JP2008001049A - インクジェットプリンタおよびその搬送モータの制御方法 - Google Patents

インクジェットプリンタおよびその搬送モータの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】PFモータなどの用紙を搬送する搬送モータの温度上昇を抑制すること。
【解決手段】インクジェットプリンタ1は、用紙の搬送に利用される搬送モータ11と、搬送モータ11の前回の駆動制御時間37を記憶する記憶手段52,55と、搬送モータ11の温度に関する値が所定の値の範囲内である場合、記憶手段52,55に記憶される搬送モータ11の前回の駆動制御時間37と、所定の休止割合データとに基づいて休止時間を演算し、その休止時間の経過を待ってから搬送モータ11の制御を開始する搬送制御手段32と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェットプリンタおよびその搬送モータの制御方法に関する。
特許文献1は、インクジェット式記録装置を開示する。このインクジェット式記録装置では、キャリッジが1パスするときのキャリッジモータの電流値(実行電流値)とキャリッジの移動時間とから1パス当たりの単位発熱量を演算し、単位発熱量を時間経過による自然放熱を考慮して逐次積算して値を基に現在の発熱温度を求める。それまでの動作によるこの現在の発熱温度は、複数の閾値と比較される。インクジェット式記録装置は、現在の発熱温度が超えた閾値に応じた休止時間テーブルを参照し、その休止時間テーブルから今回のパスの移動速度と移動距離を基に休止時間を求め、キャリッジ1パス毎に休止時間を設けるようにキャリッジモータを制御する。
特開2003−79179号公報(要約、特許請求の範囲、発明の詳細な説明など、特に、段落0105、図15から図19)
上述のように特許文献1では、今回のパスにおける移動速度と移動距離とから、キャリッジモータの休止時間を演算する。このように、今回のパスに基づく休止時間をその処理実行前に演算して確保することで、キャリッジモータをその駆動前に冷却し、キャリッジモータの温度上昇を効果的に抑制することができる。
しかしながら、この特許文献1の温度上昇の抑制技術では、その制御のために今回のパスにおける移動速度と移動距離とを使用する。したがって、この特許文献1の温度上昇の抑制技術は、今回のパスにおける移動速度と移動距離とが特定できない場合、休止時間を演算することができない。今回のパスを実行しようとするときに、たとえばその移動距離が不明である場合、休止時間を演算することができない。そのため、今回のパスにおける休止時間を演算することができず、パスの制御を開始することができない。
ところで、インクジェットプリンタは、その印刷制御のためにキャリッジモータ以外のモータを有する。このようなモータとしては、たとえばPF(ペーパフィード)モータなどがある。PFモータは、たとえばあるインクジェットプリンタでは、給紙トレイ上の用紙をキャリッジに対向する印字位置へ供給したり、印字位置に給紙されている用紙を所定の印字幅毎に送ったり、印字位置にある用紙を排紙トレイに排紙したりするために使用される。
そして、たとえばPFモータにより給紙トレイ上の用紙を印字位置へ供給するとき、給紙トレイ上の用紙が、PFモータにより駆動される給紙ローラにより搬送され始めるタイミングが不明である。そのため、PFモータを給紙のために駆動するとき、PFモータの駆動時間は不明である。つまり、PFモータによる用紙の駆動距離および駆動時間は、不明である。
したがって、特許文献1の温度上昇の抑制技術を用いて、給紙動作に伴うPFモータの休止時間を演算し、その休止時間でPFモータを待たせることはできない。つまり、PFモータなどの用紙を搬送する搬送モータの温度上昇を抑制することはできない。
本発明は、PFモータなどの用紙の搬送に使用される搬送モータ搬送モータの温度上昇を抑制することができるインクジェットプリンタおよびその搬送モータの制御方法を得ることを目的とする。
本発明に係るインクジェットプリンタは、用紙の搬送に使用される搬送モータと、搬送モータの前回の駆動制御時間を記憶する記憶手段と、搬送モータの温度に関する値が所定の値の範囲内である場合、記憶手段に記憶される搬送モータの前回の駆動制御時間と、所定の休止割合データとに基づいて休止時間を演算し、その休止時間の経過を待ってから搬送モータの制御を開始する搬送制御手段と、を有するものである。
この構成を採用すれば、インクジェットプリンタの搬送制御手段は、搬送モータの温度に関する値が所定の値の範囲内である場合、搬送モータの制御を開始する前に、搬送モータの前回の駆動制御時間に基づいて休止時間を演算し、その休止時間の経過を待つ。その休止時間により、搬送モータを冷却することができる。搬送モータの温度上昇が抑制される。また、この構成を採用すれば、インクジェットプリンタに、搬送モータの温度を検出するセンサなどを増設することなく、搬送モータの温度上昇を抑制することができる。
本発明に係る他のインクジェットプリンタは、用紙の搬送に使用される搬送モータと、搬送モータの駆動速度に基づいて演算される搬送モータの瞬時的な発熱量に関する値から、搬送モータの蓄熱量に関する値を演算する蓄熱演算手段と、蓄熱量に関する値についての所定の値の範囲に対応付けられた休止割合データを有する休止時間割合テーブル、および搬送モータの前回の駆動制御時間を記憶する記憶手段と、蓄熱演算手段により演算された蓄熱量に関する値が休止時間割合テーブルの所定の値の範囲内である場合、記憶手段に記憶される搬送モータの前回の駆動制御時間と、休止時間割合テーブルにおいてその該当する所定の値の範囲と対応付けられた休止割合データとに基づいて休止時間を演算し、その休止時間の経過を待ってから搬送モータの制御を開始する搬送制御手段と、を有するものである。
この構成を採用すれば、インクジェットプリンタの搬送制御手段は、蓄熱量に関する値が休止時間割合テーブルに記憶される所定の値の範囲に該当する場合、搬送モータの制御を開始する前に、休止時間割合テーブルに記憶される休止割合データを用いて休止時間を演算し、その休止時間の経過を待つ。その休止時間により、搬送モータを冷却することができる。また、この構成を採用すれば、インクジェットプリンタに、搬送モータの温度を検出するセンサなどを増設することなく、搬送モータの温度上昇を抑制することができる。
本発明に係る他のインクジェットプリンタは、上述した発明の構成に加えて、休止時間割合テーブルが、蓄熱量に関する値についての所定の値の範囲として、搬送モータが熱により焼損する温度以下の範囲である限界範囲を有し、且つ、その限界範囲に対応する休止割合データとして、インクジェットプリンタの動作環境温度の上限温度において搬送モータを印刷のために駆動する場合でも、蓄熱量に関する値が限界範囲の上限値を超えなくなる割合のものを有するものである。
この構成を採用すれば、インクジェットプリンタの動作環境温度の上限温度において搬送モータを印刷のために駆動したとしても、蓄熱量に関する値は、搬送モータが熱により焼損する温度に対応する値になり難くなる。したがって、通常の印刷制御において、搬送モータの温度が、熱により焼損してしまう温度まで上昇してしまわないように制御することができる。
本発明に係る他のインクジェットプリンタは、上述した発明の各構成に加えて、休止時間割合テーブルが、限界範囲およびその休止割合データの他に、限界範囲より低い範囲である他の所定の値の範囲およびその休止割合データを有し、且つ、他の所定の値の範囲は、1枚以上の所定枚数以下の用紙へ印刷をしたときに蓄熱量に関する値が到達する値より高いものである。
この構成を採用すれば、蓄熱量に関する値が限界範囲に到達する前に、搬送制御手段は、その限界範囲より低い範囲である他の所定の値の範囲の休止割合データにより休止時間を設け、休止する。したがって、蓄熱量に関する値が限界範囲に到達する前に、搬送モータを少しずつ冷却し、限界範囲での長い休止時間が生じ難くすることができる。蓄熱量に関する値が限界範囲に到達するまでの搬送モータの累積的な駆動時間を長くすることができる。
しかも、限界範囲および他の所定の値の範囲は、1枚以上の所定枚数以下の用紙への印刷をしたときに蓄熱量に関する値が到達する値より高い値の範囲である。したがって、1枚以上の所定枚数以下の用紙への印刷中に、休止時間が設定されてしまうことはない。
したがって、この構成を採用すれば、所定枚数以下の少ない枚数の印刷のときには、休止時間による単位時間あたりの印刷枚数(スループット)の低下を生じることはなく、インクジェットプリンタが本来有するスループットにより連続的な印刷をすることができる。しかも、その所定枚数以上となる枚数への連続的な印刷であっても、限界範囲での休止時間より短い休止時間により搬送モータの温度上昇を抑制し、比較的高いスループットを維持して所定枚数より多い枚数の用紙に対して連続的に印刷をすることができる。
しかも、このような限界範囲以下の、他の所定の値の範囲での休止時間を設けたとして搬送モータの温度上昇が止まらない場合、最終的には限界範囲での大きな休止時間が設定されることになるが、それ以前においても休止時間が設定されているので、限界範囲での大きな休止時間が突然に設定されてしまうことにはならない。限界範囲での大きな休止時間が突然に設定されることがないので、ユーザは、その限界範囲での大きな休止時間の設定によるスループットの低下を、インクジェットプリンタの動作障害などとして誤認してしまわないようにすることができる。
本発明に係る他のインクジェットプリンタは、上述した発明の各構成に加えて、所定の計測期間毎に、搬送モータの駆動速度から、搬送モータの瞬時的な発熱量に関する値を演算する瞬時発熱演算手段を有する。そして、蓄熱演算手段は、所定の計測期間より長い所定の更新期間毎に、その間に瞬時発熱演算手段により演算された複数の瞬時的な発熱量に関する値を用いて、搬送モータの蓄熱量に関する値を演算する。
この構成を採用すれば、蓄熱量に関する値の更新間隔は、搬送モータの瞬時的な発熱量に関する値の計測間隔より長くなる。搬送モータの発熱量は、その動作状態に応じて短い時間の間に大きく変化するものであり、瞬時発熱演算手段による計測期間は、搬送モータの発熱量に関する値を正確に演算するためには、その変化を計測によりとらえることができる期間とする必要がある。この構成を採用すれば、蓄熱演算手段による蓄熱量に関する値の更新間隔は、その計測期間に拘束されることなく長い時間間隔とすることができる。
その結果、インクジェットプリンタにおける搬送モータの温度上昇を抑制するための演算負荷を減らすことができ、この演算負荷により、たとえばインクジェットプリンタの本来の制御である印刷のための制御に悪影響を与えないようにすることができる。搬送モータの温度上昇を抑制するための演算処理を、印刷のための制御を実行するマイクロコンピュータにより実現することができる。
本発明に係る他のインクジェットプリンタは、上述した発明の各構成に加えて、搬送モータが、給紙トレイ上の用紙を印字位置まで搬送する給紙制御に使用されるものである。
この構成を採用すれば、給紙トレイ上の用紙を印字位置まで搬送する搬送モータの温度上昇を抑制することができる。
本発明に係る他のインクジェットプリンタは、上述した発明の各構成に加えて、搬送制御手段が、給紙トレイ上の用紙を印字位置まで搬送する制御において、給紙トレイ上の用紙を所定の速度まで加速した後に所定の定速で搬送する制御により給紙制御を開始し、その後、搬送中の用紙が検出された後に、搬送中の用紙の速度を定速から減速停止するものである。
この構成を採用すれば、給紙トレイ上の用紙を印字位置まで搬送する給紙制御の開始時には、用紙の搬送時間や搬送距離が不明であるが、その制御による搬送モータの温度上昇を抑制するように制御することができる。搬送モータの制御を開始するときにその駆動時間などが不明であったとしても、好適な休止時間を確保して、搬送モータを冷却することができる。
本発明に係る搬送モータの制御方法は、インクジェットプリンタにおいて用紙の搬送に使用される搬送モータの制御方法であって、搬送モータの温度に関する値が所定の値の範囲内である場合、搬送モータの前回の駆動制御時間と、所定の休止割合データとに基づいて休止時間を演算するステップと、演算された休止時間が経過することを待つステップと、休止時間が経過した後に、搬送モータの所定の制御を開始するステップと、を有するものである。
この方法を採用するインクジェットプリンタでは、搬送モータの温度に関する値が所定の値の範囲内である場合、搬送モータの制御を開始する前に、搬送モータの前回の駆動制御時間に基づいて休止時間を演算し、その休止時間の経過を待つ。その休止時間により、搬送モータは冷却され、搬送モータの温度上昇が抑制される。インクジェットプリンタに、搬送モータの温度を検出するセンサなどを増設することなく、搬送モータの温度上昇を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態に係るインクジェットプリンタおよびその搬送モータの制御方法を、図面に基づいて説明する。なお、搬送モータは、PF(ペーパフィード)モータを例に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るインクジェットプリンタ1の構成を示すブロック図である。インクジェットプリンタ1は、印刷媒体としての用紙へインクを吐出し、これにより印刷をするプリンタである。インクジェットプリンタ1は、用紙搬送機構と、インク吐出機構と、を有する。
用紙搬送機構は、LD(リタード)ローラ3およびPFローラ4を有する。LDローラ3およびPFローラ4は、給紙トレイ2に載置された用紙をプラテン5上の印刷位置へ給紙する。また、用紙搬送機構は、印刷位置にある用紙を排紙トレイ8へ排紙する排紙ローラ8を有する。PFローラ4および排紙ローラ8は、印刷位置にある用紙を所定量ずつ紙送りするためにも使用される。
これらLDローラ3、PFローラ4および排紙ローラ8は、図示外のギアユニットを介して、搬送モータとしてのPFモータ11により回転駆動される。PFモータ11は、たとえばDC(直流)モータである。なお、PFモータ11は、ステッピングモータなどのパルスモータなどであってもよい。以下、印刷位置への用紙の給紙方向を副走査方向とよび、それと略垂直な方向を主走査方向とよぶ。
なお、PFモータ11は、インクジェットプリンタ1においてたとえばプラテン5の下側などに配設される。プラテン5の周囲には、PFローラ4、排紙ローラ8、キャリッジ6などの機構部品が密に配設される。また、プラテン5の周囲には、これらの機構部品を支えるためのフレームが配設される。そのため、インクジェットプリンタ1においてPFモータ11の周辺の余剰空間は狭い。それにより、PFモータ11は、少しの駆動による発熱により、その温度が上昇してしまう傾向にある。
インク吐出機構は、プラテン5上で主走査方向へ移動可能に配設されるキャリッジ6を有する。キャリッジ6には、プラテン5と対向する側面に、図示外の記録ヘッドが設けられる。記録ヘッドは、インクを吐出する。キャリッジ6は、図示外のCR(キャリッジ)モータにより直線駆動される。CRモータは、たとえばDCモータである。なお、CRモータは、ステッピングモータなどのパルスモータなどであってもよい。
この他にも、インクジェットプリンタ1は、図1に示すような制御系を有する。インクジェットプリンタ1の制御系は、マイクロコンピュータ12、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向けIC)13、モータドライバ14、ロータリエンコーダ15、センサとしてのPFセンサ16などを有する。
モータドライバ14は、PFモータ11へ駆動電力を供給する。モータドライバ14がDCモータ(たとえばPFモータ11)へ所定の定格電圧を供給すると、DCモータは、その定格電圧に応じた所定の定格速度で回転する。モータドライバ14がDCモータへ所定のデューティ比のパルス電圧を供給すると、DCモータは、そのパルス電圧に応じた所定の速度で回転する。このパルス電圧の下での速度は、定格速度以下となる。モータドライバ14は、DCモータへ供給する電圧のデューティ比を制御することで、DCモータの回転速度を制御する。また、モータドライバ14が電圧の正負を逆転すると、DCモータは逆方向へ回転する。DCモータの正転動作中に、電圧の正負を逆転すると、DCモータにブレーキがかかり、DCモータの回転は減速する。
ロータリエンコーダ15は、たとえばPFローラ4とともに回転する回転板と、この回転板の外周に沿って配列される複数のスリットを光学的に読み取る受発光素子と、を有する。受発光素子は、反射式のものであっても、透過式のものであってもよい。受発光素子は、回転板の回転にしたがったスリットの移動に応じてレベルが変化する受光信号を出力する。
PFセンサ16は、たとえばLDローラ3とPFローラ4との間の所定の位置に配設される。PFセンサ16は、たとえばLDローラ3からPFローラ4へ向かって移動する用紙により昇降されるリトラクトレバーと、このリトラクトレバーが用紙により持上げられていない状態を検出する受発光素子と、を有する。なお、受発光素子は、リトラクトレバーが用紙により持上げられている状態を検出してもよい。また、PFセンサ16は、LDローラ3からPFローラ4へ向かって移動する用紙そのものを光学的に検出する受発光素子により構成されるものであってもよい。
ASIC13は、マイクロコンピュータの一種である。ASIC13は、後述する図2のマイクロコンピュータと同じように、たとえば図示外の中央処理装置(CPU)、メモリ21、不揮発性メモリ、タイマ、I/O(入出力)ポート、これらを接続するシステムバスなどを有する。ASIC13のI/Oポートには、モータドライバ14、PFセンサ16、ロータリエンコーダ15などが接続される。
ASIC13の不揮発性メモリは、たとえばインクジェットプリンタ1の制御実行プログラムなどを記憶する。インクジェットプリンタ1の電源投入によりASIC13が動作を開始すると、ASIC13の中央処理装置は、不揮発性メモリからメモリ21へ制御実行プログラムを読込み、実行する。これにより、ASIC13には、図1に示すように、DCユニット22、検出データ生成部23などが実現される。
DCユニット22は、I/Oポートに接続されるモータドライバ14へ瞬時電流指令値などを出力する。
検出データ生成部23は、I/Oポートに接続されるPFセンサ16、ロータリエンコーダ15などの検出情報に基づいて、検出データを生成する。検出データには、たとえば用紙の送り速度に関する値を有する瞬時搬送速度データ24や、PFセンサ16による給紙検出データ25などがある。検出データ生成部23は、たとえば、ロータリエンコーダ15からの受光信号の単位時間あたりの変化数に基づいて、用紙の送り速度に関する値を瞬時搬送速度データ24として生成する。検出データ生成部23は、生成した各種の検出データを、ASIC13のメモリ21に保存する。
図2は、図1中のマイクロコンピュータ12のハードウェア構成を示すブロック図である。マイクロコンピュータ12は、中央処理装置(CPU)51、記憶手段の一部としてのメモリ52、記憶手段の一部としてのEEPROM55、タイマ54、I/O(入出力)ポート53、これらを接続するシステムバス56などを有する。
EEPROM55は、不揮発性メモリの一種であり、インクジェットプリンタ1の制御プログラム57、休止時間割合テーブル58、給紙制御データ59、停止制御データ60などを記憶する。
インクジェットプリンタ1の電源投入によりマイクロコンピュータ12が動作を開始すると、中央処理装置51は、EEPROM55からメモリ52へ制御プログラム57を読込み、実行する。これにより、マイクロコンピュータ12には、図1に示すように、主制御部31、搬送制御手段としてのPFモータ駆動制御部32、瞬時発熱演算手段としての瞬時発熱演算部33、蓄熱演算手段としての蓄熱更新部34などが実現される。
マイクロコンピュータ12のタイマ54は、たとえば後述する計測時間、更新時間などの時間を計測する。
給紙制御データ59および停止制御データ60は、給紙トレイ2上の用紙を印刷位置へ給紙する制御において利用されるデータである。給紙制御データ59および停止制御データ60は、給紙制御における目標速度のデータを記憶する。
給紙制御では、LDローラ3が給紙トレイ2上の用紙の搬送を開始するタイミングが不明である。そのため、給紙制御データ59は、給紙速度を「0」から所定の速度へ加速し、その所定の速度を維持する目標速度のデータを記憶する。
給紙制御データ59は、その制御を終了する情報をもたない。あるいは、給紙制御データ59は、その制御を終了する情報として、通常の給紙ではありえないような長い時間、たとえば10分などの情報を有する。
停止制御データ60は、PFセンサ16により用紙の先端が検出されてから、給紙速度を、給紙制御データ59の所定の維持速度から減速し、用紙を停止する目標速度のデータを記憶する。
図3は、図1中の休止時間割合テーブル58が有するデータのデータ構造の一例を示すブロック図である。休止時間割合テーブル58は、複数の蓄熱値の範囲毎の、複数の休止割合データとしての複数の休止割合値を有する。休止割合値は、0から100%までの間の百分率の値である。
図3の休止時間割合テーブル58は、蓄熱レベルの1から4の4つのレベルと対応して、10%、20%、35%および50%の4つの休止割合値を有する。10%の休止割合値は、蓄熱値の40以上且つ60未満の範囲に対応付けられたものであり、20%の休止割合値は、蓄熱値の60以上且つ80未満の範囲に対応付けられたものであり、35%の休止割合値は、蓄熱値の80以上且つ100未満の範囲に対応付けられたものであり、50%の休止割合値は、蓄熱値の100以上且つ120の範囲に対応付けられたものである。
なお、蓄熱値の単位はたとえば摂氏温度である。たとえば、PFモータ11が熱により焼損する温度が130度である場合、この蓄熱値の範囲の中の最も大きい限界範囲(図3では、蓄熱レベル4の範囲)の上限値は、その温度以下に相当する値とすればよい。また、この限界範囲での休止割合は、その上限値において印刷を続けてもPFモータ11が冷却されうる時間割合とすればよい。これにより、蓄熱値において限界範囲の幅(120−100)に相当するマージンを確保し、PFモータ11の温度が焼損してしまう温度に至らないように制御することが可能となる。
また、最も小さい範囲(図3では、蓄熱レベル1の範囲)の下限値は、1枚以上の所定の枚数の連続的な印刷において到達する蓄熱値より大きい値とすればよい。これにより、その所定の枚数の連続的な印刷においては、休止割合は、0%となり、有意な休止時間が設定されてしまうことはない。
また、休止時間割合テーブル58は、図3のものに限られない。休止時間割合テーブル58は、蓄熱値の100以上且つ120未満の範囲に対応付けた50%の休止割合値のみを有するものであっても、有意な休止時間が設定されることがない0%の給紙割合値を有する範囲を有するものであってもよい。
主制御部31は、インクジェットプリンタ1における1つの制御動作が終了する度に、次に実行する制御動作を判断する。インクジェットプリンタ1の制御動作としては、たとえば給紙トレイ2に載置される用紙を印刷位置へ給紙する給紙動作、印刷位置にある用紙に対してインクを吐出する印字動作、印刷位置にある用紙を所定量送る紙送り動作、印刷位置にある用紙を排紙トレイ8へ排出する排紙動作などがある。
また、主制御部31は、判断した動作を実行するための指示をPFモータ駆動制御部32などへ供給する。主制御部31は、たとえば給紙動作、紙送り動作、排紙動作などを次の制御動作として判断すると、PFモータ駆動制御部32などへ駆動指示を供給する。
また、主制御部31は、各制御動作による駆動時間をタイマ54に計測させ、その計測時間を最終駆動時間データ37としてメモリ52に保存する。
PFモータ駆動制御部32は、EEPROM55から、給紙制御データ59、停止制御データ60などとして記憶されるPFモータ11の目標速度データを読み込み、これに基づいてPFモータ11を制御する。
瞬時発熱演算部33は、たとえば100ミリ秒などの所定の計測周期毎に、それぞれの計測期間での発熱量を演算する。瞬時発熱演算部33は、具体的には、PFモータ11の回転速度から、発熱値を演算する。発熱値は、PFモータ11の瞬時的な発熱量(基準となる時間間隔における発熱量)に関する値である。なお、PFモータ11の回転速度は、瞬時搬送速度データ24やギアユニットによる減速比などに基づいて演算することができる。瞬時発熱演算部33は、演算した発熱値を瞬時発熱データ35としてメモリ52に保存する。
蓄熱更新部34は、たとえば60秒などの所定の更新周期毎に、それぞれの更新期間における発熱および放熱に基づいて、蓄熱量を演算する。この更新周期は、計測周期に比べて長い。蓄熱更新部34は、具体的には、その期間内に計測された複数の発熱値を集計し、その期間の総発熱量(区間発熱値)を演算する。また、蓄熱更新部34は、前回計算した蓄熱量に対して、1より小さい値の放熱係数を乗算し、それに今回の期間内の総発熱量を加算する。これにより、蓄熱更新部34は、今回の蓄熱量を演算する。蓄熱更新部34は、演算した蓄熱値を、蓄熱データ37としてメモリ52に保存する。
次に、以上の構成を有するインクジェットプリンタ1の動作を説明する。
インクジェットプリンタ1の電源が投入されると、マイクロコンピュータ12には、主制御部31、PFモータ駆動制御部32、瞬時発熱演算部33、蓄熱更新部34などが実現される。
図4は、図1中の主制御部31が実行する主制御の流れを示すフローチャートである。主制御部31は、電源投入により処理を開始する。主制御部31は、初期化処理を実行する。初期化処理において、主制御部31は、瞬時発熱演算部33、蓄熱更新部34へ起動を指示する(ステップST1)。
図5は、図1中の瞬時発熱演算部33が実行する発熱演算処理の流れを示すフローチャートである。主制御部31により起動が指示された瞬時発熱演算部33は、タイマ54により所定の計測時間が計測される(ステップST11)と、瞬時発熱値の計測処理を開始する。瞬時発熱演算部33は、ASIC13のメモリ21から、瞬時搬送速度データ24を読み込む。瞬時発熱演算部33は、読み込んだ瞬時搬送速度データ24から、それが計測されたときのPFモータ11の瞬時的な発熱量を演算する(ステップST12)。
図6は、図1中のPFモータ11(DCモータ)に流れる瞬時電流の求め方を示す説明図である。PFモータ11は、内部抵抗61に誘導電圧源62が接続された等価回路で示すことができる。この誘導電圧源62は、PFモータ11の定格電圧での回転速度に応じた誘導起電圧を生成する。図6に示すように、このPFモータ11に、モータドライバ14により所定の電圧が印加されると、図6の回路には電流Iが流れる。この電流Iは、下記式1により演算することができる。下記式1において、Vsは、PFモータ11に印加される電圧であり、デューティ比は、PFモータ11に印加される電圧のデューティ比であり、Rは、PFモータ11の内部抵抗である。
I={Vs×デューティ比−(Vs×PFモータ11の定格電圧での回転速度/PFモータ11の回転数)/R ・・・式1
瞬時発熱演算部33は、瞬時搬送速度データ24に基づいてそのときのPFモータ11の回転数を演算し、さらに上記式1により電流値Iを演算する。そして、瞬時発熱演算部33は、たとえば演算した電流値Iを二乗した値に、計測時間を乗算した値を、PFモータ11の瞬時的な発熱値として演算する。瞬時発熱演算部33は、演算したPFモータ11の瞬時的な発熱値を有する瞬時発熱データ35を、マイクロコンピュータ12のメモリ52に保存する(ステップST13)。
瞬時発熱演算部33は、タイマ54により所定の計測時間が計測される(ステップST11)度に、以上の処理(ステップST12およびST13)を繰り返し実行する。瞬時発熱演算部33は、インクジェットプリンタ1の起動に基づく主制御部31の指示があってから、インクジェットプリンタ1が停止されまでの間、計測時間毎に以上の処理を繰り返し実行する。これにより、マイクロコンピュータ12のメモリ52には、PFモータ11の瞬時的な発熱値が複数保存され、複数の瞬時発熱データ35が蓄積される。
図7は、図1中の蓄熱更新部34が実行する蓄熱データ37の更新処理の流れを示すフローチャートである。主制御部31により起動が指示された蓄熱更新部34は、タイマ54により所定の更新時間が計測される(ステップST21)と、前回の蓄熱更新時以降に蓄積された複数のPFモータ11の瞬時的な発熱値を、マイクロコンピュータ12のメモリ52から読み込む。
複数の発熱値を読み込むと、蓄熱更新部34は、前回の更新以降のPFモータ11の区間発熱値を演算する。蓄熱更新部34は、たとえば読み込んだ複数の発熱値を積分し、区間発熱値を演算する(ステップST22)。
区間発熱値を演算すると、蓄熱更新部34は、蓄熱値を演算する。蓄熱値は、PFモータの蓄熱量に関する値である。前回計算した蓄熱値に対して、1より小さい値の放熱係数(たとえば0.93など)を乗算し、それに今回演算した区間発熱値を加算し、蓄熱値を演算する(ステップST23)。蓄熱更新部34は、演算した蓄熱値を有する蓄熱データ37を、マイクロコンピュータ12のメモリ52に保存する(ステップST24)。
蓄熱更新部34は、タイマ54により所定の更新時間が計測される(ステップST21)度に、以上の処理(ステップST22〜ST24)を繰り返し実行する。蓄熱更新部34は、インクジェットプリンタ1の起動に基づく主制御部31の指示があってから、インクジェットプリンタ1が停止されまでの間、更新時間毎に以上の処理を繰り返し実行する。これにより、マイクロコンピュータ12のメモリ52には、PFモータ11の最新の蓄熱値が保存され続ける。
以上のように、瞬時発熱演算部33、蓄熱更新部34の処理により、マイクロコンピュータ12のメモリ52には、更新周期毎に、PFモータ11の最新の蓄熱値が蓄熱データ36として保存される。初期化処理(ステップST1)を実行した主制御部31は、これらの動作とは無関係に、図4に示す独自の制御を続行する。
図4中の初期化処理(ステップST1)を終えると、主制御部31は、印刷データの待ち状態になる。そして、インジェットプリンタが図示外のパーソナルコンピュータなどから印刷データを受信すると、主制御部31は、印刷処理を開始する。
用紙への印刷処理において、主制御部31は、まず、次に実行する制御を判断する(ステップST2)。インクジェットプリンタ1は、給紙動作、複数回の印字動作、複数回の紙送り動作、および排紙動作により、1枚の用紙への印刷を実行する。印刷制御を開始する当初では、主制御部31は、まず、給紙動作が次に実行する制御動作であると判断する。給紙動作を実行する制御動作とした判断した主制御部31は、タイマ54に駆動時間の計測を指示し(ステップST3)、PFモータ駆動制御部32へ給紙駆動を指示する(ステップST4)。タイマ54は、駆動時間の計測を開始する。
図8は、図1中のPFモータ駆動制御部32が実行する給紙処理の流れを示すフローチャートである。PFモータ駆動制御部32は、まず、マイクロコンピュータ12のメモリ52から、蓄熱データ37を読み込む(ステップST31)。
そして、PFモータ駆動制御部32は、その蓄熱データ37の蓄熱値の蓄熱レベルを判断する(ステップST32)。PFモータ駆動制御部32は、休止時間割合テーブル58の複数の蓄熱値の範囲と、蓄熱データ37の蓄熱値とを比較し、蓄熱データ37の蓄熱値が該当する範囲のレベルを、蓄熱データ37の蓄熱レベルとして特定する。
蓄熱データ37の蓄熱レベルを特定すると、PFモータ駆動制御部32は、PFモータ11を冷却するための休止制御の要否を判断する(ステップST33)。PFモータ駆動制御部32は、たとえば図3に示す休止時間割合テーブル58に該当する蓄熱レベルが無い場合、つまり蓄熱データ37の蓄熱値が40未満である場合、休止不要と判断する。PFモータ駆動制御部32は、後述する給紙動作の制御を開始する。それ以外の場合、PFモータ駆動制御部32は、休止要と判断し、有意な休止時間の設定処理を実行する。
休止要と判断すると、PFモータ駆動制御部32は、休止時間割合テーブル58から、特定した蓄熱レベルに対応する休止割合値を読み込む(ステップST34)。たとえば蓄熱値が「70」であり、蓄熱レベルが「2」であるとき、PFモータ駆動制御部32は、図3の休止時間割合テーブル58から休止割合値「20(%)」を読み込む。
休止時間割合テーブル58から休止割合値を読み込むと、PFモータ駆動制御部32は、休止時間を演算する(ステップST35)。PFモータ駆動制御部32は、マイクロコンピュータ12のメモリ52から後述する最終駆動時間データ37を読み込み、これに休止割合値を乗算して、休止時間を演算する。
そして、PFモータ駆動制御部32は、タイマ54を参照し、この演算した休止時間が経過するのを待つ(ステップST36)。休止時間が経過すると、PFモータ駆動制御部32は、主制御部31により指示された給紙動作の制御を開始する。
給紙動作の制御において、PFモータ駆動制御部32は、PFモータ11を駆動する。PFモータ駆動制御部32は、まず、マイクロコンピュータ12のメモリ52から給紙制御データ59を読み込む。PFモータ駆動制御部32は、給紙速度を「0」から所定の速度へ加速するための瞬時目標速度値を、ASIC13のDCユニット22へ出力する(ステップST37)。
ASIC13のDCユニット22は、瞬時目標速度値が供給されると、そのときの瞬時搬送速度データ24との差に応じた瞬時電流指令値を生成する。DCユニット22は、生成した瞬時電流指令値をモータドライバ14へ供給する。モータドライバ14は、その指令された電流をPFモータ11へ供給する。PFモータ11は、瞬時電流指令値に応じた速度で駆動を開始する。
PFモータ11が駆動しはじめると、LDローラ3、PFローラ4および排紙ローラ8が回転する。LDローラ3は、給紙トレイ2上の用紙を搬送し始める。また、ロータリエンコーダ15の回転板は、PFローラ4とともに回転しはじめる。ロータリエンコーダ15は、回転板の回転にしたがったスリットの移動に応じてレベルが変化する受光信号を、ASIC13へ出力する。検出データ生成部23は、この受光信号に基づいて、用紙の送り速度を演算する。
検出データ生成部23が新たな用紙の送り速度を演算すると、DCユニット22は、その演算される速度が瞬時目標速度値となるように、瞬時電流指令値を制御する。PFモータ11は、モータドライバ14へ供給する瞬時目標速度値を調整する。
PFモータ駆動制御部32は、所定の時間間隔毎に、DCユニット22へ出力する瞬時目標速度値を更新する。PFモータ駆動制御部32は、給紙制御データ59にしたがって、給紙速度を「0」から所定の速度へ加速し、さらにその速度に維持するように、DCユニット22へ出力する瞬時目標速度値を更新する。以上の給紙制御データ59に基づく制御により、給紙トレイ2から排出される用紙は、加速の後に、所定の定速で搬送される。
給紙トレイ2から排出される用紙は、印刷位置へ向かって搬送される。所定の定速で搬送される用紙は、PFセンサ16のリトラクトレバーを押し上げた後、PFローラ4へ供給される。PFセンサ16のリトラクトレバーが押し上げられると、ASIC13の検出データ生成部23は、給紙検出データ25を「用紙無し」から「用紙あり」へ更新する。
ASIC13のメモリ21に記憶される給紙検出データ25が「用紙無し」から「用紙あり」へ更新されると、PFモータ駆動制御部32は、その更新に基づいて、給紙を検出する(ステップST38)。
PFモータ駆動制御部32は、給紙制御データ59による定速制御を終了し、停止制御データ60による制御を開始する(ステップST39)。PFモータ駆動制御部32は、マイクロコンピュータ12のメモリ52から停止制御データ60を読み込み、停止制御データ60に基づいてDCユニット22へ出力する瞬時目標速度値を更新する。用紙は、所定の定速から減速し、停止する。
これにより、PFモータ11の駆動に基づいてLDローラ3およびPFローラ4により搬送される用紙は、PFセンサ16のリトラクトレバーを押し上げてから、停止制御データ60に基づく制御での距離にて停止する。給紙トレイ2から印刷位置へ給紙される用紙は、LDローラ3により搬送が開始されるタイミングが安定していないにもかかわらず、リトラクトレバーを押し上げる位置を基準として、所定の位置に安定して停止する。これにより、用紙の供給位置は安定する。
以上の給紙動作が完了すると、PFモータ駆動制御部32は、DCユニット22への瞬時目標速度値の出力を終了する。PFモータ駆動制御部32は、給紙駆動を終了する。これにより、PFモータ11は停止し、検出データ生成部23が生成する瞬時搬送速度データ24も「0」となる。
図4に示すように、PFモータ駆動制御部32へ給紙駆動を指示した(ステップST4)後、主制御部31は、インクジェットプリンタ1が停止状態にあるか否かを判断する(ステップST5)。上述したように瞬時搬送速度データ24が「0」になると、主制御部31は、インクジェットプリンタ1が停止状態にあると判断する。
主制御部31は、タイマ54が計測した駆動時間を読込み(ステップST6)、マイクロコンピュータ12のメモリ52に記憶される最終駆動時間データ37を更新する(ステップST7)。最終駆動時間データ37は、その次にPFモータ11を駆動するときには、PFモータ11の前回の駆動制御時間となる。
その後、主制御部31は、再び次に実行する制御を判断する(ステップST2)。給紙動作が完了すると、印刷位置には用紙の先端部が供給されている。主制御部31は、印字動作を次に実行する制御動作と判断する。主制御部31は、タイマ54に駆動時間の計測開始を指示した(ステップST3)後、図示外のCRモータ駆動制御部へ印字動作を指示する(ステップST4)。
印字動作において、インクジェットプリンタ1のCRモータは、キャリッジ6を主走査方向へ定速で移動する。また、キャリッジ6の記録ヘッドは、印刷データに基づいてインクを吐出する。これにより、用紙の印刷位置へ給紙されている部位には、インクが付着する。
また、CRモータ駆動制御部による印字制御が終了すると、主制御部31は、インクジェットプリンタ1が停止状態にあると判断し(ステップST5)、タイマによる時間計測を終了し(ステップST6およびST7)、次に実行する制御動作として紙送り動作を判断する(ステップST2)。主制御部31は、図4においてタイマ54に駆動時間の計測を指示した(ステップST3)後、PFモータ駆動制御部32へ紙送り動作を指示する(ステップST4)。
紙送り動作を指示されたPFモータ駆動制御部32は、図8の給紙制御と同様の紙送り制御によりPFモータ11を駆動し、印刷位置にある用紙を、所定の幅で送る。つまり、PFモータ駆動制御部32は、蓄熱データ37に基づいて休止が必要であるか否かを判断し、休止が必要である場合には、蓄熱レベルに応じた休止時間で待った後に、主制御部31により指示された紙送り制御を実行する。
これにより、印刷位置にある用紙は、所定の幅で搬送される。その結果、印刷位置には、用紙の印刷未完了部位が位置することになる。このPFモータ駆動制御部32による紙送り制御が終了すると、主制御部31は、タイマ54が計測した駆動時間で、最終駆動時間データ37を更新する。
主制御部31は、たとえば印刷データが終了したり、用紙の後端が印刷位置を通過したりするまでの間、紙送り制御が完了すると、次に実行する制御動作として印字動作を判断し、印字動作が完了すると、次に実行する制御動作として紙送り動作を判断する(ステップST2)。これにより、用紙には、紙送り量の単位でインクが付着する。用紙には、印刷データに基づく画像が、紙送り量の単位で印刷される。
また、印刷データが終了したり、用紙の後端が印刷位置を通過したりすると、主制御部31は、次に実行する制御動作として排紙動作を判断する(ステップST2)。主制御部31は、図4においてタイマ54に駆動時間の計測を指示した後、PFモータ駆動制御部32へ排紙動作を指示する。
排紙動作を指示されたPFモータ駆動制御部32は、図8の給紙制御と同様の排紙制御によりPFモータ11を駆動し、印刷位置にある用紙を、排紙トレイ8へ排出する。つまり、PFモータ駆動制御部32は、蓄熱データ37に基づいて休止が必要であるか否かを判断し、休止が必要である場合には、蓄熱レベルに応じた休止時間で待った後に、主制御部31により指示された排紙制御を実行する。
これにより、印刷位置にある用紙は、排紙トレイ8へ排出される。このPFモータ駆動制御部32による排紙制御が終了し、停止状態にあることを確認する(ステップST5)と、主制御部31は、タイマ54が計測した駆動時間で、最終駆動時間データ37を更新する(ステップST6およびST7)。
なお、以上の動作説明は、1枚の用紙への印刷をする場合について説明しているが、この実施の形態に係るインクジェットプリンタ1は、給紙トレイ2に載置される複数の用紙に対して連続的に印刷をすることができる。そして、複数枚の用紙へ連続的に印刷する場合には、インクジェットプリンタ1は、上述した1枚毎の印刷シーケンスをその枚数分繰り返せばよい。
また、主制御部31は、印刷済みの用紙の排紙動作を指示した後に続けて次の未印刷の用紙の給紙動作を指示する場合、これらの動作指示に替えて、次に実行する制御動作として給排紙動作を指示するようにすればよい(ステップST2)。このとき、主制御部31は、図4においてタイマ54に駆動時間の計測を指示した(ステップST3)後、PFモータ駆動制御部32へ給排紙動作を指示する(ステップST4)。
給排紙動作を指示されたPFモータ駆動制御部32は、蓄熱データ37に基づいて休止が必要であるか否かを判断し、休止が必要である場合には、蓄熱レベルに応じた休止時間で待った後に、図8の給紙制御と同様の給排紙制御によりPFモータ11を駆動する。給排紙制御でのPFモータ11の駆動時間は、一般的に、排紙動作における駆動時間よりも長くなる。
これにより、印刷位置にある用紙は、排紙トレイ8へ排出され、且つ、次の未印刷の用紙は、給紙トレイ2から印刷位置へ給紙される。印刷位置にある用紙を排紙トレイ8へ排出する処理と、次の用紙を印刷位置へ給紙する動作とを、1つの制御動作として実行することができ、その分印刷時間を短くすることができる。また、PFモータ駆動制御部32による給排紙制御が終了すると、主制御部31は、タイマ54が計測した駆動時間で、最終駆動時間データ37を更新する(ステップST6およびST7)。
以上のように、この実施の形態に係るインクジェットプリンタ1は、給紙動作、紙送り動作、排紙動作および給排紙動作において、PFモータ11を駆動する。この各制御動作において、PFモータ駆動制御部32は、図8に給紙動作の場合を例示するように、蓄熱データ37に基づいて休止時間を演算すると、その休止時間が経過してから、主制御部31により指示された駆動動作を実行する。
図9は、インクジェットプリンタ1のある期間の動作を示す動作説明図である。図9(A)は、PFモータ11の回転速度波形であり、図9(B)は、PFモータ11に流れる電流波形であり、図9(C)は、PFモータ11の温度である。これらの横軸は、時間である。これらの図に示すように、PFモータ11の温度は、PFモータ11が回転するたびに上昇する。また、PFモータ11が停止している期間では、放熱により冷却される。
また、図9(D)は、瞬時発熱演算部33による瞬時電流の演算周期を示すものであり、図9(E)は、蓄熱更新部34による蓄熱データ37の更新周期を示すものであり、図9(F)は、蓄熱データ37の蓄熱値の変化を示すものである。
このように瞬時発熱演算部33が所定の計測周期で瞬時電流を演算し、さらに蓄熱更新部34がその計測周期より長い所定の更新周期で蓄熱データ37を更新する。図9のPFモータ11の動作状態例では、蓄熱データ37は、この更新周期毎に蓄熱値が大きくなっている。蓄熱データ37は、PFモータ11の温度上昇と対応して大きくなる。
そして、図9(F)の3段目の更新期間に示すように、蓄熱データ37の値が蓄熱レベル1の下限値「40」以上になると、図9(A)に示すように、PFモータ駆動制御部32は、その更新期間においてPFモータ11を駆動するときには休止時間を演算し、その休止時間が経過するのを待ってから各制御動作を開始するようになる。3段目以降の更新期間におけるPFモータ11の各制御動作は、休止時間の分だけ遅れて開始されるようになる。
その結果、3段目の更新期間におけるPFモータ11の合計の駆動時間は、たとえば2段目などより少なくなる。これにより、図9(C)および(F)に示すように、3段目の更新期間が経過した時点でのPFモータ11の温度上昇が抑えられ、且つ、蓄熱データ37の上昇も抑えられる。図9(F)の四段目の更新期間における蓄熱値およびPFモータの温度は、それらの3段目の値より低くなる。PFモータ11の温度上昇は、制御される。
特に、この実施の形態において、休止時間は、休止時間割合テーブル58から蓄熱値に基づいて選択した休止割合を、その直前のPFモータ11の駆動時間に乗算して決めている。したがって、休止時間は、PFモータ11の駆動時間に対して、確実にその休止割合に対応させて設けられる。つまり、駆動時間の長さに関係なく、実際に駆動した時間に対して確実に、その休止割合以上の休止時間を確保する。
したがって、今回のPFモータ11の駆動時間の駆動時間が不明であっても、PFモータ11の動作時間に対して一定の割合の休止時間を確実に確保することができ、必要十分な休止期間により、その休止割合の設定で期待している所望の冷却効果を得ることができる。また、PFモータ11の温度を検出する温度センサなどを設けなくとも、所望の冷却効果を得ることができる。
このように、インクジェットプリンタ1が、PFモータ11などの駆動制御を、各駆動動作が終了する度に判断することを好適に利用し、印刷などの一連の制御の間に、PFモータ11の発熱に応じた休止時間を挿入することで、PFモータ11の過熱を防止することができる。また、必要以上に長い休止時間が設定されることに起因するスループットの低下を防止することができる。
図10は、図3の休止時間割合テーブル58に基づく休止時間の設定による効果を示す説明図である。図10において、横軸は、時間であり、縦軸は、蓄熱値である。蓄熱値は、PFモータ11の温度と連動して変化する。図10において、点線は、休止時間を設けない場合の蓄熱値の変化を示す特性線であり、実線は、休止時間を設けた場合の蓄熱値の変化を示す特性線である。
PFモータ11による連続した印刷動作がなされると、蓄熱値は、PFモータ11の温度と連動して上昇する。休止時間を設けない場合には、蓄熱値は、この連続した印刷動作によって図10の点線で示すように、蓄熱レベル「4」まで上昇する。そのため、休止時間を設けない場合には、図10の限界期間での連続動作をすると、PFモータ11が過熱によって焼損してしまう恐れがあるため、インクジェットプリンタ1は、その限界期間以内に、印刷を中止しなければならない。
これに対して、休止時間を設けることで、蓄熱値は、図10の実線で示すように、同様の動作期間おいてたとえば蓄熱レベル「2」までしか上昇しない。そのため、インクジェットプリンタ1は、休止時間を設けない場合の限界期間を超えて連続する印刷動作を実行することができる。PFモータ11を過熱により焼損してしまうことなく、従来にない長い時間にわたって連続した印刷をすることができる。
特に、この実施の形態では、休止時間割合テーブル58の最上位の蓄熱レベル4(限界範囲)の上限の蓄熱値として、PFモータ11が熱により焼損する温度に対応する蓄熱値(限界蓄熱値)以下の値を設定し、しかも、その休止割合としては、インクジェットプリンタ1の動作環境温度の上限温度(たとえば40度)においてPFモータ11を印刷のために連続的に駆動したとしても、蓄熱値がその限界蓄熱値を超えていかない値を設定している。この休止割合の値は、最上位の蓄熱レベル4(限界範囲)の下限の蓄熱値から利用される。したがって、通常の使用環境下において、PFモータ11の温度は、最上位の蓄熱レベル4(限界範囲)の上限を超えて、PFモータ11を焼損する温度にまで上昇しないようにすることができる。
また、この実施の形態では、休止時間割合テーブル58のその他の蓄熱レベル(1〜3)を、1枚以上の所定枚数以下の用紙への印刷をしたときに蓄熱値が到達する値より高い範囲に設定している。したがって、蓄熱値が休止時間割合テーブル58の最上位の蓄熱レベル4に到達するまでの連続的な駆動時間を長くすることができ、その結果、連続的に印刷することができる印刷枚数を増やすことができる。
しかも、1枚以上の所定枚数以下の用紙への印刷をしたときには、蓄熱値は、蓄熱レベル1に到達しない。したがって、所定枚数以下の少ない枚数の印刷においては、休止時間による単位時間あたりの印刷枚数(スループット)の低下を生じることはなく、インクジェットプリンタ1が本来有するスループットにより連続的な印刷をすることができる。
また、その所定枚数以上となる枚数への連続的な印刷であっても、限界範囲での休止時間より短い休止時間によりPFモータ11の温度上昇を抑制して、比較的高いスループットを維持しながら連続的に印刷をすることができる。
図11は、この実施の形態のインクジェットプリンタ1による単位時間あたりの印刷枚数(スループット)の変化を示す説明図である。休止割合の値は、図3に示すように4段階である。なお、蓄熱値が40未満のときには、休止割合が「0(%)」となる。
図11中において実線で示すように、この実施の形態のインクジェットプリンタ1のスループットは、休止割合「0(%)」の状態から「50(%)」の状態まで4段階で段階的に低下する。この場合、連続的な印刷において、スループットは段階的に少しずつ低下する。
これに対して、仮にたとえばインクジェットプリンタ1が蓄熱レベル「4」の休止割合「50」のみを持っている場合には、図11中において点線で示すように、連続的な印刷期間において、あるタイミングで突然にスループットが大きく低下してしまう。このようにスループットが急激に変化した場合、それが正常な制御動作であるにもかかわらず、ユーザは、インジェットプリンタに不具合が発生したと誤認識してしまう可能性がある。本実施の形態では、このようなユーザの誤認識を招いてしまうことはない。
また、この実施の形態では、蓄熱データ37を演算する蓄熱更新部34とは別に、瞬時搬送速度データ24から瞬時的な発熱値を演算する瞬時発熱演算部33を有する。そして、蓄熱更新部34は、瞬時発熱演算部33の動作周期である所定の計測期間より長い所定の更新期間毎に動作する。
したがって、所定の計測期間毎に、蓄熱データ37を演算し、更新する必要がない。PFモータ11の発熱量は、その動作状態に応じて短い時間の間に大きく変化するものである。瞬時発熱演算部33による計測期間は、PFモータ11の発熱量に関する値を正確に演算するためには、その変化を計測によりとらえることができる期間(たとえば数ミリ秒毎)とする必要がある。この実施の形態では、蓄熱データ37の更新間隔は、その計測期間に拘束されなくなり、それより長い時間間隔にすることができる。
その結果、インクジェットプリンタ1におけるPFモータ11の温度上昇を抑制するための演算負荷を減らすことができ、この演算負荷により、たとえばインクジェットプリンタ1の本来の制御である印刷のための制御に悪影響を与えないようにすることができる。PFモータ11の温度上昇を抑制するための演算処理を、印刷のための制御を実行するマイクロコンピュータ12により実現することができる。マイクロコンピュータ12は、印刷のための制御と、PFモータ11の温度上昇を抑制するための演算処理とを同時に実行することができる。
以上の実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能である。
たとえば上記実施の形態では、主制御部31が、PFモータ11の駆動時間を計測している。この他にもたとえば、PFモータ駆動制御部32が、PFモータ11の駆動時間を計測するようにしてもよい。PFモータ駆動制御部32は、たとえば図8のフローチャートにおいて指示された駆動動作を開始する前に駆動時間の計測を開始し、その指示された駆動動作を終了した後に、その計測を完了し、最終駆動時間データ37を更新するようにしてもよい。
上記実施の形態では、用紙搬送に用いられるLDローラ3、PFローラ4および排紙ローラ8は、図示外のギアユニットを介して、PFモータ11により回転駆動される。この他にもたとえば、PFローラ4および排紙ローラ8は、PFモータ11により回転駆動されるとともに、LDローラ3は、別の搬送モータとしてのASF(Auto Seet Feeder)モータなどにより回転駆動されるようにしてもよい。
上記実施形態では、用紙を搬送するPFモータ11の温度を制御している。この他にもインクジェットプリンタ1は、CRモータ、ASFモータ、給紙トレイ2上の用紙をLDローラ3に当接させるASFサブモータ、キャリッジ6のインクを吸引する吸引モータなどの各種のモータを有することがある。これらのインクジェットプリンタ1のモータも、主制御部31の次の制御判断に基づいて駆動動作が指示される。PFモータに関する発熱制御は、これらのモータの発熱制御に利用することができる。
上記実施の形態では、蓄熱更新部34は、瞬時発熱演算部33とは別に設けられ、計測周期より長い更新周期により蓄熱データ37を更新している。この他にもたとえば、蓄熱更新部34に瞬時発熱演算処理部と同じ機能を組み込み、それを計測周期で動作させるようにしてもよい。
上記実施の形態では、瞬時発熱演算部33は、瞬時搬送速度データ24および式1に基づいて、PFモータ11の計測周期における発熱値を演算している。この他にもたとえばPFモータ11に流れる電流をセンサで検出し、瞬時発熱演算部33は、その検出電流から、PFモータ11の計測周期における発熱値を演算するようにしてもよい。また、式1以外の演算式などにより、PFモータ11の計測周期における発熱値を演算するようにしてもよい。
上記実施の形態では、PFモータ駆動制御部32が、蓄熱データ37に基づいて休止時間を演算し、休止時間の経過を待っている。この他にもたとえば、主制御部31が、蓄熱データ37に基づいて休止時間を演算し、休止時間の経過を待ち、各種の駆動指示を出力するようにしてもよい。この場合でも、PFモータ11の駆動時間に応じた所定の割合の休止時間を確保し、PFモータの温度を制御することができる。なお、この変形例の場合、主制御部31およびPFモータ駆動制御部32が、搬送制御手段に相当する。
本発明は、インクジェットプリンタにおいて、PFモータなどの搬送モータの温度を制御するために好適に利用することができる。
実施の形態に係るインクジェットプリンタの構成を示すブロック図である。 図1中のマイクロコンピュータのハードウェア構成を示すブロック図である。 図1中の休止時間割合テーブルのデータ構造を示すブロック図である。 図1中の主制御部が実行する主制御の流れを示すフローチャートである。 図1中の瞬時発熱演算部による発熱演算処理を示すフローチャートである。 図1中のPFモータに流れる瞬時電流の求め方を示す説明図である。 図1中の蓄熱更新部による蓄熱データの更新処理のフローチャートである。 図1中のPFモータ駆動制御部による給紙処理を示すフローチャートである。 インクジェットプリンタの、ある期間での動作を示す動作説明図である。 図3の休止時間割合テーブルに基づく休止時間の効果を示す説明図である。 インクジェットプリンタのスループットの変化を示す説明図である。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ、11 PFモータ(搬送モータ)、16 PFセンサ(センサ)、32 PFモータ駆動制御部(搬送制御手段)、33 瞬時発熱演算部(瞬時発熱演算手段)、34 蓄熱更新部(蓄熱演算手段)、52 メモリ(記憶手段の一部)、55 EEPROM(記憶手段の一部)、58 休止時間割合テーブル

Claims (8)

  1. 用紙の搬送に使用される搬送モータと、
    上記搬送モータの前回の駆動制御時間を記憶する記憶手段と、
    上記搬送モータの温度に関する値が所定の値の範囲内である場合、上記記憶手段に記憶される上記搬送モータの前回の駆動制御時間と、所定の休止割合データとに基づいて休止時間を演算し、その休止時間の経過を待ってから上記搬送モータの制御を開始する搬送制御手段と、
    を有することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 用紙の搬送に使用される搬送モータと、
    上記搬送モータの駆動速度に基づいて演算される上記搬送モータの瞬時的な発熱量に関する値から、上記搬送モータの蓄熱量に関する値を演算する蓄熱演算手段と、
    上記蓄熱量に関する値についての所定の値の範囲に対応付けられた休止割合データを有する休止時間割合テーブル、および上記搬送モータの前回の駆動制御時間を記憶する記憶手段と、
    上記蓄熱演算手段により演算された上記蓄熱量に関する値が上記休止時間割合テーブルの上記所定の値の範囲内である場合、上記記憶手段に記憶される上記搬送モータの前回の駆動制御時間と、上記休止時間割合テーブルにおいてその該当する所定の値の範囲と対応付けられた上記休止割合データとに基づいて休止時間を演算し、その休止時間の経過を待ってから上記搬送モータの制御を開始する搬送制御手段と、
    を有することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  3. 前記休止時間割合テーブルは、前記蓄熱量に関する値についての前記所定の値の範囲として、前記搬送モータが熱により焼損する温度以下の範囲である限界範囲を有し、且つ、その限界範囲に対応する前記休止割合データとして、インクジェットプリンタの動作環境温度の上限温度において前記搬送モータを印刷のために駆動する場合でも、前記蓄熱量に関する値が上記限界範囲の上限値を超えなくなる割合のものを有するものであることを特徴とする請求項2記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記休止時間割合テーブルは、前記限界範囲およびその休止割合データの他に、前記限界範囲より低い範囲である他の所定の値の範囲およびその休止割合データを有し、且つ、上記他の所定の値の範囲は、1枚以上の所定枚数以下の前記用紙へ印刷をしたときに前記蓄熱量に関する値が到達する値より高いものであることを特徴とする請求項3記載のインクジェットプリンタ。
  5. 前記搬送モータの駆動速度から、所定の計測期間毎に、前記搬送モータの瞬時的な発熱量に関する値を演算する瞬時発熱演算手段を有し、
    前記蓄熱演算手段は、上記所定の計測期間より長い所定の更新期間毎に、その間に上記瞬時発熱演算手段により演算された複数の瞬時的な発熱量に関する値を用いて、前記搬送モータの蓄熱量に関する値を演算すること、
    を特徴とする請求項2から4の中のいずれか1項記載のインクジェットプリンタ。
  6. 前記搬送モータは、給紙トレイ上の前記用紙を印字位置まで搬送する給紙制御に使用されるものであることを特徴とする請求項2から5の中のいずれか1項記載のインクジェットプリンタ。
  7. 前記搬送制御手段は、給紙トレイ上の前記用紙を印字位置まで搬送する制御において、前記給紙トレイ上の前記用紙を所定の速度まで加速した後に所定の定速で搬送する制御により前記給紙制御を開始し、その後、搬送中の前記用紙が検出された後に、搬送中の前記用紙の速度を上記定速から減速停止することを特徴とする請求項6記載のインクジェットプリンタ。
  8. インクジェットプリンタにおいて用紙の搬送に使用される搬送モータの制御方法であって、
    上記搬送モータの温度に関する値が所定の値の範囲内である場合、上記搬送モータの前回の駆動制御時間と、所定の休止割合データとに基づいて休止時間を演算するステップと、
    演算された上記休止時間が経過することを待つステップと、
    上記休止時間が経過した後に、上記搬送モータの所定の制御を開始するステップと、
    を有することを特徴とする搬送モータの制御方法。
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