JP3777291B2 - ウィンドレギュレータ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用ドアのインナパネルとアウタパネルの間に配置された窓ガラスを昇降させるウィンドレギュレータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
以下、図6乃至図9を用いて従来の技術を説明する。図6は、従来の実施形態に係るウィンドレギュレータ装置の取付状態を示す分解斜視図である。図7は、図6のドリブンギア134の周辺構造を示す側面図である。図8は、図7のVIII-VIII線断面図である。図9は、図6のモジュラーパネル102とイコライザアームブラケット137の取付状態を示す断面図である。
【0003】
車両用ドア101は、図6に示すように、アウタパネル112と、アウタパネル112に固定されるインナパネル113からなり、インナパネル113には、ウィンドレギュレータ、ドアロック等のドア機能部品が組付けられたモジュラーパネル102が固定され、モジュラーパネル102のアウタパネル112に対向する面に組付けられるドア機能部品のひとつであるウィンドレギュレータとして、Xアーム式のウィンドレギュレータ103が知られている。
【0004】
このXアーム式のウィンドレギュレータ103は、モジュラーパネル102に固定されるベースプレート130と、ベースプレート130に配設されたモータユニット131と、モータユニット131の出力軸に固定されるピニオン132と、ピニオン132と噛合するドリブンギア134と、ドリブンギア134に基端部が固着され、ベースプレート130に回動可能に取着されるリフトアーム135と、リフトアーム135の中間部に回動可能に取着され、第1及び第2イコライザーアーム140,141からなるイコライザーアーム136と、リフトアーム135の一端と第1イコライザーアーム140の一端が摺動し、窓ガラス114の下部に取着されるリフトアームブラケット137と、第2イコライザーアーム141の一端が摺動し、モジュラーパネル102に固定されるイコライザアームブラケット138から、構成されている。
【0005】
窓ガラス114の昇降は、モータユニット131の駆動により、リフトアーム135を回動させ、窓ガラス114が取着されたリフトアームブラケット137を上下動させて、窓ガラス114を昇降させている。
【0006】
ドリブンギア134は、図7,8に示すように、リフトアーム135の基端側に固着されると共に、一方の面がベースプレート130に形成された凸部130a、他方の面がベースプレート130に取着されたカバー145により支持されている。
【0007】
イコライザアームブラケット138は、図6,9に示すように、長手方向端部の取付部によりモジュラーパネル102に固定され、断面形状が、基底部138aと、基底部138aの両端から折曲し、同一方向に延出する折曲部138bと、折曲部138bの先端から基底部138aと対向する方向に折曲し、互いに近づく方向に延出する対向部138cから構成される略C字状をなし、長手方向にスリットが形成され、第2イコライザアーム141端部のボールジョイント141bを介して設けられたシュー141aが摺動する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来のウィンドレギュレータ装置のドリブンギア134は、一方の面はベースプレート130の凸部131aに摺接し、他方の面はベースプレート130に取着されたカバー145に摺接して支持されることで、軌道の安定がなされているものの、窓ガラス114の昇降位置によって、ドリブンギア134に対する凸部130aとカバー145の当接位置が変わるため、安定状態での窓ガラス114の昇降を保つことが難しいといった問題があった。
【0009】
また、イコライザアームブラケット138が別部材として設けられているので、折り曲げ加工工数、モジュラーパネル102との取付位置合わせ工数等を要する。そのため、コストが上昇するといった問題があった。
【0010】
本発明は上記事実を考慮し、窓ガラスを円滑に昇降でき、しかもコストの低減ができるウィンドレギュレータ装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、アウタパネルと、インナパネルからなるドア本体の該インナパネルに固定されるモジュラーパネルと、該モジュラーパネルに固定支持されるモータユニットと、該モータユニットの出力軸に固定されるピニオンと、該ピニオンと噛合するドリブンギアを基端部に有し、前記モジュラーパネルに回動可能に取着されるリフトアームと、該リフトアームの自由端部が摺動し、窓ガラスが取着されるリフトアームブラケットと、を具備するウィンドレギュレータ装置であって、前記ドリブンギアは、前記リフトアームの回転中心を中心点とした円弧状に形成され、前記ドリブンギアが摺接し、該ドリブンギア可動範囲全域に形成した凸部をモジュラーパネルに備えたことを特徴とするウィンドレギュレータ装置を提供する。
【0012】
請求項2記載の発明は、前記リフトアームの中間部に相対回転可能に枢着されるイコライザアームを設け、該イコライザアームの一端は、前記リフトアームブラケットを摺動し、他端は前記モジュラーパネルに形成された溝を摺動するようにしたことを特徴とする請求項1記載のウィンドレギュレータ装置を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図5を用いて本発明の実施形態例を説明する。図1は、本発明の実施形態に係るウィンドレギュレータ装置の取付状態を示す分解斜視図である。図2は、図1のウィンドレギュレータ装置を示す側面図である。図3は、図2のIII-III線断面図である。図4は、図2のIV-IV線断面図である。図5は、シュー36の支持構造の他の形状例を示す断面図である。
【0014】
車両用ドア1は、図1に示すように、車外側に位置するアウタパネル12と、ドア機能部品挿入孔を有し、アウタパネル12に固定され、車室内側に位置するインナパネル13と、インナパネル13のドア機能部品挿入孔周縁に固定されるモジュラーパネル2とから構成される。
【0015】
モジュラーパネル2は、板材から打ち抜いて形成される。この打ち抜き加工時に、モータ取付用の孔22、インナパネルへの取付用の孔23、リフトアーム・ドリブンギア取付用の孔24、ドリブンギア支持凸部25、シュー摺動溝26などの加工も同時に行っている。モジュラーパネル2の一方の面(車室内側)にはドリブンギア支持凸部25、リフトアーム・ドリブンギア取付用の孔24の周囲に設けられた凸部27が形成され、モジュラーパネル2の他方の面(車室内側)にはシュー摺動溝26が形成されている。
【0016】
モジュラーパネル2は、ウィンドレギュレータ、ドアロック等のドア機能部品が組付けられた上で、インナパネル13への取付けが行われる。
モジュラーパネル2に組付けられるXアーム式のウィンドレギュレータ3は、図1乃至3に示すように、モジュラーパネル2の一方の面(車室内側)に、パネル2に固定支持され、減速機構とモータからなるモータユニット31と、モータユニット31の出力軸に固定されるピニオン32と、ピニオン32と噛合し、パネル2の支持孔に回転自在に嵌合する枢軸33の端部に固定されるドリブンギア34が設けられ、モジュラーパネル2の他方の面(車室外側)に、基端部が枢軸33の端部に固定され、他端部にシュー35aが設けられたリフトアーム35と、リフトアーム35に相対回動可能に枢着され、両端にシュー36a,36bが設けられたイコライザアーム36と、シュー35aとシュー36aが摺動し、ほぼ水平方向に延びるリフトアームブラケット37と、リフトアームブラケット37に支持される窓ガラス4と、イコライザアーム36の他方のシュー36bが摺動するシュー摺動溝26と、シュー摺動溝26の周縁に固定される抜止ブラケット39が設けられている。
【0017】
図2,3に示すように、ドリブンギア34は、枢軸33を中心として、約90度の円弧状に設けられており、一方の面がモジュラーパネル2に設けられたドリブンギア支持凸部25により支持され、他方の面がモータユニット31に一体に設けられた凸部31aにより支持されている。
【0018】
ドリブンギア支持凸部25は、枢軸33を仮想中心とした円弧状の凸部で、ピニオン32とドリブンギア34の噛合部近傍で、ドリブンギア34の一方の面に当接されている。ドリブンギア支持凸部25は、窓ガラス4が上死点まで上昇したドリブンギア34位置(図2の破線位置)のドリブンギア34の全域と、窓ガラス4が下死点まで下降したドリブンギア34位置(図2の二点破線位置)のドリブンギア34全域にわたって設けられている。
【0019】
リフトアーム35の基端部には、円形の孔35cが形成されており、ドリブンギア34の回転中心には小判状の孔34aが形成されている。この各孔35c,34aには枢軸33が貫通しており、この枢軸33の一端の平頭部33aにはリフトアーム35が溶接され、他端はドリブンギア34に設けられた孔34aに嵌合し、かしめられる。これにより、リフトアーム35とドリブンギア34が枢軸33を介して一体に固定されている。
【0020】
また、リフトアーム35とモジュラーパネル2との間に配置され、枢軸33に嵌合するブッシュ38が設けられている。
イコライザアーム36は、第一アーム361、第二アーム362からなり、リフトアーム35に回動可能に嵌合するピン363を介して、一体に固定連結されている。各アーム361,362の基端部はピン363に固定され、他端部はピンジョイント36c,36dを介してシュー36a,36bが設けられ、シュー36aはリフトアームブラケット37を、シュー36bはシュー摺動溝26を摺動する。
【0021】
図4に示すように、シュー摺動溝26は、モジュラーパネル2に一体に設けられ、断面形状が略コ字状で、基底部26aと基底部26aの両端から第二アーム362に向かって延出する上辺部26bと下辺部26cから形成されている。
【0022】
抜止ブラケット39は,断面形状が略L字状で、シュー摺動溝26の上辺部26b近傍に固着される第一ブラケット部391と、シュー摺動溝26の下辺部26c近傍に固着される第二ブラケット部392と、各ブラケット391,392の長手方向の端部を連結する連結ブラケット部393が一体で構成されている。第1及び第2ブラケット391,392は、シュー摺動溝26の周縁に固着される抜止部39aと、抜止部39aの一端から第二アーム362に向かって延出する支持部39bが形成され、抜止部39aは、シュー36bの第2アーム362に対向する面36fに当接可能に設け、支持部39bは、シュー36bの第2アーム362側に延出する円筒部36eに当接可能に設けられている。
【0023】
また、シュー36bの支持構造の他の実施例として、図5に示すように、シュー36b’の第2アーム362に対向する面36fは、抜止ブラケット39’(抜止部39a’)に支持され、シュー36b’の上面・下面が、シュー摺動溝26’の上辺部26b’・下辺部26c’に支持させても良い。つまり、シュー36b’の円筒部36e’の負荷が抜止ブラケット39’の支持部39b’にかからない構造である。
【0024】
上記構成のウィンドレギュレータ装置の窓ガラス4の昇降は、従来の技術同様に、モータユニット31の駆動によりリフトアーム35を揺動させ、窓ガラス4が取着されたリフトアームブラケット37を上下動させて、昇降させている。
【0025】
なお、本実施例のドリブンギア34の一方の面の支持を、モータ31に一体に形成された凸部31aで行ったが、別部品を設けて支持しても良い。
また、本実施例の抜止ブラケット39は、断面略L字状としたが、支持部39bのない平板状としても良い。
【0026】
【発明の効果】
請求項1記載のウィンドレギュレータ装置によれば、モジュラーパネルに設けられたドリブンギア支持凸部によりドリブンギアが常時全域に渡って支持されている。これにより、安定した状態での窓ガラスの昇降を保つことができる。
【0027】
請求項2記載のウィンドレギュレータ装置によれば、イコライザアームの一端がモジュラーパネルに一体に設けられた溝を摺動するため、折曲加工で作られる別体の摺動部材を必要としない。これにより、コストの低減をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るウィンドレギュレータ装置の取付状態を示す分解斜視図
【図2】図1のウィンドレギュレータ装置を示す平面図
【図3】図2のIII-III線断面図
【図4】図2のIV-IV線断面図
【図5】シュー36の支持構造の他の形状例を示す断面図
【図6】従来の実施形態に係るウィンドレギュレータ装置の取付状態を示す分解斜視図
【図7】図6のドリブンギア134の周辺構造を示す側面図
【図8】図7のVIII-VIII線断面図
【図9】図6のモジュラーパネル102とイコライザアームブラケット137の取付状態を示す断面図
【符号の説明】
1、101 車両用ドア
12、112 アウタパネル
13、113 インナパネル
2、102 モジュラーパネル
3、103 ウィンドレギュレータ
31、131 モータユニット
4、114 窓ガラス
Claims (2)
- アウタパネルと、インナパネルからなるドア本体の該インナパネルに固定されるモジュラーパネルと、
該モジュラーパネルに固定支持されるモータユニットと、
該モータユニットの出力軸に固定されるピニオンと、
該ピニオンと噛合するドリブンギアを基端部に有し、前記モジュラーパネルに回動可能に取着されるリフトアームと、
該リフトアームの自由端部が摺動し、窓ガラスが取着されるリフトアームブラケットと、
を具備するウィンドレギュレータ装置であって、
前記ドリブンギアは、前記リフトアームの回転中心を中心点とした円弧状に形成され、
前記ドリブンギアが摺接し、該ドリブンギア可動範囲全域に形成した凸部をモジュラーパネルに備えたことを特徴とするウィンドレギュレータ装置。 - 前記リフトアームの中間部に相対回転可能に枢着されるイコライザアームを設け、
該イコライザアームの一端は、前記リフトアームブラケットを摺動し、
他端は前記モジュラーパネルに形成された溝を摺動するようにしたことを特徴とする請求項1記載のウィンドレギュレータ装置。
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