の照射回数、または、前記パルス励起光の照射回数に対する各時間帯の蛍光光子数の割合を、前記蛍光光子の発生確率に関する所定の確率分布に基づいて補正する補正手段と、
    前記補正手段によって補正された値に基づいて蛍光寿命を算出する蛍光寿命算出手段と、
    を備えたことを特徴とする蛍光寿命測定装置。
  2. 前記所定の確率分布は、前記パルス励起光により励起された前記試料から放出される蛍光光子数の確率分布として、ポアソン分布を使用することを特徴とする請求項1に記載の蛍光寿命測定装置。
  3. 前記光子発生検出手段は、各時間帯を形成する時間ゲート形成手段によって前記検出信号を切り出して、所定の閾値と比較することによって蛍光光子の発生を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の蛍光寿命測定装置。
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