JP3898345B2 - 化粧用コンパクト容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は化粧用コンパクト容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
化粧用コンパクト容器として、例えば、上面に化粧品を収納する化粧品収納凹部を備えた皿状の容器本体と、該本体後部に後部を回動可能に連結して本体上面を開閉可能に設けた蓋体とを、各前部で係脱可能に構成してなるもの、或いは上面をパフ収納部に形成した中皿を、容器本体と蓋体との間に開閉可能に設けたもの、或いは、容器本体にパフ収納部を形成し、中皿上面に化粧品収納凹部を設けたもの等、種々の形態のものが知られている。
【0003】
これらの化粧用コンパクト容器は鏡を設けているのが一般的で、その固定面として、蓋体裏面がごく普通に挙げられる。また、中皿を有するものにあっては、蓋体裏面の他、中皿の下面を鏡の固定面としている場合もある。また、これら容器に於ける鏡の固定は、一般に両面テープを使用して行う場合が多く、また、鏡周囲の固定面に枠体を融着固定する等の方法が採用される場合もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年の廃棄物処理事情によれば、合成樹脂と金属或いは硝子等との分別処理が要望されており、従来のコンパクト容器では、鏡を分離することに考慮が払われておらず、裏面をピッタリ固定した鏡を引き剥がすのは極めて困難で、仮に外すことが可能であっても時間,手間が掛かっている。特に、従来容器に於ける鏡はその固定面に鏡と略同形状の凹部を形成して、その中に嵌合固定させている場合が多いため、余計取り外しが困難となる。また、周囲を融着したものにあっては、枠体は容器体同様の肉厚のものであり、その当接面をベタに融着しているので更に分離が困難となる。
【0005】
本発明は上記した点に鑑み、使用済みの容器から鏡のみを容易に分離することができるとともに、使用時には鏡が外れる等の不都合を生じる虞が少なく確実に固定させておくことができ、また、その構造も簡単な優れた化粧用コンパクト容器を提案するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の手段として、以下の通り構成した。即ち、固定壁面aに形成した嵌合凹部2外側の壁表面縁部と、嵌合凹部内に嵌合させた鏡3の表面縁部とにシート状固定片4を剥離可能に掛け渡し固定して鏡3を固定した。
【0007】
第2の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段に於いて、上記シート状固定片4が、嵌合凹部2外側の壁表面周縁部と、鏡表面周縁部とに掛け渡し固定した枠状をなすとともに、外縁一部より非固定の指掛け突片13を一体に突設して剥離可能に構成してなるシート状固定片4aである如く構成した。
【0008】
第3の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第2の手段として、上記シート状固定片4が、嵌合凹部2外側の壁表面周縁部に外周縁を線状の融着部14を介して固定するとともに、内周縁を鏡3表面周縁部に圧接固定して掛け渡し固定した枠状をなすシート状固定片4aである如く構成した。
【0009】
第4の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段に於いて、上記シート状固定片4が、嵌合凹部2外側の壁表面縁部と、鏡3表面縁部とに、周方向間隔をあけて複数掛け渡し固定してなるシート状固定片4b…である如く構成した。
【0010】
第5の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第4の手段に於いて、上記シート状固定片4b…が、嵌合凹部2外側の壁表面縁部と、鏡3表面縁部とに、周方向間隔をあけて複数掛け渡し固定してなる円形状をなすとともに、下面を粘着固定させることにより剥離可能に構成してなるシート状固定片4b…である如く構成した。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
本発明の化粧用コンパクト容器1は、図示例の如く、固定壁面aに形成した嵌合凹部2外側の壁表面縁部と、嵌合凹部2内に嵌合させた鏡3の表面縁部とにシート状固定片4を剥離可能に掛け渡し固定して鏡3を固定している。
【0012】
固定壁面aは、鏡3を固定させるための壁面であり、化粧用コンパクト容器の形態によりその具体的な位置は種々採用できる。一般的には容器本体の後部に後部を回動可能に連結して容器本体上面を開閉可能に設けた蓋体の裏面を固定壁面とするが、容器本体上面を開閉可能に中皿を設けるとともに、中皿上面を開閉可能に蓋体を設けた形態の容器の場合には、中皿裏面を固定壁面としてもよく、従来の化粧用コンパクト容器の鏡を固定する壁面であればどの様な部分であっても採用できる。
【0013】
鏡3は、従来のこの種コンパクト容器に使用されているものが使用でき、その形状も、図示例の如き平面矩形状のものに限らず、例えば、平面円形状,平面楕円形状等種々の形状を採用できる。また、嵌合凹部2内に嵌合させた鏡3は、あまり密に嵌合させると廃棄時に取り外しが行い難くなるため、また、あまり嵌合凹部2より小さいとシート状固定片4による固定が行い難く、従って、鏡3が容易に外れる程度の出来るだけ嵌合凹部2の大きさに近い外周形状とすると良い。また、鏡の表面が嵌合凹部周囲の壁表面と略同じか若干突出する如く構成すると良く、その様に鏡の厚み,嵌合凹部の深さを調整すると良い。
【0014】
シート状固定片4は、使用時には鏡3を固定壁面aに固定し、廃棄の際に剥離して鏡3をその他の合成樹脂製部分と容易に分離させるためのに設けたもので、合成樹脂,紙,合成紙,或いはそれらの積層体等より形成することができる。その厚みは、通常のフィルム或いはシート程度の厚みのものが好ましく採用できる。また、その形状も、図1に示す如き枠状のもの、或いは図5に示す如き帯状のもの、或いは図6に示す如く小円形状のもの等種々採用でき、その形態は種々採用できる。
【0015】
更に、シート状固定片4の固定方法も種々採用でき、例えば、接着剤による接着,或いは粘着剤による粘着,或いは超音波溶接等の方法による溶着等種々の方法が採用できる。
【0016】
図示例では、上面に化粧品収納凹部5及びパフ収納凹部6を凹設した容器本体7と、該本体の後部に後部を回動可能に連結して容器本体7上面を開閉可能に設けた蓋体8とを備え、蓋体8の裏面を矩形状に凹ませた嵌合凹部2を形成し、該凹部内に鏡3を固定する例を示している。また、図示例では、容器本体7の前面中央より後方へ押し込んで形成した凹部9内奥壁に突設した係合突起10に、蓋体8裏面前部より垂設したフック11を係合させて、閉蓋状態を維持させる如く構成するとともに、凹部9内に揺動可能に設けた押し釦12の押圧により係合突起10とフック11との係合を解除可能に構成した公知の係合手段を設けている。
【0017】
図1及び図2に示す実施例では、シート状固定片4が、嵌合凹部2外側の壁表面周縁部と、鏡表面周縁部とに掛け渡し固定した枠状をなすとともに、外縁一部より非固定の指掛け突片13を一体に突設して剥離可能に構成したシート状固定片4aを設けている。この場合のシート状固定片4aの固定手段としては、接着剤或いは粘着剤を用いて、その外周縁部を嵌合凹部2外側の壁表面周縁部に、また、その内周縁部を鏡3の表面外周縁部にそれぞれ接着或いは粘着させて固定することができる。また、超音波溶接等による融着の場合には、シート状固定片4の外周縁部を壁表面周縁部に融着するとともに、内周縁部を鏡3表面外周縁部に圧接して固定することができる。従って、この場合には鏡3表面を嵌合凹部2より若干突出させた嵌合状態を採用すると良い。
【0018】
また、この種のシート状固定片4を融着固定させる場合には、図3或いは図4に示す如く、線状の融着部14を形成して固定させると剥離の際により容易に行えるとともに、鏡の固定も充分に行える。図3に示す実施例では、四隅を線状の融着部14により固定した場合であり、図4に示す実施例は、嵌合凹部2周囲を囲繞して線状の融着部14により固定した場合を示す。
このシート状固定片4を枠状に形成する場合には、図示例の如く矩形状のものに限らず、鏡の形状に合わせてその縁部を一周する環状に形成することができるのはいうまでもない。
【0019】
本発明に於いて、シート状固定片4を、嵌合凹部2の外側の壁表面縁部と、鏡3の表面縁部とに、周方向間隔をあけて複数掛け渡し固定するとともに、剥離可能に構成したシート状固定片4b…として構成しても良い。この場合にシート状固定片4b…を比較的面積の小さいものとした場合には、鏡3の形状に係わらずその形状を変化させることなく使用できるため、汎用性に優れる利点がある。
【0020】
図5に示す実施例は、シート状固定片4が、嵌合凹部2外側の壁表面縁部と、鏡3表面縁部とに、周方向間隔をあけて複数掛け渡し固定した帯状をなすとともに、一端に非固定の指掛け突片13を突設して剥離可能に構成したシート状固定片4b…を設けた例を示している。
この場合の固定方法も上記図1乃至図4に示す実施例の方法が同様に採用できる。
【0021】
図6に示す実施例は、嵌合凹部2外側の壁表面縁部と、鏡表面縁部とに、周方向間隔をあけて複数掛け渡し固定してなる円形状をなすとともに、下面を粘着固定させることにより剥離可能に構成したシート状固定片4b…を設けている。
上記した容器1は、廃棄の際に指掛け突片13をつかんでシート状固定片4を引き剥がすことができ、また、粘着剤により粘着固定されている場合にはそのまま引き剥がすことができ、次いで鏡3を嵌合凹部2より外して分別処理を行うことが出来る。
【0022】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明容器は、固定壁面aに形成した嵌合凹部2外側の壁表面縁部と、嵌合凹部内に嵌合させた鏡3の表面縁部とにシート状固定片4を剥離可能に掛け渡し固定して鏡3固定したので、使用時には薄いシート状固定片にそれを剥がす様な特別の外力が働くことが少なく、また,充分な固定強度を得ることが可能であるため、確実に鏡を固定させておくことができ、また、容器使用後の廃棄の際に、薄いシート状固定片は簡単に剥離できるため、容易に鏡と他の合成樹脂材との分別廃棄を行えるという特有の効果を発揮できるものである。
【0023】
また、嵌合凹部2外側の壁表面周縁部と、鏡表面周縁部とに掛け渡し固定した枠状をなすとともに、外縁一部より非固定の指掛け突片13を一体に突設して剥離可能に構成してなるシート状固定片4aを設けたものにあっては、鏡周囲を固定することが可能であり、その固定をより確実に行えるとともに、指掛け突片は嵌合凹部周囲の固定壁面上にピッタリ当接して出っ張ることなく装着しておくことができて外力によりその部分から剥がれる虞は少なく、しかも、シート状固定片4aを剥がす際には、指掛け突片を爪先等で剥がして容易に立ち上がらせることができ、それを持って固定片を確実容易に引き剥がすことが出来る利点を兼ね備えている。
【0024】
また、前記容器に於いて、嵌合凹部2外側の表面周縁部に外周縁を線状の融着部14を介して固定するとともに、内周縁を鏡3表面周縁部に圧接固定して掛け渡し固定した枠状をなすシート状固定片4aを設けたものにあっては、充分な固定強度を得ることが可能であるとともに、指掛け突片を持っての固定片の引き剥がしが更に容易に行える利点を兼ね備えている。
【0025】
また、嵌合凹部2外側の壁表面縁部と、鏡3表面縁部とに、周方向間隔をあけて複数掛け渡し固定してなるシート状固定片4b…を設けたものにあっては、鏡の固定要点のみを固定させることができるため、効率の良い鏡の固定が行え、必要に応じてシート材の量も少なくすることができる利点を兼ね備えている。
【0026】
また、嵌合凹部2外側の壁表面縁部と、鏡3表面縁部とに、周方向間隔をあけて複数掛け渡し固定してなる円形状をなすとともに、下面を粘着固定させることにより剥離可能に構成してなるシート状固定片4b…を設けたものにあっては、各シート状固定片4b…を比較的小面積に形成することが可能であり、鏡の形状に係わらず、シート状固定片4bの形状を変える必要なく使用できる利点を兼ね備えている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】同実施例の鏡固定部分の要部分解斜視図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す鏡固定部分の斜視図である。
【図4】本発明の更に他の実施例を示す鏡固定部分の斜視図である。
【図5】本発明の更に他の実施例を示す鏡固定部分の斜視図である。
【図6】本発明の更に他の実施例を示す鏡固定部分の斜視図である。
【符号の説明】
2…嵌合凹部,3…鏡,4,4a,4b…シート状固定片,13…指掛け突片,
14…融着部,a…固定壁面
Claims (3)
- 固定壁面aに形成した嵌合凹部2外側の壁表面縁部と、嵌合凹部2内に嵌合させた鏡3の表面周縁部とに剥離可能に掛け渡し固定した枠状をなすとともに、外縁一部より非固定の指掛け突片13を一体に突設してなるシート状固定片4aにより鏡3を固定したことを特徴とする化粧用コンパクト容器。
- 固定壁面aに形成した嵌合凹部2外側の壁表面縁部と、嵌合凹部2内に嵌合させた鏡3の表面周縁部とに周方向間隔をあけて剥離可能に複数掛け渡し固定するとともに、一端に非固定の指掛け突片13を突設してなるシート状固定片4b…により鏡3を固定したことを特徴とする化粧用コンパクト容器。
- 固定壁面aに形成した嵌合凹部2外側の壁表面縁部と、嵌合凹部2内に嵌合させた鏡3の表面周縁部とに周方向間隔をあけて複数掛け渡し固定してなる円形状をなすとともに、下面を粘着固定させることにより剥離可能に構成したシート状固定片4b…により鏡3を固定したことを特徴とするコンパクト容器。
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- 1998-05-29 JP JP16591498A patent/JP3898345B2/ja not_active Expired - Fee Related
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