JP3779452B2 - アルコール類の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルコール類の製法に関する。詳しくは、グリニア試薬とパラホルムアルデヒドとの反応により医薬および農薬の中間体として有用なアルコール類を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
医薬および農薬の中間体として有用なα−ヒドロキシメチルスチレン誘導体の製造法として、特開平9−30998号には、α−ハロゲノスチレン誘導体とマグネシウムの反応により生成するグリニア試薬とパラホルムアルデヒドを反応させる方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
而して、この方法は、得られた反応液からα−ヒドロキシメチルスチレン誘導体を蒸留により分離しようとすると、生成物がスチレン骨格を有するため、蒸留時に重合し、収率が低下するため、工業的に有利な製造方法とは言えなかった。本発明は、かかる事情に鑑み成されたものであって、α−ハロゲノスチレン誘導体のグリニア試薬とパラホルムアルデヒドの反応液から、α−ヒドロキシメチルスチレン誘導体を収率良く製造する方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、α−ハロゲノスチレン誘導体のグリニア試薬とパラホルムアルデヒドとの反応物を加水分解後、アルカリ洗浄を行ってから蒸留を行うことによって、蒸留時の重合を大幅に低減できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、下記一般式(1)
【0005】
【化3】
Figure 0003779452
(式中、Xはハロゲン原子を示し、Aは電子吸引基で置換されていてもよいベンゼン環を示す。)で表されるα−ハロゲノスチレン誘導体とマグネシウムの反応により得られるグリニア試薬とパラホルムアルデヒドを反応させ、次いで酸性水溶液を加えた後の反応液を、
▲1▼水相と有機相に分液する第1分離工程、
▲2▼第1分離工程で得られた有機相を、アルカリ水溶液で洗浄し、液のpHをアルカリ性に調整した後、水相と有機相に分液する第2分離工程、
▲3▼第2分離工程で得られた有機相を蒸留することを特徴とする下記一般式(2)
【0006】
【化4】
Figure 0003779452
(式中、XおよびAは一般式(1)と同一の意義を有す。)で表されるアルコール類の製造方法に存する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施態様について説明する。上記一般式(1)において、Aは置換基として、電子吸引基を有していてもよい。電子吸引基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、トリフルオロメチル基、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。Aは好ましくは無置換のベンゼン環、あるいはハロゲン原子により置換されたベンゼン環である。Xはハロゲン原子を示し、臭素原子、ヨウ素原子が特に好ましい。
【0008】
本発明方法で、一般式(1)で表されるα−ハロゲノスチレン誘導体とマグネシウムとを反応させて、グリニア試薬を調製する方法は常法に従って行われる。即ち、一般式(1)で表されるα−ハロゲノスチレン誘導体を溶媒とマグネシウムの混合物中に徐々に滴下し、5〜100℃、好ましくは10〜70℃で反応させ、添加終了後、更に5分〜3時間反応を続行して、グリニア反応を完結させる。反応の際、反応を進行させるために少量のヨウ素等を添加してもよい。反応に使用する溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル等のエーテル系溶媒あるいは上記エーテル系溶媒とベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素の混合溶媒が挙げられる。溶媒の使用量は一般式(1)のα−ハロゲノスチレン誘導体に対して1〜12倍(容量)、好ましくは1〜8倍である。
【0009】
次いで得られたグリニア試薬をパラホルムアルデヒドと反応させる。この反応により、下式(3)で示されるα−ヒドロキシメチルスチレン誘導体のハロゲノマグネシウム複合体が生成する。
【化5】
Figure 0003779452
(式中、X及びAは一般式(1)と同一の意義を有す。)
【0010】
パラホルムアルデヒドの使用量は、一般式(1)で表されるα−ハロゲノスチレン誘導体に対して、50〜300当量、好ましくは80〜150当量である。この反応はグリニア試薬を含む反応液にパラホルムアルデヒドを添加するか、あるいはパラホルムアルデヒドを溶媒に懸濁させて、グリニア試薬を含む反応液を添加して行うことができる。パラホルムアルデヒドを懸濁する際の溶媒としては、上記グリニア試薬調製で使用する溶媒およびベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒が挙げられ、溶媒使用量は一般式(1)のα−ハロゲノスチレン誘導体に対して1〜12倍(容量)、好ましくは1〜8倍である。反応は、−10〜100℃、好ましくは20℃〜70℃の温度で、15分〜10時間、好ましくは30分〜5時間行われる。
【0011】
反応終了後、反応液に酸性水溶液を添加し、中間体として生成する前記(3)式のα−ヒドロキシメチルスチレン誘導体のハロゲノマグネシウム複合体を加水分解して、目的とする一般式(2)のα−ヒドロキシメチルスチレン誘導体が生成する。加水分解は通常0〜70℃、好ましくは5〜50℃の温度範囲で行われ、反応時間は5分〜5時間、好ましくは30分〜2時間である。酸性水溶液としては、塩酸水溶液、硫酸水溶液、塩化アンモニウム水溶液等が使用される。加水分解終了後は、分液によって水相と一般式(2)で表されるアルコール類を含む有機相を分離する(第1分離工程)。
【0012】
次いで、得られた有機相に、アルカリ水溶液を加えて、通常0〜70℃、好ましくは5℃〜50℃の範囲で攪拌し該有機相のpHを7以上、好ましくはpH10〜13の範囲のアルカリ性に調整すると共にアルカリ水溶液により洗浄する。使用するアルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等が挙げられる。次いで分液によって、水相と一般式(2)で表されるアルコール類を含む有機相を分離する(第2分離工程)。さらに、必要あれば、第2分離工程で得られた有機相に水を添加、攪拌して有機相を洗浄し、pHを6〜9に調整した後、再度分液して一般式(2)で表されるアルコール類を含む有機相を分取する。有機相の水洗浄は、必要に応じ繰り返し行っても良い。
最後に該有機相を濃縮、蒸留して一般式(2)で表されるアルコール類を精製し、分取する。蒸留は減圧下で行うことが好ましく、一般式(2)で表されるアルコール類が熱的に不安定な場合には薄膜蒸留等の方法を採ることもできる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明を実施例についてさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中、「%」は「重量%」を示す。
【0014】
実施例1
フラスコに窒素雰囲気下、マグネシウム3.69g(0.15mol)、テトラヒドロフラン(THF)30ml、トルエン30ml、ヨウ素0.06gを加えて、水浴で冷却下攪拌を行いながら、30℃で3−クロロ−α−ブロモスチレン30g(0.14mol)をTHF15mlとトルエン15mlに溶解した液を30分かけて滴下する。さらに1時間反応を行って、グリニア反応を完結させた。次いで、反応液を濾過して液中のマグネシウムを除去した。パラホルムアルデヒド4.56g(0.15mol)をTHF30mlとトルエン30mlに懸濁させた液に、マグネシウムを除去したグリニア反応液を30℃で2時間かけて滴下し、さらに2時間反応を行って、反応を完結させた。反応終了後、40℃以下で単蒸留を行い、THFを一部留去した。次いで、反応液に25℃で、3規定塩酸水溶液を120ml加えて攪拌した後、分液して有機相110mlを分取した。この有機相に1%NaOH水溶液を120ml添加してpHを約12に調整し、1時間攪拌後、分液により有機相110mlを分取した。次いで、水120mlを添加し、攪拌洗浄した後分液する操作を2回行って有機相を分取した。反応収率は70%(対3−クロロ−α−ブロモスチレン)であった。得られた有機相を110℃、0.1mmHgの条件で単蒸留を行ったところ、反応で生成していた3−クロロ−α−ヒドロキシメチルスチレンはほとんど重合しないで回収できた。蒸留前後での回収率は約96%(留出90%、釜残6%)であった。
【0015】
比較例1
実施例1と同様に反応、加水分解、分液して、3−クロロ−α−ヒドロキシルメチルスチレンを含む反応液(有機相)を得た。該有機相を水洗した後、110℃、0.1mmHgの条件で単蒸留を行ったところ、反応で生成していた3−クロロ−α−ヒドロキシメチルスチレンの約30%が重合して高分子量化していた。
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、医薬および農薬の中間体として有用なアルコール類を蒸留によって精製する際の重合による収率の低下を大幅に低減でき、蒸留収率を向上できるので、工業的価値は非常に大きい。

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0003779452
    (式中、Xはハロゲン原子を示し、Aは電子吸引基で置換されていてもよいベンゼン環を示す。)で表されるα−ハロゲノスチレン誘導体とマグネシウムの反応により得られるグリニア試薬とパラホルムアルデヒドを反応させ、次いで酸性水溶液を加えた後の反応液を、
    ▲1▼水相と有機相に分液する第1分離工程、
    ▲2▼第1分離工程で得られた有機相を、アルカリ水溶液で洗浄し、液のpHをアルカリ性に調整した後、水相と有機相に分液する第2分離工程、
    ▲3▼第2分離工程で得られた有機相を蒸留することを特徴とする下記一般式(2)
    Figure 0003779452
    (式中、XおよびAは一般式(1)と同一の意義を有す。)で表されるアルコール類の製造方法。
  2. 第2分離工程で得られた有機相を、水で洗浄した後蒸留することを特徴とする請求項1記載のアルコールの製造方法。
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