JP2002000113A - 海中藻場造成用構造物 - Google Patents

海中藻場造成用構造物

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JP2002000113A
JP2002000113A JP2000191548A JP2000191548A JP2002000113A JP 2002000113 A JP2002000113 A JP 2002000113A JP 2000191548 A JP2000191548 A JP 2000191548A JP 2000191548 A JP2000191548 A JP 2000191548A JP 2002000113 A JP2002000113 A JP 2002000113A
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seaweed
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Yoshihiro Kaneda
吉弘 金田
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KANEDA KENSETSU KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は藻場領域を、海底の地形に依
らず、簡単かつ広範囲に形成でき、人工藻場における海
藻の枯死によって派生する人工藻場の再構築が容易であ
る。しかも海面付近から海底までの範囲で、藻場領域を
形成する水深を自在に調節できるので、その繁殖、養殖
及び漁獲等の目的に応じた魚介類を自由に選択決定でき
る海中藻場造成用構造物を提供することにある。 【構成】 枠材(4)からなる外枠(3)に、海藻胞子
(7)又はその成育体を表面に着生した第1のロープ
(5)を囲繞するようにして張設巻回した造成用構造体
(2)と、造成用構造体(2)を海中で浮かせるための
浮き(12)と、造成用構造体(2)を海中の所期の場
所に繋留するための錘(13)とを、それぞれ第2のロ
ープ(14)を介して連結するようにした海中藻場造成
用構造物(1)である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海藻類からなる藻
場を人工的に造成することにより、魚介類の繁殖に適し
た海中環境を実現するための海中藻場造成用構造物に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、我国の近海領域において、地球温
暖化、環境破壊等の原因により、藻場が激減してきてい
るので、そこを生息地とする魚介類も減少傾向にある。
そこで、魚介類の生息地を人工的に造成することによっ
て、海中環境を魚介類の繁殖に適するようにする事業が
行われている。
【0003】藻場の造成には、海藻を人工的に繁殖する
必要があり、その手段として海藻の生息に適するような
岩体やコンクリート塊を海底に沈設する方法が採られた
り、その沈設物の形状や沈設場所を工夫することによっ
て、海藻の生息を促進するような環境改善が為されてき
た。また、特開平8−322423号公報や特開200
0−060353号公報のように、コンクリート製の基
盤上に立設した複数本の柱体表面に担持片を突設し、該
担持片に海藻種苗の胞子、幼体、成熟体或いは匍匐根な
どの藻体を付着させて海底に沈設したり、あるいは、コ
ンクリート製基盤に立設した柱体表面に、海藻種苗を着
生させた養殖ロープを螺旋状に巻きつけて海底に沈設す
ることも提案されている。
【0004】また、特開平8−256618号公報に記
載されている藻場造成具は、浮きと、錘と、海藻胞子付
着基盤とを、ロープを介して連結し、前記基盤を装着し
たロープを海中に浮遊させるようにした構造であり、海
藻の育成を主とした目的としているものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、単にコ
ンクリートブロックや自然石を海底に投入するだけでは
藻場の造成は不十分であり、また、前記特開平8−32
2423号公報や特開2000−060353号公報の
ような構造物では、藻場領域がコンクリート製基盤に突
設している柱体近傍に限定されてしまうため、構造物の
製造、運搬、及び設置に必要な費用に対する藻場造成の
効果が十分でなく、しかも柱体相互間に外部に開放され
た大きな空間が残るから魚介類の生息環境として必ずし
も良好とはいえない。また、海藻の寿命によって、藻場
の再構築をする場合、各柱体に対して、海藻種苗を着生
した担持片の交換を行う必要があり、大変手間のかかる
ものであった。さらに、コンクリート製基盤を海底に設
置するために、海底を地均する必要があった。さらに、
魚は、その種類によって生息及び回遊する深度が異なる
ので、前記特開平8−322423号公報や特開200
0−060353号公報記載の発明のように海底近辺に
造成された海中林では、そこに集まる魚の種類が海底近
辺に生息するものだけに限定されるものであった。
【0006】また、特開平8−256618号公報に記
載されている造成具は、海藻類の育成を目的としている
ため、藻場造成領域が、海藻胞子付着基盤を装着したロ
ープ近傍に限定されるので、外部に開放された大きな空
間が生じ、かつ該造成具を複数列に設置しても藻場領域
は平面的であるので、魚介類の生息環境である漁礁とし
ての効果はあまり期待できるものではなかった。
【0007】本発明は、これらの課題に鑑みなされたも
のであって、魚介類の生息環境となる漁礁を、人工藻場
でもって形成し、また構造物の重量の割に簡単かつ広範
囲に、海底の地形に依らず、藻場領域を形成できるもの
である。さらに、人工藻場における海藻の枯死によって
派生する人工藻場の再構築が容易で、しかも海面付近か
ら海底までの範囲で、藻場領域を形成する水深を自在に
調節でき、その繁殖、養殖及び漁獲等を目的とする魚介
類も自由に選択決定し得るような海中藻場造成用構造物
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、海藻胞子又はその成育体を
着生させる構造物であって、枠材からなる外枠に、海藻
胞子又はその成育体を表面に着生した第1のロープを囲
繞するように張設巻回してなる造成用構造体と、造成用
構造体を海中で浮かせるための浮きと、造成用構造体を
海中の所期の場所に繋留するための錘と、造成用構造体
に対して浮き及び錘をそれぞれ連結する第2のロープと
を備えてなることを特徴とする海中藻場造成用構造物で
ある。
【0009】また、請求項2記載の発明は、海藻胞子又
はその成育体を着生した種糸を、第1のロープの長手方
向に沿って、第1のロープの表面に、螺旋状に巻回する
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の海中草原造
成用構造物である。
【0010】さらに、請求項3記載の発明は、複数本の
第1のロープを、縦横に、かつ互いに平行等間隔にして
枠材に張設巻回するようにしたことを特徴とする請求項
1又は2記載の海中藻場造成用構造物である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照しつつ本発明の
実施形態を詳述する。
【0012】図1は、本発明の海中藻場造成用構造物
(1)を示すもので、構造物(1)は造成用構造体
(2)、浮き(12)、錘(13)、及び造成用構造体
(2)と浮き(12)及び錘(13)とをそれぞれ連結
するための第2のロープ(14)を具備している。造成
用構造体(2)は、枠材(4)から形成される外枠
(3)と、外枠(3)に対してその外側を囲繞するよう
に張設巻回している第1のロープ(5)とを有する。造
成用構造体(2)は、図1に示すように、外枠(3)の
上面を除く5つの面で第1のロープ(5)が縦横それぞ
れ3段に交差するように張設巻回されている。外枠
(3)の上下の2面には、その強度を増すために、2本
の枠材(4)が交差するように配設されているが、外枠
(3)に必要な強度が得られるのであれば、図1に示し
た補強手段以外でもよい。
【0013】外枠(3)は枠材(4)から形成されてお
り、かつ海水中に浮かせる必要があるため、枠材(4)
の材料としては必要な程度の強度を持ち、かつ、比較的
軽量のものが使用される。本実施形態においては、所望
の形状に加工された木製の角材を使用しているが、間伐
材などの自然木の表皮を剥いだものや、所定の断面形状
に加工した木材が、製造コスト、環境保護の点から特に
好適である。沈設地域によっては、竹材や合成樹脂パイ
プなどを選択しても良い。外枠(3)を形成するための
枠材(4)を相互に接合するための手段としては、釘や
ボルト等の接合部材や接着剤を利用すればよい。また、
枠材(4)の材質が合成樹脂パイプや表面に防腐処理を
施した金属性パイプ等の場合は、前記の接合手段以外に
も、外枠(3)を継ぎ目のないシームレスなものとして
形成することができ、一体に形成しているので、外枠
(3)の強度を向上させることもでき得る。尚、外枠
(3)の形状は、図1に示すような立方体状に限定する
ものではなく、繁殖させる魚介類の生態や大きさに応じ
て変更可能である。
【0014】第1のロープ(5)は、市販の木綿ロープ
や麻ロープなどの天然繊維ロープや、ポリエステルなど
の合成繊維ロープであってもよく、第1のロープ(5)
の太さは特に限定されないが、価格を含めた入手の容易
性や強度的な観点から直径20〜80mm程度のものが
好適である。また、第1のロープ(5)は新品である必
要はなくて、一般漁業で使用される巻き網、底曳き網、
カニ籠網などの使い古したものでも、本発明の実施を行
えるように綱状に加工することによって使用することが
でき、廃品リサイクルと省コストのためには、むしろ、
これら廃網を積極的に活用することが望ましい。なお、
第1のロープ(5)が枠材(4)に対して上下左右方向
にずれる可能性がある場合は、図3に示すように、枠材
(4)表面に第1のロープ(5)を係着させるための溝
部(9)や担持部(10)を形成したり、釘、ボルト、
ビス又はピンなどの適当な係止部材(11)や接着剤な
どを利用して第1のロープ(5)を枠材(4)に固定す
るとよい。尚、図3(b)は、第1のロープ(5)のず
れ防止部(9)(10)(11)を拡大して示している
が、ずれ防止部(9)(10)(11)の設置箇所は、
第1のロープ(5)と外枠(3)との全ての接触部位に
設置しなくてもよく、第1のロープ(5)がずれないよ
うに適当な間隔で設置すればよい。
【0015】次に、第1のロープ(5)のずれ防止部
(9)(10)(11)に関して説明する。図3(a)
に示すような溝部(9)は、枠材(4)に溝や貫通孔を
形成したものでよく、枠材(4)の強度を損なわない程
度で、かつ第1のロープ(5)が十分に係止できる程度
の大きさであればよい。次に、図3(b)に示した担持
部(10)は、枠材(4)に両端又は片端を接合して第
1のロープ(5)の担持部(10)を形成しているもの
であり、それぞれ図3(b)の(b1),(b2)に示
した。尚、図3(b)に示した担持部(10)の形状は
適宜変更可能である。溝部(9)や担持部(10)は、
枠材(4)の材質が木材の場合、枠材(4)に溝や貫通
孔を掘削加工により形成するか、枠材(4)に担持部材
を後付けすることにより設置すればよい。また、外枠
(3)の材質がビニールパイプ等の合成樹脂パイプやコ
ンクリート、鉄パイプ等の場合、外枠(3)の製造工程
で予め一体に形成しておけばよい。また係止部材(1
1)については、上述の通り、釘等の適当な部材を使用
して第1のロープ(5)を外枠(3)を形成している枠
材(4)に固定すればよい。尚、第1のロープ(5)を
枠材(4)に担持させたのち、海流等の物理的要因によ
って第1のロープ(5)が溝部(9)又は担持部(1
0)から外れないようにするため、図3(a)の側面図
のように、第1のロープ(5)を枠材(4)に一度だけ
巻回してから張設するようにした手段を適用してもよ
い。さらに、ずれ防止部(9)(10)(11)を一箇
所に併用してもよい、例えば溝部(9)と係止部材(1
1)等を併用することによって、第1のロープ(5)を
枠材(4)に巻回することなく、第1のロープ(5)の
ずれを防止することができる。
【0016】第1のロープ(5)の表面には、図2に拡
大して示すように、第1のロープ(5)よりも格段に細
い種糸(6)が螺旋状に巻回されている。この種糸
(6)は、図2(a),(b)では1本であるが、複数
本の種糸(6)を螺旋状に巻回してもよい。種糸(6)
には海藻胞子(7)が付着されており、第1のロープ
(5)を枠材(4)相互間に張設巻回する前に、種糸
(6)を第1のロープ(5)に巻回しておくとよい。種
糸(6)は、海藻胞子(7)を付着させた直後に、第1
のロープ(5)に巻回してもよいし、海藻胞子(7)を
付着している種糸(6)を、陸上の海水槽内で所定の期
間だけ養生して、海藻胞子(7)を育成した海藻の幼体
(8)が付着している種糸(6)を第1のロープ(5)
に巻回するようにしてもよい。また、第1のロープ
(5)の製造段階における撚り工程で、1本又は複数本
の種糸(6)を、第1のロープ(5)表面に露出するよ
うに共撚りすることによって、第1のロープ(5)と種
糸(6)が一体となるようにしてもよい。尚、海藻胞子
(7)は、種糸(6)に付着させる方法以外に、第1の
ロープ(5)自体に直接付着させてもよく、最終的に、
海藻の成体が第1のロープ(5)の表面に着生するよう
な手段であれば、適宜変更可能である。
【0017】なお、第1のロープ(5)や種糸(6)の
表面には、海藻胞子(7)の着生及び生育を促進するた
めに公知の養藻塗料を予め塗布しておいてもよい。
【0018】浮き(12)は、造成用構造体(2)がそ
の重力のはたらきで海底に向かって徐々に沈もうとする
のに逆らって、造成用構造体(2)を海中の所期の場所
に、第2のロープ(14)を介して浮力により浮かべる
働きをする。本実施形態においては、図1に示すよう
に、浮き(12)の数は1つであるが、造成用構造体
(2)が大型のものであるか、あるいは、その枠材
(4)の材質が強度面の必要性から比較的重いものであ
る場合、多大の浮力が要求されるために、浮き(12)
の数は1つに限定される訳ではなく、図4に示すよう
に、複数の浮き(12)を、造成用構造体(2)が海中
の所望の場所にバランス良く浮かべて繋留されるように
使用しても良い。また、第2のロープ(14)との連結
部を形成しておくとよい。
【0019】錘(13)は、造成用構造体(2)と第2
のロープ(14)を介して連結されており、構造体
(2)を海中に浮遊させる際に、海流などの影響によっ
て、浮遊している構造体(2)が所望の場所以外へと移
流することを阻止するために繋留している。本実施形態
において、錘(13)の材質及び形状は、コンクリート
製の直方体状のものを使用しているが、材質は海水中で
の耐久性が優れているものであればよく、また形状は、
直方体に限定するものではなく、各々適宜変更可能であ
る。尚、錘(13)には、第2のロープ(14)との連
結部を形成しておくとよい。
【0020】浮き(12)及び錘(13)と構造体
(2)の連結手段に関しては、図5(a)のように、一
本の第2のロープ(14)で浮き(12)と錘(13)
を連結し、第2のロープ(14)の所定の場所に構造体
(2)を係止するようにした第1の連結手段と、図5
(b)のように、浮き(12)と構造体(2)を連結す
る第2のロープ(14a)と、構造体(2)と錘(1
3)を連結する第2のロープ(14b)とからなる第2
の連結手段が考えられる。第2のロープ(14)(14
a)(14b)の材質は、構造体(2)を繋留でき、海
水中での耐久性があれば、特に限定はされず、天然又は
合成の繊維からなるロープでも、また極細い金属線を複
数本撚ってつくられたワイヤー等を使用してもよい。
【0021】また、図5(a)に示した第1の連結手段
では、第2のロープ(14)の長さを、構造物(1)を
設置する場所の水深と略同一とし、第2のロープ(1
4)の所定の位置で、第2のロープ(14)と構造体
(2)を連結部(15),(16)で係止することでも
って、構造体(2)を所定の水深に繋留するようにして
いる。図5(b)に示した第2の連結手段では、第2の
ロープ(14a),(14b)と構造体(2)の高さと
の和を、構造物(1)の設置場所における水深と略同一
とし、第2のロープ(14a),(14b)と構造体
(2)とをそれぞれ連結部(15),(16)で係止
し、第2のロープ(14a),(14b)の長さを調節
することでもって、構造体(2)を所定の水深に繋留す
るようにしている。
【0022】第1及び第2の連結手段において、第2の
ロープ(14),(14a),(14b)と構造体
(2)を係止する連結部(15),(16)は、公知の
ものでもよく、構造体(2)を支持できる強度があり、
第2のロープ(14),(14a),(14b)と構造
体(2)を容易に着脱でき、かつ、連結して構造体
(2)を繋留している時には、第2のロープ(14),
(14a),(14b)と構造体(2)を分離すること
が困難な構造であることが好ましい。尚、第1の連結手
段において、1個の連結部(15)でもって、第2のロ
ープ(14)と構造体(2)を連結するよりも、図5
(a)で示すように、構造体(2)の上面と下面に連結
部を設置するなどして、複数の連結部位を設置すること
が好ましい。
【0023】造成用構造体(2)は、陸上で構築したの
ち、浮き(12)及び錘(13)と第2のロープ(1
4)を介して、それぞれ連結して海中藻場造成用構造物
(1)となり、構造物(1)を目的海域まで海上輸送
し、船上クレーンなどを使用して、錘(13)を海底に
沈設すると共に、造成用構造体(2)を、浮き(12)
及び錘(13)によって海中の所定の場所に浮かべて繋
留する。構造体(2)を海中に浮かべるに際し、その深
さは、構造体(2)を連結している第2のロープ(1
4),(14a),(14b)の長さをそれぞれ調節す
ることにより、所望の深さとすることができる。
【0024】海中に浮かんで繋留された造成用構造体
(2)は海藻生育期になると、第1のロープ(5)の種
糸(6)を中心として、図2(b)に示すように、海藻
の幼体(8)が生育し始め、半年も経過すると第1のロ
ープ(5)に沿って海藻が密生し、枠材(4)相互間が
海藻の密林壁のようになり、造成用構造体(2)内部が
魚介類にとって恰好の住処となって魚介類の繁殖が促進
される。また、このようにして繁殖させる魚介類の種類
は、造成用構造体(2)を浮かべる海中の深さ及び場所
を、上述の如く自在に調節することによって、所望の種
類の魚介を選択可能である。
【0025】また、広範囲にわたって藻場を造成する場
合には、図6(a)に示すような格子型の構造体(2)
を陸上で構築したのち、海中に設置してもよいし、図7
(a)に示すように、容易に設置できる大きさの所定数
の構造物(1)を海中に構築したのち、隣接した構造体
(2)を接合するような手段を採ってもよい。例えば、
図7(a),(b)のように、隣合った構造体(2)が
接触していない場合、適当な部材(17)を用いて、各
構造体(2)間を連結してもよく、図7(c)に示すよ
うに、各構造体(2)を接触面(A―A)で適当な連結具
を用いて接合してもよい。これらの場合、浮き(12)
の形状は、図1等で示したような球状で、複数個の浮き
を用いてもよく、また構造体(2)或いは構造体群の大
きさ及び形状に応じた形状、例えば上方から見て、枠
状、格子状、蜘蛛の巣状等の巨大な浮きを1個だけ用い
てもよく、浮き(12)の数、大きさ及び形状は、構造
体(2)又は構造体群を浮遊させる浮力があれば適宜変
更可能である。
【0026】次に、本発明によって造成された藻場に繁
殖している海藻類が寿命により枯衰した場合、第1のロ
ープ(5)より剥落した海藻は、サザエ、アワビ等の餌
料となり、貝類の繁殖にも役立つ。しかし海藻類が剥落
した状態で放置しておくことは、藻場を開拓するという
所期の目的に反するので、再度、海藻類を育成し、藻場
を再構築する必要がある。本発明では、海藻胞子(7)
又はその成育体を着生した第1のロープ(5)を張り替
えるだけで藻場を再構築でき、また、構造物(1)の老
朽化に対しても、構造物(1)が単純な構造であるの
で、構造体(2)を交換するか、構造物(1)を再構築
するという選択肢があり、状況に応じて選択すればよ
い。
【0027】以上、本発明の実施形態について説明した
が、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の
変更が可能であり、例えば、第1のロープ(5)は、図
1のように、3本を縦横に巻回する他、任意の本数のロ
ープを縦横多段に張設巻回してもよいし、枠材(4)相
互間に第1のロープ(5)を襷掛けするという構造でも
よい。また、錘(13)の形状は前記実施形態のように
コンクリート製の直方体状とする以外に、立方体や十字
形、断面が六角形又は八角形等の多角形、或いは円形の
ものとしてもよく、第2のロープ(14),(14b)
との連結部を形成しておくことが好ましい。また錘(1
3)の材質はコンクリート以外にも、自然石を含めて海
底沈設が可能であれば任意の材料を使用してもよい。
【0028】
【発明の効果】本発明の海中藻場造成用構造物を適用す
ると、海底を地均する必要もなく、重量の割に藻場領域
を簡単かつ広範囲に形成でき、しかも造成用構造体を設
置する水深の範囲は、海面付近から海底にまで及んでい
る。その設置する水深を調節することにより、所望の魚
介類の繁殖、養殖及び漁獲等を自由に選択決定できる。
尚、本発明の構造物は、可能な限り廃材を再利用し、か
つ水中環境を害するような素材を使用せずに構築できる
ように設計されている、即ち資源の有効利用に寄与する
ものであり、自然環境の保護という点においても配慮さ
れたものである。
【0029】また、本発明の構造物は、近海だけに限ら
ず、遠洋海域、湖、池、河川等でも使用可能であり、そ
の場合は、各水中環境に応じた藻類や水生植物を海藻の
代わりに繁殖させればよい。
【0030】次に、本発明の構造物は漁礁としての作用
だけではなく、単に、海藻類を育成するための構造物と
しても使用可能である。その際、育成する海藻の種類に
応じて構造体の形状及び設置深度を設定すればよい。
【0031】さらに、海中藻場の維持管理の観点から
は、海中藻場領域を再構築するに際し、海藻類の胞子又
は成育体を着生したロープを交換するだけで容易に実行
可能であり、環境面でも、海中藻場領域の内部に魚介類
を効率的、効果的に集め、かつ、生息させることがで
き、恰好の漁場として活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る海中藻場造成用構造
物を示す斜視図。
【図2】同実施形態に係るロープ及び種糸の拡大図。
【図3】同実施形態に係る外枠に形成されるずれ防止部
を示す断面図。
【図4】複数の浮きを使用した構造物を示す側面図。
【図5】浮き、錘、構造体を連結する方法を説明するた
めの概略図。
【図6】広範囲にわたる藻場を造成する方法を説明する
ための概略図。
【図7】広範囲にわたる藻場を造成する方法を説明する
ための概略図。
【符号の説明】
(1)海中藻場造成用構造物 (2)造成用構造体 (3)外枠 (4)枠材 (5)第1のロープ (6)種糸 (7)海藻胞子 (8)海藻の幼体 (9)溝部 (10)担持部 (11)係止部材 (12)浮き (13)錘 (14),(14a),(14b)第2のロープ (15),(16)連結部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海藻胞子又はその成育体を着生させる構
    造物であって、 枠材からなる外枠に、海藻胞子又はその成育体を表面に
    着生した第1のロープを囲繞するように張設巻回してな
    る造成用構造体と、 造成用構造体を海中で浮かせるための浮きと、 造成用構造体を海中の所期の場所に繋留するための錘
    と、 造成用構造体に対して浮き及び錘をそれぞれ連結する第
    2のロープとを備えてなることを特徴とする海中藻場造
    成用構造物。
  2. 【請求項2】 海藻胞子又はその成育体を着生した種糸
    を、第1のロープの長手方向に沿って、第1のロープの
    表面に、螺旋状に巻回するようにしたことを特徴とする
    請求項1記載の海中草原造成用構造物。
  3. 【請求項3】 複数本の第1のロープを、縦横に、かつ
    互いに平行等間隔にして枠材に張設巻回するようにした
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の海中藻場造成用
    構造物。
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