JP2006025783A - 水質浄化植物繁茂用浮島およびその製造設置方法 - Google Patents
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Abstract
【目的】 植物繁茂用の浮島、特に水質浄化機能を持った植物の繁茂用浮島及び製造設置方法に関する技術であり、浮力を有する中空ゴム輪、特に廃タイヤのゴム輪を浮力材料として浮島を作るので大面積の植物浮島を低コストで作るができ、広大な面積の湖、川などの水質浄化や各種植物の水耕栽培に応用する方法を提供する。
【構成】 燐や窒素などを多量に含む生活排水の流入により汚染された湖や沼、池、川などの水面に浮かべて水質浄化機能を有する植物を繁茂させる1種の植物浮島であり、浮島本体と該浮島本体で栽培する植物と浮島本体に取り付けて浮島の浸水深さを調節する重りの三つの部材により構成されている。
【選択図】 図3
【構成】 燐や窒素などを多量に含む生活排水の流入により汚染された湖や沼、池、川などの水面に浮かべて水質浄化機能を有する植物を繁茂させる1種の植物浮島であり、浮島本体と該浮島本体で栽培する植物と浮島本体に取り付けて浮島の浸水深さを調節する重りの三つの部材により構成されている。
【選択図】 図3
Description
本発明は、植物繁茂用の浮島、特に水質浄化機能を持った植物の繁茂用浮島及び製造設置方法に関する技術であり、浮力を有する中空ゴム輪、特に廃タイヤのゴム輪を浮力材料として浮島を作るので大面積の植物浮島を低コストで作るができ、広大な面積の湖、川などの水質浄化や各種植物の水耕栽培に応用する方法を提供しようとするものである。
ビルマやベトナム、南米など世界各地の湖、特に耕作用地の少ない高原湖に住む人々は野菜栽培を目的として彼らの伝統的な手法により独特の浮島を湖上に作っている。その材料は、木の枝、椰子殻、草、泥などであり、栽培される植物の根が水中の窒素やリンなどを吸収し、また、酸素を水中に送り込むことで水質が浄化され、この水質浄化作用により人間の生活廃水や家畜の排泄物などに由来する湖の水質汚染を低減するようなことが行われている。
また、このような植物の水質浄化効果を利用し、湖、川などで浮島を作って、水質浄化処理を行う方法が提案されている。すなわち、水浄化用浮島として、浮島ユニットと植物を組合わせて完成させるものである。そして、浮島ユニットは基本的に浮力構造基盤と網状構造体との合わせで出来上がるものである。浮島ユニットについて、現在一般に用いられている材料は大抵以下の2種類である。(1)浮力構造部分を作る、発泡材料入りポリエチレン管、塩ビパイプ、合成樹脂など。(2)網状構造体を作る、ヤシ繊維と耐水ラテックス、またポリエチレンネットなど。
また、浮島ユニットの浮力構造部分を作る新素材としてアイン株式会社の技術により製造されたアインウッドを浮力枠材として利用する新型浮島の提案がある。アインウッドは、木粉55%とPP、PEなどの廃材原料45%を合成した新型材料である。中空部分に発泡材料を入れる。また、網状構造体としてはポレエチレンを利用する。両者によって浮島ユニットが出来上がる。
さらに、以下の文献に示すような提案もなされている。
特開2004−237141号公報
さらに、以下の文献に示すような提案もなされている。
上記した伝統的手法による浮島の場合には、木の枝や椰子殻、草や泥といったこれらの材料自身は時と同時に腐敗し、悪循環の原因ともなり、また、大きな湖全体の水浄化に役立つような大規模なものを作ることが困難であるという欠点がある。
上記した材料により浮島ユニットを作る場合には、塩ビパイプやポリエチレンは耐久性に優れたものではなく、却って環境ホルモンを水中に溶かしだす恐れがあり、椰子殻繊維なども水中での腐敗が早いので新たな汚染源となる可能性が高い。また、コストが高く、例えば、2m×1.9mの浮島製造コストが約10万円もかかってしまい、これでは設置できる面積が限られてしまうので、はっきりした水質浄化効果を得ることが現実的には不可能である。
さらに、アイン株式会社のアインウッドを用いるものについても、確かにアインウッドは強度があり腐敗しにくいものではあるが、実効性のある水質浄化用浮島を作るためにその材料を使おうとすれば新たに何億円という設備投資が必要になってしまう。しかも、1m×1mの浮島基盤を製造するためのコストは約10〜20万円必要になると見積もられている。
また、特開2004−237141号公報のごときに開示された技術もそれなりに有利な点を持つものであるとしても実際に低コストで広範囲に実施するには適したものとは言い難い。
また、特開2004−237141号公報のごときに開示された技術もそれなりに有利な点を持つものであるとしても実際に低コストで広範囲に実施するには適したものとは言い難い。
何れにしても、上記2つの方法は実際の設置技術が複雑であり、人力、経費等もかかって相当な高コストにならざるを得ず、したがって、現実的には大きな面積の湖等を全体的に有効に水質浄化することは困難であると思われる。
上記のように従来の浮島では設置面積が非常に限られたものになってしまうことから、以下のような問題が生じてしまう。例えば、湖のように大きな面積の水面上は風が強いので小さな設置面積の浮島では安定性が弱く、水質浄化能力に優れた丈の高い植物を栽培するには不適当である。また、太陽光線を浴びることによる材料劣化も早く、浮島材料自体が水質汚染の原因になってしまうこともあり、さらに強度が不足した状態で船等が接触すると簡単に壊されてしまう恐れがある。結局のところ、コストが高いので予算的制限を受け、浮島の設置面積を小さくせざるを得ないのが現状であり、池や沼といった比較的小さな面積の水域においては水質浄化効果を確かめられても、湖等の大きな水域全体の水質浄化を実行的に達成することは不可能であるのが現実である。
また、色々な研究データによれば、植物の水浄化能力はさまざまであるが所定水域の水質浄化を図るのであれば、少なくとも水面総面積の5.6%以上に対して実施しないとその効果が現われないことが判っている。したがって、湖のような広大な水域を浄化するには相当に大規模な浮島設備としなければならないのである。
現在、全世界では経済成長に伴って生活環境における水質の悪化現象が深刻な問題となってきている。特に、生活や生産活動の水源となっている大きな湖や川の汚染が酷く、このような汚染を防止しその水質改善を図ることが地球規模において重要な課題となっている。
また、もう1つの課題として、自動車の廃タイヤの関するリサイクル問題がある。自動車が広く普及した先進国はもちろん、自動車が普及しつつある発展途上国においても深刻な問題となることが認識されている。廃タイヤをリサイクル処理するために熱溶融や超臨界などの手段を採るとしても、どちらもその設備投資や運用コストが高くしたがって普及することができないでいる。
また、もう1つの課題として、自動車の廃タイヤの関するリサイクル問題がある。自動車が広く普及した先進国はもちろん、自動車が普及しつつある発展途上国においても深刻な問題となることが認識されている。廃タイヤをリサイクル処理するために熱溶融や超臨界などの手段を採るとしても、どちらもその設備投資や運用コストが高くしたがって普及することができないでいる。
さらに、世界的な人口増加傾向が進む中で農地減少化という現状は相当なスピードで進行しており、大型水耕栽培農場の建設をも可能化する自動車廃棄タイヤを利用した浮島ユニットの作成は、生活廃水で汚染された水環境を浄化すると共に必要とされる農作物を栽培するということで経済的にも収入を得るという課題をクリアするもので従来の水処理技術とは根本的に異なっているものである。
本発明は上記したような従来技術における諸課題を解消すべく実験と検討を重ねて創案されたものであって、その具体的構成は以下の如くである。
(1) 燐や窒素などを多量に含む富栄養化された生活排水の流入により汚染された湖や沼、池、川などの水面に浮かべて水質浄化機能を有する植物を繁茂させる1種の植物浮島であり、浮島本体と該浮島本体で栽培する植物と浮島本体に取り付けて浮島の浸水深さを調節する重りの三つの部材により構成され、浮島本体は浮島基盤部と網状構造体との2部分により成るものであり、該浮島基盤部は清潔な中空状のゴム輪内にガスを充満し、又は清潔なゴム製タイヤに水よりも軽い非吸水材料を封入して形成する浮力材料の要所を緊締材により籠部材に連結して構成されたものであり、網状構造体は浮島基盤部の上部に固定取付けされるもので、腐敗し難く一定の弾力性がある軽い繊維状材料を不規則状態に交差し又は並べて敷いて形成し、あるいは竹で編んだ蓋なし構造体式ものであって、重りは水よりも比重のある金属、石類その他の物質を連結手段により浮島本体に取付けて水中に吊下げたものであることを特徴とする水質浄化植物繁茂用浮島。
(2) ゴム製タイヤとして廃棄タイヤを用いることを特徴とする前記(1)項に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
(3) 浮力材料の緊締材による連結箇所に金属製リングを取付けていることを特徴とする前記(1)項または(2)項に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
(4) 金属製リングがキーホルダーのキー保持用などに用いられる多層性リングであることを特徴とする前記(3)項に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
(5) 網状構造体を幅3〜7cmの耐久性と強度に優れた細長材料で形成することを特徴とする前記(1)項〜(4)項の何れか1つに記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
(6) 細長材料として竹材を採用することを特徴とする前記(5)項に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
(7) 浮島基盤部を構成する浮力材料を水平状に配列して連結し平面的に並べて構築していることを特徴とする前記(1)項〜(6)項の何れか1つに記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
(8) 浮島基盤部を構成する浮力材料が多辺形状となるように連結して構築されていることを特徴とする前記(7)項に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
(9) 浮島基盤部が網状構造体の外周部に50〜60cm幅で突き出していることを特徴とする前記(7)項または(8)項に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
(10) 浮島基盤部を構成する浮力材料が垂直に立てられた状態で配列して構築されていることを特徴とする前記(1)項〜(6)項の何れか1つに記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
(11) 垂直に立てられた状態で配列された浮力材料の頂点部分が網状構造体よりも5〜20cm高くなるように配置されていることを特徴とする前記(10)項に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
(12) 浮島基盤部の浮力材料の連結方式が多層性の金属製リング相互を連結し又は緊縛材で縛って連結するものであることを特徴とする前記(1)項に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
(13) 緊締材が樹脂コーティング金属線、ナイロン製紐、棕櫚縄、樹脂製縄、金属糸材の何れかであることを特徴とする前記(1)項または(12)項の何れかに記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
(14) ゴム製タイヤに封入する水より軽い非吸水性材料が発泡性樹脂材であることを特徴とする前記(1)項に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
(15) ゴム製タイヤである浮力材料に非吸水性材料を封入するために耐腐食性に優れた平坦状薄板材料でタイヤの開口部を塞いでから緊締手段により固定することを特徴とする前記(2)項に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
(16) 網状構造体を竹、椰子殻繊維又は樹脂繊維で形成することを特徴とする前記(1)項に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
(17) 網状構造体が竹材で編んだ蓋なしの籠状構造体であることを特徴とする前記(1)項に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
(18) 籠式網状構造体の底部の網目幅が20〜80mmであることを特徴とする前記(1)項に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
(19) 比較的小さいサイズの竹籠に不規則に竹糸を入れてそこに植物の苗を植え込み、それを大きなサイズの竹製網状構造体の所定の枠部に並べていくことを特徴とする前記(17)項に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
(20) 浮島本体の水深を調整するために重りや碇を用いることを特徴とする前記(1)項に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
(21) 浮島本体の水深を調整する重りや碇の連結方式が浮力材料に直接的に緊締するものであることを特徴とする前記(1)項に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
(22) 浮島本体を植物繁茂以外の水上構築物製作用にも用いることを特徴とする前記(1)項に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
(23) 浮島の水深調整手段となる重りや錨に多孔質化等による微細孔隙構造によって表面積を拡大した素材を採用し、該素材に水質浄化機能を有する微生物や細菌類を付着させておくことで、水面部近傍だけでなく水深の深い部分においても水質浄化を行えるようにしたことを特徴とする前記(1)項に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
(24) 表面積を多孔質化等による微細孔隙構造によって拡大した素材による部材を取付け、該浮島本体の下部にネット状部材を広げるように取付け、該ネット状部材の要所に部材において水質浄化機能を有する微生物や細菌類を繁殖させるようにすることで水深中間部分においても水質浄化を行えるようにしたことを特徴とする前記(1)項に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
(25) 網状構造体部分においても表面積を多孔質化等による微細孔隙構造によって拡大した素材による部材を適量に含ませることで、該部分における植物栽培と同時に微生物や細菌による水質浄化も図れるようにしたことを特徴とする前記(1)項に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
(26) 多孔質化等による微細孔隙構造により表面積を拡大された素材がゼオライトやセラミック、活性化石炭などであることを特徴とする前記(23)項〜(25)項の何れか1つに記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
(27) 多孔質化等による微細孔隙構造により表面積を拡大された素材が内部に独立気泡部を多数有することで水よりも軽い比重とされたセラミック素材であることを特徴とする前記(23)項〜(26)項の何れか1つに記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
(28) 前記(27)項に記載のセラミック素材を浮力材料として廃棄タイヤなどのゴム輪の中空部分に詰め込み、該部分においても微生物や細菌類による水質浄化ができることを特徴とする請求項1に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
(29) 浮島設置部に魚類やエビやカニといった甲殻類、水棲昆虫類などの水棲生物の生息に適した環境を整えてやることを特徴とした前記(1)項に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
本発明は従来技術と比較して低コスト、高安定性、高強度、高耐久性を持った植物繁茂用浮島を製作し設置することを可能とする技術である。しかも湖等の大面積水面上に構築することが可能な技術となっている。
完成した植物繁茂用浮島は生活排水等で汚染された湖等の水質を広範囲において浄化することができる。それと同時に繁茂させる植物として野菜や花、食料、果物として栽培することができ、また、浮島ユニット上に各種水上構築物を設けることもできる。
本発明は、中空ゴム輪として特に廃タイヤを大量に利用することができるので、近時問題となっている大量の廃棄タイヤのリサイクルに新しい途を開く技術でもある。
浮島の水深調整手段となる重りや錨に多孔質化等による微細孔隙構造によって表面積を拡大した素材を採用し、該素材に水質浄化機能を有する微生物や細菌類を付着させておくことで、水面部近傍だけでなく水深の深い部分においても水質浄化を行えるようにしたことで、植物の水質浄化作用だけでなく微生物や細菌の水質浄化機能を利用してより能率的且つ多様な汚染に対しても適切に作用することが可能となる。特に多孔質化した素材はその表面積が相当に拡大されているので、バイオ的な微生物や細菌の能力を十二分に発揮させるのに役立つ。
表面積を多孔質化等による微細孔隙構造によって拡大した素材による部材を取付け、該浮島本体の下部にネット状部材を広げるように取付け、該ネット状部材の要所に部材において水質浄化機能を有する微生物や細菌類を繁殖させるようにすることで水深中間部分においても水質浄化を行えるようにしたことで、錘や錨といった水底近傍部分のみでなく所望の水中位置において微生物や細菌のバイオ的機能を有効に利用した水質浄化を実現することができる。
網状構造体部分においても表面積を多孔質化等による微細孔隙構造によって拡大した素材による部材を適量に含ませることで、該部分における植物栽培と同時に微生物や細菌による水質浄化も図れるようにしたことで、多孔質化による微細孔隙構造拡大を水面近傍でも利用して微生物や細菌の水質浄化機能を有効に利用することができるようになる。
多孔質化等による微細孔隙構造により表面積を拡大された素材がゼオライトやセラミック、活性化石炭などであることで、所望の素材を大量且つ安価に入手して効率的に発明を実施することが可能となる。
多孔質化等による微細孔隙構造により表面積を拡大された素材が内部に独立気泡部を多数有することで水よりも軽い比重とされたセラミック素材であることで、微生物や細菌の繁殖に適した微細孔隙構造素材を本発明の浮島に浮力を与える材料と兼用して用いることが可能となる。
セラミック素材を浮力材料として廃棄タイヤなどのゴム輪の中空部分に詰め込み、該部分においても微生物や細菌類による水質浄化ができることで、本発明の人工浮島の廃棄タイヤ製のゴム輪である浮力部材そのものにおいても適切な水質浄化作用を実現することが可能なものとなる。
浮島設置部に魚類やエビやカニといった甲殻類、水棲昆虫類などの水棲生物の生息に適した環境を整えてやることで、生活廃水などによって汚染された水域の水質改善を図ると共に各種水棲生物の生育にも適した環境を整えることができ、多自然型環境を水辺において実現することが可能である。
本発明は中空ゴム輪として廃タイヤを主な原料とした浮島ユニットを作るものであり、廃タイヤの内部空間に低密度、不吸水性の発泡材料などを入れ、ゴムシート材料などで開口部を封じ、輪の外側を縄などの緊縛材で縛って固定させ、これを浮力構造部分として用いる。この浮力構造部分の上に腐敗し難く、軽量で且つ適度な弾力性を持った材料による網状構造体を載せるものである。これにより浮島ができあがり、これは相当な浮力を有するものであるからこの上でさまざまな重量の植物を栽培し収穫を得ながら水浄化を図ることも可能となるものである。
本発明の具体的な詳細は以下のとおりである。
すなわち、まず、中空ゴム輪の外部を洗浄して汚れを落す。この中空ゴム輪として最適なのは各種車輌(トラック、乗用車、オートバイなど)に用いられる廃タイヤであるが、表面に付着した油汚れなどを落す必要があるのである。
すなわち、まず、中空ゴム輪の外部を洗浄して汚れを落す。この中空ゴム輪として最適なのは各種車輌(トラック、乗用車、オートバイなど)に用いられる廃タイヤであるが、表面に付着した油汚れなどを落す必要があるのである。
そして、図1に示すゴム輪の中心空隙部分に低密度、不吸水であり、耐老化性及び耐腐敗性に優れた材料、例えば、発泡スチロールや発泡ポリエチレンフォームなどの浮力材料を充填する。この浮力材料の形状や大きさに特別な制限はなく、廃タイヤなどの中空部分に充填して必要十分な浮力が得られればそれで良い。
次に、丈夫で腐敗せず耐久性のある材料によるロープ、例えば、ナイロンロープ、棕櫚ロープ、金属繊維製ロープなど(外表面を樹脂コーティングした金属繊維製ロープが最適)で要部を縛り固定する。このとき、廃タイヤの開口部から浮力材料が漏れ出さないように平坦なゴム製シートやナイロン製薄片でゴム輪(廃タイヤ)の開口部を封じる。縛り固定する位置及び距離は均等なものとし、その数は廃タイヤのサイズに合わせて適宜に選択するが、通常は4箇所乃至6箇所で縛り固定すれば良い。
図2に示すように、ゴム輪(廃棄タイヤ)1の上の4箇所、また、図6のようにゴム輪(廃棄タイヤ)1の上の6箇所をそれぞれにロープ2で縛って固定する。その上で金属製多層リング(金属製のキー保持用リングなど)をロープ等でゴム輪(廃棄タイヤ)1に固定する。これによって浮力構造部分が出来上がる。
なお、ゴム輪1としてはタイヤチューブのような清潔な密封中空ゴム輪に空気のような気体(ガス)を充填して浮力構造材料とすることも可能である。
なお、ゴム輪1としてはタイヤチューブのような清潔な密封中空ゴム輪に空気のような気体(ガス)を充填して浮力構造材料とすることも可能である。
浮力構造部分(ゴム輪)を単独で用いる場合も幾つかを連結して用いる場合も、これを浮島基盤と名付ける。複数個を連結して用いる場合でも基本的にはタイヤサイズ等の基準に制限はない。ただし、直径の差は50mm以内、厚さの差は30mm以内であることが望ましい。その差が小さいほど安定性が増すことになる。
浮力構造部分の複数の廃タイヤゴム輪についての連結形状としては、水平状に並べる平面連結型、またL形状竪型連結型など多様な形状が採用できる。平面連結型の場合は四辺形、矩形、三角形など適宜に所望の形状とすることができる(図12、図14、図19、図24、図26参照)。
また、浮力構造部分の廃タイヤゴム輪を水平上廻って並べて三角形、四辺形、六角形その他の多辺形(平面多辺形という)とするなどの様々な並べ方も可能である(図16、図18、図20、図23参照)。こりらの形状では四辺形の安定が優れている。もっとも安定性が良いのは矩形である。
竪型連結の場合には、浮力構造部分である廃タイヤを網状構造体の両側に一列並び(図27、図30、図32参照)としたり、三角形、四辺形、六角形などの多辺形に並べることも可能である(図31、図33、図34参照)。この場合も四辺形の安定性がよく、最も安定性に優れる形状は矩形である。
廃タイヤを複数個連結する場合のポイントはこれらを均等に並べることであり、こうしてできた浮島基盤は水面上でバランス良く安定して浮いていることができる。相互の連結手段としてはロープによる縛りつけでよく、上記した浮力構造部分に取付けた金属製多層リングを利用してもよい。それ以外にも公知の連結手段を適宜に採用することができる。ゴム輪(廃タイヤ)を縛り固定する材料と手法は図4に示すようなものでも可能である。さらに、2個のゴム輪(廃タイヤ)に取付けられた金属製多層リング同士を連結してもよい(図2参照)。作業効率や利便性、低コスト性などからすると金属製多層リングを用いるのが好ましい。
出来上がった浮島基盤の上に網状構造体を乗せるが、この網状構造体のサイズに関する限定は特に不要で、1つの廃タイヤの上に1つの網状構造体を載せたり、複数の連結した廃タイヤの上に1つの網状構造体を載せるなどが何れも可能である。但し、1つの廃タイヤ毎に1つの網状構造体を載せるのが最適であると考えられる。
上記縛り固定材料で網状構造体を基盤上に固定すると浮島ユニットが完成する。ここで網状構造体というのは、糸状または縄状で細長く所定の弾力性繊維状材料が規則的または不規則状態で交差して重なり合い出来ているものである。この網状構造体の材料としては、軽く多少の弾力性がありしかも腐敗し難いものがよく、例えば、竹繊維、椰子繊維、樹脂繊維類などが考えられ、この中では竹繊維が最適である。
網状構造体は厚さ50mmから250mm、用途にしたがって1層または多層で用いることが可能である。最適と思われる竹繊維による網状構造体の作り方は以下の如くである。
(1)まず、蓋なしの竹籠を作る。栽培する植物根の成長をし易くするために、底網目直径は20mm〜80mm以上で、周辺部分には若干太い竹条を用いるが、強度や耐久性のために図7に示すような作り方で構わない。
(2)この竹製籠枠の中に幾つかの竹糸を収容した小竹籠を入れる。
(1)まず、蓋なしの竹籠を作る。栽培する植物根の成長をし易くするために、底網目直径は20mm〜80mm以上で、周辺部分には若干太い竹条を用いるが、強度や耐久性のために図7に示すような作り方で構わない。
(2)この竹製籠枠の中に幾つかの竹糸を収容した小竹籠を入れる。
出来あがった網状構造体を平面連結型の浮力構造体の上に直接載せ、図8、図20、図26が示すように浮島を組立て、また、網状構造体を縦のゴム輪(廃タイヤ)の間に固定させる。図29、図32、図33、図34に示すようにL型の竪連結方式でも同様に浮島を組立てることが可能である。
浮島基盤作成に関しての注意点は、(1)水平状連結の場合には、浮力構造部分の廃タイヤ輪が網状構造体の周囲に一定の幅で超えて取付けられている方がよい。船や流木その他の何かがぶつかったときに網状構造体を守る効果があるからである(図14参照)。(2)浮力構造部分の廃タイヤ輪が網状構造体の周囲に対してあまりに大きく幅を超えた場合、それは浮島の管理メンテナンス作業上の不都合になる。したがって、浮力構造部分の廃タイヤ輪が網状構造体の周囲に対して凝れる幅は概ね5cmから60cmの範囲とされるのが好ましい。
L状竪型連結の浮島基盤上に網状構造体を取付ける場合、浮力構造部分の廃タイヤによるゴム輪が縦向きになるので、タイヤの輪の頂点が網状構造体の表層に5mmから20mm程度突出することになり、作業中の衝突を防止しながらその上に通路を設置することも可能となる。大型の浮島の場合には植物管理用の通路を設置する必要があり、そのような場合に便利である(図28、図29参照)。
小型の浮島のメンテナンス管理は小船による周辺作業で行う。大型浮島の場合は通路の設置が不可欠になる。基本的には基盤上のどこにでも設置可能であるが、廃タイヤの中空部分の浮力を十分に利用するために浮力構造部分の廃タイヤゴム輪の上に通路を設置することが好ましい(図25参照)。栽培する植物根部分の利用空間を最大限に残すためでもある
なお、通路の材料としても腐敗老化し難く丈夫で耐久性のある素材を選ぶ必要がある。天然素材としては竹材が好ましい。
なお、通路の材料としても腐敗老化し難く丈夫で耐久性のある素材を選ぶ必要がある。天然素材としては竹材が好ましい。
浮島ユニットの網状構造体に中に植物を植えると、水質浄化用植物浮島が完成する。従来の網状構造体を使う場合には、直接的に植物を網状構造体の本体に植え込んでいたが、本発明では竹材料を利用した枠材としての大きな竹籠とこの中に入れて用いる小さい竹籠を採用する。小さい竹籠に入れる竹糸材も必要である。
このような本発明によれば、植物を小さな竹籠で栽培した後に大きな竹籠に移動する手法をとることができ、その結果、植物栽培時に分散作業が可能となるので、作業とメンテナンス管理上の利点がある。また、従来の網状構造体と比較するとその竹籠の網目が大きく、栽培作業完了時に植物の根を簡単に取り出すことができる。
さらに竹籠を繰り返し使用することも可能で、使用後において植物の根と竹糸を製紙原料やアインウッドの原料などとして再利用することもできるので、植物の根などが水に戻り汚染物質となる悪循環を防止することが可能である。
椰子繊維製の網状構造体やポリエチレン製の網状構造体が従来技術としてあるが、植物の根や使用後の網状構造体の後処理について難点がある。また、もともとこれらの網状構造体はその製造コストが高く、さらに再利用性も良くないものであるから、本発明のように竹製の籠材を用いる方が好ましい。
大きな竹籠を設置する際、植物を栽培している小さな竹籠を大きな竹籠に入れたら、その表面を竹条などにより押さえるようにすべきである。もちろん他の細長い材料でも構わないが、何れにしても風や波が高いときに植物が外に出ないように配慮する必要がある。この条材の幅は3cmから7cmの間が好ましく、特に5cm程度とするのが最適である。
浮島では抽水植物などの陸上植物と浮葉植物や沈水植物などの栽培が可能である。抽水植物を栽培する場合には植物浮島は水面上に浮かんでいてよいが、浮葉植物や沈水植物を栽培する場合には植物浮島は水中に沈んでいる必要がある。また、浮島を流されないようにするために、さらに浮かべる深さを調整するために、植物浮島には重りや錨を取付ける。
植物浮島の水中基本重力と浮力との関係の分析は以下のとおりである。
植物浮島の総重量=植物浮島の水中浮力=植物浮島の沈水状態の重量(水重量を含まず)/植物浮島の完全沈水状態の重量(水重量を含まず)。つまり、植物浮島の総重量=栽培植物数の成長期中最高総重量(1)+網状構造体(2)+浮力構造体重量(3)+重りまたは錨の総重量(4)=植物浮島の沈水状態の重量(水重量を含まず)/植物浮島の完全沈水状態の重量(水重量を含まず)=全部沈水状態時に浮力構造体と網状構造体と植物が堪える浮力の合計(5)である。
植物浮島の総重量=植物浮島の水中浮力=植物浮島の沈水状態の重量(水重量を含まず)/植物浮島の完全沈水状態の重量(水重量を含まず)。つまり、植物浮島の総重量=栽培植物数の成長期中最高総重量(1)+網状構造体(2)+浮力構造体重量(3)+重りまたは錨の総重量(4)=植物浮島の沈水状態の重量(水重量を含まず)/植物浮島の完全沈水状態の重量(水重量を含まず)=全部沈水状態時に浮力構造体と網状構造体と植物が堪える浮力の合計(5)である。
植物浮島を水面上に浮かべたい場合には上記式の「=」を「≦」にし、水中に沈めたい場合には「≧」にすればよい。(1)、(2)、(3)、(5)は不変量と考えられ、(4)は可変量であるから、重りや錨の総重量を調節することにより植物浮島の浸水深さを調節できることがわかる。
これらのものは直接的に植物浮島の上に置くか、あるいは丈夫で腐食し難いロープや紐、金属糸条などを利用して浮力構造体(廃タイヤ)に取付けられた金属製多層リングを使って縛り付けする。作業の容易性から考えると金属製多層リングを利用した方が好適である。浮島の浸水深さの調節は取付ける一個または複数個の重りの総重量により行う。重りとして廃棄農具などを利用することも構わない。
浮力構造体として用いるゴム輪は非常に優れた柔軟性、弾力性、強度、物理的性能の安定性があるが、特に廃棄タイヤを利用した浮島基盤は性能安定性、抗腐食性、老化し難さ、丈夫さなどに特徴がある。したがって、これにより製作された浮島基盤はその寿命の長さ、品質安定性、耐衝撃性などにおいて従来のものをはるかに上回っている。その上、ゴム(天然ゴム)および竹材のどちらもが天然原料であるから水環境を汚染することもない。
上記手法によって植物浮島を製作することは、材料コストが低く、製作も容易で、しかも材料の大量入手も容易であるため、中型や大型の浮島を作成可能とする。従来の技術的障害を越えて相当に大型な浮島であっても作成可能であり、したがって丈の高い植物の栽培も可能である。植物浮島を大きくすれば大面積水域上の強風に対しても強くなるし、水質浄化能力の高い抽水植物を大量にに栽培すれば浄水効果も速やかに得られるようになる。
植物浮島で栽培する植物の成長過程において、水中の窒素とリンを大量に吸収し、これにより水中の窒素及びリン濃度が減少する。また、浮島所在水面下の日差しが遮断されるため水質の富栄養化によって大量発生していた藻類などが枯れていき、SSと葉緑素の量も減少するので水質の透明度が高められることになる。
さらに、水質の汚染状態に応じた植物を選択することも必要となる。例えば、リン濃度が高い水域では香春(チャンチン)を栽培し、塩分濃度が高い水域には葦を栽培するなどが好ましい。生活廃水により相当に汚染された一般的な水域面積に対する5.6〜6%の面積で植物浮島を設置し1年を経過すると湖沼水質基準を満足するように浄化されることが確かめられている。
また、本発明の浮島で植物を栽培することは水質の浄化だけではなく、果物や野菜などの食料、花の栽培など商品価値のある作物の収穫も期待できる。すなわち、環境保護と同時に経済的効果も上がるものであり、さらに廃棄タイヤの有効利用という効果もあるものである。
本発明の良好な実施効果を以下の表1として示す。
更に言えば、中空ゴム輪、特に廃棄タイヤを原材料として浮島基盤を製作する技術は、単に水質浄化として利用できるだけではなく、その他の水上建築施設の設置用にも応用可能である。例えば、水上レストランや水上娯楽施設、水上家屋や水上公園などに応用することが可能であり、何れも本発明浮島基盤の良好な性能と耐久性により適用が実現するものであって、多方面への将来的な応用が期待できるものである。
まず、2個のトラック用タイヤの廃棄タイヤ輪の中空部分に発泡スチロールを詰め込んでナイロン製ロープで縛り止めして浮力構造体を作成した。そして、更に太いナイロン製ロープでこの2個の浮力構造体を水平状に横並びさせた上で相互に縛り止めして浮島基盤とした(図10、図11参照)。その上にPE樹脂製の網状構造体を載せ、これもナイロン製ロープで固定する。
この網状構造体のサイズは縦1000mm×横1000mm×高さ180mmであり、廃棄タイヤ(ゴム輪)はこの周囲にそれぞれ10cm程度突出して超えるように配置されている。また、この廃棄タイヤにナイロン製ロープで重さ2.5kgの鉄鋤を4個重りとして取付けた。これにより浮島ができあがり、網状構造体の中で空心菜を栽培して本発明の植物栽培用浮島が完成された。
この植物栽培用浮島を20ユニット準備して設置した池の水深は1.5m、面積は200m2であり、5ヶ月間経過した後の水質浄化効果は以下の表2に示すとおりである。
乗用車用タイヤの廃棄タイヤ8個のそれぞれの中空部分に浮力材として発泡スチロールを詰め込み、棕櫚製ロープで各タイヤの4箇所を均等に縛って固定する。廃タイヤを棕櫚製ロープで竪型に連結させて浮力構造体とし、図34のように椰子殻繊維で作った網状構造体を上に載せる。網状構造体のサイズは縦2000mm×横2000mm×高さ200mmである。
また、棕櫚製ロープで重さ2kgの鉄製フォークを8組準備し、重りとして廃タイヤに縛って取付ける。最後に幅5cmの竹棒4本で網状構造体を抑えて本発明の浮島を完成し、葦を栽培した。
設置した池の水深は2m、面積は1000m2、この浮島を15個設置して5ヶ月間経過させた。
得られた水質浄化効果は以下の表3に示すとおりである。
設置した池の水深は2m、面積は1000m2、この浮島を15個設置して5ヶ月間経過させた。
得られた水質浄化効果は以下の表3に示すとおりである。
直径850mm(誤差50mm以内)、厚さ250mm(誤差30mm以内)の廃棄タイヤを利用したゴム輪を550個準備し、タイヤ内の中空部分に発泡スチロールを充填した。表面を樹脂コーティングしたアルミニウム線で1個のタイヤを均等に4分割するように3回ずつ巻き回して縛り止めし、その縛り止め部分を利用して直系2cmの金属製多層リングを取付けた。
次いで、水平状に置いている廃タイヤ同士を取付けた金属製多層リングを用いて連結し、平面状連結型浮島基盤を作成する。基盤の総面積は46.75m×8.5m=400m2の長方形となった(図35は廃タイヤの並列状態図である)。
そして、正方形の竹籠で網状構造体を作る。このサイズは縦800mm×横800mm×高さ150mmであり、底部の網目直径は30mmで蓋なし形状である(図36、図37、図38参照)。表面に樹脂コーティングを施したアルミニウム線でこの網状構造体を浮力構造基盤に固定した。使用した網状構造体の総数は550個であり、タイヤの外側部分は網状構造体枠を超えて幅15cm程度突出している。
アイン株式会社製のアインウッド(空心材料)に発泡スチロールを詰め込み、基盤のタイヤ輪が繋がる箇所に9本の通路を設置した。表面を樹脂コーティングしたアルミニウム線によって、準備した重さ2kgの鉄製フォーク220個を浮島基盤の金属多層リングに取付けた。
準備した空心菜、はまぜり、トマトなどの苗を竹糸を入れた小さな竹籠1個毎に1本ずつ入れて栽培した。
この浮島を設置した湖水の平均水深は2m、総面積は160000m2、設置期間は9ヶ月間であり、繁茂した藍藻を除去すると共に水質浄化を目的とした。
大量発生していた藍藻は浮島によって日照が遮られるために約1ヶ月で消滅した。栽培した植物の栄養分として吸収されたものと考えられる。船を使って浮島を別水面に移動しても同様の効果が得られた。再度移動しても同様。
この浮島を設置した湖水の平均水深は2m、総面積は160000m2、設置期間は9ヶ月間であり、繁茂した藍藻を除去すると共に水質浄化を目的とした。
大量発生していた藍藻は浮島によって日照が遮られるために約1ヶ月で消滅した。栽培した植物の栄養分として吸収されたものと考えられる。船を使って浮島を別水面に移動しても同様の効果が得られた。再度移動しても同様。
実施例3と同様の方法で本発明の植物浮島を作成した。ただし、廃タイヤの配列方式は図21のように、竹籠の網状構造体のサイズは縦800mm×横800mm×高さ150mm、底網目直径40mmの物を合計550個準備した。浮島の総面積は40.5m×8.5m=344m2であり、通路を9本設置した。
水深2m、面積20000m2の水域に設置し、12ヶ月間の試験を行った。2ヶ月毎に1回浮島の設置箇所を移動した。
その結果、水域における藍藻類が有効に消滅し、水質の浄化も確認された。
この水質浄化効果を以下の表4に示す。
その結果、水域における藍藻類が有効に消滅し、水質の浄化も確認された。
この水質浄化効果を以下の表4に示す。
実施例3と同様の方式で本発明による植物浮島を作成した。ここでは、廃棄タイヤを1000個分使用し、縦型方式ならびに図40の示す方式で、正方形形状の竹籠網状構造体と組み合わせた。竹籠網状体のサイズは縦850mm×横850mm×高さ200mmであり、底網目直径は50mmとし、全部で900個分を用いた。これにより、L字状縦連結方式の本発明による浮島基盤が完成した。
設置面積は85m×10.5m=863m2であり、通路を7本開設した。
そして、水深2.5m、面積25000m2の水域に8ヶ月間設置し、1ヶ月ごとに設置場所の移動を行った。
その結果、大量に存在していた藍藻類が各設置場所において適切に消滅し、また、水質も浄化されていることが確認できた。
そして、水深2.5m、面積25000m2の水域に8ヶ月間設置し、1ヶ月ごとに設置場所の移動を行った。
その結果、大量に存在していた藍藻類が各設置場所において適切に消滅し、また、水質も浄化されていることが確認できた。
実施例3と同様の方式で本発明による植物浮島を作成した。ただし、ここでは廃棄タイヤを1020個分使用し、縦型方式ならびに図41による方式を用い、正方形形状の竹籠網状構造体と組み合わせるものとした。
竹籠のサイズは縦850mm×横850mm×高さ180mmであり、底網目直径は60mmとし、全部で500個分を使用した。
竹籠のサイズは縦850mm×横850mm×高さ180mmであり、底網目直径は60mmとし、全部で500個分を使用した。
これによりL字形状の縦型連結方式による本発明の浮島基盤が完成した。設置部分の総面積は、42.5m×13.5m=574m2であり、通路は9本を開設した。
設置場所の水深は1.5mで総面積20000m2の水域に9ヶ月間設置し、1ヶ月ごとに設置場所の移動を行った。
その結果、大量に発生していた藍藻類は適切に消滅し水質も浄化されていることが確認できた。
設置場所の水深は1.5mで総面積20000m2の水域に9ヶ月間設置し、1ヶ月ごとに設置場所の移動を行った。
その結果、大量に発生していた藍藻類は適切に消滅し水質も浄化されていることが確認できた。
水質改善機能を有する機知の微生物や細菌類を、独立気泡部を有するセラミック製の微細多孔質構造体に付着させ、該構造体を浮力構造体である廃棄タイヤ内に充填すると同時に錘と共に水底付近にも設置せしめ、浮島に植えた植物による水質改善機能と併せて総合的な水質改善を図った。
その結果、6ヶ月経過後に水域の水質を調査すると、発生していた藍藻類が消滅していると共にCODやBODのレベルも改善され水底の汚泥も殆ど消滅していることが確認された。
その結果、6ヶ月経過後に水域の水質を調査すると、発生していた藍藻類が消滅していると共にCODやBODのレベルも改善され水底の汚泥も殆ど消滅していることが確認された。
以上説明してきたような本発明の浮島を主に生活廃水などによって汚染された水域において活用すると植物が自然に持っている水質浄化作用を利用して簡単且つ効率的に設置水域の水質改善を達成することができる。
しかも大量に存在しながらそのリサイクル利用が困難で社会問題となっている廃棄タイヤの処理をその強度な構造を活かしながら格別な加工を必要とせず大量に利用して汚染された水環境の改善に役立てることができるものであり、環境問題を有効且つ適切に解決するための優れた提案でもある。
さらに、微生物や細菌といったバイオの力を利用した水質改善機能とも有機的に結びつけることが可能であり、多様な水質汚染の実態に即した環境回復を実現することが簡単な施設と低コストで実現でき、広大な面積を有する現実の汚染水域に対しても実験室的な効果を越えた実践的且つ有効な対処を可能とするものである。
したがって、本発明は非常に大きな可能性を持ったものとして産業上の利用可能性において優れた発明であると理解される。
1 ゴム輪(廃棄タイヤ)
2 縛止材料
3 金属製多層リング
4 2個の金属製多層リングの連結状態
5 重り
6 網状構造体
2 縛止材料
3 金属製多層リング
4 2個の金属製多層リングの連結状態
5 重り
6 網状構造体
Claims (29)
- 燐や窒素などを多量に含む富栄養化された生活排水の流入により汚染された湖や沼、池、川などの水面に浮かべて水質浄化機能を有する植物を繁茂させる1種の植物浮島であり、浮島本体と該浮島本体で栽培する植物と浮島本体に取り付けて浮島の浸水深さを調節する重りの三つの部材により構成され、浮島本体は浮島基盤部と網状構造体との2部分により成るものであり、該浮島基盤部は清潔な中空状のゴム輪内にガスを充満し、又は清潔なゴム製タイヤに水よりも軽い非吸水材料を封入して形成する浮力材料の要所を緊締材により籠部材に連結して構成されたものであり、網状構造体は浮島基盤部の上部に固定取付けされるもので、腐敗し難く一定の弾力性がある軽い繊維状材料を不規則状態に交差し又は並べて敷いて形成し、あるいは竹で編んだ蓋なし構造体式ものであって、重りは水よりも比重のある金属、石類その他の物質を連結手段により浮島本体に取付けて水中に吊下げたものであることを特徴とする水質浄化植物繁茂用浮島。
- ゴム製タイヤとして廃棄タイヤを用いることを特徴とする請求項1に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
- 浮力材料の緊締材による連結箇所に金属製リングを取付けていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
- 金属製リングがキーホルダーのキー保持用などに用いられる多層性リングであることを特徴とする請求項3に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
- 網状構造体を幅3〜7cmの耐久性と強度に優れた細長材料で形成することを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1つに記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
- 細長材料として竹材を採用することを特徴とする請求項5に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
- 浮島基盤部を構成する浮力材料を水平状に配列して連結し平面的に並べて構築していることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1つに記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
- 浮島基盤部を構成する浮力材料が多辺形状となるように連結して構築されていることを特徴とする請求項7に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
- 浮島基盤部が網状構造体の外周部に50〜60cm幅で突き出していることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
- 浮島基盤部を構成する浮力材料が垂直に立てられた状態で配列して構築されていることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1つに記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
- 垂直に立てられた状態で配列された浮力材料の頂点部分が網状構造体よりも5〜20cm高くなるように配置されていることを特徴とする請求項10に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
- 浮島基盤部の浮力材料の連結方式が多層性の金属製リング相互を連結し又は緊縛材で縛って連結するものであることを特徴とする請求項1に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
- 緊締材が樹脂コーティング金属線、ナイロン製紐、棕櫚縄、樹脂製縄、金属糸材の何れかであることを特徴とする請求項1または請求項12に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
- ゴム製タイヤに封入する水より軽い非吸水性材料が発泡性樹脂材であることを特徴とする請求項1に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
- ゴム製タイヤである浮力材料に非吸水性材料を封入するために耐腐食性に優れた平坦状薄板材料でタイヤの開口部を塞いでから緊締手段により固定することを特徴とする請求項2に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
- 網状構造体を竹、椰子殻繊維又は樹脂繊維で形成することを特徴とする請求項1に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
- 網状構造体が竹材で編んだ蓋なしの籠状構造体であることを特徴とする請求項1に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
- 籠式網状構造体の底部の網目幅が20〜80mmであることを特徴とする請求項1に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
- 比較的小さいサイズの竹籠に不規則に竹糸を入れてそこに植物の苗を植え込み、それを大きなサイズの竹製網状構造体の所定の枠部に並べていくことを特徴とする請求項17に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
- 浮島本体の水深を調整するために重りや碇を用いることを特徴とする請求項1に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
- 浮島本体の水深を調整する重りや碇の連結方式が浮力材料に直接的に緊締するものであることを特徴とする請求項1に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
- 浮島本体を植物繁茂以外の水上構築物製作用にも用いることを特徴とする請求項1に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
- 浮島の水深調整手段となる重りや錨に多孔質化等による微細孔隙構造によって表面積を拡大した素材を採用し、該素材に水質浄化機能を有する微生物や細菌類を付着させておくことで、水面部近傍だけでなく水深の深い部分においても水質浄化を行えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
- 浮島本体の下部にネット状部材を広げるように取付け、該ネット状部材の要所に表面積を多孔質化等による微細孔隙構造によって拡大した素材による部材を取付け、該部材において水質浄化機能を有する微生物や細菌類を繁殖させるようにすることで水深中間部分においても水質浄化を行えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
- 網状構造体部分においても表面積を多孔質化等による微細孔隙構造によって拡大した素材による部材を適量に含ませることで、該部分における植物栽培と同時に微生物や細菌による水質浄化も図れるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
- 多孔質化等による微細孔隙構造により表面積を拡大された素材がゼオライトやセラミック、活性化石炭などであることを特徴とする請求項23〜請求項25の何れか1つに記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
- 多孔質化等による微細孔隙構造により表面積を拡大された素材が内部に独立気泡部を多数有することで水よりも軽い比重とされたセラミック素材であることを特徴とする請求項23〜請求項26の何れか1つに記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
- 請求項27に記載のセラミック素材を浮力材料として廃棄タイヤなどのゴム輪の中空部分に詰め込み、該部分においても微生物や細菌類による水質浄化ができることを特徴とする請求項1に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
- 浮島設置部に魚類やエビやカニといった甲殻類、水棲昆虫類などの水棲生物の生息に適した環境を整えてやることを特徴とした請求項1に記載の水質浄化植物繁茂用浮島。
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