JP3781896B2 - 化粧用コンパクト容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は化粧用コンパクト容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
化粧用コンパクト容器として、例えば、上面に化粧品を収納する化粧品収納凹部を備えた皿状の容器本体と、該本体後部に後部を回動可能に連結して本体上面を開閉可能に設けた蓋体とを、各前部で係脱可能に構成してなるもの、或いは上面をパフ収納部に形成した中皿を、容器本体と蓋体との間に開閉可能に設けたもの、或いは、容器本体にパフ収納部を形成し、中皿上面に化粧品収納凹部を設けたもの等、種々の形態のものが知られている。
【0003】
これらの化粧用コンパクト容器は鏡を設けているのが一般的で、その固定面として、蓋体裏面がごく普通に挙げられる。また、中皿を有するものにあっては、蓋体裏面の他、中皿の下面を鏡の固定面としている場合もある。また、これら容器に於ける鏡の固定は、一般に両面テープを使用して行う場合が多く、また、鏡周囲の固定面に枠体を融着固定する等の方法が採用される場合もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年の廃棄物処理事情によれば、合成樹脂と金属或いは硝子等との分別処理が要望されており、従来のコンパクト容器では、鏡を分離することに考慮が払われておらず、裏面をピッタリ固定した鏡を引き剥がすのは極めて困難で、仮に外すことが可能であっても時間,手間が掛かっている。特に、従来容器に於ける鏡はその固定面に鏡と略同形状の凹部を形成して、その中に嵌合固定させている場合が多いため、余計取り外しが困難となる。また、周囲を融着したものにあっては、枠体は容器体同様の肉厚のものであり、その当接面をベタに融着しているので更に分離が困難となる。
【0005】
本発明は上記した点に鑑み、使用済みの容器から鏡のみを容易に分離することができるとともに、使用時には鏡が外れる等の不都合を生じる虞が少なく確実に固定させておくことができ、また、その構造も簡単な優れた化粧用コンパクト容器を提案するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本請求項1発明の容器は上記課題を解決するため、固定壁面aに形成した嵌合凹部2外側の壁表面縁部と、嵌合凹部内に嵌合させた鏡3の表面縁部とを被覆するとともに、外縁一部より非固定の指掛け突片4を一体に突設したシート状枠体5を、嵌合凹部外側の固定壁面縁部に周方向複数突設し且つシート状枠体5に穿設した透孔6を介して突出させた合成樹脂製突部7の先端を熱プレスすることにより固定し、以て鏡3を嵌合凹部2に固定したことを特徴とする化粧用コンパクト容器として構成した。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
本発明の化粧用コンパクト容器1は、図示例の如く、固定壁面aに形成した嵌合凹部2外側の壁表面縁部と、嵌合凹部2内に嵌合させた鏡3の表面縁部とを被覆するとともに、外縁一部より非固定の指掛け突片4を一体に突設した枠状をなすシート状枠体5により鏡3を固定壁面aに固定させている。
【0008】
固定壁面aは、鏡3を固定させるための壁面であり、化粧用コンパクト容器の形態によりその具体的な位置は種々採用できる。一般的には容器本体の後部に後部を回動可能に連結して容器本体上面を開閉可能に設けた蓋体の裏面を固定壁面とするが、容器本体上面を開閉可能に中皿を設けるとともに、中皿上面を開閉可能に蓋体を設けた形態の容器の場合には、中皿裏面を固定壁面としてもよく、従来の化粧用コンパクト容器の鏡を固定する壁面であればどの様な部分であっても採用できる。
【0009】
鏡3は、従来のこの種コンパクト容器に使用されているものが使用でき、その形状も、図示例の如き平面矩形状のものに限らず、例えば、平面円形状,平面楕円形状等種々の形状を採用できる。また、嵌合凹部2内に嵌合させた鏡3は、あまり密に嵌合させると廃棄時に取り外しが行い難くなるため、また、あまり嵌合凹部2より小さいとシート状枠体5による固定が行い難く、従って、鏡3が容易に外れる程度の出来るだけ嵌合凹部2の大きさに近い外周形状とすると良い。また、鏡の表面が嵌合凹部周囲の壁表面と略同じか若干突出する如く構成すると良く、その様に鏡の厚み,嵌合凹部の深さを調整すると良い。
【0010】
シート状枠体5は、使用時には鏡3を固定壁面aに固定し、廃棄の際に剥離して鏡3をその他の合成樹脂製部分と容易に分離させるために設けたもので、嵌合凹部2外側の壁表面縁部に周方向複数突設し且つシート状枠体5外側縁部に周方向複数穿設した透孔6を介して突出させた合成樹脂製突部7の先端を熱プレスすることにより固定し、以て鏡3を嵌合凹部2に固定している。鏡3を固定する具体的方法としては、例えば、図2に示す如く、鏡3を嵌合凹部2内に嵌合した後、シート状枠体5を、その各透孔6を各突部7に挿通させて装着し、次いで、シート状枠体5上方より各突部7先端を熱プレスして溶融拡大させ、透孔6周縁のシート状枠体5表面にフランジ状の係止突起7aを形成させる。
【0011】
上記透孔6及び突部7の数は、鏡3及びシート状枠体5の形状等により適宜選択すれば良く、矩形状のシート状枠体5の場合には、図示例の如く、少なくとも各コーナー部分に設けると良い。シート状枠体5の材質としては合成樹脂,紙,合成紙,或いはそれらの積層体等が挙げられる。また、その厚みは、通常のフィルム或いはシート程度の厚みのものが好ましく採用できる。また、その形状も、図示例の如く矩形状のものに限らず、鏡の形状に合わせてその縁部を一周する環状に形成することができるのはいうまでもない。
【0012】
図示例では、上面に化粧品収納凹部8及びパフ収納凹部9を凹設した容器本体10と、該本体の後部に後部を回動可能に連結して容器本体10上面を開閉可能に設けた蓋体11とを備え、蓋体11の裏面を矩形状に凹ませた嵌合凹部2を形成し、該凹部内に鏡3を固定する例を示している。また、図示例では、容器本体10の前面中央より後方へ押し込んで形成した凹部12内奥壁に突設した係合突起13に、蓋体11裏面前部より垂設したフック14を係合させて、閉蓋状態を維持させる如く構成するとともに、凹部12内に揺動可能に設けた押し釦15の押圧により係合突起13とフック14との係合を解除可能に構成した公知の係合手段を設けている。
上記した容器1は、廃棄の際に指掛け突片4をつかんでシート状枠体5を引き剥がすことができ、次いで鏡3を嵌合凹部2より外して分別処理を行うことが出来る。
【0013】
以上説明した如く、本発明容器は、固定壁面aに形成した嵌合凹部2外側の壁表面縁部と、嵌合凹部内に嵌合させた鏡3の表面縁部とを被覆するとともに、外縁一部より非固定の指掛け突片4を一体に突設したシート状枠体5を、嵌合凹部外側の固定壁面縁部に周方向複数突設し且つシート状枠体5に穿設した透孔6を介して突出させた合成樹脂製突部7の先端を熱プレスすることにより固定し、以て鏡3を嵌合凹部2に固定したので、使用時には薄いシート状枠体にそれを剥がす様な特別の外力が働くことが少ないとともに、指掛け突片は嵌合凹部周囲の固定壁面上にピッタリ当接して出っ張ることなく装着しておくことができて外力によりその部分から剥がれる虞は少なく、また、熱プレスにより各突部の先端がフランジ状に溶融拡大され、該フランジ状の係止突起の係止により充分な固定強度を得ることが可能であり、しかも鏡周囲を固定することが可能であるため、確実に鏡を固定させておくことができ、また、容器使用後の廃棄の際には、例えば、指掛け突片を爪先等で剥がして容易に立ち上がらせることができ、それを持ってシート状枠体5を確実容易に引き剥がすことが出来、鏡と他の合成樹脂材との分別廃棄を容易に行えるという特有の効果を発揮できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】同実施例の要部拡大断面図である。
【図3】同実施例の鏡取り付け前の蓋体部分を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
2…嵌合凹部,3…鏡,4…指掛け突片,5…シート状枠体,6…透孔,
7…突部,a…固定壁面

Claims (1)

  1. 固定壁面aに形成した嵌合凹部2外側の壁表面縁部と、嵌合凹部内に嵌合させた鏡3の表面縁部とを被覆するとともに、外縁一部より非固定の指掛け突片4を一体に突設したシート状枠体5を、嵌合凹部外側の固定壁面縁部に周方向複数突設し且つシート状枠体5に穿設した透孔6を介して突出させた合成樹脂製突部7の先端を熱プレスすることにより固定し、以て鏡3を嵌合凹部2に固定したことを特徴とする化粧用コンパクト容器。
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