JP3785897B2 - リーチ式荷役車両における前輪回転検出装置 - Google Patents

リーチ式荷役車両における前輪回転検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷役装置が前後に移動する機構を備えたリーチ式フォークリフトなどのリーチ式荷役車両において、前輪の回転数(回転速度)を検出するセンサを備えたリーチ式荷役車両における前輪回転検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にリーチ式フォークリフトでは、車体から前方に延出する左右一対のリーチレグを有し、マスト装置(荷役装置)は左右のリーチレグを構成する左右二本のリーチレールに沿って前後移動可能に装備されている。リーチ式フォークリフトには後輪一輪(駆動操舵輪)と前輪二輪とを備える三輪車タイプのものが知られる。通常、三輪車タイプでも後輪には駆動操舵輪の他に補助輪(キャスタ輪)を備える。左右の前輪はリーチレールの側壁に固着された車軸に回転可能に支持されている。
【0003】
近年、自動車などではアンチスキッドブレーキシステム(ABS)やトラクションコントロール(TRC)が採用されているが、フォークリフトなどの荷役車両ではABSやTRCなどの制御は採用されていなかった。しかし、安定な荷役走行を確保したり、工場の床面にタイヤのスリップやロックが原因で付くタイヤ痕を防ぐために、フォークリフトにおいてもこの種の制御を採用することが望ましい。
【0004】
またフォークリフトには車体が旋回時に左右に傾き過ぎないように旋回時の安定姿勢を確保する目的で、旋回検出信号に基づいてサスペンション機能をロックする旋回安定制御を採用するものがある(例えば特開平6−191250号公報、特開平6−191251号公報、特開平10−297900号公報等)。
【0005】
通常、リーチ式フォークリフトでは駆動輪を駆動するドライブモータの回転を検出して車速検出を行っているが、上記各種制御の開始時期判定のために車速検出とは別に、前輪の回転検出を行うことが有効となる場合がある。
【0006】
例えばABSやTRC制御を採用する場合、後輪(駆動輪)と前輪(例えば従動輪)の両回転速度差から、駆動輪のロックやスリップを検出することが可能である。また、旋回安定制御では、後輪と前輪の回転速度差、または左右の前輪の回転速度差から車両の旋回状態を検出することが可能である。このように各種制御を実現するうえで前輪の回転検出が有効となる。
【0007】
例えば特開平6−191250号公報には、前輪の回転を検出する回転数センサを備えた図21に示すリーチ式フォークリフトが開示されている。このリーチ式フォークリフト91は前輪92と後輪93が共に駆動輪である三輪駆動車で、回転数センサ94は、リーチレール95の外側に支持された前輪92にモータ96の駆動力を伝達するためのギヤボックス97に設けられ、ギヤボックス97内のギヤ等の回転を検出するものであった。
【0008】
従来、車輪の回転を検出する回転数センサは、(A)車速検出用と、(B)駆動輪を駆動するアクチュエータ(モータ)の速度制御用との主に2通りの用途があった。通常、回転数センサは、駆動輪の動力伝達経路上(ギヤボックス等)のギヤなどの回転体やモータの回転数を検出して駆動輪の回転数を間接的に検出していた。このため、上記(A),(B)いずれの用途で使用される場合も、駆動輪の回転数を検出するものしかなく、従来、従動輪である前輪の回転を検出する回転数センサを備えたリーチ式フォークリフトはなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前輪が従動輪である場合、前輪はリーチレールの外側に固定された車軸に回転可能に支持されるだけで、ギヤボックスやモータなどの回転検出対象となるものが無く、前輪の回転を検出するためには前輪の回転を外部に取り出すギヤ等の部品を追加するなど構造の変更が必要であるという問題があった。
【0010】
また、回転数センサを前輪の近傍に配置する必要があるが、前輪の近傍は回転数センサの配置位置として不適切であり、例えば次の問題が挙げられる。
(1)前輪の近傍位置は、路面とかなり近く、走行中に路面上の突起物とセンサが干渉し、センサの破損などの問題が心配される。
【0011】
(2)前輪の外側から回転検出できるように前輪の外側近傍にセンサを配置すると、フォークリフトの車幅(全幅)寸法が広がることになる。既に車幅がパレット幅寸法より僅かに短い程度であったため、現状の車幅からさらに車幅寸法が広がることになると、パレット間に挟まれた奥に位置するパレットを取り出す荷役作業が困難になるとともに、パレットの幅程度の狭い通路を通り難くなり、荷役作業性が著しく低下する問題を招く。
【0012】
(3)左右のリーチレール間に配置されたマスト装置のフォークとリーチレール間の間隔は僅かしかなく、センサがリーチレールの側面からフォーク側にはみ出ると、フォークが左右に振れたときにフォークがセンサと干渉する恐れがあった。
【0013】
このため、上記問題を招かないように回転数センサの取付位置や取付け方を工夫する必要があった。
また、上記問題以外にも、次の問題があった。
【0014】
(4)前輪の車軸には紐などの異物が巻付くことがあり、リーチレールと前輪との隙間にセンサがかなりの部分はみ出ていると、車軸に巻付いた紐などの異物がセンサに巻付いたりセンサを叩いたりしてセンサの組付位置をずらし、この組付位置のずれが原因でセンサの検出精度の低下や誤検出を招く恐れがあった。
【0015】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その第1の目的は、前輪がたとえ従動輪であっても、前輪の回転を外部に取り出す部品を追加する必要がないうえ比較的追加部品の少ない簡単な構成で済ませられるリーチ式荷役車両における前輪回転検出装置を提供することにある。
【0016】
第2の目的は、第1の目的に加え、前輪の回転数を検出するセンサを設けても、センサが荷役装置の構成部材や路面上の突起物と干渉することを回避でき、しかも車両の車幅寸法を広げなくて済むリーチ式荷役車両における前輪回転検出装置を提供することにある。
【0017】
また第3の目的は、第2の目的に加え、センサが前輪の車軸に絡んだ紐などの異物と干渉することを減らし、センサの検出精度を安定に保つことにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】
第1及び第2の目的を達成するため請求項に記載の発明では、車体から前方に延出する左右一対のリーチレグを構成する左右のリーチレールに沿って荷役装置が前後移動可能に装備され、左右の前輪が前記各リーチレールの外側に回転可能に支持されたリーチ式荷役車両において、前記前輪の少なくとも一方にこれと同期回転する被検出部を設け、前記被検出部を検出して前記前輪の回転数を検出するセンサを、前記前輪とその内側で相対する前記リーチレグの構造材の下面に配置し、前記センサの前後をガードする前後一対のガード部を備え、両ガード部をその下方ほど互いに接近する斜状に形成して、車両走行時に前記センサを路面上の突起物からガードするガード部材を設けた。なお、構造材はリーチレールなどの構成部材に限らず、前輪駆動式である場合の前輪用のギヤボックスを含む概念であるまでを含む概念である。
【0031】
この発明によれば、センサは、前輪とその内側で相対するリーチレグの構造材の下面に配置されて前輪の近傍に位置し、前輪の被検出部を検出して前輪の回転数を検出する。前輪がたとえ従動輪であっても、前輪の回転を外部に取り出す部品を追加する必要がないうえ比較的追加部品が少なく済むので、前輪回転検出装置が比較的簡単な構成となる。左右のリーチレグ間に位置する荷役装置の例えばフォークなどの荷役具が左右に振れても荷役具はリーチレグの側壁に規制されるため、センサとは干渉しない。また、センサは比較的路面近くに位置するが、車両走行中においては路面上の突起物からガードされる。従って、荷役具や突起物との干渉が避けられるので、センサは組付位置からずれ難い。また、センサは前輪の内側に位置するので、荷役車両の車幅を広げる原因とはならない。なお、構造材の下側にセンサが隠れた配置とすれば、前輪の車軸に巻付いた紐などは車軸と直交する面内(鉛直面内)を回転して動くので、センサが紐などの異物との干渉を受け難い。また、車両走行中において、センサはガード部材により路面上の突起物から確実にガードされる。すなわち、センサは、車両前進時は前のガード部により路面上の突起物からガードされ、車両後進時は後のガード部により路面上の突起物からガードされる。この際、突起物がガード部に衝突した際の衝撃力は、ガード部の傾斜方向に分散される。従って、ガード部材が板材の曲げ加工や箱形に形成されていても変形し難い。例えばガード部材がセンサのブラケットを兼ねている場合、センサの組付位置がずれ難い
【0032】
第1〜第3の目的を達成するため請求項に記載の発明では、車体から前方に延出する左右一対のリーチレグを構成する左右のリーチレールに沿って荷役装置が前後移動可能に装備され、左右の前輪が前記各リーチレールの外側に回転可能に支持されたリーチ式荷役車両において、前記前輪の少なくとも一方にこれと同期回転する被検出部を設け、前記被検出部を検出して前記前輪の回転数を検出するセンサを、前記リーチレールにおける荷役装置を走行案内する走行案内面より下方で、かつ当該リーチレールのほぼ幅範囲内の位置に配置し、前記センサの前後をガードする前後一対のガード部を備え、両ガード部をその下方ほど互いに接近する斜状に形成して、車両走行時に前記センサを路面上の突起物からガードするガード部材を設けた。
【0033】
この発明によれば、センサはリーチレールの走行案内面の下方に配置されて前輪の近傍に位置し、前輪の被検出部を検出して前輪の回転数を検出する。前輪が従動輪であるが、前輪の回転を外部に取り出す部品を追加する必要がないうえ比較的追加部品が少なく済むので、前輪回転検出装置が比較的簡単な構成となる。また、左右のリーチレグ間に位置する荷役装置の例えばフォークなどの荷役具が左右に振れても荷役具はリーチレグの側壁に規制されるため、センサとは干渉しない。また、前輪の車軸に巻付いた紐などは車軸と直交する面内(鉛直面内)を回転して動くので、リーチレールのほぼ幅範囲内に配置されてリーチレールの下側に隠れたセンサは紐などから保護される。さらにセンサは比較的路面近くに位置するが、車両走行中においては路面上の突起物からガードされる。従って、荷役具、紐、突起物との干渉が避けられるので、センサは組付位置からずれ難い。また、センサは前輪の内側に位置するので、荷役車両の車幅を広げる原因とはならない。なお、センサがリーチレールの側面から隠れた配置とすれば、前輪の車軸に巻付いた紐などは車軸と直交する面内(鉛直面内)を回転して動くので、センサが紐などの異物との干渉を受け難い。また、車両走行中において、センサはガード部材により路面上の突起物から確実にガードされる。すなわち、センサは、車両前進時は前のガード部により路面上の突起物からガードされ、車両後進時は後のガード部により路面上の突起物からガードされる。この際、突起物がガード部に衝突した際の衝撃力は、ガード部の傾斜方向に分散される。従って、ガード部材が板材の曲げ加工や箱形に形成されていても変形し難い。例えばガード部材がセンサのブラケットを兼ねている場合、センサの組付位置がずれ難い
【0034】
第1の目的を達成するため請求項に記載の発明では、車体から前方に延出する左右一対のリーチレグを構成する左右のリーチレールに沿って荷役装置が前後移動可能に装備され、左右の前輪が前記各リーチレールの外側に回転可能に支持されたリーチ式荷役車両において、前記左右の前輪の両方にこれと同期回転する被検出部を設け、前記被検出部を検出して前記前輪の回転数を検出するセンサを各リーチレグに取付け、前記センサの前後をガードする前後一対のガード部を備え、両ガード部をその下方ほど互いに接近する斜状に形成して、車両走行時に前記センサを路面上の突起物からガードするガード部材を設けた。なお、センサの取付構造は、センサがリーチレグにブラケットなど他の部材を介してリーチレグから離間して取り付けられる構造も含む。また、ここではリーチレグとは、リーチレグと一体とみなし得る構造材(例えば前輪駆動式の場合の前輪用ギヤボックス等)までを含む概念である。
【0035】
この発明によれば、左右の前輪の両方に設けられこれと同期回転する被検出部を、各リーチレグに取付けられたセンサにより検出することで、左右の前輪の回転数が検出される。前輪がたとえ従動輪であっても、前輪の回転を外部に取り出す部品を追加する必要がないうえ比較的追加部品が少なく済むので、前輪回転検出装置が比較的簡単な構成となる。また、左右一対のセンサにより左右の前輪の各回転数が検出されるので、左右の前輪の各回転速度値を用いて種々の計算処理を施すことにより荷役車両の制御に必要な種々の情報が得られ、また左右の前輪のうち走行状態(例えば旋回方向)に応じて選んだ一方のみの回転速度値を用いることにより走行状態に拘わらず適切な情報が得られる。例えば両回転速度の平均をとれば車両が旋回状態にあるか否かに拘わらず前輪の適切な回転速度を検出でき、また両回転速度の差をみれば車両の旋回状態を検出できる。また例えば左右の前輪のうち旋回方向に応じて旋回外輪側の前輪の回転速度値を採用すれば、旋回時にも適切な(例えば検出精度の高い)情報が得られる。また、車両走行中において、センサはガード部材により路面上の突起物から確実にガードされる。すなわち、センサは、車両前進時は前のガード部により路面上の突起物からガードされ、車両後進時は後のガード部により路面上の突起物からガードされる。この際、突起物がガード部に衝突した際の衝撃力は、ガード部の傾斜方向に分散される。従って、ガード部材が板材の曲げ加工や箱形に形成されていても変形し難い。例えばガード部材がセンサのブラケットを兼ねている場合、センサの組付位置がずれ難い。
【0036】
第1の目的を達成するため請求項に記載の発明では、車体から前方に延出する左右一対のリーチレグを構成する左右のリーチレールに沿って荷役装置が前後移動可能に装備され、左右の前輪が前記各リーチレールの外側に回転可能に支持されたリーチ式荷役車両において、前記前輪の少なくとも一方にこれと同期回転する被検出部を設け、前記被検出部を検出して前記前輪の回転数を検出するセンサを前記リーチレグに取付け、前記前輪の車軸に巻付いた紐などの異物を切断するためのカッタを設けた。なお、センサの取付構造は、センサがリーチレグにブラケットなど他の部材を介してリーチレグから離間して取り付けられる構造も含む。また、ここではリーチレグとは、リーチレグと一体とみなし得る構造材(例えば前輪駆動式の場合の前輪用ギヤボックス等)までを含む概念である。
【0037】
この発明によれば、前輪の少なくとも一方に設けられこれと同期回転する被検出部を、リーチレグに取付けられたセンサにより検出することで、前輪の回転数が検出される。前輪がたとえ従動輪であっても、前輪の回転を外部に取り出す部品を追加する必要がないうえ比較的追加部品が少なく済むので、前輪回転検出装置が比較的簡単な構成となる。また、車軸に巻付いた紐などの異物はカッタにより切断される。紐などの異物が車軸に巻付いたまま放置されることに起因するセンサに与える不具合(例えばセンサ組付位置のずれや、センサの検出精度の低下など)を回避できる
【0038】
請求項に記載の発明では、請求項1〜のいずれか一項に記載の発明において、従動輪である前記前輪の内側面上に、多数の金属製からなる前記被検出部が周方向に一定ピッチで設けられている。
【0039】
この発明によれば、請求項1〜のいずれか一項に記載の発明の作用に加え、前輪の内側面上に多数の金属製被検出部が周方向に一定ピッチで設けられているので、従動輪である前輪の回転数をセンサを用いて比較的簡単な構造で検出するのに適している。
【0040】
第1及び第2の目的を達成するため請求項に記載の発明では、車体から前方に延出する左右一対のリーチレグを構成する左右のリーチレールに沿って荷役装置が前後移動可能に装備され、左右の前輪が前記各リーチレールの外側に回転可能に支持されたリーチ式荷役車両において、前記左右の前輪の両方にこれと同期回転する被検出部を設け、前記被検出部を検出して前記左右の前輪の回転数を検出する左右一対のセンサを、前記前輪を支持する車軸に設け、前記センサの前後をガードする前後一対のガード部を備え、両ガード部をその下方ほど互いに接近する斜状に形成して、車両走行時に前記センサを路面上の突起物からガードするガード部材を設けた。
この発明によれば、センサは、前輪を支持する車軸に設けられて前輪の近傍に位置し、前輪の被検出部を検出して前輪の回転数を検出する。センサはリーチレールの外側に位置するので、左右のリーチレグ間に位置する荷役装置の例えばフォークなどの荷役具がセンサと干渉することはない。また、センサがたとえば前輪の内周側に隠れている場合、車両走行中においては路面上の突起物からガードされる。従って、荷役具、紐、突起物との干渉が避けられるので、センサは組付位置からずれ難い。また、センサは前輪の内周側に位置するので、荷役車両の車幅を広げる原因とはならない。
また、左右一対のセンサにより左右の前輪の各回転数が検出されるので、左右の前輪の各回転速度値を用いて種々の計算処理を施すことにより荷役車両の制御に必要な種々の情報が得られ、また左右の前輪のうち走行状態(例えば旋回方向)に応じて選んだ一方のみの回転速度値を用いることにより走行状態に拘わらず適切な情報が得られる。例えば両回転速度の平均をとれば車両が旋回状態にあるか否かに拘わらず前輪の適切な回転速度を検出でき、また両回転速度の差をみれば車両の旋回状態を検出できる。また例えば左右の前輪のうち旋回方向に応じて旋回外輪側の前輪の回転速度値を採用すれば、旋回時にも適切な(例えば検出精度の高い)情報が得られる。また、車両走行中において、センサはガード部材により路面上の突起物から確実にガードされる。すなわち、センサは、車両前進時は前のガード部により路面上の突起物からガードされ、車両後進時は後のガード部により路面上の突起物からガードされる。この際、突起物がガード部に衝突した際の衝撃力は、ガード部の傾斜方向に分散される。従って、ガード部材が板材の曲げ加工や箱形に形成されていても変形し難い。例えばガード部材がセンサのブラケットを兼ねている場合、センサの組付位置がずれ難い。
第1及び第2の目的を達成するため請求項に記載の発明では、車体から前方に延出する左右一対のリーチレグを構成する左右のリーチレールに沿って荷役装置が前後移動可能に装備され、左右の前輪が前記各リーチレールの外側に回転可能に支持されたリーチ式荷役車両において、前記前輪の少なくとも一方にこれと同期回転する被検出部を設け、前記被検出部を検出して前記前輪の回転数を検出するセンサを、前記被検出部が設けられた前輪を支持する車軸に設け、前記前輪の車軸に巻付いた紐などの異物を切断するためのカッタを設けた。
この発明によれば、センサは、前輪を支持する車軸に設けられて前輪の近傍に位置し、前輪の被検出部を検出して前輪の回転数を検出する。センサはリーチレールの外側に位置するので、左右のリーチレグ間に位置する荷役装置の例えばフォークなどの荷役具がセンサと干渉することはない。また、センサがたとえば前輪の内周側に隠れている場合、車両走行中においては路面上の突起物からガードされる。従って、荷役具、紐、突起物との干渉が避けられるので、センサは組付位置からずれ難い。また、センサは前輪の内周側に位置するので、荷役車両の車幅を広げる原因とはならない。
また、車軸に巻付いた紐などの異物はカッタにより切断される。紐などの異物が車軸に巻付いたまま放置されることに起因するセンサに与える不具合(例えばセンサ組付位置のずれや、センサの検出精度の低下など)を回避できる。
請求項に記載の発明では、請求項又はに記載の発明において、従動輪である前記前輪の内周面上に、多数の金属製からなる前記被検出部が周方向に一定ピッチで設けられている。
【0041】
この発明によれば、請求項又はに記載の発明の作用に加え、前輪の内周面上に多数の金属製被検出部が周方向に一定ピッチで設けられているので、従動輪である前輪の回転数をセンサを用いて比較的簡単な構造で検出するのに適している。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図8に従って説明する。
図7,8に示すように、リーチ式荷役車両としてのリーチ式フォークリフトトラック10(以下、フォークリフトと称す)は、前二輪・後一輪の3輪車タイプである。左右の前輪11は従動輪で、後側一輪が操舵輪を兼ねた駆動輪12となっている。駆動輪12は車幅方向左寄りにオフセットして位置し、その右隣にキャスタ13(図8に示す)が設けられている。車体14の前部には左右一対のリーチレグ15が前方へ延出しており、左右の前輪11は左右のリーチレグ15の先端部にそれぞれ取付けられている。
【0043】
車体14の後部右側には立席タイプの運転席(運転室)16(図8に示す)が設けられている。運転席16の前側にあるインストルメントパネル17には荷役レバー18とアクセルレバー18Aが設けられている。運転席16の左隣に立設する収容ボックス14Aの上面にはハンドル(ステアリングホイール)19が設けられている。
【0044】
荷役装置としてのマスト装置20は、左右のリーチレグ15の内側に対向配置された左右2本のリーチレール21に沿って前後方向に移動可能に車体14に装備されている。マスト装置20は車体14に配設されたリーチシリンダ(油圧シリンダ)22(図7に示す)のピストンロッド22aと連結されている。荷役レバー18のうちリーチレバーを操作することでオイルコントロールバルブ23(図7に示す)によりリーチシリンダ22に対して作動油が給排され、リーチシリンダ22が伸縮駆動する。そしてマスト装置20はその下部に取付けられた左右複数個ずつのローラ20a(図2参照)がリーチレール21上を転動することで、所定ストローク範囲内で前後方向に移動するようになっている。マスト装置20には荷役具としてのフォーク24を備えたリフトブラケット25が、操作レバー(リフトレバー)18の操作に基づくリフトシリンダ26の伸縮駆動により昇降可能に設けられている。
【0045】
また図7に示すように、収容ボックス14A内には駆動輪12を駆動するためのドライブモータ27が収容され、車体14に設けられた制御ユニット29により、ドライブモータ27の回転を検出する回転数センサ28からの信号に基づき駆動輪12の回転速度、すなわち車速が検出されるようになっている。
【0046】
本実施形態では、駆動輪12の回転速度を検出するための回転数センサ28とは別に、図8に示すように従動輪である左右の前輪11の回転速度を検出するためにセンサとしての左右一対の回転数センサ30,30が設けられている。両回転数センサ30,30は制御ユニット29と電気的に接続されており、制御ユニット29により両回転数センサ30,30からの入力信号に基づいて左右の前輪11の各回転速度が検出される。制御ユニット29は回転数センサ30,30からの入力信号から把握した両前輪11の回転速度を用いて、例えばABS制御や旋回安定制御などの各種制御を実行する。
【0047】
次に、前輪回転検出装置の構造について図1〜図5を用いて詳しく説明する。なお、前輪回転検出装置は車体の左右で対称であるため片側(右側)についてのみ説明する。
【0048】
図2に示すように前輪11は、リーチレール21の外側壁に固着された車軸31に2つのベアリング32,33を介して回転可能に取付けられている。前輪11は、金属製(例えば鉄系金属製)のホイール34と、ホイール34の外周面に嵌められたゴムまたはウレタン製のタイヤ35とからなり、前記ベアリング32,33はホイール34の内周面に嵌入されている。前輪11は車軸31の先端部に螺着されたロックボルト36により抜止めされている。ホイール34の内側側面の最外周部は鋳造または鍛造により周方向に沿った凹凸形状に成形されており、ホイール34の内側面上にはその凸部によって金属製被検出部としての多数の突起34aが周方向に一定ピッチで一体成形されている。突起34aは前輪11の回転と同期回転し、回転数センサ30で突起34aを検出することにより前輪11の回転数(回転速度)の計測が可能となっており、前輪11の回転をギヤ等の部品を使用して外部に取り出すことなく回転数の検出部分が構成される。リーチレール21は車軸31の外周域において、前輪11の内側面に対し僅かな距離Gを隔てた近接状態で相対配置されている。本実施形態では、リーチレール21が構造材を構成する。
【0049】
リーチレグ15は、リーチレール21と、その外側を覆う状態に取付けられたレグハウジング15aとからなり、リーチレグ15の内部は前後に延びる連通空間(図4参照)となっている。レグハウジング15aの外側面は前輪11の外側面とほぼ同じ位置か、前輪11の方が若干外側に位置しており、図6に示すようにフォークリフト10の車幅Wは左右の前輪11によって決まり、回転数センサ30を取付けても車幅Wに変更はない。また図1に示すようにレグハウジング15aの前端部にはタイヤカバー37が取付けられている。
【0050】
図2に示すように、ホイール34の内側収容空間には油圧式のドラムブレーキ装置からなる補助ブレーキ装置(以下、ブレーキ装置と称す)38が車軸31に組付けられた状態で装備されている。ブレーキ装置38のホイールシリンダ(図示せず)に圧油を供給するためブレーキ装置38から延びる油圧管路38aは、図4に示すようにリーチレグ15内の連通空間を通って車体14まで延び、車体14に配設されたブレーキ用バルブユニット(図示せず)と接続されている。このブレーキ用バルブユニットには制御ユニット29により制御される電磁弁が内蔵されている。このブレーキ装置38は主にABS制御のために使用され、デッドマンタイプのブレーキペダルP(図8に示す)の制動操作(踏込解除操作)またはアクセルレバー18Aのスイッチバック操作がなされたことを検出したときにこれらの操作とは独立に制御ユニット29により作動制御される。
【0051】
図1に示すように、リーチレール21の下面には前輪11と相対する位置に前後一対のボス部39が溶接されている。リーチレール21の下方には、金属板が図1に示すような側面視逆アーチ形状に曲げ加工されてなるガード部材としてのガード40が、締結具としての2本のボルト41をボス部39に対し螺着することでリーチレール21の下面に固定されている。ガード40は回転数センサ30の取付用ブラケットを兼ねており、ガード40にはその底部上面に溶接された板状のブラケット42が上方へ延出している。回転数センサ30はブラケット42に対し1本のボルト44を用いて組付けられている。回転数センサ30は前後下方をガード40によって保護された状態で、突起34aを検出可能な位置姿勢に配置されている。回転数センサ30はリーチレール21の走行案内面21aより下方に位置するので、ローラ20aの走行域が回転数センサ30によって制限されることはない。
【0052】
次にセンサ取付構造を詳しく述べる。回転数センサ30は、図3に示すように円柱状のセンサ部30aが取付用ブラケット43の一端部に固定された取付具一体タイプである。取付用ブラケット43の他端部にはボルト挿通孔43aが形成されている。ブラケット42にはセンサ部30aを挿通可能な組付孔42aとネジ孔42bが形成されている。回転数センサ30は、センサ部30aを組付孔42aに挿通した状態で、ボルト挿通孔43aに挿通したボルト44をネジ孔42bに螺着することでブラケット42に組付けられている。センサ部30aの基部から延びる2本の信号線45は、センサ組付状態においては図1,図2に示すようにリーチレール21の下面に沿って配線されてリーチレグ15内に至り、リーチレグ15内を通って前記制御ユニット29と接続されている。
【0053】
本実施形態で使用する回転数センサ30は、前面を磁性体が横切るときの磁気の乱れを検出して出力を得るタイプの磁気センサ(本例ではホール素子)であり、突起34a(凹凸部)が横切る毎に1パルスの信号を出力する。制御ユニット29は、回転数センサ30から入力する信号のパルス数を計数し、単位時間当たりの入力パルス数から前輪11の回転速度を算出する。
【0054】
図2に示すように、ガード40は、路面Rに対して所定角度で傾斜する前後一対のガード部40a,40bを有する。回転数センサ30はフォークリフト10の走行時に路面上の突起物(例えば石や木片など)から前後のガード部40a,40bにより保護される。両ガード部40a,40bは下方へ至るほど互いに接近する向きに前後に傾斜している。これは、走行方向(路面R)に対してガード面に傾斜角をつけることで、突起物からガード部40a,40bが受ける力をその傾斜面に沿う方向に分散させるためである。特にガード40が取付用ブラケットを兼ねる本実施形態では、突起物との衝突が繰り返されるとガード40の変形が心配され、ガード40の変形により回転数センサ30の位置がずれて回転検出精度に悪影響を与えかねない。このため、ガード40の変形を極力避けるためにこのような衝撃力分散構造を採用している。
【0055】
また、ガード40をリーチレール21に固定しているボルト41の頭部が、路面Rからタイヤカバー37の下端までの高さ範囲H内には下方へほとんど突出しないように位置設定されている。これは、タイヤカバー37の下方を通過した突起物がボルト41の頭部に衝突してボルト41が折損するなどの不具合を避けるためである。
【0056】
また図2に示すように、回転数センサ30は、車幅方向(同図左右方向)においてリーチレール21のほぼ幅内に収まるように配置されている。これは、前輪11とリーチレール21間の隙間から車軸31に巻き付く紐などの異物が回転数センサ30に巻き付くことを回避するためである。実際には回転数センサ30のセンサ部30aは紐などの異物が巻き付く心配がない程度にリーチレール21の外側面から僅か(例えば1〜2mm)に外方へ突出している。ガード40も回転数センサ30の車幅方向全域を完全に保護できるように、リーチレール21の外側面から僅かに外方へ突出している。回転数センサ30の配置条件は、車軸31に巻き付いた紐などの異物が前輪11と回転数センサ30との間を通過できる程度の隙間(離間距離)を、前輪11との間に隔てて配置することである。
【0057】
前輪11とリーチレール21間の距離Gは設計寸法で2mm以上あり、本例では例えば3〜6mmある。寸法Gは、前輪11とリーチレール21との隙間が狭く済み、かつ前輪11の組付けばらつきにより前輪11がリーチレール21と接触することがないようある程度の余裕をみて設定されている。センサ部30aと突起34aとの離間距離は、回転数センサ30の上記配置条件を満たすために本例では2〜5mmの範囲にある。
【0058】
このように回転数センサ30と突起34aとの離間距離が2mm以上あることから、本実施形態では、回転数センサ30としてホール素子を内蔵するタイプのものを使用している。ホール素子を使用するのは、検出許容離間距離が2mm以上保証されているからである。
【0059】
また、回転数センサ30は、マスト装置20に備えられるフォーク24が左右に振れたときのフォーク24と干渉しないように取付けられている。フォーク24がリーチレグ15と相対する高さにあるときは、リーチレール21の内側壁21bが規制面となってフォーク24の左右の振れを規制する。回転数センサ30は、フォーク24の左右の振れを規制するリーチレグ15の規制面より車幅方向外側に位置し、フォーク24側においてはリーチレール21の幅範囲内に完全に収まるように配置されている。仮に回転数センサ30がリーチレール21の内外壁21bから若干内側に突出すると、フォーク24が左右に振れても回転数センサ30に接触しないように、図6に示すフォーク24の配置許容範囲(使用範囲幅)Aを狭く制限しなければならない。これに対し、本例では回転数センサ30がリーチレール21の内側壁21bから突出していないので、フォーク24の配置許容範囲Aが狭く制限されることがない。但し、ガード40の内側面が、フォーク24が左右に振れたときの保護面になれば、ガード40と共に回転数センサ30がリーチレール21の内側壁21bから若干内側に突出しても構わない。
【0060】
図1〜3に示すように、ガード40には車軸31に絡み付いた紐などの異物を切断するためのカッタ48が設けられている。図2,3,5に示すようにカッタ48はガード40から前輪11との隙間内に若干突出する状態でガード40の底部下面に固着されている。カッタ48は両刃タイプであって、2つの刃部48aが前後を向くように取付けられており、車軸31に絡んだ(巻付いた)紐49はカッタ48によって切断されるようになっている。なお、ガード40は逆アーチ形の板状であることから前輪11と相対する側が開口しており、前記ブレーキ装置38の管路38aは図4に示すようにガード40とリーチレール21間の空間を迂回して、ガード40に保護された状態で配管されている。
【0061】
回転数センサ30はブレーキ装置38を作動させるか否かの判定に用いられる。制御ユニット29は各回転数センサ28,30からの単位時間当たりの入力パルス数を基に駆動輪12の車速(駆動輪換算車速)と前輪11の車速(従動輪換算車速)とを算出し、従動輪換算車速を後輪位置に換算した車速と駆動輪換算車速との差から駆動輪12のすべり速度を求める。そして、このすべり速度が閾値を超えると駆動輪12がスリップしていると判定する。ここで、前輪11の車速を求めるのには、例えば左右の回転数センサ30,30からの単位時間当たりの入力パルス数の平均値を使用する。駆動輪12のスリップを検出したときには、制御ユニット29はコントロールバルブ23内の電磁弁を開弁することでブレーキ装置38を作動させ、前輪11にブレーキをかけることでフォークリフト10の制動距離があまり長くならないように抑えている。また左右の回転数センサ30の検出値は旋回安定制御にも使用される。すなわち、制御ユニット29は左右の回転数センサ30,30からの単位時間当たりの入力パルス数を基に、前輪11,11の回転速度差と車速とを計測し、これらの計測値を基に車体14の左右方向に働く横加速度(横G)を推定する。そして推定した横加速度が閾値を超えると、電磁弁(図示せず)を閉弁してロックシリンダ(油圧シリンダ)をロックすることでサスペンション機構をロックし、車体14のロールを規制する。
【0062】
以上詳述したように本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)前輪11の内側面に周方向に一定ピッチで形成した多数の突起34aを被検出部とし、リーチレグ15(リーチレール21)に取付けた回転数センサ30で前輪11を直接検出する回転検出方法なので、前輪11が従動輪であっても、前輪11の回転を外部に取り出すギヤ等の部品を追加する必要がないうえ比較的追加部品が少なく済み、簡単な構成の前輪回転検出装置を提供できる。
【0063】
(2)前輪回転速度検出用の回転数センサ30をリーチレール21の下面に車幅方向においてその幅範囲内にほぼ収まる配置で取付け、かつガード40により保護した。従って、フォーク24の使用範囲幅Aを狭くせず、車両走行時に路面上の突起物から回転数センサ30を保護でき、車幅Wを広げることなく、しかも車軸31に巻付いた紐などの異物が回転数センサ30に巻付いたり叩くことが軽減されて回転数センサ30の組付位置がずれ難くその検出精度を高く保つことができる。
【0064】
(3)ガード40の前後にあるガード部40a,40bが走行方向(路面)に対して傾斜するので、路面上の突起物がガード40に衝突したときの衝撃力を分散させるこができる。その結果、ガード40が変形し難く、ガード40が回転数センサ30のブラケットを兼ねても、回転数センサ30の位置精度がずれ難く、この点からも回転数センサ30の検出精度を高く維持できる。
【0065】
(4)車軸31に絡んだ紐を図5に示すようにカッタ48で切断できるので、紐などの異物が車軸31に巻付いたまま放置されることに起因して回転数センサ30に与える不具合を回避することができる。このため、長期にわたって回転数センサ30の検出精度を高く保つことができる。
【0066】
(5)回転数センサ30の取付箇所がリーチレール21の下面なので、その信号線45をガード40内からそのままリーチレール21の下面に沿って配線することができる。よって、フォーク24、車軸31に絡んだ紐、ローラ20aなどのリーチレール21の回りに存在する可動物体との接触から、特別な保護部材を設けたり干渉を避けるための迂回経路をとることなく信号線45を保護できる。
【0067】
(6)ガード40は曲げ加工された板材からなりその内側が開放されて側方に開口しているので、ブレーキ装置38の油圧管路38aをガード40の内側を迂回させて配管することができる。このため、前輪11の内側側方近傍に回転数センサ30およびガード40を配置しても、ブレーキ装置38から油圧管路38aをガード40に保護された経路で引き出すことができる。つまり、ガード40は管路38aの引き出し箇所からリーチレール21の下面に至るまでの経路において管路38aを保護する役割をする。
【0068】
(7)ガード40を固定するボルト41の頭部が、タイヤカバー37の下端高さより下方へはほぼ突出しない状態にあるので、タイヤカバー37の下側を通り抜けた障害物がボルト41の頭部に当たってボルト41が折損するなどの不具合を防止することができる。
【0069】
(8)左右一対の回転数センサ30,30を設け、左右両方の前輪11,11の回転速度を検出できるようにしたので、前輪11の回転速度として両前輪11,11の回転速度検出値の平均を採用したり、両回転検出値の差をみることにより、ABS制御や旋回安定制御の作動時期の判定を正しくすることができる。すなわち、駆動輪12のスリップを正しく検出してブレーキ装置38を必要時のみ作動させることができ、両回転検出値の差と車速をみることで車体14に働く横加速度を間接的に検出し、旋回安定制御を適切時期に実行できる。
【0070】
(9)前輪11の内側面に金属製被検出部となる突起34aを周方向に一定ピッチで形成したので、この実施形態における前輪回転検出装置に適した前輪用の車輪を提供できる。
【0071】
なお、実施の形態は、上記に限らず以下の態様で実施してもよい。
○ 回転数センサ30の取付箇所はリーチレール21の下面に限定されない。例えば前輪11にブレーキ装置38を装備しない構成であれば、図9に示すようにホイール34の内周空間を利用し、車軸31に回転数センサ30を取付け、被検出部としての突起34bを回転数センサ30と対向するホイール34の内周面上に周方向に一定ピッチで形成する。回転数センサ30はその一体型の取付ブラケット51を車軸31の外周面上にネジ52を用いて締結固定することで車軸31に取付けられており、前輪11の幅範囲(タイヤ幅範囲)内に位置する。この構成によれば、回転数センサ30は前輪11の内周空間に収容されるため、フォーク24との干渉はもちろん、車軸31に巻付いた紐や路面上の突起物からも保護される。またガード40も不要である。
【0072】
○ ガードがセンサ取付用のブラケットを兼ねる構造に限定されない。例えば図10に示すように、回転数センサ30を取付けるためのブラケット54をリーチレール21の下面に溶接(但しボルト固定でも可能)し、リーチレール21の下面に回転数センサ30のガード目的のみのガード55をボルト41を用いて固定する。ガード55は第1実施形態と同様に金属板を逆アーチ形に曲げ加工したもので、その前後のガード部55a,55bが走行方向に対して傾斜するので、路面上の突起の衝突に対して変形し難いなど前記第1実施形態と同様の効果が得られる。またこの構成であればガード55が仮に変形しても回転数センサ30の位置ずれ原因とはならないので、回転数センサ30の検出精度に悪影響を与えない。
【0073】
○ ガードはリーチレグ(リーチレール)に対し相対移動可能に設けてもよい。例えば図11や図12に示すように、バネ(弾性部材)の弾性力を利用してガードに衝撃力緩和機能を付与する。図11では、ガード57がリーチレール21に対し走行方向にスライド可能に設けられ、前後一対のバネ58,58により互いに反対方向に付勢されて、両付勢力の釣合いによりガード57は所定位置に配置されている。路面上の突起物がガード57に当たった際は、ガード57はバネ58の付勢力に抗してスライドすることで衝撃力がバネ58に吸収される。
【0074】
また図12では、ガード60がリーチレール21の下面に固定された支軸61を中心に車幅方向と直交する面内を前後に揺動可能に設けられ、一対の板バネ62,62により互いに逆方向に付勢されて、両付勢力の釣合いによりガード60はその前後両端部をリーチレール21の下面から離間させた所定姿勢に配置されている。路面上の突起物がガード60に当たった際は、ガード60は板バネ62の付勢力に抗して回動することで衝撃力は吸収される。なお、ガード60が回動した際にリーチレール21の下面に当たったときの衝撃はゴム63により吸収される。
【0075】
また、図11,12の各ガード57,60は共に走行方向に対して傾斜するガード部57a,57b,60a,60bを有するので、衝撃力はその傾斜面に沿う方向に分散され、この点からもガード57,60が変形し難い。なお、回転数センサ30はリーチレール21の下面にブラケット54を用いて直接固定されているので、ガード57,60の変位(または変形)によらずその組付位置に保たれ高い回転検出精度が得られる。なお、ガードを変位させる機構や付勢手段は適宜変更でき、例えば付勢手段としてバネに代えてゴムを使用することができる。
【0076】
○ 図13に示すような形状に板材(金属板)を曲げ加工して製造したガード65を、3本のボルト41によりリーチレール21の下面に固定し、ガード部65a,65bを前後に有する逆アーチ部分を支持する2本のボルト41とは異なる組合せの2本のボルト41により、ブラケット66が溶接された支持板部65cを支持する。回転数センサ30がブラケット66を介して支持されている支持板部65cは、ガード部65a,65bに突起物が当たってできた変形の影響を受け難いため、ガード65がブラケットを兼ねる構造であるが、回転数センサ30の位置ずれが起き難くその回転検出精度を高く維持できる。
【0077】
○ 回転数センサ30の取付位置はリーチレール21の下面に限定されない。回転数センサ30をリーチレール21の走行案内面21aより下方の部分に埋設してもよい。図14はその一例を示し、(a)は側面図、(b)は平断面図である。リーチレール21の走行案内面21aより下方に位置するレール底部21cにはその内側側面に組付用凹部68が形成されるとともにその凹部68の底面(側壁)にはさらに組付孔(貫通孔)69およびネジ孔70が形成されている(図14(b)参照)。回転数センサ30はセンサ部30aを組付孔69に挿通する状態で取付用ブラケット43に挿通したボルト44をネジ孔70に螺着することでリーチレール21に組付けられている。取付用ブラケット43などは組付用凹部68内に収容されるため、回転数センサ30はリーチレール21のほぼ幅範囲内に、リーチレール21の下面からはみ出ないように配置される。この構成であれば、ローラ20aと干渉したりローラ20aの走行域を狭めることなく、回転数センサ30を上記実施形態で述べた種々の不具合を招かず取付けることができる。また、リーチレール21自体がガードの役割をするので、ガード部材を不要にできる。
【0078】
○ 前記第1実施形態のように板材を曲げ加工して形成されて側方が開口となったガード40(他の実施形態では55,57,60,65)を使用する構成において、図15に示すように、センサ部30aを保護するカバー72を設けてもよい。カバー72は検出(磁気)に影響を与えない樹脂製としている。この構成によれば、例えばリーチレール21と前輪11の間の隙間にセンサ部30aが少し突出しても、カバー72によってセンサ部30aを保護できる。カバー72が存在しても樹脂製なので回転数センサ30の検出精度はさほど低下しない。なお、カバー72は平板形状に限らず、例えばキャップ形状でもよい。
【0079】
○ ガードは板材からなることに限定されない。図16に示すように、リーチレール21の下面に所定形状の金属製ブロックからなるガード74を溶接し、回転数センサ30をガード74に埋設する構造を採用することもできる。ガード74の前後には走行方向に対して傾斜するガード面74a,74bが形成されているが、これはガード74の変形防止機能よりはむしろ突起物衝突時の車体の衝撃緩和用である。この場合も回転数センサ30は、図16(b)に示すようにリーチレール21の幅範囲内に配置されている。ガード74は金属製ブロックなのでまず変形せず、回転数センサ30の位置ずれ原因による誤検出の心配がまずない。
【0080】
○ ガードは、前側のガード部と後側のガード部とが一体形成された構造に限定されない。例えば図17(a)に示すように、金属製ブロックからなる前後2つのガード76,77をリーチレール21の下面に配置し、そのうち一方のガード77に回転数センサ30をリーチレール21の幅範囲内に位置する状態に埋設する。各ガード76,77には走行方向に対して傾斜するガード面76a,77aが形成されている。また図17(b)に示すように、金属製の板材を逆アーチ形に曲げ加工して製造された前後2つのガード78,79をリーチレール21の下面に配置し、そのうち一方のガード79に溶接されたブラケット42に回転数センサ30を組付ける。各ガード78,79には走行方向に対して傾斜するガード部78a,79aが形成されている。図17(a)の構造によれば、各ガード76,77間の隙間分の容積の削減によってガード総重量を減らすことができる。また図17(b)の構造によれば、前側のガード78が仮に変形しても回転数センサ30が位置ずれすることがない。
【0081】
○ 金属製被検出部は、突起34aのように前輪11のホイール34に一体成形された構造に限定されない。前輪に別部品を取付けて金属製被検出部を設ける構造でもよい。例えば図18に示すように前輪11において、タイヤ35が嵌められている円筒状のタイヤベース81とほぼ同径の金属製のリングプレート82を、タイヤベース81の内側側面に対し複数本のボルト83を用いて各ボルト83をネジ穴81aに螺着することで一体に組付ける。リングプレート82は外周縁部分が一定ピッチの凹凸形状に成形されており、リングプレート82の凸部(歯部)が金属製被検出部82aとなる。
【0082】
また図19(a)に示すリングプレート84のように、筒部84aから径方向外側へ曲げ加工されて延出する鍔部(フランジ部)84bに、周方向に一定ピッチで多数の切欠孔85を形成する。リングプレート84は図19(b)に示すようにタイヤベース81の内周面上に周方向に延びるように形成された環状の凹部81bに圧入固定されている。リングプレート84の鍔部84bにおいて周方向に切欠孔85の間の部分が金属製被検出部86となる。図18の構造では金属製被検出部82aが凸状で外部からの力により比較的変形し易いのに対し、図19の構造ではリングプレート84は周縁が繋がっていて強度があるので金属製被検出部86が変形し難く、回転検出精度が長期に渡って安定する。また、図18,図19の構成は共に、ホイール34については被検出部の有無によらず併用できる。また、前輪11に組付けられるブレーキ装置38の組付けの妨げにならなければ、図18のリングプレート82の内周側を凹凸形状としたり、図19のリングプレート84で鍔部84bを内側へ延出させるなどし、金属製被検出部82a,86を前輪11のより軸心寄りに配置することもできる。
【0083】
また図20に示すように、タイヤ35の内側側面に金属製のピン87を周方向に一定ピッチで打ち込んで、各ピン87の頭部を金属製被検出部とする構造でもよい。なお、前記実施形態のように車輪11に金属製被検出部(突起34a)を一体成形する構造を採用する場合、ホイール34に代えタイヤベース81の側面を凹凸形状に成形してその凸部を金属製被検出部とする構成でもよい。
【0084】
○ ガード部材はセンサの下側を覆う構造に限定されない。例えばセンサの前後に突起物回避用のブロックが2個配置されただけでもよい。さらにガード部材は必ずしもセンサの近傍にある必要はなく、車両走行時に路面上の突起物からセンサをガードできさえすれば、ガード部材の取付位置はどこでもよい。また、ガード部材がセンサの前後両方をガードすることは必須でなく、例えば車両前進時にセンサがタイヤカバー37により路面上の突起物からガードされるのであれば、ガード部材はセンサの後方をガードするだけの構造で足りる。
【0085】
○ 前輪が駆動輪である3輪駆動タイプのリーチ式フォークリフトに前輪回転検出装置を適用してもよい。この場合、リーチレールの外側に固定された前輪駆動用のギヤボックスが、前輪とその内側で相対する構造材となり、構造材としてのこのギヤボックスの下面にセンサとしての回転数センサが取付けられる。回転数センサをガード部材を設けて保護したり、前輪に対し紐などの異物が通過できる程度の隙間を隔てて回転数センサを配置すれば、前輪駆動式のリーチ式フォークリフトにおいても前記実施形態と同様の効果が得られる。
【0086】
○ ガードされる状態とは、ガード部材を設けたり、リーチレールに埋設する構造に限定されない。つまり回転数センサが路面上の突起物に事実上当たらない構造となっていれば足りる。例えばリーチレール21の下面からタイヤカバー37が十分長く下方へ延出し、車両前進時にはリーチレール21の下面に取付けられた回転数センサ30がタイヤカバー37によって路面上の突起物からガードされ、しかも回転数センサ30の配置位置が車体14の底面より高く、車両後進時に車体14の底部により路面上の突起物が除去される構造である場合は、特にガード部材が無くてもよい。この場合、回転数センサは、リーチ式フォークリフトに通常備わる構造材であるタイヤカバー37と車体14によりガードされる状態となる。またフォークリフトのその他の構造材により回転数センサがガードされるように設計されている場合も、ガード部材は不要である。要するに回転数センサが、車両構造上、車両走行時に路面上の突起物からガードされる状態となれば足りる。
【0087】
○ 前輪とセンサとの間は、車軸に巻き付いた紐などの異物が通過できる程度の隙間を開けることに限定されない。例えばセンサがリーチレールの側面から前輪とリーチレール間の隙間を通り抜けるように突出し、前輪とセンサの離間距離が事実上無い構成でもよい。この場合、センサの突出部分までを紐などの異物からガード部材により保護したり、さらにそのガード部材にカッタを設ければ、紐などの異物による不具合を防ぐことはできる。この場合、特にガード部材がセンサの取付ブラケットを兼ねずセンサがリーチレールに直接取付けられれば、仮に紐などの異物が絡まってガード部材が多少位置ずれしてもセンサは正規の位置に保たれる。
【0088】
○ 回転数センサ30は左右の前輪11のうち片側のみに設けてもよい。この場合、前輪検出回転速度が車両旋回向きによる影響(内輪か外輪かで検出値が異なる)を受けるが、例えばタイヤ角センサにより駆動輪12の操舵角(タイヤ角)を求め、その操舵角についての補正を加えれば前輪一輪の回転検出速度のみからでも従動輪換算車速を正しく求めることができる。よって、駆動輪12のスリップを正しく検出できる。
【0089】
○ 左右の回転数センサ30,30を車両走行状態に応じて使い分けるなどし、左右の回転数センサ30,30のうち一方のみから検出した回転速度値のみを用いることもできる。例えば従動輪換算車速を求める方法として、左右の前輪回転速度の平均値に代え、タイヤ角センサの検出操舵角に応じて決まる旋回外輪側の前輪11の回転速度のみを使用することもできる。この場合、旋回外輪側の回転速度を採用することで値の大きな検出値が得られ、この検出値に換算などの計算処理を施して得られる情報(従動輪換算車速や後輪位置換算車速)の精度が高まる。
【0090】
○ センサはホール素子を使用するものに限定されない。金属製被検出部を検出できる他のタイプの磁気センサでもよい。また、前輪に磁石を付けて被検出部としてもよい。また磁気を利用したものに限定されず、その他の方式で非接触で前輪の被検出部を検出することにより回転数検出可能なセンサを使用することもできる。また図9に示すように車軸31にセンサを取付ける構成では、接触式のセンサを使用することもできる。また、例えばホイールの内周面に当接して回転するローラを設け、ローラの回転を車軸31に支持された例えばエンコーダにより検出する構成でもよい。
【0091】
○ 回転数センサの検出値を使って行うリーチ式フォークリフトの制御は、前記実施形態の制御(ABS制御、旋回安定制御)に限定されない。例えばTRC制御を実施してもよい。
【0092】
○ ガードを箱形(ケーシング)にしてもよい。ブレーキ装置38を装備する場合は、箱形ガードの外側側板に油圧管路38aを通す挿通孔を設けたり、箱形ガードの前輪と対向する外側面全体を開口させた構造にすれば、管路38aをガード内に配管できる。ガードを箱形とすれば強度向上に寄与するうえ、回転数センサを内側側方からの異物に対し保護できる。
【0093】
○ フォークの左右の振れを規制するリーチレグの規制面は、リーチレールの内側側面に限定されない。例えばリーチレールの内側に他の構成部材が固定されている場合、この構成部材の内側側面をフォークの左右の振れを規制する規制面とし、センサがこの構造部材の内側側面からはみ出ない配置位置とした構成を採用できる。要するに規制面は、左右に振れたフォークを回転数センサと干渉しないように位置規制できる面であれば足りる。例えばセンサをガードするためにリーチレールの内側へはみ出たガード部材の内側側面を規制面とすることもできる。特にガード部材がセンサのブラケットを兼ねない構成にすれば、フォークが当たってガード部材が仮に位置ずれしても、センサは正規の位置に保たれる。
【0094】
○ 後二輪が2つの駆動輪からなるリーチ式フォークリフトにおいて適用してもよい。またリーチ式フォークリフト以外でも荷役装置のリーチ機構を備えた荷役車両において適用することができる。
【0095】
以下、前記実施の形態から把握できる技術的思想を記載する。
(1)前記前輪は従動輪である。この場合、前輪の回転を取り出すためのギヤ等の部品を追加することなく、しかも少ない追加部品数で、従動輪である前輪の回転数を検出することができる。
【0096】
(2)前記前輪は従動輪であって、前記センサは、前記構造材としての前記リーチレールの下面に車幅方向において当該リーチレールのほぼ幅範囲内に配置されている。
【0097】
(3)前記被検出部は前記前輪のホイールの内周面に形成され、前記センサは前記前輪の幅範囲内に位置する。この場合、センサは前輪の内周側で保護されるため、前輪の車軸に巻付いた紐などの異物がセンサに巻付いたりセンサを叩くなどしてセンサの組付位置がずれることが起き難く、センサの検出精度を長期にわたり高く保つことができる。
【0098】
(4)前記被検出部は前記前輪のホイールの内側面に形成されている。
(5)前記センサは前記リーチレールの走行案内面より下方の部分に埋設されている。
この場合、ガード部材を不要にできる。
【0099】
(6)前記ガード部材は前記構造材又は前記リーチレールの下面に取付けられ、前記センサを取付けるためのブラケットを兼ねている。
【0100】
(7)前記ガード部材は、前記構造材又は前記リーチレールの下面にボルトやネジなどの締結具(41)を用いて固定されており、前記締結具はその頭部が前記リーチレールの前端部に設けられたタイヤカバー(37)により保護され得る高さ範囲に位置する状態に配置されている。この場合、ガード部材を固定している締結具が、タイヤカバーの下側を通過した路面上の突起物により折損する心配がない。
【0101】
(8)前記前輪には補助ブレーキ装置(38)が装備されており、前記センサは前記補助ブレーキ装置の作動判定に用いる検出信号を得るためのものである。この場合、センサから得た前輪の回転速度検出値を用いた判定結果に基づきブレーキペダルの操作とは独立に必要時に前輪にブレーキがかかることで、車両走行安定性を向上させることができる。
【0102】
(9)前記前輪は油圧式の補助ブレーキ装置(38)を装備し、前記補助ブレーキ装置の油圧管路(38a)が前記ガード部材の内側を迂回して前記ガード部材にガードされた状態で配管されている。この場合、前輪に装備された補助ブレーキ装置に油を供給するために配管された油圧管路を、路面上の突起物等からガードできる。
【0103】
(10)前記センサはホール素子を内蔵するタイプである。この場合、センサから2mm以上離れても被検出部をホール素子により確実に検出できる。
【0104】
(11)車体から前方に延出する左右一対のリーチレグを構成する左右のリーチレールに沿って荷役装置が前後移動可能に装備され、従動輪である左右の前輪が前記各リーチレールの外側に回転可能に支持されたリーチ式荷役車両において、前記前輪にこれと同期回転するように設けられた被検出部を検出して左右のうち少なくとも一方の前輪の回転数を検出するセンサと、前記前輪に装備され、前記センサからの信号により検出される前記前輪の回転速度を使った判定結果に基づき制動操作とは独立に作動制御される補助ブレーキ装置(38)とを備えたリーチ式荷役車両。この場合、センサから得た前輪の回転速度検出値を用いた判定結果に基づきブレーキペダルの操作とは独立に必要時に前輪にブレーキがかかることで、車両走行安定性を向上させることができる。
【0105】
【発明の効果】
以上詳述したように請求項の発明によれば、前輪がたとえ従動輪であっても、前輪の回転を外部に取り出す部品を追加する必要がないうえ比較的追加部品の少ない簡単な構成の前輪回転検出装置を提供できる。
【0106】
また、リーチ式荷役車両に前輪の回転数を検出するセンサを設けても、センサが荷役装置の構成部材(荷役具)や路面上の突起物と干渉することを回避でき、しかも車両の車幅寸法を広げなくて済む。
【0107】
また、請求項の発明によれば、センサが前輪の車軸に絡んだ紐などの異物と干渉することを減らし、センサの検出精度を安定に保つことができる。
また、請求項の発明によれば、車軸に巻付いた紐などの異物はカッタにより切断されるので、紐などの異物が車軸に巻付いたまま放置されることに起因するセンサに与える不具合を防止できる。
【0108】
さらに請求項の発明によれば、多数の金属製被検出部が周方向に一定ピッチで設けられているので、従動輪である前輪の回転数検出に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施形態における前輪回転検出装置の側面図。
【図2】 同じく正断面図。
【図3】 回転数センサの組付構造を示す分解斜視図。
【図4】 ブレーキ装置の油圧管路の配管構造を説明する正面図。
【図5】 カッタの作用を説明する斜視図。
【図6】 リーチ式フォークリフトの模式正面図。
【図7】 リーチ式フォークリフトの側面図。
【図8】 リーチ式フォークリフトの平面図。
【図9】 別例における前輪回転検出装置の正断面図。
【図10】 図9と異なる別例における前輪回転検出装置の側面図。
【図11】 図10と異なる別例における前輪回転検出装置の側面図。
【図12】 図11と異なる別例における前輪回転検出装置の側面図。
【図13】 図12と異なる別例における前輪回転検出装置の側面図。
【図14】 図13と異なる別例における前輪回転検出装置を示し、(a)は側面図、(b)は平断面図。
【図15】 図14と異なる別例における前輪回転検出装置の正断面図。
【図16】 図15と異なる別例における前輪回転検出装置を示し、(a)は側面図、(b)は正断面図。
【図17】 図16と異なる別例における前輪回転検出装置の側面図。
【図18】 別例における金属製被検出部を有する前輪の分解斜視図。
【図19】 図18と異なる別例における前輪を示し、(a)は分解斜視図、(b)は要部正断面図。
【図20】 図19と異なる別例における前輪の側面図。
【図21】 従来技術におけるリーチ式フォークリフトの平面図。
【符号の説明】
10…リーチ式荷役車両としてのリーチ式フォークリフト、11…前輪、12…後輪、14…車体、15…リーチレグ、20…荷役装置としてのマスト装置、21…構造材としてのリーチレール、21a…走行案内面、24…荷役具としてのフォーク、30…センサとしての回転数センサ、31…車軸、34…ホイール、34a,34b…被検出部及び金属製被検出部としての突起、35…ゴムタイヤ、40,55,57,60,65,74,76,78…ガード部材としてのガード、40a,40b,55a,55b,57a,57b,60a,60b,65a,65b…ガード部、74a,74b,76a,76b,78a,78b…ガード部としてのガード面、48…カッタ、82…リングプレート、82a…金属製被検出部、84…リングプレート、86…金属製被検出部、87…金属製被検出部としてのピン。

Claims (8)

  1. 車体から前方に延出する左右一対のリーチレグを構成する左右のリーチレールに沿って荷役装置が前後移動可能に装備され、左右の前輪が前記各リーチレールの外側に回転可能に支持されたリーチ式荷役車両において、
    前記前輪の少なくとも一方にこれと同期回転する被検出部を設け、
    前記被検出部を検出して前記前輪の回転数を検出するセンサを、前記前輪とその内側で相対する前記リーチレグの構造材の下面に配置し、
    前記センサの前後をガードする前後一対のガード部を備え、両ガード部をその下方ほど互いに接近する斜状に形成して、車両走行時に前記センサを路面上の突起物からガードするガード部材を設けたリーチ式荷役車両における前輪回転検出装置。
  2. 車体から前方に延出する左右一対のリーチレグを構成する左右のリーチレールに沿って荷役装置が前後移動可能に装備され、左右の前輪が前記各リーチレールの外側に回転可能に支持されたリーチ式荷役車両において、
    前記前輪の少なくとも一方にこれと同期回転する被検出部を設け、
    前記被検出部を検出して前記前輪の回転数を検出するセンサを、前記リーチレールにおける荷役装置を走行案内する走行案内面より下方で、かつ当該リーチレールのほぼ幅範囲内の位置に配置し、
    前記センサの前後をガードする前後一対のガード部を備え、両ガード部をその下方ほど互いに接近する斜状に形成して、車両走行時に前記センサを路面上の突起物からガードするガード部材を設けたリーチ式荷役車両における前輪回転検出装置。
  3. 車体から前方に延出する左右一対のリーチレグを構成する左右のリーチレールに沿って荷役装置が前後移動可能に装備され、左右の前輪が前記各リーチレールの外側に回転可能に支持されたリーチ式荷役車両において、
    前記左右の前輪の両方にこれと同期回転する被検出部を設け、
    前記被検出部を検出して前記前輪の回転数を検出するセンサを各リーチレグに取付け、
    前記センサの前後をガードする前後一対のガード部を備え、両ガード部をその下方ほど互いに接近する斜状に形成して、車両走行時に前記センサを路面上の突起物からガードするガード部材を設けたリーチ式荷役車両における前輪回転検出装置。
  4. 車体から前方に延出する左右一対のリーチレグを構成する左右のリーチレールに沿って荷役装置が前後移動可能に装備され、左右の前輪が前記各リーチレールの外側に回転可能に支持されたリーチ式荷役車両において、
    前記前輪の少なくとも一方にこれと同期回転する被検出部を設け、
    前記被検出部を検出して前記前輪の回転数を検出するセンサを前記リーチレグに取付け、
    前記前輪の車軸に巻付いた紐などの異物を切断するためのカッタを設けたリーチ式荷役車両における前輪回転検出装置。
  5. 従動輪である前記前輪の内側面上に、多数の金属製からなる前記被検出部が周方向に一定ピッチで設けられている請求項1〜4のいずれか一項に記載のリーチ式荷役車両における前輪回転検出装置。
  6. 車体から前方に延出する左右一対のリーチレグを構成する左右のリーチレールに沿って荷役装置が前後移動可能に装備され、左右の前輪が前記各リーチレールの外側に回転可能に支持されたリーチ式荷役車両において、
    前記左右の前輪の両方にこれと同期回転する被検出部を設け、
    前記被検出部を検出して前記左右の前輪の回転数を検出する左右一対のセンサを、前記前輪を支持する車軸に設け、
    前記センサの前後をガードする前後一対のガード部を備え、両ガード部をその下方ほど互いに接近する斜状に形成して、車両走行時に前記センサを路面上の突起物からガードするガード部材を設けたリーチ式荷役車両における前輪回転検出装置。
  7. 車体から前方に延出する左右一対のリーチレグを構成する左右のリーチレールに沿って荷役装置が前後移動可能に装備され、左右の前輪が前記各リーチレール の外側に回転可能に支持されたリーチ式荷役車両において、
    前記前輪の少なくとも一方にこれと同期回転する被検出部を設け、
    前記被検出部を検出して前記前輪の回転数を検出するセンサを、前記被検出部が設けられた前輪を支持する車軸に設け、
    前記前輪の車軸に巻付いた紐などの異物を切断するためのカッタを設けたリーチ式荷役車両における前輪回転検出装置。
  8. 従動輪である前記前輪の内周面上に、多数の金属製からなる前記被検出部が周方向に一定ピッチで設けられている請求項6又は7に記載のリーチ式荷役車両における前輪回転検出装置。
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