JP2002289920A - Ledアレイおよびその製造方法 - Google Patents

Ledアレイおよびその製造方法

Info

Publication number
JP2002289920A
JP2002289920A JP2001090028A JP2001090028A JP2002289920A JP 2002289920 A JP2002289920 A JP 2002289920A JP 2001090028 A JP2001090028 A JP 2001090028A JP 2001090028 A JP2001090028 A JP 2001090028A JP 2002289920 A JP2002289920 A JP 2002289920A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor layer
type semiconductor
conductivity
etching
extension
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001090028A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuya Kishimoto
達也 岸本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2001090028A priority Critical patent/JP2002289920A/ja
Publication of JP2002289920A publication Critical patent/JP2002289920A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Led Devices (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)
  • Weting (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】半導体層にクラックが入らず、順メサの一部が
垂直にならないようにして電極の断線を防ぎ、高品質か
つ高信頼性のLEDアレイを提供する。 【解決手段】高抵抗シリコン基板1上に一導電型半導体
層2と逆導電型半導体層3と個別電極4とを形成し、一
導電型半導体層2を引き延ばした延在部の上に共通電極
5を接続し、その延在部の表面粗さをRa100Å以下
にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえばページプ
リンター用感光ドラムの露光用光源などプリンター用に
適したLEDアレイならびにその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来のプリンター用LEDアレイを図4
〜図6に示す。図4はプリンター用LEDアレイの平面
図であり、図5はその横断面図であり、各LED(発光
素子)の断面構成を示す。さらに図6は、その平面図で
ある。
【0003】21は高抵抗シリコン基板であり、この高
抵抗シリコン基板21の上に一導電型半導体層22と逆
導電型半導体層23とを順次積層している。24は個別
電極、25は共通電極、26は窒化シリコン膜などから
成る保護膜である。
【0004】また、逆導電型半導体層23を一導電型半
導体層22よりも小さな面積となるように設けるととも
に、この一導電型半導体層22の露出部に共通電極25
を接続して設け、逆導電型半導体層23に個別電極24
を接続して設けている。
【0005】さらにまた、図4に示すプリンター用LE
Dアレイによれば、上記構成のLED(発光素子)を複数
個配列したものであり、逆導電型半導体層23上に接続
された電極2線分を1つのパッドPにまとめることで、
従来に比べ2分の1の数のパッドにしている。
【0006】共通電極25(25a、25b)は隣接す
る発光素子ごとに異なる群に属するように2群に分けて
接続して設けられ、そのために電極パッドD(Da、D
b)が設けられている。隣接する2個の発光素子が一単
位となって、双方は同じ個別電極24に接続されてい
る。
【0007】そして、かかる構成のLEDアレイでは、
個別電極24と共通電極25(25a、25b)の組み
合わせを選択して電流を流すことによって、各発光素子
を選択的に発光させている。
【0008】次にこのLEDアレイの製造方法、とくに
図5に示すようなメサ形状の素子構造の製法を述べる。
【0009】前記の如く、高抵抗シリコン基板21の上
に一導電型半導体層22と逆導電型半導体層23とのメ
サ形状の積層構造を作成すべく、高抵抗シリコン基板で
ある単結晶基板の上に、MOCVD法などで一導電型半
導体層と逆導電型半導体層とを順次成膜形成し、次いで
単結晶基板上に島状に残るようにエッチングによりパタ
ーンニング(以下、メサエッチと称する)する。
【0010】その後、一導電型半導体層の一部が露出さ
れるように、エッチングにより逆導電型半導体層の一部
を除去する(以下、段差エッチを称する)。
【0011】しかしながら、この段差エッチする際、メ
サエッチでエッチング中白濁するような液を用いた場
合、露出させた一導電型半導体層22上にクラックが入
りやすくなり、個別電極24から共通電極25に電流が
流れず、そのために発光しないLEDができるという課
題があることがわかった。
【0012】このような白濁エッチングとクラック発生
との因果関係については、いまだ判明していないが、こ
のエッチング液は、たとえばH2SO4−H22−水−K
OH系であり、これらの重量比は3:24:74:3で
ある。
【0013】そこで、メサエッチに際し、このような白
濁エッチングに代えて、白濁しないエッチング液を用い
ることで、被エッチング体の表面性状が鏡面に見えるよ
うなエッチングをおこない、すなわち鏡面エッチされる
ようなメサエッチ液組成を用いることが考えられる。
【0014】しかしながら、このような鏡面エッチをお
こなうと、高抵抗シリコン基板までエッチングしていく
プロセスにて、逆導電型半導体層上から単結晶基板上に
さがっていく部分にて、その各層の側面(順メサ部)の
一部が垂直になりやすく、その垂直状態の順メサ部に対
し個別電極24を配線すると、そこで断線を生じるとい
う課題があった。
【0015】このような鏡面エッチされるようなメサエ
ッチ液組成とは、たとえばH2SO4−H22−水系であ
り、これらの重量比は2:24:74である。
【0016】したがって、この課題があるということ
で、順メサ部が垂直に反して、傾斜をゆるやかにすべ
く、前述したようにメサエッチでエッチング中、白濁す
るような液を用いていた。
【0017】したがって本発明は叙上に鑑みて完成され
たものであり、その目的は露出させた一導電型半導体層
などの結晶にクラックが入らず、かつ順メサの一部が垂
直にならないようにして電極の断線を防ぎ、これによっ
て高品質かつ高信頼性のLEDアレイおよびその製造方
法を提供することにある。
【0018】本発明の他の目的は、製造歩留まりを高め
て製造コストを下げたLEDアレイの製造方法を提供す
ることにある。
【0019】また、本発明の他の目的はページプリンタ
ー用感光ドラムの露光用光源などプリンター用に好適な
LEDアレイを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明のLEDアレイ
は、単結晶基板上にヘテロ成長にて大面積の一導電型半
導体層と小面積の逆導電型半導体層とを順次積層して、
この一導電型半導体層を引き延ばした延在部を配し、さ
らに逆導電型半導体層上に一方電極を、延在部上に他方
電極を形成して成る発光素子を複数個配列して発光素子
群と成した構成において、前記延在部の表面粗さをRa
100Å以下にしたことを特徴とする。
【0021】また、本発明の他のLEDアレイは、前記
一導電型半導体層の延在部を配した側とは反対側にも第
2の延在部を設けて、この第2の延在部上を通して一方
電極を引出したことを特徴とする。
【0022】本発明のLEDアレイの製造方法は、順次
下記(1)〜(3)の各工程を経て単結晶基板上にヘテ
ロ成長にて大面積の一導電型半導体層と小面積の逆導電
型半導体層とを順次積層して、この一導電型半導体層を
引き延ばして表面粗さRa100Å以下の延在部として
形成せしめ、さらに逆導電型半導体層上に一方電極を、
延在部上に他方電極を形成して成る発光素子を複数個配
列して発光素子群と成したことを特徴とする。
【0023】(1)・・・単結晶基板上に一導電型半導
体層と逆導電型半導体層とを順次形成し積層体とする。
【0024】(2)・・・エッチングにより単結晶基板
上に各発光素子に対応させるべく積層体を分離して積層
体チップを島状に配列する。
【0025】(3)・・・エッチングにより積層体チッ
プの逆導電型半導体層を部分的に除去して一導電型半導
体層の延在部を設ける。
【0026】本発明の他のLEDアレイの製造方法は、
前記一導電型半導体層の延在部を配した側とは反対側に
も第2の延在部を設けて、この第2の延在部上を通して
一方電極を引出したことを特徴とする。
【作用】前述したとおり、段差エッチする際、メサエッ
チでエッチング中白濁するような液を用いた場合、一導
電型半導体層の延在部にクラックが入り、発光しない不
良のLEDが作製される場合がある。
【0027】この課題に対し、本発明者は、この原因を
いまだ完全に解明しておらず、推論の域を脱し得ない
が、次のように考える。
【0028】異種基板上に成長させられた結晶は、熱膨
張係数の差によってひずみを生じるが、メサエッチのエ
ッチング中に白濁するような液を用いれば、そのエッチ
ング液が、一導電型半導体層や逆導電型半導体の側面を
荒し、それが次の段差エッチに影響を及ぼし、これによ
り、段差エッチにおいて一導電型半導体層の延在部の表
面や側面が荒れたままで、それが起点となってひずみの
ある結晶にクラックが入るためであると考える。
【0029】この知見によりさらに鋭意研究に努めた結
果、でき上がった延在部の表面粗さがRa100Å以下
になるようなメサエッチのエッチング条件に設定するこ
とで、すなわち、エッチングの途中にて鏡面を呈して、
それが保持されるようなエッチング条件でもってメサエ
ッチすることで、一導電型半導体層などの結晶にクラッ
クが入らなくなり、その結果、電極間にて電流が良好に
流れ、発光性能が向上することを見出した。
【0030】一方、メサエッチに際し、延在部の表面粗
さがRa100Å以下になるようなエッチング条件であ
る鏡面エッチ液組成を用いると、基板までエッチングし
ていくプロセスにて、逆導電型半導体層から単結晶基板
上に向けて、各層の側面(順メサ部)の一部が垂直にな
りやすく、その順メサ部に個別電極を配線すると、そこ
で断線を生じるという課題があった。
【0031】この課題に対しては、段差エッチの工程に
おいて、一導電型半導体層の一部を露出させて延在部を
設ける際に、その延在部を配した側とは反対側にも第2
の延在部を形成するようにエッチングすれば、垂直な側
面にならないで順メサ形状が確保される。このような第
2の延在部は、上記のような鏡面エッチされるようなメ
サエッチ液組成を用いて、さらには一導電型半導体層の
電子注入層をAlGaAsなどの材料にて形成するなど
してエッチングを促進させ、そのエッチング時間を制御
することで達成される。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明のLEDアレイを図
1〜図3により詳細に説明する。図1はプリンター用の
LEDアレイの概略平面図であり、図2はそれを構成す
る各LED(発光素子)の断面概略図であり、図3はそ
の平面図である。なお、図1は従来のLEDアレイの図
1に相当し、従来例と同様な配線構成である。
【0033】各発光素子は、図2と図3に示す如く、1
は前記単結晶基板である高抵抗シリコン基板であり、こ
の高抵抗シリコン基板1の上に一導電型半導体層2と逆
導電型半導体層3とを順次積層している。この逆導電型
半導体層3上に一方電極を前記一方電極である個別電極
4を形成している。
【0034】このように積層構成において、逆導電型半
導体層3を一導電型半導体層2よりも小さな面積となる
ように設けるとともに、一導電型半導体層2を引き延ば
した延在部の上に前記他方電極である共通電極5を接続
して設けている。
【0035】6は窒化シリコン膜などから成る保護膜で
あり、個別電極4と共通電極5は保護膜6が被覆されて
いない領域に形成される。
【0036】このような各LED(発光素子)を複数個配
列してLEDアレイを構成する。このLEDアレイは、
図1に示すように、逆導電型半導体層2上に接続された
電極2線分を1つのパッドPにまとめることで、従来に
比べ2分の1の数のパッドにしている。
【0037】また、共通電極5(5a、5b)は隣接す
る発光素子ごとに異なる群に属するように2群に分けて
接続して設けられ、そのために電極パッドD(Da、D
b)が設けられている。隣接する2個の発光素子が一単
位となって、双方は同じ個別電極4に接続されている。
【0038】そして、かかる構成のLEDアレイでは、
個別電極4と共通電極5(5a、5b)の組み合わせを
選択して電流を流すことによって、各発光素子を選択的
に発光させている。
【0039】次に上記発光素子(LED)の具体的な構
成を述べる。高抵抗シリコン基板1には、高抵抗シリコ
ン単結晶でもって構成するのがよく、とくにその(10
0)面を<011>方向に2〜7°オフさせた基板など
が好適である。
【0040】一導電型半導体層2は、バッファ層2a、
オーミックコンタクト層2b、電子注入層2cにて構成
される。
【0041】バッファ層2aは2〜4μm程度の厚みに
形成され、オーミックコンタクト層2bは0.1〜4μ
m程度の厚みに形成され、電子注入層2cは0.2〜4
μm程度の厚みに形成される。
【0042】バッファ層2aとオーミックコンタクト層
2bはガリウム砒素などで形成され、電子注入層2cは
アルミニウムガリウム砒素などで形成される。
【0043】オーミックコンタクト層2bはシリコンな
どの一導電型半導体不純物を1×1016〜1019ato
ms(原子)/cm3 程度含有し、電子注入層2cもシ
リコンなどの一導電型半導体不純物を1×1016〜10
19atoms/cm3 程度含有する。
【0044】バッファ層2aは高抵抗シリコン基板1と
半導体層との格子定数の不整合に基づくミスフィット転
位を防止するために設けるものであり、半導体不純物を
含有させなければならないというものではない。
【0045】逆導電型半導体層3については、発光層3
a、第2のクラッド層3bおよび第2のオーミックコン
タクト層3cで構成される。
【0046】発光層3aと第2のクラッド層3bは0.
2〜4μm程度の厚みに形成され、オーミックコンタク
ト層3cは0.01μm〜1μm程度の厚みに形成され
る。
【0047】発光層3aと第2のクラッド層3bはアル
ミニウムガリウム砒素などから成り、第2のオーミック
コンタクト層3cはガリウム砒素などから成る。
【0048】発光層3aと第2のクラッド層3bおよび
オーミックコンタクト抵抗低減層3cは、電子の閉じ込
め効果と光の取り出し効果を出すために、アルミニウム
砒素(AlAs)とガリウム砒素(GaAs)との混晶
比を異ならしめる。
【0049】発光層3aおよび第2のクラッド層3bは
亜鉛(Zn)などの逆導電型半導体不純物を1×1016
〜1021atoms/cm3 程度含有し、第2のオーミ
ックコンタクト層3cは亜鉛などの逆導電型半導体不純
物を1×1019〜1021atoms/cm3 程度含有す
る。
【0050】保護膜6は窒化シリコンなどから成り、厚
み3000Å程度に形成される。
【0051】個別電極4と共通電極5は金/クロム(A
u/Cr)などから成り、厚み1μm程度に形成され
る。
【0052】そして、本発明においては、一導電型半導
体層2を、とくにバッファ層2aとオーミックコンタク
ト層2bとを延ばして、その延在部の表面粗さをRa1
00Å以下にしている。
【0053】このような表面粗さにて規定するよう、エ
ッチング途中にて鏡面を保てる条件でもってメサエッチ
することで、一導電型半導体層などの結晶にクラックが
入らなくなり、これにより、個別電極4と共通電極5と
の間にて電流が良好に流れ、その結果、優れた発光性能
が得られた。
【0054】また、段差エッチの工程において、一導電
型半導体層2の一部を露出させて延在部を設ける際に、
その延在部を配した側とは反対側にも第2の延在部を形
成するようにエッチングすれば、順メサ形状を確保し
て、第2の延在部が形成され、順メサの一部が垂直にな
るといった不具合もなく、その結果、個別電極4の配線
に断線等が発生しなくなった。
【0055】次に、上記構成のプリンター用LEDアレ
イの製造方法を説明する。下記(1)〜(3)の各工程
を順次経ることで、一導電型半導体層2と逆導電型半導
体層3との積層構造を形成し、しかる後に電極等を形成
する。
【0056】・工程(1):高抵抗シリコン単結晶から
なる高抵抗シリコン基板1の上に、一導電型半導体層2
および逆導電型半導体層3をMOCVD法で順次積層
し、前記積層体を形成する。
【0057】これらの半導体層2、3を形成する場合、
基板温度をまず400〜500℃に設定して200〜2
000Åの厚みにアモルファス状のガリウム砒素膜を形
成し、その後、基板温度を700〜900℃に上げて単
結晶化させ、所望厚みの半導体層2、3を形成する。
【0058】原料ガスとしてはTMG((CH33
a)、TEG((C253 Ga)、アルシン(As
3 )、TMA((CH33 Al)、TEA((C2
53 Al)などが用いられ、導電型を制御するため
のガスとしては、シラン(SiH4 )、セレン化水素
(H2 Se)、DMZ((CH32 Zn)などが用い
られ、キャリアガスとしては、H2などが用いられる。
【0059】・工程(2):次に、隣接する素子同志が
電気的に分離されるように、メサエッチをおこなう。こ
れによって半導体層2、3が前記積層体チップとして島
状にパターニングされる。
【0060】このエッチングにはウエットエッチングも
しくはドライエッチングを用いるが、そのエッチング条
件には、次の工程(3)にて形成される延在部の表面粗
さがRa100Å以下になるようにエッチング条件を鏡
面エッチに設定する。
【0061】ウエットエッチングにおいては、硫酸過酸
化水素系のエッチング液を用いる。たとえば、H2SO4
−H22−水系であり、たとえば重量比2:24:74
にすると良好な鏡面エッチになる。また、ドライエッチ
ングでは、CCl22 ガスを用いる。
【0062】・工程(3):エッチングにより一導電型
半導体層2の相対向する両端部の双方の一部を露出さ
せ、これによって延在部と第2延在部を形成する。さら
には隣接する各素子間において、一導電型半導体層2の
隣接する領域部分が露出するように形成してもよい。
【0063】このように逆導電型半導体層3が一導電型
半導体層2よりも幅狭に形成するエッチングには、硫酸
過酸化水素系のエッチング液を用いたウェットエッチン
グやCCl22 ガスを用いたドライエッチングにてお
こなわれるが、それには鏡面エッチされる条件が選ばれ
る。その結果、延在部の表面粗さRaを100Å以下に
する。なお、このエッチングは、工程(2)にして用い
たエッチングと同じでもよい。
【0064】以上の各工程(1)〜(3)を経た後に、
フォトリソ法にて窒化シリコン膜などから成る保護膜6
を形成する。
【0065】このフォトリソ法によれば、さきにプラズ
マCVD法で、シランガス(SiH 4 )とアンモニアガ
ス(NH3 )を用いて窒化シリコンから成る絶縁膜を形
成し、その後、所定形状にパターン化されたフォトマス
クを用いて現像露光し、パターニングする。
【0066】なお、保護膜6は、このような無機層に代
えて、有機樹脂材を塗布形成してもよい。
【0067】しかる後に、個別電極4と共通電極5を形
成する。これら各電極はクロムと金を蒸着法やスパッタ
リング法で形成し、そして、所定形状にパターン化され
たフォトマスクを用いて現像露光し、パターニングす
る。
【0068】かくして本発明の製造方法によれば、工程
(2)において鏡面エッチというエッチング条件を用い
ても、工程(3)の段差エッチにおいて、一導電型半導
体層2の一部を露出させて延在部を設ける際に、その延
在部を配した側とは反対側にも第2の延在部を形成する
ようにエッチングすれば、垂直な側面にならないで順メ
サ形状が確保され、これにより、第2の延在部上を通し
て個別電極4を引出した構成にしたことで、断線が生じ
なくなった。
【0069】本例では、第2の延在部を形成するには、
一導電型半導体層2の電子注入層2cをエッチングされ
やすいAlGaAsなどの材料にて形成して第2の延在
部を設けようとするが、その反面、エッチング時間を長
くすることで、えぐれた形状になる。したがって、電子
注入層2cをエッチングし、オーミックコンタクト層2
bが露出されることで、そのようなえぐれが発生する前
にてエッチングを止めればよい。その結果、所要通りの
形状にした第2の延在部ができることに伴って、その上
下に位置する一導電型半導体層2の端面および逆導電型
半導体層3の端面が傾斜面となる。
【0070】この傾斜面は基板に対する法線方向に対
し、90度未満であるが、80〜60度の範囲にするこ
とが望ましい。
【0071】80度以下においては、個別電極4の断線
が生じにくく、又、60度未満になると、断線の心配は
ないが、順メサ部が長くなり、その分、チップサイズを
大きくなる。また、傾斜面角度82度のLEDアレイで
は、断線の発生予防について不十分であり、若干、信頼
性に劣っていたが、実用上支障がない程度であった。
【0072】また、本発明においては、工程(2)と工
程(3)にて用いるウエットエッチング用のエッチング
液として、重量比2:24:74のH2SO4−H22
水系を用いたが、これに限定されるものではなく、被エ
ッチング体の材料や形状に応じて適宜その組成を選択す
ればよく、H22を50重量%以下、H2SO4を30〜
60重量%にすればよい。
【0073】本発明者は、工程(2)のメサエッチにお
いて、ウエットエッチング用のエッチング液である硫酸
過酸化水素系の組成を幾とおりにも変えて、それぞれの
LEDアレイを作製し、これらを試料No.1〜No.
5とした。
【0074】試料No.1と試料No.2は比較例であ
り、試料No.1については、従来の技術にて記載した
ような重量比が3:24:74:3であるH2SO4−H
22−水−KOH系を用いた白濁エッチング液を使用し
ている。
【0075】試料No.2〜No.5については、硫酸
過酸化水素系のエッチング液を用いるにしても、KOH
を用いていない。そして、本発明の試料No.3〜N
o.5では、H22を50重量%以下、H2SO4を30
重量%以下に設定し、試料No.5においては、前述し
た製法工程に記載したように重量比2:24:74のH
2SO4−H22−水系を用いている。一方、試料No.
2に用いる硫酸過酸化水素系のエッチング液では、H2
SO4の配合比率が30重量%以下から外れている。
【0076】これら各試料のLEDヘッド(1チップ:
128ドット)について、延在部の表面粗さRaならび
にクラック発生に起因する導通不良の発生率を測定した
ところ、表1に示すような結果が得られた。この発生率
は1ドットでも発生した場合を不合格品としている。
【0077】
【表1】
【0078】この表から明らかな通り、延在部の表面粗
さをRa100Å以下にした試料No.3〜5では、一
導電型半導体層などの結晶にクラックが入らなくなり、
これにより、個別電極4と共通電極5との間にて電流が
良好に流れ、その結果、優れた発光性能のLEDアレイ
が得られた。
【0079】本発明者は、試料No.1と試料No.5
の双方について、延在部の表面状態をノマルスキー顕微
鏡でもって観察したところ、図7と図8に示すような結
果が得られた。図7は試料No.1の顕微鏡写真、図8
は試料No.5の顕微鏡写真である。これらの測定は表
面粗さ計(デックタック3)でおこなった。
【0080】図7にて、クラックが発生したことを目視
により確認したが、本発明に係る図8においては、まっ
たくクラックが生じていなかった。
【0081】かくして、メサエッチにて、所謂、鏡面エ
ッチするエッチング液を用いることで、延在部の表面粗
さRaを100Å以下に設定し、その結果、クラックの
発生で生じる導通不良の発生を防ぐことができた。
【0082】
【発明の効果】以上のとおり、本発明のLEDアレイに
よれば、単結晶基板上に積層した一導電型半導体層と逆
導電型半導体層に対し、一導電型半導体層を引き延ばし
た延在部を配し、この延在部の表面粗さをRa100Å
以下にしたことで、すなわち、エッチングの途中にて鏡
面を呈して、それが保持されるようなエッチング条件で
もってメサエッチすることで、一導電型半導体層などの
結晶にクラックが入らなくなり、その結果、電極間にて
電流が良好に流れ、発光性能が向上した。
【0083】また、本発明によれば、段差エッチの工程
において、一導電型半導体層の一部を露出させて延在部
を設ける際に、その延在部を配した側とは反対側にも第
2の延在部を形成するようにエッチングすれば、垂直な
側面にならないで順メサ形状が確保され、これにより、
電極が断線しなくなり、その結果、高品質かつ高信頼性
のLEDアレイが提供できた。
【0084】さらにまた、本発明の製造方法において
は、単結晶基板上に一導電型半導体層と逆導電型半導体
層とを順次形成し積層体とする、という工程(1)、エ
ッチングにより単結晶基板上に各発光素子に対応させる
べく積層体を分離して積層体チップを島状に配列する、
という工程(2)、エッチングにより積層体チップの逆
導電型半導体層を部分的に除去して一導電型半導体層の
延在部を設ける、という工程(3)を経ることで、かか
る作用効果が達成されるとともに、製造歩留まりを高め
て製造コストを下げ、その結果、高品質かつ高信頼性の
低コストなLEDアレイが提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のLEDアレイの概略平面図である。
【図2】本発明のLEDアレイの要部断面概略図であ
る。
【図3】本発明のLEDアレイの要部平面図である。
【図4】従来のLEDアレイの概略平面図である。
【図5】従来のLEDアレイの要部断面概略図である。
【図6】従来のLEDアレイの要部平面図である。
【図7】従来のLEDアレイの要部の写真図である。
【図8】本発明のLEDアレイの要部の写真図である。
【符号の説明】
1…高抵抗シリコン基板 2…一導電型半導体層 2a…バッファ層 2b…オーミックコンタクト層 2c…電子注入層 3…逆導電型半導体層 3a…発光層 3b…第2のクラッド層 3c…第2のオーミックコンタクト層 4…個別電極 5、5a、5b…共通電極 6…保護膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単結晶基板上にヘテロ成長にて大面積の一
    導電型半導体層と小面積の逆導電型半導体層とを順次積
    層して、この一導電型半導体層を引き延ばした延在部を
    配し、さらに逆導電型半導体層上に一方電極を、延在部
    上に他方電極を形成して成る発光素子を複数個配列して
    発光素子群と成したLEDアレイであって、前記延在部
    の表面粗さをRa100Å以下にしたことを特徴とする
    LEDアレイ。
  2. 【請求項2】前記一導電型半導体層の延在部を配した側
    とは反対側にも第2の延在部を設けて、この第2の延在
    部上を通して一方電極を引出したことを特徴とする請求
    項1記載のLEDアレイ。
  3. 【請求項3】順次下記(1)〜(3)の各工程を経て単
    結晶基板上にヘテロ成長にて大面積の一導電型半導体層
    と小面積の逆導電型半導体層とを順次積層して、この一
    導電型半導体層を引き延ばして表面粗さRa100Å以
    下の延在部として形成せしめ、さらに逆導電型半導体層
    上に一方電極を、延在部上に他方電極を形成して成る発
    光素子を複数個配列して発光素子群と成したLEDアレ
    イの製造方法。 (1)・・・単結晶基板上に一導電型半導体層と逆導電
    型半導体層とを順次形成して積層体とする。 (2)・・・エッチングにより単結晶基板上に各発光素
    子に対応させるべく積層体を分離して積層体チップを島
    状に配列する。 (3)・・・エッチングにより積層体チップの逆導電型
    半導体層を部分的に除去して一導電型半導体層の延在部
    を設ける。
  4. 【請求項4】前記一導電型半導体層の延在部を配した側
    とは反対側にも第2の延在部を設けて、この第2の延在
    部上を通して一方電極を引出したことを特徴とする請求
    項3記載のLEDアレイの製造方法。
JP2001090028A 2001-03-27 2001-03-27 Ledアレイおよびその製造方法 Pending JP2002289920A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001090028A JP2002289920A (ja) 2001-03-27 2001-03-27 Ledアレイおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001090028A JP2002289920A (ja) 2001-03-27 2001-03-27 Ledアレイおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002289920A true JP2002289920A (ja) 2002-10-04

Family

ID=18944868

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001090028A Pending JP2002289920A (ja) 2001-03-27 2001-03-27 Ledアレイおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002289920A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006140297A (ja) * 2004-11-11 2006-06-01 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体発光装置及びその製造方法、並びに半導体発光装置を備えた照明モジュール及び照明装置
JP2009289899A (ja) * 2008-05-28 2009-12-10 Kyocera Corp 半導体発光素子、これを備えたledアレイチップ、及び半導体発光素子の製造方法
JP2013065785A (ja) * 2011-09-20 2013-04-11 Showa Denko Kk 発光ダイオード及びその製造方法
JP2015050230A (ja) * 2013-08-30 2015-03-16 京セラ株式会社 光学素子および光学素子アレイ
WO2016117845A1 (ko) * 2015-01-21 2016-07-28 엘지이노텍(주) 발광 소자 및 이를 제조하는 전자 빔 증착 장치

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006140297A (ja) * 2004-11-11 2006-06-01 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体発光装置及びその製造方法、並びに半導体発光装置を備えた照明モジュール及び照明装置
JP4579654B2 (ja) * 2004-11-11 2010-11-10 パナソニック株式会社 半導体発光装置及びその製造方法、並びに半導体発光装置を備えた照明モジュール及び照明装置
US8026530B2 (en) 2004-11-11 2011-09-27 Panasonic Corporation Semiconductor light-emitting device, lighting module and lighting apparatus
JP2009289899A (ja) * 2008-05-28 2009-12-10 Kyocera Corp 半導体発光素子、これを備えたledアレイチップ、及び半導体発光素子の製造方法
JP2013065785A (ja) * 2011-09-20 2013-04-11 Showa Denko Kk 発光ダイオード及びその製造方法
JP2015050230A (ja) * 2013-08-30 2015-03-16 京セラ株式会社 光学素子および光学素子アレイ
WO2016117845A1 (ko) * 2015-01-21 2016-07-28 엘지이노텍(주) 발광 소자 및 이를 제조하는 전자 빔 증착 장치
KR20160090017A (ko) * 2015-01-21 2016-07-29 엘지이노텍 주식회사 발광 소자 및 이를 제조하는 전자 빔 증착 장치
CN107210340A (zh) * 2015-01-21 2017-09-26 Lg伊诺特有限公司 发光元件及用于制造该发光元件的电子束沉积装置
JP2018506177A (ja) * 2015-01-21 2018-03-01 エルジー イノテック カンパニー リミテッド 発光素子及びこれを製造する電子ビーム蒸着装置
EP3249702A4 (en) * 2015-01-21 2018-10-24 LG Innotek Co., Ltd. Light emitting element and electron beam deposition apparatus for manufacturing same
US10586828B2 (en) 2015-01-21 2020-03-10 Lg Innotek Co., Ltd. Light emitting element and electron beam deposition apparatus for manufacturing same
KR102256632B1 (ko) 2015-01-21 2021-05-26 엘지이노텍 주식회사 발광 소자 및 이를 제조하는 전자 빔 증착 장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4699258B2 (ja) フリップチップ発光ダイオード及びその製造方法
JP5343860B2 (ja) GaN系LED素子用電極およびGaN系LED素子ならびにそれらの製造方法。
TWI718182B (zh) 一種重複使用於製造發光元件的基板之方法
JP2002289920A (ja) Ledアレイおよびその製造方法
JP4587515B2 (ja) 半導体発光装置の製造方法
JP4382902B2 (ja) Ledアレイおよびその製造方法
JP4012716B2 (ja) Ledアレイおよびその製造方法
JP2002232004A (ja) Ledアレイ
JP4126448B2 (ja) 半導体発光装置の製造方法
JP4045044B2 (ja) 半導体発光装置の製造方法
JP3690655B2 (ja) Ledアレイ
JP4247937B2 (ja) 半導体発光装置の製造方法
JP3784267B2 (ja) Ledアレイ
JP3722680B2 (ja) Ledアレイ
JP2003078161A (ja) Ledアレイおよびその製造方法
JP4417635B2 (ja) Ledアレイおよびその製造方法
JPH11312824A (ja) 半導体発光装置
JP4360573B2 (ja) Ledアレイ
JPH11135837A (ja) 半導体発光装置
JP3540947B2 (ja) 発光ダイオードアレイ
JP3722683B2 (ja) Ledアレイ
JP4184521B2 (ja) 半導体発光装置
JP4436528B2 (ja) 半導体発光装置
JP3623110B2 (ja) 半導体発光装置
JP2000277797A (ja) 発光ダイオードアレイ

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050308

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050329

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050927

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051124

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060105

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20060111

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20060324