JP3784558B2 - 化粧用コンパクト容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は化粧用コンパクト容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
化粧用コンパクト容器として、例えば、上面に化粧品を収納する化粧品収納凹部を備えた皿状の容器本体と、該本体後部に後部を回動可能に連結して本体上面を開閉可能に設けた蓋体とを、各前部で係脱可能に構成してなるもの、或いは上面をパフ収納部に形成した中皿を、容器本体と蓋体との間に開閉可能に設けたもの、或いは、容器本体にパフ収納部を形成し、中皿上面に化粧品収納凹部を設けたもの等、種々の形態のものが知られている。
【0003】
これらの化粧用コンパクト容器は鏡を設けているのが一般的で、その固定面として、蓋体裏面がごく普通に挙げられる。また、中皿を有するものにあっては、蓋体裏面の他、中皿の下面を鏡の固定面としている場合もある。また、これら容器に於ける鏡の固定は、一般に両面テープを使用して行う場合が多く、また、鏡周囲の固定面に枠体を融着固定する等の方法が採用される場合もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年の廃棄物処理事情によれば、合成樹脂と金属或いは硝子等との分別処理が要望されており、従来のコンパクト容器では、鏡を分離することに考慮が払われておらず、裏面をピッタリ固定した鏡をひきはがすのは極めて困難で、仮に外すことが可能であっても時間,手間が掛かっている。特に、従来容器に於ける鏡はその固定面に鏡と略同形状の凹部を形成して、その中に嵌合固定させている場合が多いため、余計取り外しが困難となる。また、周囲を融着したものにあっては、枠体は容器体同様の肉厚のものであり、その当接面をベタに融着しているので更に分離が困難となる。
【0005】
本発明は上記した点に鑑みなされたもので、使用済みの容器から鏡を容易に分離することができるとともに、使用時には鏡が外れる等の不都合を生じる虞がなく、確実に固定させておくことができ、また、その構造も簡単な優れた化粧用コンパクト容器を提案するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本請求項1発明の容器は、上記課題を解決するため、固定壁面Aに嵌合凹部2を形成するとともに、嵌合凹部2周縁部に固定した枠部材3により鏡4を固定してなり、枠部材3は、嵌合凹部周縁部に嵌合固定するとともに、内周面に鏡を嵌合させた周壁部5と、鏡4表面の相対向する縁部をそれぞれ被覆係止して掛け渡すととともに、それぞれ一端部を薄肉ヒンジ9を介して周壁部5表面側縁部に連結し、且つ、ヒンジ以外の周縁部に於いて周壁部5表面側縁部に凹凸係合手段10を介して係止した一対の係止板6とから構成してなることを特徴とする化粧用コンパクト容器として構成した。
【0007】
また、請求項2発明の容器は、固定壁面Aに嵌合凹部2を形成するとともに、嵌合凹部周縁部に固定した枠部材3により鏡4を固定してなり、枠部材3は、嵌合凹部周縁部に嵌合固定するとともに、内周面に鏡を嵌合させた周壁部5と、鏡4表面一縁部を被覆係止して掛け渡すとともに、鏡4の抜き出しを可能に突設した係止板部21と、鏡4表面の相対向する縁部を被覆係止して掛け渡すとともに、一端部を薄肉ヒンジ9を介して周壁部5表面側縁部に連結し、且つ、ヒンジ以外の周縁部に於いて周壁部5表面側縁部に凹凸係合手段10を介して係止した係止板6とからなることを特徴とする化粧用コンパクト容器として構成した。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
【0009】
本発明の化粧用コンパクト容器1は、図示例の如く、固定壁面Aに嵌合凹部2を形成するとともに、嵌合凹部2内の周縁部に固定した枠部材3により鏡4を固定している。
【0010】
固定壁面Aは鏡4を固定させるための壁面であり、化粧用コンパクト容器の形態によりその具体的な位置は種々採用できる。一般的には容器本体の後部に後部を回動可能に連結して容器本体上面を開閉可能に設けた蓋体の裏面を固定壁面とするが、容器本体上面を開閉可能に中皿を設けるとともに、中皿上面を開閉可能に蓋体を設けた形態の容器の場合には、中皿裏面を固定壁面としてもよく、従来の化粧用コンパクト容器の鏡を固定する壁面であればどの様な部分であっても採用できる。
【0011】
鏡4はガラス製で、従来のこの種コンパクト容器に使用されているものが使用でき、その形状も、図示例の如き平面矩形状のものに限らず、例えば、平面円形状、平面楕円形状等種々の形状を採用できる。
【0012】
枠部材3は、周壁部5と、一対の係止板6とから構成している。
【0013】
周壁部5は、嵌合凹部2周縁部に嵌合固定するとともに、内周面に鏡4を嵌合させたもので、その形状は、鏡4の形状にあわせて種々の形状を採用でき、また、その固定方法としても、強制的な嵌着固定、或いは接着材による接着、或いは融着、或いはこれらの組み合わせ等種々採用できる。
【0014】
図1に示す実施例では、横長矩形状をなすとともに、下端を開口した中空に周壁部5を形成しており、内周壁部5aと外周壁部5bとを頂板5cで一体に連結した形状に構成している。また、後部には枠部材3を嵌合させる際に蓋体の軸着部を逃げるための凹部7を形成している。更に、前部両側の内周表面縁部には、それぞれ係止板6を係止させるための係合突起8を突設している。
【0015】
各、係止板6は、鏡4表面の相対向する縁部をそれぞれ被覆係止して掛け渡す如く一対設けたもので、それぞれ一端部を薄肉ヒンジ9を介して周壁部5表面側縁部に連結し、また、ヒンジ9以外の周縁部に於いて周壁部5の表面側縁部に凹凸係合手段10を介して係止する如く構成している。
【0016】
各係止板6の形状は、鏡4の表面の相対向する縁部を被覆係止する形状であれば良く、従って鏡4の縁部の形状にあわせて種々選択すると良い。例えば、鏡が矩形状の場合には矩形状を、また、鏡4が円形や楕円形の場合にはその相対向する表面縁部の形状にそれぞれ形成すれば良い。
【0017】
図1に示す実施例では、周壁部5後部両側の表面側縁部にそれぞれ薄肉ヒンジ9を介して一体に連結した前後方向に長い矩形板状で、先端面に周壁部5の係合突起8下面に係合することにより、両者で凹凸係合手段10を構成する係合突起11を突設しており、鏡4表面の両側縁部を被覆係止する如く構成している。
【0018】
また、係止板6には指掛け部12を突設すると良い。この指掛け部12も種々の形態を採用でき、指で掴んで係止板の係合を外せる形態であれば、その形状にはこだわらない。図示例では、係止板6先端部より下方へL字板状の指掛け部12を突設している。
【0019】
尚、その凹凸係合手段も、図示例の如く周壁部5表面縁部に設けた係合突条8と、係止板6先端面に設けた係合突条11との係合による手段に限らず、周壁部5内周面に形成した凹溝内に係止板周縁部に突設した係合突条を嵌合させる方法、或いはその逆の方法であっても良い。
【0020】
図1に示す実施例では、上面に化粧品収納凹部13及びパフ収納凹部14を凹設した皿状の容器本体15と、該本体の後部に後部を回動可能に連結して容器本体15上面を開閉可能に設けた蓋体16とを備え、蓋体16の裏面を矩形状に凹ませた嵌合凹部2を形成し、該凹部内に鏡4を固定する例を示している。また、図示例では、容器本体15の前面中央より後方へ押し込んで形成した凹部17内奥壁に突設した係合突起18に、蓋体16裏面前部より垂設したフック19を係合させて、平蓋状態を維持させる如く構成するとともに、凹部17内に揺動可能に設けた押し釦20の押圧により係合突起18とフック19との係合を解除可能に構成した公知の係合手段を設けている。
【0021】
上記の如く構成した容器1は、例えば、鏡4を周壁部5内に嵌合させた後、その両側縁表面をそれぞれ被覆係止して係止板6を掛け渡し、各係止板の先端を係合させることにより装着することができる。また、使用後廃棄する際に、各係止板6の係合を外し、各係止板6を開いて鏡4を分離することができる。
【0022】
図5に示す実施例は、嵌合凹部周縁部に嵌合固定するとともに、内周面に鏡を嵌合させた周壁部5と、鏡4表面一縁部を被覆係止して掛け渡すとともに、鏡4の抜き出しを可能に突設した係止板部21と、鏡4表面の相対向する縁部を被覆係止して掛け渡すとともに、一端部を薄肉ヒンジ9を介して周壁部5表面側縁部に連結し、且つ、ヒンジ以外の周縁部に於いて周壁部5表面側縁部に凹凸係合手段10を介して係止した係止板6とからなる枠部材3を備えている。
【0023】
従って、図1に示す実施例に於ける一方の係止板6を、上記係止板部21に代えた以外は図1に示す実施例と同様である。この場合には、例えば、係止板部21下部に鏡4の一側部を挿入しつつ周壁部5内周に鏡を嵌合させ、他側部表面を被覆係止して係止板6を掛け渡し、係止板の先端を係合させることにより装着することが出来る。また、取り外しの際には、係止板6の係合を外し、係止板を開いて蓋体を係止板部21と反対側に傾ける等して鏡を引き出し分離することができる。
【0024】
尚、上記各部材は特に限定しないかぎり合成樹脂により形成すると良い。
【0025】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明容器は、既述構成とすることにより、使用時には、各係止板或いは係止板と係止板部とが鏡を係止固定していて外れる虞がなく、また、容器使用後の廃棄の際には、係止板の係合を外して容易に鏡と他の合成樹脂材との分離廃棄を行えるという特有の効果を発揮できるものである。
【0026】
また、鏡の装着も、枠部材の周壁部内へ挿入嵌合させた後、或いは枠部材の周壁部内へ一縁部を係止板部下面に挿入して嵌合させた後、係止板を回動させて周壁部に係合させるだけの簡単な操作で行えるものである。
【0027】
また、枠部材は合成樹脂により一体に形成することができるため、製造上の利点も兼ね備えている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】同実施例の蓋体の斜視図である。
【図3】同実施例の枠部材を示す一部切欠き要部斜視図である。
【図4】同実施例の鏡嵌合部分の縦断面図である。
【図5】本発明の他の実施例の蓋体の斜視図である。
【符号の説明】
2…嵌合凹部,3…枠部材,4…鏡,5…周壁部,6…係止板,
9…薄肉ヒンジ,10…凹凸係合手段,21…係止板部

Claims (2)

  1. 固定壁面Aに嵌合凹部2を形成するとともに、嵌合凹部2周縁部に固定した枠部材3により鏡4を固定してなり、枠部材3は、嵌合凹部周縁部に嵌合固定するとともに、内周面に鏡を嵌合させた周壁部5と、鏡4表面の相対向する縁部をそれぞれ被覆係止して掛け渡すととともに、それぞれ一端部を薄肉ヒンジ9を介して周壁部5表面側縁部に連結し、且つ、ヒンジ以外の周縁部に於いて周壁部5表面側縁部に凹凸係合手段10を介して係止した一対の係止板6とから構成してなることを特徴とする化粧用コンパクト容器。
  2. 固定壁面Aに嵌合凹部2を形成するとともに、嵌合凹部周縁部に固定した枠部材3により鏡4を固定してなり、枠部材3は、嵌合凹部周縁部に嵌合固定するとともに、内周面に鏡を嵌合させた周壁部5と、鏡4表面一縁部を被覆係止して掛け渡すとともに、鏡4の抜き出しを可能に突設した係止板部21と、鏡4表面の相対向する縁部を被覆係止して掛け渡すとともに、一端部を薄肉ヒンジ9を介して周壁部5表面側縁部に連結し、且つ、ヒンジ以外の周縁部に於いて周壁部5表面側縁部に凹凸係合手段10を介して係止した係止板6とからなることを特徴とする化粧用コンパクト容器。
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