JP3838703B2

JP3838703B2 - コンパクト容器

Info

Publication number: JP3838703B2
Application number: JP20363996A
Authority: JP
Inventors: 宏哲百合
Original assignee: Key Trading Co Ltd
Current assignee: Key Trading Co Ltd
Priority date: 1996-08-01
Filing date: 1996-08-01
Publication date: 2006-10-25
Anticipated expiration: 2016-08-01
Also published as: JPH1042943A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、使い勝手がよく、廃棄時にごみの分別収集に供することのできるコンパクト容器に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
ファンデーション等の化粧料を収容して携帯するコンパクト容器としては、従来から、図７に示すようなタイプのものが汎用されている。このコンパクト容器は、上面に化粧皿（図示せず）を収容する凹部３０ａが形成された合成樹脂製の容器本体３０の後端部に、同じく容器樹脂製の蓋体３１が、金属製ピン４０（図７の縦断面図である図８参照）を介してヒンジ連結されて構成されている。そして、上記蓋体３１の下面には、化粧する際に顔を映すための鏡３２が取り付けられている。なお、蓋体３１の前端下面には、係合用突出片３３が下向きに形成されており、この突出片３３が、容器本体３０の前端部の係合部３４と係合することにより、蓋体３１を閉じることができるようになっている。また、容器本体３０の前端部には切欠部３６が設けられており、この部分に、前後にわずかに回動する操作片３５が取り付けられている。この操作片３５を内側に押し込むことにより、上記突出片３３と係合部３４との係合が外れ、蓋体３１が開くようになっている。
【０００３】
このようなコンパクト容器では、通常、鏡３２が蓋体３１の下面にそのまま、あるいは下面に浅い凹部を形成してその凹部内に、接着剤等で一体的に固定されているため、簡単に外すことができない。また、ヒンジ連結に用いられる金属製ピン４０も、ヒンジ連結部の穴内に無理嵌めしているため、容易に抜き取ることができない。これは、コンパクト容器を携帯する際に、振動や落下等の外力が加わっても、蓋体３１から鏡３２が外れたり、容器本体３０から蓋体３１が外れたりしないよう考慮したものである。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、年々増加する廃棄物の処理が社会問題化しており、ごみ排出量の抑制と資源リサイクル促進の必要性が高まっている。このため、ごみの種類によって、分別収集を義務づける自治体も増えている。また、製造業者にも、容器や包装物等のリサイクルが義務づけられる傾向になってきている。このような社会状況にあって、上記従来のコンパクト容器は、蓋体３１下面の鏡３２と、ヒンジ連結用の金属製ピン４０とを外すことができないため、使用しなくなったコンパクト容器を廃棄する際、ガラス廃棄物である鏡３２と、金属廃棄物である金属製ピン４０と、合成樹脂廃棄物である容器本体３０および蓋体３１とを分離することができず、ごみの分別収集に供することができないという問題がある。また、鏡３２が蓋体３１に接着されたままで廃棄されると、その鏡３２が割れて破片が散乱し、危険が生じるという問題もある。
【０００５】
このため、ヒンジ連結部の金属製ピン４０については、これを合成樹脂製のピンに置き換えることが提案されている。また、コンパクト容器から鏡３２のみを簡単に取り外すことのできる構造にすることが強く望まれている。
【０００６】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、ヒンジ連結部に合成樹脂製の連結ピンが用いられ、しかもコンパクト容器から鏡のみを簡単に取り外すことができる、使い勝手のよいコンパクト容器の提供をその目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のコンパクト容器は、容器本体と、この容器本体の後端部に連結ピンを介してヒンジ連結される蓋体とを備えたコンパクト容器であって、上記蓋体が合成樹脂で形成されてその下面に、蓋体後端面から蓋体前端面手前側まで延びる鏡取り付け用の凹部が形成され、この凹部内に、凹部と嵌合しうる形状の鏡が、蓋体後端側から挿入されることにより着脱自在に保持され、上記容器本体が合成樹脂で形成されてその上面の後端部中央にヒンジ連結用の突設部が上向きに突設され、この突設部の左右両側面に合成樹脂製の連結ピンが一体形成され、上記突設部に対応する上記蓋体の後端部中央が、その後端を開放した状態で切欠き形成され、この切欠部に上記突設部を入り込ませてこの突設部で上記凹部からの鏡の抜け止めをするように構成し、上記切欠部の左右両側面に、上記連結ピンを回動自在に支受する軸受用の穴が形成され、コンパクト容器解体時に容器本体と蓋体とのヒンジ結合を、上記合成樹脂製連結ピンの弾性変形により解き、鏡を上記凹部から引き取り可能に構成したという構成をとる。
【０００８】
なお、本発明のコンパクト容器において、蓋体下面に形成される凹部の、前後方向に延びる両側面を、凹部底面から凹部開口縁部に向かって互いの間隔が徐々に狭くなるテーパに形成するとともに、上記鏡の、前後方向に延びる両側面も、裏面から表面に向かって互いの間隔が徐々に狭くなるテーパに形成すると、凹部と鏡の嵌合を簡単に行うことができ、好適であることがわかった。
【０００９】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
【００１０】
図１は、本発明の一実施の形態を示したものである。このコンパクト容器は、容器本体３０と蓋体３１との連結構造および鏡３２の取り付け構造に特徴を有するもので、それ以外の構造は、図７に示す従来のコンパクト容器と同一であり、同一部分に同一符号を付している。
【００１１】
すなわち、このコンパクト容器において、容器本体３０の後端部中央には、ヒンジ連結用の上向き突設部１が設けられており、その左右両端面から左右に、合成樹脂製の連結ピン２が一体的に形成されている。
【００１２】
一方、蓋体３１の後端部の中央部には、上記容器本体３０側の突設部１が入り込むための切欠部３が設けられ、左右の切欠残部には、上記連結ピン２を回動自在に支受する軸受用の穴４が形成されている。そして、上記穴４の下側には、連結ピン２を抜け止めするための溝４ａが形成されている。
【００１３】
また、上記蓋体３１の下面には、蓋体３１の後端面から前端面手前側まで延びる鏡取り付け用の浅い凹部５が形成されている（蓋体３１を下から見上げた図である図２参照）。この凹部５の、前後に延びる両側面５ａには、図示のようにテーパが形成されており、凹部５の底面から凹部５の開口に向かって（図面において上から下に向かって）、互いの間隔が徐々に狭くなるよう設定されている。そして、この凹部５内には、蓋体３１の後端側から鏡３２が挿入される。上記鏡３２の、前後に延びる両側面３２ａも、裏面から表面に向かって（図面において上から下に向かって）、互いの間隔が徐々に狭くなるようテーパに形成されており、このテーパ面が、上記凹部５のテーパ面に係合することにより、鏡３２が凹部５内に、着脱自在に嵌合保持されるようになっている。
【００１４】
なお、図２に示すように、上記凹部５の開口縁部のうち、前端側の縁部５ｂに、鏡３２を取り出す際に、爪をかけて鏡３２を後端側に押し出すための浅い円弧状の切欠部６が設けられている。７は、蓋体３１の周囲三方向に突設される側壁である。
【００１５】
このコンパクト容器によれば、連結ピン２が合成樹脂製であり、この連結ピン２と軸受用の穴４とが簡単に係合しているだけであるため、容器本体３０と蓋体３１とを容易に外すことができる。しかも、蓋体３１側に取り付けられた鏡３２も、蓋体３１の凹部５内に、簡単な係合で保持されているだけであるため、蓋体３１と容器本体３０を外し、鏡３２を後方にスライドさせて抜き取るだけで、容易に鏡を外すことができる。したがって、鏡３２を、合成樹脂製の蓋体３１，容器本体３０から分けてごみの分別収集に供することができる。そして、鏡３２は、他のガラス廃棄物とともに慎重に回収されるため、破損等の危険を招くことがない。
【００１６】
また、上記鏡３２は容易に外すことができるにもかかわらず、凹部５内では、鏡３２の左右両側面３２ａは凹部５の両側面５ａと係合し、鏡３２の後端部は、容器本体３０側の突設部１に抜け止めされているため、コンパクト容器携帯時に鏡３２が凹部５から外れて脱落するようなことがない。
【００１７】
なお、上記の例では、凹部５と鏡３２の、前後に延びる両側面５ａ，３２ａがともにテーパに形成されており、互いのテーパ面を係合させることにより、鏡３２が凹部５内に嵌合保持されるようになっているが、左右両側面５ａ，３２ａの形状は、上記のようにテーパにする必要はなく、鏡３２を前後方向にスライド挿入することによって嵌合できる形状であれば、どのような形状であっても差し支えはない。例えば、図３に示すように、凹部５の両側面５ａに段差２０を設け、この段差２０に、鏡３２（テーパや段差は不要）を係合して保持するようにしても差し支えはない。
【００１８】
また、上記の例では、蓋体３１を開いた状態で、蓋体３１を適宜の開度に位置決め保持することはできないが，例えば図４に示すように、蓋体３１の切欠部３の中央上端部に、後方に延びる係合片８を延設するとともに、容器本体３０の突設部１の中央上部に、後方に向かって所定幅で円弧状に膨出するストッパー部９を形成することにより、上記係合片８とストッパー部９との係合によって、蓋体３１を、垂直姿勢からやや後方に傾いた状態で、位置決め保持することができる。
【００１９】
すなわち、上記係合片８は、図５および図６に示すように、下面は真っ直ぐで、上面の先端部が湾曲面状に形成されており、蓋体３１を垂直姿勢から約５°後方に傾くよう開くと、上記係合片８の先端下面が、ストッパー部９の後端部に当接して係合し、蓋体３１がそれ以上後ろに倒れないようになっている（図６参照）。したがって、いちいち手で蓋体３１を支えておかなくても、この角度に蓋体３１を開いた状態で、顔を映しながら化粧することができ、使い勝手がよい。なお、図６の状態から、さらに力を加えて蓋体３１を後方に押すと、上記係合片８は上記ストッパー部９を乗り越えるため、蓋体３１を限度一杯まで（略１８０°まで）開くことができる。
【００２０】
なお、本発明のコンパクト容器は、図１あるいは図４のタイプのものに限らず、容器本体３０と蓋体３１とが合成樹脂製の連結ピン２を介してヒンジ連結されたものであれば、どのような構成のものであっても差し支えはない。
【００２１】
【発明の効果】
以上のように、本発明のコンパクト容器は、合成樹脂製の連結ピンを用いてヒンジ連結している。また、蓋体の凹部内に嵌合保持された鏡は、蓋体と容器本体とを外し、鏡を後方にスライドさせるだけで簡単に取り外すことができる。したがって、合成樹脂製の蓋体，容器本体から鏡を容易に外すことができ、これを他の部分から分けてごみの分別収集に供することができる。そして、鏡は、他のガラス廃棄物とともに慎重に回収されるため、破損等の危険を招くことがない。しかも、容易に外すことができるにもかかわらず、コンパクト容器携帯時に鏡が脱落するようなことがない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例を示す分解斜視図である。
【図２】上記実施例の蓋体を下から見上げた図である。
【図３】上記実施例の変形例の部分的な斜視図である。
【図４】本発明の他の実施例を示す分解斜視図である。
【図５】上記他の実施例の蓋体を閉じた状態の部分的な縦断面図である。
【図６】上記他の実施例の蓋体を所定角度に開いた状態の部分的な縦断面図である。
【図７】従来のコンパクト容器の一例を示す斜視図である。
【図８】上記従来例を開いた状態の部分的な縦断面図である。
【符号の説明】
１突設部
２連結ピン
５凹部
３０容器本体
３１蓋体
３２鏡

Claims

容器本体と、この容器本体の後端部に連結ピンを介してヒンジ連結される蓋体とを備えたコンパクト容器であって、上記蓋体が合成樹脂で形成されてその下面に、蓋体後端面から蓋体前端面手前側まで延びる鏡取り付け用の凹部が形成され、この凹部内に、凹部と嵌合しうる形状の鏡が、蓋体後端側から挿入されることにより着脱自在に保持され、上記容器本体が合成樹脂で形成されてその上面の後端部中央にヒンジ連結用の突設部が上向きに突設され、この突設部の左右両側面に合成樹脂製の連結ピンが一体形成され、上記突設部に対応する上記蓋体の後端部中央が、その後端を開放した状態で切欠き形成され、この切欠部に上記突設部を入り込ませてこの突設部で上記凹部からの鏡の抜け止めをするように構成し、上記切欠部の左右両側面に、上記連結ピンを回動自在に支受する軸受用の穴が形成され、コンパクト容器解体時に容器本体と蓋体とのヒンジ結合を、上記合成樹脂製連結ピンの弾性変形により解き、鏡を上記凹部から引き取り可能に構成したことを特徴とするコンパクト容器。
上記凹部の、前後方向に延びる両側面が、凹部底面から凹部開口縁部に向かって互いの間隔が徐々に狭くなるテーパに形成されており、上記鏡の、前後方向に延びる両側面も、裏面から表面に向かって互いの間隔が徐々に狭くなるようテーパに形成されている請求項１記載のコンパクト容器。