JPH0418480Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、シートクツシヨンに対してシート
バツクを傾動可能に取付ける車両用シート（特に
自動車座席）に関し、より詳しくは前記シートク
ツシヨンの隅角部にシートバツクを取付けるため
のヒンジのヒンジ挿通用の切欠を有する車両用シ
ートの改良に係るものである。

（従来の技術） 従来、この種自動車座席のシートクツシヨン
は、クツシヨン部材に表皮部材を被覆し、この表
皮部材の左右側の隅角部にシートバツクを取付け
るヒンジを出すために切欠きを入れ、この切欠き
からヒンジを出している。すなわち、このシート
クツシヨンは、表皮部材に切欠きを入れ、この切
欠きからシートバツクを取付けるためのヒンジを
突出していた。

（考案が解決しようとする問題点） 上記自動車座席は、シートバツクをシートクツ
シヨンに取付けるため、シートクツシヨンのクツ
シヨン部材を被覆する表皮部材に切欠きを形成
し、この切欠きからヒンジを突出していたため、
切欠きから内部、すなわち、クツシヨン部材が露
呈し、外観上見栄えが悪くなる虞れがあつた。

この考案は、かかる点を改良すべくなされたも
のであり、前記ヒンジを挿通するための切欠きを
被覆し、内部のクツシヨン部材が露呈しない外観
上見栄えが良好な車両用シートを提供することを
目的とする。

（問題点を解決するための手段及び作用） 本考案にかかる車両用シートは、クツシヨン部
材を被覆する表皮部材におけるマチの隅角部にヒ
ンジを突出しうる切欠きを設け、この切欠きを被
覆するためのマチ片を、前記クツシヨン部材とヒ
ンジとの間に介在し、表皮部材のガクに縫着した
ものであり、このマチ片によつてクツシヨン部材
が外部に露出することが防止できる。

（実施例） 以下、本考案にかかる車両用シートの一実施例
を、第１図から第５図に基づいて説明する。

図面中、１はクツシヨン部材である発泡体製
（例えばウレタンフオーム）パツドで、パツド１
には着座面をほぼ覆うガク２（身頃部）と側部を
ほぼ覆うマチ３とを備える表皮部材４が被覆さ
れ、シートクツシヨン５が形成される。

この際、第３図に示すように、マチ３の隅角部
にはヒンジＡを突出しうる切欠き６を設けてあ
り、この切欠き６の縁部に沿つて折込み７，８を
設ける。そして、この切欠き６の縁部を補強する
ために両折込み７，８を一点鎖線９に沿つて縫製
する。次に、第４図に示すように、マチ３とは別
に切欠き６を被覆する大きさで、該切欠き６の角
部６ａ，６ｂにそれぞれ一致する位置に切込み１
０，１１を備えるマチ片１２を切欠６に設ける。
マチ片１２は、同図に示すように切込み１０，１
１を有する縁部に沿つてガク２接続用の折込み１
３を設け、マチ片１２はヒンジＡとガク２の縁部
に沿つて形成される折込み１４との間に介在され
る。

第５図及び第２図に示すように、マチ３の縁部
に形成された折込み１５とガク２の折込み１４と
の間に玉べり１６を介在しつつ糸１７によつて縫
製する際に、切欠き６においてはマチ片１２の折
込み１３とガク２の折込み１４とを縫製してい
る。

本考案は以上に述べたようであるから、第２図
に示すように、パツド１を表皮部材４によつて被
覆した際においても、切欠き６を被覆するマチ片
１２の下端縁がマチ３に縫着されていないため、
この部分より、図示するが如く、ヒンジＡを外部
に突出することができ、そのヒンジＡを突出する
部分の表皮部材はマチ片２によつて被覆され、パ
ツド１が外部から視覚されることがない。

（考案の効果） 以上に述べたように、本考案の車両用シート
は、表皮部材のマチの切欠きにおいて、この切欠
きよりも大きな形状のマチ片によつて切欠きを被
覆することができるとともに、ガク及びマチ片を
縫製しているため、確実にクツシヨン部材を前記
マチ片によつて被覆することができ、外観上見栄
えが良好化する。

又、マチ片の上端縁部と側端縁とには、切欠き
の角部に各々一致する位置に切込みを設けている
ため、マチ片をガクに縫製する際、ヒンジが外部
へ突出する様に、マチ片をガクに簡単に位置合わ
せでき、マチ片をガクに縫製する作業が簡単に行
える。

更に、マチ片はその上端縁を側端縁とをガクに
縫製し、マチ片の下端縁がマチに縫製されていな
いため、マチ片の下端縁とマチとの間からヒンジ
を確実に外部に突出することができる。従つて、
表皮部材に設けられた貫通孔よりヒンジを外部へ
突出する際には貫通孔とヒンジの位置が一致せ
ず、ヒンジによつて貫通孔周囲の表皮部材にしわ
が生じるが、本考案にあつては表皮部材のマチに
しわが生じることもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の車両用シートのシートクツシ
ヨンを示す斜視図、第２図は第１図示の−断
面図、第３図から第５図は本考案の車両用シート
の製作工程を示す斜視図である。 １……パツド、２……シートクツシヨン、３…
…マチ、４……表皮部材、５……シートクツシヨ
ン、６……切欠き、Ａ……ヒンジ、１７……糸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クツシヨン部材を表皮部材で被覆し、この表皮
   部材の隅角部に、シートクツシヨンのフレームに
   固定したヒンジを突出しうる切欠きを設けた車両
   用シートにおいて、この切欠きよりも大きな形状
   のマチ片を前記クツシヨン部材と前記ヒンジとの
   間に介在し、前記マチ片の上端縁と側端縁には前
   記切欠きの角部に各々一致する位置に切込みを設
   けてなり、前記マチ片の上端縁と側端縁とを前記
   表皮部材のガクに沿つて係着したことを特徴とす
   る車両用シート。