JP3783229B2 - 印刷装置のモータ制御方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷イメージ情報を記録媒体(印刷用紙)に印刷処理する過程で駆動するモータの制御方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、キャリッジモータや紙送りモータに定格の小さいものを用いる印刷装置では、上記各モータを間欠的に駆動して印刷を行い、印刷中に各モータの発熱量が所定の閾値に達すると、各モータの過熱状態を防止すべく、発熱量が閾値を超えないよう各モータに対し放熱のため駆動開始を所定時間遅らせる制御(所謂デューティ制御)を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記構成の印刷装置では、印刷終了後の上記各モータの蓄熱量を計算によって求めることはせずに、印刷終了後所定時間(つまり、通常の温度環境下で印刷終了時から各モータの蓄熱量が略0になるであろうと想定される時間。例えば30分間)が経過するまでは、各モータの蓄熱量を上記閾値に略一致しているものと見做し、上記所定時間が経過すると蓄熱量を0と見做して、夫々各モータを制御する。よって、一連の印刷が終了した後上記所定時間が経過する前に新たな印刷を行う場合には、たとえ各モータの蓄熱量が殆ど問題にならないほど少なく、各モータが過熱状態になる虞が全く無いときであっても、必ず上記デューティ制御が行われることになるので、上記デューティ制御の実施に伴う印刷速度の低下を回避できないという問題があった。
【0004】
従って本発明の目的は、1回の印刷処理動作終了後次の印刷処理動作を行う場合に、印刷処理の過程で駆動するモータの蓄熱量が充分に少ないときは、放熱のためにモータの駆動開始を所定時間遅らせる制御(所謂デューティ制御)を行わないことで印刷処理速度の向上を図ることができるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点に従う印刷装置のモータ制御装置は、印刷イメージ情報を記録媒体に印刷処理する過程で駆動するモータの制御に係わるもので、
上記モータを1回駆動する毎に、上記モータが発する熱量を算出する発熱量算出手段と、上記モータが駆動停止したときから停止を継続している間の放熱量を算出する放熱量算出手段と、上記算出された発熱量を積算すると共に、その積算値から上記放熱量を減算して上記モータの蓄熱量を算出する蓄熱量算出手段と、上記算出された蓄熱量を参照して、上記モータを過熱状態にしないように制御しつつ駆動するモータ駆動手段と、を備える。
【0006】
上記構成によれば、1回の印刷処理動作終了後次の印刷処理動作を行う場合に、印刷処理の過程で駆動するモータの蓄熱量が充分に少ないときは、放熱のためにモータの駆動開始を所定時間遅らせる制御(所謂デューティ制御)を行わないことで印刷処理速度の向上を図ることができる。
【0007】
本発明の第1の観点に係る好適な実施形態では、上記蓄熱量の算出は、上記モータの今回の駆動前に、上記モータの前回までの駆動による発熱量の積算値と今回の駆動により発し得る熱量との和から求められる。また、上記蓄熱量が所定の閾値を超え得ると判断したとき、所定時間経過するまで上記モータの駆動を開始させないようにする。上記モータの過熱状態が防止される。上記実施形態では、上記モータは、DCモータ又はステッピングモータである。上記モータの発熱量の算出は、上記モータに供給される駆動電流量に基づいて行われる。
【0008】
本実施形態では、上記モータは、印刷ヘッド機構を駆動するためのキャリッジモータ又は上記記録媒体を搬送するための搬送モータである。別の実施形態では、上記モータは、印刷ヘッド機構を駆動するためのキャリッジモータ及び上記記録媒体を搬送するための搬送モータを含み、上記キャリッジモータの発熱量減算の時間間隔は、上記搬送モータの発熱量減算の時間間隔よりも、短く設定される。その理由は、搬送モータの方は、給紙モータの駆動により給紙トレイから印刷装置内に送り込まれる印刷用紙を印刷ヘッド機構へと紙送りするときだけ駆動されるから、現実には休止時間の方が駆動時間よりも長いので、搬送モータの過熱はあまり問題にならないのに対し、キャリッジモータの方は、略常時駆動しているので、発熱量が大きく過熱状態になり易いためである。よって、キャリッジモータの蓄熱量については、高い精度で(所謂キメ細かく)計算する必要がある。キャリッジモータの蓄熱量をキメ細かく計算することによる制御装置の負荷は、かなり大きいが、搬送モータの蓄熱量の計算を大雑把に行うことによって制御装置が過負荷になるのを防止できる。
【0009】
なお、キャリッジモータと搬送モータとは、駆動時期が同一ではない。基本的には、印刷ヘッド機構が1行分の印刷を終了すると次の1行分だけ紙送りが行われるから、印刷ヘッドが1行分の印刷を行うときがキャリッジモータの駆動時期であり、搬送モータにとっては休止時期になる。これと反対に、搬送モータが駆動して次の1行分の紙送りを行っているときが、キャリッジモータにとっては休止時期になる。
【0010】
また、別の実施形態では、上記発熱量の算出は、上記モータの1回の駆動における駆動速度及び駆動距離に見合う上記モータの駆動電流値を、所定のテーブルから参照してその駆動電流値より上記モータの発熱量を換算することにより行う。上記発熱量の算出は、上記モータの1回の駆動における駆動速度及び駆動距離に見合う上記モータの駆動電流値を、所定のテーブルから参照してその駆動電流値より上記モータの発熱量を換算することにより行う。上記所定のテーブルは、上記モータの1回の駆動における駆動速度別及び駆動距離別に上記モータを駆動するための総電流値が設定されたテーブルを少なくとも含む。
【0011】
また、別の実施形態では、上記モータの駆動開始を遅らせるための所定時間は、上記モータの1回の駆動における駆動速度別及び駆動距離別に上記モータの駆動開始を遅らせるための待ち時間が設定された別のテーブルを参照して決められる。
【0012】
本発明の第2の観点に従うコンピュータプログラムは、印刷イメージ情報を記録媒体に印刷処理する過程で駆動するモータを制御するためのもので、上記モータを1回駆動する毎に、上記モータが発する熱量を算出するステップと、上記モータが駆動停止したときから停止を継続している間の放熱量を算出するステップと、上記算出された発熱量を積算すると共に、その積算値から上記放熱量を減算して上記モータの蓄熱量を算出するステップと、上記算出された蓄熱量を参照して、上記モータを過熱状態にしないように制御しつつ駆動するステップと、をコンピュータに実行させるためのコンピュータ読取可能なコンピュータプログラムである。
【0013】
本発明の第3の観点に従う印刷装置のモータ制御方法は、印刷イメージ情報を記録媒体に印刷処理する過程で駆動するモータの制御に係わるもので、上記モータを1回駆動する毎に、上記モータが発する熱量を算出するステップと、上記モータが駆動停止したときから停止を継続している間の放熱量を算出するステップと、上記算出された発熱量を積算すると共に、その積算値から上記放熱量を減算して上記モータの蓄熱量を算出するステップと、上記算出された蓄熱量を参照して、上記モータを過熱状態にしないように制御しつつ駆動するステップと、を備える。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面により詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係る印刷装置のモータ制御装置を備える印刷装置の一例としてのシリアルプリンタ(プリンタ)の機械部分の概略構成図である。
【0016】
プリンタ本体は、図1に示すように、印刷用紙搬送機構1と、キャリッジ移動機構3と、印刷ヘッド機構5と、操作パネル7と、上記各機構(1〜5)を含むプリンタ各部の制御回路9とを備える。印刷用紙搬送機構1は、紙送りモータ(以下、「PFM」と略記する)11を駆動源として印刷用紙Pを搬送する機構である。本実施形態では、上記PFM11にはDCモータが採用されている。キャリッジ移動機構3は、キャリッジモータ(以下、「CM」と略記する)13を駆動源としてキャリッジ15をプラテン17の軸方向に沿って往復動させる機構である。本実施形態では、上記CM13にも、上記PFM11におけると同様にDCモータが採用されている。上記キャリッジ移動機構3は、プラテン17の軸と並行に架設された、キャリッジ15を摺動可能に保持する摺動軸19と、CM13との間に無端の駆動ベルト21が張設されるプーリ23とを備える。キャリッジ15には、黒インク(K)用のカートリッジ27と、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の3色のインクを収納したカラーインク用カートリッジ29とが搭載可能に構成されている。印刷ヘッド31は、図示のように、キャリッジ15の下部に位置しており、合計4個のアクチュエータ33、35、37、39が形成されている。印刷ヘッド機構5は、印刷ヘッド31を駆動してインクの吐出及びドット形成を行う。制御回路9は、操作パネル7からの指令に基づいて、上述したPFM11や、CM13や、印刷ヘッド31等を制御するもので、CPU41、PROM43、RAM45、展開用バッファ47等を内蔵する。
【0017】
上述した内容から明らかなように、上記CPU41が、図2以下で説明するように、本発明の一実施形態に係る印刷装置のモータ制御装置として機能する。
【0018】
図2は、上記モータ制御装置として機能するCPU41の内部構成を示すブロック図である。
【0019】
CPU41、即ち、上記モータ制御装置は、図2に示すように、CM制御系51に属する各機能ブロックと、PFM制御系53に属する各機能ブロックとにより構成される。
【0020】
CM制御系51は、CM駆動部55と、CM側発熱量算出部57と、CM側待ち時間算出部59と、CM側蓄熱量算出部61と、CM側放熱量算出部62とを含む。PFM制御系53は、PFM駆動部63と、PFM側発熱量算出部65と、PFM側待ち時間算出部67と、PFM側蓄熱量算出部69と、PFM側放熱量算出部70とを含む。
【0021】
CM制御系51において、CM駆動部55は、CM駆動回路71を通じてCM13の駆動を制御する。即ち、CM13が起動される毎に(各パスが開始される毎に)(ここで、1パスとは、1回分の主走査のこと。以下同じ)、CM13の起動時前(各パスが開始される前)に、CM側待ち時間算出部59からCM13の起動を禁止すべき旨の通知の有無をチェックし、該通知がなければCM駆動回路71に起動指令を出力することにより、CM駆動回路71を通じて直ちにCM13を起動する。つまり、CM13に対して通常の制御が行われる。これにより、CM13が1パス分だけ駆動されることになる。
【0022】
一方、上記通知があった場合には、CM側待ち時間算出部59から上記起動の禁止を解除する旨の通知を受けた時点で、CM駆動部55は、CM駆動回路71に起動指令を出力することにより、CM駆動回路71を通じてCM13を起動する。これにより、CM13が1パス分だけ駆動されることになる。つまり、CM駆動部55によるCM駆動回路71を通じたCM13の所謂デューティ制御が実行され、これによりCM13が過熱状態になるのが防止される。
【0023】
ところで、本実施形態では、CM側発熱量算出部57によるCM13の発熱量は、例えば各パス毎のCM13への総電流供給量を規定したテーブル(後述する実効電流係数テーブル)(図11に示す)や、基準実効電流係数テーブル(図12に示す)や、パス時間テーブル(図13に示す)等を参照することにより算出される。上記実効電流係数テーブルには、各パスにおけるキャリッジ15(図1に記載)の移動速度(符号「X」で示す)と、キャリッジ15の移動距離(パスの長さ)(符号「Y」で示す)とがマトリクス状に設定されているだけであり、各パスにおける実効電流係数値は設定されていない。その主な理由は、RAMの記憶容量に余裕を持たせるためである。即ち、実効電流係数テーブルは、上記「X」、「Y」をポインタとして、基準実効電流係数テーブル中にマトリクス状に設定された多数の基準実効電流係数値、及びパス時間テーブル中にマトリクス状に設定された多数のパス時間値、更には図14に示す待ち時間テーブル中にマトリクス状に設定された多数の待ち時間値を読み出すための手段として機能させようとするもので、対応するパスの基準実効電流係数値と、対応するパスのパス時間値が分かれば、該パスにおける実効電流係数値が計算によって求まるからである。しかし、以下では、図示と説明の都合上、実効電流係数テーブル内には多数の実効電流係数値が設定されているものとする。これは、本実施形態において、上述した実効電流係数値を持たない実効電流係数テーブルの使用を否定するものではないし、上記テーブルの使用が、本発明の技術的範囲に属することを否定するものでもない。
【0024】
本実施形態では、CM側発熱量算出部57は、CM13の起動時前に、各パス毎のCM13への総電流供給量を規定したテーブル(後述する実効電流係数テーブル)(図11で示す)を参照することにより、各パス毎のCM13の発熱量を算出し、CM側蓄熱量算出部61に出力する。後述するように、CM13の負荷の変動を考慮して各パス毎のCM13への総電流供給量を求める場合には、CM側発熱量算出部57は、CM13が起動する毎に、例えば(CM側の)電流センサ73からの出力信号(駆動電源からCM13に供給される電流値を示す)の読み込みを開始し、CM13が駆動停止する毎に上記読み込みを終了する処理を行うことにより、実際にCM13へ流れる電流量を検出することもある。なお、CM13の1パス毎の発熱量は、CM13への1パス毎の総電流供給量に比例するから、CM13への1パス毎の総電流供給量が分かれば、上記発熱量が算出できる。そのため、本実施形態では、上記プリンタは、CM13の発熱測定のためのサーミスタを特に備えていない(後述するPFM11についても、同様である)。CM側発熱量算出部57によるCM13の発熱量算出のプロセスについては、後に詳述する。
【0025】
CM側放熱量算出部62は、1パスが終了する毎に、CM13からの放熱量を算出するもので、CM13が駆動停止した時点で処理動作を開始し、該時点で、CM側発熱量算出部57が算出した上記1パス毎の(CM側)発熱量算出値(つまり、CM13への1パス毎の総電流供給量)をCM側蓄熱量算出部61を通じて読み込む。そして、一定時間(例えば1分)が経過する毎に、上記発熱量算出値に実験値である放熱係数(K)を乗じた値を、CM13からの放熱量算出値としてCM側蓄熱量算出部61に出力する。CM側放熱量算出部62による放熱量算出のプロセスについても、後に詳述する。
【0026】
CM側蓄熱量算出部61は、CM13が起動する毎に(CM13の起動時前に)、CM側発熱量算出部57からの上記発熱量の算出値と、CM側放熱量算出部62からの上記放熱量の算出値とを夫々適宜読み込んで、前回までのパスにおけるCM13の蓄熱量から上記放熱量の算出値を減算すると共に、その減算値に、上記発熱量の算出値を加算することにより、CM13の蓄熱量を算出する。そして、その蓄熱量の算出値を、CM側待ち時間算出部59に出力する。
【0027】
上述したように、CM側発熱量算出部57で算出される発熱量の算出値は、1パス毎のものであり、また、CM側放熱量算出部62で算出される放熱量の算出値は、CM13の(各パス間の、又は1回の印刷動作(1つの印刷ジョブ)終了後の)休止時間に対応する。1つの印刷ジョブにおいて、各パスにおける発熱量の方が休止時間中の放熱量よりも大きければ、結果的にCM13の蓄熱量は増加していく。CM側蓄熱量算出部61による蓄熱量算出のプロセスについても、後に詳述する。
【0028】
CM側待ち時間算出部59は、CM13が起動される毎に(各パスが開始される毎に)、CM側蓄熱量算出部61からの発熱量算出値データ(蓄熱量算出値データ)をCM13の起動時前(各パスが開始される前)に読み込んで、該発熱量算出値データと、予め設定されている発熱量(蓄熱量)閾値とを比較する。この比較により、該データと今回の駆動(次のパスの開始)によってCM13に生じ得る発熱量との加算値が閾値を超え得ると判断したときには、CM13の起動を禁止すべき旨をCM駆動部55に通知すると共に、CM13の発熱量が上記閾値を超えないようにするため、次のパスが開始されるまでの時間(つまり、待ち時間)を求める処理を行う。そして、上記求めた待ち時間が経過したことを認識した時点で、上記起動の禁止を解除する旨をCM駆動部55に通知する。
【0029】
これにより、CM13の発熱量が上記閾値を超えないようにCM13が駆動されることになり、CM13が過熱状態になるのが防止される。つまり、既述のように、CM駆動部55によるCM駆動回路71を通じたCM13の所謂デューティ制御が実行されることになる。CM側待ち時間算出部59による待ち時間算出のプロセスについても、後に詳述する。
【0030】
PFM制御系53を構成する各部も、上述したCM制御系51を構成する各部と略同様の機能を備える。即ち、PFM駆動部63は、CM駆動部55に、PFM側発熱量算出部65は、CM側発熱量算出部57に、PFM側待ち時間算出部67は、CM側待ち時間算出部59に、PFM側蓄熱量算出部69は、CM側蓄熱量算出部61に、PFM側放熱量算出部70は、CM側放熱量算出部62に、夫々対応する。
【0031】
PFM駆動部63は、PFM11が起動される毎に、その起動時前に、PFM側待ち時間算出部67からPFM11の起動を禁止すべき旨の通知の有無をチェックし、該通知がなければ、PFM駆動回路75を通じて直ちにPFM11を起動する。これにより、PFM11が1パス分(ここで、1パスとは、1回分の副走査のこと。以下同じ)だけ駆動される。上記通知があった場合は、PFM側待ち時間算出部67から上記禁止を解除する旨の通知を受けた時点で、PFM駆動回路75に起動指令を出力し、PFM11を起動する。これにより、PFM11が1パス分だけ駆動され、PFM駆動部63によるPFM11の所謂デューティ制御が実行され、PFM11の過熱状態が防止される。
【0032】
PFM側発熱量算出部65も、CM側発熱量算出部57におけると同様に、PFM11の起動時前に、各パス毎のPFM11への総電流供給量を規定したテーブル(図11で示す実効電流係数テーブルと同様のテーブル)(図示しない)を参照することにより、各パス毎のPFM11の発熱量を算出し、PFM側蓄熱量算出部65に出力する。PFM11の負荷の変動を考慮して上記テーブルの実効電流係数(総電流供給量)を補正する場合は、CM13におけると同様の処理が実行される。
【0033】
PFM側放熱量算出部70は、1パスが終了する毎に、PFM11からの放熱量を算出するもので、PFM11が駆動停止した時点で処理動作を開始し、該時点で、PFM側発熱量算出部65が算出した上記1パス毎の(PFM側)発熱量算出値をPFM側蓄熱量算出部69を通じて読み込む。そして、一定時間が経過する毎に、上記発熱量算出値に放熱係数(K)を乗じた値を、PFM11からの放熱量算出値としてPFM側蓄熱量算出部69に出力する。
【0034】
PFM側蓄熱量算出部69は、PFM11が起動する毎に、その起動時前に、PFM側発熱量算出部65からの上記発熱量の算出値と、PFM側放熱量算出部70からの上記放熱量の算出値とを夫々適宜読み込んで、上記発熱量の算出値から上記放熱量の算出値を減算することにより、PFM11の蓄熱量を算出し、その算出値を、PFM側待ち時間算出部67に出力する。
【0035】
PFM側待ち時間算出部67は、PFM11が起動される毎に、PFM側蓄熱量算出部69からの発熱量(蓄熱量)算出値データをPFM11の起動時前に読み込んで、該データと、予め設定されている発熱量閾値とを比較する。この比較により、該データと今回の駆動によってPFM11に生じ得る発熱量との加算値が閾値を超えると判断したときには、PFM11の起動を禁止すべき旨をPFM駆動部63に通知すると共に、PFM11の発熱量が上記閾値を超えないようにするため、次のパスが開始されるまでの待ち時間を求める処理を行う。そして、上記求めた待ち時間が経過した時点で、上記禁止を解除する旨をPFM駆動部63に通知する。これにより、PFM11の発熱量が上記閾値を超えないようにPFM11が駆動され、PFM11の過熱状態が防止される。つまり、PFM駆動部63によるPFM11の所謂デューティ制御が実行される。
【0036】
本実施形態では、PFM制御系53を構成する各部の駆動周期、即ち、PFM11の蓄熱量の算出時間間隔は、上述したCM制御系51を構成する各部の駆動周期、即ち、CM13の蓄熱量の算出時間間隔よりも長めに設定される。その理由は、PFM11の方は、給紙モータ(図示しない)の駆動により給紙トレイ(図示しない)からプリンタ本体内に送り込まれる印刷用紙を印刷ヘッド機構5へと紙送りするときだけ駆動されるから、現実には休止時間の方が駆動時間よりも長いので、PFM11の過熱はあまり問題にならないのに対し、CM13の方は、略常時駆動しているので、発熱量が大きく過熱状態になり易いためである。よって、CM13の蓄熱量については、高い精度で(所謂キメ細かく)計算する必要がある。CM13の蓄熱量をキメ細かく計算することによる上記モータ制御装置(つまり、CPU41)の負荷はかなり大きいが、PFM11の蓄熱量の計算を大雑把に行うことによって上記モータ制御装置(CPU41)が過負荷になるのを防止できる。
【0037】
図3は、図2に記載のCM制御系51(CM側蓄熱量算出部61)が算出したCM13の発熱量(蓄熱量)の時間的な変化の一例を示す図、図4は、図2に記載のPFM制御系53(PFM側蓄熱量算出部69)が算出したPFM11の発熱量(蓄熱量)の時間的な変化の一例を示す図である。
【0038】
まず、図3において、時刻tで1回の印刷動作が開始されると、(CM駆動部55が上述したCM13のデューティ制御を行わないために、)CM制御系51が算出したCM13の発熱量は、略線形状に増加する。そして、該発熱量の算出値が、時刻tで発熱量の閾値thに達すると、CM13がCM駆動部55によりデューティ制御されることで、該発熱量の算出値は、上記閾値thと略一致した状態で推移する。時刻tで上記印刷動作が終了したことにより、CM13が駆動を停止すると、CM13からの新たな発熱は無くなると共に、CM13の停止時間積算値の増大に伴ってCM13の放熱量換算値が増大するから、それに応じてCM13の蓄熱量算出値は減少する。CM制御系51による上述した一連の計算処理動作を、比較的短い時間間隔で行うことにより、CM13の蓄熱量算出値は、図3に示すように、滑らかな曲線状に推移(減少)して行く。そして、時刻tでは、CM13の蓄熱量算出値は、上記閾値thよりもかなり小さな値になっている。従って、上記時刻tで次回の印刷動作が開始されても、該蓄熱量算出値と今回のパスでの発熱量の値(想定値)との加算値である発熱量算出値(時刻tでの値)も、上記閾値thよりもかなり小さな値になっているため、上記デューティ制御は行われないから、CM13の蓄熱量算出値は、時刻tにおけると同様に、再び略線形状に増加を開始する。以後、時刻tで上記発熱量算出値が上述した閾値thに達すると、再び上記デューティ制御が行われることにより、該発熱量の算出値が上記閾値thと略一致した状態で推移し、時刻tでCM13が駆動を停止すると、CM13の停止時間積算値の増大に伴って放熱量換算値が増大するために蓄熱量算出値は減少して行く。
【0039】
PFM制御系53によるPFM11の発熱量(蓄熱量)の算出値も、図3に示したCM13の発熱量(蓄熱量)算出値と同様な時間的変化を辿る。
【0040】
即ち、図4に示すように、時刻tで1回の印刷動作が開始されると、PFM制御系53が算出したPFM11の発熱量は、略線形状に増加し、該算出値が、時刻tで閾値thに達すると、PFM11が上述したようにデューティ制御されることで、該発熱量の算出値は、上記閾値thと略一致した状態で推移する。時刻tでPFM11が駆動を停止すると、PFM11の停止時間積算値の増大に伴ってPFM11の放熱量換算値が増大し、それに応じてPFM11の蓄熱量算出値は減少する。PFM制御系53による上述した一連の計算処理動作を、比較的長い時間間隔で行うことにより、PFM11の蓄熱量算出値は、図4に示すように、段階的に(階段状に)推移(減少)して行く。そして、時刻tでは、PFM11の蓄熱量算出値は、上記閾値thよりもかなり小さな値になっているので、上記時刻tで次回の印刷動作が開始されても、該蓄熱量算出値と今回のパスでの発熱量の値(想定値)との加算値である発熱量算出値(時刻tでの値)も、上記閾値thよりもかなり小さな値になっているため、上記デューティ制御は行われないから、PFM11の蓄熱量算出値は、時刻tにおけると同様に、再び略線形状に増加を開始する。以後、時刻tで上記発熱量算出値が上述した閾値thに達すると、再び上記デューティ制御が行われることにより、該発熱量の算出値が上記閾値thと略一致した状態で推移する。
【0041】
図5、図6、図7、図8、図9及び図10は、図2に記載のモータ制御装置によるPFM11及びCM13の制御動作並びにPFM11及びCM13の発熱量(蓄熱量)の算出動作を示すフローチャートである。
【0042】
図5乃至図10において、1回目の印刷動作の開始指令を入力すると(ステップS81)、PFM11を起動する前に、PFM制御系53による上述したPFM11の発熱量の算出動作に移行する(ステップS82)。次に、前回までのPFM11の蓄熱量と今回の駆動でPFM11に生じ得る発熱量との加算値が所定の閾値thを超えるか否かをチェックし(ステップS83)、超えると判断した場合には、上述した待ち時間を求める処理を行う。そして、求めた待ち時間が経過した後にPFM11を起動する制御、即ち、所謂PFM11のデューティ制御に移行し(ステップS84)、その後にPFM11を起動して最初の1行の印刷領域に相当する分だけ紙送りを行い(ステップS85)、該紙送りが終了したことを認識すると(ステップS86)、PFM11を駆動停止する(ステップS87)。
【0043】
一方、ステップS83で超えないと判断した場合には、直ちにステップS85に示した処理に移行する。
【0044】
次に、CM13を起動する前に、CM制御系51による上述したCM13の発熱量の算出動作に移行すると共に(ステップS88)、前回までのCM13の蓄熱量と今回の駆動でCM13に生じ得る発熱量との加算値が所定の閾値thを超えるか否かをチェックし(ステップS89)、超えると判断した場合には、上述した待ち時間を求める処理を行う。そして、求めた待ち時間が経過した後にCM13を起動するCM13のデューティ制御に移行した後に(ステップS90)、CM13を起動して印刷イメージデータの最初の1行分だけ印刷用紙に印刷する処理を行い(ステップS91)、最初の1行分の印刷が終了すると(ステップS92)、CM13を駆動停止する(ステップS93)。
【0045】
一方、ステップS89で超えないと判断した場合には、直ちにステップS91に示した処理に移行する。
【0046】
次に、PFM11を起動する前に、再びPFM制御系53による上述したPFM11の発熱量の算出動作に移行すると共に(ステップS94)、上述した蓄熱量と発熱量との加算値が上記閾値thを超えるか否かをチェックし(ステップS95)、超えている場合には、上述したPFM11のデューティ制御を行った後(ステップS96)、PFM11を起動して次の1行の印刷領域に相当する分だけ紙送りを行う(ステップS97)。この場合も、ステップS95で超えないと判断した場合には、直ちにステップS97に示した処理に移行する。そして、該紙送りが終了したことを認識すると(ステップS98)、PFM11を駆動停止すると共に(ステップS99)、次に、CM13を起動する前に、再びCM制御系51による上述したCM13の発熱量の算出動作に移行する(ステップS100)。
【0047】
次に、上述した蓄熱量と発熱量との加算値が上記閾値thを超えるか否かをチェックし(ステップS101)、超えている場合には、上述したCM13のデューティ制御を行い(ステップS102)、CM13を起動して印刷イメージデータの次の1行分だけ印刷用紙に印刷する処理を行う(ステップS103)。この場合も、ステップS101で超えないと判断した場合には、直ちにステップS103に示した処理に移行する。そして、次の1行分の印刷が終了すると(ステップS104)、CM13を駆動停止する(ステップS105)。
【0048】
次に、ステップS81で開始した1回目の印刷動作が終了したか否かをチェックし(ステップS106)、終了していなければ、ステップS94に移行し、ステップS94からステップS105に至る処理動作を繰り返す。一方、終了していれば、次の(2回目の)印刷動作の開始指令が入力されたか否かをチェックする(ステップS107)。このチェックの結果、入力されたことを認識すると、以下、次の(2回目の)印刷動作が開始される。ステップS107乃至ステップS132で示した次の(2回目の)印刷動作における処理流れは、ステップS81乃至ステップS106で説明済みの最初の(1回目の)処理流れと実質的に同じであるので、ステップS107乃至ステップS132で示した処理流れについては、説明を省略する。なお、ステップS132において、ステップS107で開始した次の(2回目の)印刷動作が終了したか否かをチェックした結果、印刷が終了していれば、図5乃至図10で説明した一連の処理動作を終了させる。
【0049】
ところで、本実施形態では、既述のように、CM13の(駆動電流量)発熱量の算出、及びCM13の待ち時間(つまり、CM13の1パスが終了した後、新たな(次の)パスが開始されるまでの時間)(CM13のデューティ駆動制限時間ともいう)の算出については、CM制御系51が、図11乃至図14で示すテーブル(1〜4)の各々を適宜参照することにより、それら(発熱量、待ち時間)を毎回計算する手間を省くこととしている。以下、CM13における発熱量(蓄熱量)、放熱量、及び待ち時間算出のアルゴリズムの概要を説明する。
【0050】
図11は、CM13における実効電流係数参照テーブル(以下、簡単のため、テーブル(1)と表記する)の一例を示す。
【0051】
このテーブル(1)には、図11に示すように、多数の実効電流係数値Iev(x,y)(図11では、Iev(1,1)〜Iev(3,3)のみ示す)がマトリクス状に配置されている。テーブル(1)の列方向の「X」は、キャリッジ15(図1に記載)の移動速度を示し、cps(1分当りの打てるキャラクタ数)に応じた複数の段階(1、2、3、・・・・・・)が設定されている。一方、テーブル(1)の行方向の「Y」は、キャリッジ15の移動距離(パスの長さ)を示し、1→h桁方向で所定のステップ(例えば1ステップは1/iインチ)毎に複数の段階が設定されている。ここで、上記Yがjステップ毎の値とすれば、1パスの発熱量を求めるに当っては、Y=(移動ステップ数/j)+1によりYの値を求め、このYと、上述したXの値とからテーブル(1)内の対応する実効電流係数値Iev(x,y)(この実効電流係数値は、後述するようにCM13の発熱量Qpに対応する)を参照することになる。
【0052】
図12は、CM13における基準実効電流係数テーブル(以下、簡単のため、テーブル(2)と表記する)の一例を示す。
【0053】
このテーブル(2)には、図12に示すように、多数の基準実効電流係数値I(x,y)(図12では、I(1,1)〜I(3,3)のみ示す)がマトリクス状に配置されている。このテーブル(2)における「X」「Y」の値は、上記テーブル(1)に記載の「X」「Y」の値に対応している。よって、テーブル(2)においても、上記テ−ブル(1)の「X」「Y」と同一の「X」「Y」によって特定される基準実効電流計数値I(x,y)、つまり、上記テーブル(1)で参照された実効電流係数値Iev(x,y)に対応する基準実効電流計数値I(x,y)が参照されることになる。なお、上述した基準実効電流係数値I(x,y)は、一定の条件下で測定された電流値である。
【0054】
図13は、CM13におけるパス時間テーブル(以下、簡単のため、テーブル(3)と表記する)の一例を示す。
【0055】
このテーブル(3)には、図13に示すように、多数のパス時間値Tp(x,y)(図13では、Tp(1,1)〜Tp(3,3)のみ示す)がマトリクス状に配置されている。このテーブル(3)における「X」「Y」の値は、上記テーブル(1)に記載の「X」「Y」の値に対応している。よって、テーブル(3)においても、上記テ−ブル(1)の「X」「Y」と同一の「X」「Y」によって特定されるパス時間値Tp(x,y)、つまり、上記テーブル(1)で参照された実効電流係数値Iev(x,y)に対応するパス時間値Tp(x,y)が参照されることになる。なお、上述したTp(x,y)は、該パスにおけるCM13の加速から停止に至るまでの所要時間を示している。
【0056】
図14は、CM13における待ち時間テーブル(以下、簡単のため、テーブル(4)と表記する)の一例を示す。
【0057】
このテーブル(4)には、図14に示すように、多数の待ち時間値Tw(x,y)(図14では、Tw(1,1)〜Tw(3,3)のみ示す)がマトリクス状に配置されている。このテーブル(4)における「X」「Y」の値は、上記テーブル(1)に記載の「X」「Y」の値に対応している。よって、テーブル(4)においても、上記テ−ブル(1)の「X」「Y」と同一の「X」「Y」によって特定されるパス時間値Tw(x,y)、つまり、上記テーブル(1)で参照された実効電流係数値Iev(x,y)に対応するパス時間値Tw(x,y)が参照されることになる。
【0058】
図15は、CM13における発熱量算出のプロセス、放熱量算出のプロセス、蓄熱量算出のプロセス及び待ち時間算出のプロセスを示すブロック図である。
【0059】
図15において、まず、CM側発熱量算出部57における発熱量算出のプロセスでは、下記の(1)式に基づいてCM13の発熱量が算出される。
【0060】
I-Table[X][Y]=(I-Base[X][Y]+I-Fuka)×T-Pass[X][Y]・・・(1)
(1)式において、I-Table[X][Y]は、テーブル(1)のIev(x,y)に、I-Base[X][Y]は、テーブル(2)のI(x,y)に、T-Pass[X][Y]は、テーブル(3)のTp(x,y)に、夫々対応する。更に、I-Fukaは、上述したシリアルプリンタの駆動電源オン時又はインク交換時等の負荷電流値であり、下記の(2)式により表せる。
【0061】
I-Fuka=If+Crt-Mea・・・・・・(2)
ここで、Ifは、CM13の定速駆動時における平均駆動電流値であり、Crt-Meaは、上述したプリンタの工場出荷時に測定したCM13のモータ特性ばらつきを示す。上記I-Fukaの値は、電流センサ73により検出することも可能である。
【0062】
上述した(1)式により求めた上記I-Table[X][Y]、即ち、Iev(x,y)から、1パス当りの実効電流係数参照テーブル(テーブル(1))を作成することができる。つまり、工場出荷時の初期設定されたテーブル(1)におけるIev(x,y)の値を、上述したシリアルプリンタの駆動電源オン時やインクの交換等、種々の事象に起因して変動するCM13の負荷の大きさに見合った値に補正することも可能である。(1)式から明らかなように、上記I-Table[X][Y]は、電流値の2乗と時間との積で表されるが、仕事率W=VA=IRであり、仕事Wt=IRtであって、Rは定数であるから、CM13の発熱量Qpは、Itに比例する。よって、上記I-Table[X][Y]、即ち、Iev(x,y)からCM13の発熱量Qpを求める(換算する)ことができる。
【0063】
次に、CM側放熱量算出部62による放熱量算出のプロセスでは、1パスが終了することによりCM13が駆動停止した時点から一定時間(例えば1分)が経過する毎に、CM側発熱量算出部57が求めた上記1パス毎の(総)発熱量Qpに実験値である放熱係数(K)を乗じた値を、放熱量として求める。
【0064】
上記放熱係数(K)は、例えば以下のような手順によって求められる。まず、CM13の飽和発熱温度を実験によって求め、この飽和発熱温度の63%に到達する時間を、該プリンタ(図1に記載のシリアルプリンタ)の系の発熱時定数とする。CM13の停止時の時定数は、CM13の温度がCM13の停止後から室温にまで温度低下する過程でCM13の温度が63%分低下する時間になる。今、CM13が駆動することによりCM13の発熱量が上昇して行く過程を考えるに、時定数をT[s](実測値)とすれば、放熱係数(K)は、次のように考えられる。
【0065】
即ち、発熱/放熱は、一次遅れ系である。つまり、或る時間における温度exp(−t/T)は、60s経過したらK倍になる。そのときの時定数は、Kである。これは、下記の(3)式で表される。
【0066】
exp(−(t+60)/T)=K×exp(−t/T)・・・・・・(3)
(3)式を変形することにより、K=exp(−t/T)、つまり、60sでの放熱係数(K)が求まる。この(K)を、放熱係数として1分経過する毎に(総)発熱量Qpに乗じる訳である。
【0067】
次に、CM側蓄熱量算出部61による蓄熱量算出のプロセスでは、既述のように、CM13が起動する毎に、CM13の起動時前に、上述したテーブル(1)から対応するIev(x,y)を読み出すことによって、次のパスで発生し得る発熱量Qpを求め、その発熱量Qpを、前回までのパスによるCM13の蓄熱量から上記放熱量の算出値を減算した値に、上記発熱量Qpを加算することにより、CM13の蓄熱量を算出する。
【0068】
次に、CM側待ち時間算出部59による待ち時間算出のプロセスでは、上述した蓄熱量算出値(つまり、上記Iev(x,y))が、所定の閾値を超えるとき、上述したテーブル(4)から対応するパス時間値Tw(x,y)を読み出し、そのTw(x,y)だけCM13の起動を遅らせることになる。なお、この待ち時間中においても、上述した発熱量算出のプロセス、及び放熱量算出のプロセスは継続される。
【0069】
なお、PFM11側でも、図11乃至図14で示したのと同様のテーブルを用いて図15で説明したのと同様の処理が実行されるが、PFM11に係る詳細な説明は省略する。
【0070】
以上説明したように、本発明の一実施形態によれば、1回の印刷動作が終了したときからCM13やPFM11の停止継続時間を積算し、それらの積算値に応じた放熱量を、算出した上記CM13や、PFM11の発熱量から減算して上記CM13や、PFM11の蓄熱量を算出することとしたので、1回の印刷動作が終了した後次の印刷動作を行う場合に、印刷処理の過程で駆動するCM13や、PFM11の蓄熱量が充分に少ないときは、CM13や、PFM11に対するデューティ制御を行わないことで印刷処理速度の向上を図ることができる。
【0071】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、これは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。例えば、上記実施形態では、CM13及びPFM11に、DCモータを使用することとして説明したが、DCモータに代えてステッピングモータを使用することとしても良い。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、1回の印刷処理動作終了後次の印刷処理動作を行う場合に、印刷処理の過程で駆動するモータの蓄熱量が充分に少ないときは、放熱のためにモータの駆動開始を所定時間遅らせる制御(所謂デューティ制御)を行わないことで印刷処理速度の向上を図ることができるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る印刷装置のモータ制御装置を備える印刷装置の一例としてのシリアルプリンタ(プリンタ)の機械部分の概略構成図。
【図2】本発明の一実施形態に係る印刷装置のモータ制御装置として機能するCPUの内部構成を示すブロック図。
【図3】図2に記載のキャリッジモータ制御系が算出したキャリッジモータの発熱量(蓄熱量)の時間的な変化の一例を示す図。
【図4】図2に記載の紙送りモータ制御系が算出した紙送りモータの発熱量(蓄熱量)の時間的な変化の一例を示す図。
【図5】図2に記載の印刷装置のモータ制御装置による紙送りモータ及びキャリッジモータの制御動作並びに紙送りモータ及びキャリッジモータの発熱量(蓄熱量)の算出動作を示すフローチャート。
【図6】図2に記載の印刷装置のモータ制御装置による紙送りモータ及びキャリッジモータの制御動作並びに紙送りモータ及びキャリッジモータの発熱量(蓄熱量)の算出動作を示すフローチャート。
【図7】図2に記載の印刷装置のモータ制御装置による紙送りモータ及びキャリッジモータの制御動作並びに紙送りモータ及びキャリッジモータの発熱量(蓄熱量)の算出動作を示すフローチャート。
【図8】図2に記載の印刷装置のモータ制御装置による紙送りモータ及びキャリッジモータの制御動作並びに紙送りモータ及びキャリッジモータの発熱量(蓄熱量)の算出動作を示すフローチャート。
【図9】図2に記載の印刷装置のモータ制御装置による紙送りモータ及びキャリッジモータの制御動作並びに紙送りモータ及びキャリッジモータの発熱量(蓄熱量)の算出動作を示すフローチャート。
【図10】図2に記載の印刷装置のモータ制御装置による紙送りモータ及びキャリッジモータの制御動作並びに紙送りモータ及びキャリッジモータの発熱量(蓄熱量)の算出動作を示すフローチャート。
【図11】キャリッジモータにおける実効電流係数参照テーブルの一例を示す説明図。
【図12】キャリッジモータにおける基準実効電流係数テーブルの一例を示す説明図。
【図13】キャリッジモータにおけるパス時間テーブルの一例を示す説明図。
【図14】キャリッジモータにおける待ち時間テーブルの一例を示す説明図。
【図15】キャリッジモータにおける発熱量算出のプロセス、放熱量算出のプロセス、蓄熱量算出のプロセス及び待ち時間算出のプロセスを示すブロック図。
【符号の説明】
41 CPU(印刷装置のモータ制御装置)
51 キャリッジモータ(CM)制御系
53 紙送りモータ(PFM)制御系
55 キャリッジモータ(CM)駆動部
57 キャリッジモータ(CM)側発熱量算出部
59 キャリッジモータ(CM)側待ち時間算出部
61 キャリッジモータ(CM)側蓄熱量算出部
62 キャリッジモータ(CM)側放熱量算出部
63 紙送りモータ(PFM)駆動部
65 紙送りモータ(PFM)側発熱量算出部
67 紙送りモータ(PFM)側待ち時間算出部
69 紙送りモータ(PFM)側蓄熱量算出部
70 紙送りモータ(PFM)側放熱量算出部
71 キャリッジモータ(CM)駆動回路
73、77 電流センサ
75 紙送りモータ(PFM)駆動回路

Claims (10)

  1. 印刷イメージ情報を記録媒体に印刷処理する過程で駆動するモータの制御装置において、
    前記モータを1回駆動する毎に、前記モータが発する熱量を算出する発熱量算出手段と、
    前記モータの放熱量を算出する放熱量算出手段と、
    前記算出された発熱量と前記放熱量から求めた前記モータの前回までの駆動による蓄熱量に前記モータの今回の駆動により発し得る発熱量を加算して、前記今回の駆動に基づくモータの蓄熱量を算出する蓄熱量算出手段と、
    前記算出された蓄熱量と所定の閾値とを比較する手段と、
    前記今回の駆動の前に算出される該蓄熱量が前記閾値を超える場合は、所定の持ち時間経過後に前記モータの前記今回の駆動を開始するよう制御するモータ駆動手段と、
    を備える印刷装置のモータ制御装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記所定の待ち時間が、前記モータの1回の駆動における駆動速度別及び駆動距離別に前記モータの駆動開始を遅らせるための待ち時間が設定されたテーブルを参照して決められ、
    前記放熱量算出手段が、前記所定の待ち時間中も一定時間が経過する毎に前記放熱量を算出する印刷装置のモータ制御装置。
  3. 請求項1記載の装置において、
    前記モータが、DCモータ又はステッピングモータである印刷装置のモータ制御装置。
  4. 請求項1記載の装置において、
    前記モータの発熱量の算出が、前記モータに供給される駆動電流量に基づいて行われる印刷装置のモータ制御装置。
  5. 請求項1記載の装置において、
    前記モータが、印刷ヘッド機構を駆動するためのキャリッジモータ又は前記記録媒体を搬送するための搬送モータである印刷装置のモータ制御装置。
  6. 請求項1記載の装置において、
    前記モータが、印刷ヘッド機構を駆動するためのキャリッジモータ及び前記記録媒体を搬送するための搬送モータを含み、
    前記キャリッジモータの発熱量減算の時間間隔が、前記搬送モータの発熱量減算の時間間隔よりも、短く設定される印刷装置のモータ制御装置。
  7. 請求項1記載の装置において、
    前記発熱量の算出が、前記モータの1回の駆動における駆動速度及び駆動距離に見合う前記モータの駆動電流値を、所定のテーブルから参照して該駆動電流値より前記モータの発熱量を換算することにより行い印刷装置のモータ制御装置。
  8. 請求項7記載の装置において、
    前記所定のテーブルが、前記モータの1回の駆動における駆動速度別及び駆動距離別に前記モータを駆動するための総電流値が設定されたテーブルを少なくとも含む印刷装置のモータ制御装置。
  9. 印刷イメージ情報を記録媒体に印刷処理する過程で駆動するモータを制御するためのコンピュータプログラムにおいて、
    前記モータを1回駆動する毎に、前記モータが発する熱量を算出するステップと、
    前記モータの放熱量を算出するステップと、
    前記算出された発熱量と前記放熱量から求めた前記モータの前回までの駆動による蓄熱量に前記モータの今回の駆動により発し得る発熱量を加算して、前記今回の駆動に基づくモータの蓄熱量を算出するステップと、
    前記算出された蓄熱量と所定の閾値とを比較するステップと、
    前記今回の駆動の前に算出される該蓄熱量が前記閾値を超える場合は、所定の持ち時間経過後に前記モータの前記今回の駆動を開始するよう制御するステップと、
    をコンピュータに実行させるためのコンピュータ読取可能なコンピュータプログラム。
  10. 印刷イメージ情報を記録媒体に印刷処理する過程で駆動するモータの制御方法において、
    前記モータを1回駆動する毎に、前記モータが発する熱量を算出するステップと、
    前記モータの放熱量を算出するステップと、
    前記算出された発熱量と前記放熱量から求めた前記モータの前回までの駆動による蓄熱量に前記モータの今回の駆動により発し得る発熱量を加算して、前記今回の駆動に基づくモータの蓄熱量を算出するステップと、
    前記算出された蓄熱量と所定の閾値とを比較するステップと、
    前記今回の駆動の前に算出される該蓄熱量が前記閾値を超える場合は、所定の持ち時間経過後に前記モータの前記今回の駆動を開始するよう制御するステップと、
    を備える印刷装置のモータ制御方法。
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