JPH05446Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、自動車のダツシユボードの上面に配
設され、ダツシユボード回りの小物の整理に使用
される自動車用ダツシユボードトレイに関する。

「従来の技術」 従来の自動車用ダツシユボードトレイは、概ね
平坦な盆状をなしており、そのトレイの上に種々
な小物が単に載置されるものであり、特に缶ジュ
ースや清涼飲料水など飲物の容器が載置されると
倒れ易く不安定であつた。また、ダツシユボード
の近くにテイツシユペーパ箱が置かれる場合は、
微細な埃をかぶる不便さがあり、さらに化粧直し
に使用される鏡なども立て掛けて使用することが
できないうえ埃をかぶる不便さがあつた。

従来の自動車用ダツシユボードトレイは、実開
昭58−194936号公報に示されるように、上面に凹
所を形成して物が妾りに移動したり落下したりし
ないようにしている。また、実開昭59−62044号
公報に示されるように、インスツルメントパネル
に載置板を引出し自由に嵌合支持し、手前に引出
した載置板上に物を載せたり、載置板にコツプ等
を挿通して保持する孔を穿設し、コツプ等の倒れ
を防止している。

さらに、実公昭40−35945号公報には、鏡付自
動車用グローブボツクスが開示されている。

「考案の解決しようとする課題」 しかしながら、テイツシユペーパ箱を単にダツ
シユボードトレイの凹所や載置板上に載せた場合
は、微細な埃をかぶるという問題点がある。

さらに、女性ドライバや女性同乗者が化粧直し
をする場合には、前記テイツシユペーパを用いた
り鏡を用いたりすることが多い。前記鏡付自動車
用グローブボツクス（実公昭40−35945号）は、
自動車のインスツルメントパネルの上板の一部を
切欠き、該部に閉止並びに開放位置に於いてばね
力によりセツトし得るグローブボツクスの開閉式
上蓋を設け、上縁をヒンジにより上蓋に取付ける
とともにその遊端側を押込み、掛止金具を介して
上蓋に掛止し得るようにした鏡を上蓋の裏面に取
付けたものである。このため、鏡を使用する際に
は先ず上蓋を開いてばね力により開放位置にセツ
トした後、上蓋の裏面に掛止した鏡を所定位置に
回動させるという操作を必要とし、手間が掛かつ
て不便であるという問題点がある。また、上蓋を
開閉式にし、ばね力により閉止及び開放位置にセ
ツトするようにし、かつ裏面に設けたヒンジによ
り鏡を回動させるようにするとともに、押込み掛
止金具により掛止するようにしたから、可動部分
が多く構成が複雑となる。さらに、経年使用によ
り可動部分にがたを生じたり、ばね力が弱まつた
りヒンジの摩擦力が弱まつて、鏡を所定位置で使
用することができなくなる虞れがあり、しかも鏡
を取外して使用することはできない等の問題点が
ある。

本考案は、特に自動車前面のダツシユボード
は、比較的狭い車室内にあつては、上下方向の空
間を、大きく取れる場所でありテイツシユペーパ
箱を収納する空間にも恵まれていること、及びダ
ツシユボードトレイはダツシユボード上面に形成
された取付口に対して上下方向に取付け取外し自
在である点に着目するとともに、上記各問題点を
解決するためになされたものであり、テイツシユ
ペーパ及び鏡を埃から守りかつ鏡の使用を便利に
した自動車用ダツシユボードトレイを提供するこ
とを目的とするものである。

「課題を課題するための手段」 上記目的を解決するための具体的手段として、
自動車用のダツシユボード上面に配設され、物を
安定に保持したり収納したりする凹所を形成した
自動車用ダツシユボードトレイにおいて、鏡体６
を嵌込むための嵌合凹所１０と、該嵌合凹所１０
の左右の上縁部に連通する軸受溝１２と、前記嵌
合凹所１０内に穿設したテイツシユペーパ取出し
口９と、該テイツシユペーパ取出し口９に通じて
前記嵌合凹所１０の底板の裏側に形成したテイツ
シユペーパ収納空所１５とを備えると共に、前記
鏡体６は、左右に突成した転回軸６３を前記軸受
溝１２内に嵌めて転回し、前記嵌合凹所１０に嵌
込むことにより前記テイツシユペーパ取出し口９
を覆う蓋体をなすとともに、引起し及び取外し使
用可能な鏡体６であつて裏面に鏡６が装着されて
いることを特徴とする自動車用ダツシユボードト
レイが提供される。

「作用」 上記構成によれば、通常において嵌合凹所１０
に嵌込まれた鏡体６が蓋体となつて、テイツシユ
ペーパ取出し口９を覆つている。鏡体６の左右の
突成した転回軸６３は、嵌合凹所９の左右縁部に
形成した軸受溝１２内に嵌まつており、この転回
軸６３を中心にして鏡体６を引起して裏面の鏡６
１を使用することができる。鏡体６を引起すこと
によりテイツシユペーパの取出し口９が開放され
その取出口９からテイツシユペーパ８を取出す事
ができる。また、前記軸受溝１２は嵌合凹所１０
の上縁部に連通しているから、鏡体６の転回軸６
３を抜出すことにより、鏡体６の嵌合凹所から取
外して鏡体６裏面の鏡６１を使用することができ
る。

自動車前面のダツシユボードは、比較的に狭い
車室内にあつては、上下方向の空間を大きく取れ
る場合であるから、テイツシユペーパ箱を収納す
る空間にも恵まれており、テイツシユペーパ取出
し口９に通じて嵌合凹所１０の底板の裏側に形成
したテイツシユペーパ収納空所１５を備える本考
案の構成に利用するのに適した場所である。

本来、ダツシユボードトレイはダツシユボード
上面に形成された取付口に対して上下方向に取付
け取外し自在であるから、本考案のダツシユボー
ドトレイは前記取付口を利用して良好に取付ける
ことができるものである。

「実施例」 次に、本考案の実施例を図面について説明す
る。

第１図から第７図に示されるように、本実施例
の自動車用ダツシユボードトレイ１は、可撓性の
ある合成樹脂により全体が略長方形をなし中央が
凹んだ盆状に形成されており、タバコ及びハンカ
チーフなどの一般的な小物を置く略四角形凹所２
と、缶ジユースまたは清涼飲料水などの縦長円筒
形状の飲物容器を置くための円筒形凹所３と、サ
ングラスおよびボールペンなどの細長い小物を置
くための横長凹所４と、２個の円筒形凹所３の間
に配設されたタバコ入れ、チユーインガムその他
の縦細長方形の小物を置くための小角筒形凹所５
と、鏡体６と、スピーカを取付けるための取付グ
リル７とを有する。横長凹所４の手前には、第３
図に示されるように斜面４１が形成されており、
横長凹所４に置かれる小物を容易に取出し得るよ
うになされている。略四角形凹所２の手前にも、
同様な斜面２１が形成されている。

第５図および第６図に示されるように、鏡体６
の下方には、該鏡体６を嵌め込むための嵌合凹所
１０が形成され、その嵌合凹所１０内にテイツシ
ユペーパ８を取出すための楕円形のテイツシユペ
ーパ取出口９が穿設されている。そして、その嵌
合凹所１０は、鏡体６と同様な略Ｔ字形に形成さ
れていると共に、左右に延出された延出凹所１１
を有しており、その延出凹所１１に指先を入れる
ことにより鏡体６の柄６２を掴み易くしてある。
前記テイツシユペーパ取出し口９に通じて前記嵌
合凹所１０の底板の裏側のテイツシユペーパ収納
空所１５が形成されている。

鏡体６には、第６図および第７図に示されるよ
うに、裏面に長方形の鏡６１が嵌め込まれてお
り、またその鏡６１の左右における鏡体６に転回
軸６３が突成されていて、その転回軸６３を嵌め
込むため、前記嵌合凹所１０の上縁部１０ａの奥
部左右には、該上縁部１０ａに連通する軸受溝１
２が設けられている。鏡体６の先端および後端に
は引掛突起６４，６５が突設されており、嵌合凹
所１０の奥部と手前には引掛突起６４，６５を嵌
める引留穴１３，１４が穿設されてる。

「作動」 上記構成において、略四角形凹所２，円筒形凹
所３、横長凹所４および小角筒形凹所５などに、
タバコ、飲物容器、サングラスおよびタバコ入れ
などをそれぞれ置くことは容易である。そして、
斜面２１および斜面４１を持つ略四角形凹所２お
よび横長凹所４からは、その斜面２１，４１を利
用してタバコおよびサングラスなどの一般的な小
物を取出すことができる。また、円筒形凹所３お
よび小角筒形凹所５に嵌め込むように配置された
飲物容器およびチユーインガムなどの縦長な小物
は、車両の振動や急な停車などによつては倒れな
いように充分に保持される。

鏡体６を利用する場合、および鏡体６の下のテ
イツシユペーパ８を取出す場合には、延出凹所１
１に指先を入れて鏡体６の柄６２を掴んで引起
し、転回軸６３を中心として第４図に示されるよ
うに鏡体６をトレイ１の背後の壁に立てかける
か、または第６図に示されるように鏡体６の転回
軸６３を嵌合凹所１０の左右の上縁部１０ａに連
通する軸受溝１２から抜出すことにより、鏡体６
自体を嵌合凹所１０から取外すことにより、鏡体
６の裏側の鏡６１を使用することができ、または
テイツシユペーパ８を取出し口９から取出すこと
ができる。また、鏡体６を嵌合凹所１０に嵌め込
む場合には、先端の引掛突起６４をトレイ１の引
留穴１３に嵌込み、かつ転回軸６３を軸受溝１２
に嵌め込むことにより、鏡体６の周囲が嵌合凹所
１０に嵌め込まれる。そして、テイツシユペーパ
８の取出し口９が鏡体６によつて覆われ蓋をされ
ると共に、鏡体６が下向に転回し、第１図に示さ
れるように鏡６１が露出しなくなり埃から守られ
る。テイツシユペーパ収納空所１５には図示略の
テイツシユペーパ箱が収納される。そのテイツシ
ユペーパ箱は例えばエンジン用クラツチ収納用床
凸部またはエアコンデイシヨナー箱の上などに置
かれる。

「効果」 以上述べたように、本考案の自動車用ダツシユ
ボードトレイは上記の構成を有するから、通常に
おいては嵌合凹所に嵌込まれた鏡体が蓋体となつ
て、テイツシユペーパ取出し口を覆つていること
から、テイツシユペーパおよび鏡体裏面の鏡面に
微細な埃が付着するのを防止することができ、ま
た、鏡体の左右に突成した転回軸は、嵌合凹所の
左右縁部に形成した軸受溝内に嵌まつており、こ
の転回軸を中心にして鏡体を引起して使用するこ
とができるとともに、鏡体を引起すことによりテ
イツシユペーパの取出し口が開放されテイツシユ
ペーパを取出すことができる。さらに、前記軸受
溝は嵌合凹所の上縁部に連通しているから、鏡体
の転回軸を該軸受溝から抜出すことにより、鏡体
自体を嵌合凹所から取出して裏面の鏡を使用する
ことが可能となる等の優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の自動車用ダツシユボ
ードトレイを示す平面図、第２図は−線によ
る断面図、第３図は−線による断面図、第４
図は鏡体を引起した状態を示す側面図、第５図は
−線による拡大断面図、第６図は作動説明に
供する分解斜視図、第７図は鏡体の背面図であ
る。 １……自動車用ダツシユボードトレイ、６……
鏡体、６１……鏡、６３……転回軸、９……テイ
ツシユペーパ取出し口、１０……嵌合凹所、１０
ａ……上縁部、１２……軸受溝、１５……テイツ
シユペーパ収納空所。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 自動車のダツシユボード上面に配設され、物を
   安定に保持したり収納したりする凹所を形成した
   自動車ダツシユボードトレイにおいて、 鏡体を嵌込むための嵌合凹所と、 該嵌合凹所の左右の上縁部に連通する軸受溝
   と、 該嵌合凹所内の穿設したテイツシユペーパ取出
   し口と、 該テイツシユペーパ取出し口に通じて前記嵌合凹
   所の底板の裏側の形成したテイツシユペーパ収納
   空所とを備えると共に、前記鏡体は左右に突成し
   た転回軸を前記軸受溝内に嵌めて転回し、前記嵌
   合凹所に嵌込むことにより前記テイツシユペーパ
   取出し口を覆う蓋体となすとともに、引起し及び
   取外し使用可能な鏡体であつて裏面に鏡が装着さ
   れていることを特徴とする自動車用ダツシユボー
   ドトレイ。