JP3774206B2 - 遊技機用表示装置及びそれを用いた遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機用表示装置及びそれを用いた遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、パチンコ機、アレパチ機等の弾球遊技機やスロットマシン、パチスロ機等の回胴式遊技機を含む種々の遊技機では、遊技機内での抽選結果に基づき大当たり(特別遊技状態)、取得された役の種別等が成立する可能性を途中報知(予告表示)したり、その抽選結果に対応する表示を最終報知(確定表示)したりするために多種多様な表示装置が用いられている。このような表示装置の中でも、発光ダイオード(LED)等の発光素子は、▲1▼消費電力が低い、▲2▼寿命が長い、▲3▼ドットマトリクス方式、セグメント方式のいずれでも容易に使用できる、▲4▼表示出力が安定している、等の理由から広範に用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように、発光素子による表示装置、とりわけ7セグメント方式表示装置ではくっきりとした明瞭な数値表示が可能であり、測定装置等に用いた場合に読み間違いを減少させることができる。しかしながら、娯楽装置としての遊技機にこれらの発光素子を使用した場合には数字・文字等の図柄表示が単調になり、かえって表示の面白みやゲーム性に欠け興趣をそぐことになりかねない。
【0004】
本発明の課題は、発光素子の明瞭性を活かしつつ図柄表示の多彩化を図ることにより、発光素子用の基板数を増加させたり構造を複雑化させたりすることなく多様性・ゲーム性に富んだ図柄表示を可能とした遊技機用表示装置とそれを用いた遊技機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記の課題を解決するために、遊技機に取り付けられる本発明の遊技機用表示装置は、
数字・文字等の図柄を表示して遊技者に報知するためのメイン表示部と、そのメイン表示部の表示面となる遊技者側に対向して配置された透明性を有する面状の導光板を含む面発光部と、前記メイン表示部に図柄を表示する複数の発光素子及び前記面発光部の導光板を端面側から照射して面発光させる発光素子がともに実装された単一の共通基板とを備え、
前記共通基板において前記導光板用の発光素子が外側に位置し、それより内側に前記メイン表示部用の複数の発光素子が配置され、前記導光板の端面側が前記共通基板側へ近づくように延長部が形成され、その延長部の端部に対応して前記導光板用の発光素子が前記共通基板に配置され、
前記メイン表示部用の複数の発光素子が選択的に発光して前記図柄が表示されるとともに、前記導光板用の発光素子が発光しその光が前記延長部を介して前記導光板に導かれて該導光板を面発光させることにより、前記メイン表示部の前記図柄を示す発光態様と前記導光板の全体的な面状の発光態様との重層された発光表示形態が遊技者に視認可能とされ、
かつ、前記遊技機での抽選結果に基づいて、少なくとも前記導光板用の発光素子の発光態様を変化させることを特徴とする。
【0006】
このような遊技機用表示装置によれば、図柄を表示するメイン表示部の遊技者側に面状の導光板を含む面発光部を設け、さらに、遊技機での抽選結果に基づいて、例えば発光色・発光状況を変化させたり発光位置を変化させたりして、少なくとも導光板用の発光素子の発光態様を変化させる。したがって、遊技機用表示装置に新たなゲーム性を付加することができ、これによって遊技者の興趣を増大させ、娯楽性を向上させることができる。
【0007】
本発明において、「遊技機での抽選結果に基づいて、導光板(面発光部)用の発光素子の発光態様を変化させること」は次の2つのケースを含んでいる。
▲1▼遊技機での抽選結果と、複数の抽選結果に各々対応してメイン表示部(セグメント表示部)により遊技者に最終報知すべき確定表示内容と、各々の確定表示内容に至る中間段階において各々の抽選結果が成立する可能性を少なくとも面発光部用の発光素子の発光態様を変化させることにより遊技者に途中報知するための標準的な予告表示内容とが予め相互に対応付けて定められていて、
遊技機において所定の抽選結果が得られたとき、面発光部がその抽選結果に対応付けられた標準的な予告表示内容を表示し、さらに、メイン表示部(セグメント表示部)がその抽選結果に対応付けられた確定表示内容を表示して遊技者にその抽選結果を最終報知する。
▲2▼遊技機での抽選結果と、複数の抽選結果に各々対応してメイン表示部(セグメント表示部)により遊技者に最終報知すべき確定表示内容と、各々の確定表示内容に至る中間段階において各々の抽選結果が成立する可能性を少なくとも面発光部用の発光素子の発光態様を変化させることにより遊技者に途中報知するための標準的な予告表示内容とが予め相互に対応付けて定められていて、
遊技機において所定の抽選結果が得られたとき、面発光部がその抽選結果に対応付けられた標準的な予告表示内容以外の予告表示内容を表示し、さらに、メイン表示部(セグメント表示部)がその抽選結果に対応付けられた確定表示内容を表示して遊技者にその抽選結果を最終報知する。
【0008】
本発明では、特に▲2▼において導光板(面発光部)用の発光素子の発光態様を変化させることとしているので、途中報知(予告表示)のバリエーションを飛躍的に増大させて娯楽性を向上させることができる。なお、「遊技機」には、パチンコ機、アレパチ機等の弾球遊技機や、スロットマシン、パチスロ機等の回胴式遊技機が含まれる。また、「遊技機での抽選」として、弾球遊技機では乱数を用いた当否判定等、回胴式遊技機では役の種別の内部抽選等を例示できる。
【0009】
その際、メイン表示部に図柄を表示する複数の発光素子と面発光部の導光板を端面側から照射して面発光させる発光素子とがともに実装された単一の共通基板にて発光素子用の基板を構成できる。それによって、発光素子用の基板数を増加させたり、構造や組み立てを複雑化させたりすることなく、多様性・ゲーム性に富んだ多彩な図柄表示を安価に提供することが可能となる。
【0010】
また、上記の課題を解決するために、遊技機に取り付けられる本発明の遊技機用表示装置は、
数字・文字等の図柄をセグメント表示して遊技者に報知するためのメイン表示部としてのセグメント表示部と、そのセグメント表示部の表示面となる遊技者側に対向して配置された透明性を有する面状の導光板を含む面発光部と、前記セグメント表示部に図柄を表示するためにセグメント毎に1又は複数設けられた発光素子及び前記面発光部の導光板を端面側から照射して面発光させる発光素子がともに実装された単一の共通基板とを備え、
前記共通基板において前記導光板用の発光素子が外側に位置し、それより内側に前記セグメント表示部用の複数の発光素子が配置され、前記導光板の端面側が前記共通基板側へ近づくように延長部が形成され、その延長部の端部に対応して前記導光板用の発光素子が前記共通基板に配置され、
前記セグメント表示部用の複数の発光素子が選択的に発光して前記図柄が表示されるとともに、前記導光板用の発光素子が発光しその光が前記延長部を介して前記導光板に導かれて該導光板を面発光させることにより、前記セグメント表示部の前記図柄を示す発光態様と前記導光板の全体的な面状の発光態様との重層された発光表示形態が遊技者に視認可能とされ、
かつ、前記遊技機での抽選結果に基づいて、少なくとも前記導光板用の発光素子の発光態様を変化させることを特徴とする。
【0011】
この遊技機用表示装置では、図柄をセグメント表示するセグメント表示部の遊技者側に面状の導光板を含む面発光部を設け、さらに、セグメント表示部用の複数の発光素子と導光板用の発光素子とがともに実装された単一の共通基板を備えている。つまり、発光素子用の基板数を増加させたり、構造や組み立てを複雑化させたりしないで、セグメント表示部の図柄を示す発光態様と導光板の面状の発光態様との重層された発光表示形態が視認可能となるので、単調になりがちなセグメント表示において多様性・ゲーム性に富んだ多彩な図柄表示を安価に提供することができる。しかも、遊技機での抽選結果に基づいて、少なくとも導光板用の発光素子の発光態様として発光色及び/又は発光状況を変化させている。したがって、遊技機用表示装置にさらに新たなゲーム性を付加することができ、これによって遊技者の興趣を増大させ、娯楽性を向上させることができる。
【0012】
ここで、「発光態様の変化」には、発光色(具体的には色相・明度・彩度といった色調)を変化させたり、発光状況(例えば点灯状態・点滅状態・消灯状態)を変化させたりすることが含まれる。なお、このときセグメント表示部用の発光素子の発光態様、すなわち発光色や発光状況については変化させても変化させなくてもよい。
【0013】
そして、遊技機での抽選結果に基づいて導光板用の発光素子の発光態様を変化させるために、導光板用の発光素子の発光に時間的変化及び/又は位置的変化を与えることができる。導光板用の発光素子において、発光色、発光状況等の発光態様を変化させるための具体的手法として発光に時間的変化や位置的変化の要素を与える(パラメータとして付加する)ことによって、発光態様が一層多彩に変化することになる。例えば、時刻T1において領域Aでの濃い青色の点灯状態から、時刻T2において領域Bでの薄い赤色の点滅状態への移行のように、発光態様を多様化することができる。
【0014】
ところで、これらの遊技機用表示装置では、共通基板において導光板用の発光素子が外側に位置し、それより内側にメイン表示部用の複数の発光素子が配置され、導光板の端面側が共通基板側へ近づくように延長部が形成され、延長部の端部に対応して導光板用の発光素子が共通基板に配置され、発光素子の光が延長部を介して導光板に導かれ、導光板を面状に発光させるように構成することが望ましい。これによって、メイン表示部に図柄を表示する複数の発光素子と面発光部の導光板を端面側から照射して面発光させる発光素子とがともに実装された単一の共通基板にて発光素子用の基板を構成するにあたり、基板数の増加を抑制し、メイン表示部及び面発光部をよりコンパクトかつ組み立て容易な構造とすることができる。
【0015】
さらに、これらの遊技機用表示装置において、セグメント表示部と面発光部とを備え1つの図柄を表示する表示ユニットが複数一列状に配置され、各表示ユニットは独立して又は互いに連係し合って、遊技機での抽選結果に基づいて、少なくとも導光板用の発光素子の発光態様を変化させることができる。この場合には、複数の図柄のそれぞれについて、上述の重層された発光表示形態が実現可能となり、発光態様の一層の多様化を図ることができる。
【0016】
次に、遊技機に取り付けられる遊技機用表示装置は、
数字・文字等の図柄を複数の発光素子により表示して遊技者に報知するためのメイン表示部と、そのメイン表示部の表示面となる遊技者側に対向して配置された透明性を有する面状の導光板を発光素子により端面側から照射して面発光させる面発光部と、前記メイン表示部及び/又は面発光部を後方側又は側方側から前方側に照らし出すための発光素子を有する第三発光部とを備え、
前記メイン表示部用の複数の発光素子が選択的に発光して前記図柄が表示されるとともに、前記導光板用の発光素子が発光しその光が前記導光板に導かれて該導光板を面発光させることにより、前記メイン表示部の前記図柄を示す発光態様と前記導光板の全体的な面状の発光態様との重層された発光表示形態が形成され、かつ、その重層された発光表示形態を取り囲むように前記第三発光部用の発光素子による発光態様がさらに付加されて前方側の遊技者に視認可能としてもよい。
【0017】
この遊技機用表示装置では、第三発光部をさらに付加し、メイン表示部による図柄の発光態様と面発光部(導光板)による面状の発光態様との重層された発光表示形態を取り囲むように第三発光部を発光させることによって、例えばセグメント表示部を浮かび上がらせるように多重に表示・演出することも可能となる。これにより一層図柄表示が多彩になり、遊技者の興趣を増大させ、娯楽性を向上させることができる。勿論、遊技機での抽選結果に基づいて、第三発光部用の発光素子の発光態様を変化させることも可能である。なお、後方側(又は後面側)とは遊技機正面と直交する方向(すなわち前後方向)における遊技機内部に向かう側(すなわち、主制御基板等の種々の基板が設けられる内部機構側)、前方側(又は前面側)とはそれとは反対側の遊技者に対面する側を意味する。また、側方側とは遊技機正面に向って上下左右の各方向に向かう側を意味する。
【0018】
以上で述べた遊技機用表示装置を遊技機に配置することにより、興趣に富みゲーム性の高い遊技機を実現することができるようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明を適用した遊技機用表示装置の実施例を図面を参照しつつ説明する。
図12に示すように、第一種パチンコ機(以下、遊技機ともいう)500の遊技盤501前面には、ほぼ左半周が内外2本の発射レール502によって区画され、全体としてほぼ円形の遊技領域503が形成されている。本実施例に係る遊技機用表示装置(以下、単に表示装置ともいう)11は、後述する特別図柄変動表示装置550を構成する複数(例えば3個)の特別図柄表示部551(表示ユニット)として、遊技領域503の中央部に位置する形で、遊技盤501に配置固定されている。
【0020】
なお、本実施例において上方側とは鉛直上方側、下方側とは鉛直下方側を意味するものとする。また、後方側(又は後面側)とは遊技盤501の盤面と直交する方向(すなわち前後方向)における遊技機500内部に向かう側(すなわち、主制御基板等の種々の基板が設けられる内部機構側)、前方側(又は前面側)とはそれとは反対側の遊技者に対面する側を意味する。
【0021】
図1は本発明の表示装置11をその上面(連結カバーの上部を開切したもの)から見た正面図である。この図において、メイン表示部として数字・文字等の図柄をセグメント表示して遊技者に報知するためのセグメント表示部10があり、このセグメント表示部10は7個の断片状の表示セグメント12が8字状形に組み合わされ、0〜9の10種類の数字を表示可能とするものである。各表示セグメント12には1ずつ発光素子13(セグメント表示部用発光素子)が配置され、これらの発光素子13は発光ダイオードからなり、以後これをセグメント発光素子又はセグメントLEDという。
【0022】
このセグメント表示部10の前側に導光板18(図2〜図4;面発光部)が配置され、この導光板18は透明の樹脂(アクリル樹脂等)又はガラス等からなる。セグメント表示部10の両側(上方、下方)には導光板18の光源となる複数の発光素子15(この発光素子は発光ダイオードで構成され、以後、導光板発光素子または導光板LEDという)が配置されている。上述のセグメント用LED13と導光板LED15は何れも1枚の共通の基板16(共通基板;プリント基板;発光素子用基板)に装填(実装)されている。基板16は平板状をなし、その導光板18と平行に対向する内面に、各表示セグメント12を、その空間に区画するセグメント構成フレーム14(以下リフレクタという)が固定されている。リフレクタ14は内部が中空とされた例えば樹脂を基材として、各表示セグメント12に対応する側面は反射面として働く。
【0023】
このリフレクタ14の間に形成される各表示セグメント12の底面において、セグメントLED13が基板16に装着されている。また導光板用LED15はそのリフレクタ14の外側において同一の基板16にセグメントLED15と同じ向きに(両LEDの光軸が平行に)装着されている。
【0024】
導光板18は基板16に平行に対向する本体部20と、その両端側において基板16側へ近づくように突出する延長部21とを備えている。各延長部21は、導光板18の本体部20と交差,特にほぼ直角になるように基板16側に延び、その各先端23が基板16に近接して対向し、その先端面23は基板16と平行(導光板LED15の光軸と直角)になっている。
【0025】
このように導光板18は平板を両端において直角状に折り曲げた形態を有し、図1及び2に示すように、導光板18の延長部21はセグメント表示部10の上下方向に直線状に延び、この延長部21の先端面23の長手方向に沿って、上述の複数の導光板LED15が所定の間隔をおいて一直線上に配列されている。これらの導光板LED15と延長部21の先端面23とはごく近接するか又は接している。
【0026】
導光板用LED15で発光した光はその先端面23から延長部21内に入り、さらにほぼ90度方向変換して導光板18の本体部20へ導かれる。導光板18において延長部21と本体部20との接続部分には円弧状湾曲部22が形成され、延長部21に入った光がその湾曲部22に沿って屈曲させられつつ(反射して)進行方向を変えて前述の本体部20へ導かれ、その平板状の本体部20を面状発光させる。
【0027】
前述の先端面23と導光板LED15との位置関係を図5に示す。導光板LED15と延長部21の先端面23が基板16と略平行になって平面に沿って形成され、この平面に対して複数導光板LED15がごく近接して対向している。さらに、この導光板LED15の光軸とその先端面23が直交して、かつ該先端面23が導光板LED15にごく近接するようにしているので、導光板LED15の発光は導光板18の延長部に効率的に取り込まれる。なお、図6に示すように、導光板18の延長部21の先端面23において、複数の導光板LED15に対向した部分に、切込み、あるいは窪みを設けて、その導光板LED15を延長部21に密接収容するようにしてもよい。
【0028】
図2に戻り、導光板18、共通基板16と連結カバー24等の関係について説明する。導光板18がリフレクタ14の端面(セグメントフレームの頂部)に覆い被さって浅い嵌合をなす。導光板18にはそのリフレクタ14と浅く嵌り合う凹部26(図4参照)が形成されている。さらに連結カバー24が延長部21の外側に被さるように設けられている。連結カバー24は不透明の樹脂で形成され、導光板LED15から導かれる光が側方に洩れることを防止する。この連結カバー24は導光板18の延長部21に対応する外側面に被せられ、特に円弧状の湾曲部22に外側から係合する湾曲部を備え、導光板18を基板16側に押し付けるようにして、導光板18を基板16に連結してそれらを一体化する。連結カバー24の先端には弾性変形可能な係止爪25が形成され、基板16の外縁側に強制的に係合することにより、セグメント表示部10(セグメントLED13)及び導光板LED15を一体に装填している基板16と、導光板18が一体的なものとなる。
【0029】
この連結カバー24の上記係止爪25とは反対側の端部には保護プレート19(面発光部)を固定・保持するプレート保持部27が形成されている。保護プレート19は導光板18の平坦な本体部20に密着して、導光板18の表面を保護するもので、その外縁が上述のプレート保持部27に嵌め込まれて連結カバー24に固定されている。この保護プレート19は導光板18の表面にキズがつくことを防止するために、例えば導光板18より固い又は同程度の透明な樹脂、例えばポリカーボネート等から構成されている。
【0030】
この導光板18(本体部20)の裏面(基板16の側面)には、導光板18から面状に発光する光を散乱させるために、微小な凹凸等の散乱面28が形成されていて、導光板18による面状の発光がより広角度に放射されるようになっている。この散乱面28は、例えば、図7に示すように導光板18の裏面のほぼ全体にわたって、ショット等の細粒を衝突させて、微細な凹凸を有する散乱面28とする。その作用としては、図8に示すように、導光板LED15から導かれた光が導光板18の裏面に形成された散乱面28で拡散することにより、散乱光15a’、15b’として導光板18の前方へ投光され、導光板18がより均一に面状発光する。また、セグメントLED13からの光は、この散乱面28の散乱作用で(リフレクタ14の反射作用と相乗して)散乱光13aとなり、導光板18を経て前方へ投光される。これにより、各々のセグメントがより均一に全体的に発光するように見える。
【0031】
なお、上記散乱面28を導光板18の表面に設けることもできるが、導光板18の裏面に散乱面28を形成した方が、セグメントLED13の発光によるセグメント全体の形状を、より鮮明に(外縁をよりシャープに)表示できる傾向がある。
【0032】
図10は上述の表示装置11のセグメントLED13(この例では7個)と導光板LED15(この例では導光板18の両側に6個ずつ計12個)への通電回路を示し、図9はその電圧印加の共通端子P1,P9と7個のセグメントLED13への通電端子P2〜P8、及び都合12個のセグメントLED15への通電端子P10〜P15を示している。導光板18の両サイドに一定数(この例では6個ずつ)配置された導光板LED15はその両サイドで共通の接続端子となっている。
【0033】
接続端子(接続ピン)P9〜P15(7極)と接続端子(接続ピン)P1〜P8(8極)とは、基板16の両端に沿って互いに平行に2列の線状配列にて装着されている。各接続ピンと各発光素子13,15の電気的結線は図10に示されるように、P1及びP9の接続ピンには+電圧電源が共通供給できるように全ての発光素子13,15のアノードに結線され、さらに接続ピンP2〜P8(導線部)には、7つの各表示セグメント13に対応したセグメントLED13の、各カソードが接続されて表示制御装置の各出力端子に接続される。接続ピンP10〜P15(導線部)には、導光板LED15(導光板18の両サイドの互いに対応するもの同士が2個1組なる)の、カソードが接続されて同様に表示制御装置の出力端子に導かれる。
【0034】
図11に示す接続構成において、複数(7個)のセグメントLED13に対し表示制御部29から選択的に電圧を印加することにより、特定の形象として例えば所定の数字がセグメント表示される。つまり、よく知られているようにセグメントLED13が発光したセグメントのみが発光し、この発光形態が導光板18を経て外部へ照射される。例えば個々のセグメントLED13が赤色系であれば赤色系で数字等が表示される。また表示制御部29から一斉に電圧が印加されることにより、導光板18の両サイドの延長部21から、導光板LED15の発光による光が導光板18へ導かれて、その本体部20を面状発光させることにより、上述のセグメント表示による数字等の上に重層されて、それより広い面で光が重ねて照射される。
【0035】
セグメントLED13が例えば赤色系であれば、導光板LEDも赤色系の同系又は類似系とさせ、鮮明なセグメント表示の周りに背景的に面状の発光形態、例えば赤色系の数字表示の回りに、それより薄い赤色系の背景ないし、周辺照明表示がなされる。この場合、図11において導光板LED15(P10〜P15)のグループの内、例えば接続端子P10〜P15まで時間的に少しずつずらして通電し、又は端子P15〜P10に従って相前後して順番に通電を止めるといった時間差通電(発光)を表示制御部に29に行なわせることにより、導光板18の発光形態を、導光板LED15の配列方向に経時的に変化させること(例えばネオンサインのように発光表示してそれに対応する面状光をセグメント発光に重層すること)もできる。
【0036】
以上は導光板LED15がすべて同色の場合を想定したが、導光板LEDの一方の側のLEDと他方の側のそれとを、色を変えることにより、その色ごとに異なるLEDのグループを選択的に切り替えて通電発光させることにより、導光板18の面状発光の色の設定を変えること、又は経時的に切り替えること(例えば同系異色間での変更、切換えなど)もできる。さらには、その発光色の変化ならびに経時的切換えを傾斜的にあるいは段階的に行なってもよい。
【0037】
さらに、導光板LED15を各種色彩を生成するRGB(色の3原)の混色とし、RGBの各LED(所定数ずつの)が光を発光するLEDの複合配置として、かつこのRGBの導光板LED15を選択的に発光させることにより、様々な色の面状発光を導光板18で生じさせるようにすることもできる。
【0038】
またセグメントLED13においても各セグメントのLEDを発光色の異なるものとしてもよい。さらに、本発明はセグメントではなく、それに代えて、所謂ドットマトリックス方式のメイン表示部とし、これに導光板18による面状発光を重ねてもよい。
【0039】
再び図12において、遊技機500には、遊技盤501の盤面のほぼ中央に複数(例えば3個)の特別図柄表示部551(表示ユニット;表示装置11)を備えた特別図柄変動表示装置550が配設される。その下方には、第一(狭く開口)及び第二(広く開口)の開口態様へ変位可能な一対の回動部材511,511の間に形成される始動入賞口517への入球により特別図柄表示部551の作動をスタートさせる始動入賞装置510が配設される。さらにその下方には、特別図柄表示部551が所定の図柄に揃ったとき(例えば、777)に開く入賞扉521を有する大入賞装置520が配設されている。
【0040】
また、特別図柄変動表示装置550の左斜め下方には、普通入賞口537への入球(通過)により、特別図柄変動表示装置550の中央上部に設置され所定の図柄(例えば〇×等)を変動表示する普通図柄表示部541(普通図柄表示装置540の一部を構成する)の作動をスタートさせるゲート状の普通入賞装置530が配置される。
【0041】
この始動入賞装置510の始動入賞口517の直下に始動入賞スイッチ515、普通入賞装置530の普通入賞口537の直下に普通入賞スイッチ535がそれぞれ設置されている。一方、大入賞装置520はその入賞扉521の内部に特定領域522が形成され、特定領域522には入球スイッチ523が設置されている。
【0042】
図13に示すように、遊技盤501の裏面には、メインCPU,RAM,ROM及びI/Oポート等を有する主制御基板600が設けられ、この主制御基板600には始動入賞スイッチ515、普通入賞スイッチ535及び入球スイッチ523からの信号等が入力される。
【0043】
一方、サブCPU,RAM,ROM及びI/Oポート等を有する特別図柄制御基板610が設けられ、主制御基板600から特別図柄制御基板610の特別図柄制御部611を介して特別図柄変動表示装置550(特別図柄表示部551)へ特別図柄制御コマンドが出力される。また、サブCPU,RAM,ROM及びI/Oポート等を有する普通図柄制御基板640が設けられ、主制御基板600から普通図柄制御基板640の普通図柄制御部641を介して普通図柄表示装置540へ普通図柄制御コマンドが出力される。
【0044】
ここで、図12を用いて、第一種パチンコ機500における遊技の流れ(遊技盤501上の遊技状態の変化)について概要を説明する。普通入賞装置530の普通入賞口537に入球(ゲート通過)して普通入賞スイッチ535を作動させると、遊技盤501は普通入賞状態となり、普通図柄表示装置540の普通図柄表示部541が変動表示(例えば〇×表示を各別に照射するランプを交互に点灯する等)した後停止する。このとき、停止図柄が外れ(例えば×のランプ表示)の場合は普通入賞状態はそのまま終了するが、停止図柄が当たり(例えば〇のランプ表示)の場合には、始動入賞装置510の回動部材511が所定時間(例えば0.5秒間)にわたり開口して、始動入賞口517に入球し易くなる「当たり状態」となる。
【0045】
遊技球が始動入賞装置510の始動入賞口517に入球して始動入賞スイッチ515を作動させると、乱数を用いた当否判定(抽選)が行われる。この当否判定において大当たり判定がなされると、特別図柄変動表示装置550の複数(例えば3個)の特別図柄表示部551(表示ユニット;表示装置11)が回転した後所定の順序で停止し、停止図柄が一列状に所定の同一図柄(例えば、777)で揃って「大当たり状態(特別遊技状態)」となる。すると、入賞扉521が開き、大入賞装置520に遊技球がきわめて入り易い状況をもたらす。そして、大入賞装置520に所定数(例えば10個)の入球又は所定時間(例えば30秒間)の経過によって入賞扉521は一旦閉じられるが、その間に特定領域522に入球したことが入球スイッチ523によって検出されると、再び入賞扉521が開いて大入賞装置520へ入球し易くする。このような入賞扉521の開閉は予め決められたラウンド回数(例えば最高16回)まで繰り返されるので、このような大当たり状態の間に遊技者は多数の賞球を得ることができる。なお、以上の遊技において、主制御基板600のメインCPU(図13参照)は抽選手段として機能している。
【0046】
このような遊技機500での抽選結果(乱数を用いた当否判定結果)に基づいて、あるいは遊技盤501上の遊技状態の変化に伴って、導光板用発光素子15(図2参照)の発光態様が変化する。具体的には、図12の遊技盤501には、セグメント表示部10と面発光部18(導光板;図2参照)とを備え1つの図柄を表示する表示ユニット(表示装置11)として特別図柄表示部551が複数(例えば3個)一列状に配置されている。そして、これらの特別図柄表示部551は互いに連係し合って、遊技機500での抽選結果に基づいて、あるいは遊技盤501上の遊技状態の変化に対応して、フルカラーLEDを用いた導光板用発光素子15(図2参照)の発光態様として発光色を変化させる。
【0047】
表1に示す例では、上記当否判定における「大当たりの信頼度」又は「リーチの信頼度」に応じて低信頼度ほど面発光部18(導光板用発光素子15)が青色系で発光し、高信頼度ほど面発光部18が赤色系で発光する。そして、最高信頼度リーチである「全回転リーチ」では、グラデーション(色調の時間的及び/又は位置的変化)発光する。これらによって、「大当たりの信頼度」又は「リーチの信頼度」を予告表示する。面発光部18が発光するタイミングとして、変動図柄回転時、リーチ成立時等を選択できる。
【0048】
【表1】
【0049】
次に、図14及び図15に本発明に係る遊技機用表示装置を備えたパチスロ機の一例を示す。図14に示すパチスロ機(以下、遊技機ともいう)100の操作表示部120には、後述する抽選結果表示装置124を構成する複数(例えば3個)の抽選図柄表示部125(表示ユニット)が設けられている。
【0050】
図14に示すように、パチスロ機100は、上方から上部表示部110、操作表示部120、操作部130、パネル部140及び受け皿部150が順次積み重ねられて構成されている。このうち、上部表示部110には、大当たり状態(ボーナス)のときに点灯又は点滅表示する上部表示ランプ111等が設けられている。操作表示部120の前面側(遊技者側)には、水平軸(図示せず)周りで回転可能な複数(例えば3個)のリール121,122,123が横方向に並べて配置され、これらのリール121,122,123の特定の図柄が横一直線状に揃ったとき(図では「7」の図柄が横一直線状に揃った状態を示す)等に大当たり状態(ボーナス)となる。また、操作表示部120のリール121,122,123の上方に抽選結果表示装置124が設けられ、遊技機用表示装置(以下、単に表示装置ともいう)11は、抽選結果表示装置124を構成する複数(例えば3個)の抽選図柄表示部125(表示ユニット)として、操作表示部120に設けられている。
【0051】
操作部130は遊技者が操作するためのコンソールに構成され、メダル投入口131、スタートレバー132、リール停止ボタン133,134,135、クレジット投入ボタン136、クレジット精算ボタン137等が設けられている。遊技者がメダル投入口131から新たなメダルMを投入してスタートレバー132を操作すると、パチスロ機100での遊技がスタートし、リール121,122,123が回転する。各々のリール停止ボタン133,134,135を押して対応するリール121,122,123をそれぞれ停止させたとき、リール121,122,123の図柄が所定条件で揃うと、予め設定された枚数のメダルMが後述するメダル払出口151から払い出される。なお、パチスロ機100はクレジット機能(貯留機能)を有しており、メダル投入口131へメダルMを投入しなくてもクレジット投入ボタン136を押して遊技を開始できる。メダルMの貯留枚数は操作表示部120等に設けられるクレジット枚数表示器(図示せず)等に表示され、クレジット精算ボタン137を押すとすべてのメダル精算が行なわれる。
【0052】
さらに、受け皿部150には、メダル払出口151、メダル受け皿152、スピーカ153等が設けられている。上記したように、パチスロ機100での遊技の結果に基づいて、メダル貯留装置(図示せず)からメダルMがメダル払出口151から払い出され、メダル受け皿152で回収される。なお、大当たり状態(ボーナス)となったときには、上部表示ランプ111による報知表示出力とともに、スピーカ153から報知音声が出力される。
【0053】
次に、遊技機100の制御構成の概略を図15に示すブロック図により説明する。パチスロ機100の所定位置に格納された制御部300は、CPU301、RAM302、ROM303、入出力インターフェース304等を有し、これらがバス305により送受信可能に接続されたマイクロコンピュータにより構成されている。CPU301は、ROM303から読み込んだ遊技実行プログラムに基づいてパチスロ機100でのメダルMを用いた遊技を実行する。RAM302はそのプログラムを実行する際のワークエリアとして使用される。
【0054】
図15に示すように、パチスロ機100から次の信号が入出力インターフェース304を介して制御部300へ入力されている。
・メダル投入センサ131a:メダル投入口131から投入されるメダルMの検知信号
・スタートセンサ132a:スタートレバー132の操作検知信号
・左リール停止センサ133a:左リール停止ボタン133の操作検知信号
・中リール停止センサ134a:中リール停止ボタン134の操作検知信号
・右リール停止センサ135a:右リール停止ボタン135の操作検知信号
・クレジット投入センサ136a:クレジット投入ボタン136の操作検知信号
・クレジット精算センサ137a:クレジット精算ボタン137の操作検知信号
【0055】
同様に、次の信号が入出力インターフェース304を介して制御部300からパチスロ機100へ出力されている。
・上部表示ランプ111:大当たり状態(ボーナス)等の表示出力信号
・スピーカ153:大当たり状態(ボーナス)等の音声出力信号
・左リール用モータ121a:スタートセンサ132a又は左リール停止センサ133aからの入力信号に基づく回転・停止制御出力信号
・中リール用モータ122a:スタートセンサ132a又は中リール停止センサ134aからの入力信号に基づく回転・停止制御出力信号
・右リール用モータ123a:スタートセンサ132a又は右リール停止センサ135aからの入力信号に基づく回転・停止制御出力信号
・抽選図柄表示部125(表示ユニット;表示装置11):CPU301(抽選手段)での遊技実行プログラムの実行に伴う内部抽選の結果に基づいて、面発光部(導光板)18(導光板用発光素子15)の発光態様を変化させるための制御出力信号
【0056】
このような遊技機100での抽選結果(役の種別の内部抽選結果)に基づいて、導光板用発光素子15(図2参照)の発光態様が変化する。具体的には、図14の操作表示部120には、セグメント表示部10と面発光部18(導光板;図2参照)とを備え1つの図柄を表示する表示ユニット(表示装置11)として抽選図柄表示部125が複数(例えば3個)一列状に配置されている。そして、これらの抽選図柄表示部125は互いに連係し合って、遊技機100での抽選結果に基づいて、フルカラーLEDを用いた導光板用発光素子15(図2参照)の発光態様として発光色を変化させる。
【0057】
表2に示す例では、上記内部抽選において取得された「役」の種別に応じて低い役ほど面発光部18(導光板用発光素子15)が寒色系で発光し、高い役ほど面発光部18(導光板用発光素子15)が暖色系で発光する。そして、最高の役である「ボーナス」では、グラデーション(色調の時間的及び/又は位置的変化)発光する。面発光部18が発光するタイミングとして、メダル投入口131へのメダル投入時、スタートレバー132の操作時、各リール停止ボタン133,134,135の操作時等を選択できる。したがって、例えば内部抽選の結果取得された役が「ベル」であると、面発光部18が黄色で発光し、例えばリール121,122,123が「ベル」で一直線状に並んで停止して、規定数のメダルMが払い出されることを予告表示する。
【0058】
【表2】
【0059】
さらに、図16に、図2に示した遊技機用表示装置の変形例を示す。図16の表示装置11A(表示ユニット)では、共通基板16の接続の際、接続ピンに代えて、セグメント表示部用発光素子13及び導光板用発光素子15の実装側とは反対方向の後方側に延出するコネクタ17a,17a(導線部)が用いられている。このような場合には、セグメント表示部用及び導光板用の発光素子13,15を半田付け等によって共通基板16に実装し、外部からコネクタ17a,17aへダイレクトに発光態様を制御する信号等を入力できる。したがって、図2に示す接続ピンの場合のように、一側に接続ピン、他側にコネクタを備えた中継用の基板を介在させ、外部からの発光態様制御信号等を一旦中継用基板に入力し、その後さらに共通基板16に入力するといった二段階入力を行なわなくてすむので、構造が簡単にかつ組立が容易となり安価となる。
【0060】
そして、このようなコネクタ接続方式を用いることによって、図17に示すように後方発光部50(第三発光部)を加えた表示装置11B(表示ユニット)とすることもできる。図17においては、図2と同様に構成されたセグメント表示部10と面発光部(導光板)18とを有するとともに、共通基板16の後方側には、セグメント表示部10及び/又は面発光部18を後方側から前方側に照らし出すための1又は複数(例えば4個)の発光素子51(第三発光部用発光素子)を有する後方発光部50が配置されている。
【0061】
具体的には、後方に位置する後方発光部用発光素子51の光を透過・拡散させる透明性を有する拡散板52が、セグメント表示部10と面発光部18とを後方外側から抱持するとともに、後方側において後方発光部50の後方基板53を保持している。すなわち、拡散板52から前方へ立ち上がり形成される左右一対又は複数対の係合爪52a,52a(係合部)が、連結カバー24の外側部と弾性的に係合し、同じく前方へ突出形成される1又は複数(例えば1個)の台座52b(突出部)で連結カバー24を下方から受け止めている。他方、拡散板52から後方へ延出形成される1又は複数(例えば4本)の支柱52c(支持部)によって、1又は複数(例えば4個)の後方発光部用発光素子51が実装された後方基板53(第三発光部用基板)を保持している。拡散板52の後方発光部用発光素子51との対向面側には、ダイヤカット、ローレット、ブラスト等の手段により表面に微小な凹凸(図示せず)が形成されている。図17(a)に示すように、各後方発光部用発光素子51は遊技者側から見て連結カバー24の外側周囲に位置するように配置されているので、後方発光部用発光素子51から出た光は拡散板52を透過するとき表面に微小な凹凸により拡散されて、セグメント表示部10及び面発光部18の周囲を後方側から前方側に照らし出す。
【0062】
なお、17a,17aは、セグメント表示部用発光素子13及び導光板用発光素子15の実装側とは反対方向の後方側に共通基板16から延出するコネクタ(導線部)を示し、後方基板53又はそれ以外の外部と接続される。また、54は、後方発光部用発光素子51の実装側とは反対方向の後方側に後方基板53から延出するコネクタ(導線部)である。さらに、52d,52dは、共通基板16の後方において、拡散板52から後方側に延出された仕切壁を示し、後方発光部用発光素子51から出た光が中央側に収束するのを防止している。
【0063】
このようにして、図17の表示装置11B(表示ユニット)では、セグメント表示部用の複数の発光素子13が選択的に発光して図柄が表示されるとともに、導光板用の発光素子15が発光しその光が導光板18に導かれて導光板18を面発光させることにより、セグメント表示部10の図柄を示す発光態様と導光板18の全体的な面状の発光態様との重層された発光表示形態が形成される。この重層された発光表示形態を取り囲んで浮き上がらせるように後部発光部用の発光素子51による発光態様がさらに付加されて前方側の遊技者に視認可能とされている。
【0064】
したがって、前述の第一種パチンコ機500(図12;遊技機)の遊技盤501に図17の表示装置11B(表示ユニット)を取り付けた場合、遊技機500での抽選結果に基づいて、あるいは遊技盤501上の遊技状態の変化に伴って、導光板用発光素子15の発光態様を前述の表1に示すように変化させることができる。また、前述のパチスロ機100(図14;遊技機)に図17の表示装置11B(表示ユニット)を取り付けた場合、遊技機100での抽選結果に基づいて、導光板用発光素子15の発光態様を前述の表2に示すように変化させることができる。
【0065】
さらに、図17の表示装置11B(表示ユニット)では、遊技機500,100での抽選結果に基づいて、(あるいは遊技盤501上の遊技状態の変化に伴って、)後方発光部用の発光素子51の発光態様(例えば発光色)を変化させている。このように、後方発光部50を付加し、かつ、遊技機500,100での抽選結果に基づいて、(あるいは遊技盤501上の遊技状態の変化に伴って、)後方発光部用の発光素子51の発光態様を変化させることによって、例えばセグメント表示部10を浮かび上がらせるように表示・演出することも可能となる。これにより一層図柄表示が多彩になり、遊技者の興趣を増大させ、娯楽性を向上させることができる。
【0066】
図2に示した遊技機用表示装置のさらに他の変形例を図18に示す。図18の表示装置11C(表示ユニット)では、セグメント表示用発光素子13が実装されたセグメント表示用基板161に対して、導光板用発光素子15が実装された2枚の面発光用基板162,162が、それぞれほぼ直交状に配置されている。これによっても、セグメント表示部10の図柄を示す発光態様と導光板18の面状の発光態様との重層された発光表示形態を遊技者に視認させることができる。
【0067】
なお、図16〜図18に示す変形例において、図2と共通する機能を有する部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0068】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にもおよび、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
【0069】
例えば、複数の表示ユニットを配置する場合には、発光状況の変化(点灯・点滅の使い分け等)や発光色の変化に発光位置の変化を組み合わせることによって、発光態様の変化をさらに多彩にすることができる。また、セグメント表示用発光素子13、導光板用発光素子15、後方発光部用発光素子51のいずれにおいても、単色発光するLEDの他にフルカラー発光するLEDを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遊技機用表示装置の一実施例の正面図。
【図2】その側面断面図。
【図3】導光板の一例を示す正面図。
【図4】その導光板の断面図。
【図5】導光板の延長部の先端と導光板LEDとの配置関係を示す図。
【図6】図5の変形例を示す図。
【図7】導光板に形成された散乱面の範囲を示す裏面図。
【図8】導光板の散乱面の作用説明図。
【図9】基板の端子の配列形態の一例を示す図。
【図10】図9に対応した発光ダイオードの接続例を示す図。
【図11】本発明の遊技機用表示装置を含む電気的な接続形態の一例を示す回路図。
【図12】本発明に係る遊技機用表示装置を備えた第一種パチンコ機の一例を示す正面図。
【図13】図12の第一種パチンコ機の概略制御ブロック図。
【図14】本発明に係る遊技機用表示装置を備えたパチスロ機の一例を示す正面図。
【図15】図14のパチスロ機の概略制御ブロック図。
【図16】図2の遊技機用表示装置の変形例を示す側面断面図及び背面図。
【図17】図2の遊技機用表示装置の他の変形例を示す正面図、側面断面図及び斜視図。
【図18】図2の遊技機用表示装置のさらに他の変形例を示す側面断面図。
【符号の説明】
10 セグメント表示部(メイン表示部)
11 遊技機用表示装置(表示ユニット)
13 セグメント発光素子(セグメント表示部用発光素子)
15 表示環境制御発光素子(導光板用発光素子)
16 基板(共通基板;発光素子用基板)
18 導光板(面発光部)
19 保護プレート(面発光部)
22 延長部
50 後方発光部(第三発光部)
51 後方発光部用発光素子(第三発光部用発光素子)
100 パチスロ機(回胴式遊技機;遊技機)
125 抽選図柄表示部(遊技機用表示装置;表示ユニット)
500 第一種パチンコ機(弾球遊技機;遊技機)
551 特別図柄表示部(遊技機用表示装置;表示ユニット)
Claims (5)
- 遊技機に取り付けられる遊技機用表示装置であって、
数字・文字等の図柄を表示して遊技者に報知するためのメイン表示部と、そのメイン表示部の表示面となる遊技者側に対向して配置された透明性を有する面状の導光板を含む面発光部と、前記メイン表示部に図柄を表示する複数の発光素子及び前記面発光部の導光板を端面側から照射して面発光させる発光素子がともに実装された単一の共通基板とを備え、
前記共通基板において前記導光板用の発光素子が外側に位置し、それより内側に前記メイン表示部用の複数の発光素子が配置され、前記導光板の端面側が前記共通基板側へ近づくように延長部が形成され、その延長部の端部に対応して前記導光板用の発光素子が前記共通基板に配置され、
前記メイン表示部用の複数の発光素子が選択的に発光して前記図柄が表示されるとともに、前記導光板用の発光素子が発光しその光が前記延長部を介して前記導光板に導かれて該導光板を面発光させることにより、前記メイン表示部の前記図柄を示す発光態様と前記導光板の全体的な面状の発光態様との重層された発光表示形態が遊技者に視認可能とされ、
かつ、前記遊技機での抽選結果に基づいて、少なくとも前記導光板用の発光素子の発光態様を変化させることを特徴とする遊技機用表示装置。 - 遊技機に取り付けられる遊技機用表示装置であって、
数字・文字等の図柄をセグメント表示して遊技者に報知するためのメイン表示部としてのセグメント表示部と、そのセグメント表示部の表示面となる遊技者側に対向して配置された透明性を有する面状の導光板を含む面発光部と、前記セグメント表示部に図柄を表示するためにセグメント毎に1又は複数設けられた発光素子及び前記面発光部の導光板を端面側から照射して面発光させる発光素子がともに実装された単一の共通基板とを備え、
前記共通基板において前記導光板用の発光素子が外側に位置し、それより内側に前記セグメント表示部用の複数の発光素子が配置され、前記導光板の端面側が前記共通基板側へ近づくように延長部が形成され、その延長部の端部に対応して前記導光板用の発光素子が前記共通基板に配置され、
前記セグメント表示部用の複数の発光素子が選択的に発光して前記図柄が表示されるとともに、前記導光板用の発光素子が発光しその光が前記延長部を介して前記導光板に導かれて該導光板を面発光させることにより、前記セグメント表示部の前記図柄を示す発光態様と前記導光板の全体的な面状の発光態様との重層された発光表示形態が遊技者に視認可能とされ、
かつ、前記遊技機での抽選結果に基づいて、少なくとも前記導光板用の発光素子の発光態様を変化させることを特徴とする遊技機用表示装置。 - 前記遊技機での抽選結果に基づいて、前記導光板用の発光素子の発光態様として発光色及び/又は発光状況を変化させる請求項1又は2に記載の遊技機用表示装置。
- 前記遊技機での抽選結果に基づいて前記導光板用の発光素子の発光態様を変化させるために、前記導光板用の発光素子の発光に時間的変化及び/又は位置的変化が与えられる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の遊技機用表示装置。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の遊技機用表示装置を備えたことを特徴とする遊技機。
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