JP3779763B2 - 下糸自動供給装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、下糸自動供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上糸と下糸とを使用して縫製を行うミシン、特に高速の縫製作業を行う工業用のミシン等にあっては、下糸を巻回したボビンを頻繁に交換する必要がある。一般には、下糸が消費された時にミシンの運転を一旦停止し、ボビンを収容したボビンケースを釜から抜き取った後に、ボビンに下糸を巻回して再度釜に装着するか、或は予め用意しておいた下糸巻回済みのボビンを釜に装着するという一連の操作を手作業で行っている。
【0003】
しかしながら、このような人手によるボビンへの下糸の巻回作業及びボビンケースの交換作業は極めて非能率的であり、生産性の低下の原因となっている。そこで、本出願人は、特開平7−68071号公報や特願平6−285932号明細書等において、ボビンに対する下糸巻回作業及びボビン交換作業を自動的に行うようにした下糸巻回装置及びボビン交換装置を提案している。
【0004】
このような装置にかかるボビン交換装置は、ボビンを収容したボビンケースを把持または開放可能で釜に対するボビンケースの装着または取り出しを可能としたボビンケース把持手段を備えていると共に、当該ボビンケース把持手段が、釜位置及び下糸巻回装置の下糸巻回位置に移動できる構成になされている。そして、先ずボビン交換要求があったら、下糸が消費された釜内のボビンケースが釜内から抜き取られた後に、上記下糸巻回装置により予め下糸が巻回され(先巻きされ)待機状態にあるボビンケースが釜内に装着され、その後上記釜から抜き取られたボビンケースが上記下糸巻回位置に搬送される。次いで、この下糸巻回位置に搬送されたボビンケース内のボビンに対して、下糸巻回装置を構成するボビン駆動機構の回転出力軸が係合され、当該ボビンに対してボビン駆動機構側から回転駆動力が与えられる。この時、ボビン軸に対しては、下糸供給源からの下糸が糸案内手段によって既設のボビンケース開口部から供給され、上記ボビン駆動機構によるボビン回転に伴ってボビン軸に下糸が絡み付き、下糸が巻回される。そして、この下糸が巻回されたボビンを収容するボビンケースが、次のボビン交換要求があるまで待機状態にされ、ボビン交換要求があったら、上述したと同様にして釜内のボビンケースに対して交換され、これら動作が繰り返されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、上記装置では、ボビン交換時に装置とミシンとの干渉を防止する必要があり、ボビン交換時にミシン動作を禁止するようにしているが、このようにミシン動作を禁止すると縫製効率が低下することになる。従って、縫製効率を上げるために、当該装置にあっては、上述のように、ボビンに対して下糸を先に巻回しておいて(先巻きしておいて)当該ボビンを待機状態にするようにし、ボビン交換に要する時間を出来るだけ短くするようにしている。
【0006】
しかしながら、このようにボビンに下糸を予め先巻きしておくと、例えば糸種、糸番手を替える場合や糸の色を替える場合には、先巻きしてある下糸を除去してから新たに変更したい糸を巻回しなければならないことから、ボビン交換に要する時間が長くなりミシン動作の禁止時間が長くなって縫製効率が低下すると共に、除去した糸が無駄になるといった問題があった。
【0007】
そこで本発明は、例えば糸種、糸番手、糸色を変更する場合には、ボビン交換要求がある前における下糸の巻回、つまり先巻きを行わないようにし、先巻きしていた糸を除去していた分、ボビン交換に要する時間を低減して縫製効率の向上を図ると共に糸の無駄をなくすことができる下糸自動供給装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の下糸自動供給装置は、ボビンを収容したボビンケースと、下糸をボビンに巻回可能とした下糸巻回装置と、上記ボビンに巻かれた糸を除去する残糸除去装置と、前記ボビンケースを釜位置と装置の処理動作位置とに移動可能としたボビン交換装置と、をして、ボビン交換要求がある前に前記下糸巻回装置により空ボビンに下糸を予め巻回する先巻きをして当該先巻きをしたボビンを収容したボビンケースを待機させておき、ボビン交換要求がある場合には、前記ボビン交換装置により釜内のボビンケースを取り出して、前記先巻きしたボビンを収容するボビンケースを前記ボビン交換装置により釜に対して装着するようにした下糸自動供給装置において、前記下糸巻回装置によるボビン交換前における下糸の先巻きを、前記ボビン交換要求の有無にかかわらず禁止する下糸巻回禁止手段と、前記下糸巻回禁止手段がオンされている場合には前記下糸巻回装置による前記先巻きを行わずに空ボビンとし、その空ボビンを収容したボビンケースを前記ボビン交換装置により退避位置で待機状態とする一方、前記下糸巻回禁止手段がオンされていない場合には前記下糸巻回装置による前記先巻きをして、当該先巻きをしたボビンを収容したボビンケースを前記ボビン交換装置により前記退避位置で待機状態とする通電タイミング制御手段と、を設けたことを特徴としている。
【0009】
このような下糸自動供給装置によれば、例えば糸種、糸番手、糸色を変更する場合には、下糸巻回禁止手段によって、ボビン交換要求がある前の下糸巻回装置による巻回がボビン交換要求の有無にかかわらず禁止される。従って、変更糸をボビンに巻回する際に、ボビンに先に巻回されていた糸を除去する必要がなくなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態の下糸自動供給装置は、図1に示されているように、ミシンベッド101の下部に設けられており、下糸巻回装置(糸掛け、糸切り装置を含む)162と、残糸除去装置161と、ボビン交換装置160と、から概略構成されている。
【0011】
上記ボビン交換装置160は、ボビンケース把持手段によりボビンケースを把持して当該ボビンケースを、該ボビンケース把持手段の回転軌跡の対向位置にある下糸巻回装置162の下糸巻回位置C、残糸除去装置161の残糸除去位置B、釜位置(ボビンケース着脱位置)A、ダミー軸(ボビンケース保持手段)6のボビンケース着脱位置(ダミー位置)Dに移動し得る構成になされている。
【0012】
上記下糸巻回位置C、残糸除去位置Bは、図1に示されるように、搬送軸4の下方の範囲V且つ同軸線に沿った直立平面よりミシンベッド101を起こす際の回動支点103側の範囲Wに配置されている。また、残糸除去位置Bは下糸巻回位置Cより下方に配置されている。また、残糸除去位置Bの搬送軸線方向(図1における紙面に垂直な方向)の位置はボビンケース把持手段を後退させた退避位置にあり、下糸巻回位置Cの搬送軸線方向の位置はボビンケース把持手段を退避位置から多少前進させた位置(図1における紙面に向かって進めた位置)にある。また、上記ダミー位置Dは、釜位置Aの直下にある。
【0013】
因に、図1中における符号102はミシンテーブルを、106はオイルパンを、104,105は下軸を、Xはミシン頭部を引き起こす際の外周側の回動軌跡を、それぞれ示している。
【0014】
先ず、図2乃至図6を参照しながら、ボビン交換装置160について以下説明する。図2乃至図6において、符号1はボビンケース2が装着される釜を、符号1aは釜軸を、符号3はミシン本体に取り付けられたメインベースに立設されて釜1の直下に配設された支持体としてのベース板をそれぞれ示しており、該ベース板3には、釜軸1aに平行な軸心を有する搬送軸4の基端4aが固定され、該搬送軸4はベース板3に片持ち支持された状態となっている。この搬送軸4の先端4b側(反ベース板側)には、搬送ブロック12が、当該搬送軸4に対して回転可能且つ摺動可能に支持されている。この搬送ブロック12は、特に図2に示されているように、円筒の外周面を軸線方向に沿って2箇所切断し該切断面同士が対向するよう形成された形状を有しており、その搬送ブロック12の各切断面には、L字状に折曲された搬送板10,10のL字を構成する一方の板状部分がそれぞれ固定されている。また、L字を構成する他方の板状部分は、軸線を挟んで互いに対向した状態となっている。
【0015】
上記各搬送板10,10には、軸線方向に沿って釜側に延出するように折曲された保持部11,11の一方の端部がそれぞれ固定されており、これら保持部11,11の他方の端部(釜側を向く端部)には、ボビンケースを把持または開放するボビンケース把持手段(不図示)がそれぞれ固定されている。このボビンケース把持手段としては、例えば特開平5−192476号公報の下糸自動供給装置や本出願人が先に出願した特願平5−121960号明細書のミシンの下糸自動供給装置に記載されている一対の電磁石吸着ヘッドを始めとして、例えば本出願人が先に出願した特願平5−116363号明細書のミシンの下糸自動供給装置に記載されているレバー爪によるもの等、適宜のものを採用することができ、要は、ボビンケース2を必要に応じて対向部材(例えば、釜1)に対して着脱できるものであれば良い。
【0016】
再び図2乃至図6に戻って、上記搬送ブロック12の外周には回動歯車13が固定されており、該回動歯車13には、図3に示されるように、釜軸1a方向に沿って長尺なる形状の駆動歯車19が噛合している。この駆動歯車19は、その一端が、ベース板3に取り付けられたモータ固定板21の搬送軸他端側に突出した部分に回転可能に支持されており、他端は、モータ固定板21に固定された回動モータ20の出力軸に直結された状態となっている。
【0017】
従って、回動モータ20が回転すると、駆動歯車19、回動歯車13を介して、搬送ブロック12及び搬送板10,10並びに保持部11,11から構成される回動アーム70が回転するようになっている。なお、この回動アーム70の回転動作は、本実施形態にあっては、該回動アーム70が退避位置にある時(図3乃至図5参照)に行われるようになっている。
【0018】
上記搬送ブロック12の外周における上記回動歯車13より搬送軸4の固定端側には、図示されない例えばストップリングが固定されており、該搬送ブロック12の外周における回動歯車13とストップリングとの間には、直動カラー14が回転可能に支持されている。
【0019】
この直動カラー14には、図2乃至図4に示されるように、釜軸1aに平行に移動可能に支持されたラック16の一端が固定されており、このラック16の他端にはピニオン17が噛合している。このピニオン17は、ベース板3に取り付けられた移動モータ18の出力軸に固定されている。
【0020】
従って、上記移動モータ18が駆動すると、ピニオン17を介してラック16と共に、直動カラー14、回動アーム70が搬送軸4の軸線方向に沿って移動するようになっている。すなわち回動アーム70は、搬送軸4に対して回転できると共に、搬送軸4に沿って摺動できるようになっている。
【0021】
上記搬送軸4の開放端側には、センサ固定板33が取付けられており、このセンサ固定板33上には、発光素子31aと受光素子31bとからなる回動センサ31が取り付けられている。また、上記回動アーム70には、図2及び図3に示されるように、センサ板32が固定されており、該回動アーム70の回転時に、センサ板32が発光素子31aと受光素子31bとの間を通過し得るように、回動センサ31及びセンサ固定板33並びにセンサ板32の位置調整がなされている。
【0022】
ベース板3には、図2及び図4に示されるように、上記回動センサ31と同構造の直動センサ41が取り付けられている。また、上記ラック16には、センサ板15が固定されており、該回動アーム70の直動時に、センサ板15が直動センサ41の発光素子41aと受光素子41bとの間を通過し得るように、直動センサ41及びセンサ板15の位置調整がなされている。
【0023】
すなわち、ボビンケース把持手段が退避位置に移動すると、上記センサ板15が上記直動センサ41の発光素子41aと受光素子41bとの間を遮蔽することになり、これによってボビンケース把持手段の退避位置への移動が検出される。そして、今度は当該退避位置で原点位置が検索される。すなわち、ボビンケース把持手段を退避位置で回動させ、センサ板32が発光素子31aと受光素子31bとの間を遮蔽した位置を例えば原点位置としておけば、この位置にボビンケース把持手段を回動すると原点位置に復帰することになる。また、上記回動モータ20として例えばパルスモータを用いた場合には、このパルスモータのパルス数をカウントすることによって、該ボビンケース把持手段を、上記釜位置A、下糸巻回位置C、残糸除去位置B、ダミー位置Dに回動制御することができる。
【0024】
ここで、本実施形態においては、回動アーム70が退避位置にあって上記ボビンケース把持手段に把持されたボビンケース2が釜1に対向する位置を回動アーム70(ボビンケース把持手段)の原点位置としている。
【0025】
また、ベース板3における上記ボビンケース把持手段の回転軌跡の対向位置であって、図1に示されるように、釜1直下の位置Dには、ボビンケース保持手段としてのダミー軸6が固定されている。このダミー軸6は、特に図6に示されているように、中釜軸5と同構造となっており、ボビンが収容されたボビンケース2を押し込めば、該ボビンケース2を保持できるようになっている。そして、押し込められたボビンケース2の既設のボビン係止爪2dが、図1に示されるように、ダミー軸6の近傍に突設された回り止め部材5aaの係止溝に係合するよう構成されている。すなわち、ボビンケース2は所定の位置に位置決めされて保持されるようになっている。
【0026】
残糸除去位置Bには残糸除去装置161が配設されている。この残糸除去装置161としては、例えばボビンに巻かれた糸の先端を挟持または開放可能とした挟持部材を有し、一軸線を中心に例えばモータの駆動等によって回転することにより挟持部材により挟持したボビン糸を自動的に巻取可能としたものが用いられているが、要はボビンケース2をボビンケース把持手段によって把持した状態若しくはボビンケースを保持できる手段に該ボビンケース2が受け渡されて当該ボビンケース2を保持した状態で、ボビンに巻かれボビンケースから導出する(垂れる)糸を引き出す引き出し手段の糸引き出し動作によって、ボビンが回転されて、ボビンに巻回された糸が引き出されるようなものか、若しくはボビンケース2から分離されたボビンに対して上記引き出し手段の糸引き出し動作を作用することによって糸が引き出されるようなものであればどのようなものであっても良く、例えば本出願人が先に出願した特願平5−203610号明細書、特願平6−40351号明細書や特願平7−30027号明細書に記載のボビンの残糸除去装置を始めとして、適宜のものを採用することができる。
【0027】
上記下糸巻回位置Cには下糸巻回装置162が配設されている。この下糸巻回装置162は、図1に簡略化して示されるように、ボビン駆動機構E及び糸案内機構G並びに糸供給検出機構Fからなる。糸案内機構Gは、図示を省略した下糸供給源としての糸巻きからの下糸端部を、下糸巻回位置Cに搬送されたボビンケース2の開口部内に案内するものであり、ボビン駆動機構Eは、上記下糸巻回位置Cにあるボビンケース2内のボビンに対して回転出力軸を係合し、当該ボビンに回転駆動力を与えることによって、ボビンケース2内に案内されている下糸をボビン軸に絡み付かせて下糸巻回を可能とするといったものであり、糸供給検出機構Fは、上記ボビン駆動機構Eの動作時の下糸供給を検出し、この検出に基づいて、ボビンに巻回されている実際の下糸量を検出するものである。そして、この実際の下糸量が予め設定されている設定下糸量と一致したら、上記ボビン駆動機構Eの動作が停止し、予め設定されている設定下糸量がボビン軸に実際に巻回されるようになっている。
【0028】
なお、下糸巻回装置162としては上記構成のものに限定されるものではなく、要は下糸をボビンに巻回できるものであればどのようなものであっても良く、例えば特開平7−31779号公報、特開平7−246297号公報や本出願人が先に出願した特願平7−234823号明細書に記載の下糸巻回装置を始めとして、適宜のものを採用することができる。
【0029】
上記下糸巻回装置162には糸掛け装置が付設されている。この糸掛け装置は、下糸巻回位置Cにセットされたボビンケース2のその周囲に回動可能に配置された動メス糸捌き(不図示)を有し、この動メス糸捌きをボビンケース2の周囲に回動させることによって、ボビンに巻回されボビンケース開口部より導出している糸巻きからの下糸を、ボビンケース2の開放端縁とボビン外周との隙間を介して糸掛け位置に誘導してスリット溝に導き、下糸張力ばね下の下糸導出孔を経て下糸張力ばね用孔近傍から導出できる構成となっている。
【0030】
下糸巻回装置162にはさらに糸切り装置が付設されている。この糸切り装置は、上記下糸張力ばね用孔近傍より導出する糸巻きからの下糸を、上記動メス糸捌きの回動動作により捌き、固定メスとの間で所定長残すようにして切断できる構成となっている。
【0031】
なお、糸掛け、糸切り装置としては上記構成のものに限定されるものではなく、要は糸掛け装置としては、ボビンに巻回された下糸をボビンケース2に糸掛けでき、糸切り装置としては、ボビンに巻回されている下糸を糸巻きに対して切断できるものであればどのようなものであっても良く、例えば特開平7−68071号公報記載の糸掛け、糸切り装置や本出願人が先に出願した特願平7−65140号明細書記載の糸掛け、糸切り装置を始めとして、適宜のものを採用することができる。
【0032】
因に、上記残糸除去装置161、下糸巻回装置162が、図1に示したベース板3に接触する場合には、該ベース板3は適宜切欠かれる。また、図1にあっては、残糸除去位置Bと下糸巻回位置Cとダミー位置Dが近接しており、保持部11が誇張されて記載されている。このため、保持部11が残糸除去装置161や下糸巻回装置162に接触することも心配されるが、実際には、このような接触が生じないように充分なスペースが確保されている。
【0033】
また、上記下糸自動供給装置には操作パネル(不図示)が付設されており、この操作パネルには、操作スイッチ、ボビンを収容したボビンケースを取り出すためのボビン取りだしスイッチ314、ボビン交換要求がある前の下糸巻回装置162による下糸の巻回を禁止するための先巻き禁止スイッチ(下糸巻回禁止手段)309及び表示手段としてのエラー表示窓316等が付設されている。次に、該下糸自動供給装置の動作を制御する下糸自動供給制御装置について説明する。
【0034】
先ず、図7に示されているように、所定の縫い動作を実行するミシン本体300には、メイン電源をオン・オフするミシン電源スイッチ302が設けられていると共に、このミシン電源スイッチ302のオン・オフを判別するミシン電源監視手段(ミシン電源監視回路)301が付設されている。このミシン電源監視手段301は、後述する電源通電制御装置450(図8参照)の一部を構成するものであって、具体的にはミシン制御回路内における例えば+5Vの電源をモニタしておき上記ミシン電源スイッチ302のオフ検知信号を、電源通電制御装置450の通電タイミング制御手段315(後述)に出力する機能を有している。
【0035】
一方、メイン電源は、後述する電源通電制御装置450の制御スイッチ手段を構成するリレースイッチ303を介して直流電源回路304にも接続されている。この電源通電制御装置450の直流電源回路304は、上述した下糸自動供給装置の下糸巻回装置162(正確には糸掛け、糸切り装置も含む)、残糸除去装置161及びボビン交換装置160にそれぞれ駆動電流を供給するように接続されており、上記リレースイッチ303から発せられるオン・オフ信号に基づいて各装置160,161,162への通電制御を行うように構成されている。
【0036】
また、上記下糸巻回装置162には、図7に示されるように、ドライバ310aが、ボビン交換装置160にはドライバ311aが、残糸除去装置161にはドライバ312aが、リレースイッチ303にはドライバ313が、それぞれ接続されている。
【0037】
そして、これらドライバ310a,311a,312a,313には、I/Oポート305を介してCPU(中央演算装置)306からの信号が入力されるように接続されている。このCPU306には、ROM307からの信号が入力されるように接続されており、RAM308に対して信号が出入力されるように接続されている。そして、上記各装置162,161,160が、図8に示されているように、下糸自動供給装置制御手段400により制御されつつ下糸自動供給装置の通常の動作、すなわちボビン交換動作−残糸除去動作−下糸巻回動作(糸掛け動作、糸切り動作)−ボビン交換要求待ち−ボビン交換要求−ボビン交換動作というサイクル動作を実行し、この実行を可能とするように上記下糸自動供給装置制御手段400への通電状態が電源通電制御装置450により制御されるように構成されている。
【0038】
すなわち、図8に示されているように上記下糸自動供給装置制御手段400は、下糸巻回装置制御手段401、ボビン交換装置制御手段(ボビン搬送・着脱装置制御手段)402及び残糸除去装置制御手段403から構成されており、これらの各制御手段401,402,403には、前記電源通電制御装置450の直流電源回路304から所定の駆動電流が供給されていると共に、同様に電源通電制御装置450の通電タイミング制御手段315からの動作指令信号が印加されている。この通電タイミング制御手段315は、前記下糸巻回装置162、残糸除去装置161及びボビン交換装置160の各動作を常時監視する機能を有している。
【0039】
また、上記通電タイミング制御手段315には、前述したミシン電源監視手段301からの検出信号、すなわちミシン電源スイッチ302のオン・オフを検出した信号が印加されている。そして、この通電タイミング制御手段315は、ミシン電源スイッチ302のオフ検出信号を受けた時に、その電源遮断時点において動作途中にある装置の処理動作を完了させ、その後この処理動作に続いて行われる予定のボビン交換前に必要な処理動作がある場合にはその処理動作を順次完了させてボビン交換待機状態とする、すなわちボビン交換に必要な処理(残糸除去処理、下糸巻回処理、糸掛け処理、糸切り処理)を全て完了させた後に当該ボビンケースを釜1に対向させた退避位置(原点位置)に移動する動作指令信号を、上述した各制御手段401,402,403にそれぞれ発する機能を有している。
【0040】
また、上記通電タイミング制御手段315は、上記各装置の処理が順次完了してボビン交換待機状態になった時に、上記ボビン交換に必要な処理がなされたボビンケースを原点位置から釜1に対向接近する位置まで前進させる動作指令信号を、上述したボビン交換装置制御手段402に発する機能を有している。
【0041】
また、上記通電タイミング制御手段315は、ボビン交換装置160によりボビンケースを原点位置から釜1に対向接近する位置まで前進させた時に、前記制御スイッチ手段303に対して処理完了信号を発する機能を有している。一方、制御スイッチ手段303は、パワーリレースイッチ、ソリッドステートリレー等から構成されており、前記ミシン電源スイッチ302とは無関係に常時交流駆動電流が供給されている。そして、この制御スイッチ手段303は、前述した通電タイミング制御手段315からの処理完了信号を受けて、直流電源回路304にオフ指令信号を出力するように構成されている。このオフ指令信号を受けた直流電源回路304は、上記各制御手段401,402,403及び各装置160,161,162に対する駆動電流の供給を停止することとなる。
【0042】
このように、上記ボビン交換に必要な処理がなされたボビンケースが釜1に対向接近した位置にあることから、無理して回動アーム70を後退させない限り、釜1内のボビン及びボビンケース、釜1に対向接近しているボビン及びボビンケースに対して人手を介入することは難しくなっている。すなわち、必要がない限り上記ボビン及びボビンケースに妄りに触らせないようになっている。
【0043】
さらに、上記通電タイミング制御手段315から発せられる処理完了信号は、遮断情報記憶手段としての前記RAM(不揮発性メモリー)308にも印加されている。このRAM308は、バッテリバックアップRAMあるいはEEPROM等から構成されており、当該RAM308内に電源遮断の正常または異常(例えば停電時)情報が格納・記憶されるようになっている。一方、上記RAM308に格納された電源遮断の正常または異常情報は、上記通電タイミング制御手段315側に常時参照されており、RAM308に格納されている電源遮断の正常または異常情報が通電タイミング制御手段315で確認されている。そして、この確認された電源遮断の正常または異常情報に基づいて、上記各制御手段401,402,403に対する初期化信号が通電タイミング制御手段315から発せられるように構成されている。
【0044】
また、上記通電タイミング制御手段315には、所定の表示手段316が接続されており、上記RAM308に格納された電源遮断の正常または異常情報が、表示される構成になされている。すなわち、前回の電源遮断が異常であった場合には、オペレーターによるチェックを促すようになっている。
【0045】
さらに、上記通電タイミング制御手段315は、ミシン電源スイッチ302の再オン検出信号を受けた時に、ボビンケースを釜1に対向接近する位置から原点検出させるように、上述したボビン交換装置制御手段402に動作指令信号を発する機能を有している。
【0046】
また、前記電源通電制御装置450には、前述したミシン電源監視手段301からの検出信号を受けると共にボビン交換装置160の動作を監視し、ミシン電源スイッチ302の再オン検出信号を受け、ボビンケースを釜1に対向接近する位置から原点検出を行わせた時に、原点検出を行った時のステップ数が上記ボビンケースを釜1に対向接近する位置に前進させた時のステップ数と同じか否かを判別し、同じステップ数でない時にはミシン電源スイッチ302の再投入前に人手が釜1内のボビン及びボビンケース、釜1に対向接近していたボビン及びボビンケースに介入した(不具合が発生した訳ではないのに取り出して何らかの処置を施した)と判定する人手介入判定手段317が備えられている。
【0047】
この人手介入判定手段317は、ミシン電源スイッチ302の再投入前に人手が上記ボビン及びボビンケースに介入したと判定した場合には、人手が介入したという警告を上述した表示手段316に表示する構成になされている。すなわち、オペレーターによるチェックを促すようになっている。
【0048】
また、人手介入判定手段317が、ミシン電源スイッチ302の再投入前に人手が上記ボビン及びボビンケースに介入しなかったと判定した場合には、上述した通電タイミング制御手段315が、所定の継続処理を行わせる動作指令信号を、上述した各制御手段401,402,403にそれぞれ発する機能を有している。
【0049】
また、特に本実施形態における通電タイミング制御手段315は、上記先巻き禁止スイッチ309のオンを検出したら、下糸巻回装置162による下糸の巻回、つまり先巻きを禁止する動作停止指令信号を、上述した下糸巻回装置制御手段401に発する機能を有している。
【0050】
この後、通電タイミング制御手段315は、上記ボビン取りだしスイッチ314のオンを検出する度に、釜内やボビンケース把持手段に把持されているボビンケースをダミー軸6に受け渡す動作指令信号を、上述したボビン交換装置制御手段402に発する機能を有している。
【0051】
次に、このような制御装置を用いた下糸自動供給装置の制御動作を図9に示したフローチャートにより説明する。説明理解の容易性を考慮し、縫製動作の開始時点から説明していく。すなわち、先ず図9におけるステップ5において、RAM(不揮発性メモリー)308がクリアーされると、下糸自動供給装置は運転開始待機状態にされる。そして、ステップ6において、ボビン交換要求があるか否かが判定される。このボビン交換要求は、例えば釜内のボビン残糸が少なくなった場合若しくはなくなった場合に公知の下糸残量検知装置(不図示)による下糸残量検出によって発生するか、またはオペレーターが交換要求スイッチ(不図示)をオンした場合に発生する。
【0052】
そして、これら何れかによるボビン交換要求があると、ステップ7に進み、ステップ7において、ミシン300との干渉を避けるためにミシン動作を禁止してステップ8に進み、ステップ8において、先巻き禁止スイッチ309がオンされているという先巻き禁止実行フラグの有無を検出し、先巻き禁止実行フラグがセットされていない場合にはステップ9に進み、ステップ9において、ボビン交換を行う。この時点で、ボビンケース把持手段に把持されている一方のボビンケース2Yは、残糸除去処理、下糸巻回処理(糸掛け、糸切り処理)が完了されて後述するステップ4またはステップ16の動作により原点位置、すなわち釜1に対向する退避位置で待機状態にある(図6参照)。なお、説明の都合上、このボビンケースを2Yとし、釜内のボビンケースを2Xとする。
【0053】
そして、回動アーム70を180°回転してボビンケースを把持していないボビンケース把持手段を釜1に対向させた後に前進させ、ボビンケース把持手段により釜内のボビン内蔵のボビンケース2Xをボビンケース把持手段に保持し、その後回動アーム70を後退させる。次いで、回動アーム70を180°回転してボビンケース2Yを釜1に対向させ、その後前進させて釜内にボビンケース2Yを装着し、その後回動アーム70を後退させる。
【0054】
次いで、ステップ10に進み、ステップ10において、ミシン300の動作を許可してステップ11に進み、ステップ11において、残糸除去処理を行う。すなわち、回動アーム70を回転して釜内から取り出したボビンケース2Xを残糸除去位置Bへ進ませて、上記残糸除去装置161によってボビンケース2X内のボビン残糸を除去する。
【0055】
次いで、ステップ12に進み、ステップ12において、上記先巻き禁止スイッチ309がオンされているか否かを判定し、オンされていない場合にはステップ13に進み、ステップ13において、回動アーム70を回動して空ボビンを収容したボビンケース2Xを下糸巻回位置Cに対向させ、その後前進させて下糸巻回位置Cに移動し、そこの下糸巻回装置162によって空ボビンに下糸を巻回してステップ14に進み、ステップ14において、ボビンケース2Xに糸掛けを行ってステップ15に進み、ステップ15において、糸切りを行い、その後回動アーム70を退避位置まで後退させてステップ16に進む。
【0056】
一方、上記ステップ12において、先巻き禁止スイッチ309がオンされていると判定した場合には、ステップ21に進み、ステップ21において、先巻き禁止実行フラグをセットしてステップ16に進む。
【0057】
ステップ16では、回動アーム70を退避位置で回動してボビンケース2Xを釜1に対向させて待機状態としてステップ17に進み、ステップ17において、ミシン電源スイッチ302がオフか否かが判断される。従って、先巻き禁止スイッチ309がオンされていない場合には、上記ステップ9〜15における各装置の処理動作中にミシン電源スイッチ302がオフになっても、ステップ9〜15における一連の処理動作を全て行ってボビン交換待機状態とし、一方先巻き禁止スイッチ309がオンされている場合には、残糸除去処理後に下糸巻回装置162による下糸の巻回、つまり先巻きを禁止しステップ13〜15をスキップしてボビンケース2Xを原点位置で待機させるようになっている。この時、ステップ13〜15をスキップしたボビンケース2Xのボビンは空ボビンとなっている。
【0058】
そして、上記ステップ6において、ボビン交換要求がない場合もステップ17に進み、ステップ17において、ミシン電源スイッチ302がオンと判定された場合にはステップ6にリターンする。すなわち、ミシン電源スイッチ302がオンの場合には、ボビンケース把持手段に把持されているボビンケース2Xを原点位置に位置した状態でボビン交換要求を待つ。
【0059】
そして、ステップ6において、ボビン交換要求があるか否かが上記と同様に判定され、ボビン交換要求があると、上記と同様にステップ7、ステップ8に進み、ステップ8において、先巻き禁止実行フラグの有無が上記と同様に検出される。ここで、上記ステップ12において、先巻き禁止スイッチ309がオンされていると判定された場合にはステップ21において先巻き禁止実行フラグをセットしていることからステップ22に進み、ステップ22において、先巻き禁止実行フラグをクリアしてステップ23に進み、ステップ23において、オペレーターによるボビン取りだしスイッチ314のオンを待つ。
【0060】
そして、オペレーターによりボビン取りだしスイッチ314がオンされたら、ステップ24に進み、ステップ24において、回動アーム70を180°回転してボビンケースを把持していないボビンケース把持手段を釜1に対向させた後に前進させ、ボビンケース把持手段により釜内のボビンケース2Yをボビンケース把持手段に把持し、その後回動アーム70を後退させる。次いで、回動アーム70を180°回転してボビンケース2Yをダミー軸6に対向させ、その後前進させてボビンケース把持手段に把持されているボビンケース2Yをダミー軸6に受け渡す。このダミー軸6に受け渡されたボビンケース2Yはオペレーターにより装置外に取り出される。この時、オペレーターは回動アーム側から手を差し込むことにより、手の平を返すことなくダミー軸6に保持されているボビンケース2Yを中釜軸5から取り出すのと同様に容易に取り出すことができる。
【0061】
そして、ステップ25に進み、ステップ25において、オペレーターによるボビン取りだしスイッチ314の再度のオンを待つ。そして、オペレーターによりボビン取りだしスイッチ314が再度オンされたら、ステップ26に進み、ステップ26において、回動アーム70を180°回転してボビンケース把持手段に把持されているボビンケース2Xをダミー軸6に対向させ、その後前進させてボビンケース把持手段に把持されているボビンケース2Xをダミー軸6に受け渡し、その後回動アーム70を退避位置まで後退させる。このダミー軸6に受け渡されたボビンケース2Xも上記と同様にオペレーターにより装置外に取り出される。
【0062】
すなわち、先巻き禁止スイッチ309がオンされた場合には、下糸巻回装置162による下糸の巻回、つまり先巻きを禁止し、その後下糸自動供給装置に用いられているボビンを収容したボビンケース2X,2Yが順次装置外に取り出され得るようになっている。
【0063】
そうしたら、ステップ27に進み、ステップ27において、オペレーターによるボビンチェック及び残糸除去処理(ステップ22〜ステップ26のルートによってステップ27に進んだ場合には釜内にあって取り出されたボビンケース2Yのみ;ボビンケース2Xに対しては上記ステップ11において残糸除去が行われて空ボビンとなっているので残糸除去をする必要がない)並びにダミー軸6に対する再セットが順次行われる。この時、オペレーターは回動アーム側から手を差し込むことにより、手の平を返すことなく当該ボビンケース2X,2Yを中釜軸5に装着するのと同様に容易にダミー軸6に順次装着できる。そして、このダミー軸6に対するボビンを収容したボビンケース2X,2Yの装着の判定は、例えばオペレーターがボビン装着スイッチ(不図示)をオンしこれによってダミー軸6に対するボビン装着を判定する方法や、例えばダミー軸6の近傍に反射型光センサを設け、このセンサからの出力によってダミー軸6に対するボビン装着を判定する方法によって行われる。
【0064】
ダミー軸6に対するボビンケース2Yの装着がなされたら、ステップ28〜30に進み、該ステップ28〜30において、上記ステップ13〜15で説明したのと同様な下糸巻回処理、糸掛け処理、糸切り処理をボビンケース2Yに対して行ってステップ31に進み、ステップ31において、回動アーム70を回転してボビンケース2Yを把持しているボビンケース把持手段を釜1に対向させた後に前進させ、ボビンケース2Yを釜内に装着し、その後回動アーム70を退避位置まで後退させる。
【0065】
次いで、ステップ32に進み、ステップ32において、ミシン300の動作を許可して上記ステップ13〜15に進み、ステップ13〜15において、ボビンケース2Yの次にオペレーターによってダミー軸6に装着されているボビンケース2Xに対する下糸巻回処理、糸掛け処理、糸切り処理を上記と同様にして行う。そして、以降はステップ16に進み、上述したと同様なフローとなる。
【0066】
ところで、上記ステップ17において、ミシン電源スイッチ302がオフと判断された場合、すなわちオペレーターによりミシン電源スイッチ302がオフされた場合にはステップ18に進み、ステップ18において、回動アーム70を所定ステップ前進させ、図10に示されるように、ボビンケース2Xを釜1に対向接近する位置まで移動する。この結果、強引に回動アーム70を人手で回転または後退させない限り、ボビンケース2X及び釜内のボビンケース2Yは取り出せなくなる。因に、本実施形態にあっては、この位置でのボビンケース把持手段の周囲には障害物があることから、回動アーム70の回転が規制されており、回転不可能な状態にある。
【0067】
次いで、ステップ19に進み、ステップ19において、現在の状態がRAM(不揮発性メモリー)308に記憶されると共に、正常な電源遮断処理が行われたことが上記RAM308に記憶される。そして、ステップ20に進み、ステップ20おいて、リレースイッチ303をオフし下糸自動供給装置自らの電源を遮断する。
【0068】
その後にミシン電源スイッチ302が再び投入されると、ステップ1に戻って、まず前回における電源遮断時の状態及び正常な電源遮断処理を踏んでいたかどうかの情報がRAM308から読み出される。
【0069】
次いで、ステップ2に進み、ステップ2において、初期化動作が最も効率的な方法で実行される。そして、この初期化動作が終了したら、ステップ3に進み、ステップ3において、前回正常な電源遮断処理を踏んでいたかどうかが判断され、正常な電源遮断処理であった場合、すなわちオペレーターによりミシン電源スイッチ302がオフされた場合にはステップ4に進み、そうでなかった場合、例えば不意の停電等により正常な電源遮断処理を踏んでいない場合にはエラー表示窓等の表示手段316によってエラー表示が行われ、オペレーターの介入が促されて上述したステップ27に進む。
【0070】
ステップ4では、上記回動アーム70を所定ステップ数で後退させて原点検出を行い、上記と同じ(ステップ18)ステップ数で原点検出したか否かが判定される。ここで、ミシン電源スイッチ302のオフ中に、オペレーターがボビンケース2X、釜内のボビンケース2Yを取り出していると、回動アーム70の位置が上記の釜1に対向接近する位置から移動していることから、上記と同じステップ数では原点検出しない。一方、オペレーターがボビンケース2X、釜内のボビンケース2Yを取り出していないと、回動アーム70の位置が上記の釜1に対向接近する位置にあることから、回動アーム70は上記と同じステップ数で原点位置に復帰する。そして、同じステップ数で原点検出しなかった場合、すなわちボビンケース2X、釜内のボビンケース2Yを取り出した畏れがある場合には、エラー表示窓等の表示手段316によってエラー表示が行われ、オペレーターの介入が促されて上述したステップ27に進む。そして、ステップ27以降のフローは上記と同様となる。
【0071】
このように、本実施形態においては、ボビン交換要求がある前に下糸巻回装置162により空ボビンに下糸を予め巻回しておき、ボビン交換要求があったら、ボビン交換装置160により釜内のボビンケースを取り出して、下糸巻回済みのボビンを収容するボビンケースをボビン交換装置160により釜1に対して装着する一方で、例えば糸種、糸番手、糸色を変更する目的でオペレーターにより先巻き禁止スイッチ309がオンされたら、下糸巻回装置162による下糸の巻回、つまり先巻きを禁止する構成を採用しているため、変更糸を巻回するにあたっての先巻き糸の除去処理がなくなって先巻き糸を除去していた分、ボビン交換に要する時間を低減でき縫製効率を向上できるようになっていると共に糸の無駄をなくすことが可能となっている。
【0072】
以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であるというのはいうまでもなく、例えば本願発明装置は、残糸除去装置161がなく下糸巻回装置162及びボビン交換装置160のみを備えた下糸自動供給装置に対しても同様に適用可能である。
すなわち、ボビン交換要求がある前に下糸巻回装置162によるボビンに対する下糸の巻回、つまり先巻きをしておくようにし、ボビン交換要求があったら釜内のボビンケース2をボビン交換装置160によりボビンケース仮置き場に置くようにしてこの交換されたボビンに対しては例えば人手による残糸除去を行うようにする一方で、上記先巻きされているボビンはボビン交換装置160により釜1に装着する下糸自動供給装置に対しても、本願要旨の先巻きを禁止する先巻き禁止スイッチ309を適用することが可能であり、同様な効果を得ることができる。
なお、このような下糸自動供給装置にあって、釜内のボビンのボビン残糸がない場合には、釜内のボビンケースを取り出した後に、下糸巻回装置162により下糸巻回済みのボビンを釜1に装着し、その後釜1から取り出されているボビンケースを上述した仮置き場に置かずに直接下糸巻回装置162の下糸巻回位置Cに搬送して当該ボビンに対する下糸巻回を行うようにしても良く、このように構成された下糸自動供給装置に対しても上記先巻き禁止スイッチ309を適用することができるというのはいうまでもない。
【0073】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の下糸自動供給装置によれば、ボビン交換に下糸巻回装置により空ボビンに下糸を予め巻回しておき、ボビン交換要求があったら、ボビン交換装置により釜内のボビンケースを取り出して、下糸巻回済みのボビンを収容するボビンケースをボビン交換装置により釜に対して装着する一方で、例えば糸種、糸番手、糸色を変更する場合に、下糸巻回禁止手段によって、下糸巻回装置による下糸の巻回、つまり先巻きを、ボビン交換要求の有無にかかわらず禁止し、変更糸を巻回するにあたっての先巻き糸の除去をなくすように構成したものであるから、先巻き糸を除去していた分、ボビン交換に要する時間を低減でき縫製効率を向上できると共に糸の無駄をなくすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における下糸自動供給装置を表した概略正面図である。
【図2】同上下糸自動供給装置に採用されたボビン交換装置の正面図である。
【図3】同上ボビン交換装置の平面図である。
【図4】同上ボビン交換装置における直動機構部分を表した右側面図である。
【図5】同上ボビン交換装置における回動機構部分を表した右側面図である。
【図6】同上ボビン交換装置のダミー位置及びダミー軸を説明するための概略右側面図である。
【図7】同上下糸自動供給装置の構成を表したブロック図である。
【図8】同上下糸自動供給装置の制御系を表したブロック図である。
【図9】同上下糸自動供給装置の制御動作手順の流れを表したフロー図である。
【図10】各装置への通電遮断時における同上ボビン交換装置の要部のみを表した右側面図である。
【符号の説明】
1 釜
2,2X,2Y ボビンケース
160 ボビン交換装置
162 下糸巻回装置
309 下糸巻回禁止手段
315 通電タイミング制御手段
401 下糸巻回装置制御手段
450 電源通電制御装置
A 釜位置
C 処理動作位置

Claims (1)

  1. ボビンを収容したボビンケースと、
    下糸をボビンに巻回可能とした下糸巻回装置と、
    上記ボビンに巻かれた糸を除去する残糸除去装置と、
    前記ボビンケースを釜位置と装置の処理動作位置とに移動可能としたボビン交換装置と、をして、
    ボビン交換要求がある前に前記下糸巻回装置により空ボビンに下糸を予め巻回する先巻きをして当該先巻きをしたボビンを収容したボビンケースを待機させておき、ボビン交換要求がある場合には、前記ボビン交換装置により釜内のボビンケースを取り出して、前記先巻きしたボビンを収容するボビンケースを前記ボビン交換装置により釜に対して装着するようにした下糸自動供給装置において、
    前記下糸巻回装置によるボビン交換前における下糸の先巻きを、前記ボビン交換要求の有無にかかわらず禁止する下糸巻回禁止手段と、
    前記下糸巻回禁止手段がオンされている場合には前記下糸巻回装置による前記先巻きを行わずに空ボビンとし、その空ボビンを収容したボビンケースを前記ボビン交換装置により退避位置で待機状態とする一方、前記下糸巻回禁止手段がオンされていない場合には前記下糸巻回装置による前記先巻きをして、当該先巻きをしたボビンを収容したボビンケースを前記ボビン交換装置により前記退避位置で待機状態とする通電タイミング制御手段と、
    を設けたことを特徴とする下糸自動供給装置。
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