JP3779567B2 - 微生物担体ユニットを用いた水中構造体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は微生物担体ユニットを用いた水中構造体に係り、ユニット化された状態で水底もしくは流水中等に設置され、その用途として、内部に水中微生物を担持し、藻場として小魚等の棲み家を実現でき、また水中構造体として魚礁として使用でき、さらに内部に担持された水中微生物による生物作用により水質浄化を果たすことで、すぐれた接触濾材としての機能も発揮する微生物担体ユニットを用いて構築された水中構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
[人工藻場として利用される各種ユニット構造]
自然界の藻場を模し、海中もしくは湖沼などの水域に設置して微生物や小魚等の生息場所を確保する人工藻場が知られている。これらの人工藻場は、水中微生物付着担体となる細い繊維を束ねて所定形状とした繊維束や、プレキャストコンクリート製品をユニット化し、海中もしくは水中において水底に設置したり、浮力を持たせた浮力体として係留したり、既存の浮体から吊持して水中に設置されたりしている。
【0003】
繊維束で構成された人工藻場では、人工藻として使用される繊維束が柔軟性、可携性に富み容積あたりの表面積が大きいことから、微生物担体として高い性能を有する。また、これらの繊維束は、自然物である藻類を模したり、施工時の取り扱いを容易にするために所定形状に結束したり、圧縮したり、編んだり、織ったりして使用されている(特開2000−228928号公報、特開平10−251985号公報参照)。これらの技術では、人工藻として茎に相当する索状体、ロープ基材に、細い炭素繊維を房状に束ねた部分を取り付けたものを提案している。
【0004】
一方、プレキャストコンクリートブロック等でユニットとして構成された重量人工藻場は、重機を用いれば容易に各ブロックを設置したり、撤去したりすることができる。また設置された状態では安定性、耐久性に富む。このため、波浪や水流の発生する厳しい条件の設置場所に用いられることが多い(特開平11−32622号公報、特開平8−70723号公報参照)。これらの技術では、ブロック形状や積み方、を工夫することで人工漁礁として効果を高める工夫がなされている。
【0005】
[接触濾材として利用される各種ユニット構造]
従来の河川浄化施設では、水域から導流取水を行って水流が安定した生物接触水路(領域)を設け、水中に設置された接触濾材を用いて、水質浄化等が試みられている。これらの接触濾材には、繊維フィラメントが用いられる例が多い。また、水流が強く使用条件が厳しい水域では、堅牢で比較的重いプレキャストコンクリートブロック製の微生物担体や、表面積が大きい木炭や、プラスチック製の固形状接触材が使用されることもある。
【0006】
従来の繊維フィラメントを使用した接触濾材の構造は、微生物付着担体となる繊維束もしくは紐状、網状の繊維を水中にむき出しにして吊持したり、竿で固定して展張したり、浮力を持たせた浮力体として係留したり、既存の浮体から吊持して水中に設置されたりしている。
【0007】
この繊維フィラメントは柔軟性、可撓性に富み容積あたりの表面積が大きいことから、微生物担体としての性能が高く、生物膜による接触酸化性能に優れる。また、施工時の取り扱いを容易にするために所定形状に結束したり、圧縮したり、編んだり、織ったりして使用されている(特許第2954509号公報、特開平10−99885号公報参照)。これらの技術では、生物膜担体として機能する炭素繊維ストランドを、微生物との接触面積をふやすために、水中にばらけて泳動し易い状態にした成形体として構成されている。
【0008】
また、人工藻場と同様に、プレキャストコンクリートブロックを用い、その一部に水質浄化機能を持たせた河川浄化装置や浄化方法も提案されている(特開平9−88040号公報参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の技術において、たとえば人工藻場、接触濾材に共通して適用可能な繊維束は、繊維束を構成する素線としての繊維フィラメント(以下、単にフィラメントと呼ぶ。)が極細であり、フィラメントに微生物を効率よく担持させることができ、微生物担体として高性能が期待できる。しかし、フィラメント自体はせん断強度が弱く、保護材を用いないで水中に露出させて泳動させる構造の人工藻場や接触濾材では、以下のような改善すべき事項が認められている。
【0010】
▲1▼フィラメントの損傷流失による問題
極細のフィラメントは単位容積あたりの表面積がきわめて大きいので、微生物担体としての性能は高い。しかし、断面積が小さく、せん断強度も不足する。このため、フィラメントの束である繊維束からなる微生物担体ユニットは、流れや漂流物が少なく、フィラメントの損傷流出が起きにくい水域(溜池や水槽)で使用するか、フィラメントが損傷しないように工作物で人工藻場を設置する区域を囲ったりする必要がある。また、水流や漂流物によって繊維束が損傷したり、破断したりすると、フィラメントが流出してしまうという問題がある。
【0011】
▲2▼設置、撤去時の施工性、使用時のメンテナンス時の問題
極細のフィラメントの繊維束をむき出し状態で水中で露出し泳動するように設置する場合、繊維束が絡みついたり、損傷や脱落が発生しやすく施工性が悪い。また、損傷した繊維束を撤去したり交換する際にも同様の問題がある。さらに、ひも状でむき出し状態での繊維束ではメンテナンス性能が悪い。
【0012】
▲3▼小型水棲生物の隠れ家不足
微生物担体として水棲動物の産卵や稚魚育成の場所となる人工藻場では、微生物をエサにする動物性プランクトンの発生が期待できる。しかし、微生物担体がむき出し状態では孵化した稚魚の隠れ場所が少なく、捕食が進み過ぎ、動物性プランクトンの増殖も制限されてしまう。そこで、人工藻場を中心とした食物連鎖の速度を適度に保ちつつ、稚魚の育成と小型水棲生物の増殖を活発化させる機能が必要である。この点、従来の人工藻場では、微生物担体となる繊維束を設置した水域を広い範囲で養生ネット等で包み込む必要があるが、これでは成魚の産卵を妨げるおそれがあり、十分な養生対策が取れない。
【0013】
▲4▼波浪・流速等の設置利用条件に応じた構造変更の必要性
従来の繊維束からなる微生物担体を色々な水域で使用する場合、それらの水域の水理条件に合わせてフィラメントを結束し圧縮し編んだり織ったりして形成し、設置場所の条件に合わせて多種類の形成体構造をとる必要がある。このため、使用条件に合わせた多種類の製品を生産するには、製造工程が複雑となり生産性が低下する。
【0014】
また、特に接触濾材として適用した場合、多数のフィラメントが水中でばらけて露出し、泳動しやすい構造が微生物担体として優れた性能を示すように、フィラメントを水中で分散させて、結束や固定を少なくすることが重要である。
【0015】
そこで、本発明の目的は上述した従来の技術が有する問題点を解消し、繊維束の特性を十分利用して、人工藻場として、また接触濾材として施工面及び使用時の機能面において確実な効果を奏することができる微生物担体ユニットを用いた水中構造体を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は樹脂ネットからなる保形可能な剛性を有する筒状の通水性外殻内に、炭素繊維糸をほぐし個々のフィラメントをランダムに絡ませて得られた綿飴形状のフィラメント集合体が充填され、前記外殻の両端が蓋部で閉塞された微生物担体ユニットが、水中に展設された汚濁防止膜の一部に取り付けられたことを特徴とする。
【0017】
また、他の構成として、樹脂ネットからなる保形可能な剛性を有する筒状の通水性外殻内に、芯材を延在させ、該芯材にその一部を保持させて前記通水性外殻内に炭素繊維糸をほぐし個々のフィラメントをランダムに絡ませて得られた綿飴形状のフィラメント集合体が充填され、前記外殻の両端が蓋部で閉塞された微生物担体ユニットが、水中に展設された汚濁防止膜の一部に取り付けられたことを特徴とする。
【0020】
前記微生物担体ユニットは、前記通水性外殻の浮力あるいは前記蓋部に設けられた浮力体により、浮遊できるようにすることが好ましい。
【0022】
この場合、前記微生物担体ユニットが、前記汚濁防止膜で制御された水流の高さに合わせて前記汚濁防止膜の所定位置に配置することが好ましい。
【0023】
また、前記微生物担体ユニットが、前記汚濁防止膜の下端と水底との間を塞ぐように、前記汚濁防止膜の下端に吊持することが好ましい。
【0024】
さらに、前記微生物担体ユニットが、水中に展設された汚濁防止膜の下端と水底との間を塞ぐように水底に積み上げられるようにすることが好ましい。
【0025】
他の発明の構成として、樹脂ネットからなる保形可能な剛性を有する筒状の通水性外殻内に炭素繊維糸をほぐし個々のフィラメントをランダムに絡ませて得られた綿飴形状のフィラメント集合体が充填され、前記外殻の両端が蓋部で閉塞された微生物担体ユニットが、水中で前記蓋部に設けられたジョイント部で接続され立体骨組状に組み立てられたことを特徴とする。さらに、樹脂ネットからなる保形可能な剛性を有する筒状の通水性外殻内に、芯材を延在させ、該芯材にその一部を保持させて前記通水性外殻内に炭素繊維糸をほぐし個々のフィラメントをランダムに絡ませて得られた綿飴形状のフィラメント集合体が充填され、前記外殻の両端が蓋部で閉塞された微生物担体ユニットが、水中水中で前記蓋部に設けられたジョイント部で接続され立体骨組状に組み立てられたことを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の微生物担体ユニットを用いて構築された水中構造体の一実施の形態において、まず微生物担体ユニットの構成について、添付図面を参照して説明する。
[微生物担体ユニットの構成]
図1は、本発明の微生物担体ユニットの一例を示した斜視図である。同図に示したように、微生物担体ユニット1は、円筒形状をなす通水性外殻2と、その内部に収容された炭素繊維をほぐしたフィラメントの束で、微生物担体として機能するフィラメント集合体3と、フィラメント集合体3を通水性外殻2内に満遍ない状態で保持安定させる芯材10とから構成されている。
【0027】
この微生物担体ユニット1(通水性外殻2)の外形寸法は、設置時の施工性、微生物担体としての炭素繊維のフィラメント集合体3が均一に保持されるように考慮し、一般には直径150〜200mm、全長1,000〜2,000mmを想定している。しかし、微生物担体ユニット1の用途、設置場所等に応じて適宜の寸法に設定できることはいうまでもない。
【0028】
通水性外殻2は、保形可能な剛性を有するメッシュ状の円筒側面材5と、円筒の両端部を閉塞する蓋材6とからなる。本実施の形態では円筒側面材5として略正方格子状に2軸延伸成形された高密度ポリエチレン樹脂ネットが使用されている。その目合いは約20mm×20mmのものが使用されているが、その用途に応じて適正な目合いを設定することが好ましい。たとえば、接触濾材や魚礁用構造材では、フィラメントの損傷流失を防止するために、それらの設置場所での流速や波浪等の水理条件を考慮して設定することが好ましい。その場合の細かい目合いとして1mm×1mm程度まで小さくすることができる。一方、目合いが大きいものでは、フィラメントの流失防止が可能な範囲で、藻場として小魚等の棲み家を確保するとともに、適度な食物連鎖を構成するような水棲生物の行き来が可能な程度まで大きくすることができる。なお、通水性能が備わっていれば、メッシュである必要はなく、パンチングメタル等の孔あき板を円筒加工したものも使用できる。円筒側面材5の材質としては、円筒形状を保持可能な剛性を確保できる樹脂であれば、各種組成樹脂を採用できる。たとえば浮力を確保するためにはポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等が好適である。孔あき成形管としては塩化ビニル樹脂管、ガラス繊維補強ポリエステル樹脂管も好ましい。さらに、重量を確保することが必要な場合にはステンレススチール溶接金網、パンチングメタル、アルミ板成形加工品等の金属製品の使用も可能である。天然材料としては竹篭等も可能である。このように、円筒側面材5の選定では、微生物担体ユニット1の設置場所における河川流速、波浪条件、障害物の存在等の設計条件に合わせて材料や部材を選択することが好ましい。これにより、同一構造の微生物担体ユニットでありながら、大きさ、通水性、微生物担持能力等を異ならせた多種類の部材の設計が可能である。以上の説明では図に合わせて円筒側面材5として説明しているが、微生物担体ユニット1を積み重ねる水中構造体(後述する。)を予定している場合には、安定上、角筒形状とした方がよいことは言うまでもない。
【0029】
また、通水性外殻2として使用された側面材5の内周面と、通水口縁部の内面には微細な突起が形成され、あるいは表面目粗しが施されている。この突起及び目粗しは、後述する破断したフィラメントを捕捉し、通水性外殻2外に流出させない役割を果たす。
【0030】
蓋材6は、円筒側面材5の円筒形状を保持するためおよび両端の閉塞のために円筒側面材5に固着される円板状部材である。板材でも良いし、円筒側面材5と同一目合いのメッシュでもよい。メッシュの場合には、円筒側面材5と一体的に成形されていても別部材として被せるような構造としても良い。材質としては本実施の形態では円筒側面材5と同じ高密度ポリエチレン樹脂材が用いられている。なお、水中構造体を構築する場合には、蓋材6の形状としては、図5各図に示したようなネジ部等のジョイント部材として使用することを想定している。
【0031】
次に、微生物担体ユニット1内に収容される微生物担体としての炭素繊維フィラメントについて説明する。本実施の形態で使用されている炭素繊維フィラメントは、炭素繊維既製品としての繊度800texのPAN系炭素繊維糸を素線であるフィラメントまでほぐして分散させた極細繊維の集合体(以下、全体を指す場合、フィラメント集合体と呼ぶ。)で、無数のフィラメントがランダムに絡み合った状態で通水性外殻内に詰められている。このようにしてフィラメント間に微細な無数の空隙が形成され、フィラメント集合体3は、細い長繊維フィラメントが3次元的にからみ合い、たとえば綿飴のようなボリューム感をもって通水性外殻2内に充満した状態となる。そしてこのフィラメント集合体3が機能的に微生物担体の機能を奏する。このフィラメント集合体3を通水性外殻2に充満させるには、綿飴状のものをそのまま詰めてもよいし、フィラメントを水溶性糸で束ねた状態で通水性外殻2に詰めて、微生物担体ユニット1として水中に浸漬させた状態で通水性外殻2内部のフィラメントがランダムに絡み合うようにしてもよい。以下の説明では、フィラメント集合体を、機能的な観点で説明する場合には微生物担体、構成的に説明する場合にはフィラメント集合体3と記す。
【0032】
本発明の微生物担体ユニット1では、炭素繊維糸をほぐし個々のフィラメントをランダムに絡ませて得られた綿飴形状のフィラメント集合体3が、微生物担体ユニット1が水中に浸漬された状態で、絡み合ったフィラメントが通水性外殻2内で十分ほぐれて漂って水中微生物を担持しやすい状態が確保できるように満遍なく詰められている。このときフィラメント集合体3全体の移動、偏りを防止するために芯材10が通水性外殻2内に取り付けられている。通水性外殻2内に偏りなく充満させたフィラメント集合体3の一部が芯材10のモールに絡まることで位置保持され、通水性外殻2を流れる流水圧を受けても通水性外殻2内で下流側に片寄ったり、固まったりしないようになっている。
【0033】
本実施の形態では、芯材10として、公知のモールワイヤがユニットの長手方向の全長にわたって断面のほぼ中心位置に位置するように取り付けられている。このモールワイヤは、軸線としての金属ワイヤ10aの全長にわたり樹脂短繊維を放射状になるように絡めた公知形状品である。芯材10の形状、配置の変形例については図6各図を参照して後述する。
【0034】
図2は、大型の微生物担体ユニット1の構成例を示した部分斜視図である。この微生物担体ユニット1の通水性外殻2は、2重管構造のステンレススチール製パンチングメタル円筒管からなり、通水性外殻2内には内部管7の表面に沿って螺旋状に2本のモールワイヤの芯材10が配置されている。これにより内部に詰められたフィラメント集合体3が保持される。
【0035】
図3は、フィラメントを適当な大きさに丸めたものをフィラメントボール3Bとし、それを通水性外殻2に適当な空間余裕をもって収容させた変形例を示したものである。同図に示したように、通水性外殻2に隙間をとってフィラメントボール3Bを収容させると、個々のフィラメントボール3Bが干渉し合って通水性外殻2内での動きが規制されるので、芯材10(図1参照)無しでフィラメント集合体3としての構成を実現することができる。
【0036】
図4は、以上に述べた、本発明の筒状の通水性外殻と異なる参考例としての各種形状の通水性外殻を示している。図4(a)は、半球状の通水性外殻2をフランジ2aで接合した球状の微生物担体ユニット1を示している。通水性外殻2を球状にすることにより、フィラメント集合体を保持するための芯材を省略することができる。この微生物担体ユニット1を複数個、ネット状の袋体内に収容したりして水中の所定箇所に設置することが好ましい。球状の微生物担体ユニット1の変形例としては、卵形、まゆ形等がある。図4(b)は、半球状の通水性外殻2にフランジ2bを介して底板2cを取り付けた半球状の微生物担体ユニット1を示している。この微生物担体ユニット1の内部にもフィラメント集合体3を容易に詰めることができ、また詰めた状態で移動等が抑えられるので芯材を必要としない。また、図4(c)に示したように、通水性外殻2を構成する樹脂ネットを組み立てて立方体箱状とし、その1面2dを蓋とすることで、部材の減数を図れ、微生物担体ユニット1の組み立てもきわめて容易になる。
【0037】
図5は、微生物担体ユニット1の設置のために用いられるアタッチメントの接続例を示した部分斜視図である。図5(a)には、微生物担体ユニット1を浮体構造として水面あるいは水中に浮遊させた状態で設置するための浮力体をアタッチメントとする例を示している。浮力体8としては発泡ポリスチレン樹脂が好適であるが、図示したネジ部6a及び外被としてポリプロピレン樹脂成形材を使用し、内部に発泡体を組み込むことが強度上好ましい。また、蓋材6と浮力体8とを一体成形して通水性外殻2に取り付けるようにしても良い。図5(b)は、通水性外殻2の蓋部に取り付けられたネジ部6aを部材接合グローブ9の雌ネジ部9aにネジ接合して微生物担体ユニット1としての通水性外殻2を所定の形状に連結して構造体とするための接合アタッチメントを示している。この接合アタッチメントでは、棒状部材としての各微生物担体ユニット1が3軸直交方向に接合できるように雌ネジ9aが設けられているが、接合される部材のなす角度は接合された部材によって構成される全体構造が閉じた構造となるような適正な角度(たとえば60,120°等)に適宜設定することができる。
【0038】
次に、上述した芯材10の変形例について図6各図を参照して説明する。図6(a)は、図1に示したモールワイヤの芯材10の模式図である。この芯材10のモール11の長さや本数、ピッチは通水性外殻2内を流れる水流や予想される微生物の付着状況で設定することが好ましい。たとえば強い水流が予想される場合には芯材10としてのモールワイヤを複数本配置するようにしてもよい。図6(b),(c)は螺旋状芯材12を配置した例を示している。螺旋の巻きの強さを種々変えて延長の異なる様々な螺旋状芯材12及び本数を配置することができる。特に図6(c)に示した2重螺旋形状13の場合には所定間隔で対向する螺旋状芯材13を繋ぐ補助材13aを配置することが好ましい。螺旋状芯材13は樹脂成形品が好ましく、芯材13表面に細かい凹凸を設けてフィラメントが絡まりやすくしておくことが好ましい。図6(d)は放射状スポーク14aを配したホイール14を長手方向に延在する軸線ワイヤ15に所定間隔をあけて取り付けたもので、円形ホイール14とスポーク14aは樹脂一体成形品とし、その表面に目粗しを施すことが好ましい。図6(e)は樹木の枝形を模してランダムに枝状体16が長手方向に延びるようにしたものを示している。図6(f),図6(g)は通水性外殻2に利用されたものと同等品の、連続押出成形によって成形された高密度ポリエチレン製格子状ネット17を所定幅に切り出し、それを捻った状態で通水性外殻2内に挿入して配置した例を示している。素線17aが様々な方向を向いた状態が形成される。このネット表面も目粗ししておくことが好ましい。図6(g)は、(f)に示したものと同様の形状の細長い格子状ネットの一部の線材18を、軸線に相当する素線18bを残して切断し、素線18bに関して各素線18aが長手方向に沿って徐々に角度を変えて捻れるようにした芯材を示している。図6(f),(g)の場合、ネットの素線17a,18aが通水性外殻2に充満されたフィラメント(図示せず)を確実に保持するので、通水性外殻2の端部の蓋材(図示せず)がなくても、フィラメントの流失が防止できるので、蓋材を省略することも可能である。
【0039】
以上のように、フィラメント集合体3は、各種の芯材を配した通水性外殻2内に安定した状態で収容されるので、微生物担体ユニット1が水流に曝された場合にもフィラメント集合体3の流出を最小限に抑えることができる。すなわち、この微生物担体ユニット1では、水中に設置された通水性外殻2内に収容されたフィラメント集合体3が芯材10他で保持され、通水性外殻2に満たされた水中でばらけて露出し、泳動しやすい状態に置かれる。これにより、微生物担体としてきわめて良好な状態が保持される。
【0040】
このように、本発明の微生物担体ユニット1では、炭素繊維のフィラメントを、房状等の所定の形状をなすように結束したり編んだりせずに、ほぐした状態でフィラメント集合体として通水性外殻2内に浮遊させるすることで、個々のフィラメント周囲に適度の流れ場を創出し、極細のフィラメントの自由な泳動を実現することができる。微生物担体ユニット1を人工藻場に適用した場合には微生物の付着を促進でき、また水質浄化に寄与する微生物の付着を期待する接触濾材としても接触酸化作用を期待できる。
【0041】
[微生物担体ユニットを用いた水中構造体]
以上に説明した微生物担体ユニット1を、その設置目的、設置条件に従って設置した水中構造体の構成について、図7〜図12を参照して説明する。
この微生物担体ユニットを水中構造体として設置する適用例としては、上述の人工藻場、接触濾材の機能を、規模を大きくして達成させる構造体以外に、人工漁礁や、生け簀周辺水域の富栄養化を防止する水中構造体としての使用も想定している。
図7は、微生物担体ユニット1を水中の所定深さに吊持するようにした水中構造体20の構成例を示している。同図に示したように、湖沼や閉鎖水域のように自然水流が小さいところでは、汚濁防止膜を水中の所定方向に沿って展設し、汚濁防止膜21の下端に沿って複数個の微生物担体ユニット1を吊持させることが好ましい。汚濁防止膜21は上端に取り付けられたフロートの浮力と下端に取り付けられた微生物担体ユニット1の重量とのバランスにより水中でほぼ鉛直面を構成するように展設することができる。そして水中構造体20は、水底に定着されたアンカーライン24により所定位置に保持される。
【0042】
汚濁防止膜21としては本実施の形態では、公知のポリエステル系合成繊維製の透水性膜材が使用されている。以上の構成とすることにより、図8(a)に模式側面図で示したように、水流は下流に向けて水底近くに配置された微生物担体ユニット1内と各ユニット間の隙間を流れる。このとき、微生物担体ユニット1内を通過する水流は水域の流速から十分減速され、内部のフィラメント集合体3内を通過する。この水流によりフィラメントは自由に泳動できる。このため、微生物の付着がきわめて活発化する。また、水質浄化の作用も期待できる。
【0043】
図8(b),(c)はその変形例を示しており、水流に曝される微生物担体ユニット1の本数を増やすことにより人工藻場としての機能、水質浄化機能を有効に高めることができる。また、図8(c)に示したように、汚濁防止膜21によって導流された水流の深度に併せて微生物担体ユニット1を汚濁防止膜21の中間位置に設けるようにしてもよい。これらの場合、水面のフロート22の浮力が不足するおそれがあるので、微生物担体ユニット1の通水性外殻2の端面に浮力体8(図5(a)参照)を取り付けて浮力のバランスをとることが好ましい。
【0044】
図9(a),(b)は汚濁防止膜21を従来のように水中に吊持させるとともに、その下端21aと水底23との間の下流部分に、複数段の微生物担体ユニット1を積み上げた設置例を示している。水流に沿って直交する方向に配置する以外に、図9(b)に示したように微生物担体ユニット1を井桁状に積み上げ、ユニット1の間隙を大きく取ることも好ましい。水流が強い場合にはユニット1同士を結束したり、地上で互いに固定したユニット1を水底23に設置することも好ましい。
【0045】
図10(a),(b)は複数本の微生物担体ユニット1をベースプレート25上に整列させて立設した設置例を示している。水域に十分な水流が予想される場合には図10(a)に示したように、水底23にユニット1を立設したベースプレート25を敷設するだけで微生物の付着が図れる。また、湖沼や閉鎖水域のように自然水流が小さいところでは、図10(b)に示したように、汚濁防止膜21を水流に正対させて展設し、汚濁防止膜21の下端21aと水底23の間の隙間部分に水流を集め、その下流側にユニット1を立設することも好ましい。
【0046】
図11(a),(b)は微生物担体ユニット1に浮力体8を取り付け、その浮力を利用して水中の所定位置に定置させるようにした例を示している。これらの微生物担体ユニット1は、図5(a)に一例を示した浮力体8を側面に有し、各微生物担体ユニット1には取り付けられた浮力体8により水中を浮上できる程度の浮力が付与されるが、各図に示したように、各ユニット1は水底23に定着されたアンカーライン24によって所定深度に位置するように調整されている。図10(a)はユニット1を水平配置したもので、図10(b)には、鉛直配置した例が示されている。いずれのユニット1も水流の影響を受けて通水性外殻2自体が揺動することが予想されるが、アンカーライン24の長さを調整して互いが衝突しないように配慮されている。
【0047】
図12(a),(b)は図5(b)に示した接合アタッチメントとしてのグローブ9を使用して構築された立体骨組構造の水中構造体20の例を示している。図11(a)は水流方向に直交する方向に略三角柱状の骨組構造をなして微生物担体ユニット1が組み立てられた水中構造体20が示されている。図11(b)では図の簡単化のためグローブ9以外の各微生物担体ユニット1を線図で示している。微生物担体ユニット1を複数段に積層して水中構造体20を構築することもできる。この場合、柱部材に相当するユニット1では通水性外殻の軸剛性を高めたり、必要に応じて重量負荷を軽減する浮力体(図示せず)を設置することが好ましい。
【0048】
[水域平面配置]
以上に述べた微生物担体ユニット及びこれらを適正な立体形状に構築した水中構造体20を、河川内の対象水域に水工物として配置した平面配置例について、図13〜図16を参照して説明する。なお、各図において白抜き矢印の大きさで流水量の大小を模式的に表している。図13は河川幅がほぼ一定な河川の平面を示している。この河川で河岸に沿って上述した微生物担体ユニットを用いた人工藻場を設ける場合、あるいは微生物担体ユニットを接触濾材として水質浄化を図る場合、水流を緩和させる霞堤形状に、汚濁防止膜と微生物担体ユニットとを組み合わせた水中構造体20を、流れの方向に沿って多段に配置している。図示した平面配置計画によれば、汚濁防止膜21によって仕切られた河岸よりの水域に水流の一部が淀み、緩い流れが生じる。この水流が微生物担体ユニットを通過することで内部のフィラメント集合体を適度の水流が通過し、微生物の付着を促進することができる。
【0049】
図14(a),(b)は拡幅された流域において、汚濁防止膜21による導流壁としての汚濁防止膜21を設けて一部の流れを河岸に沿って導流し、上述した微生物担体ユニットを用いて人工藻場を設けたり、接触濾材として水質浄化を図るようにした水中構造体20を設けるようにした計画を模式的に示した平面計画図である。たとえば図14(a)に示したように、河川の一部を、導流壁としての汚濁防止膜21によって仕切り、その下流方向に沿って汚濁防止膜21と微生物担体ユニットとを組み合わせた水中構造体20を多段に配置している。この平面配置計画によれば、汚濁防止膜21によって仕切られた河岸に沿う水流が微生物担体ユニットを通過することで内部のフィラメント集合体を適度の水流が通過し、微生物の付着を促進することができる。図14(b)では導流壁としての汚濁防止膜21によって分流された水域にアシ、ヨシ等の水生植物が繁茂した水域26を内包している。この水生植物が繁茂する水域26で、ゴミや浮遊物質の一部を濾過沈殿させ、また植物作用による水質浄化を期待できるとともに、制御された流れが、微生物担体ユニットを通過することで同様の効果を奏することができる。図15は、図14各図に示した導流壁としての汚濁防止膜21によって分流された流域での微生物担体ユニットの設置状況を示した斜視図である。図示したように、汚濁防止膜21で仕切られた流域の水底23に微生物担体ユニット1を流れに沿って数カ所のブロックごとに並べて設置し、人工藻場としての機能、あるいは接触濾材としての機能が得られる水中構造体20が実現する。
【0050】
図16(a),(b)は拡幅された流域において、汚濁防止膜21による導流壁を設けて流れの一部を河川中央部に導流し、上述した微生物担体ユニットを用いて人工藻場を設けたり、接触濾材として水質浄化を図るようにした水中構造体20を設けるようにした計画を模式的に示した平面計画図である。たとえば図16(a)に示したように、河川の中央部に導流壁としての汚濁防止膜21を配して、河川を流れ方向に仕切り、河川中央部においてその下流方向に沿って汚濁防止膜21と微生物担体ユニットとを組み合わせた水中構造体20を多段に配置している。この平面配置計画によれば、汚濁防止膜21によって仕切られた中央部分の流れの水流が微生物担体ユニットを順次、通過していくことで内部のフィラメント集合体3を適度の水流が通過し、微生物の付着を促進することができる。図16(b)では導流壁としての汚濁防止膜21によって導流された中央水域に微生物担体ユニットによる水中構造体20が水底に設置あるいは水中に浮遊した状態で配置されている。水流がこの水中構造体20を通過することで、上述と同様の効果を奏することができる。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、水中構造体を構成する微生物担体ユニットが炭素繊維のフィラメント集合体が通水性外殻で保護されているため、微生物の付着等を確実に実現でき、人工藻場として小型生物の生息の促進、繁殖に対して有効に機能するとともに、対象水域に複数の微生物担体ユニットを組み立てて構築された水中構造体も、構造体として高い安定性が得られるので、設置時やユニットの交換等のメンテナンス作業が容易に行えるという効果を奏する。
【0052】
微生物担体ユニットが炭素繊維のフィラメント集合体が通水性外殻で保護されているため、微生物の付着等を確実に実現でき、接触濾材として流域の水質浄化に対して有効に機能するとともに、対象水域において複数の微生物担体ユニットを組み立てて構築された水中構造体も、構造体として高い安定性が得られるので、設置時やユニットの交換等のメンテナンス作業が容易に行えるという効果を奏する。
【0053】
また、柔軟性及び可撓性に富む公知の炭素繊維を用いて、微生物等の微生物担体を水流による衝撃や漂流物による損傷から保護することが可能とするために、炭素繊維をほぐして形成したフィラメントを通水性の高い通水性外殻で囲い、フィラメントの水中での露出、泳動性能を確保し、殻内の流速を低減したり、漂流物との衝突を防止可能なるユニット構造とし、フィラメントの損傷を抑制することで、水中構造体としての安定を確保することができる。
【0054】
通水性外殻の通水口に微細な突起を形成したり内周表面や開口部端に目粗しを施し、通水性外殻内に芯材を配置し、フィラメントの移動を抑制し、脱落流失した一部のフィラメントを捕捉するようにした。芯材としてモールワイヤ、ホイール状、螺旋状の芯材を配置することが好ましい。なお、通水性外殻のメッシュ形状や有孔板の開口ピッチ、開口率等を、波浪条件や水流速、漂流物等の設置条件を考慮して決定することにより、フィラメント集合体を確実に通水性外殻内に保持させることができる。
【0055】
通水性外殻で包んだ微生物担体をユニット化することにより、施工中の繊維束の絡みつきや損傷・脱落を防止し施工性を高め、交換や移動時のメンテナンス性能を向上させることができる。通水性外殻で保護された人工藻場としての微生物担体ユニットは、その形態が安定しているので、移動や設置、ユニットの交換が容易に行え、設置時、メンテナンス時において高い施工性が得られる。微生物担体となる極細のフィラメントが通水性外殻で保護されているので、ユニットの移設時にも既に形成された微生物膜の損傷がほとんどない。このため、ユニットの配置換えや移設が容易に行える。
【0056】
さらに、メッシュ状の通水性外殻内に収容されたフィラメント集合体の極細フィラメントの一部がメッシュの通水口からわずかに突出することにより、フィラメント集合体の一部に水棲生物に産卵させたり、動物性プランクトンや艀化した稚魚がメッシュ開口を通って外殻内に逃げ込めるようにすることで、これらが大型の水棲生物によって捕食されるのを防止することができる。このように、微生物担体をメッシュ等の通水性外殻で包むようにしたことにより、動物性プランクトンや稚魚を大型水棲生物の捕食から保護することができるという効果も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による微生物担体ユニットの一実施の形態の一部を切欠き、その内部を併せて示した斜視図。
【図2】本発明の微生物担体ユニットの他の実施の形態を示した部分斜視図。
【図3】本発明の微生物担体ユニットの他の構成を示した部分斜視図。
【図4】本発明の微生物担体ユニットの他の構成を示した部分斜視図。
【図5】微生物担体ユニットの端部に取り付けられるアタッチメントの例を示した部分斜視図。
【図6】通水性外殻内に配置される芯材の例を示した模式図。
【図7】微生物担体ユニットを用いて構築された水中構造体の一実施の形態を示した部分斜視図。
【図8】図7に示した水中構造体の実施の形態および他の実施の形態を示した模式側面図。
【図9】水中構造体の他の実施の形態を示した模式側面図。
【図10】水中構造体の他の実施の形態を示した模式側面図。
【図11】水中構造体の他の実施の形態を示した模式側面図。
【図12】水中構造体の他の実施の形態を示した模式側面図。
【図13】水中構造体による流域の平面配置計画の例を示した模式平面図。
【図14】水中構造体による流域の平面配置計画の例を示した模式平面図。
【図15】導流壁を設けたときの水中構造体の配置例を示した斜視図。
【図16】水中構造体による流域の平面配置計画の例を示した模式平面図。
【符号の説明】
1 微生物担体ユニット
2 通水性外殻
3 フィラメント集合体
5 円筒形側面材
6 蓋材
8 浮力体
9 接合用グローブ
10 芯材
20 水中構造体
21 汚濁防止膜
23 水底
Claims (8)
- 樹脂ネットからなる保形可能な剛性を有する筒状の通水性外殻内に、炭素繊維糸をほぐし個々のフィラメントをランダムに絡ませて得られた綿飴形状のフィラメント集合体が充填され、前記外殻の両端が蓋部で閉塞された微生物担体ユニットが、水中に展設された汚濁防止膜の一部に取り付けられたことを特徴とする微生物担体ユニットを用いた水中構造体。
- 樹脂ネットからなる保形可能な剛性を有する筒状の通水性外殻内に、芯材を延在させ、該芯材にその一部を保持させて前記通水性外殻内に炭素繊維糸をほぐし個々のフィラメントをランダムに絡ませて得られた綿飴形状のフィラメント集合体が充填され、前記外殻の両端が蓋部で閉塞された微生物担体ユニットが、水中に展設された汚濁防止膜の一部に取り付けられたことを特徴とする微生物担体ユニットを用いた水中構造体。
- 前記微生物担体ユニットは、前記通水性外殻の浮力あるいは前記蓋部に設けられた浮力体により、浮遊可能としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の微生物担体ユニットを用いた水中構造体。
- 前記微生物担体ユニットは、前記汚濁防止膜で制御された水流の高さに合わせて前記汚濁防止膜の所定位置に配置された請求項1または請求項2に記載の微生物担体ユニットを用いた水中構造体。
- 前記微生物担体ユニットは、前記汚濁防止膜の下端と水底との間を塞ぐように、前記汚濁防止膜の下端に吊持された請求項1または請求項2に記載の微生物担体ユニットを用いた水中構造体。
- 前記微生物担体ユニットは、水中に展設された汚濁防止膜の下端と水底との間を塞ぐように水底に積み上げられた請求項1または請求項2記載の微生物担体ユニットを用いた水中構造体。
- 樹脂ネットからなる保形可能な剛性を有する筒状の通水性外殻内に炭素繊維糸をほぐし個々のフィラメントをランダムに絡ませて得られた綿飴形状のフィラメント集合体が充填され、前記外殻の両端が蓋部で閉塞された微生物担体ユニットが、水中で前記蓋部に設けられたジョイント部で接続され立体骨組状に組み立てられたことを特徴とする微生物担体ユニットを用いた水中構造体。
- 樹脂ネットからなる保形可能な剛性を有する筒状の通水性外殻内に、芯材を延在させ、該芯材にその一部を保持させて前記通水性外殻内に炭素繊維糸をほぐし個々のフィラメントをランダムに絡ませて得られた綿飴形状のフィラメント集合体が充填され、前記外殻の両端が蓋部で閉塞された微生物担体ユニットが、水中で前記蓋部に設けられたジョイント部で接続され立体骨組状に組み立てられたことを特徴とする微生物担体ユニットを用いた水中構造体。
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