JP3781242B2 - 車両用シートにおけるシートクッション構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クッションフレームの一側部にサブフレームを並設して幅広のシートクッションを形成する車両用シートにおけるシートクッション構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図12は車両用シートを示したもので、この車両用シート100は、シートクッション101とリクライニング装置(図示せず)を備えたシートバック102で構成されている。
シートクッション101は、図13に示すような、クッションフレーム103の上面側に、表皮材104で覆われたクッション本体105を組み付けて形成されている。
【0003】
このような車両用シートにおいて、図14に示すように、クッションフレーム103の一側部にサブフレーム106を並設して幅広のシートクッションを形成することがある。
従来では、クッションフレーム103の一側部上面にサブフレーム106をスポット溶接し、図15に示すように、幅広のクッションフレーム107を形成している。
【0004】
このようなクッションフレーム107にクッション本体を取り付ける場合、従来では、図16に示すようなクッション本体の表皮材に縫製されたリテーナ108を上記クッションフレーム107のフランジ部に組み付けて取り付けられている。このリテーナ108には、クッションフレーム103のフランジ部103aを跨ぐために内側面の壁部108aにスリット109が形成されており、このスリット109をクッションフレーム103のフランジ部103aに組み付けてクッション本体をクッションフレーム107に組み付けている。このスリット109の代わりに図17に示すようにリテーナ108を二分割する場合もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術によると、リテーナ108にスリット109を入れるか、二分割する必要があるので、加工工数が増加し作業能率の低下を来していた。
【0006】
本発明は上記課題を解決し、リテーナに対する加工が不要になる車両用シートにおけるシートクッション構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、クッションフレームの一側部にサブフレームを並設して幅広のシートクッションを形成する車両用シートにおけるシートクッション構造において、上記クッションフレームの周囲に設けられたフランジ部の少なくともサブフレームを並設した側の角部に切り欠き部を形成し、クッション本体の表皮材に縫製した断面U字状のリテーナを上記切り欠き部を介して上記クッションフレームとサブフレームのフランジ部に装着したことにある。
こうして、クッションフレームの周囲に設けられたフランジ部の角部に切り欠き部を形成しているので、クッション本体の表皮材に縫製した断面U字状のリテーナをそのままクッションフレームとサブフレームのフランジ部に装着することができる。よって、リテーナにはフランジ部に対する逃げ用のスリットあるいは、分割は不要となる。
【0008】
また、本発明は、クッションフレームの一側部にサブフレームを並設して幅広のシートクッションを形成する車両用シートにおけるシートクッション構造において、上記クッションフレームのフランジ部に連設する上記サブフレームのフランジ部をクッションフレームのフランジ部よりも下方向に延出して形成し、クッション本体の表皮材に縫製した断面U字状のリテーナを上記クッションフレームとサブフレームのフランジ部に装着したことにある。
クッションフレームのフランジ部に連設する上記サブフレームのフランジ部をクッションフレームのフランジ部よりも下方向に延出して形成しているので、クッションフレームのフランジ部からサブフレームのフランジ部に断面U字状のリテーナを組み付けることができる。よって、リテーナにはフランジ部に対する逃げ用の大きいスリットあるいは、分割は不要となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
図1において、1はシートクッションで、幅広のクッションフレーム2と幅広のクッション本体3で構成されている。
幅広のクッションフレーム2はメインクッションフレーム4の一側部にサブフレーム5をスポット溶接により並設して形成されている。
メインクッションフレーム4は、図2および図3に示すように、周囲に設けられた壁部4aの上端部を外側に折り返してフランジ部4bを形成している。このフランジ部4bの上記サブフレーム5に並設される角部6には、下部側に切り欠き部7が形成されている。この切り欠き部7は後述するリテーナの高さ寸法hにほぼ対応する高さiに形成されている。
一方、上記クッション本体3は、図4ないし図6に示すように、クッション材8の周囲を表皮材9で覆って構成されている。クッション材8としては、たとえば発泡ウレタンフォーム等の素材を用いている。上記表皮材9の下端部には、断面U字状のリテーナ10が外周側の縁部に縫製によって取り付けられている。
【0011】
このリテーナ10をメインクッションフレーム4のフランジ部4bとサブフレーム5のフランジ部5aに組み付ける。このとき、メインクッションフレーム4の角部6には、下部側に切り欠き部7が形成されているので、メインクッションフレーム4とサブフレーム5の継ぎ目部分では、切り欠き部7を介してリテーナ10を組み付ける。こうして、リテーナ10には何ら加工を施さずにクッション本体3をクッションフレーム2に組み付けることができる。
【0012】
なお、リテーナ10は、図7および図8に示すように、表皮材9の内側に包み込むようにして縫製することにより、リテーナ10が外部に露出しないので、外観を向上することができる。
【0013】
図9ないし図11は、本発明の他の実施の形態で、この場合、サブフレーム11のフランジ部11aの下端部を延出してメインクッションフレーム4のフランジ部4bよりも下方向に突出させたものである。サブフレーム11のフランジ部11aは、並設されたメインクッションフレーム4のフランジ部4bから徐々に下方向に傾斜させて形成されている。
こうして、メインクッションフレーム4の切り欠き部7が浅い場合及び切り欠き部が無い場合にも、フランジ部11aの下端部の延出量を調整することにより、リテーナ10を容易に組み付けることができる。
【0014】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内で適宜変更して実施し得ることは言うまでもない。
【0015】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明による車両用シートにおけるシートクッション構造によれば次のような効果を奏することができる。
クッションフレームの一側部にサブフレームを並設して幅広のシートクッションを形成する車両用シートにおけるシートクッション構造において、上記クッションフレームの周囲に設けられたフランジ部の少なくともサブフレームを並設した側の角部に切り欠き部を形成し、クッション本体の表皮材に縫製した断面U字状のリテーナを上記切り欠き部を介して上記クッションフレームとサブフレームのフランジ部に装着したので、クッション本体の表皮材に縫製した断面U字状のリテーナをそのままクッションフレームとサブフレームのフランジ部に装着することができる。よって、リテーナにはフランジ部に対する逃げ用の切り欠き部あるいは、分割は不要となる。
クッションフレームの一側部にサブフレームを並設して幅広のシートクッションを形成する車両用シートにおけるシートクッション構造において、上記クッションフレームのフランジ部に連設する上記サブフレームのフランジ部をクッションフレームのフランジ部よりも下方向に延出して形成し、クッション本体の表皮材に縫製した断面U字状のリテーナを上記クッションフレームとサブフレームのフランジ部に装着したので、クッションフレームのフランジ部からサブフレームのフランジ部に断面U字状のリテーナを組み付けることができる。よって、リテーナにはフランジ部に対する逃げ用の大きい切り欠き部あるいは、分割は不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用シートにおけるシートクッション構造の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1のシートクッションのメインクッションフレームの切り欠き部を示す斜視図である。
【図3】図1のシートクッションのメインクッションフレームにリテーナを組み付ける状態を示す斜視図である。
【図4】図1のA−A線断面図である。
【図5】図1のB−B線断面図である。
【図6】クッションフレームとクッション本体を組み付けた状態の断面図である。
【図7】リテーナの取付け構造の変形例を示す断面図である。
【図8】図7のリテーナのクッション本体をクッションフレームに組み付けた状態の断面図である。
【図9】サブフレームの変形例を示す斜視図である。
【図10】図9のサブフレームにリテーナを組み付ける状態を示す斜視図である。
【図11】図10のX方向矢視図である。
【図12】車両用シートを示す斜視図である。
【図13】クッションフレームとクッション材を示す断面図である。
【図14】従来の幅広のクッションフレームを分解して示す斜視図である。
【図15】従来の幅広のクッションフレームを示す斜視図である。
【図16】従来のクッションフレームとクッション本体を組み付ける方法を示す斜視図である。
【図17】従来のクッションフレームとクッション本体を組み付ける方法を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 シートクッション
2 クッションフレーム
3 クッション本体
4 メインクッションフレーム
5 サブフレーム
6 角部
7 切り欠き部
8 クッション材
9 表皮材
10 リテーナ
11 サブフレーム
4b,5a フランジ部

Claims (2)

  1. クッションフレームの一側部にサブフレームを並設して幅広のシートクッションを形成する車両用シートにおけるシートクッション構造において、上記クッションフレームの周囲に設けられたフランジ部の少なくともサブフレームを並設した側の角部に切り欠き部を形成し、クッション本体の表皮材に縫製した断面U字状のリテーナを上記切り欠き部を介して上記クッションフレームとサブフレームのフランジ部に装着したことを特徴とする車両用シートにおけるシートクッション構造。
  2. クッションフレームの一側部にサブフレームを並設して幅広のシートクッションを形成する車両用シートにおけるシートクッション構造において、上記クッションフレームのフランジ部に連設する上記サブフレームのフランジ部をクッションフレームのフランジ部よりも下方向に延出して形成し、クッション本体の表皮材に縫製した断面U字状のリテーナを上記クッションフレームとサブフレームのフランジ部に装着したことを特徴とする車両用シートにおけるシートクッション構造。
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