JP2003024061A - 微生物担体ユニット及び同ユニットを用いた水中構造体 - Google Patents

微生物担体ユニット及び同ユニットを用いた水中構造体

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孝之 桝尾
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  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 人工藻場として、また接触濾材として施工面
及び使用時の機能面において確実な効果を奏する微生物
担体ユニット及び水中構造体を提供する。 【解決手段】 格子状樹脂ネットからなる通水性外殻2
内に、炭素繊維糸をほぐし、個々の極細フィラメントを
ランダムに絡ませて得られた綿飴形状のフィラメント集
合体3を充填した微生物担体ユニット及び該微生物担体
ユニットが水中に展開された汚濁防止膜の一部に取り付
けられた水中構造体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は微生物担体ユニット
及び同ユニットを用いた水中構造体に係り、ユニット化
された状態で水底もしくは水中に設置され、その用途と
して、内部に水中微生物を担持し、藻場として小魚等の
棲み家を実現でき、また水中構造体として魚礁として使
用でき、さらに内部に担持された水中微生物による生物
作用により水質浄化を果たすことで、すぐれた接触濾材
としての機能も発揮する微生物担体ユニット及び同ユニ
ットを用いて構築された水中構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】[人工藻場として利用される各種ユニッ
ト構造]自然界の藻場を模し、海中もしくは湖沼などの
水域に設置して微生物や小魚等の生息場所を確保する人
工藻場が知られている。これらの人工藻場は、水中微生
物付着担体となる細い繊維を束ねて所定形状とした繊維
束や、プレキャストコンクリート製品をユニット化し、
海中もしくは水中において水底に設置したり、浮力を持
たせた浮力体として係留したり、既存の浮体から吊持し
て水中に設置されたりしている。
【0003】繊維束で構成された人工藻場では、人工藻
として使用される繊維束が柔軟性、可携性に富み容積あ
たりの表面積が大きいことから、微生物担体として高い
性能を有する。また、これらの繊維束は、自然物である
藻類を模したり、施工時の取り扱いを容易にするために
所定形状に結束したり、圧縮したり、編んだり、織った
りして使用されている(特開2000−228928号
公報、特開平10−251985号公報参照)。これら
の技術では、人工藻として茎に相当する索状体、ロープ
基材に、細い炭素繊維を房状に束ねた部分を取り付けた
ものを提案している。
【0004】一方、プレキャストコンクリートブロック
等でユニットとして構成された重量人工藻場は、重機を
用いれば容易に各ブロックを設置したり、撤去したりす
ることができる。また設置された状態では安定性、耐久
性に富む。このため、波浪や水流の発生する厳しい条件
の設置場所に用いられることが多い(特開平11−32
622号公報、特開平8−70723号公報参照)。こ
れらの技術では、ブロック形状や積み方、を工夫するこ
とで人工漁礁として効果を高める工夫がなされている。
【0005】[接触濾材として利用される各種ユニット
構造]従来の河川浄化施設では、水域から導流取水を行
って水流が安定した生物接触水路(領域)を設け、水中
に設置された接触濾材を用いて、水質浄化等が試みられ
ている。これらの接触濾材には、繊維フィラメントが用
いられる例が多い。また、水流が強く使用条件が厳しい
水域では、堅牢で比較的重いプレキャストコンクリート
ブロック製の微生物担体や、表面積が大きい木炭や、プ
ラスチック製の固形状接触材が使用されることもある。
【0006】従来の繊維フィラメントを使用した接触濾
材の構造は、微生物付着担体となる繊維束もしくは紐
状、網状の繊維を水中にむき出しにして吊持したり、竿
で固定して展張したり、浮力を持たせた浮力体として係
留したり、既存の浮体から吊持して水中に設置されたり
している。
【0007】この繊維フィラメントは柔軟性、可撓性に
富み容積あたりの表面積が大きいことから、微生物担体
としての性能が高く、生物膜による接触酸化性能に優れ
る。また、施工時の取り扱いを容易にするために所定形
状に結束したり、圧縮したり、編んだり、織ったりして
使用されている(特許第2954509号公報、特開平
10−99885号公報参照)。これらの技術では、生
物膜担体として機能する炭素繊維ストランドを、微生物
との接触面積をふやすために、水中にばらけて泳動し易
い状態にした成形体として構成されている。
【0008】また、人工藻場と同様に、プレキャストコ
ンクリートブロックを用い、その一部に水質浄化機能を
持たせた河川浄化装置や浄化方法も提案されている(特
開平9−88040号公報参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の技術に
おいて、たとえば人工藻場、接触濾材に共通して適用可
能な繊維束は、繊維束を構成する素線としての繊維フィ
ラメント(以下、単にフィラメントと呼ぶ。)が極細で
あり、フィラメントに微生物を効率よく担持させること
ができ、微生物担体として高性能が期待できる。しか
し、フィラメント自体はせん断強度が弱く、保護材を用
いないで水中に露出させて泳動させる構造の人工藻場や
接触濾材では、以下のような改善すべき事項が認められ
ている。
【0010】フィラメントの損傷流失による問題 極細のフィラメントは単位容積あたりの表面積がきわめ
て大きいので、微生物担体としての性能は高い。しか
し、断面積が小さく、せん断強度も不足する。このた
め、フィラメントの束である繊維束からなる微生物担体
ユニットは、流れや漂流物が少なく、フィラメントの損
傷流出が起きにくい水域(溜池や水槽)で使用するか、
フィラメントが損傷しないように工作物で人工藻場を設
置する区域を囲ったりする必要がある。また、水流や漂
流物によって繊維束が損傷したり、破断したりすると、
フィラメントが流出してしまうという問題がある。
【0011】設置、撤去時の施工性、使用時のメンテ
ナンス時の問題 極細のフィラメントの繊維束をむき出し状態で水中で露
出し泳動するように設置する場合、繊維束が絡みついた
り、損傷や脱落が発生しやすく施工性が悪い。また、損
傷した繊維束を撤去したり交換する際にも同様の問題が
ある。さらに、ひも状でむき出し状態での繊維束ではメ
ンテナンス性能が悪い。
【0012】小型水棲生物の隠れ家不足 微生物担体として水棲動物の産卵や稚魚育成の場所とな
る人工藻場では、微生物をエサにする動物性プランクト
ンの発生が期待できる。しかし、微生物担体がむき出し
状態では孵化した稚魚の隠れ場所が少なく、捕食が進み
過ぎ、動物性プランクトンの増殖も制限されてしまう。
そこで、人工藻場を中心とした食物連鎖の速度を適度に
保ちつつ、稚魚の育成と小型水棲生物の増殖を活発化さ
せる機能が必要である。この点、従来の人工藻場では、
微生物担体となる繊維束を設置した水域を広い範囲で養
生ネット等で包み込む必要があるが、これでは成魚の産
卵を妨げるおそれがあり、十分な養生対策が取れない。
【0013】波浪・流速等の設置利用条件に応じた構
造変更の必要性 従来の繊維束からなる微生物担体を色々な水域で使用す
る場合、それらの水域の水理条件に合わせてフィラメン
トを結束し圧縮し編んだり織ったりして形成し、設置場
所の条件に合わせて多種類の形成体構造をとる必要があ
る。このため、使用条件に合わせた多種類の製品を生産
するには、製造工程が複雑となり生産性が低下する。
【0014】また、特に接触濾材として適用した場合、
多数のフィラメントが水中でばらけて露出し、泳動しや
すい構造が微生物担体として優れた性能を示すように、
フィラメントを水中で分散させて、結束や固定を少なく
することが重要である。
【0015】そこで、本発明の目的は上述した従来の技
術が有する問題点を解消し、繊維束の特性を十分利用し
て、人工藻場として、また接触濾材として施工面及び使
用時の機能面において確実な効果を奏することができる
微生物担体ユニット及び同ユニットを用いた水中構造体
を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は通水性外殻内に、炭素繊維糸をほぐし個々
のフィラメントをランダムに絡ませて得られた綿飴形状
のフィラメント集合体を充填したことを特徴とする。
【0017】また、他の構成として、通水性外殻と、該
通水性外殻内に延在させた芯材と、該芯材にその一部を
保持させて前記通水性外殻内に充満された、炭素繊維糸
をほぐし個々のフィラメントをランダムに絡ませて得ら
れた綿飴形状のフィラメント集合体とを備えたことを特
徴とする。
【0018】後者において、前記通水性外殻は、筒状格
子状樹脂ネットを備えるようにすることが好ましい。
【0019】また、前記芯材は、前記通水性外殻内に配
線、固定されたモールワイヤを用いることが好ましい。
【0020】前記通水性外殻は、該外殻の浮力あるいは
浮力体を設けることで、浮遊できるようにすることが好
ましい。
【0021】微生物担体ユニットが、水中に展設された
汚濁防止膜の一部に取り付けられるようにすることが好
ましい。
【0022】この場合、前記微生物担体ユニットが、前
記汚濁防止膜で制御された水流の高さに合わせて前記汚
濁防止膜の所定位置に配置することが好ましい。
【0023】また、前記微生物担体ユニットが、前記汚
濁防止膜の下端と水底との間を塞ぐように、前記汚濁防
止膜の下端に吊持することが好ましい。
【0024】さらに、前記微生物担体ユニットが、水中
に展設された汚濁防止膜の下端と水底との間を塞ぐよう
に水底に積み上げられるようにすることが好ましい。
【0025】前記微生物担体ユニットを、水中構造体と
して立体骨組状に組み立てるようにすることが好まし
い。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の微生物担体ユニッ
ト及び同ユニットを用いて構築された水中構造体の一実
施の形態について、添付図面を参照して説明する。 [微生物担体ユニットの構成]図1は、本発明の微生物
担体ユニットの一例を示した斜視図である。同図に示し
たように、微生物担体ユニット1は、円筒形状をなす通
水性外殻2と、その内部に収容された炭素繊維をほぐし
たフィラメントの束で、微生物担体として機能するフィ
ラメント集合体3と、フィラメント集合体3を通水性外
殻2内に満遍ない状態で保持安定させる芯材10とから
構成されている。この場合、ほぐしたフィラメントの束
は無撚糸としてのフィラメント長繊維素糸を不規則に、
たとえば3次元的にからめられた状態にある。
【0027】この微生物担体ユニット1(通水性外殻
2)の外形寸法は、設置時の施工性、微生物担体として
の炭素繊維のフィラメント集合体3が均一に保持される
ように考慮し、一般には直径150〜200mm、全長
1,000〜2,000mmを想定している。しかし、微
生物担体ユニット1の用途、設置場所等に応じて適宜の
寸法に設定できることはいうまでもない。
【0028】通水性外殻2は、保形可能な剛性を有する
メッシュ状の円筒側面材5と、円筒の両端部を閉塞する
蓋材6とからなる。本実施の形態では円筒側面材5とし
て略正方格子状に2軸延伸成形された高密度ポリエチレ
ン樹脂ネットが使用されている。その目合いは約20mm
×20mmのものが使用されているが、その用途に応じて
適正な目合いを設定することが好ましい。たとえば、接
触濾材や魚礁用構造材では、フィラメントの損傷流失を
防止するために、それらの設置場所での流速や波浪等の
水理条件を考慮して設定することが好ましい。その場合
の細かい目合いとして1mm×1mm程度まで小さくするこ
とができる。一方、目合いが大きいものでは、フィラメ
ントの流失防止が可能な範囲で、藻場として小魚等の棲
み家を確保するとともに、適度な食物連鎖を構成するよ
うな水棲生物の行き来が可能な程度まで大きくすること
ができる。なお、通水性能が備わっていれば、メッシュ
である必要はなく、パンチングメタル等の孔あき板を円
筒加工したものも使用できる。円筒側面材5の材質とし
ては、円筒形状を保持可能な剛性を確保できる樹脂であ
れば、各種組成樹脂を採用できる。たとえば浮力を確保
するためにはポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等
が好適である。孔あき成形管としては塩化ビニル樹脂
管、ガラス繊維補強ポリエステル樹脂管も好ましい。さ
らに、重量を確保することが必要な場合にはステンレス
スチール溶接金網、パンチングメタル、アルミ板成形加
工品等の金属製品の使用も可能である。天然材料として
は竹篭等も可能である。このように、円筒側面材5の選
定では、微生物担体ユニット1の設置場所における河川
流速、波浪条件、障害物の存在等の設計条件に合わせて
材料や部材を選択することが好ましい。これにより、同
一構造の微生物担体ユニットでありながら、大きさ、通
水性、微生物担持能力等を異ならせた多種類の部材の設
計が可能である。以上の説明では図に合わせて円筒側面
材5として説明しているが、微生物担体ユニット1を積
み重ねる水中構造体(後述する。)を予定している場合
には、安定上、角筒形状とした方がよいことは言うまで
もない。
【0029】また、通水性外殻2として使用された側面
材5の内周面と、通水口縁部の内面には微細な突起が形
成され、あるいは表面目粗しが施されている。この突起
及び目粗しは、後述する破断したフィラメントを捕捉
し、通水性外殻2外に流出させない役割を果たす。
【0030】蓋材6は、円筒側面材5の円筒形状を保持
するためおよび両端の閉塞のために円筒側面材5に固着
される円板状部材である。板材でも良いし、円筒側面材
5と同一目合いのメッシュでもよい。メッシュの場合に
は、円筒側面材5と一体的に成形されていても別部材と
して被せるような構造としても良い。材質としては本実
施の形態では円筒側面材5と同じ高密度ポリエチレン樹
脂材が用いられている。なお、水中構造体を構築する場
合には、蓋材6の形状としては、図5各図に示したよう
なネジ部等のジョイント部材として使用することを想定
している。
【0031】次に、微生物担体ユニット1内に収容され
る微生物担体としての炭素繊維フィラメントについて説
明する。本実施の形態で使用されている炭素繊維フィラ
メントは、炭素繊維既製品としての繊度800texのP
AN系炭素繊維糸を素線であるフィラメントまでほぐし
て分散させた極細繊維の集合体(以下、全体を指す場
合、フィラメント集合体と呼ぶ。)で、無数のフィラメ
ントがランダムに絡み合った状態で通水性外殻内に詰め
られている。このようにしてフィラメント間に微細な無
数の空隙が形成され、フィラメント集合体3は、細い長
繊維フィラメントが3次元的にからみ合い、たとえば綿
飴のようなボリューム感をもって通水性外殻2内に充満
した状態となる。そしてこのフィラメント集合体3が機
能的に微生物担体の機能を奏する。このフィラメント集
合体3を通水性外殻2に充満させるには、綿飴状のもの
をそのまま詰めてもよいし、フィラメントを水溶性糸で
束ねた状態で通水性外殻2に詰めて、微生物担体ユニッ
ト1として水中に浸漬させた状態で通水性外殻2内部の
フィラメントがランダムに絡み合うようにしてもよい。
以下の説明では、フィラメント集合体を、機能的な観点
で説明する場合には微生物担体、構成的に説明する場合
にはフィラメント集合体3と記す。
【0032】本発明の微生物担体ユニット1では、炭素
繊維糸をほぐし個々のフィラメントをランダムに絡ませ
て得られた綿飴形状のフィラメント集合体3が、微生物
担体ユニット1が水中に浸漬された状態で、絡み合った
フィラメントが通水性外殻2内で十分ほぐれて漂って水
中微生物を担持しやすい状態が確保できるように満遍な
く詰められている。このときフィラメント集合体3全体
の移動、偏りを防止するために芯材10が通水性外殻2
内に取り付けられている。通水性外殻2内に偏りなく充
満させたフィラメント集合体3の一部が芯材10のモー
ルに絡まることで位置保持され、通水性外殻2を流れる
流水圧を受けても通水性外殻2内で下流側に片寄った
り、固まったりしないようになっている。
【0033】本実施の形態では、芯材10として、公知
のモールワイヤがユニットの長手方向の全長にわたって
断面のほぼ中心位置に位置するように取り付けられてい
る。このモールワイヤは、軸線としての金属ワイヤ10
aの全長にわたり樹脂短繊維を放射状になるように絡め
た公知形状品である。芯材10の形状、配置の変形例に
ついては図6各図を参照して後述する。
【0034】図2は、大型の微生物担体ユニット1の構
成例を示した部分斜視図である。この微生物担体ユニッ
ト1の通水性外殻2は、2重管構造のステンレススチー
ル製パンチングメタル円筒管からなり、通水性外殻2内
には内部管7の表面に沿って螺旋状に2本のモールワイ
ヤの芯材10が配置されている。これにより内部に詰め
られたフィラメント集合体3が保持される。
【0035】図3は、フィラメントを適当な大きさに丸
めたものをフィラメントボール3Bとし、それを通水性
外殻2に適当な空間余裕をもって収容させた変形例を示
したものである。同図に示したように、通水性外殻2に
隙間をとってフィラメントボール3Bを収容させると、
個々のフィラメントボール3Bが干渉し合って通水性外
殻2内での動きが規制されるので、芯材10(図1参
照)無しでフィラメント集合体3としての構成を実現す
ることができる。
【0036】図4は、以上に述べた筒状の通水性外殻と
異なる各種形状の通水性外殻について説明する。図4
(a)は、半球状の通水性外殻2をフランジ2aで接合
した球状の微生物担体ユニット1を示している。通水性
外殻2を球状にすることにより、フィラメント集合体を
保持するための芯材を省略することができる。この微生
物担体ユニット1を複数個、ネット状の袋体内に収容し
たりして水中の所定箇所に設置することが好ましい。球
状の微生物担体ユニット1の変形例としては、卵形、ま
ゆ形等がある。図4(b)は、半球状の通水性外殻2に
フランジ2bを介して底板2cを取り付けた半球状の微
生物担体ユニット1を示している。この微生物担体ユニ
ット1の内部にもフィラメント集合体3を容易に詰める
ことができ、また詰めた状態で移動等が抑えられるので
芯材を必要としない。また、図4(c)に示したよう
に、通水性外殻2を構成する樹脂ネットを組み立てて立
方体箱状とし、その1面2dを蓋とすることで、部材の
減数を図れ、微生物担体ユニット1の組み立てもきわめ
て容易になる。なお、これらの通水性外殻2内に外殻形
状に倣った芯材を配置してもよいことはいうまでもな
い。また通水性外殻2に使用する樹脂ネットの目合いを
大きくした場合、剛性が小さくなり、柔らかい網状物と
して取り扱えることもある。
【0037】図5は、微生物担体ユニット1の設置のた
めに用いられるアタッチメントの接続例を示した部分斜
視図である。図5(a)には、微生物担体ユニット1を
浮体構造として水面あるいは水中に浮遊させた状態で設
置するための浮力体をアタッチメントとする例を示して
いる。浮力体8としては発泡ポリスチレン樹脂が好適で
あるが、図示したネジ部6a及び外被としてポリプロピ
レン樹脂成形材を使用し、内部に発泡体を組み込むこと
が強度上好ましい。また、蓋材6と浮力体8とを一体成
形して通水性外殻2に取り付けるようにしても良い。図
5(b)は、通水性外殻2の蓋部に取り付けられたネジ
部6aを部材接合グローブ9の雌ネジ部9aにネジ接合
して微生物担体ユニット1としての通水性外殻2を所定
の形状に連結して構造体とするための接合アタッチメン
トを示している。この接合アタッチメントでは、棒状部
材としての各微生物担体ユニット1が3軸直交方向に接
合できるように雌ネジ9aが設けられているが、接合さ
れる部材のなす角度は接合された部材によって構成され
る全体構造が閉じた構造となるような適正な角度(たと
えば60,120°等)に適宜設定することができる。
【0038】次に、上述した芯材10の変形例について
図6各図を参照して説明する。図6(a)は、図1に示
したモールワイヤの芯材10の模式図である。この芯材
10のモール11の長さや本数、ピッチは通水性外殻2
内を流れる水流や予想される微生物の付着状況で設定す
ることが好ましい。たとえば強い水流が予想される場合
には芯材10としてのモールワイヤを複数本配置するよ
うにしてもよい。図6(b),(c)は螺旋状芯材12
を配置した例を示している。螺旋の巻きの強さを種々変
えて延長の異なる様々な螺旋状芯材12及び本数を配置
することができる。特に図6(c)に示した2重螺旋形
状13の場合には所定間隔で対向する螺旋状芯材13を
繋ぐ補助材13aを配置することが好ましい。螺旋状芯
材13は樹脂成形品が好ましく、芯材13表面に細かい
凹凸を設けてフィラメントが絡まりやすくしておくこと
が好ましい。図6(d)は放射状スポーク14aを配し
たホイール14を長手方向に延在する軸線ワイヤ15に
所定間隔をあけて取り付けたもので、円形ホイール14
とスポーク14aは樹脂一体成形品とし、その表面に目
粗しを施すことが好ましい。図6(e)は樹木の枝形を
模してランダムに枝状体16が長手方向に延びるように
したものを示している。図6(f),図6(g)は通水
性外殻2に利用されたものと同等品の、連続押出成形に
よって成形された高密度ポリエチレン製格子状ネット1
7を所定幅に切り出し、それを捻った状態で通水性外殻
2内に挿入して配置した例を示している。素線17aが
様々な方向を向いた状態が形成される。このネット表面
も目粗ししておくことが好ましい。図6(g)は、
(f)に示したものと同様の形状の細長い格子状ネット
の一部の線材18を、軸線に相当する素線18bを残し
て切断し、素線18bに関して各素線18aが長手方向
に沿って徐々に角度を変えて捻れるようにした芯材を示
している。図6(f),(g)の場合、ネットの素線1
7a,18aが通水性外殻2に充満されたフィラメント
(図示せず)を確実に保持するので、通水性外殻2の端
部の蓋材(図示せず)がなくても、フィラメントの流失
が防止できるので、蓋材を省略することも可能である。
【0039】以上のように、フィラメント集合体3は、
各種の芯材を配した通水性外殻2内に安定した状態で収
容されるので、微生物担体ユニット1が水流に曝された
場合にもフィラメント集合体3の流出を最小限に抑える
ことができる。すなわち、この微生物担体ユニット1で
は、水中に設置された通水性外殻2内に収容されたフィ
ラメント集合体3が芯材10他で保持され、通水性外殻
2に満たされた水中でばらけて露出し、泳動しやすい状
態に置かれる。これにより、微生物担体としてきわめて
良好な状態が保持される。
【0040】このように、本発明の微生物担体ユニット
1では、炭素繊維のフィラメントを、房状等の所定の形
状をなすように結束したり編んだりせずに、ほぐした状
態でフィラメント集合体として通水性外殻2内に浮遊さ
せるすることで、個々のフィラメント周囲に適度の流れ
場を創出し、極細のフィラメントの自由な泳動を実現す
ることができる。微生物担体ユニット1を人工藻場に適
用した場合には微生物の付着を促進でき、また水質浄化
に寄与する微生物の付着を期待する接触濾材としても接
触酸化作用を期待できる。
【0041】[微生物担体ユニットを用いた水中構造
体]以上に説明した微生物担体ユニット1を、その設置
目的、設置条件に従って設置した水中構造体の構成につ
いて、図7〜図12を参照して説明する。この微生物担
体ユニットを水中構造体として設置する適用例として
は、上述の人工藻場、接触濾材の機能を、規模を大きく
して達成させる構造体以外に、人工漁礁や、生け簀周辺
水域の富栄養化を防止する水中構造体としての使用も想
定している。図7は、微生物担体ユニット1を水中の所
定深さに吊持するようにした水中構造体20の構成例を
示している。同図に示したように、湖沼や閉鎖水域のよ
うに自然水流が小さいところでは、汚濁防止膜を水中の
所定方向に沿って展設し、汚濁防止膜21の下端に沿っ
て複数個の微生物担体ユニット1を吊持させることが好
ましい。汚濁防止膜21は上端に取り付けられたフロー
トの浮力と下端に取り付けられた微生物担体ユニット1
の重量とのバランスにより水中でほぼ鉛直面を構成する
ように展設することができる。そして水中構造体20
は、水底に定着されたアンカーライン24により所定位
置に保持される。
【0042】汚濁防止膜21としては本実施の形態で
は、公知のポリエステル系合成繊維製の透水性膜材が使
用されている。以上の構成とすることにより、図8
(a)に模式側面図で示したように、水流は下流に向け
て水底近くに配置された微生物担体ユニット1内と各ユ
ニット間の隙間を流れる。このとき、微生物担体ユニッ
ト1内を通過する水流は水域の流速から十分減速され、
内部のフィラメント集合体3内を通過する。この水流に
よりフィラメントは自由に泳動できる。このため、微生
物の付着がきわめて活発化する。また、水質浄化の作用
も期待できる。
【0043】図8(b),(c)はその変形例を示して
おり、水流に曝される微生物担体ユニット1の本数を増
やすことにより人工藻場としての機能、水質浄化機能を
有効に高めることができる。また、図8(c)に示した
ように、汚濁防止膜21によって導流された水流の深度
に併せて微生物担体ユニット1を汚濁防止膜21の中間
位置に設けるようにしてもよい。これらの場合、水面の
フロート22の浮力が不足するおそれがあるので、微生
物担体ユニット1の通水性外殻2の端面に浮力体8(図
5(a)参照)を取り付けて浮力のバランスをとること
が好ましい。
【0044】図9(a),(b)は汚濁防止膜21を従
来のように水中に吊持させるとともに、その下端21a
と水底23との間の下流部分に、複数段の微生物担体ユ
ニット1を積み上げた設置例を示している。水流に沿っ
て直交する方向に配置する以外に、図9(b)に示した
ように微生物担体ユニット1を井桁状に積み上げ、ユニ
ット1の間隙を大きく取ることも好ましい。水流が強い
場合にはユニット1同士を結束したり、地上で互いに固
定したユニット1を水底23に設置することも好まし
い。
【0045】図10(a),(b)は複数本の微生物担
体ユニット1をベースプレート25上に整列させて立設
した設置例を示している。水域に十分な水流が予想され
る場合には図10(a)に示したように、水底23にユ
ニット1を立設したベースプレート25を敷設するだけ
で微生物の付着が図れる。また、湖沼や閉鎖水域のよう
に自然水流が小さいところでは、図10(b)に示した
ように、汚濁防止膜21を水流に正対させて展設し、汚
濁防止膜21の下端21aと水底23の間の隙間部分に
水流を集め、その下流側にユニット1を立設することも
好ましい。
【0046】図11(a),(b)は微生物担体ユニッ
ト1に浮力体8を取り付け、その浮力を利用して水中の
所定位置に定置させるようにした例を示している。これ
らの微生物担体ユニット1は、図5(a)に一例を示し
た浮力体8を側面に有し、各微生物担体ユニット1には
取り付けられた浮力体8により水中を浮上できる程度の
浮力が付与されるが、各図に示したように、各ユニット
1は水底23に定着されたアンカーライン24によって
所定深度に位置するように調整されている。図10
(a)はユニット1を水平配置したもので、図10
(b)には、鉛直配置した例が示されている。いずれの
ユニット1も水流の影響を受けて通水性外殻2自体が揺
動することが予想されるが、アンカーライン24の長さ
を調整して互いが衝突しないように配慮されている。
【0047】図12(a),(b)は図5(b)に示し
た接合アタッチメントとしてのグローブ9を使用して構
築された立体骨組構造の水中構造体20の例を示してい
る。図11(a)は水流方向に直交する方向に略三角柱
状の骨組構造をなして微生物担体ユニット1が組み立て
られた水中構造体20が示されている。図11(b)で
は図の簡単化のためグローブ9以外の各微生物担体ユニ
ット1を線図で示している。微生物担体ユニット1を複
数段に積層して水中構造体20を構築することもでき
る。この場合、柱部材に相当するユニット1では通水性
外殻の軸剛性を高めたり、必要に応じて重量負荷を軽減
する浮力体(図示せず)を設置することが好ましい。
【0048】[水域平面配置]以上に述べた微生物担体
ユニット及びこれらを適正な立体形状に構築した水中構
造体20を、河川内の対象水域に水工物として配置した
平面配置例について、図13〜図16を参照して説明す
る。なお、各図において白抜き矢印の大きさで流水量の
大小を模式的に表している。図13は河川幅がほぼ一定
な河川の平面を示している。この河川で河岸に沿って上
述した微生物担体ユニットを用いた人工藻場を設ける場
合、あるいは微生物担体ユニットを接触濾材として水質
浄化を図る場合、水流を緩和させる霞堤形状に、汚濁防
止膜と微生物担体ユニットとを組み合わせた水中構造体
20を、流れの方向に沿って多段に配置している。図示
した平面配置計画によれば、汚濁防止膜21によって仕
切られた河岸よりの水域に水流の一部が淀み、緩い流れ
が生じる。この水流が微生物担体ユニットを通過するこ
とで内部のフィラメント集合体を適度の水流が通過し、
微生物の付着を促進することができる。
【0049】図14(a),(b)は拡幅された流域に
おいて、汚濁防止膜21による導流壁としての汚濁防止
膜21を設けて一部の流れを河岸に沿って導流し、上述
した微生物担体ユニットを用いて人工藻場を設けたり、
接触濾材として水質浄化を図るようにした水中構造体2
0を設けるようにした計画を模式的に示した平面計画図
である。たとえば図14(a)に示したように、河川の
一部を、導流壁としての汚濁防止膜21によって仕切
り、その下流方向に沿って汚濁防止膜21と微生物担体
ユニットとを組み合わせた水中構造体20を多段に配置
している。この平面配置計画によれば、汚濁防止膜21
によって仕切られた河岸に沿う水流が微生物担体ユニッ
トを通過することで内部のフィラメント集合体を適度の
水流が通過し、微生物の付着を促進することができる。
図14(b)では導流壁としての汚濁防止膜21によっ
て分流された水域にアシ、ヨシ等の水生植物が繁茂した
水域26を内包している。この水生植物が繁茂する水域
26で、ゴミや浮遊物質の一部を濾過沈殿させ、また植
物作用による水質浄化を期待できるとともに、制御され
た流れが、微生物担体ユニットを通過することで同様の
効果を奏することができる。図15は、図14各図に示
した導流壁としての汚濁防止膜21によって分流された
流域での微生物担体ユニットの設置状況を示した斜視図
である。図示したように、汚濁防止膜21で仕切られた
流域の水底23に微生物担体ユニット1を流れに沿って
数カ所のブロックごとに並べて設置し、人工藻場として
の機能、あるいは接触濾材としての機能が得られる水中
構造体20が実現する。
【0050】図16(a),(b)は拡幅された流域に
おいて、汚濁防止膜21による導流壁を設けて流れの一
部を河川中央部に導流し、上述した微生物担体ユニット
を用いて人工藻場を設けたり、接触濾材として水質浄化
を図るようにした水中構造体20を設けるようにした計
画を模式的に示した平面計画図である。たとえば図16
(a)に示したように、河川の中央部に導流壁としての
汚濁防止膜21を配して、河川を流れ方向に仕切り、河
川中央部においてその下流方向に沿って汚濁防止膜21
と微生物担体ユニットとを組み合わせた水中構造体20
を多段に配置している。この平面配置計画によれば、汚
濁防止膜21によって仕切られた中央部分の流れの水流
が微生物担体ユニットを順次、通過していくことで内部
のフィラメント集合体3を適度の水流が通過し、微生物
の付着を促進することができる。図16(b)では導流
壁としての汚濁防止膜21によって導流された中央水域
に微生物担体ユニットによる水中構造体20が水底に設
置あるいは水中に浮遊した状態で配置されている。水流
がこの水中構造体20を通過することで、上述と同様の
効果を奏することができる。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、微生物担体ユニットが
炭素繊維のフィラメント集合体が通水性外殻2で保護さ
れているため、微生物の付着等を確実に実現でき、人工
藻場として小型生物の生息の促進、繁殖に対して有効に
機能するとともに、対象水域に複数の微生物担体ユニッ
トを組み立てて構築された水中構造体も、構造体として
高い安定性が得られるので、設置時やユニットの交換等
のメンテナンス作業が容易に行えるという効果を奏す
る。
【0052】微生物担体ユニットが炭素繊維のフィラメ
ント集合体が通水性外殻で保護されているため、微生物
の付着等を確実に実現でき、接触濾材として流域の水質
浄化に対して有効に機能するとともに、対象水域におい
て複数の微生物担体ユニットを組み立てて構築された水
中構造体も、構造体として高い安定性が得られるので、
設置時やユニットの交換等のメンテナンス作業が容易に
行えるという効果を奏する。
【0053】また、柔軟性及び可撓性に富む公知の炭素
繊維を用いて、微生物等の微生物担体を水流による衝撃
や漂流物による損傷から保護することが可能とするため
に、炭素繊維をほぐして形成したフィラメントを通水性
の高い通水性外殻で囲い、フィラメントの水中での露
出、泳動性能を確保し、殻内の流速を低減したり、漂流
物との衝突を防止可能なるユニット構造とし、フィラメ
ントの損傷を抑制することで、水中構造体としての安定
を確保することができる。
【0054】通水性外殻の通水口に微細な突起を形成し
たり内周表面や開口部端に目粗しを施し、通水性外殻内
に芯材を配置し、フィラメントの移動を抑制し、脱落流
失した一部のフィラメントを捕捉するようにした。芯材
としてモールワイヤ、ホイール状、螺旋状の芯材を配置
することが好ましい。なお、通水性外殻2のメッシュ形
状や有孔板の開口ピッチ、開口率等を、波浪条件や水流
速、漂流物等の設置条件を考慮して決定することによ
り、フィラメント集合体を確実に通水性外殻2内に保持
させることができる。
【0055】通水性外殻で包んだ微生物担体をユニット
化することにより、施工中の繊維束の絡みつきや損傷・
脱落を防止し施工性を高め、交換や移動時のメンテナン
ス性能を向上させることができる。通水性外殻で保護さ
れた人工藻場としての微生物担体ユニットは、その形態
が安定しているので、移動や設置、ユニットの交換が容
易に行え、設置時、メンテナンス時において高い施工性
が得られる。微生物担体となる極細のフィラメントが通
水性外殻で保護されているので、ユニットの移設時にも
既に形成された微生物膜の損傷がほとんどない。このた
め、ユニットの配置換えや移設が容易に行える。
【0056】さらに、メッシュ状の通水性外殻内に収容
されたフィラメント集合体の極細フィラメントの一部が
メッシュの通水口からわずかに突出することにより、フ
ィラメント集合体の一部に水棲生物に産卵させたり、動
物性プランクトンや艀化した稚魚がメッシュ開口を通っ
て外殻内に逃げ込めるようにすることで、これらが大型
の水棲生物によって捕食されるのを防止することができ
る。このように、微生物担体をメッシュ等の通水性外殻
で包むようにしたことにより、動物性プランクトンや稚
魚を大型水棲生物の捕食から保護することができるとい
う効果も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による微生物担体ユニットの一実施の形
態の一部を切欠き、その内部を併せて示した斜視図。
【図2】本発明の微生物担体ユニットの他の実施の形態
を示した部分斜視図。
【図3】本発明の微生物担体ユニットの他の構成を示し
た部分斜視図。
【図4】本発明の微生物担体ユニットの他の構成を示し
た部分斜視図。
【図5】微生物担体ユニットの端部に取り付けられるア
タッチメントの例を示した部分斜視図。
【図6】通水性外殻内に配置される芯材の例を示した模
式図。
【図7】微生物担体ユニットを用いて構築された水中構
造体の一実施の形態を示した部分斜視図。
【図8】図7に示した水中構造体の実施の形態および他
の実施の形態を示した模式側面図。
【図9】水中構造体の他の実施の形態を示した模式側面
図。
【図10】水中構造体の他の実施の形態を示した模式側
面図。
【図11】水中構造体の他の実施の形態を示した模式側
面図。
【図12】水中構造体の他の実施の形態を示した模式側
面図。
【図13】水中構造体による流域の平面配置計画の例を
示した模式平面図。
【図14】水中構造体による流域の平面配置計画の例を
示した模式平面図。
【図15】導流壁を設けたときの水中構造体の配置例を
示した斜視図。
【図16】水中構造体による流域の平面配置計画の例を
示した模式平面図。
【符号の説明】
1 微生物担体ユニット 2 通水性外殻 3 フィラメント集合体 5 円筒形側面材 6 蓋材 8 浮力体 9 接合用グローブ 10 芯材 20 水中構造体 21 汚濁防止膜 23 水底
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 3/10 ZAB C02F 3/10 ZABZ C12M 1/40 C12M 1/40 Z (72)発明者 桝尾 孝之 東京都目黒区東山3丁目22番1号 太陽工 業株式会社内 (72)発明者 杉山 孝信 東京都目黒区東山3丁目22番1号 太陽工 業株式会社内 Fターム(参考) 2B003 AA01 AA03 BB02 BB05 CC04 DD03 4B029 AA21 BB01 CC03 4B033 NA02 NA11 NB12 NB23 NB65 NC04 NC12 ND03 NE02 4D003 AA01 AA08 BA07 EA06 EA18 EA22

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】通水性外殻内に、炭素繊維糸をほぐし個々
    のフィラメントをランダムに絡ませて得られた綿飴形状
    のフィラメント集合体を充填したことを特徴とする微生
    物担体ユニット。
  2. 【請求項2】通水性外殻と、該通水性外殻内に延在させ
    た芯材と、該芯材にその一部を保持させて前記通水性外
    殻内に充満された、炭素繊維糸をほぐし個々のフィラメ
    ントをランダムに絡ませて得られた綿飴形状のフィラメ
    ント集合体とを備えたことを特徴とする微生物担体ユニ
    ット。
  3. 【請求項3】前記通水性外殻は、筒状格子状樹脂ネット
    を備えたことを特徴とする請求項2に記載の微生物担体
    ユニット。
  4. 【請求項4】前記芯材は、前記通水性外殻内に配線、固
    定されたモールワイヤであることを特徴とする請求項2
    記載の微生物担体ユニット。
  5. 【請求項5】前記通水性外殻は、該外殻の浮力あるいは
    浮力体を設けることで、浮遊可能としたことを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載の微生物担体ユニッ
    ト。
  6. 【請求項6】請求項1または請求項2記載の微生物担体
    ユニットが、水中に展設された汚濁防止膜の一部に取り
    付けられたことを特徴とする微生物担体ユニットを用い
    た水中構造体。
  7. 【請求項7】前記微生物担体ユニットが、前記汚濁防止
    膜で制御された水流の高さに合わせて前記汚濁防止膜の
    所定位置に配置されたことを特徴とする請求項6記載の
    微生物担体ユニットを用いた水中構造体。
  8. 【請求項8】前記微生物担体ユニットが、前記汚濁防止
    膜の下端と水底との間を塞ぐように、前記汚濁防止膜の
    下端に吊持されたことを特徴とする請求項6記載の微生
    物担体ユニットを用いた水中構造体。
  9. 【請求項9】請求項1または請求項2記載の微生物担体
    ユニットが、水中に展設された汚濁防止膜の下端と水底
    との間を塞ぐように水底に積み上げられたことを特徴と
    する微生物担体ユニットを用いた水中構造体。
  10. 【請求項10】請求項1または請求項2記載の微生物担
    体ユニットが、立体骨組状に組み立てられたことを特徴
    とする微生物担体ユニットを用いた水中構造体。
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