JP4030602B2 - 残糸除去装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、残糸除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上糸と下糸とを使用して縫製を行うミシン、特に高速の縫製作業を行う工業用のミシン等にあっては、下糸を巻回したボビンを頻繁に交換する必要がある。一般には、下糸が消費された時または残り少なくなった時にミシンの運転を一旦停止し、ボビンケースを釜から抜き取った後に、ボビン残糸を除去してボビンに下糸を巻回し、この下糸が新たに巻回されたボビンを再びボビンケースに収容し、巻回された下糸をボビンケースに糸掛けしてこのボビンケースから導出する下糸を所定長残して切断し、このボビンケースを釜内に装着するという一連の操作を手作業で行っている。
【0003】
しかしながら、このような人手による残糸除去作業、ボビンへの下糸巻回作業、糸掛け作業、糸切り作業及びボビンケースの交換作業は極めて非能率的であり、生産性の低下の原因となっている。そこで、本出願人は、先に出願した特開平7−68071号公報等において、上記残糸除去作業、下糸巻回作業、糸掛け作業、糸切り作業及びボビンケース交換作業を自動的に行うことを可能とし下糸自動供給装置を提案している。
【0004】
この下糸自動供給装置は、ボビンを収容したボビンケースを把持して所定の経路を移動するボビン交換装置を備えていると共に、ボビンケース内に収容されたボビンの残糸を除去する残糸除去装置、下糸供給源からの下糸をボビンケース開口部から挿入しボビンを回転駆動させることによって上記ボビンケース内のボビンに下糸を巻回する下糸巻回装置、ボビンに巻回されボビンケース開口部から導出する下糸を捕らえて該ボビンケースの周囲を回動することによってボビンに巻回された下糸がボビンケースの所定位置から導出するように糸掛けする糸掛け装置及び該ボビンケースの所定位置から導出する下糸を所定長残して切断する糸切り装置を有している。
【0005】
そして、上記下糸自動供給装置にあっては、先ず下糸が消費された釜内のボビンケースが、上記ボビン交換装置により釜内から抜き取られて残糸除去位置に搬送され、そこで残糸除去装置によりボビンの残糸が除去された後、下糸巻回位置に搬送され、そこで下糸巻回装置によりボビンに新たな下糸が巻き付けられ、その新たに下糸が巻回されボビンケースから導出する下糸が糸掛け装置によりボビンケースに糸掛けされ、その糸掛けがなされボビンケースから導出する下糸が糸切り装置により切断され、このような処理がなされたビンケースがボビン交換装置により釜側に搬送されて釜内に装着されるようになっている。すなわち、上記一連の動作が自動的に実行されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、上記特開平7−68071号公報記載の残糸除去装置にあっては、ボビンケースの所定位置(詳しくは下糸張力ばね)から導出し下方に垂れる所定長(約35〜40mm)の下糸端部を、エアーノズルにより作業位置に吹き寄せて、この作業位置に吹き寄せられた下糸端部を後述の巻取手段(引き出し手段)を挟んでボビンケースより離間した位置に配置されたガイド部材によりガイドして受け軸と糸除去軸との間に挟持し、所定の間、巻取手段(糸除去軸及び後述の弾性線状体からなる)を回転させる(糸引き出し動作を行わせる)ことにより、ボビンに巻かれた残糸を弾性線状体の周囲に巻き取り、その後、該巻取手段を後退させ、弾性線状体を受け軸から外すことにより、広げられていた該弾性線状体を元の位置に戻し、該弾性線状体と巻き取った残糸との間に緩みを生じさせると共に扱き板により該巻き取った残糸を扱くことにより、残糸を下方に落下させて取り除くようになっている。
【0007】
従って、ボビンケースから導出する所定長の下糸端部を、受け軸と糸除去軸との間に挟持する確率を高めるためには、巻取手段をボビンケースの糸端導出口に近付けることが望ましいが、このように、巻取手段をボビンケースの糸端導出口に近付けると、巻取手段の周囲に残糸を巻き取る構成を採っているので、この巻き取られ膨らんだ残糸がボビンケースに接触することになり、巻取量に制限が生じるといった問題があった。
【0008】
すなわち、糸端挟持率を向上すべく巻取手段をボビンケースの糸端導出口に近付けると、残糸巻取量に制限が生じて残糸を全て除去できず、一方残糸を全て除去すべく巻取手段をボビンケースの糸端導出口から遠ざけると、糸端挟持率が低下し、確実に残糸除去がなされないといった相反する問題があった。
【0009】
また、ボビンケースから導出する所定長の下糸端部を、受け軸と糸除去軸との間に挟持し得るようにガイドするガイド部材が、上述のように、ボビンケースの糸端導出口から遠くに配設されているために、糸端の案内が不安定であり、該糸端を受け軸と糸除去軸との間に挟持できない畏れがあった。
【0010】
また、該弾性線状体等の構造の複雑な部品を用い、しかも部品点数が多いことから高コスト化するといった問題もあった。
【0011】
そこで、本出願人は先に出願した特願平7−30027号明細書において上記問題点の解決を図っている。すなわち、この特願平7−30027号明細書記載の残糸除去装置にあっては、ボビンを内部に収容したボビンケースの所定位置より垂れる下糸端部を、エアーノズルにより作業位置に吹き寄せ、このエアーノズルにより吹き寄せた下糸を、少なくとも1個以上が駆動力を備えた回転体(引き出し手段)を回転させる(糸引き出し動作を行わせる)ことにより巻き込み排出し、この残糸排出量に制限がないように構成しており、従ってボビン残糸を自動的に全て除去することが可能となっている。また、回転体が糸端を巻き込み排出することにより該回転体に糸端案内の機能を併せ持たせ、しかもこの糸端案内の機能を併せ持つ回転体を、ボビンケースの糸端導出口に接近配置できるように構成しており、従って残糸を確実に除去することが可能となっている。また、上記のように弾性線状体等の複雑な部品がなく、しかも部品点数が少なくなるように構成しており、低コスト化も可能となっている。
【0012】
また、この残糸除去装置にあっては、移動手段により少なくとも1個以上の回転体を、下糸を巻き込み排出する排出位置とこの位置から離間する離間位置とに移動し得る構成が採用されており、該回転体を離間位置から排出位置に移動することによって、エアーノズルにより作業位置に吹き寄せられている下糸を回転体間に確実に挟持し得るようになっており、回転体同士を固定配置したものに比してその挟持の確率を高め得るようにもなっている。
【0013】
しかしながら、このように構成された特願平7−30027号明細書記載の残糸除去装置にあっても以下の問題点があった。すなわち、残糸を除去すべく回転体を離間位置から排出位置に移動する動作を連続して行うと、下糸を作業位置に吹き寄せるエアーノズルからのエアーの流れが大きく乱れ、当該下糸が回転体間から逃げてしまう畏れがあった。
【0014】
また、下糸を回転体を回転することによって巻き込み排出する際に、当該回転体を連続して回転すると、糸が暴れて糸を良好に巻き込めなかったり、巻き込めたとしても糸が暴れて当該下糸が所定の方向に排出されずに例えば回転体や他の部材に絡み付く畏れがあった。
【0015】
また、回転体を連続回転してボビン残糸を排出するにあたって、一定速度で回転体を回転させると、例えば高速回転した場合には、上記と同様に糸が暴れて当該下糸が所定の方向に排出されずに例えば回転体や他の部材に絡み付く畏れがあり、またこれを防止すべく回転体を低速回転した場合には、排出時間が長くなり好ましくない。
【0016】
また、上記特願平7−30027号明細書記載の残糸除去装置にあっては、ボビンケースの所定位置から導出する下糸を確実に下方に垂らすためにボビンケースに向かって吹き付ける下糸垂らし用のエアーノズルと、この下方に垂れた下糸を作業位置に吹き寄せるための上述した下糸吹き寄せ用のエアーノズルと、回転体から排出される下糸が例えば回転体や他の部材に絡み付かないように当該回転体に向かって吹き付ける糸絡まり防止用のエアーノズルと、が設けられていることから、エアーノズルの個数が多くなると共にその個数に応じたエアー配管を狭いスペース内で障害物を避けながら複雑にして施さなければならず、従って装置が高コスト化するといった問題もある。
【0017】
また、このような残糸除去装置を備えた下糸自動供給装置にあっては、上述の残糸除去装置のエアーノズルの他に、例えば特願平6−247294号明細書に記載のように、ボビン交換時に、釜内に装着されたボビンケースの所定位置より導出する下糸がボビンケース把持手段に絡まないように、釜内のボビンケースに向かって吹き付けを行うエアーノズルや、例えば特願平7−65140号明細書に記載のように、下糸供給源からの下糸をボビンケース開口部を介してボビンケース内にエアーによって案内するエアーノズル等の下糸に関連したエアーノズルが多数設けられているが、これらエアーノズルのエアー流量が一定であることから、例えば糸種や糸番手に応じて下糸を最適に取り扱えないといった問題がある。すなわち、例えば特願平7−30027号明細書記載の下糸垂らし用のエアーにあってはボビンケースの所定位置から導出する下糸を確実に下方に垂らせなかったり、下糸吹き寄せ用のエアーにあっては下糸を作業位置に吹き寄せられなかったり、糸絡まり防止用のエアーにあっては回転体から排出される下糸が例えば回転体や他の部材に絡み付いてしまったり、例えば特願平6−247294号明細書記載の釜内のボビンケースに向かって吹き付けを行うエアーにあっては釜内に装着されたボビンケースの所定位置より導出する下糸がボビンケース把持手段に絡んでしまったり、例えば特願平7−65140号明細書記載のボビンケース内への案内用エアーにあっては下糸供給源からの下糸をボビンケース開口部を介してボビンケース内に案内できないといった問題がある。
【0018】
そこで本発明は、回転体の離間位置から排出位置への移動を間欠にすることによって、下糸を作業位置に吹き寄せるエアーノズルからのエアー流の乱れが低減され、下糸の回転体間からの逃げが防止されて、信頼性が向上される残糸除去装置を提供することを第1の目的とする。
【0019】
また、本発明は、回転体の回転動作を間欠に行うことにより、糸の暴れが低減され、当該下糸の巻き込みが確実になされると共に当該下糸が所定の方向に排出されて例えば回転体や他の部材に絡み付く畏れが低減されて、信頼性が向上される残糸除去装置を提供することを第2の目的とする。
【0020】
また、本発明は、回転体の回転動作速度を可変とすることにより、排出時間を長くすることなく糸の暴れが防止され、当該下糸が所定の方向に排出されて例えば回転体や他の部材に絡み付く畏れが低減されて、信頼性が向上される残糸除去装置を提供することを第3の目的とする。
【0021】
また、本発明は、残糸ボビンを収容したボビンケースを各所定位置に移動することによって、下糸垂らし用のエアーノズル及び下糸吹き寄せ用のエアーノズル並びに糸絡まり防止用のエアーノズルのうちの少なくとも2つが兼用にされ、エアーノズルの個数が低減されると共にそのエアー配管がシンプル化されて、低コスト化が図られる残糸除去装置を提供することを第4の目的とする。
【0022】
また、本発明は、下糸を取り扱うエアーの流量を糸種や糸番手に基づいて可変とすることによって、糸種や糸番手に応じた最適なエアーが下糸に吹き付けられ下糸がこのエアーによって最適に取り扱われて、信頼性が向上される残糸除去装置を提供することを第5の目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、請求項1の残糸除去装置は、回転可能に支持されたボビンと、このボビンより垂れる下糸を作業位置に吹き寄せるエアーノズルと、作業位置に吹き寄せられた下糸を巻き込み排出する少なくとも1個以上が駆動力を備えた一対の回転体と、前記少なくとも1個以上の回転体を、前記下糸を巻き込み排出する排出位置とこの排出位置から離間する離間位置とに移動可能とした回転体移動手段と、この回転体移動手段を制御して前記少なくとも1個以上の回転体を前記離間位置から前記排出位置に移動する際に、その移動を間欠とする制御手段と、を具備した。
【0024】
このような請求項1の残糸除去装置によれば、ボビンより垂れる下糸は、エアーノズルによって作業位置に吹き寄せられ、この作業位置に吹き寄せられた下糸は、少なくとも1個以上が駆動力を備えた回転体によって巻き込み排出されるが、この残糸排出量には制限がない。また、回転体が糸端を巻き込み排出することから、該回転体は糸端案内の機能も兼ね備えている。また、糸端案内の機能も兼ね備えた回転体は、回転体周囲に残糸を巻き取る構成ではないことから、ボビンケースの糸端導出口に接近配置され得る。また、当該装置は弾性線状体等の複雑な部品がなく、しかも部品点数が少ない。
【0025】
また、特に請求項1の残糸除去装置によれば、少なくとも1個以上が駆動力を備えた回転体のうちの少なくとも1個以上の回転体は、回転体移動手段を制御する制御手段によって離間位置から排出位置に間欠に移動されることから、下糸を作業位置に吹き寄せるエアーノズルからのエアー流の乱れが低減され、下糸の回転体間からの逃げが防止されるようになる。
【0026】
上記第1の目的を達成するために、請求項2の残糸除去装置は、請求項1に加えて、制御手段が、前記回転体を離間位置から排出位置に間欠に移動する際の間欠移動ごとの移動量を異なる移動量に可変とする構成になされている
【0027】
このような請求項2の残糸除去装置によれば、少なくとも1個以上が駆動力を備えた回転体のうちの少なくとも1個以上の回転体の離間位置から排出位置への移動量が間欠移動ごとに可変にされる。この移動量が移動ごとに徐々に小さくされると、作業位置に吹き寄せるエアーノズルからのエアー流の乱れがさらに低減され、下糸の回転体間からの逃げがさらに防止されるようになる。
【0030】
上記第2の目的を達成するために、請求項の残糸除去装置は、回転可能に支持されたボビンと、このボビンより垂れる下糸を端部から巻き込み引き出し排出する少なくとも1個以上が駆動力を備えた一対の回転体と、前記回転体の回転排出動作を間欠に行わせる制御手段と、この回転体に対してエアーを吹き付けて糸絡まりを防止するエアーノズルと、を具備した。
【0031】
このような請求項の残糸除去装置によれば、少なくとも1個以上が駆動力を備えた回転体のうちの少なくとも1個以上の回転体は、制御手段によって間欠に回転され、ボビンより垂れる下糸は、この間欠回転する回転体によって巻き込まれて排出される。従って、回転体が連続回転するものに比して糸暴れが低減されて当該下糸の巻き込みが確実になされるようになると共に当該下糸が所定の方向に排出されて例えば回転体や他の部材に絡み付く畏れが低減されるようになる。また、この時エアーノズルによって回転体に対してエアーが吹き付けられていることから、たとえ下糸が回転体や他の部材に絡み付いたとしても、間欠回転中の回転体停止時に、このエアーによって該下糸の絡み付きが良好に解除されるようになる。
【0032】
上記第2の目的を達成するために、請求項の残糸除去装置は、請求項に加えて、制御手段が、ボビンに対する残糸除去が終了するまでの間における当該ボビンからの下糸の引き出しまたは排出を間欠に行う際の間欠動作ごとの引き出し量または排出量を、異なる引き出し量または排出量に可変とする構成になされている。
【0033】
このような請求項の残糸除去装置によれば、間欠に行う動作により、ボビンに対する残糸除去が終了するまでの間における当該ボビンから排出される量が間欠動作ごとに可変にされる。この排出量が間欠動作ごとに最初小さく徐々に大きくされると、排出される下糸が徐々に重くされて排出される下糸の姿勢が安定し、例えば回転体や他の部材に絡み付く畏れが低減されるようになる。
【0034】
上記第3の目的を達成するために、請求項の残糸除去装置は、請求項に加えて、下糸の糸引き出しによる残糸除去が行われているか否かの判定に基づいて前記下糸の糸引き出し動作速度を可変として段階的に制御する制御手段を備えた。
【0035】
このような請求項の残糸除去装置によれば、制御手段によって引き出し手段が、ボビン回転の有無または残糸除去が完了しているか否かに基づいて段階的に制御されて糸引き出し動作速度が可変にされる。この糸引き出し動作速度が最初低速で後に高速となるように段階的に制御されると、糸引き出し動作速度が一定な低速なものに比して排出時間が短くされる一方で、糸引き出し動作速度が一定な高速なものに比して糸暴れが防止され、例えば回転体や他の部材に絡み付く畏れが低減されるようになる。
【0036】
上記第2の目的を達成するために、請求項7の残糸除去装置は、エアーノズルから吐出するエアーを、回転体の間欠動作に応じて間欠吐出するようにしたことを特徴としている。
【0037】
このような請求項7の残糸除去装置によれば、エアーノズルから吐出されるエアーが、回転体の間欠動作に応じて間欠吐出されると、排出される下糸の姿勢が請求項4に比してより安定し、例えば回転体や他の部材に対する絡み付きがさらに防止される。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態の下糸自動供給装置は、図1に示されているように、下糸巻回装置162と、残糸除去装置161と、ボビン交換装置(ボビンケース移動手段)160と、から概略構成されており、上記ボビン交換装置160は、下糸巻回装置162の下糸巻回位置C、残糸除去装置161の残糸除去位置B、釜位置(ボビンケース着脱位置)A、ダミー軸(ボビンケース保持手段)6のボビンケース着脱位置Dにボビンケース2を移動させるように構成されている。上記下糸巻回位置C、残糸除去位置Bは、図1に示されるように、搬送軸4の下方の範囲V且つ同軸線に沿った直立平面よりミシンベッド101を起こす際の回動支点103側の範囲Wであって、ボビンケース把持手段の回転軌跡の対向位置に配置されている。また、残糸除去位置Bは下糸巻回位置Cより下方に配置されている。また、残糸除去位置Bの搬送軸線方向(図1における紙面に垂直な方向)の位置はボビンケース把持手段の退避位置から若干前進させた位置(反射型光センサ500がボビン7の回転を検出できるまで進めた位置(詳しくは後述);図1における紙面に向かって進めた位置)にあり、下糸巻回位置Cの搬送軸線方向の位置はボビンケース把持手段を退避位置から多少前進させた位置(図1における紙面に向かって進めた位置)にある。
【0049】
なお、ボビン残糸を除去すべく、ボビン交換装置160によって上記残糸除去装置161の残糸除去位置Bにボビンケース2を移動させるにあたっては、その前に、ダミー軸6に対向する第1の位置B1(上記ダミー位置Dとは異なりこれを後退させた位置)、この第1の位置B1と上記残糸除去位置Bとの間の第2の位置B2に、当該ボビンケース2を移動させるようになっている(図8参照;詳しくは後述)。勿論、これら位置B1,B2はボビンケース把持手段の回転軌跡の対向位置にある。因に、図1中における符号102はミシンテーブルを、106はオイルパンを、104,105は下軸を、Xはミシン頭部を引き起こす際の外周側の回動軌跡を、それぞれ示している。
【0050】
上記下糸自動供給装置はミシンベッド101の下部に設けられている。先ず、図2乃至図6を参照しながら、ボビン交換装置160について以下説明する。
【0051】
図2乃至図6において、符号1はボビンケース2が装着される釜を、符号1aは釜軸を、符号3はミシン本体に取り付けられたメインベースに立設されて釜1の直下に配設された支持体としてのベース板をそれぞれ示しており、該ベース板3には、釜軸1aに平行な軸心を有する搬送軸4の基端4aが固定され、該搬送軸4はベース板3に片持ち支持された状態となっている。
【0052】
この搬送軸4の先端4b側(反ベース板側)には、搬送ブロック12が、当該搬送軸4に対して回転可能且つ摺動可能に支持されている。この搬送ブロック12は、特に図2に示されているように、円筒の外周面を軸線方向に沿って2箇所切断し該切断面同士が対向するよう形成された形状を有しており、その搬送ブロック12の各切断面には、L字状に折曲された搬送板10,10のL字を構成する一方の板状部分がそれぞれ固定されている。また、L字を構成する他方の板状部分は、軸線を挟んで互いに対向した状態となっている。
【0053】
上記各搬送板10,10には、軸線方向に沿って釜側に延出するように折曲された保持部11,11の一方の端部がそれぞれ固定されており、これら保持部11,11の他方の端部(釜側を向く端部)には、ボビンケースを把持または開放するボビンケース把持手段(不図示)がそれぞれ固定されている。このボビンケース把持手段としては、例えば特開平5−192476号公報の下糸自動供給装置や本出願人が先に出願した特願平5−121960号明細書のミシンの下糸自動供給装置に記載されている一対の電磁石吸着ヘッドを始めとして、例えば本出願人が先に出願した特願平5−116363号明細書のミシンの下糸自動供給装置に記載されているレバー爪によるもの等、適宜のものを採用することができ、要は、ボビンケース2を必要に応じて対向部材(例えば、釜1)に対して着脱できるものであれば良い。
【0054】
再び図1乃至図6に戻って、上記搬送ブロック12の外周には回動歯車13が固定されており、該回動歯車13には、図3に示されるように、釜軸1a方向に沿って長尺なる形状の駆動歯車19が噛合している。この駆動歯車19は、その一端が、ベース板3に取り付けられたモータ固定板21の搬送軸他端側に突出した部分に回転可能に支持されており、他端は、モータ固定板21に固定された回動モータ20の出力軸に直結された状態となっている。
【0055】
従って、回動モータ20が回転すると、駆動歯車19、回動歯車13を介して、搬送ブロック12及び搬送板10,10並びに保持部11,11から構成される回転手段としての回動アーム70が回転するようになっている。なお、この回動アーム70の回転動作は、本実施形態にあっては、該回動アーム70が退避位置にある時(図3乃至図5参照)に行われるようになっている。また、搬送軸4は片持ち支持であるが、上記駆動歯車19によりガイドされていることから、その支持強度は充分となっている。
【0056】
上記搬送ブロック12の外周における上記回動歯車13より搬送軸4の固定端側には、図示されない例えばストップリングが固定されており、該搬送ブロック12の外周における回動歯車13とストップリングとの間には、直動カラー14が回転可能に支持されている。
【0057】
この直動カラー14には、図2乃至図4に示されるように、釜軸1aに平行に移動可能に支持されたラック16の一端が固定されており、このラック16の他端にはピニオン17が噛合している。このピニオン17は、ベース板3に取り付けられた移動モータ18の出力軸に固定されている。
【0058】
従って、上記移動モータ18が駆動すると、ピニオン17を介してラック16と共に、直動カラー14、回動アーム70が搬送軸4の軸線方向に沿って移動するようになっている。すなわち回動アーム70は、搬送軸4に対して回転できると共に、搬送軸4に沿って摺動できるようになっている。
【0059】
上記搬送軸4の開放端側には、センサ固定板33が取付けられており、このセンサ固定板33上には、発光素子31aと受光素子31bとからなる回動センサ31が取り付けられている。また、上記回動アーム70には、図2及び図3に示されるように、センサ板32が固定されており、該回動アーム70の回転時に、センサ板32が発光素子31aと受光素子31bとの間を通過し得るように、回動センサ31及びセンサ固定板33並びにセンサ板32の位置調整がなされている。
【0060】
ベース板3には、図2及び図4に示されるように、上記回動センサ31と同構造の直動センサ41が取り付けられている。また、上記ラック16には、センサ板15が固定されており、該回動アーム70の直動時に、センサ板15が直動センサ41の発光素子41aと受光素子41bとの間を通過し得るように、直動センサ41及びセンサ板15の位置調整がなされている。
【0061】
すなわち、ボビンケース把持手段が退避位置に移動すると、上記センサ板15が上記直動センサ41の発光素子41aと受光素子41bとの間を遮蔽することになり、これによってボビンケース把持手段の退避位置への移動が検出される。そして、今度は当該退避位置で原点位置が検索される。すなわち、ボビンケース把持手段を退避位置で回動させ、センサ板32が発光素子31aと受光素子31bとの間を遮蔽した位置を例えば原点位置としておけば、この位置にボビンケース把持手段を回動すると原点位置に復帰することになる。また、上記回動モータ20として例えばパルスモータを用いた場合には、このパルスモータのパルス数をカウントすることによって、該ボビンケース把持手段を、上記釜位置A、下糸巻回位置C、残糸除去位置B、第1の位置B1、第2の位置B2、ダミー位置Dに回動制御することができる。
【0062】
ここで、本実施形態においては、回動アーム70が退避位置にあって上記ボビンケース把持手段に把持されたボビンケース2が釜1に対向する位置を回動アーム70(ボビンケース把持手段)の原点位置としている。
【0063】
また、ベース板3には、図22に示されるエアーノズル45が固定されており、このエアーノズル45は、その吹出口が釜内のボビンケース2に向かうようにして配設されている。このエアーノズル45には電磁弁としての流量制御タイプの電空比例弁22が接続されており、この電磁弁22には図示されないエアー源が接続されている。そして、該エアーノズル45は、釜内のボビンケース2の抜き取り時において、回動アーム70と共にボビンケース把持手段が該釜内のボビンケース2に向かって前進する際に、エアーの吹き出しが行われるようになっている。
【0064】
すなわち、このエアーノズル45のエアーによって、ボビン交換時に、釜内に装着されたボビンケースのその所定位置(下糸張力ばねの下糸導出部分)より導出する下糸が、ボビンケース把持手段に絡まないようになっている。
【0065】
また、ベース板3における上記ボビンケース把持手段の回転軌跡の対向位置であって、図1に示されるように、釜1直下の位置Dには、ボビンケース保持手段としてのダミー軸6が固定されている。このダミー軸6は、特に図6に示されているように、中釜軸5と同構造となっており、ボビンが収容されたボビンケース2を押し込めば、該ボビンケース2を保持できるようになっている。そして、押し込められたボビンケース2の既設のボビン係止爪2dが、図1に示されるように、ダミー軸6の近傍に突設された回り止め部材5aaの係止溝に係合するよう構成されている。すなわち、ボビンケース2は所定の位置に位置決めされて保持されるようになっている。
【0066】
残糸除去位置Bには残糸除去装置161が配設されている。この残糸除去装置161について、図7及び図8を参照しながら、以下説明する。
【0067】
図において、符号79は回転軸を示している。この回転軸79は上記ベース板3を貫くと共に、該ベース板3を挟むように配設されたコの字状の残糸ブラケット80の両側板80a,80bに回転可能に掛け渡されており、両端は各側板80a,80bより外方にそれぞれ突出している。残糸ブラケット80の手前側(図7における左側)側板80aより突出する軸部分には回転体としての駆動ローラ760が固定され、奥側(図7における右側)側板80bより突出する軸部分には残糸ローラ駆動プーリ83が固定されている。また、上記ベース板3の奥側にはモータブラケット3aが配設されており、このモータブラケット3aには、回転体移動手段としての残糸巻取モータ86が固定されている。この残糸巻取モータ86の出力軸には図示されない残糸巻取プーリが固定されており、この残糸巻取プーリと上記残糸ローラ駆動プーリ83との間には図示されない残糸ベルトが掛け渡されている。
【0068】
従って、残糸巻取モータ86が駆動すると、その回転は残糸巻取プーリ、残糸ベルト、残糸ローラ駆動プーリ83を介して回転軸79に伝達され、駆動ローラ760が回転するようになっている。
【0069】
また、上記残糸ブラケット80の側板80aとベース板3との間には、図7に示されるように、コの字状の回動腕としての回転アーム85が配置されている。この回転アーム85のコの字を構成する両側板85a,85bには回転軸80cが回転可能に掛け渡されており、手前側側板85aからさらに手前側に突出する軸部分には回転体としての従動ローラ761が固定されている。これらローラ760,761により引き出し手段が構成された状態となっている。
【0070】
該回転アーム85には軸87が固定されており、この軸87はベース板3を貫くと共に残糸ブラケット80の両側板80a,80bに回転可能に掛け渡されている。この軸87の同軸上であって、回転アーム85の奥側の側板85bより図7における左側から右側に向かっては、開放端が奥側に向かうカップ状の摩擦クラッチ板250b、クラッチ圧接バネ250c、開放端が手前側に向かうカップ状の収納部250a、この収納部250aが端部に固定された回転アーム駆動ギヤ88が順に配置されており、これら摩擦クラッチ板250b、クラッチ圧接バネ250c、収納部250a、回転アーム駆動ギヤ88はその軸心を軸87に貫かれて当該軸87に回転可能に支承された状態となっている。上記クラッチ圧接バネ250cは、摩擦クラッチ板250b、収納部250a間に収納されており、該クラッチ圧接バネ250c内に配置され摩擦クラッチ板250b、収納部250a間に固定された図示されない複数のピンにより摩擦クラッチ板250b、収納部250a内での回転が規制された状態となっている。そして、上記回転アーム駆動ギヤ88には回転アーム伝達ギヤ90が噛み合っており、この回転アーム伝達ギヤ90は、上記回転軸79の途中部分に固定された状態となっている。
【0071】
すなわち、クラッチ圧接バネ250cの圧接力により回転アーム85の奥側の側板85bと摩擦クラッチ板250bとは圧接状態にあり、回転アーム駆動ギヤ88の回転駆動力が、収納部250a、クラッチ圧接バネ250c、摩擦クラッチ板250bを介して回転アーム85に摩擦伝達され、該回転アーム85は軸87を支点として回動できるようになっている。
【0072】
従って、残糸巻取モータ86を図8におけるCCW方向に駆動して駆動ローラ760を同方向に回転すると、この回転駆動力は回転アーム駆動ギヤ88により回転方向が反転されてこの反転された回転駆動力は、収納部250a、クラッチ圧接バネ250c、摩擦クラッチ板250bを介して回転アーム85に摩擦伝達され、回転アーム85は軸87を支点としてCW方向に回動し、駆動ローラ760に対して従動ローラ761が離間されて両ローラ760,761間にスペースが生じるようになっている。この時の従動ローラ761の位置を離間位置と称する。
【0073】
また、残糸巻取モータ86をCW方向に駆動して駆動ローラ760を同方向に回転すると、この回転駆動力は回転アーム駆動ギヤ88により回転方向が反転されてこの反転された回転駆動力は、収納部250a、クラッチ圧接バネ250c、摩擦クラッチ板250bを介して回転アーム85に摩擦伝達され、回転アーム85は軸87を支点としてCCW方向に回動し、従動ローラ761は駆動ローラ760に対して押圧状態となるようになっている。この時の従動ローラ761の位置を下糸を巻き込み排出する排出位置と称する。
【0074】
そしてさらに、従動ローラ761が駆動ローラ760に対して押圧されると、回転アーム85の軸87を支点としたCCW方向への回動が不可能となって摩擦クラッチ板250bと回転アーム85の奥側の側板85bとの間に滑りが発生し、これ以上の押圧力がかからない状態(当該押圧力を維持した状態)となると共に、駆動ローラ760はそのままCW方向に回転を続けるようになっている。
【0075】
なお、回転アーム85及び従動ローラ761が軸87を支点として回動した時に、従動ローラ761を固定する回転軸80cが残糸ブラケット80の手前側側板80aに当たらないように、当該側板80aには適宜切欠等が形成されている。
【0076】
また、この残糸除去装置161には、エアー吹き付けを行うエアーノズル100が設けられている(図8、図22参照)。このエアーノズル100には、図22に示されるように、電磁弁としての流量制御タイプの電空比例弁23が接続されており、この電磁弁23には図示されないエアー源が接続されている。
【0077】
当該エアーノズル100は、回動アーム70により第1の位置B1(上記ダミー軸6に対向する位置;図8(a)参照)に位置したボビンケース2のその下糸導出部(下糸張力ばねの下糸導出部分)に向かってエアーを吹き付け可能となっており、当該下糸導出部から導出する下糸がたとえボビンケースの外周面や端面に静電気等により付着していても、このように下糸導出部に向かってエアー(下糸垂らし用のエアー)を吹き付けることによって、当該下糸端部Mを確実に下方に垂らし得るようになっている。
【0078】
エアーノズル100はまた、回動アーム70により第2の位置(上記位置B1から上方に回動した位置;図8(b)〜(e)参照)B2に位置したボビンケース2のその下糸導出部から垂れる下糸端部Mを、作業位置に吹き寄せ可能にもなっている。ここで言う作業位置とは、回転アーム85を90°近く開放した時の従動ローラ761と駆動ローラ760との間の凡そ中間の位置であり、この下糸端部Mの作業位置への吹き寄せは、エアーノズル100からのエアー(下糸吹き寄せ用のエアー)をボビンケース2の外周面に向かって吹き出し当該外周面に沿った流れを作り出すことにより、達成される。
【0079】
エアーノズル100はまた、回動アーム70により残糸除去位置(上記位置B2からさらに上方に回動した位置;図8(f)参照)Bにボビンケース2が位置した時に、従動ローラ761の回転接線方向とは逆方向であって該従動ローラ761の図示右斜め下部の位置に向かってエアー(糸絡まり防止用のエアー)を吹き付け可能にもなっており、ローラ760,761の回転によって排出される下糸が従動ローラ761やその付近の部材に絡み付かないようになっている。
【0080】
すなわち、回動アーム70によってボビンケース2を上記第1、第2、残糸除去位置にそれぞれ移動することで、1本のエアーノズル100によって上記下糸垂らし処理と下糸吹き寄せ処理と糸絡まり防止処理の3処理がなされるようになっている。
【0081】
また、この残糸除去装置161には、図8及び図22に示されるように、ローラ760,761の回転によって排出される下糸が駆動ローラ760やその付近の部材に絡み付かないように、駆動ローラ760の回転接線方向とは逆方向であって該駆動ローラ760の図示左斜め下部の位置に向かってエアーを吹き付け可能なエアーノズル100aも備えられている。このエアーノズル100aには、図22に示されるように、上記電磁弁23が接続されており、この電磁弁23には図示されないエアー源が接続されている。また、このエアーノズル100aと電圧比例弁23との間の流路には、図示されない電磁弁が設けられており、エアーノズル100aからのエアーを吐出したり、遮断したりすることができるようになっている。
【0082】
また、上記残糸除去装置161におけるブラケット80の手前側側板80aには、図7に示されるように、回転検出手段としての例えば反射型光センサ500が付設されている。この反射型光センサ500は、回動アーム70に従ってボビンケース2が残糸除去位置Bにセットされて対向した時(残糸除去ができる状態の時)に、図9に示されるようなボビン7の側面に1箇所穿設された反射孔7aに対向するように配設されている。
【0083】
従って、残糸除去装置161による残糸除去動作でボビン7が回転すると、該反射型光センサ500からは、図10に示されるように、連続したパルス波が出力される。ここで、下糸がボビン7から除去されてしまうとボビン7の回転が停止することから、反射型光センサ500からの出力により、残糸除去の完了が判るようになっている。このような判定を行う判定手段は、後述の残糸除去装置制御手段403(図24参照)に組み込まれており、残糸除去終了判定に従って残糸除去装置161の駆動が停止されるようになっている。
【0084】
斯くの如く残糸除去装置161は構成されており、基本的にボビン7に巻かれボビンケース2より垂れる下糸を引き出す構成となっていることから、その主要部は残糸除去位置Bより下方に配置されている(図7参照)。
【0085】
上記下糸巻回位置Cには下糸巻回装置162が配設されている。この下糸巻回装置162としては、例えばモータの駆動等によってボビンを回転させることにより自動的にボビンに下糸が巻回可能なものが採用されている。この下糸巻回装置162は、図1に簡略化して示されるように、ボビン駆動機構E及びエアー案内機構G並びに糸供給検出機構Fからなる。先ず、ボビン駆動機構Eについて以下説明する。
【0086】
図7、図11、図12、図17において、符号50は巻取り軸を示しており、この巻取り軸50は上記ベース板3に回転自在に支承されている。巻取り軸50の一端にはボビン7に形成された複数の孔7b(図9及び図21参照)にクラッチ可能なクラッチ機構50aが、他端にはプーリ50bがそれぞれ固定されている。上記ベース板3にはボビン駆動手段としてのボビン駆動モータM2も固定されている。このボビン駆動モータM2の出力軸にはプーリ52が固定されており、このプーリ52とプーリ50bとの間には、ベルト51が掛け渡されている。
【0087】
すなわち、回動アーム70の回転により下糸巻回位置Cに至ったボビンケース2が該回動アーム70の前進動作により多少前進すると共にボビン駆動モータM2が駆動すると、巻取り軸50が回転すると共に該クラッチ機構50aとボビン7とが連結されるようになっている。なお、クラッチ機構は、上述のような孔に係合する構成のものに限定されるものではなく、他の構成のものであっても構わない。
【0088】
また、下糸巻回装置162は、下糸のボビン軸への絡み付き並びにボビンに巻回される下糸量を検出する糸供給検出機構Fを備える。この糸供給検出機構Fについて以下説明する。図13及び図14において、符号53はコの字状のベースを示しており、このベース53の両側板53a,53b間にはローラ軸55が回転可能に掛け渡されている。このローラ軸55の側板53b側の端部は側板53bより外方に突出しており、当該端部には糸巻き200からの下糸150が巻回された(1巻きされた)ローラ54が固定されている。
【0089】
ローラ軸55の両側板53a,53b間における部分にはセンサスリット58が固定されている。このセンサスリット58は円盤状をなし、外周の一部に溝が設けられている。このセンサスリット58の対向位置には、フォトセンサ60が配設されており、センサスリット58の溝を検出可能となっている。すなわち、フォトセンサ60によりローラ54の回転を検出できるようになっている。
【0090】
そして、フォトセンサ60には、下糸150のボビン軸への絡み付きを検知すると共にボビン軸に巻回される有効下糸巻回量を検出する有効下糸巻回量検出手段61が接続されている。また、この有効下糸巻回量検出手段61には、判定手段61Bが接続されている。この判定手段61Bは、外部に接続された下糸巻回量を入力設定できる手段61Aからの設定下糸巻回量と有効下糸巻回量検出手段61からの実際にボビンに巻回されている下糸量とを比較し、両下糸量が一致したらボビン駆動モータM2のドライバ310aに駆動停止信号を送出するよう機能する。このような有効下糸巻回量検出手段61、判定手段61Bは、後述の下糸巻回装置制御手段401(図24参照)に組み込まれている
【0091】
また、糸供給検出機構Fの下流には、下糸供給源としての糸巻き200(図15参照)からの下糸150をボビンケース2の開口部2Aを介してボビンケース2内に案内する糸挿入手段としてのエアー案内機構Gを備えている。このエアー案内機構Gについて以下説明する。図11、図12、図16において、符号65は略中空円筒状の糸吸引器を示しており、この糸吸引器65には、図16に示されるように、直線状経路としての貫通孔65bが形成されていると共に、この貫通孔65bの途中に斜めに連設されて外部に開放される吸引孔65aが形成されている。貫通孔65bの上流側の開放口には、図11、図12、図22に示されるように、エアーチューブ66の一端が接続されており、このエアーチューブ66の他端には電磁弁としての流量制御タイプの電空比例弁68が接続されていて、この電磁弁68には図示されないエアー源が接続されている。また、糸吸引器65における貫通孔65bの下流側の開放口には、エアーチューブ67の一端が接続されており、このエアーチューブ67の他端側はヘの字状に折曲されて、その先端にはエアーノズル67aが設けられている。
【0092】
上記糸吸引器65は、図11及び図12に示されるように、ノズル軸34に固定されており、このノズル軸34は上記ベース板3に回転自在に支持されている。該ノズル軸34における糸吸引器65、ベース板3の間にはノズルギヤ35が固定されており、このノズルギヤ35にはノズルモータギヤ36が噛合している。そして、このノズルモータギヤ36は、上記ベース板3に固定されたエアーノズル退避モータとしてのステッピングモータ37の出力軸に固定されている。
【0093】
従って、ステッピングモータ37を駆動すると、糸吸引器65、エアーチューブ67、エアーノズル67aがノズル軸34を回動支点として回動するようになっている。また、この時のエアーノズル67aの回動位置は、ノズルギヤ35に固定されたセンサ板38及びベース板3に固定され該センサ板38の位置を検出するノズルセンサ39によって検出されるようになっており、この検出結果に従ってステッピングモータ37の制御がなされるようになっている。すなわち、ステッピングモータ37の駆動によって、エアーノズル67aは、ボビン軸7aへの下糸絡み付け時に、図12に実線で示されるボビンケース2の開口部2Aに対向する位置(作業位置)N1に位置し、下糸巻回時及び糸掛け時並びに待機時に、図12に一点鎖線で示される退避位置N2に位置し、糸切り時に、図12に一点鎖線で示される糸切り位置(作業位置N1、退避位置N2の間の位置)N5に位置するようになっている。
【0094】
なお、図11及び図12における符号22はボビン駆動機構E及びエアー案内機構Gを覆うカバーを、23は糸供給検出機構Fから糸吸引器65の吸引孔65aへ下糸を案内するための案内棒を、それぞれ示している。
【0095】
ところで、ボビン軸7aに対して下糸を絡み付けるにあたっては、上記作業位置に位置するエアーノズル67a先端から所定長の下糸が導出されている(詳しくは後述)。このエアーノズル67aから導出される下糸長さ(LL)は、この導出された下糸端部をボビン軸に絡み付かせるのに必要な長さとする。そして、この必要長さは、▲1▼{(作業位置にあるエアーノズルからボビン軸外周に到達するまでの長さ)+〔ボビン軸一周長さ×(1.1〜2.0)〕}の範囲にあると好ましく、▲2▼{(作業位置にあるエアーノズルからボビン軸外周に到達するまでの長さ)+〔ボビン軸一周長さ×(1.25〜1.8)〕}の範囲にあるとより好ましい。
【0096】
上記▲1▼の範囲より長いと、導出する下糸端部がボビンケース2の開口部2Aから入り難くなったり、入ったとしてもボビン軸7aを1周以上周回して自ら結び目を形成してボビン軸7aを縛ってしまう畏れがあり、また▲1▼または▲2▼の範囲より短いと、下糸端部がボビン軸7aに絡み付かない畏れがある。
【0097】
本実施形態にあっては、必要長さを55mmに設定した。すなわち、エアーノズル67a先端とボビンケース2の開口部2Aとの間隔Hを7mmとし、ボビンケース開口部2Aからボビン軸外周に接する長さ7mmと、(ボビン軸周25mm×1.64)=31mmから求めた。
【0098】
また、上記作業位置に位置しているエアーノズル67a先端の下糸案内方向(エアー吹き付け方向)は、ボビン軸下糸巻き付け側にある。ここで言うボビン軸下糸巻き付け側とは、図18及び図19に示されるように、ボビン軸7a中心とエアーノズル67a先端とを結ぶ線分YYにより2分割されるボビン軸7a外周の一方向、すなわち下糸150をボビン軸7aに絡み付かせる側(図19中の符号XX方向)である。また、エアーノズル67a先端の下糸案内方向は、好ましくはボビン軸下糸巻き付け側XXのボビン軸7a外周に交差する方向で、特に好ましくはボビン軸7a外周に接する方向である。
【0099】
そして、ボビンケース開口部2Aの対向位置に停止している(作業位置にある)エアーノズル67a先端とボビンケース2の開口部2Aとの間隔H(図18参照)は、好ましくは10mm以下で、特に好ましくは3〜7mmである。この範囲により、下糸150の吹き出しエアーによるばたつきが抑えられると共に、ボビンケース2内で下糸150がボビン軸7aに絡み付くのに必要な渦流を形成することができる。
【0100】
ところで、下糸巻回装置162には、糸掛け装置が付設されている。この糸掛け装置は、図7及び図20に示されるように、下糸巻回位置Cにセットされたボビンケース2のその周囲に回動可能に配置された動メス糸捌き116を有し、この動メス糸捌き116をボビンケース2の周囲に回動させることによって、ボビンに巻回されボビンケース開口部2Aより導出する糸巻き200からの下糸150を、ボビンケース2の開放端縁とボビン7外周との隙間を介して糸掛け位置2Bに誘導してスリット溝2Cに導き、下糸張力ばね2D下の下糸導出孔2Hを経て下糸張力ばね用孔2E近傍から導出できる構成となっている(図21参照)。なお、糸掛け装置としては上記構成のものに限定されるものではなく、要はボビンに巻回されボビンケース開口部2Aより導出する糸巻き200からの下糸150を、ボビンケース2に糸掛けできるものであればどのようなものであっても良く、例えば特開平7−68071号公報記載の糸掛け装置や本出願人が先に出願した特願平7−65140号明細書記載の糸掛け装置を始めとして、適宜のものを採用することができる。
【0101】
下糸巻回装置162にはさらに、糸切り装置が付設されている。この糸切り装置は、上記下糸張力ばね用孔2E近傍より導出する糸巻き200からの下糸150を、上記動メス糸捌き116の回動動作により捌き、固定メス91との間で所定長残すようにして切断できる構成となっている(図7及び図20参照)。
【0102】
ここで、ボビンケース2の下糸張力ばね用孔2E近傍より導出する下糸の該下糸張力ばね用孔2Eから下糸切断点S(詳しくは動メス糸捌き動メス116と固定メス91との擦り合う点;図20参照)までの下糸長さが、上糸との絡み合いによる縫目形成に必要な長さ、すなわち40mm程度となるように、ボビンケース2、固定メス91、下糸切断点S等の各配置が決定されている。
【0103】
また、エアーノズル67aが糸切り位置N5に位置した時に、上記切断時の下糸切断点Sとエアーノズル67a先端との間の距離が、図20に示されるように、上述したボビン軸7aに下糸を絡ませるのに必要な長さLL(本実施形態にあっては55mm程度)に略一致するように、ボビンケース2、下糸切断点S、エアーノズル67aの糸切り位置N5等の各配置が決定されている。
【0104】
なお、糸切り装置としては上記構成のものに限定されるものではなく、要はボビンに巻回されボビンケース2の下糸張力ばね2D下の下糸導出孔2Hを経て下糸張力ばね用孔2E近傍から導出する糸巻き200からの下糸150を、上記所定長残して切断できるものであればどのようなものであっても良く、例えば特開平7−68071号公報記載の糸切り装置や本出願人が先に出願した特願平7−65140号明細書記載の糸切り装置を始めとして、適宜のものを採用することができる。
【0105】
また、上記糸供給検出機構Fと糸巻き200との間には、図15に示されるように、下糸150の張力を可変とする糸張力可変手段204が設けられている。この糸張力可変手段204は、通過する下糸150を押圧する張力ばね205と、この張力ばね205の押圧力をマニュアル操作により調整する螺子206と、ミシンベッド101内に配され上記張力ばね205の押圧力に抗するソレノイド推力を生ぜしめるソレノイドSOLと、から構成されている。
【0106】
この糸張力可変手段204を駆動する電気回路は、ソレノイドSOLに電源を直列に接続し、その間にスイッチを介した構成となっている。
【0107】
従って、スイッチをオフした場合には、上記ソレノイド推力が発生せず、下糸150には張力ばね205の押圧力が最大限にかかり、下糸張力は最大となる。また、スイッチをオンした場合には、上記ソレノイド推力が最大限に発生し、下糸150には張力ばね205の押圧力からソレノイド推力を減じたものがかかり、下糸張力は最小となる。
【0108】
なお、上記残糸除去装置161、下糸巻回装置162が、図1に示したベース板3に接触する場合には、該ベース板3は適宜切欠かれる。また、図1にあっては、残糸除去位置Bと下糸巻回位置Cとダミー軸6に対するボビン着脱位置Dが近接しており、保持部11が誇張されて記載されている。このため、保持部11が残糸除去装置161や下糸巻回装置162に接触することも心配されるが、実際には、このような接触が生じないように充分なスペースが確保されている。
【0109】
また、上記下糸自動供給装置には操作パネル(不図示)が付設されており、この操作パネルには、図23及び図24に示されるように、下糸自動供給装置に接続された電源スイッチ302、操作スイッチ、下糸巻回量設定手段としての設定スイッチ61A(図14参照)及び糸種、糸番手入力スイッチ309並びに表示手段としてのエラー表示窓316等が付設されている。次に、該下糸自動供給装置の動作を制御する下糸自動供給制御装置について説明する。
【0110】
先ず、図23に示されているように、所定の縫い動作を実行するミシン本体300にはメイン電源をオン・オフする電源スイッチ(ミシン側の電源スイッチ)302が設けられていると共に、この電源スイッチ302のオン・オフを判別するミシン電源監視手段(ミシン電源監視回路)301が付設されている。このミシン電源監視手段301は、後述する電源通電制御装置450(図24参照)の一部を構成するものであって、具体的にはミシン制御回路内における例えば+5Vの電源をモニタしておき上記電源スイッチ302のオフ検知信号を、電源通電制御装置450の通電タイミング制御手段315(後述)に出力する機能を有している。
【0111】
一方、メイン電源は、後述する電源通電制御装置450の制御スイッチ手段を構成するリレースイッチ303を介して直流電源回路304にも接続されている。この電源通電制御装置450の直流電源回路304は、上述した下糸自動供給装置の下糸巻回装置162(正確には糸掛け、糸切り装置も含む)、残糸除去装置161及びボビン交換装置160にそれぞれ駆動電流を供給するように接続されており、上記リレースイッチ303から発せられるオン・オフ信号に基づいて各装置160,161,162への通電制御を行うように構成されている。
【0112】
また、上記下糸巻回装置162には、図23に示されるように、ボビン駆動モータM2用ドライバ310a、エアーノズル退避モータ37用ドライバ310b、動メス付き糸捌き116のモータ用ドライバ310c、糸張力可変手段のソレノイドSOL用ドライバ310d、電空比例弁68用ドライバ310eがそれぞれ接続されており、ボビン交換装置160には、移動モータ18用ドライバ311a、回動モータ20用ドライバ311b、電空比例弁22用ドライバ311cがそれぞれ接続されており、また残糸除去装置161には、残糸巻取モータ86用ドライバ312a、電空比例弁23用ドライバ312bがそれぞれ接続されている。また、リレースイッチ303にはドライバー313が接続されている。そして、これらドライバ310a〜310f,311a〜311c,312a,312b,313には、i/oポート305を介して、CPU(中央演算装置)306及びこのCPU306に付設されたROM307及びRAM308からの各信号が入力されるように接続されている。そして、上記各装置162,161,160が、図24に示されているように、下糸自動供給装置制御手段400により制御されつつ上述した所定の動作を実行すると共に、この実行を可能とするように上記下糸自動供給装置制御手段400への通電状態が電源通電制御装置450により制御されるように構成されている。
【0113】
すなわち、図24に示されているように上記下糸自動供給装置制御手段400は、下糸巻回装置制御手段401、ボビン交換装置制御手段(ボビン搬送・着脱装置制御手段)402及び残糸除去装置制御手段403から構成されており、これらの各制御手段401,402,403には、前記電源通電制御装置450の直流電源回路304から所定の駆動電流が供給されていると共に、同様に電源通電制御装置450の通電タイミング制御手段315からの動作指令信号が印加されている。この通電タイミング制御手段315は、前記下糸巻回装置162、残糸除去装置161及びボビン交換装置160の各動作を常時監視する機能を有している。
【0114】
また、上記通電タイミング制御手段315には、前述したミシン電源監視手段301からの検出信号、すなわちミシン電源スイッチ302のオン・オフを検出した信号が印加されている。そして、この通電タイミング制御手段315は、ミシン電源スイッチ302のオフ検出信号を受けた時に、その電源遮断時点において動作途中にある装置の処理動作を完了させ、その後この処理動作に続いて行われる予定のボビン交換前に必要な処理動作がある場合にはその処理動作を順次完了させてボビン交換待機状態とする、すなわちボビン交換に必要な処理(残糸除去処理、下糸巻回処理、糸掛け処理、糸切り処理)を全て完了させた後に当該ボビンケースを釜に対向させた退避位置(原点位置)に移動する動作指令信号を、上述した各制御手段401,402,403にそれぞれ発する機能を有している。
【0115】
また、上記通電タイミング制御手段315は、上記各装置の処理が順次完了してボビン交換待機状態になった時に、上記ボビン交換に必要な処理がなされたボビンケースを原点位置から釜1に対向接近する位置まで前進させる動作指令信号を、上述したボビン交換装置制御手段402に発する機能を有している。
【0116】
また、上記通電タイミング制御手段315は、ボビン交換装置160によりボビンケースを原点位置から釜1に対向接近する位置まで前進させた時に、前記制御スイッチ手段303に対して処理完了信号を発する機能を有している。一方、制御スイッチ手段303は、パワーリレースイッチ、ソリッドステートリレー等から構成されており、前記ミシン電源スイッチ302とは無関係に常時交流駆動電流が供給されている。そして、この制御スイッチ手段303は、前述した通電タイミング制御手段315からの処理完了信号を受けて、直流電源回路304にオフ指令信号を出力するように構成されている。このオフ指令信号を受けた直流電源回路304は、上記各制御手段401,402,403及び各装置160,161,162に対する駆動電流の供給を停止することとなる。
【0117】
このように、上記ボビン交換に必要な処理がなされたボビンケースが釜1に対向接近した位置にあることから、無理して回動アーム70を後退させない限り、釜1内のボビン及びボビンケース、釜1に対向接近しているボビン及びボビンケースに対して人手を介入することは難しくなっている。すなわち、必要がない限り上記ボビン及びボビンケースに妄りに触らせないようになっている。
【0118】
さらに、上記通電タイミング制御手段315から発せられる処理完了信号は、遮断情報記憶手段としての前記RAM(不揮発性メモリー)308にも印加されている。このRAM308は、バッテリバックアップRAMあるいはEEPROM等から構成されており、当該RAM308内に電源遮断の正常または異常(例えば停電時)情報が格納・記憶されるようになっている。一方、上記RAM308に格納された電源遮断の正常または異常情報は、上記通電タイミング制御手段315側に常時参照されており、RAM308に格納されている電源遮断の正常または異常情報が通電タイミング制御手段315で確認されている。そして、この確認された電源遮断の正常または異常情報に基づいて、上記各制御手段401,402,403に対する初期化信号が通電タイミング制御手段315から発せられるように構成されている。
【0119】
また、上記通電タイミング制御手段315には、所定の表示手段316が接続されており、上記RAM308に格納された電源遮断の正常または異常情報が、表示される構成になされている。
【0120】
さらに、上記通電タイミング制御手段315は、ミシン電源スイッチ302の再オン検出信号を受けた時に、ボビンケースを釜1に対向接近する位置から原点検出させるように、上述したボビン交換装置制御手段402に動作指令信号を発する機能を有している。
【0121】
また、前記電源通電制御装置450には、前述したミシン電源監視手段301からの検出信号を受けると共にボビン交換装置160の動作を監視し、ミシン電源スイッチ302の再オン検出信号を受け、ボビンケースを釜1に対向接近する位置から原点検出を行わせた時に、原点検出を行った時のステップ数が上記ボビンケースを釜1に対向接近する位置に前進させた時のステップ数と同じか否かを判別し、同じステップ数でない時にはミシン電源スイッチ302の再投入前に人手が釜1内のボビン及びボビンケース、釜1に対向接近していたボビン及びボビンケースに介入した(不具合が発生した訳ではないのに取り出して何らかの処置を施した)と判定する人手介入判定手段317が備えられている。
【0122】
この人手介入判定手段317は、ミシン電源スイッチ302の再投入前に人手が上記ボビン及びボビンケースに介入したと判定した場合には、人手が介入したという警告を上述した表示手段316に表示する構成になされている。すなわち、オペレーターによるチェックを促すようになっている。
【0123】
また、人手介入判定手段317が、ミシン電源スイッチ302の再投入前に人手が上記ボビン及びボビンケースに介入しなかったと判定した場合には、上述した通電タイミング制御手段315が、所定の継続処理を行わせる動作指令信号を、上述した各制御手段401,402,403にそれぞれ発する機能を有している。
【0124】
また、特に本実施形態における通電タイミング制御手段315は、従動ローラ761が上記離間位置(図8(b)の位置)から上記排出位置(図8(e)、(f)の位置)に移動する際に、その移動が間欠となると共に間欠移動ごとの移動量が可変(大から小)となるように上述した残糸除去装置制御手段403に動作指令信号を発する機能を有している。
【0125】
また、通電タイミング制御手段315は、駆動ローラ760の糸引き出し時の回転動作が間欠となると共に間欠回転動作ごとの回転量が可変(小から大)となるように残糸除去装置制御手段403に動作指令信号を発する機能を有している。
【0126】
また、通電タイミング制御手段315は、ボビン7から糸がある程度引き出された後の駆動ローラ760の糸排出時の回転速度が可変(低速から高速)となるように残糸除去装置制御手段403に動作指令信号を発する機能を有している。
【0127】
また、通電タイミング制御手段315は、上述したように、ボビンケース2を下糸垂らし処理時に第1の位置B1に、下糸吹き寄せ処理時に第2の位置B2に、糸絡まり防止処理時に残糸除去位置Bに、それぞれ位置させるようにボビン交換装置制御手段402に動作指令信号を発する機能を有している。
【0128】
また、通電タイミング制御手段315は、上記下糸垂らし処理時、下糸吹き寄せ処理時、糸絡まり防止処理時に吹き付けるエアーノズル100(100a)のエアーが、糸種、糸番手入力スイッチ309により予め入力されている糸種及び糸番手に応じて最適な流量となるように残糸除去装置制御手段403に動作指令信号を発する機能を有している。この糸種及び糸番手に応じた最適な流量を表1に示す。
【表1】
Figure 0004030602
【0129】
また、通電タイミング制御手段315は、ボビン交換時に、釜内のボビンケース2に向かって吹き付けを行うエアーノズル45のエアーが、上記糸種、糸番手に応じて最適な流量となるようにボビン交換装置制御手段402に動作指令信号を発する機能を有している。この糸種及び糸番手に応じた最適な流量は上述した表1と同様である。
【0130】
また、通電タイミング制御手段315は、下糸案内時に、ボビンケース2内に向かって吹き付けるエアーノズル67aのエアーが、上記糸種、糸番手に応じて最適な流量となるように下糸巻回装置制御手段401に動作指令信号を発する機能を有している。この糸種及び糸番手に応じた最適な流量を表2に示す。
【表2】
Figure 0004030602
【0131】
因に、上記エアーノズル45,100のノズル径は2〜3mmであり、上記エアーノズル67aのノズル径は3〜4mmである。そして、エアー供給源の圧力は5kgf/cm2 である。
【0132】
次に、このような制御装置を用いた下糸自動供給装置の制御動作を図25、図26、図28に示したフローチャートにより説明する。説明理解の容易性を考慮し、縫製動作の開始時点から説明していく。すなわち、先ず、ステップ5において、RAM(不揮発性メモリー)308がクリアーされると、下糸自動供給装置は運転開始待機状態にされる。そして、ステップ6において、ボビン交換要求があるか否かが判定される。このボビン交換要求は、例えば釜内のボビン残糸が少なくなった場合に下糸自動供給装置により自動的に発生するか、またはオペレーターが交換要求スイッチをオンした場合に発生する。
【0133】
そして、これら何れかによるボビン交換要求があると、ステップ7に進み、ステップ7において、ミシン300との干渉を避けるためにミシン動作を禁止してステップ8に進み、ステップ8において、ボビン交換を行う。この時点で、ボビンケース把持手段に把持されている一方のボビンケース2Yは、後述するステップ4またはステップ13の動作により原点位置、すなわち釜1に対向する退避位置にある(図6参照)。なお、説明の都合上、このボビンケースを2Yとし、釜内のボビンケースを2Xとする。
【0134】
そして、回動アーム70を180°回転してボビンケースを把持していないボビンケース把持手段を釜1に対向させ、その後前進させる。
【0135】
この時、図30に示したエアーノズル45により、釜内のボビンケース2Xに向かってのエアーの吹き出しが開始される。この時のエアー流量は、糸種、糸番手入力スイッチ309により予め入力されている糸種及び糸番手に従って表1より選択されたものである。従って、ミシンの糸切り動作によりボビンケース2Xの下糸張力ばね下から導出している所定長の下糸が、例えばボビンケース2Xの反開放側端面(ボビンケース把持手段に対向する面)に付着していても、当該面に付着している下糸は、上記選択された最適なエアーによって吹き飛ばされて所定の方向に案内されることになる。この導出糸の案内方向は、該導出糸がボビンケース把持手段により干渉されない方向であれば、どのような方向であっても構わない。
【0136】
そして、回動アーム70がさらに前進し(勿論この時もエアーの吹き付けは行っている)、ボビンケース把持手段により釜内の残糸のあるボビン内蔵のボビンケース2Xがボビンケース把持手段に保持される。従って、ボビンケース把持手段(詳しくはボビンケース把持手段とボビンケース2Xとの間)に、該ボビンケース2Xから導出する下糸が確実に絡まらないようになっており、ボビンケース2Xから導出する下糸の所定の長さが確保されるようになっている。
【0137】
このようにして、釜内のボビンケース2Xの把持がなされたら、エアーノズル50によるエアーの吹き出しを停止する。
【0138】
そして、その後回動アーム70を後退させる。次いで、回動アーム70を180°回転してボビンケース2Yを釜1に対向させ、その後前進させて釜内にボビンケース2Yを装着し、その後回動アーム70を後退させる。
【0139】
次いで、ステップ9に進み、ステップ9において、ミシン300の動作を許可してステップ10に進み、ステップ10において、残糸除去処理を行う。この残糸除去処理について、図26に示した残糸除去処理ルーチンに従って説明する。
【0140】
先ず、ステップ1において、予め入力されている糸種及び糸番手に応じたエアー流量を表1に従って選択してステップ2に進み、ステップ2において、回動アーム70を、図27(a)に示されるように、若干前進させてボビンケース2Xを第1の位置B1に位置させる。この時、回転アーム85は、図8(a)に示される位置、すなわち駆動ローラ760と従動ローラ761とが当接する位置にある。
【0141】
次いで、ステップ3に進み、ステップ3において、エアーノズル100から表1に従った下糸垂らし用のエアーを、図8(a)、図27(c)に示されるように、所定の間、間欠に吹き付けて、ボビンケース2Xのその下糸導出部(下糸張力ばねの下糸導出部分)から確実に下糸を下方に垂らしてステップ4に進み、ステップ4において、回動アーム70を、図27(b)に示されるように回動して、ボビンケース2Xを図8(b)に示される第2の位置B2に位置させる。
【0142】
次いで、ステップ5に進み、ステップ5において、残糸巻取モータ86を、図27(d)に示されるように、図8におけるCCW方向に駆動して駆動ローラ760を同方向に回転すると共に、この回転駆動力を回転アーム駆動ギヤ88により回転方向を反転してこの反転した回転駆動力を、収納部250a、クラッチ圧接バネ250c、摩擦クラッチ板250bを介して回転アーム85に摩擦伝達し、回転アーム85を軸87を支点としてCW方向に90°回動し、駆動ローラ760に対して従動ローラ761を離間して両ローラ760,761間にスペースを設ける(図8(b)参照)。
【0143】
次いで、ステップ6に進み、ステップ6において、上記エアーノズル100から表1に従った下糸吹き寄せ用のエアーを吹き付けて(図8(b)、図27(c)参照)、ボビンケース2Xより垂れる下糸端部Mを作業位置に吹き寄せる。
【0144】
次いで、ステップ7に進み、ステップ7において、残糸巻取モータ86を、図27(d)に示されるように、図8におけるCW方向に駆動して駆動ローラ760を同方向(下糸排出回転方向P;図8(c)参照)に回転し、この回転駆動力を回転アーム駆動ギヤ88により回転方向を反転してこの反転した回転駆動力を、収納部250a、クラッチ圧接バネ250c、摩擦クラッチ板250bを介して回転アーム85に摩擦伝達し、回転アーム85を軸87を支点としてCCW方向に回動し、従動ローラ761を駆動ローラ760側に向かわせる。そして、回転アーム85が上記90°から45°閉じた時に、残糸巻取モータ86の駆動を停止する(図8(c)参照)。
【0145】
次いで、ステップ8に進み、ステップ8において、残糸巻取モータ86の駆動を、図27(d)に示されるように、再開して、回転アーム85が上記角度からさらに30°閉じた時に、残糸巻取モータ86の駆動を停止する(図8(d)参照)。
【0146】
次いで、ステップ9に進み、ステップ9において、上記エアーノズル100による下糸吹き寄せ用のエアーの吹き付けを停止する(図27(c)参照)。すなわち、下糸端部Mをローラ760,761間に挟持する前に、エアーノズル100によるエアーの吹き付けを停止する。
【0147】
次いで、ステップ10に進み、ステップ10において、残糸巻取モータ86の駆動を、図27(d)に示されるように、再開して、回転アーム85が上記角度からさらに15°閉じた時に、残糸巻取モータ86の駆動を停止する(図8(e)参照)。この時、従動ローラ761は駆動ローラ760に当接し、これらローラ760,761間に下糸端部Mが挟持される。
【0148】
このように、従動ローラ761の閉じ具合を間欠にすると共にその間欠移動ごとの移動量を大から小にしていくと、下糸端部Mを作業位置に吹き寄せるエアーノズル100からのエアー流の乱れが大きく低減され、下糸がローラ760,761間から逃げないようになる。
【0149】
ここで、ローラ760,761間に下糸端部Mが挟持される時に、エアーノズル100によりエアーを吹き付けていると、ローラ760,761間を通過して下流に抜けるエアーが該ローラ760,761により遮断され、下糸端部Mがローラ760,761間から逃げてローラ760,761による巻き込み排出が行われないが、本実施例のように、エアーノズル100により作業位置に吹き寄せた下糸端部Mを、ローラ761の移動によってローラ760,761間に挟む前に、該エアーノズル100のエアーを遮断すると、吹き上げられていた下糸端部Mは回動してくる従動ローラ761の外周面に垂れて乗った状態となり、さらに従動ローラ761が回動してローラ760に対して対向し当接状態となると、これらローラ760,761間に下糸端部Mが挟持された状態となる。
【0150】
次いで、ステップ11に進み、ステップ11において、ローラ760,761の回転によって排出される下糸がローラ760,761やその付近の部材に絡み付かないように、上記エアーノズル100及び100aから表1に従った糸絡まり防止用のエアーの吹き付けを開始する(図8(e)、図27(c)参照)。
【0151】
次いで、ステップ12に進み、ステップ12において、残糸巻取モータ86を、図27(d)に示されるように、間欠駆動して駆動ローラ760を1/10回転づつ10回回転させる。ここで、残糸巻取モータ86の駆動を行うと、従動ローラ761が駆動ローラ760に対して押圧され、回転アーム85の軸87を支点としたCCW方向への回動が不可能となって摩擦クラッチ板250bと回転アーム85の奥側の側板85bとの間に滑りが発生し、これ以上の押圧力がかからない状態(当該押圧力を維持した状態)になると共に、駆動ローラ760はそのままCW方向に回転を続ける。従って、ローラ760,761間に挟持された下糸は両ローラ760,761の間欠共働回転により、ローラ760,761に巻き込まれながら少しづつ下流に排出される。
【0152】
次いで、ステップ13に進み、ステップ13において、駆動ローラ760が1/10回転づつ10回回転したか(駆動ローラ760が1回転したか)否かを判定し、10回回転していない場合には10回回転するまで同様な判定を繰り返し、10回回転した場合にはステップ14に進み、ステップ14において、残糸巻取モータ86を、図27(d)に示されるように、駆動して駆動ローラ760を1/2回転させる。
【0153】
次いで、ステップ15に進み、ステップ15において、残糸巻取モータ86を、図27(d)に示されるように、駆動して駆動ローラ760を1回転させる。
【0154】
このように下糸を巻き込み排出させる当初にあって、ステップ12〜15のように、ローラ760,761を間欠回転すると、糸暴れが低減されて下糸の巻き込みを確実に行い得るようになると共に、当該下糸を所定の方向に排出できローラ760,761や他の部材に絡み付く畏れが低減される。
【0155】
また、この時エアーノズル100,100aによってローラ760,761に対してエアーをそれぞれ吹き付けている(実際にはボビンケース2Xが第2の位置B2に位置していることから当該ボビンケース2Xが邪魔となって従動ローラ761にはエアーの多くは当たらないが、その流れの一部は該従動ローラ761に指向される)と、たとえ下糸がローラ760,761や他の部材に絡み付いたとしても、間欠回転中のローラ760,761停止時に、該エアーによって下糸の絡み付きが良好に解除される。
【0156】
また、上記間欠回転により排出される下糸量を間欠動作ごとに最初小さく徐々に大きくしていくと、排出される下糸が徐々に重くなって排出される下糸の姿勢が安定し、ローラ760,761や他の部材に絡み付く畏れが低減される。
【0157】
さて、再び図26に示されるフローチャートに戻り、ステップ16において、ボビン7の残糸除去が行われているか否かを判定する。これは、ローラ760,761の共働回転により残糸がローラ760,761に巻き込まれながら下流に排出されている(残糸除去が行われている)と、ボビン7が回転し、排出されていない(残糸除去が行われていない)と、ボビン7が回転しないということから、判定される。この回転の有無は、上述した反射型光センサ500からの出力信号により判断される。
【0158】
そして、ボビン7が回転していない、すなわち残糸除去が行われていないと判定した場合には、ステップ26に進み、ステップ26において、リトライ動作を規定回数行ったか否かを判定する。ここで、本実施形態においては、規定回数は3回となっており、3回未満の場合にはステップ27に進み、ステップ27において、回動アーム70を回動してボビンケース2Xをダミー軸6に対向させ、その後退避位置に後退させる。すなわち、ボビンケース2Xの位置をステップ2の前の位置に戻す。そして、ステップ2にリターンする。
【0159】
一方、ステップ26において、リトライ動作を3回行った場合にはステップ28に進み、ステップ28において、エアーノズル100及び100aからの糸絡まり防止用のエアーの吹き付けを停止してステップ29に進み、ステップ29において、残糸除去ができない何らかの故障が発生したとして、エラーフラグをセットしてリターンする。
【0160】
また、ステップ16において、ボビン7が回転している、すなわち残糸除去が行われていると判定した場合には、ステップ17に進み、ステップ17において、回動アーム70を、図27(b)に示されるように、回転させてボビンケース2Xを残糸除去位置Bに位置させる(図8(f)参照)。このように、ボビンケース2Xが第2の位置B2から残糸除去位置Bに移動すると、図8(f)に示されるように、邪魔となっていたボビンケース2Xがなくなることから、エアーノズル100からの糸絡まり防止用のエアーが直接従動ローラ761に吹き付けられる。
【0161】
次いで、ステップ18に進み、ステップ18において、残糸巻取モータ86を、図27(d)に示されるように、低速駆動してステップ19に進み、ステップ19において、ボビン7を1回転分駆動したか否かを判定し、1回転分駆動していない場合には1回転分駆動するまで同様な判定を繰り返し、1回転分駆動した場合にはステップ20に進み、ステップ20において、残糸巻取モータ86を、図27(d)に示されるように、中速駆動してステップ21に進み、ステップ21において、ボビン7を1回転分駆動したか否かを判定し、1回転分駆動していない場合には1回転分駆動するまで同様な判定を繰り返し、1回転分駆動した場合にはステップ22に進み、ステップ22において、残糸巻取モータ86を、図27(d)に示されるように、高速駆動する。
【0162】
このように、回転速度を最初低速で後に高速となるように段階的に制御すると、回転速度が一定な高速なものに比して糸暴れを防止できローラ760,761や他の部材に絡み付く畏れが低減される。また、回転速度が一定な低速なものに比して排出時間が短くされ得る。
【0163】
そして、ステップ23に進み、ステップ23において、今度はボビン7が停止したか否かを判定し、ボビン7が停止せずに未だ残糸除去を続行していると判定した場合には、ボビン7が停止するまで同様な判定を繰り返し、一方ボビン7が停止し残糸除去が終了したと判定した場合には、ステップ24に進み、ステップ24において、エアーノズル100及び100aからの糸絡まり防止用のエアーの吹き付けを停止してステップ25に進み、ステップ25において、残糸巻取モータ86を停止し駆動ローラ760の回転を停止してリターンする。
【0164】
このようにして残糸の除去がなされたら、図25に示したフローチャートのステップ11に進み、ステップ11において、エラーフラグがセットされているか否かを判定し、エラーフラグがセットされている場合にはステップ18に進み、ステップ18において、エラーフラグをクリアしてステップ19に進み、ステップ19において、エラー表示を行ってステップ20に進み、ステップ20おいて、ミシン電源スイッチ302がオフか否かを判定し、オンの場合にはオフになるまで同様な判定を繰り返し、オフの場合すなわちオペレーターによりミシン電源スイッチ302がオフされた場合にはステップ17に進み、ステップ17において、リレースイッチ303をオフし下糸自動供給装置自らの電源を遮断する。
【0165】
一方、ステップ11において、エラーフラグがセットされていない場合にはステップ12に進み、ステップ12において、下糸巻回(糸巻き)、糸掛け、糸切り処理を行う。先ず、下糸巻回処理について、図28示した下糸巻回処理ルーチンに従って説明する。
【0166】
この下糸巻回処理ルーチンにあっては、それ以前に以下の動作を行う。先ず、ローラ54に、糸巻き200、糸張力可変手段204からの下糸150を1巻きしておく。この時点で、糸張力可変手段204のスイッチをオンにし、上記ソレノイド推力を最大限に発生させて下糸張力を最小とする。
【0167】
次いで、この下糸150の糸端を糸吸引器65の吸引孔65aに挿入し、少々押し込む。次いで、電磁弁68を一時オンにしてエアーチューブ66,67にエアー源からのエアーを流し、吸引孔65aに挿入し押し込まれていた下糸150を、エアーの流れによってエアーノズル67aに導いてその糸端を該エアーノズル67aより露出して導出させる。この導出長LLは、上述のように、下糸端部をボビン軸に絡み付かせるのに必要な長さであって、本実施形態にあっては、55mm程度である。この吸引孔65aに挿入し押し込まれていた下糸150をエアーにより糸吸引器65から搬送してエアーノズル67aから露出して導出させるにあたっては、作業者が手作業で糸巻き200から下糸を凡そ必要な分量予め引っ張って弛ましておいたり、手作業により送り出していくと、より良好に下糸の搬送がなされる。
【0168】
そうしたら、ステップ1において、回動アーム70を後退させてボビンケース2Xを残糸除去位置Bから退避位置に移動し、その後回転してボビンケース2Xを下糸巻回位置Cに対向させる。次いで、ステップ2に進み、ステップ2において、回動アーム70を前進させてボビンケース2Xを下糸巻回位置Cに位置させると共にボビン駆動モータM2を一時駆動して、クラッチ機構50aとボビン7とを連結する。
【0169】
次いで、ステップ3に進み、ステップ3において、図29(b)に示されるように、ボビン駆動モータM2を駆動してボビン7を回転させる。次いで、ステップ4に進み、ステップ4において、図29(c)に示されるように、エアーノズル退避モータ37を駆動して、退避位置N2に待機中のエアーノズル67aを作業位置N1に移動する。
【0170】
次いで、ステップ5に進み、ステップ5において、図29(a)に示されるように、エアーノズル67aから表2に従った糸案内エアーの吹き付けを開始してステップ6に進み、ステップ6において、一定時間待つ。
【0171】
すると、図18に示されるように、エアーノズル67aから導出する下糸端部は、ばたつき等が抑えられた状態でボビンケース2の開口部2Aから良好にボビンケース2内に挿入(案内)されると共にボビン軸下糸巻き付け側XXに案内され、ボビン軸7aの回転とエアーにより形成される渦流との共働によってボビン軸7aに絡み付く。
【0172】
ここで、例えば糸番手が大きい糸に強いエアーを吹き付けると糸端がばたついて当該下糸端部がボビンケース開口部2Aからボビンケース2内に入らず、また例えば糸番手が小さい糸に弱いエアーを吹き付けると糸端が立たずに当該下糸端部がボビンケース開口部2Aからボビンケース2内に入らないといった問題があるが、本実施形態においては、表2に示されるように、糸種、糸番手に応じた最適なエアー流量が供給されるようになっている。
【0173】
そして、このようにして、糸巻き200からの下糸150がボビン軸7aに絡み付くとローラ54が回転を始め、フォトセンサ60からは、図29(d)に示されるように、パルス波が出力され始める。
【0174】
そうしたらステップ7において、有効下糸巻回量検出手段61で該パルス波を上記一定時間の間に所定の数カウントしたか否かを判定する。ここで、本実施形態においては、パルス波が3個検出された時に下糸150がボビン軸7aに絡み付いたと判定するようになっている。この3個というパルス波の数は安全率を見込んだ値であり、この個数に限定されるものではない。
【0175】
そして、ステップ7において、パルス波を一定時間の間に所定の数カウントしていない場合には、下糸のボビン軸7aへの絡み付けが失敗したとしてステップ13に進み、ステップ13において、エアーノズル67aからの糸案内エアーを停止してステップ14に進み、ステップ14において、エアーノズル退避モータ37を駆動して、作業位置N1にあるエアーノズル67aを退避位置N2に移動する。そして、ステップ4にリターンしてリトライを行わせる。
【0176】
一方、ステップ7において、パルス波を一定時間の間に所定の数カウントした場合には、下糸のボビン軸7aへの絡み付けが成功したとして、有効下糸巻回量検出手段61では、これ以降のパルス波を有効下糸巻回量としてカウントしていく。
【0177】
次いで、ステップ8に進み、ステップ8において、図29(a)に示されるように、エアーノズル67aからの糸案内エアーを停止してステップ9に進み、ステップ9において、エアーノズル退避モータ37を、図29(c)に示されるように駆動して、作業位置N1にあるエアーノズル67aを退避位置N2に移動する。
【0178】
この時、ボビン駆動モータM2は回転を続行しており、従って下糸はボビン軸7aに巻回されていく。このように、エアーノズル67a先端とボビン軸7aとの間の距離を長くして下糸を巻回していくと、下糸150はボビン軸7a全域に渡って略均一に巻回されることになる。
【0179】
次いで、ステップ10に進み、ステップ10において、判定手段61Bにより、有効下糸巻回量検出手段61で検出されている実際の下糸巻回量と下糸巻回量設定手段61Aから入力された設定下糸巻回量とを比較し、両下糸量が一致したか否かを判定する。ここで、一致しない、すなわち未だ設定下糸巻回量まで下糸を巻回していない場合には一致するまで同様な判定を繰り返し、一方一致する、すなわち設定下糸巻回量まで下糸を巻回した場合にはステップ11に進み、ステップ11において、ボビン駆動モータM2が停止される。すなわち、下糸巻回量設定手段61Aから入力された設定下糸巻回量がボビン軸7aに巻回されることになる。
【0180】
このようにボビン7への下糸150の巻回動作が自動的になされたら、ステップ12に進み、ステップ12において、糸張力可変手段204のスイッチをオフにし、上記ソレノイド推力をなくして下糸張力を最大にした状態で糸掛けを行う。すなわち、ボビン7に巻回されボビンケース開口部2Aより導出する糸巻き200からの下糸150を、ボビンケース2の開放端縁とボビン7外周との隙間を介して糸掛け位置2Bに誘導してスリット溝2Cに導き、下糸張力ばね2D下の下糸導出孔2Hを経て下糸張力ばね用孔2E近傍から導出させる。
【0181】
このようにして糸掛けがなされたら、エアーノズル67aを退避位置N2から糸切り位置N5に移動すると共に、糸張力可変手段204のスイッチをオンし、上記ソレノイド推力を最大限に発生させて下糸張力を最小とした状態で糸切りを行う。この糸切りの結果、ボビンケース2側の下糸は、上述のように、上糸との絡み合いによる縫目形成に必要な長さ、すなわち40mm程度が下糸張力ばね2D下の下糸導出孔2Hを経て下糸張力ばね用孔2E近傍から導出した状態となり、一方糸巻き200側の下糸は、上述のように、ボビン軸7aに下糸を絡ませるのに必要な長さLL、すなわち55mm程度がエアーノズル67a先端から導出した状態となる。
【0182】
このように、エアーノズル67aからはボビン軸7aに下糸を絡ませるのに必要な長さLLの下糸が導出していることから、次回(次次回以降も同様)のボビンに対しても、上記と同様な動作を行えば、同様にして下糸を巻回できる。そうしたら、エアーノズル67aを糸切り位置N5から退避位置N2に移動する。
【0183】
そして、このようにして下糸切断動作が自動的になされたら図25に示したフローチャートのステップ13にリターンし、ステップ13において、回動アーム70を退避位置に後退させ、その後回動してボビンケース2Xを釜1に対向させて待機状態とする。
【0184】
次いで、ステップ14に進み、ステップ14において、ミシン電源スイッチ302がオフか否かが判断される。従って、上記ステップ8〜12における各装置の処理動作中にミシン電源スイッチ302がオフになっても、ステップ8〜12における一連の処理動作を全て行ってボビン交換待機状態とするようになっている。
【0185】
そして、上記ステップ6において、ボビン交換要求がない場合もステップ14に進み、ステップ14において、ミシン電源スイッチ302がオンと判定された場合にはステップ6にリターンする。すなわち、ミシン電源スイッチ302がオンの場合には、ボビンケース把持手段に把持されているボビンケース2Xを原点位置に位置した状態でボビン交換要求を待つ。オフと判定された場合、すなわちオペレーターによりミシン電源スイッチ302がオフされた場合にはステップ15に進む。
【0186】
次いで、ステップ15において、回動アーム70を所定ステップ前進させて、図30に示されるように、ボビンケース2Xを釜1に対向接近する位置まで移動する。この結果、強引に回動アーム70を人手で回転または後退させない限り、ボビンケース2X及び釜内のボビンケース2Yは取り出せなくなる。因に、本実施形態にあっては、この位置でのボビンケース把持手段の周囲には障害物があることから、回動アーム70の回転が規制されており、回転不可能な状態にある。
【0187】
次いで、ステップ16に進み、ステップ16において、現在の状態がRAM(不揮発性メモリー)308に記憶されると共に、正常な電源遮断処理が行われたことが上記RAM308に記憶される。そして、ステップ17に進み、ステップ117おいて、リレースイッチ303をオフし下糸自動供給装置自らの電源を遮断する。
【0188】
その後にミシン電源スイッチ302が再び投入されると、図25に示したステップ1に戻って、まず前回における電源遮断時の状態及び正常な電源遮断処理を踏んでいたかどうかの情報がRAM308から読み出される。
【0189】
次いで、ステップ2に進み、ステップ2において、初期化動作が最も効率的な方法で実行される。そして、この初期化動作が終了したら、ステップ3に進み、ステップ3において、前回正常な電源遮断処理を踏んでいたかどうかが判断され、正常な電源遮断処理であった場合、すなわちオペレーターによりミシン電源スイッチ302がオフされた場合にはステップ4に進み、そうでなかった場合、例えば不意の停電等により正常な電源遮断処理を踏んでいない場合には、エラー表示窓、警告ブザー等の表示手段316によってエラー表示が行われ、オペレーターの介入が促されてステップ21に進む。
【0190】
ステップ4では、上記回動アーム70を所定ステップ数で後退させて原点検出を行い、上記と同じ(ステップ15)ステップ数で原点検出したか否かが判定される。ここで、ミシン電源スイッチ302のオフ中に、オペレーターがボビンケース2X、釜内のボビンケース2Yを取り出していると、回動アーム70の位置が上記の釜1に対向接近する位置から移動していることから、上記と同じステップ数では原点検出しない。一方、オペレーターがボビンケース2X、釜内のボビンケース2Yを取り出していないと、回動アーム70の位置が上記の釜1に対向接近する位置にあることから、回動アーム70は上記と同じステップ数で原点位置に復帰する。そして、同じステップ数で原点検出しなかった場合、すなわちボビンケース2X、釜内のボビンケース2Yを取り出した場合には、エラー表示窓、警告ブザー等の表示手段316によってエラー表示が行われ、オペレーターの介入が促されてステップ21に進む。
【0191】
なお、回動アーム70を上記と同じ(ステップ15)ステップ数で後退させた時に、ボビンケース2Xが原点位置にあるか否を判別し、これによりオペレーターがボビンケース2X、釜内のボビンケース2Yを取り出しているか否かを判断するようにしても良い。
【0192】
ステップ21では、オペレーターの介入を待ち、オペレータによるボビンチェック及び残糸除去処理並びに再セットが行われてステップ22に進み、ステップ22において、上記ステップ12で説明したのと同様な下糸巻回処理、糸掛け処理、糸切り処理を行ってステップ23に進み、ステップ23において、ステップ22で各処理を行ったボビンを収容したボビンケースを釜1に装着して上述したステップ12に進み、ステップ12において、他方のボビンケースに対する下糸巻回処理、糸掛け処理、糸切り処理を行う。そして、以降の動作を同様にして行う。
【0193】
なお、最初にボビンケース把持手段にボビンを収容したボビンケースを把持させる場合には、回動アーム側から手を差し込んで、当該ボビンケースを中釜軸5に装着するのと同様に手の平を返すことなくダミー軸6に押し込んで、該ボビンケースをダミー軸6に装着し、ボビンケース把持手段をダミー軸6に対向させた後に前進させて、該ダミー軸6に保持されているボビンケースをボビンケース把持手段に把持させれば良い。
【0194】
また、使用しているボビン、ボビンケースを交換する場合には、当該ボビンケースを把持したボビンケース把持手段をダミー軸6に対向させた後に前進させれば、該ボビンケース把持手段に把持されているボビンケース2をダミー軸6に受け渡すことができる。そして、ダミー軸6に保持されたボビンケース2を取り出す場合には、中釜軸5からボビンケース2を取り出すのと同様に、回動アーム側から手を差し込めば、手の平を返すことなくダミー軸6に保持されているボビンケースを取り出すことができる。
【0195】
このように、本実施形態の残糸除去装置161においては、ボビン7より垂れる下糸端部Mを、エアーノズル100によって作業位置に吹き寄せ、この作業位置に吹き寄せられた下糸端部Mを、ローラ760,761によって巻き込み排出し(以上を第1の構成とする)、この残糸排出量に制限がないようにしているので、ボビン残糸を自動的に全て除去することが可能となっている。また、ローラ760,761が糸端を巻き込み排出することにより、該ローラ760,761に糸端案内の機能も併せ持たせ、しかも糸端案内の機能を併せ持つローラ760,761を、ボビンケース2の糸端導出口に接近配置し得るようにしているので、残糸を確実に除去することが可能となっている。さらにまた、特開平7−68071号公報記載の装置のような弾性線状体等の複雑な部品がなく、しかも部品点数が少なくなるようにしているので、低コスト化も可能となっている。
【0196】
また、特に本実施形態の残糸除去装置161においては、従動ローラ761を、離間位置から排出位置に間欠に移動し、下糸を作業位置に吹き寄せるエアーノズル100からのエアー流の乱れを低減し(第2の構成)、下糸のローラ760,761間からの逃げを防止し得るようにしているので、信頼性を向上することが可能となっている。
【0197】
また、本実施形態の残糸除去装置161においては、従動ローラ761の離間位置から排出位置への間欠移動量を間欠移動ごとに可変とし、この移動量を移動ごとに徐々に小さくして、作業位置に吹き寄せるエアーノズル100からのエアー流の乱れをさらに低減し(第3の構成)、下糸のローラ760,761間からの逃げをさらに防止し得るようにしているので、信頼性をさらに向上して上述した効果を一層高めることが可能となっている。
【0198】
また、本実施形態の残糸除去装置161においては、ローラ760,761の回転排出動作を間欠に行い(第4の構成)、回転排出動作を連続して行うものに比して糸暴れを低減して当該下糸の巻き込みを確実に行い得るようにすると共に当該下糸を所定の方向に排出してローラ760,761や他の部材に絡み付く畏れを低減するようにしているので、信頼性を向上することが可能となっている。
【0199】
この時、本実施形態の残糸除去装置161においては、エアーノズル100,100aによってローラ760,761に対してエアーを吹き付け(第5の構成)、たとえ下糸がローラ760,761や他の部材に絡み付いたとしても、間欠回転中のローラ760,761停止時に、該エアーによって下糸の絡み付きを良好に解除し得るようにしているので、信頼性をさらに向上することが可能となっている。
【0200】
またこの時、本実施形態の残糸除去装置161においては、間欠に行う回転排出動作により排出される量を間欠動作ごとに可変とし、この排出量を間欠動作ごとに最初小さく徐々に大きくし(第6の構成)、排出される下糸を徐々に重くして排出される下糸の姿勢を安定させ、ローラ760,761や他の部材に絡み付く畏れを低減するようにしているので、信頼性を向上することが可能となっている。
【0201】
また、本実施形態の残糸除去装置161においては、ローラ760,761の回転排出動作速度を可変とし、この回転排出動作速度を最初低速で後に高速となるように段階的に制御して(第7の構成)、回転排出動作速度が一定な低速なものに比して排出時間を短くし得る一方で、回転排出動作速度が一定な高速なものに比して糸暴れを防止してローラ760,761や他の部材に絡み付く畏れを低減し得るようにしているので、排出時間を短くしつつ信頼性を向上することが可能となっている。
【0202】
また、本実施形態の残糸除去装置161においては、ボビンケース把持手段に把持されたボビンケース2を、ボビン交換装置160によって第1、第2、残糸除去位置B1,B2,Bに移動し、ボビンケース2を第1の位置B1に位置することによりエアーノズル100によるエアーをボビンケース2に向かって吹き付けてボビンケース2の所定位置から導出する下糸を垂らす下糸垂らし処理と、ボビンケース2を第2の位置B2に位置することによりエアーノズル100によるエアーによってボビンケース2の所定位置から導出する下糸を作業位置に吹き寄せる下糸吹き寄せ処理と、ボビンケース2を残糸除去位置Bに位置することによりエアーノズル100によるエアーをボビン残糸を引き出している従動ローラ761に吹き付けて糸絡まりを防止する糸絡まり防止処理を可能とし、下糸垂らし用のエアーノズル及び下糸吹き寄せ用のエアーノズル並びに糸絡まり防止用のエアーノズルを兼用として(第8の構成)、エアーノズルの個数を低減すると共にそのエアー配管をシンプル化し得るようにしているので、低コスト化を図ることが可能となっている。
【0203】
また、本実施形態の残糸除去装置161においては、下糸垂らし用のエアーと、下糸吹き寄せ用のエアーと、糸絡まり防止用のエアーに対して、そのエアー流量を糸番手及び糸種に基づいて可変設定し、糸番手及び糸種に応じた最適なエアーを下糸に吹き付けるようにし(第9の構成)、下糸垂らし用のエアーにあってはボビンケース2の所定位置から導出する下糸を良好に下方に垂らし得るようにし、下糸吹き寄せ用のエアーにあっては下糸を良好に作業位置に吹き寄せ得るようにし、糸絡まり防止用のエアーにあってはローラ760,761から排出される下糸をローラ760,761や他の部材に絡み付かせないようにしているので、信頼性を向上することが可能となっている。
【0204】
また、本実施形態のボビン交換装置160においては、ボビン交換時に釜内のボビンケース2に向かってエアー吹き付けを行うエアーノズル45に対して、そのエアー流量を糸番手及び糸種に基づいて可変設定し、糸番手及び糸種に応じた最適なエアーを下糸に吹き付けるようにし(第10の構成)、釜内に装着されたボビンケースの所定位置より導出する下糸が、このエアーによって釜内のボビンケース2を交換するためのボビンケース把持手段に絡まないようにしているので、信頼性を向上することが可能となっている。また、過大ではない最適なエアーを下糸に吹き付け、釜付近の塵芥、油滴を拡散しないようにしているので、これらを縫製物や作業者にかけることを防止でき、装置の信頼性を向上することが可能となっている。
【0205】
また、本実施形態の下糸巻回装置162においては、糸巻き200からの下糸150をボビンケース開口部2Aを介してボビンケース2内に案内するエアーノズル67aに対して、そのエアー流量を糸番手及び糸種に基づいて可変設定し、糸番手及び糸種に応じた最適なエアーを、案内される下糸端部に吹き付けるようにし(第11の構成)、糸巻き200からの下糸150をボビンケース開口部2Aを介してボビンケース2内に良好に案内し得るようにしているので、信頼性を向上することが可能となっている。
【0206】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であるというのはいうまでもなく、例えば、上記実施形態においては、従動ローラ761を離間位置と排出位置とに移動可能としているが、駆動ローラ760を離間位置と排出位置とに移動可能としても良く、両ローラ760,761を離間位置と排出位置とに移動可能としても良い。
【0207】
また、上記実施形態においては、一方のローラを駆動ローラ760とし、他方のローラを従動ローラ761としているが、両方駆動ローラとしても良い。
【0208】
また、ローラ760,761を、ゴムローラ、歯付きローラとしても良い。
【0209】
また、従来技術で説明した特開平7−68071号公報記載の残糸除去装置等に対して、上記残糸除去装置161の第4、第6、第7、第8の構成を適用することも可能である。
【0210】
また、上記実施形態においては、ボビンケース把持手段に把持されたボビンケース2を、ボビン交換装置160により第1、第2、残糸除去位置B1,B2,Bに移動することによって、下糸垂らし用のエアーノズル及び下糸吹き寄せ用のエアーノズル並びに糸絡まり防止用のエアーノズルが兼用となるようにしているが、第1、第2、残糸除去位置B1,B2,Bの少なくとも2位置に移動することによって、下糸垂らし用のエアーノズル及び下糸吹き寄せ用のエアーノズル並びに糸絡まり防止用のエアーノズルの少なくとも2つを兼用にするようにしても良い。
【0211】
また、上記実施形態の下糸巻回装置162を、本出願人が先に出願した特願平6−285932号明細書に記載のように、糸巻き200からの下糸150をエアーノズル67aの先端から導出しこの下糸を強制的に繰り出し手段により繰り出しながらエアーによりボビンケース開口部2Aを介してボビンケース2内に案内する下糸巻回装置に代えることも可能である。
【0212】
また、上記実施形態においては、下糸垂らし用のエアー及び下糸吹き寄せ用のエアー並びに糸絡まり防止用のエアーの全てに対して、そのエアー流量を糸番手及び糸種に応じて選択するようにしているが、上記エアーのうちの少なくとも1つ以上のエアーに対してその流量の選択を行うようにしても良い。
【0213】
また、上記第1、第2、第5の構成に用いられるエアーノズルに関しては、機能を兼用としていない単独のエアーノズルであっても構わない。
【0214】
また、上記実施形態においては、残糸除去装置161のエアーノズル100(100a)、ボビン交換装置160のエアーノズル45、下糸巻回装置の162のエアーノズル67aに対するエアー流量を糸番手及び糸種に応じて選択するようにしているが、糸番手及び糸種に応じて選択するエアー流量はこれらのエアーに限定されるものではない。すなわち、残糸除去装置と、下糸巻回装置と、糸掛け装置と、糸切り装置と、ボビン交換装置と、のうちの少なくとも1つの装置を備えた下糸自動供給装置に用いられる下糸を取り扱うエアーに対して全て適用可能である。
【0215】
また、エアー流量の選択を、糸番手及び糸種の少なくとも一方に基づいて行うようにしても良い。
【0216】
また、上記エアー流量を、糸番手及び糸種の少なくとも一方に応じて段階的に調整するようにすることも可能である。
【0217】
また、上記実施形態において、エアーノズル67a,100からのエアー流量の制御は、一定圧力5kgf/cm2 のもとで、電圧比例弁23,68を用いてエアー流量を制御している。これに代えて、公知の電圧レギュレータを用いて圧力を変更することにより、エアー流量を制御することも容易に考えられる。
【0218】
また、上記実施形態においては、電圧比例弁23,68や電圧レギュレータを用いて糸条件(糸種や糸番手)に応じてエアー流量を制御しているが、これに代えて、作業者自らが糸条件を認識してマニュアル式の比例弁やレギュレータを用いてエアー流量を変更することも容易に考えられる。
【0219】
また、上記ステップ12〜15においては、ローラ760,761を間欠回転した時、エアーノズル100,100aからのエアーは連続的に一定流量のエアーを吹き付けている。これに代えて、ローラ760,761の間欠回転に応じてエアーノズルからのエアーを間欠吐出することも容易に考えられる。すなわち、ローラ760,761が回転している時はエアーノズル100,100aからエアーを吐出し、ローラ760,761が回転してない時はエアーノズル100,100aからエアーを遮断する。このエアーの制御により、排出される下糸の姿勢がより安定し、ローラ760,761や他の部材に絡み付くことが確実に防止される。
【0220】
また、上記ステップ12〜15においては、ローラ760,761を間欠回転した時、エアーノズル100,100aからのエアーは連続的に一定流量のエアーを吹き付けている。これに代えて、ローラ760,761を連続的に回転させると共に、上記エアーノズル100,100aからのエアー流量を、ローラ760,761による下糸引き出し長さに応じて制御することも容易に考えられる。すなわち、下糸引き出し長さが短い時はエアー流量を少なくし、下糸引き出し長さが長くなるにつれてエアー流量を徐々に増加させる。そして、下糸引き出し長さが一定長さ、例えば50mm以上になったら所定のエアー流量にする。このように、下糸引き出し長さに応じてエアー流量を制御すると、ローラを連続回転したままで排出される下糸の姿勢がより安定し、ローラ760,761や他の部材に絡み付くことが確実に防止される。
【0221】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1の残糸除去装置によれば、ボビンより垂れる下糸を、エアーノズルによって作業位置に吹き寄せ、この作業位置に吹き寄せられた下糸を、少なくとも1個以上が駆動力を備えた回転体によって巻き込み排出し、この残糸排出量に制限がないように構成したものであるから、ボビン残糸を自動的に全て除去することが可能となる。また、回転体が糸端を巻き込み排出することにより、該回転体に糸端案内の機能も併せ持たせ、しかも糸端案内の機能を併せ持つ回転体を、ボビンケースの糸端導出口に接近配置し得るように構成したものであるから、残糸を確実に除去することが可能となる。また、弾性線状体等の複雑な部品がなく、しかも部品点数が少なくなるように構成したものであるから、低コスト化が可能となる。
【0222】
また、特に請求項1の残糸除去装置によれば、少なくとも1個以上が駆動力を備えた回転体のうちの少なくとも1個以上の回転体を、回転体移動手段を制御する制御手段によって離間位置から排出位置に間欠に移動し、下糸を作業位置に吹き寄せるエアーノズルからのエアー流の乱れを低減し、下糸の回転体間からの逃げを防止し得るように構成したものであるから、信頼性を向上することが可能となる。
【0223】
また、請求項2の残糸除去装置によれば、請求項1に加えて、少なくとも1個以上が駆動力を備えた回転体のうちの少なくとも1個以上の回転体の離間位置から排出位置への間欠移動量を間欠移動ごとに可変とし、この移動量を移動ごとに例えば徐々に小さくして、作業位置に吹き寄せるエアーノズルからのエアー流の乱れをさらに低減し、下糸の回転体間からの逃げをさらに防止し得るように構成したものであるから、信頼性をさらに向上して請求項1の効果を一層高めることが可能となる。
【0225】
また、請求項の残糸除去装置によれば、少なくとも1個以上が駆動力を備えた回転体のうちの少なくとも1個以上の回転体を、制御手段によって間欠に回転し、ボビンより垂れる下糸を、この間欠回転する回転体によって巻き込み排出し、回転体を連続回転するものに比して糸暴れを低減して当該下糸の巻き込みを確実に行い得るようにすると共に当該下糸を所定の方向に排出して例えば回転体や他の部材に絡み付く畏れを低減するように構成したものであるから、信頼性を向上することが可能となる。また、この時エアーノズルによって回転体に対してエアーを吹き付け、たとえ下糸が回転体や他の部材に絡み付いたとしても、間欠回転中の回転体停止時に、該エアーによって該下糸の絡み付きを良好に解除し得るように構成したものであるから、信頼性をさらに向上することが可能となる。
【0226】
また、請求項の残糸除去装置によれば、請求項に加えて、間欠に行う動作により排出される量を間欠動作ごとに可変として、この排出量を間欠動作ごとに例えば最初小さく徐々に大きくし、排出される下糸を徐々に重くして排出される下糸の姿勢を安定させ、例えば回転体や他の部材に絡み付く畏れを低減するように構成したものであるから、信頼性を向上することが可能となる。
【0227】
また、請求項の残糸除去装置によれば、制御手段によって引き出し手段を制御して糸引き出し動作速度を可変とし、この糸引き出し動作速度を例えば最初低速で後に高速となるように段階的に制御して、糸引き出し動作速度が一定な低速なものに比して排出時間を短くし得る一方で、糸引き出し動作速度が一定な高速なものに比して糸暴れを防止して例えば回転体や他の部材に絡み付く畏れを低減し得るように構成したものであるから、排出時間を短くしつつ信頼性を向上することが可能となる。
【0228】
また、請求項の残糸除去装置によれば、請求項に加えて、エアーノズルから吐出するエアーを、回転体の間欠動作に応じて間欠吐出させ、排出される下糸の姿勢を請求項4に比してより安定させて、例えば回転体や他の部材に対する絡み付きをさらに防止するように構成したものであるから、請求項の効果を一層高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における下糸自動供給装置を表した概略正面図である。
【図2】同上下糸自動供給装置に採用されたボビン交換装置の正面図である。
【図3】同上ボビン交換装置の平面図である。
【図4】同上ボビン交換装置における直動機構部分を表した右側面図である。
【図5】同上ボビン交換装置における回動機構部分を表した右側面図である。
【図6】同上ボビン交換装置のダミーポジション及びダミー軸を説明するための概略右側面図である。
【図7】同上下糸自動供給装置に採用された残糸除去装置の右側面図である。
【図8】同上残糸除去装置の動作を説明するために図7の残糸除去装置の要部のみを表した各正面説明図である。
【図9】本実施形態に用いられるボビンの回転検出手段側の正面図である。
【図10】同上ボビンの回転時に検出される波形図である。
【図11】同上下糸自動供給装置に採用された下糸巻回装置のボビン駆動機構及びエアー案内機構を表した上面図である。
【図12】同上ボビン駆動機構及びエアー案内機構の正面図である。
【図13】同上下糸巻回装置の糸供給検出機構を表した正面図である。
【図14】同上糸供給検出機構の右側面図である。
【図15】同上下糸巻回装置の糸張力可変手段を表した正面図である。
【図16】同上エアー案内機構の下糸吸引器を表した横断面図である。
【図17】同上ボビン駆動機構の斜視図である。
【図18】下糸挿入を行うエアーノズルの下糸絡み付け時におけるボビンケース及びボビン軸に対する位置関係を表した説明図である。
【図19】ボビン軸の下糸巻き付け側を説明するための図である。
【図20】糸切り時におけるエアー案内機構のエアーノズルと糸切り装置とボビンケースの位置関係を表した説明図である。
【図21】同上実施形態に採用されたボビンケースの斜視図である。
【図22】同上下糸自動供給装置に採用されたエアーノズルの概略構成配置図である。
【図23】同上実施形態における装置全体の構成を表したブロック図である。
【図24】同上実施形態における制御系を表したブロック図である。
【図25】同上下糸自動供給装置の制御動作手順の流れを表したフロー図である。
【図26】同上残糸除去装置の制御動作手順の流れを表したフロー図である。
【図27】同上残糸除去装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図28】同上下糸巻回装置の制御動作手順の流れを表したフロー図である。
【図29】同上下糸巻回装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図30】各装置への通電遮断時における同上ボビン交換装置の要部のみを表した右側面図である。
【符号の説明】
1 釜
1a 釜軸
2,2X,2Y ボビンケース
2A ボビンケース開口部
2D 下糸張力ばね
2E 下糸張力ばね用孔
2H 下糸導出孔
7 ボビン
45 ボビン交換装置のエアーノズル
67a 下糸巻回装置のエアーノズル
86 回転体移動手段
91 糸切り装置
100(100a) 残糸除去装置用のエアーノズル
116 糸掛け装置
150 下糸
160 ボビン交換装置(ボビンケース移動手段)
161 残糸除去装置
162 下糸巻回装置
200 下糸供給源
309 糸種、糸番手入力スイッチ
315 通電タイミング制御手段
400 下糸自動供給装置制御手段
401 下糸巻回装置制御手段
402 ボビン交換装置制御手段
403 残糸除去装置制御手段
760,761 回転体(引き出し手段)
A 釜位置
B 残糸除去位置
B1 第1の位置
B2 第2の位置
C 下糸巻回位置
E,M2 ボビン駆動手段
G エアー案内手段
M 下糸端部

Claims (6)

  1. 回転可能に支持されたボビンと、
    このボビンより垂れる下糸を作業位置に吹き寄せるエアーノズルと、
    作業位置に吹き寄せられた下糸を巻き込み排出する少なくとも1個以上が駆動力を備えた一対の回転体と、
    前記少なくとも1個以上の回転体を、前記下糸を巻き込み排出する排出位置とこの排出位置から離間する離間位置とに移動可能とした回転体移動手段と、
    この回転体移動手段を制御して前記少なくとも1個以上の回転体を前記離間位置から前記排出位置に移動する際に、その移動を間欠とする制御手段と、
    を具備した残糸除去装置。
  2. 請求項1記載の残糸除去装置において、
    前記制御手段が、前記回転体を離間位置から排出位置に間欠に移動する際の間欠移動ごとの移動量を異なる移動量に可変とする構成になされていることを特徴とする残糸除去装置。
  3. 回転可能に支持されたボビンと、
    このボビンより垂れる下糸を端部から巻き込み引き出し排出する少なくとも1個以上が駆動力を備えた一対の回転体と、
    前記回転体の回転排出動作を間欠に行わせる制御手段と、
    この回転体に対してエアーを吹き付けて糸絡まりを防止するエアーノズルと、を具備した残糸除去装置。
  4. 請求項記載の残糸除去装置において、
    前記制御手段が、前記ボビンに対する残糸除去が終了するまでの間における当該ボビンからの下糸の引き出しまたは排出を間欠に行う際の間欠動作ごとの引き出し量または排出量を、異なる引き出し量または排出量に可変とする構成になされていることを特徴とする残糸除去装置。
  5. 請求項記載の残糸除去装置において、
    前記下糸の糸引き出しによる残糸除去が行われているか否かの判定に基づいて前記下糸の糸引き出し動作速度を可変として段階的に制御する制御手段を備えた残糸除去装置。
  6. 請求項記載の残糸除去装置において、
    エアーノズルから吐出するエアーは、回転体の間欠動作に応じて間欠吐出することを特徴とする残糸除去装置。
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