JP3789571B2 - 注出性に優れた袋体 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は洗剤、調味料、飲料等の液体内容物が充填される袋体に関するものであり、更に詳しくは、注出性、再封止性に優れた袋体、とりわけ詰め替え用途に適した袋体に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、液体洗剤や液体シャンプー等の容器においては、消費した内容物を補充する、いわゆる詰め替えが行われる場合がある。このような詰め替え用の液体等を収容する容器としては、廃棄時かさばらず、かつ安価な容器が好ましく、包装が簡易な詰め替え用袋体が広く用いられている。
【０００３】
このような詰め替え用袋体においては、上方部分を横方向にすべて切断して除去する開封方法が一般的であるが、内容物が液体や粉体の場合、詰め替え用袋体がラミネートフィルムの柔軟な材料から形成されているため、手で持ったときなどに上部から液体等が溢れてしまうおそれがあった。
【０００４】
このような問題を解決する方法として、実開昭４８−１０４７７５号公報、同５３−３５７７９号公報、同５３−４５１１６号公報、同５５−４７９６９号公報、同５７−５２４３７号公報、同５７−１６７０４８号公報、特開昭５９−１６３１６０号公報、実開平１−１２２４５１号公報、同６−４２６９６号公報、同７−２６３４９号公報、特開平５−１３２０６９号公報等には、袋体に筒状体を装着して注出性を向上させた袋体の構造が開示されている。しかしながらいずれの袋体も詰め替え作業開始時、終了時に内容物をこぼしやすいという問題があった。即ち、詰め替え作業開始時においては袋体を開封し、その開口部を別容器の注入口に近づけた後、袋体を傾け内容物を排出するのであるが、その際、重心の移動、袋体の変形等により内容物が急に排出されることが多く、このため内容物がこぼれ、周囲を汚染していた。詰め替え作業終了時においても同様で、傾いていた袋体を元の位置にまで戻す際に、内容物をこぼしやすかった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような状況に鑑みなされたもので、注出性、さらに再封止性に優れた袋体、とりわけ詰め替え用途に適した袋体を提供することを目的とする。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは鋭意研究を行った結果、特定形状の筒状体を袋体の側縁部に特定の接合方法で接合することにより上記課題を解決できることを見い出し本発明に至ったのである。即ち、本発明によれば、両端が封止された筒状体と、袋とからなる袋体であって、該筒状体は袋の側縁部に密着するようにして固定されており、さらに該筒状体の一端が、袋体の一部の切離しによって袋体外部に開放されるようにして袋と接合されており、また、該接合部よりも袋内側に位置する筒状体の胴部には少なくとも一つの液体流入口が穿孔されて、しかも該液体流入口が、通常時、袋を構成するフィルムにより覆われ閉塞されるような角度で筒状体が固定されていることを特徴とする注出性に優れた袋体が提供され、さらに、両端が封止された筒状体と、袋とからなる袋体であって、該筒状体は袋の側縁部に密着するようにして固定されており、さらに該筒状体の一端が袋体外部に突出するようにして袋と接合されており、該接合部よりも袋内側に位置する筒状体の胴部には少なくとも一つの液体流入口が穿孔されて、しかも該液体流入口が、通常時、袋を構成するフィルムにより覆われ閉塞されるような角度で筒状体が固定されていることを特徴とする注出性に優れた袋体が提供され、さらに、一端が封止され、他端が封止されていない筒状体と、袋とからなる袋体であって、該筒状体は袋の側縁部に密着するようにして固定されており、さらに筒状体の封止されていない一端が、袋体の一部の切離しによって袋体外部に開放されるようにして袋と接合されており、また、該接合部よりも袋内側に位置する筒状体の胴部には少なくとも一つの液体流入口が穿孔されて、しかも該液体流入口が、通常時、袋を構成するフィルムにより覆われ閉塞されるような角度で筒状体が固定されていることを特徴とする注出性に優れた袋体が提供される。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
以下本発明をより詳細に説明する。
本発明の袋体の本体となる袋としては、公知の形状のものが用いられる。例えば、特公昭４０−９７０４号公報、実公昭４２−１２３６１３号公報、同５３−９５３５号公報、同５５−２１９６８号公報、同５７−３４９９３号公報等において公知となった自立袋、実開昭５３−１５７０１３号公報等に開示されたガゼット構造を有する袋体、さらには、合成樹脂製のチューブやフィルムの周囲を熱溶着してなる単純な形状の袋にも応用が可能であるが、詰め替え用パウチを用途とする場合においては、注出を行った後の残量保管が容易であるという観点から自立袋形状の袋を用いるのが最も好ましい。
【０００８】
また袋の基材となる材質も特に限定されるものでなく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体等からなる単層プラスチックフイルムや、これらのプラスチックフイルム同士を組み合わせた複合フィルム、あるいはこれらプラスチックフイルムとセロハン紙、アルミニウム箔、布、不織布、フラットヤーンクロス等とを組み合わせた複合フイルムからなるものが使用可能である。
【０００９】
一方、本発明において用いられる筒状体は中空円柱の両端、あるいは一端が封止されたものであり、更に、該筒状体のうち袋の内容物収納部に位置する胴部の一部には少なくとも一つの液体流入口が穿孔されている。そして該筒状体は袋の側縁部に密着するようにして固定されつつ袋と接合されている。ここで液体流入口は、通常時袋を構成するフィルムによって閉塞されるようにされる。
なお、本発明でいう接合とは、袋体を構成する表裏のフィルムと筒状体との接着を意味するものであり、内容物の漏洩を防止する目的から欠陥のないものであることが望ましい。この接着は通常熱溶着によって行われるが、接着剤を使用、或いは併用することもできる。
【００１０】
筒状体の材質としては一般的にはポリエチレン、ポリプロピン、ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート等の合成樹脂製が挙げられるが、袋と筒状体を熱接合により接合する場合には、ポリエチレン、ポリプロピレン等の易熱接着性樹脂がより好適に用いられる。また、該筒状体に穿孔される液体流入口の大きさ及び数は袋体に充填される内容物の粘度、及び必要とされる注出流量に応じて適宜設定される。さらに、筒状体の断面形状は必ずしも円形でなくてよく、楕円、長円、舟形、であってもよい。更に、袋体との接合性の向上を目的として、筒状体のうち袋と接合される部分の断面形状を舟形状としても良い。また、実用新案３０１７０１６号公報において開示された如く、筒状体のうち袋と接合される部分にフィンを取り付けるようにしてもよい。
【００１１】
このようにして得られる袋体は、使用者が袋体を強く握りしめて内圧をかけることによって袋体が膨らみ、液体流入口を閉塞していた袋を構成するフィルムが該液体流入口から離され、これによって袋体の内容物が液体流入口を通過して筒状体内部に流入し内容物の注出が可能となる。このように本発明の袋体の流入口構造を用いた袋体は使用者の意志によって袋体に内圧がかけられたとき初めて注出が始まるのである。また逆に使用者の意志によって内圧が解除されたときには袋を構成する表裏のフィルムが液体流入口を再び閉塞し、注出が中断される。従って、袋体を傾けその注出口を容器の注入口に接近させた後、注出を開始することができ、また注出を中止した後、傾けていた袋体を元の位置まで戻すことができる。このため内容物をこぼし周囲を汚染することがなくなるのである。
【００１２】
このように本発明の袋体の流入口構造を用いた袋体は、使用者の意志により容易に注出の開始、中断が行える。従って、袋体を傾けその注出口を容器の注入口に接近させた後、注出を開始することができ、また注出を中止した後、傾けていた袋体を元の位置まで戻すことができるのである。このため内容物をこぼし周囲を汚染することがなくなるのである。
【００１３】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図面を参照しつつより詳細に説明する。
図１は本発明の第一実施形態を示す模式平面図である。本実施形態では袋（１）の上隅部に屈曲可能で、しかも両端が封止部（３１、３１）で封止された筒状体（３）が、その開口部が袋体の一部の切離しによって開放されるようにして接合部（５）の部分で袋と接合されている。そして接合部（５）よりも袋内側に位置する筒状体（３）の胴部には液体流入口（４）が穿孔されている。さらに、袋の中央部の側縁付近にスポット的に接合部（５１）が設けられ、筒状体を袋の側縁部に固定させている。ここで筒状体（３）は液体流入口（４）が通常時、袋を構成するフィルムにより覆われ閉塞されるような角度で固定されている。
なお、本図では筒状体を袋の側縁部に固定する手段として、袋の中央部の側縁付近にスポット的な接合部（５１）を設けたが、これに替えて熱接合、或いは、接着剤による接合で袋側縁部に固定するという手段を用いてもよい。
【００１４】
図２は図１で示された本発明の袋体に内容物が充填され、密封のためのシールがなされた状況を示すものである。図３は図２で示された袋体が開封された状況を示すものであり、更に図４はその筒状体（３）を注出可能なように起こした状況を示している。
【００１５】
次いで、図５、６を用いて本発明の袋体を用いて注出を行う場合の袋体の内部の状況を説明する。図５は注出を行う前、或いは、注出終了後の状況を示す要部の模式断面図である。図６は注出を行っている状態の模式断面図である。図５では筒状体（３）の周囲の多くの部分を袋を構成する表裏フィルム（２）が覆い、液体流入口（４）が閉塞されているのがわかる。図６では使用者が袋体を握りしめることにより袋体に内圧がかかり液体流入口を閉塞していたフィルム（２）が離れ該液体流入口（４）に内容物が流入可能となっているのがわかる。使用者が袋体を握りしめるのを止めれば袋体にかかっていた内圧が解除され、再び図５に示したような状態となる。
【００１６】
図７は本発明の第一実施形態の一変形を示す模式平面図である。筒状体（３）が屈曲式のものでなく、直線的なものである。
【００１７】
図８は本発明の第二実施形態を示す模式平面図である。本実施形態は筒状体（３）の両端が封止されていること、そしてその一端が袋外部に突出していることを特徴としている。袋外部に突出した筒状体（３）の一端がネジ式のキャップ（６）により封止されている。この封止はネジ式のキャップに限られるものでなく、単なるキャップ、栓であってもよく、使用時ハサミ等で切断することを前提とするならば、成形時においてあらかじめ一体的に封止しておいてもよい。
【００１８】
図９は本発明の第三実施形態を示す模式平面図である。本実施形態は、一端が封止され、他端が封止されていない筒状体（３）が用いられ、さらに筒状体の封止されていない一端が、袋体の一部の切離しによって袋体外部に開放されるようにして袋と接合されており、袋体の一部を切り離せば、すぐ注出が可能であるという特徴を有している。
【００１９】
本発明の目的は袋体の注出性改良である。その改良をいくつかの好適な例に言及して説明してきたが、これらは、例示であって限定ではない。よって、当業者によるこれらの例の変形は特許請求の範囲に示された思想範囲内にある限り、本発明の一部に含まれるのと考えられる。
【００２０】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、洗剤、調味料、飲料等の液体内容物が充填された時、良好な注出性、再封止性を示す袋体、とりわけ詰め替え用途に適した袋体が提供される。さらに本袋体は袋体を傾けたままで注出の開始、中断ができるという今までの袋体にはない性能を有している。このように本発明の袋体は優れた機能を具備した包装材として広く用いられるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第一実施形態を示す袋体の模式平面図である。
【図２】図１で示された袋体に内容物が充填された状況を示す模式斜視図である。
【図３】図２で示された袋体が開封された状況を示す模式斜視図である。
【図４】図２で示された袋体が開封された状況を示す模式斜視図である。
【図５】本発明の袋体の内部の状況を示す模式断面図である（注出を行う前、或いは、注出終了後）。
【図６】本発明の袋体を用いて注出を行っている際の袋体内部の状況を示す模式断面図である。
【図７】本発明の第一実施形態の一変形を示す模式平面図である。
【図８】本発明の第二実施形態を示す模式平面図である。
【図９】本発明の第三実施形態を示す模式平面図である。
【符号の説明】
１． 袋
２． フィルム
３． 筒状体
３１．封止部
４． 液体流入口
５． 接合部
５１．接合部
６． キャップ
【発明の属する技術分野】
本発明は洗剤、調味料、飲料等の液体内容物が充填される袋体に関するものであり、更に詳しくは、注出性、再封止性に優れた袋体、とりわけ詰め替え用途に適した袋体に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、液体洗剤や液体シャンプー等の容器においては、消費した内容物を補充する、いわゆる詰め替えが行われる場合がある。このような詰め替え用の液体等を収容する容器としては、廃棄時かさばらず、かつ安価な容器が好ましく、包装が簡易な詰め替え用袋体が広く用いられている。
【０００３】
このような詰め替え用袋体においては、上方部分を横方向にすべて切断して除去する開封方法が一般的であるが、内容物が液体や粉体の場合、詰め替え用袋体がラミネートフィルムの柔軟な材料から形成されているため、手で持ったときなどに上部から液体等が溢れてしまうおそれがあった。
【０００４】
このような問題を解決する方法として、実開昭４８−１０４７７５号公報、同５３−３５７７９号公報、同５３−４５１１６号公報、同５５−４７９６９号公報、同５７−５２４３７号公報、同５７−１６７０４８号公報、特開昭５９−１６３１６０号公報、実開平１−１２２４５１号公報、同６−４２６９６号公報、同７−２６３４９号公報、特開平５−１３２０６９号公報等には、袋体に筒状体を装着して注出性を向上させた袋体の構造が開示されている。しかしながらいずれの袋体も詰め替え作業開始時、終了時に内容物をこぼしやすいという問題があった。即ち、詰め替え作業開始時においては袋体を開封し、その開口部を別容器の注入口に近づけた後、袋体を傾け内容物を排出するのであるが、その際、重心の移動、袋体の変形等により内容物が急に排出されることが多く、このため内容物がこぼれ、周囲を汚染していた。詰め替え作業終了時においても同様で、傾いていた袋体を元の位置にまで戻す際に、内容物をこぼしやすかった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような状況に鑑みなされたもので、注出性、さらに再封止性に優れた袋体、とりわけ詰め替え用途に適した袋体を提供することを目的とする。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは鋭意研究を行った結果、特定形状の筒状体を袋体の側縁部に特定の接合方法で接合することにより上記課題を解決できることを見い出し本発明に至ったのである。即ち、本発明によれば、両端が封止された筒状体と、袋とからなる袋体であって、該筒状体は袋の側縁部に密着するようにして固定されており、さらに該筒状体の一端が、袋体の一部の切離しによって袋体外部に開放されるようにして袋と接合されており、また、該接合部よりも袋内側に位置する筒状体の胴部には少なくとも一つの液体流入口が穿孔されて、しかも該液体流入口が、通常時、袋を構成するフィルムにより覆われ閉塞されるような角度で筒状体が固定されていることを特徴とする注出性に優れた袋体が提供され、さらに、両端が封止された筒状体と、袋とからなる袋体であって、該筒状体は袋の側縁部に密着するようにして固定されており、さらに該筒状体の一端が袋体外部に突出するようにして袋と接合されており、該接合部よりも袋内側に位置する筒状体の胴部には少なくとも一つの液体流入口が穿孔されて、しかも該液体流入口が、通常時、袋を構成するフィルムにより覆われ閉塞されるような角度で筒状体が固定されていることを特徴とする注出性に優れた袋体が提供され、さらに、一端が封止され、他端が封止されていない筒状体と、袋とからなる袋体であって、該筒状体は袋の側縁部に密着するようにして固定されており、さらに筒状体の封止されていない一端が、袋体の一部の切離しによって袋体外部に開放されるようにして袋と接合されており、また、該接合部よりも袋内側に位置する筒状体の胴部には少なくとも一つの液体流入口が穿孔されて、しかも該液体流入口が、通常時、袋を構成するフィルムにより覆われ閉塞されるような角度で筒状体が固定されていることを特徴とする注出性に優れた袋体が提供される。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
以下本発明をより詳細に説明する。
本発明の袋体の本体となる袋としては、公知の形状のものが用いられる。例えば、特公昭４０−９７０４号公報、実公昭４２−１２３６１３号公報、同５３−９５３５号公報、同５５−２１９６８号公報、同５７−３４９９３号公報等において公知となった自立袋、実開昭５３−１５７０１３号公報等に開示されたガゼット構造を有する袋体、さらには、合成樹脂製のチューブやフィルムの周囲を熱溶着してなる単純な形状の袋にも応用が可能であるが、詰め替え用パウチを用途とする場合においては、注出を行った後の残量保管が容易であるという観点から自立袋形状の袋を用いるのが最も好ましい。
【０００８】
また袋の基材となる材質も特に限定されるものでなく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体等からなる単層プラスチックフイルムや、これらのプラスチックフイルム同士を組み合わせた複合フィルム、あるいはこれらプラスチックフイルムとセロハン紙、アルミニウム箔、布、不織布、フラットヤーンクロス等とを組み合わせた複合フイルムからなるものが使用可能である。
【０００９】
一方、本発明において用いられる筒状体は中空円柱の両端、あるいは一端が封止されたものであり、更に、該筒状体のうち袋の内容物収納部に位置する胴部の一部には少なくとも一つの液体流入口が穿孔されている。そして該筒状体は袋の側縁部に密着するようにして固定されつつ袋と接合されている。ここで液体流入口は、通常時袋を構成するフィルムによって閉塞されるようにされる。
なお、本発明でいう接合とは、袋体を構成する表裏のフィルムと筒状体との接着を意味するものであり、内容物の漏洩を防止する目的から欠陥のないものであることが望ましい。この接着は通常熱溶着によって行われるが、接着剤を使用、或いは併用することもできる。
【００１０】
筒状体の材質としては一般的にはポリエチレン、ポリプロピン、ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート等の合成樹脂製が挙げられるが、袋と筒状体を熱接合により接合する場合には、ポリエチレン、ポリプロピレン等の易熱接着性樹脂がより好適に用いられる。また、該筒状体に穿孔される液体流入口の大きさ及び数は袋体に充填される内容物の粘度、及び必要とされる注出流量に応じて適宜設定される。さらに、筒状体の断面形状は必ずしも円形でなくてよく、楕円、長円、舟形、であってもよい。更に、袋体との接合性の向上を目的として、筒状体のうち袋と接合される部分の断面形状を舟形状としても良い。また、実用新案３０１７０１６号公報において開示された如く、筒状体のうち袋と接合される部分にフィンを取り付けるようにしてもよい。
【００１１】
このようにして得られる袋体は、使用者が袋体を強く握りしめて内圧をかけることによって袋体が膨らみ、液体流入口を閉塞していた袋を構成するフィルムが該液体流入口から離され、これによって袋体の内容物が液体流入口を通過して筒状体内部に流入し内容物の注出が可能となる。このように本発明の袋体の流入口構造を用いた袋体は使用者の意志によって袋体に内圧がかけられたとき初めて注出が始まるのである。また逆に使用者の意志によって内圧が解除されたときには袋を構成する表裏のフィルムが液体流入口を再び閉塞し、注出が中断される。従って、袋体を傾けその注出口を容器の注入口に接近させた後、注出を開始することができ、また注出を中止した後、傾けていた袋体を元の位置まで戻すことができる。このため内容物をこぼし周囲を汚染することがなくなるのである。
【００１２】
このように本発明の袋体の流入口構造を用いた袋体は、使用者の意志により容易に注出の開始、中断が行える。従って、袋体を傾けその注出口を容器の注入口に接近させた後、注出を開始することができ、また注出を中止した後、傾けていた袋体を元の位置まで戻すことができるのである。このため内容物をこぼし周囲を汚染することがなくなるのである。
【００１３】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図面を参照しつつより詳細に説明する。
図１は本発明の第一実施形態を示す模式平面図である。本実施形態では袋（１）の上隅部に屈曲可能で、しかも両端が封止部（３１、３１）で封止された筒状体（３）が、その開口部が袋体の一部の切離しによって開放されるようにして接合部（５）の部分で袋と接合されている。そして接合部（５）よりも袋内側に位置する筒状体（３）の胴部には液体流入口（４）が穿孔されている。さらに、袋の中央部の側縁付近にスポット的に接合部（５１）が設けられ、筒状体を袋の側縁部に固定させている。ここで筒状体（３）は液体流入口（４）が通常時、袋を構成するフィルムにより覆われ閉塞されるような角度で固定されている。
なお、本図では筒状体を袋の側縁部に固定する手段として、袋の中央部の側縁付近にスポット的な接合部（５１）を設けたが、これに替えて熱接合、或いは、接着剤による接合で袋側縁部に固定するという手段を用いてもよい。
【００１４】
図２は図１で示された本発明の袋体に内容物が充填され、密封のためのシールがなされた状況を示すものである。図３は図２で示された袋体が開封された状況を示すものであり、更に図４はその筒状体（３）を注出可能なように起こした状況を示している。
【００１５】
次いで、図５、６を用いて本発明の袋体を用いて注出を行う場合の袋体の内部の状況を説明する。図５は注出を行う前、或いは、注出終了後の状況を示す要部の模式断面図である。図６は注出を行っている状態の模式断面図である。図５では筒状体（３）の周囲の多くの部分を袋を構成する表裏フィルム（２）が覆い、液体流入口（４）が閉塞されているのがわかる。図６では使用者が袋体を握りしめることにより袋体に内圧がかかり液体流入口を閉塞していたフィルム（２）が離れ該液体流入口（４）に内容物が流入可能となっているのがわかる。使用者が袋体を握りしめるのを止めれば袋体にかかっていた内圧が解除され、再び図５に示したような状態となる。
【００１６】
図７は本発明の第一実施形態の一変形を示す模式平面図である。筒状体（３）が屈曲式のものでなく、直線的なものである。
【００１７】
図８は本発明の第二実施形態を示す模式平面図である。本実施形態は筒状体（３）の両端が封止されていること、そしてその一端が袋外部に突出していることを特徴としている。袋外部に突出した筒状体（３）の一端がネジ式のキャップ（６）により封止されている。この封止はネジ式のキャップに限られるものでなく、単なるキャップ、栓であってもよく、使用時ハサミ等で切断することを前提とするならば、成形時においてあらかじめ一体的に封止しておいてもよい。
【００１８】
図９は本発明の第三実施形態を示す模式平面図である。本実施形態は、一端が封止され、他端が封止されていない筒状体（３）が用いられ、さらに筒状体の封止されていない一端が、袋体の一部の切離しによって袋体外部に開放されるようにして袋と接合されており、袋体の一部を切り離せば、すぐ注出が可能であるという特徴を有している。
【００１９】
本発明の目的は袋体の注出性改良である。その改良をいくつかの好適な例に言及して説明してきたが、これらは、例示であって限定ではない。よって、当業者によるこれらの例の変形は特許請求の範囲に示された思想範囲内にある限り、本発明の一部に含まれるのと考えられる。
【００２０】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、洗剤、調味料、飲料等の液体内容物が充填された時、良好な注出性、再封止性を示す袋体、とりわけ詰め替え用途に適した袋体が提供される。さらに本袋体は袋体を傾けたままで注出の開始、中断ができるという今までの袋体にはない性能を有している。このように本発明の袋体は優れた機能を具備した包装材として広く用いられるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第一実施形態を示す袋体の模式平面図である。
【図２】図１で示された袋体に内容物が充填された状況を示す模式斜視図である。
【図３】図２で示された袋体が開封された状況を示す模式斜視図である。
【図４】図２で示された袋体が開封された状況を示す模式斜視図である。
【図５】本発明の袋体の内部の状況を示す模式断面図である（注出を行う前、或いは、注出終了後）。
【図６】本発明の袋体を用いて注出を行っている際の袋体内部の状況を示す模式断面図である。
【図７】本発明の第一実施形態の一変形を示す模式平面図である。
【図８】本発明の第二実施形態を示す模式平面図である。
【図９】本発明の第三実施形態を示す模式平面図である。
【符号の説明】
１． 袋
２． フィルム
３． 筒状体
３１．封止部
４． 液体流入口
５． 接合部
５１．接合部
６． キャップ
Claims (3)
- 両端が封止された筒状体と、袋とからなる袋体であって、該筒状体は袋の側縁部に密着するようにして固定されており、さらに該筒状体の一端が、袋体の一部の切離しによって袋体外部に開放されるようにして袋と接合されており、また、該接合部よりも袋内側に位置する筒状体の胴部には少なくとも一つの液体流入口が穿孔されて、しかも該液体流入口が、通常時、袋を構成するフィルムにより覆われ閉塞されるような角度で筒状体が固定されていることを特徴とする注出性に優れた袋体。
- 両端が封止された筒状体と、袋とからなる袋体であって、該筒状体は袋の側縁部に密着するようにして固定されており、さらに該筒状体の一端が袋体外部に突出するようにして袋と接合されており、該接合部よりも袋内側に位置する筒状体の胴部には少なくとも一つの液体流入口が穿孔されて、しかも該液体流入口が、通常時、袋を構成するフィルムにより覆われ閉塞されるような角度で筒状体が固定されていることを特徴とする注出性に優れた袋体。
- 一端が封止され、他端が封止されていない筒状体と、袋とからなる袋体であって、該筒状体は袋の側縁部に密着するようにして固定されており、さらに筒状体の封止されていない一端が、袋体の一部の切離しによって袋体外部に開放されるようにして袋と接合されており、また、該接合部よりも袋内側に位置する筒状体の胴部には少なくとも一つの液体流入口が穿孔されて、しかも該液体流入口が、通常時、袋を構成するフィルムにより覆われ閉塞されるような角度で筒状体が固定されていることを特徴とする注出性に優れた袋体。
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-
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