JP3782859B2 - 車載用コンソールボックスのカップホルダー - Google Patents

車載用コンソールボックスのカップホルダー Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車載用コンソールボックスのカップホルダーに関し、特に車の振動等によりカップがガタ付くのを防止できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のカップホルダーとしては、例えばコンソールボックスのリッドにカップが挿入可能な上下に貫通したカップ挿入口を設けていた。
そして、上記カップ挿入口からカップを挿入し、カップの底をコンソールボックスの中空内部の底に載置していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来のカップホルダーの構造では、カップ挿入口が開放しているので、見栄えが悪く、又、コンソールボックスの中空内部に埃等が侵入してしまうおそれがあるという第1の問題点があった。
また、カップ挿入口の内径と、カップの外径とが一致していない場合に、問題となる。
【0004】
すなわち、カップ挿入口の内径がカップの外径より大きいと、カップ挿入口内でカップがガタ付くおそれがあるという第2の問題点があった。
逆に、カップ挿入口の内径がカップの外径より小さいと、カップが挿入できず、不便であるという第3の問題点があった。
一方、コンソールボックスの中空内部の深さが問題となる場合がある。
【0005】
すなわち、コンソールボックスの中空内部の底が深く、しかも、カップ挿入口の内径がカップの外径より大きいと、カップがコンソールボックスの中空内部に落ち込み、倒れたり、或いは取り出し難くなってしまうという第4の問題点もある。
なお、現在、いわゆる1BOX(ワン・ボックス)タイプの車では、コンソールボックスの収納量の拡大を図るため、その中空内部の底を深くする傾向がある。
【0006】
そこで、請求項1〜5記載の発明は、上記した従来の技術の有する第1〜4の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次の点にある。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、次の目的を有する。
第1は、カップ挿入口をスライド扉により開閉することができるようにしたものである。
【0007】
第2は、スライド扉のスライド量を調節することで、径の異なるカップをガタ付き無く保持することができるようにしたものである。
第3に、折り畳み式のカップ受けを設けているので、高さの異なるカップを保持することができるようにしたものである。
第4に、カップ受けの各突軸を、カップ受け軸受部のガイド溝に合わせて挿入することで、カップ受けの各突軸がカップ受け軸受部の軸穴にはめ込むことができるようにしたものである。
(請求項2)
請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の目的に加え、次の目的を有する。
【0008】
すなわち、請求項2記載の発明は、途中の位置でスライド扉がクリック感を持って停止するようにしているので、スライド扉の位置決めを容易に行うことができるようにしたものである。
(請求項3)
請求項3記載の発明は、上記した請求項1又は請求項2記載の発明の目的に加え、次の目的を有する。
【0009】
すなわち、請求項3記載の発明は、スライド扉を閉じた位置で、クリック感を持って停止するようにしているので、スライド扉を閉じた位置に保持し易くできるようにしたものである。
(請求項4)
請求項4記載の発明は、上記した請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明の目的に加え、次の目的を有する。
【0010】
すなわち、請求項4記載の発明は、スライド扉を複数枚のスライド板から構成することで、スライド扉の収納スペースを減少することができるようにしたものである。
(請求項5)
請求項5記載の発明は、上記した請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明の目的に加え、次の目的を有する。
【0011】
すなわち、請求項5記載の発明は、使用位置では、カップ受けの隆起部が、リッドベースのガイド溝内に位置し、カップ受けが節度感を持って回転し、しかもカップ受けのガタ付きを防止できるようにしたものである。
これに加えて、請求項5記載の発明は、折畳位置では、カップ受けの隆起部が、リッドベースのスリットの内部に設けた窪部内に位置し、折畳位置に向かってカップ受けが節度感を持って回転し、しかも折畳位置でのカップ受けのガタ付きを防止できるようにしたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
(特徴点)
各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、各発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
【0013】
なお、カッコ内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものでない。
また、図面番号も、発明の実施の形態において用いた図番を示し、本発明の技術的範囲を限定するものでない。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、次の2つの点を特徴とする。
【0014】
第1に、車載用コンソールボックス(10)には、例えば図1,2に示すように、ボックス本体(20)、リッド(40)を備える。
上記ボックス本体(20)は、例えば図2に示すように、上面が開放した中空な構造である。
前記リッド(40)は、例えば図1,2に示すように、ボックス本体(20)の開放上面に開閉可能に取り付けられている。
【0015】
第2に、リッド(40)は、例えば図1,3に示すように、カップ挿入口(70)、スライド扉(90)を備える。
上記カップ挿入口(70)は、例えば図1,3に示すように、リッド(40)の上下に貫通している。
前記スライド扉(90)は、例えば図1,3,4に示すように、リッド(40)に設けられたスライドレール(80)にスライド可能に保持され、カップ挿入口(70)を開閉するものである。
【0016】
なお、スライドレール(80)を、例えば図4に示すように、リッド(40)と別体に設けたが、これに限らず、例えばリッド(40)のリッドベース(110)に一体的に設けても良い。
また、スライド扉(90)は、例えば図1,13に示すように、カップ挿入口(70)に挿入されたカップ(A〜C)の周囲に当接するようにスライドし、カップ挿入口(70)の開口量を調節することで、カップ挿入口(70)の内縁部との間でカップ(A〜C)を保持するものである。
【0017】
第3に、リッド(40)の下面には、例えば図1,4に示すように、カップ受け(100)を設けている。
上記カップ受け(100)は、例えば図14に示すように、リッド(40)の下面に回転可能に支持されている。
そして、カップ受け(100)は、リッド(40)の下面から下方につり下がった使用位置(例えば図1参照)と、この使用位置からリッド(40)の下面に向かって回転し、リッド(40)の下面と平行に折り畳まれた折畳位置(例えば図14参照)とに回転する。
【0018】
さらに、カップ受け(100)は、例えば図1に示すように、使用位置において、リッド(40)の下面とボックス本体(20)の中空部(21)の底との間に位置し、カップ挿入口(70)に挿入されたカップ(A,B)の底が載置されるものである。
第4に、カップ受け (100) は、例えば図4に示すように、略コ字形を成している。
【0019】
第5に、スライド扉 (90) のスライド方向に位置する前後の2つの各上端部には、例えば図4に示すように、板厚方向にそれぞれ突出した一対の突軸 (101) を設けている。
第6に、リッド (40) の下面には、例えば図4及び図9に示すように、各突軸 (101) をそれぞれ軸止する一対のカップ受け軸受部 (113) をそれぞれ設けている。
【0020】
第7に、各カップ受け軸受部 (113) の内部には、例えば図9に示すように、各突軸 (101) がはまり込む軸穴 (115) と、前記軸穴 (115) に向かって前記各突軸 (101) を挿入する際のガイド溝 (116) をそれぞれ設けている。
(請求項2)
請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0021】
すなわち、リッド(40)のスライドレール(80)と、スライド扉(90)との間には、例えば図8に示すように、凹凸部(96,82)のいずれか少なくとも一方をそれぞれに設けている。
上記凹凸部(96,82)は、図示しないが、スライド扉(90)のスライドの途中で互いにはまり合い、スライド扉(90)をスライドする操作者に、クリック感を与えるものである。
【0022】
なお、凹凸部(96,82)のうち、凹部(96)を、例えば図8に示すように、スライド扉(90)に設け、凸部(82)をスライドレール(80)に設けたが、逆にスライド扉(90)に凸部を設け、スライドレール(80)に凹部を設けても良い。
(請求項3)
請求項3記載の発明は、上記した請求項1又は請求項2記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0023】
すなわち、リッド(40)のスライドレール(80)と、スライド扉(90)との間には、例えば図8に示すように、第2の凹凸部(96,83)のいずれか少なくとも一方をそれぞれに設けている。
上記第2の凹凸部(96,83)は、スライド扉(90)によりカップ挿入口(70)を閉じた位置で互いにはまり合い、操作者にクリック感を与えるものである。
【0024】
なお、第2の凹凸部(96,83)のうち、凹部(96)を、例えば図8に示すように、スライド扉(90)に設け、凸部(83)をスライドレール(80)に設けたが、逆にスライド扉(90)に凸部を設け、スライドレール(80)に凹部を設けても良い。
(請求項4)
請求項4記載の発明は、上記した請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0025】
スライド扉(90)は、例えば図4,8に示すように、複数(例えば2枚)のスライド板(91,92)から構成されている。
なお、スライド板(91,92)は、例えば図4,8に示すように、2枚に限らず、3枚以上であっても良いし、或いはいわゆるアコーディオンカーテンのように棒状の部材を多節に連続させても良い。
【0026】
上記複数のスライド板(91,92)は、互いに上下に一部重なり合うようにしている。
(請求項5)
請求項5記載の発明は、上記した請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0027】
第1に、カップ受け(100)には、例えば図12に示すように、隆起した隆起部(102)を設けている。
第2に、リッド(40)には、例えば図12に示すように、カップ受け(100)の使用位置において、隆起部が内部に位置するガイド溝(116)と、折畳位置において、隆起部(102)が内部に位置する窪部(117)とをそれぞれ設けている。
【0028】
【発明の実施の形態】
(図面の説明)
図1〜14は、本発明の実施の形態の一例を示すものである。
図1は、コンソールボックスの一部を断面にした側面図を示す。
図2は、リッドを開放した状態を示す側面図を示す。
【0029】
図3〜7は、リッドをそれぞれ示し、図3は斜視図、図4は分解斜視図、図5は平面図、図6は図5のVI−VI線に沿う断面図、図7は図5のVII−VII線に沿う断面図をそれぞれ示す。
図8は、スライドレールとスライド扉とを示す拡大断面図を示す。
図9〜12は、軸受部とカップ受けとをそれぞれ示し、図9は分解斜視図、図10は分解断面図、図11は断面図、図12は平面図をそれぞれ示す。
【0030】
図13,14は、コンソールボックスの使用位置をそれぞれ示し、図13は側面図、図14は正面図をそれぞれ示す。
(車載用コンソールボックス)
図1中、10は、車載用のコンソールボックスを示し、このコンソールボックス10は、図示しないが、例えば運転席と助手席との間に配置され、いわゆるセンターコンソールボックスと呼ばれている。
【0031】
なお、コンソールボックス10は、いわゆるセンターコンソールボックスに限らず、後部座席に配置しても良い。
上記コンソールボックス10は、図1,2に示すように、大別すると、中空部21を有し、その上面が開放した中空なボックス本体20と、このボックス本体20の開放上面にヒンジ部材30を介して開閉可能に取り付けられるリッド40とを備える。
【0032】
上記ボックス本体20及びリッド40は、プラスチック製で、ヒンジ部材30は、例えば金属製である。勿論、ボックス本体20やリッド40を金属製とし、ヒンジ部材30をプラスチック製としても良い。
上記リッド40の自由端部には、図1,2に示すように、ストッパ50が設けられ、このストッパ50を介して、リッド40を閉位置(図1参照)にロックできるようになっている。
【0033】
また、リッド40の長さの途中には、図2に示すように、ボックス本体20に向かって延びたアーム60を設け、このアーム60により、リッド40の最大開放角度を規制している。
(リッド)
前記リッド40には、図1,3に示すように、上下に貫通した略方形のカップ挿入口70と、リッド40の内部に設けられたスライドレール80にスライド可能に保持され、カップ挿入口70を開閉するスライド扉90とを備えている。
【0034】
上記カップ挿入口70の内径は、図13に示すように、例えばペッドボトル類等のように外径の比較的大きな大径カップCを挿入できる大きさに設定されている。
前記スライド扉90は、図1,13に示すように、そのスライド量を可変することで、カップ挿入口70の開口量を調節できるようになっている。
【0035】
そして、スライド扉90のスライド量を調節することで、図1,13に示すように、例えば紙コップ類等の小径カップA、例えば缶類等の中径カップB、先に例示した例えばペッドボトル類等の大径カップC迄、カップ挿入口70中にガタ無く保持することができる。
すなわち、スライド扉90のスライド量を調節して、小径カップAの外周に当接させることで、スライド扉90と対向するカップ挿入口70の内縁部との間に挟んで保持できる。
【0036】
一方、リッド40の下面には、図7,14に示すように、カップ受け100が回転可能に軸止されている。
上記カップ受け100は、図7に示すように、下方につり下がった使用位置では、カップ挿入口70の下方に位置し、比較的高さの低い小径カップAや中径カップBの下面を、カップ受け100の上面に載置することができる。
【0037】
これに対し、カップ受け100が、図14に示すように、リッド40の下面とほぼ平行に折り畳まれた折畳位置では、リッド40のカップ挿入口70から待避する。このため、コンソールボックス10の中空部21の深さを有効に利用し、図13,14に示すように、比較的高さの高い大径カップCを、中空部21の底に載置することができる。
【0038】
一方、リッド40は、図4に示すように、大別すると、下側のリッドベース110と、上側のリッドカバー120とから構成されている。
そして、リッドベース110と、リッドカバー120とは、図示しないが、互いにねじ止めされている。
また、上記リッドベース110は、適度な弾性と、剛性とを有する熱可塑性樹脂で一体的に成形されている。同様に、リッドカバー120も、適度な剛性を有する熱可塑性樹脂で一体的に成形されている。
(リッドベース)
上記リッドベース110は、図4に示すように、板状で、その中央には、カップ挿入口70としての方形のリッド側挿入口71を設けている。
【0039】
そして、リッドベース110の一端部には、図2,6に示すように、ヒンジ部材30を固定し、このヒンジ部材30を中心に開閉できるようにしている。
また、リッドベース110の他端自由端部には、図4,6に示すように、ストッパ軸受部111を設け、このストッパ軸受部111にストッパ50のストッパ軸51を回転可能に軸止している。
【0040】
一方、リッドベース110の上面には、図4,7に示すように、リッド側挿入口71を挟んで左右両側に位置する左右一対のスライドレール80を固定している。
なお、左右のスライドレール80を、リッドベース110と別体としているが、これに限らず、リッドベース110に一体に成形しても良い。
上記各スライドレール80には、図4,7に示すように、互いに対向して横に開放したスライド溝81をそれぞれに設け、各スライド溝81には、スライド扉90の左右の両側縁部をスライド可能に差し込む。
【0041】
一方、リッドベース110の下面には、図4,6に示すように、リッド側挿入口71を挟んで左右両側に位置する左右一対のアーム軸受部112,112をそれぞれ設け、左右のアーム軸受部112には、アーム60のアーム軸61を回転可能に軸止している。
また、リッドベース110の下面には、図4,6に示すように、リッド側挿入口71を挟んで前後に位置する前後一対のカップ受け軸受部113,113をそれぞれ設け、前後のカップ受け軸受部113には、カップ受け100の両端部の各突軸101をそれぞれ回転可能に軸止している。
(リッドカバー)
前記リッドカバー120は、図4,6に示すように、下面が開放した中空構造を有し、その開放下面からリッドベース110がスッポリとはまり込み、両者はねじ止めして固定される。
【0042】
また、リッドカバー120のほほ中央には、図3,4に示すように、方形のカバー側挿入口72を設け、カバー側挿入口72は、リッドベース110のリッド側挿入口71と上下に方向に整合してカップ挿入口70となる。
(スライド扉)
前記スライド扉90は、図4,8に示すように、互いに上下に一部重なり合う複数、本実施の形態で、上下2枚のスライド板91,92から構成されている。
【0043】
上下2枚のスライド板91,92の左右の側縁部は、図7,8に示すように、左右のスライドレール80の各スライド溝81に差し込まれる。
そして、上側スライド板91の下面には、図4,6に示すように、その厚みを利用して連結段部93を設け、この連結段部93に引っ掛かる連結突起94を下側スライド板92の上面に設けている。
【0044】
このため、図6に示すように、連結段部93と連結突起94とが互いに引っ掛かることで、上下2枚のスライド板91,92がつながった状態でスライドする。
また、リッドカバー120のカバー側挿入口72の左右側縁部には、図4,6に示すように、上側スライド板91に向かって下方に突出した左右一対の突縁部121,121を設け、左右の突縁部121,121が上側スライド板91に当接することで、上側スライド板91の最大開放位置を規制している。
【0045】
一方、下側スライド板92の上面からは、図3,4に示すように、摘部95を突出し、この摘部95を持って下側スライド板92及び、これに連結された上側スライド板91のスライドを行うことができる。
また、下側スライド板92の端部には、図8に示すように、その厚みを利用して凹部96を設けている。
【0046】
これに対し、左右のスライドレール80の各スライド溝81の底には、図8に示すように、上記凹部96にはまり合う2つの凸部82,83を設けている。
上記2つの凸部82,83のうち、図8において向かって左側の第1凸部82は、下側スライド板92の開閉途中に位置させている。そして、下側スライド板92の凹部96が、第1凸部82にはまり合うことで、摘部95を持ってスライドする操作者にクリック感を与えている。なお、下側スライド板92をそのままスライドすると、その凹部96は第1凸部82を乗り越えてスライドする。
【0047】
なお、第1凸部82の位置は、下側スライド板92のスライド途中であれば良く、図8に示した位置に限定されない。
また、2つの凸部82,83のうち、図8において向かって右側の第2凸部83は、下側スライド板92を閉じる直前に位置させている。そして、下側スライド板92の凹部96が、第2凸部83にはまり合うことで、下側スライド板92を閉じる直前に操作者にクリック感を与えている。なお、下側スライド板92をそのまま閉じると、その凹部96は第2凸部83を乗り越えて、カップ挿入口70が閉じた状態となる。
【0048】
なお、下側スライド板92に、凹部96を設け、スライドレール80の各スライド溝81に2つの凸部82,83を設けたが、これに限らず、互いにはまり合う凹凸部であれば良く、下側スライド板92に凸部を設け、各スライド溝81に凹部を設けても良い。また、凸部82,83の数も、いずれか1個でも良いし、或いは3個以上としても良い。
(カップ受け)
前記カップ受け100は、図4、図9〜12に示すように、略コ字形を成し、その前後の2つの各上端部には、板厚方向にそれぞれ突出した一対の突軸101を設けている。
【0049】
また、カップ受け100の各上端部には、図4,9,10に示すように、突軸101の下側で、且つ前後の外側の面に、半球形に隆起した隆起部102をそれぞれ設けている。
これに対し、リッドベース110の下面の前後の各カップ受け軸受部113には、図9,10,12に示すように、カップ受け100の約90度の回転を許容するスリット114をそれぞれ設けている。
【0050】
上記各スリット114の内部には、図9,10に示すように、カップ受け100の各突軸101がはまり込む軸穴115をそれぞれ設けている。
また、各スリット114の下面からは、図9,10,12に示すように、軸穴115に向かってカップ受け100の各突軸101を挿入する際のガイド溝116を設けている。
【0051】
そして、図9,10に示すように、ガイド溝116に各突軸101を合わせて挿入すると、各突軸101やガイド溝116内のテーパー面によりスリット114が開く方向に押され、樹脂の弾力により、スリット114が拡開する。
さらに、各突軸101を深く挿入すると、図11に示すように、軸穴115内にはまり込み、このとき樹脂の弾性復元力により、スリット114が復元する。このため、各突軸101は、軸穴115内にパチンと節度感を持ってはまり込み、軸穴115内から抜けなくなる。
【0052】
一方、カップ受け100を、図6,7,11に示すように、下方に回転すると、リッド40のカップ挿入口70の下方に突出し、使用位置となる。
上記使用位置では、図1、並びに図14に二点鎖線で示すように、比較的高さの低い小径カップAや中径カップBの下面を、カップ受け100の上面に載置することができる。
【0053】
また、使用位置では、カップ受け100の隆起部102が、図11,12に示すように、リッドベース110のガイド溝116内に位置し、カップ受け100が節度感を持って回転し、しかもカップ受け100のガタ付きを防止できる。
これに対し、カップ受け100を、図13,14に示すように、上方に回転すると、リッドベース110の下面とほぼ平行に折り畳まれ、折畳位置となる。
【0054】
上記折畳位置では、図3に示すように、リッド40のカップ挿入口70の下方に突出しなくなる。
このため、コンソールボックス10の中空部21の深さを有効に利用し、図13,14に示すように、比較的高さの高い大径カップCを、中空部21の底に載置することができる。
【0055】
また、折畳位置では、カップ受け100の隆起部102が、図12に二点鎖線で示すように、リッドベース110のスリット114の内部に設けた窪部117内に位置し、折畳位置に向かってカップ受け100が節度感を持って回転し、しかも折畳位置でのカップ受け100のガタ付きを防止できる。
(ストッパ)
前記ストッパ50は、図4に示すように、左右のストッパ軸51を中心に上方に湾曲しても延びたバー状の操作部52と、下方に延びた爪状の爪部53とを有し、例えば適度な弾性と剛性とを有する熱可塑性樹脂で一体に成形されている。
【0056】
これに対し、コンソールボックス10の中空部21の周囲には、図1,2に示すように、上記ストッパ50の爪部53が引っ掛かる段状の係止部22を設けている。
一方、ストッパ50の左右のストッパ軸51は、図6に示すように、リッドベース110のストッパ軸受部111に回転可能に軸止される。
そして、ストッパ50の爪部53は、ストッパ50の全体の樹脂の弾力により、コンソールボックス10の係止部22に引っ掛かる方向に付勢されている。
【0057】
このため、リッド40を、図1に示すように、閉じると、ストッパ50の爪部53がコンソールボックス10の係止部22にパチンとはまり込み、リッド40を閉位置にロックする。
これに対し、ストッパ50の操作部52を上方に引き上げると、ストッパ50の全体が撓み、爪部53が係止部22から係脱し、ロック状態が解除される。このため、リッド40をそのまま上方に回転させると、図2に示すように、リッド40が開く。
(アーム)
前記左右のアーム60は、適度な弾性と剛性とを有する熱可塑性樹脂で一体に成形され、図2に示すように、各上端部のアーム軸61がリッドベース110の左右のアーム軸受部112にそれぞれ軸止され、下端部である自由端部がコンソールボックス10の中空部21に設けられたアーム受溝23内に突入している。
【0058】
そして、左右のアーム60のアーム受溝23内に突入した自由端部には、図2に示すように、アーム受溝23に引っ掛かる鍵形に屈曲した抜止部62を設けている。
このため、左右のアーム60の抜止部62が、図2に示すように、コンソールボックス10のアーム受溝23の裏側に引っ掛かることで、リッド40の最大開放角度を規制している。
【0059】
また、左右のアーム60の抜止部62には、図2,6に示すように、二股に分かれた弾性片63をそれぞれ設け、弾性片63がコンソールボックス10のアーム受溝23に押されて一旦、撓み、その後、アーム受溝23の裏側で、樹脂の弾性復元力によりパチンと拡開することで、リッド40をその自重や振動等により閉じないようにしている。なお、弾性片63がパチンと復元することで、リッド40を開放する操作者にクリック感や節度感を与えている。
【0060】
一方、左右のアーム60のアーム軸受部112側にも、図2,6に示すように、二股にV字形に延びたバネ片64をそれぞれ設け、バネ片64がコンソールボックス10のアーム受溝23に押されてパチンと開閉することで、リッド40を閉じる操作者にクリック感や節度感を与えている。
【0061】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、次の効果を奏する。
【0062】
第1は、カップ挿入口をスライド扉により開閉することができる。
第2は、スライド扉のスライド量を調節することで、径の異なるカップをガタ付き無く保持することができる。
第3に、折り畳み式のカップ受けを設けているので、高さの異なるカップを保持することができる。
【0063】
第4に、カップ受けの各突軸を、カップ受け軸受部のガイド溝に合わせて挿入することで、カップ受けの各突軸がカップ受け軸受部の軸穴にはめ込むことができる。
(請求項2)
請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0064】
すなわち、請求項2記載の発明によれば、途中の位置でスライド扉がクリック感を持って停止するようにしているので、スライド扉の位置決めを容易に行うことができる。
(請求項3)
請求項3記載の発明は、上記した請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0065】
すなわち、請求項3記載の発明によれば、スライド扉を閉じた位置で、クリック感を持って停止するようにしているので、スライド扉を閉じた位置に保持し易くできる。
(請求項4)
請求項4記載の発明は、上記した請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0066】
すなわち、請求項4記載の発明によれば、スライド扉を複数枚のスライド板から構成することで、スライド扉の収納スペースを減少することができる。
(請求項5)
請求項5記載の発明は、上記した請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0067】
すなわち、請求項5記載の発明によれば、使用位置では、カップ受けの隆起部が、リッドベースのガイド溝内に位置し、カップ受けが節度感を持って回転し、しかもカップ受けのガタ付きを防止できる。
これに加えて、請求項5記載の発明によれば、折畳位置では、カップ受けの隆起部が、リッドベースのスリットの内部に設けた窪部内に位置し、折畳位置に向かってカップ受けが節度感を持って回転し、しかも折畳位置でのカップ受けのガタ付きを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コンソールボックスの一部を断面にした側面図である。
【図2】 リッドを開放した状態を示す側面図である。
【図3】 リッドの斜視図である。
【図4】 リッドの分解斜視図である。
【図5】 リッドの平面図である。
【図6】 図5のVI−VI線に沿う断面図である。
【図7】 図5のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】 スライドレールとスライド扉とを示す拡大断面図である。
【図9】 軸受部とカップ受けとを示す分解斜視図である。
【図10】 軸受部とカップ受けとを示す分解断面図である。
【図11】 図10に対応し、軸受部とカップ受けとを示す断面図である。
【図12】 軸受部とカップ受けとを示す平面図である。
【図13】 コンソールボックスの使用位置を示す側面図である。
【図14】 図13の一部正面図である。
【符号の説明】
10 コンソールボックス 20 ボックス本体
21 中空部 22 係止部
23 アーム受溝 30 ヒンジ部材
40 リッド 50 ストッパ
51 ストッパ軸 52 操作部
53 爪部 60 アーム
61 アーム軸 62 抜止部
63 弾性片 64 バネ片
70 カップ挿入口 71 ベース側挿入口
72 カバー側挿入口 80 スライドレール
81 スライド溝 82 第1凸部
83 第2凸部 90 スライド扉
91 上側スライド板 92 下側スライド板
93 連結段部 94 連結突起
95 摘部 96 凹部
100 カップ受け 101 突軸
102 隆起部 110 リッドベース
111 ストッパ軸受部 112 アーム受片
113 カップ受け軸受部 114 スリット
115 軸穴 116 ガイド溝
117 窪部 120 リッドカバー
121 突縁部

Claims (5)

  1. 上面が開放した中空なボックス本体と、
    前記ボックス本体の開放上面に開閉可能に取り付けられるリッドと
    を備える車載用コンソールボックスであって、
    前記リッドには、
    前記リッドの上下に貫通したカップ挿入口と、
    前記リッドに設けられたスライドレールにスライド可能に保持され、前記カップ挿入口を開閉するとともに、前記カップ挿入口に挿入されたカップの周囲に当接するようにスライドし、前記カップ挿入口の開口量を調節することで、前記カップ挿入口の内縁部との間で前記カップを保持するスライド扉と
    を備え、
    前記リッドの下面には、
    前記リッドの下面に回転可能に支持され、
    前記リッドの下面から下方につり下がった使用位置と、前記使用位置から前記リッドの下面に向かって回転し、前記リッドの下面と平行に折り畳まれた折畳位置とに回転するとともに、
    前記使用位置において、前記リッドの下面とボックス本体の中空部の底との間に位置し、前記カップ挿入口に挿入されたカップの底が載置するカップ受けを設け、
    前記カップ受けは、略コ字形を成し、
    前記スライド扉のスライド方向に位置する前後の2つの各上端部には、板厚方向にそれぞれ突出した一対の突軸を設け、
    前記リッドの下面には、前記各突軸をそれぞれ軸止する一対のカップ受け軸受部をそれぞれ設け、
    前記各カップ受け軸受部の内部には、
    各突軸がはまり込む軸穴と、
    前記軸穴に向かって前記各突軸を挿入する際のガイド溝とをそれぞれ設けていることを特徴とする車載用コンソールボックスのカップホルダー。
  2. 前記リッドの前記スライドレールと、前記スライド扉との間には、
    前記スライド扉のスライドの途中で互いにはまり合い、前記スライド扉をスライドする操作者に、クリック感を与える凹凸部のいずれか少なくとも一方をそれぞれに設けていることを特徴とする請求項1記載の車載用コンソールボックスのカップホルダー。
  3. 前記リッドの前記スライドレールと、前記スライド扉との間には、
    前記スライド扉によりカップ挿入口を閉じた位置で互いにはまり合い、前記操作者にクリック感を与える第2の凹凸部のいずれか少なくとも一方をそれぞれに設けていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車載用コンソールボックスのカップホルダー。
  4. 前記スライド扉は、
    互いに上下に一部重なり合う複数のスライド板から構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車載用コンソールボックスのカップホルダー。
  5. 前記カップ受けには、隆起した隆起部を設け、
    前記リッドには、
    前記カップ受けの前記使用位置において、前記隆起部が内部に位置するガイド溝と、
    前記折畳位置において、前記隆起部が内部に位置する窪部とをそれぞれ設けていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車載用コンソールボックスのカップホルダー。
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