JP3784267B2 - Ledアレイ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はLEDアレイに関し、特にページプリンタ用感光ドラムの露光用光源などに用いられるLEDアレイに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ページプリンタ用感光ドラムの露光用光源などのLEDアレイに対し、発光素子の高密度化や、その小型化が市場のニーズとしてある。
すなわち、このLEDアレイにおいては、外部接続点である電極パッドの数を減らしたり、外部回路との接続電極サイズを小さくしたり、チップサイズを小さくすることが求められていた。
【0003】
このような市場のニーズに応えるために、マトリクス配線電極で層間絶縁膜を介して設ける多層電極構造のLEDアレイが提案されている(特開平9−277592号と特開平11−40842号参照)。
【0004】
しかしながら、この提案のLEDアレイにおいては、各発光ダイオードの個別電極の形成と、それら発光ダイオードをグループに分け、各グループから重複無く1つずつ選択するためのマトリクス配線を形成する工程を2回行い、加えてそれぞれを絶縁膜等を介することで電気的に分離する工程とを含み、そのため多層電極構造でもってしか構成することができず、これにより、工程が複雑化し、製造コストがあがっていた。
【0005】
また、多くの発光素子を配列するに当り、各発光素子の発光強度にばらつきが生じないようにすることが望まれるが、いまだ満足し得る程度にまで向上していなかった。
【0006】
かかる課題を解消すべく、本願出願人は下記のような構成のLEDアレイを提案し、各発光素子の発光強度を均等にして、高性能かつ高信頼性のLEDアレイを提供した(特願平12−251378号参照)。
【0007】
このLEDアレイを図4と図5によって示す。
図4はLEDアレイの平面図であり、図5は図4にて切断面線A−A’による断面図である。
【0008】
11は単結晶基板であり、単結晶基板11上において、12は一導電型半導体層、13は逆導電型半導体層、14は個別電極、15は共通電極、16は外部接続用電極、17は窒化ケイ素やポリイミド膜などから成る保護膜としての絶縁膜である。なお、共通電極15は、符号として15a、15b、15c、15dでもって示し、外部接続用電極16も符号として16a、16bにて示す。
【0009】
単結晶基板11上に、各発光素子ごとに一導電型半導体層12と逆導電型半導体層13とが順次積層して形成され、その積層において、一導電型半導体層12の面積は逆導電型半導体層13の面積に比べて大きくして、一導電型半導体層12を引き出すことで、一導電型半導体層12と同一材からなる延在部18を設けている。
【0010】
一導電型半導体層12の上に絶縁膜17を被覆しているが、その露出部に共通電極15(15a、15b、15c、15d)を接続して設けている。
【0011】
また、逆導電型半導体層13についても、その上に絶縁膜17を被覆しているが、その露出部に個別電極14を接続して設けている。
【0012】
さらに図4に示すように、共通電極15(15a、15b、15c、15d)は隣接する各発光素子ごとに(島状半導体層12、13ごとに)異なる群に属するように4群に分けて接続して設けられ、隣接する発光素子(島状半導体層12、13)が同じ個別電極14に接続されている。
【0013】
かくして、この発光ダイオードアレイ構造によれば、個別電極14と共通電極15(15a、15b、15c、15d)の組み合わせを選択して電流を流すことによって、各発光素子を選択的に発光させることで、各発光素子の発光強度を均等にして、高性能かつ高信頼性のLEDアレイが提供できた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成のLEDアレイによれば、市場のニ−ズに十分に応じられるためには、製造コストのさらなる低減が求められているが、いまだ満足し得る程度にまで至っていなかった。
【0015】
この点を詳しく述べると、前記絶縁膜17においては、窒化ケイ素などの無機絶縁膜や電気的絶縁性の合成樹脂からなるポリイミド膜などの有機絶縁膜でもって保護膜としているが、双方の材質を比べた場合、無機絶縁膜を用いると、真空装置などを用いるなど製造装置や製造プロセスにて高コスト化を招きやすい。
【0016】
したがって、この無機絶縁膜に代えて、塗布工程という比較的容易なプロセスにて形成できる有機絶縁膜を用いる技術が提案されている。
【0017】
しかしながら、この有機絶縁膜の上に金属電極を接合させようとした場合、その密着性は低く、そのために、外部接続点との接着にワイヤーボンディングを用いると、接着不良が多発するという課題があった。
【0018】
この課題を解消すべく、有機絶縁膜の膜厚を薄くすることや、電極膜厚を厚くすることが考えられるが、何れも有効な手段とはなり得なかった。
【0019】
本発明は叙上に鑑みて案出されたものであり、その目的は外部回路との接続点において、その接続電極の密着性を大きくして、ワイヤーボンディング性能を高め、これによって製造歩留まりを高め、製造コストを下げ、その結果、低コストならびに高品質かつ高信頼性のLEDアレイを提供することにある。
【0020】
本発明の他の目的は各発光素子の発光強度を均等にして、高性能かつ高信頼性のLEDアレイを提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明のLEDアレイは、シリコン単結晶基板上に一導電型半導体層と逆導電型半導体層と一方電極とを順次積層し、この一導電型半導体層を引き出した延在部の上に他方電極を形成して成る発光素子を複数個配列して発光素子群と成し、さらにこれら一導電型半導体層と逆導電型半導体層との双方を覆う合成樹脂からなる電気的絶縁性の絶縁膜を単結晶基板の非半導体被膜面にまで成膜せしめた構成において、一方電極および/または他方電極を絶縁膜上を通して延在して、その端部を外部回路との接続電極と成し、この接続電極をシリコン単結晶基板にて予め酸素又は窒素のイオン注入した拡散領域に直に設けたことを特徴とする。
【0023】
しかも、上記の如く、接続電極を、単結晶基板にて予め酸素又は窒素のイオン注入した部分の非半導体被膜面上における絶縁膜の非成膜部分に設けたことで、素子間での漏れ電流が低減し、これによって各発光素子間にて発光バラツキが小さくなり、もしくはそのようなバラツキがなくなり、その結果、均等が発光強度が得られる。
【0024】
また、本発明の他のLEDアレイは、発光素子群内における各発光素子の延在部における他方電極に至る電極間隔が異なるとともに、一方の発光素子の電極間隔と他方の発光素子の電極間隔とを同じにして、双方の他方電極を通電せしめるように成したことで、発光素子の高密度化や小型化が達成される。
【0025】
この点については、下記のとおりである。
複数の一方電極に対し共通に成した電極パッドを配設し、さらに複数の他方電極に対し共通に成した他の電極パッドを配設したことで、電極パッド数が少なくなり、その配設面積が小さくなり、これにより、発光素子の高密度化ならびにLEDアレイの小型化が達成される。
【0026】
また、特開平9−277592号や特開平11−40842号にて提案されているような多層電極構造のLEDアレイと比べても、工程数が少なくなり、層間絶縁膜を介した多層電極構造を用いないことで、製造コストが下がり、発光素子の高密度化や小型化を達成したLEDアレイが得られる。
【0027】
また、本発明のLEDアレイにおいては、さらに前記電極間隔を同じにした各発光素子の他方電極を通電すべく、一導電型半導体層の延在部に形成した絶縁膜をまたがるように、接続線を発光素子の配列ラインと平行に形成している。
【0028】
したがって、従来のLEDアレイにおいて、周知のとおり形成されていた絶縁膜以外に、配線同士の電気的絶縁のために不可欠な層間絶縁膜を形成することもなくなり、これによって製造コストが下がり、低コストなLEDアレイが提供される。
【0029】
また、本発明のLEDアレイにおいては、さらに一方の発光素子群と他方の発光素子群に対し、発光素子群内にて個々の電極間隔を配列順に違えることで、対称的な電極間隔パターンにしており、そのように規則的なパターンにしたことで、LEDヘッド搭載時の発光順番の信号処理を比較的容易にし、これにより、搭載基板の設計をも容易にすることができる。
【0030】
そして、その規則的パターンをLEDアレイに整然と設けることで、それ以外の領域に電極パッドを設けることが設計上容易になり、対称的な電極間隔のもっとも短い部分でのスペースが大きく取ることができ、これにより、LEDアレイチップサイズの縮小化ならびにLEDアレイを搭載する際のワイヤーボンディングパッドを大きく取ることができ、その結果、LEDアレイのチップ縮小化ならびにLEDヘッドの製造上の歩留りが向上する。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基づき詳細に説明する。
図1〜図3は本発明のLEDアレイの一実施形態を示す。
図1はLEDアレイの要部拡大の平面図であり、図2は図1に示すA−A’線による断面図、図3は図1に示すB−B’線による断面図である。なお、図2および図3には、参照符号として、A、A’、B、B’を明示することでもって、その断面図の方向を示す。
【0032】
1は単結晶基板であり、この単結晶基板1上に各発光素子ごとに一導電型半導体層2と逆導電型半導体層3とが順次積層して形成され、その積層において、一導電型半導体層2の面積は逆導電型半導体層3の面積に比べて大きくして、一導電型半導体層2を引き出すことで、一導電型半導体層2と同一材からなる延在部8を設けている。
【0033】
また、図2に示すように一導電型半導体層2の上にポリイミド膜などから成る保護膜としての電気的絶縁性の絶縁膜7を被覆しているが、その露出部に前記他方電極である共通電極5(5a、5b、5c、5d)を接続して設けている。この絶縁膜7は単結晶基板1の非半導体被膜面にまで成膜している。
【0034】
さらに逆導電型半導体層3の上にも絶縁膜7を被覆しているが、その露出部に前記一方電極である個別電極4を接続して設けている。
【0035】
そして、本発明においては、個別電極4と共通電極5を絶縁膜7上を通して延在して、その端部を外部回路との接続電極である外部接続用電極6(6a、6b)と成し、この外部接続用電極6を単結晶基板1にて予め酸素又は窒素のイオン注入した部分、すなわち拡散領域9の非半導体被膜面上における絶縁膜7の非成膜部分に設けている。
【0036】
この拡散領域9には酸素および/または窒素をイオン注入して形成する。これらの含有率は、双方合わせて1018〜1022cm-3にするとよく、これによって高抵抗層が形成される。
【0037】
次に各構成部材を図3により詳述する。
単結晶基板1は半導体乃至絶縁性の基板からなり、高抵抗シリコン単結晶でもって構成した場合には、(100)面を<011>方向に2〜7°オフさせた基板などが好適である。
【0038】
一導電型半導体層2はバッファ層2a、オーミックコンタクト層2bおよび電子注入層2cで構成される。
【0039】
バッファ層2aとオーミックコンタクト層2bはガリウム砒素などで形成され、電子注入層2cはアルミニウムガリウム砒素などで形成される。
【0040】
オーミックコンタクト層2bにはシリコンなどの一導電型半導体不純物を1×1016〜1019atoms/cm3 程度含有し、電子注入層2cにはシリコンなどの一導電型半導体不純物を1×1015〜1018atoms/cm3程度含有する。
【0041】
バッファ層2aは単結晶基板1と半導体層との格子定数の不整合に基づくミスフィット転位を防止するために設けるものであり、半導体不純物を1×1015〜1017atoms/cm3含有させる。
【0042】
バッファ層2aは2〜4μm程度の厚みに形成され、オーミックコンタクト層2bは0.1〜1.0μm程度の厚みに形成され、電子注入層2cは0.2〜0.4μm程度の厚みに形成される。
【0043】
逆導電型半導体層3は発光層3a、クラッド層3bおよび他のオーミックコンタクト層3cで構成される。
【0044】
発光層3aとクラッド層3bはアルミニウムガリウム砒素などから成り、オーミックコンタクト層3cはガリウム砒素などから成る。
【0045】
発光層3a、クラッド層3bおよびオーミックコンタクト層3cは、電子の閉じ込め効果と光の取り出し効果を考慮して、各層の間にてアルミニウム砒素(AlAs)とガリウム砒素(GaAs)との混晶比を異ならしめる。
【0046】
発光層3aとクラッド層3bは亜鉛(Zn)などの逆導電型半導体不純物を1×1016〜1021atoms/cm3 程度含有し、オーミックコンタクト層3cは亜鉛などの逆導電型半導体不純物を1×1019〜1021atoms/cm3 程度含有する。
【0047】
発光層3aとクラッド層3bは0.2〜0.4μm程度の厚みに形成され、オーミックコンタクト層3cの膜厚dについては、膜厚d>(0.15μm−オーミックコンタクト層膜厚)程度の厚みに形成される。
【0048】
また、絶縁膜7は、たとえばポリイミド合成樹脂、オレフィン系樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、フッ素系樹脂などから成り、厚み0.5〜2μm程度に形成される。
【0049】
個別電極4と共通電極5(5a、5b、5c、5d)は金/クロム/金ゲルマニウム合金/クロム(Au/Cr/AuGe/Cr)などから成り、厚み1μm程度に形成される。
【0050】
かくして本発明のLEDアレイによれば、個別電極4と共通電極5の各端部を外部回路との接続電極である外部接続用電極6(6a、6b)と成し、この外部接続用電極6を単結晶基板1の拡散領域9の上に直に設けたことで、その外部接続用電極6の密着性を大きくして、ワイヤーボンディング性能を高めることができた。
【0051】
しかも、単結晶基板1に拡散領域9を形成したことで、素子間での漏れ電流が低減し、LEDアレイの製造歩留まりおよび品質が向上する。
【0052】
これは以下の理由による。
各発光素子間で漏れ電流が存在すると、発光させようとする発光素子以外の素子が、その漏れ電流によって発光する。また、発光しなくとも、漏れ電流によって各素子中に流れる電流が各発光素子により異なり、これにより、発光バラツキが発生し、その度合が大きくなるという課題もある。よって、素子間での漏れ電流が低減することによって各発光素子間にて発光バラツキが小さくなり、もしくはそのようなバラツキがなくなり、その結果、均等な発光強度が得られる。
【0053】
(LEDアレイの製造方法)
次に本発明のLEDアレイの製造方法を説明する。
【0054】
高抵抗シリコン単結晶基板1に対し拡散領域9を設ける。
【0055】
酸素や窒素をイオン注入する方法として、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、ヘテロバイボーラトランジスタ(HBT)などの素子間分離のために熱安定性に優れた酸素イオン注入をイオン注入装置を用いて行われている。
【0056】
本発明においては、酸素イオンあるいは窒素イオンをイオン注入することによって、高抵抗基板上にGaAs(ガリウム砒素)のような化合物半導体膜を成長する過程で基板中に拡散するAs原子による基板の抵抗減が防止される。
【0057】
イオン注入条件は、たとえば加速電圧30〜60keV、ドーズ量1×1014〜5×1016個/cm-2の条件でおこなう。このような条件でイオン注入を行うことで高抵抗シリコン基板表面付近に高濃度の酸素あるいは窒素のドーピングができる。
【0058】
次に高抵抗シリコン単結晶基板1上に、一導電型半導体層2、逆導電型半導体層3をMOCVD法などで順次積層して形成する。
【0059】
これらの半導体層2、3を形成する場合、基板温度を400〜500℃に設定し、これによって200〜2000Åの厚みでもってアモルファス状のガリウム砒素膜を形成した後、基板温度を700〜900℃に上げて所望とおりの厚みの一導電型半導体層2と逆導電型半導体層3と成す。
【0060】
この成膜において、原料ガスとしてはTMG((CH3 )3 Ga)、TEG((C2 H5 )3 Ga)、アルシン(AsH3 )、TMA((CH3 )3 Al)、TEA((C2 H5 )3 Al)などが用いられ、導電型を制御するためのガスとしては、シラン(SiH4 )、セレン化水素(H2 Se)、DMZ((CH3 )2 Zn)などが用いられ、キャリアガスとしては、H2などが用いられる。
【0061】
次いで、隣接する素子同志が電気的に分離されるように、半導体層2、3が島状にパターニングされる。そのためのエッチングは、硫酸過酸化水素系のエッチング液を用いたウエットエッチングやCCl2 F2 ガスを用いたドライエッチングなどで行われる。
【0062】
その後、一導電型半導体層2の一端部側に延在部8を設け、この延在部8の上にその一部が露出し、かつこの一導電型半導体層2の隣接する基板領域部分が露出するようにエッチングする。
【0063】
このようなエッチングも硫酸過酸化水素系のエッチング液を用いたウェットエッチングやCCl2 F2 ガスを用いたドライエッチングなどで行なわれる。
【0064】
次に、隣接する発光素子が基板上でも電気的に分離されるように、基板をエッチングする。たとえばアルカリ性水溶液で5000Å程度エッチングする。このとき、基板のみをエッチングするように素子をレジストによってカバーしてからエッチングを行うか、基板のみを選択的にエッチングするエッチング液を使用してエッチングを行うようにする。
【0065】
次にスピンコート法などで塗布したポリイミドなどから成る絶縁膜7を形成してパターニングする。この際、ポリイミドから成る絶縁膜7は、電極とのコンタクトをとるための小孔を逆導電型半導体層3上と、一導電型半導体層2の延在部8上に設ける。その際、同時に拡散領域9についても同様に、ポリイミドから成る絶縁膜7をパターンニングして除去する。
【0066】
この除去は次のとおりである。
ポリイミド絶縁膜上にポジ型フォトレジストを塗布し、所定の取り除きたい部分をフォトマスクを使ってを露光する。アルカリ現像液を用いてフォトレジストの感光された部分を取り除くと同時に、アルカリ現像液に溶けるポリイミド絶縁層も同時に、すなわち正確にはレジストが溶けた後、引き続き取り除く。最後にレジストを剥離すると所定の場所のみポリイミドが除去できる。
【0067】
最後に、クロムと金、金ゲルマニウムを蒸着法やスパッタリング法で形成してパターニングすることで個別電極4と共通電極5ならびにこれらの接続線、外部接続用電極6(6a、6b)を形成する。
【0068】
次に、PVD、CVD、塗布またはゾル−ゲルなどの手段を用いて保護層を形成する。
その後、LEDアレイをダイシング等の方法で、チップ状に切断した後、切断したチップを実装用基板に配置し、ワイヤーボンディングなどで外部回路と接続する。
【0069】
かくして上記の製造方法により得られたLEDアレイは、外部回路との接続電極部6a,6bについても、その部分に対しポリイミドから成る絶縁膜7がパターンニングして除去され、そして、かかる接続電極部6a,6b部に対しワイヤーボンディングをおこなった場合、そのワイヤーボンディング強度が向上した。
【0070】
【実施例】
本発明者は、上記のようなワイヤーボンディング強度でもって電極の密着性を測定した。
【0071】
まず図7に示すような測定用のサンプルを作製した。同図(a)は本発明のサンプルであり、高抵抗シリコン単結晶基板1に相当するシリコン(Si)基板の上に、すなわち拡散領域9の上に個別電極4や共通電極5に相当する電極をAuCr合金にて1μmの層厚にて形成し、そして、この電極上に対しワイヤーボンディングをおこなった。
【0072】
図7の(b)は比較例のサンプルであり、シリコン(Si)基板の上にポリイミド合成樹脂層を1〜3μmの厚みにて成膜し、この樹脂層の上に電極をAuCr合金にて1μmの層厚にて形成し、そして、この電極上に対しワイヤーボンディングをおこなった。
【0073】
本発明のサンプルについては、3個作成し、比較例のサンプルは4個作成し、これらサンプルに対するワイヤーボンディング強度の測定には、バネばかりであるマイクロゲージを使って、ワイヤーボンディングのループを引っ掛けてワイヤー接着強度を測定した。剥がれるまで引っ張り上げることで、マイクロゲージに表示される値をワイヤー強度とした。
【0074】
その測定結果を図6に示す。同図の横軸における「電極/ポリイミド」は比較例であり、「電極/Si」は本発明である。縦軸はワイヤー強度(g)である。
【0075】
同図に示すボンディングワイヤーの引っ張り強度試験の結果から明かなとおり、本発明での電極密着性は比較例に比べ2倍程度大きくなっていることがわかる。
【0076】
また、本発明者は、上述にしたがって下記のような構成のLEDアレイを作製した。そして、このLEDアレイについて、素子間での漏れ電流特性を測定した。
【0077】
まず、この実験に使用したLEDアレイは、次のとおりである。
バッファ層2a、オーミックコンタクト層2bはそれぞれガリウム砒素を3μm、0.8μm、電子注入層2cはアルミガリウム砒素を0.4μmの厚みに形成し、オーミックコンタクト層2bにはシリコンの半導体不純物を5×1018atoms/cm3 含有させ、電子注入層2cにはシリコンなどの一導電型半導体不純物を5×1017atoms/cm3含有させた。
【0078】
発光層3a、クラッド層3bおよびオーミックコンタクト層3cは、アルミガリウム砒素からなり、発光層3aとクラッド層3bは膜厚0.4μm、オーミックコンタクト層3cについては、膜厚0.15μmにて形成し、発光層3aとクラッド層3bは亜鉛(Zn)をそれぞれ1×1017、5×1019atoms/cm3 含有し、オーミックコンタクト層3cは亜鉛を1×1020atoms/cm3 含有させた。
【0079】
また、絶縁膜7は、ポリイミド合成樹脂を厚み1μmに形成した。
【0080】
そして、電極パットの下部にあたる部分には酸素を1020cm-3程度の濃度になるようにイオン注入して拡散領域9を形成した。
【0081】
このようにした作製したLEDアレイに対し、漏れ電流特性を測定したところ、図8に示すようなI-V曲線が得られた。
【0082】
この曲線は隣接する電極パット(6b)間のI-V曲線を示し、図1中の▲1▼、▲2▼の電極パットにプローブを立てて、この間に流れる電流-電圧特性を測定して得られた。
【0083】
横軸は、その印加電圧であり、3ボルト単位にて目盛られている。縦軸は電流値であり、2.00mA単位にて目盛られている。
【0084】
イは本発明のLEDアレイであり、ロは、比較例であり、拡散領域9を形成しないで、その他の構成は同じにしたLEDアレイである。
【0085】
図8から明かなとおり、本発明であるイの曲線によれば、イオン注入を行うことで素子間のリークが小さくなっていることが分かる。10V付近で立ち上がっているのはLEDのブレイクダウンによるものである。
【0086】
なお、本発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更や改良等はなんら差し支えない。
【0087】
たとえばこの例では、個別電極4と共通電極5を絶縁膜7上を通して延在して、その端部を外部回路との接続電極である外部接続用電極6と成し、この外部接続用電極6を単結晶基板1の非半導体被膜面上における絶縁膜7の非成膜部分に設けているが、それら個別電極4と共通電極5のうち一方だけを、かかる外部接続用電極6と接続して単結晶基板1の非半導体被膜面上における絶縁膜7の非成膜部分に設けてもよい。
【0088】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明のLEDアレイによれば、一導電型半導体層と逆導電型半導体層との双方ならびに単結晶基板の非半導体被膜面を覆う絶縁膜に対し電気的絶縁性の合成樹脂を用いるとともに、一方電極および/または他方電極を絶縁膜上を通して延在して、その端部を外部回路との接続電極と成し、この接続電極を単結晶基板にて予め酸素又は窒素のイオン注入した部分に直に設けたことで、従来のように有機絶縁膜上に接続電極を設けたものと比べて、その接続電極の密着性を大きくして、ワイヤーボンディング性能を高められる。これによって製造歩留まりを高め、製造コストを下げ、その結果、低コストならびに高品質かつ高信頼性のLEDアレイが提供できた。
【0089】
また、本発明のLEDアレイにおいては、発光素子群内における各発光素子の延在部における他方電極に至る電極間隔が異なるとともに、一方の発光素子の電極間隔と他方の発光素子の電極間隔とを同じにして、双方の他方電極を通電せしめるように成したことで、発光素子の高密度化や小型化が達成された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のLEDアレイの一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1に示すA−A’線による断面図である。
【図3】図1に示すB−B’線による断面図である。
【図4】従来のLEDアレイの一実施形態を示す平面図である。
【図5】図4に示すA−A’線による断面図である。
【図6】本発明の接着強度効果を説明する図である。
【図7】(a)と(b)は接着強度テスト用サンプルの構成を示す説明図である。
【図8】LEDアレイの漏れ電流特性を測定したI-V曲線図である。
【符号の説明】
1・・・単結晶基板
2・・・一導電型半導体層
3・・・逆導電型半導体層
4・・・個別電極
5・・・共通電極
6・・・外部回路との接続用電極
7・・・絶縁膜
8・・・延在部
9・・・拡散領域
Claims (1)
- シリコン単結晶基板上に一導電型半導体層と逆導電型半導体層と一方電極とを順次積層し、この一導電型半導体層を引き出した延在部の上に他方電極を形成して成る発光素子を複数個配列して発光素子群と成し、さらにこれら一導電型半導体層と逆導電型半導体層との双方を覆う合成樹脂からなる電気的絶縁性の絶縁膜を単結晶基板の非半導体被膜面にまで成膜せしめたLEDアレイであって、
一方電極および/または他方電極を絶縁膜上を通して延在して、その端部を外部回路との接続電極と成し、この接続電極をシリコン単結晶基板にて予め酸素又は窒素のイオン注入した拡散領域に直に設けたことを特徴とするLEDアレイ。
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