しかしながら、従来のものでは、レンズ部材等によって装飾体の直後に配置された発光手段からの光を拡散させて装飾体が略均一に発光できるようにしているが、装飾体と発光手段との間を狭くすると、光を充分に拡散させることが困難となり良好な発光装飾が行えなくなるので、装飾体と発光手段との間の距離が所定量必要であった。そのため、装飾体を配置する場所によっては、発光させるのに充分なスペースを確保することができず、装飾体を発光装飾させることができない問題があった。
また、装飾体を発光装飾させるためには、上述の通り所定のスペースを確保する必要があるので、スペースを確保できる位置にしか装飾体を配置することができず、装飾体の配置による遊技機全体のデザインが画一的になり易く、デザインの自由度が低く、遊技者に対する訴求力を高めることが困難であった。
そこで、本発明は上記の実状に鑑み、発光する装飾体の配置自由度を高めて、より装飾効果の高いものとすることで、遊技者の興趣が低下するのを防止することができる遊技機の提供を課題とするものである。
手段1:遊技機において、
「遊技者から視認可能な所定位置に配置される装飾体と、
該装飾体に向かう方向とは異なる方向に光軸が向けられた発光手段と、
該発光手段からの光を誘導して前記装飾体に照射させる導光手段と
を具備する」ものであることを特徴とする。
ここで、「装飾体」としては、「遊技領域内に配置される枠状の役物(例えば、センター役物、枠状装飾体など)」、「遊技領域内に配置され入賞口等を有した装飾部材(例えば、入賞口ユニット、サイド装飾部材、アタッカー装置など)」、「遊技領域内に配置される可動役物(例えば、演出用役物、遊技用役物など)」、「遊技領域内に配置される所定のキャラクタからなるフィギュア、ロゴマークなど」、「遊技機の前面に配置されるサイド装飾体等の装飾装置」、等が挙げられる。
また、「発光手段」としては、「発光ダイオード(LED)」、「白熱灯」、「蛍光灯」、「LCD」、等が挙げられる。なお、「光軸」とは、発光手段から発せられる光の中心軸のことである。また、「装飾体に向かう方向とは異なる方向」とは、「装飾体に発光手段の光軸がかからないような方向」、「発光手段の光軸線が装飾体にかかるものの発光手段と装飾体との間に不透光性の遮蔽部材(例えば、遊技盤など)が配置される方向」、等である。
更に、「導光手段」としては、「発光手段からの光を鏡などの反射部によって反射させることで装飾体に光を導くもの」、「可撓性のある光学ファイバーや内面鏡等によって光を導くもの」、「内部を光が透過可能な透明な部材からなり、発光手段と対向する光入射部と、光入射部から入射した光を反射又は屈折させる光誘導部と、光誘導部によって誘導された光を装飾体に照射する光放射部とを備えたもの」、等が挙げられる。
手段1の構成によると、遊技機に、遊技者から視認可能な装飾体と、装飾体とは異なる方向に光軸が向いた発光手段と、発光手段の光を装飾体に導く導光手段とを備えたものである。
これにより、発光手段の光軸が装飾体の方向に向いていなくても、導光手段によって発光手段からの光を装飾体に導くことができ、装飾体を発光装飾させることができる。つまり、装飾体の後側(直後)に発光手段を配置しなくても装飾体を発光装飾させることができるので、装飾体の後に発光手段を配置するスペースを確保することができなくても、装飾体を良好に発光装飾させることができ、装飾体の配置自由度を高くすることができる。従って、装飾体の配置によるデザインを多様化することができ、遊技者に対する訴求力の高いデザインとしたり、装飾効果の高いデザインとしたりすることができ、遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
また、上述の通り、装飾体の配置自由度を高くすることができるので、例えば、遊技媒体が流通する遊技領域、役物、演出表示手段等を有した遊技盤のように、設置スペースの確保が難しいものに対しても発光する装飾体を配置することができると共に、遊技盤に配置することで、装飾体を遊技者の視界に入り易くすることができ、装飾体への関心をより高めることができる。
更に、装飾体と発光手段とを結ぶ直線状に、遊技盤等の遮蔽物が存在する場合であっても、導光手段によって発光手段からの光を装飾体に誘導することができ、装飾体を確実に発光装飾させることができる。
なお、装飾体を透明な部材として、その後側から光を照射するようにしても良く、これにより、装飾体を通した直接光となり光り輝く装飾体とすることができる。また、装飾体を不透明又は透明な部材として、その前側から光を照射するようにしても良く、これにより、間接光となって目に優しくなると共に、装飾体に施された色彩をより鮮明にすることができる。また、フィギュア等の形状に特徴のある装飾体とした場合は、前方からの光により陰影がで易くなり立体感を強調することができる。
手段2:手段1の構成において、
「前記導光手段は、
前記発光手段の前記光軸と対向する光入射部と、
該光入射部から入射した光を所定方向に反射又は屈折させる光誘導部と、
該光誘導部によって反射又は屈折した光を前記装飾体に照射させる光放射部と
を備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「光誘導部」としては、「透明部材の角部において外側の角を面取り状に形成することで、透明部材内の光を所定方向に反射させるようにしたもの」、「透明部材を所定角度範囲内で略連続的に屈曲させることで、透明部材の側面からの光の漏れを抑制して透明部材に沿って光を反射させるようにしたもの」、「複数の鏡を適宜配置することで光を誘導するもの」、「物性の異なる透明部材同士を密接させることで、その境界部において光を所定方向に屈折させるようにしたもの」、等が挙げられる。なお、光誘導部を、光入射部や光放射部と一体にしても良い。
手段2の構成によると、導光手段は、発光手段からの光が入射する光入射部と、入射した光を所定方向に反射又は屈折させる光誘導部と、誘導された光を装飾体に向かって照射する光放射部とを備えたものである。
これにより、導光手段の光誘導部を適宜備えることで、光入射部と光放射部とを互いに離れた適宜な位置に配置することが可能となり、装飾体の後に発光手段を配置するスペースを確保することができなくても、装飾体を良好に発光装飾させることができると共に、上述した作用効果を有した導光手段を具現化することができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記導光手段は、
前記発光手段からの光が内部を透過する透明部材からなる」ものであることを特徴とする。
ところで、導光手段として、複数の鏡を適宜配置して、それら鏡の反射によって光を導くようにした場合、各鏡を所定位置に保持するための保持手段が必要となるので、保持手段を備えるためのスペースが必要となり、装飾体を配置する場所によっては、保持手段を備えるためのスペースが確保できず、装飾体を発光装飾させることができなくなる恐れがある。
手段3の構成によると、導光手段を透明な透明部材によって構成したものである。これにより、透明部材の内部を通して光を導くと共に、導光手段を一体のものとすることが出来るので、別途鏡等を保持するための保持手段等を備える必要が無く、構成を簡略化することができると共に、導光手段に係るスペースを少なくすることができ、而して、装飾体の配置自由度を高めることができる。
また、導光手段を透明部材としているので、例えば、導光手段を板状として、空間を仕切ったり、遊技媒体の移動を阻止したりするための閉鎖部材(或いは、隔壁部材)と兼用させることが可能となり、部品点数を削減して組立てに係る手間やコストを低減させることができると共に、導光手段の後方に配置されたものを導光手段を通して視認可能とすることができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「前記導光手段は、
前記装飾体に少なくとも後方から前記発光手段の光を照射する」ものであることを特徴とする。
手段4の構成によると、装飾体の後方から発光を照射するようにしたものである。これにより、装飾体自体が光を放つような感じとすることができ、特に装飾体を透明な部材で構成した場合、光り輝く装飾体とすることができ、遊技者の関心をより引き付けられるものとすることができる。
手段5:手段1から手段4までの何れか一つの構成において、
「前記導光手段は、
前記装飾体に少なくとも前方から前記発光手段の光を照射する」ものであることを特徴とする。
ところで、従来の遊技機において、遊技領域内に配置されたフィギュア等の装飾体は、その立体的な造形(レリーフ状も含む)としているので、その厚さが厚くなる傾向があり、装飾体が遊技機の前のほうに出てくるので、装飾体の前側に発光手段を備えることができず、装飾体を前側から照明することが困難となり、装飾体が暗くなって装飾体による装飾効果が低下する問題があった。また、装飾体のキャラクタ性を向上させるため、装飾体にそのキャラクタに対応した色彩を着色する場合があり、その場合、色彩の着色により装飾体の光透過度が低下し、装飾体の後側から光を照射すると、充分な発光装飾を得ることができない問題があった。
手段5の構成によると、装飾体の前方から光を照射するようにしたものである。つまり、上述の通り、任意の位置に配置された発光手段からの光を導光手段によって導くようにしているので、装飾体の前側に発光手段を配置することができなくても、導光手段により光を導いて、前側から装飾体を照明することが可能となり、発光手段からの光が間接光となって遊技者に届き、遊技者の目に優しくなって、眼球疲労を低減させて、興趣が低下するのを抑制することができる。
また、フィギュア等の形状に特徴のある装飾体とした場合は、前方からの光により陰影がで易くなり立体感を強調することができると共に、色彩の施された(着色された)装飾体の場合は、前方から照明することでその色彩をより鮮明に見せることができ、装飾体本来の装飾効果をより引き出して、遊技者の関心を引き付けることができる。
手段6:手段1から手段5までの何れか一つの構成において、
「遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域を有した遊技盤を更に具備し、
該遊技盤に前記装飾体が配置されている」ものであることを特徴とする。
手段6の構成によると、遊技媒体が打ち込まれる遊技領域を有した遊技盤に装飾体を配置したものである。これにより、遊技媒体が流下する遊技領域内又は遊技領域の近傍に装飾体を配置するので、遊技者の視野に装飾体が入り易くなり、装飾体による装飾効果をより高めることができる。
手段7:手段6の構成において、
「前記発光手段が、前記遊技盤の後方に配置されている」ものであることを特徴とする。
ところで、発光手段は、LED等の光源の他に、光源を支持すると共に光源に電力を供給するための基板を備えており、光源の大きさより少なくともひと回りは大きい大きさとされ、場合によっては装飾体よりも幅の広いものとなっており、発光手段を遊技盤の前側に配置した場合、発光手段によって占められるスペースが多くなり、遊技領域が狭くなる問題がある。
手段7の構成によると、発光手段を遊技盤の後方に配置したものである。これにより、スペースを多く取る発光手段を遊技盤の後側に配置しているので、遊技盤の前側は、装飾体の占めるスペースのみで済み、遊技領域を可及的に広くすることができる。
また、遊技盤の前側に発光手段を配置した場合は、遊技者から発光手段が目立ち難くなるように、発光手段を覆う隠蔽部材等が必要となることがあるが、本手段によると、遊技盤によって発光手段を遊技者から見え難くすることができるので、隠蔽手段を廃止することが可能となり、発光する装飾体の設置に係る構成を簡略化することができる。
手段8:手段1から手段7までの何れか一つの構成において、
「前記装飾体が、遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域内に配置される枠状の役物とされている」ものであることを特徴とする。
ここで、「枠状の役物」としては、「遊技媒体が左右方向に転動可能なステージを有したもの」、「後方に配置された演出表示手段が視認可能なもの」、「入賞口等の遊技媒体の受入口を有したもの」、「立体的に造形されたフィギュアを有したもの」、「内部に遊技媒体が流通する流通空間が形成された可動役物を有したもの」、等が挙げられる。
手段8の構成によると、装飾体を遊技領域内に配置される枠状の役物としたものである。これにより、枠状の役物を良好に発光装飾することができ、遊技者の関心を引き付けて興趣が低下するのを効果的に抑制することができる。また、枠状の役物を良好に発光装飾させて遊技者の関心を引き付けることができるので、枠状の役物に遊技媒体が流通するステージ、ワープ通路、入賞口等を備えることで、それらに対しても遊技者の関心を引き付けることが可能となり、遊技者の興趣を高められる効果を期待することができる。
ところで、近年、演出表示手段の大型化に伴って、その周りを囲う枠状の役物も大型化する傾向があるが、遊技領域の大部分が演出表示装置によって占められることとなり、その周りに配置される枠状の役物の幅が狭くなって、その役物に発光手段を配置するためのスペースを確保するのが難しく、枠状の役物全体を発光させることが困難な状況となっている。
しかしながら、本手段によると、上述した通り、導光手段により発光手段の配置位置を適宜選択することができるので、例えば、発光手段を演出表示装置周りの開いたスペース等に配置することができると共に、そこから、枠状の役物全体に光を誘導することができ、演出表示手段を大型化しても枠状の役物を良好に発光装飾させることができ、その発光演出によって遊技者を楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。
手段9:手段1から手段8までの何れか一つの構成において、
「前記装飾体が、遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域内に配置されるフィギュアとされている」ものであることを特徴とする。
ここで、「フィギュア」としては、「所定のキャラクタを立体的に造形したもの」、「所定のアイテムを立体的に造形したもの」、「遊技内容に係るロゴなどを立体的に造形したもの」、等が挙げられる。
手段9の構成によると、装飾体を遊技領域内に配置されたフィギュアとしたものである。これにより、フィギュアを上記の通り発光装飾させるので、立体的に造形されたフィギュアの立体感をより明確にすることが可能となり、フィギュアの存在感を高めることができ、フィギュアに注目させて、興趣が低下するのを抑制することができる。
また、可動するフィギュアとしたり、フィギュアの可動によって遊技媒体の動きが変化するものとしたりした場合、上述の如く、フィギュアに注目させることができるので、フィギュアの動きをより楽しませることができ、遊技者の興趣を高められるものとすることができる。
手段10:手段6から手段9までの何れか一つの構成において、
「前記遊技盤における前記遊技領域内に配置される始動口と、
該始動口に遊技媒体が受入れられると、所定の抽選を行う抽選手段と、
該抽選手段による抽選結果に応じて遊技媒体の受入れが可能となり、前記遊技領域内で前記始動口とは異なる位置に配置された受入口と、
該受入口に受入れられた遊技媒体を検出する受入検出手段と、
上下方向に延びる軸芯周りに回転可能とされ周方向に分割する隔壁部を有した役物回転体本体、該役物回転体本体の前記隔壁部によって周方向に分割された一方に配置され前記受入検出手段によって検出された遊技媒体が流通可能な流通空間、該流通空間から遊技媒体を排出可能な少なくとも第一排出口及び第二排出口からなる排出口、該排出口における前記第一排出口及び前記第二排出口の上流側に各端が位置し前記流通空間内に進入した遊技媒体が転動可能なシーソー状の演出樋、該演出樋の一方又は他方の端が下方に位置することで遊技媒体が前記第一排出口又は前記第二排出口へ前記演出樋から流通するように前記抽選手段の抽選結果に応じて前記演出樋を所定軸芯周りに回転傾動させ前記隔壁部を挟んで前記流通空間とは反対側に少なくとも一部が配置される回転傾動手段、前記流通空間内に配置される装飾体としてのフィギュア、を少なくとも有し、遊技制御に影響を与えることなく遊技媒体を流通させて前記遊技領域外へ排出する特別役物と、
該特別役物を、少なくとも前記抽選手段の前記抽選結果に応じて前記流通空間が遊技者から視認可能又は視認不能となるように回転移動させる特別役物移動手段と、
該特別別役物移動手段及び前記特別役物を支持し、前記遊技盤の後面側に固定される支持部材と、
少なくとも前記受入検出手段による遊技媒体の検出、及び前記抽選手段の前記抽選結果に応じて所定の特典を付与する特典付与手段と
を更に具備し、
前記発光手段が、少なくとも前記役物回転体本体の下部に前記光軸を上方に向けて配置されると共に、
前記導光手段が、前記流通空間内に配置された前記回転傾動手段の前記役物回転体本体における半径方向外側に配置され上下方向に延びる部分円筒形状のカバー部と、該カバー部の下端から前記役物回転体本体の回転中心に向かって略水平に延びる板状の底部とを有したカバーレンズとされ、
該カバーレンズによって、前記役物回転体本体の下部に配置された前記発光手段からの光を、前記流通空間内に配置された前記装飾体に誘導する」ものであることを特徴とする。
ここで、「始動口」としては、「常時遊技媒体が受入可能とされた形態のもので、受入れた遊技媒体を遊技領域に戻すことなく遊技領域外へ排出するものや、受入れた遊技媒体を再び遊技領域へ戻すもの(例えば、スルーチャッカー)」、「チャッカー等による遊技媒体の検出に基づいて開閉片が開いて遊技媒体の受入が可能となるもの」、「チャッカー等による遊技媒体の検出に基づいて開閉片の開度を変化させて遊技媒体の受入確率を変化させるもの」、等が挙げられる。
また、「受入口」としては、「有利遊技状態等の発生により所定パターンで開閉する大入賞口や役物入賞口」、等を例示することができる。
また、「周方向に分割」とは、等分割であっても良いし、非等分割であっても良く、二つ、或いは、それ以上に分割しても良い。また、分割される一方の角度範囲としては、30〜210度の範囲内、望ましくは120〜180度の範囲内であり、これよりも範囲が狭いとその空間に配置される発光手段や流通空間が狭くなり遊技媒体の動きを楽しませられ難くなる恐れがあり、これよりも範囲が広いと回転させて発光手段(発光装飾体)や流通空間を視認不能とするのが困難となるためである。
更に、「演出樋」としては、「平面視で、転動可能な方向に直線状に延びるもの」、「平面視で、特別役物の周方向に沿って延びるもの」、等を挙げることができる。また、「正面視で、転動可能な方向に直線状に延びるもの」、「正面視で、両端に対して中央が下がった形状のもの」、等を挙げることができ、上記の平面視のもの及び正面視のものを適宜組み合わせたものとしても良い。なお、演出樋を透明部材により構成することが望ましく、これにより、演出樋内の遊技媒体を見易くすることができると共に、発光手段等からの光が透過することで、演出樋による影が遊技領域内に映るのを抑制して、遊技領域内が暗くなるのを防止することができる。
また、「回転傾動手段」としては、「複数の回転伝達部材(例えば、リンク部材、或いは、ギア部材等)を介して、駆動手段としてのモータからの駆動を伝達させて回転傾動させるもの」、「モータ軸に直結させて直接回転傾動させるもの」、等を例示することができる。
更に、「特別役物」としては、「周方向に複数分割された少なくとも一つの空間が遊技媒体が流通可能な流通空間とされ、残りの空間が発光装飾するための装飾空間とされたもの」、「周方向に複数分割された空間に夫々装飾態様の異なる発光装飾体が配置されたもの」、等が挙げられる。
また、「遊技制御」とは、「遊技媒体の払出しに関する制御」、「抽選手段による抽選に関する制御」、「始動口、入賞口(大入賞口を含む)、役物入賞口等を開閉するための開閉片の開閉に関する制御」、等が挙げられる。
また、「支持部材」としては、「遊技盤の前後方向に貫通する貫通孔の外周を覆うように枠状に形成され遊技盤の後面側に取付支持されるもの(例えば、裏箱)」、「遊技盤の前後方向に貫通する貫通孔の外周を覆うように枠状に形成され遊技盤の前面側に取付支持されるもの(例えば、センター役物)」、等が挙げられる。
更に、「特典付与手段」としては、「所定数の遊技媒体を払い出すもの(例えば、払出手段)」、「受入れられる所定数の遊技媒体を払出す受入口を所定のパターンで遊技媒体の受入可能と受入不能とを繰り返させるもの」、「所定数の遊技媒体が払い出される遊技媒体の受入口への遊技媒体が進入する確率を高くしたり、受入口を所定条件の基で開放したりするもの」、等が挙げられる。
ところで、従来の遊技機として、遊技領域の適宜位置に遊技球が入球可能な始動口の上方に、遊技球を転動させることのできるステージを備えた役物を配置すると共に、始動口への入球を契機として所定の抽選を行い、大当り等が抽選されると所定のパターンで大入賞口を開閉させて遊技者に有利な有利遊技状態を発生させるものが知られている(例えば、特開2004−057655号公報、及び特開2004−147900号公報)。この遊技機では、ステージ上で遊技球を左右方向に転動させた後に、始動口の直上でステージから遊技球が流下すると、始動口に入球する確率が高くなるようになっており、始動口の直上でステージから遊技球が流下するか否かを期待させ、ステージ上を左右方向に転動する遊技球の動きを楽しませるようになっている。
また、従来の遊技機として、遊技領域内の適宜位置に遊技球が入球可能な始動口と、内部にV入賞口を有した役物とを備え、始動口に入球すると役物入賞口が所定時間開閉し、その間に役物入賞口から役物内に遊技球を入賞させた上で、役物内のV入賞口に遊技球が入賞すると、所定のパターンで役物入賞口を開閉させて有利遊技状態を発生させるものも知られている(例えば、特開2003−290489号公報)。この遊技機では、役物内に遊技球の流路を振分ける振分部材が備えられており、振分部材によって遊技球がV入賞口に振分けられるか否かで遊技を楽しませるようになっている。
しかしながら、上記の遊技機では、始動口やV入賞口等に受入れられる前の遊技媒体をステージ上や役物内で転動させてその動きによって楽しませることができるものの、遊技媒体が始動口、大入賞口、V入賞口等に受入れられてしまうと、遊技盤の裏側を通って遊技領域外へ排出されるため遊技者から見えなくなり、遊技媒体の動きを楽しませることができなかった。また、従来の遊技機では、始動口を狙った遊技や、有利遊技状態の発生による大入賞口や役物入賞口等を狙った遊技では、遊技媒体の打ち込み操作が単調なものとなり、遊技者によっては、飽きて興趣を低下させてしまう恐れがあった。そのため、演出表示装置に所定の演出画像を表示することで遊技者を楽しませて、興趣が低下するのを防止するようにしているが、遊技者によっては演出画像を見慣れることで演出画像に飽きてしまい興趣を低下させてしまう恐れがある。そこで、上記の実状に鑑み、遊技媒体の動きを楽しませることで、遊技に飽き難くして興趣が低下するのを防止することができる遊技機の出現が望まれていた。
一方、特別役物を回転するように構成した場合に、その回転軸の延びる方向を遊技機に対して左右方向に延びるように配置した場合、特別役物の径を大きくすることで発光手段や流通空間における上下の落差を大きくすることができるものの、特別役物の前後方向の厚さも厚くなるため、ホール等で遊技機を設置するための島設備等の関係上、特別役物の径を必要以上に大きくすることが困難である。そこで、特別役物を軸方向に延ばすことで発光手段や流通空間を広くすることが考えられる。しかしながら、発光手段や流通空間が左右方向に長くなるため、特に、流通空間とした場合は、そこでの遊技媒体の動きは左右方向の転動が主体となり、従来の遊技機に備えられているステージでの遊技媒体の転動との差別化が難しくなり、遊技者に対する訴求効果が低下する恐れがある。
更に、特別役物における回転軸の延びる方向を、遊技機に対して前後方向に延びるように配置した場合、回転軸を上下方向や左右方向に配置した場合と比較して特別役物の前側と後側を回転により切り替えることができず、所定角度範囲内に配置された発光手段や流通空間を含む全ての角度範囲内(即ち、360度)が視認可能となる。そのため、特別役物における前側の所定範囲を隠蔽部材(或いは、隔壁部)によって隠蔽するようにし、特別役物の発光手段や流通空間が隠蔽部材の後側に位置すると発光手段や流通空間が視認不能となり、特別役物と共に発光手段や流通空間を回転させて隠蔽部材の無い範囲に移動させると視認可能となるような構成とする必要がある。つまり、特別役物の設置に係るスペースは、特別役物の大きさのみで済むものの、正面視において特別役物の略半分を少なくとも遮蔽部材で覆わなければならず、視認可能となる発光手段や流通空間が小さくなる問題がある。
手段10の構成によると、遊技領域内に配置された始動口と、始動口への遊技媒体の受入により所定の抽選を行う抽選手段と、抽選手段の抽選結果に応じて遊技媒体の受入れが可能となる受入口と、受入口に受入れられた遊技媒体を検出する受入検出手段と、周方向に分割する隔壁部を有し上下方向に延びる軸芯周りに回転可能とされた役物回転体本体、役物回転体本体の隔壁部によって分割された一方の空間に配置され受入検出手段に検出された遊技媒体が流通可能な流通空間、流通空間から遊技媒体を排出する第一排出口及び第二排出口からなる排出口、排出口の上流側で一端が第一排出口に他端が第二排出口に望むように配置されるシーソー状の演出樋、演出樋に供給された遊技媒体を抽選結果に応じて第一排出口又は第二排出口の何れかに振分けられるように演出樋を回転傾動させ少なくとも一部が隔壁部を挟んで流通空間とは反対側に配置される回転傾動手段、流通空間内に配置される装飾体としてのフィギュア、を有し遊技制御に影響を与えることなく遊技領域外へ遊技媒体を排出する特別役物と、抽選結果に応じて特別役物の流通空間を視認可能又は視認不能となるように移動させる特別役物移動手段と、特別役物及び特別役物移動手段を遊技盤の後面側に支持する支持部材と、受入検出手段の検出や抽選結果に応じて所定の特典を付与する特典付与手段とを更に備え、発光手段が役物回転体本体の下部に光軸を上に向けて配置されると共に、導光手段を、上下方向に延びる部分円筒形状のカバー部、及び略水平方向に延びる板状の底部を有したカバーレンズとし、カバーレンズによって発光手段からの光を導いて特別役物のフィギュアに光を照射するようにしたものである。
これにより、カバーレンズを介して特別役物における流通空間内のフィギュアを照明することができるので、フィギュアを目立たせてフィギュアによる装飾効果を高めることができ、フィギュアに注目させて興趣が低下するのを防止することができる。
また、フィギュアと共に演出樋等の流通空間内も照明することができるので、明るく照明された流通空間が視認可能となることで、遊技者の関心を流通空間に引き付けることが可能となり、照明によってフィギュアだけでなく流通空間内の遊技媒体も明瞭に認識させることができ、流通空間内のフィギュアや遊技媒体の動きを楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。
また、遊技媒体が始動口に受入れられて所定の抽選結果が抽選されると、受入口が受入可能となると共に特別役物が移動してその流通空間が視認可能となり、その際に、遊技媒体を受入口に受入れさせると、特典付与手段により所定の特典が付与されると共に受入れられた遊技媒体が特別役物の流通空間内に供給される。そして、流通空間内に供給された遊技媒体は、シーソー状の演出樋に供給され演出樋上で行ったり来たりして揺動させた上で、抽選結果に応じて何れかの排出口に振分けられて遊技領域外へ排出されるので、流通空間内の演出樋上を揺動する遊技媒体の動きを楽しませることができると共に、演出樋によって何れの排出口へ振分けられるかで興味を誘って遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
更に、シーソー状の演出樋を備えており、演出樋をシーソーのように交互に傾動させることで、演出樋上に供給された遊技媒体が、演出樋の延びる方向に行ったり来たりして揺動することとなり、何れの端から遊技媒体が放出されるのか予見し難くすることができ、何れの排出口に振分けられるのかでハラハラ、ドキドキさせることができると共に、揺動する遊技媒体の動きを楽しませて、遊技者の興趣を高めることができる。
なお、特別役物の流通空間に供給された遊技媒体が、その流通空間から排出されてから、特典付与手段により所定の特典を付与すると共に、付与される特典によって異なる排出口に振分けられるようにすることが望ましく、これにより、演出樋の回動によって所定の排出口へ振分けられると、その排出口に応じた特典が付与されるので、あたかも、流通空間内での演出樋による振分が、遊技制御に影響を与えいてるかのように錯覚させることができる。これにより、流通空間内の遊技媒体が演出樋によって何れの排出口へ振分けられるかで、遊技者の関心をより高められると共に、演出樋により振分けられる遊技媒体の動きによってハラハラ、ドキドキさせて興趣の高められるものとすることができる。
ところで、流通空間内に演出樋のような振分手段を備えて複数の流路に振分けるようにした場合、第二種の遊技機のように役物内における振分手段による遊技媒体の振分が遊技制御と関係付けられていると振分手段による振分確率のバラツキを所定の有意水準以内とする必要があり、振分手段の構造的な設計や、振分手段の制御を厳密にして遊技媒体の動きを規定しなければならず、設計や制御の制約が多くなると共に具現化するためのコストが増加する問題がある。
しかしながら、本手段によると、遊技制御に影響を与えることなく遊技媒体を流通空間内に流通させて遊技領域外へ排出するようにしている、つまり、流通空間内を流通する遊技媒体では遊技制御に影響を与えないようにしているので、流通空間内を流通する遊技媒体の動きを厳密に規定する必要がなく、流通空間内における遊技媒体の流通(転動演出)の設計自由度を高くすることができ、より遊技媒体の動きを楽しませられるものとすることができると共に、具現化するためのコストを抑制することができる。
詳述すると、流通空間に供給された遊技媒体は、以後遊技制御に関わらない、所謂、「死球」となるので、演出樋のような振分手段により厳密な確率で遊技媒体を振分ける必要がなく、振分手段にかかるコストを低減させることができる。これにより、仮に、目的としない排出口へ振分けられても、流通空間に供給される前の受入検出手段による検出や抽選手段の抽選結果等によって既に所定の特典が付与されるのが決定されているので、遊技者に不利な状況となることは無く、逆に目的と異なる排出口に振分けられて、意図しない特典が付与されることで、遊技者を驚かせて、興趣の高められる効果を期待することができる。
また、従来では受入口に受入れられて遊技領域から排出される遊技媒体を視認することができなかったが、本手段によると、受入口に受入れられた遊技媒体を視認することができるので、これまでにない遊技機とすることができ、遊技者の関心を引き付けて興趣の高められるものとすることができる。
更に、抽選結果によって、特別役物が移動してその流通空間が視認可能となるので、流通空間に遊技者の関心を引き付けて流通空間内に遊技媒体を流通させたくすることができ、流通空間内に遊技媒体を流通させるために、始動口を狙った打ち込み操作をさせて、興趣が低下するのを抑制することができる。
なお、抽選結果によって、特典として特典付与手段により有利遊技状態を発生させ、その際に、流通空間が視認可能となるように特別役物を移動させると共に、受入口を有利遊技状態発生手段によって開閉動作する大入賞口や役物入賞口等とした場合、有利遊技状態の発生中は大入賞口等を狙った打ち込み操作が単調な遊技となっても、受入口としての大入賞口等に遊技媒体が受入れられると、流通空間を流通して遊技領域外に排出されるのを視認することができ、流通空間内を流通する遊技媒体の動きを楽しませて興趣が低下するのを防止することができる。また、その際に、「確変」、「時短」、「大当り」、「小当たり」、及び「ラウンド数」等が、あたかも演出樋の振分けにより決定されるような演出を行うことが望ましく、より流通空間に注目させて遊技者を楽しませることができる。
また、特別役物移動手段によって、遊技媒体の流路を有した所定の大きさの流通空間を有した特別役物が遊技領域内を移動するので、流通空間が目立つようになり、その存在を遊技者に強くアピールすることが可能となり、流通空間に注目させて興味を抱かせることができ、興趣を高められるものとすることができる。
更に、役物回転体本体の隔壁部で分割された一方に流通空間が配置されており、特別役物移動手段によって役物回転体本体を回転させるだけで、容易に流通空間を視認可能としたり視認不能としたりすることができるので、特別役物の占める広さの領域のみで流通空間を出没させることが可能となり、特別役物の設置に係る領域を可及的に狭くすることができ、遊技機に備え易くすることができる。
また、役物回転体本体の隔壁部で分割された一方に流通空間が配置されており、流通空間が配置された側とは反対側を遊技者に向けると隔壁部によって流通空間を視認不能とすることができ、簡単な構成で流通空間を視認可能としたり視認不能としたりすることができると共に、特別役物を正面視した時の略全ての領域を流通空間とすることができ、流通空間を可及的に大きくして遊技媒体の動きをより楽しませられるものとすることができる。
更に、特別役物を軸方向、つまり、上下方向に延ばして流通空間を広くすることができるので、流通空間内での遊技媒体の落差を大きくすることができ、ステージによる左右方向の遊技媒体の動きとは大きく異なる上下方向の動きをさせることができ、従来の遊技機との差別化を計る事ができ、遊技者に対する訴求効果を高めることができる。
なお、特別役物を軸線周りに回転可能としているので、特別役物をその回転軸を中心とした円筒形状とすることが望ましく、これにより、特別役物の容積を可及的に広くすることができる。つまり、特別役物内の流通空間を可及的に広くすることができ、遊技媒体の動きをより多様的に楽しませられるものとすることができる。
ところで、演出樋を略直線状に延びる真直ぐなものとした場合、演出樋を水平な状態にしても、演出樋に供給される遊技媒体が、演出樋の延びる方向に対して運動ベクトルを有していると、演出樋に供給された遊技媒体がその方向に移動してしまい、遊技媒体が演出樋上を揺動することなく端から放出されてしまい、演出樋による遊技媒体の動きを楽しませられなくなる問題がある。そこで、演出樋の延びる方向に対する運動ベクトルが可及的に小さくなるように遊技媒体を演出樋に供給することが考えられる。具体的には、例えば、演出樋の延びる方向とは直角方向から遊技媒体を供給することが考えられるが、この場合、演出樋に供給された遊技媒体はその延びる方向に動くことがないので、演出樋が回転して傾動するまでは、遊技媒体が転動せず、遊技媒体の連続した動きが絶たれて遊技者によっては興趣を低下させてしまう恐れがある。また、演出樋に遊技媒体を供給する位置が限られるので、特別役物のデザインが限定され、興趣の高められる効果的なデザインとすることが困難となる問題がある。
そこで、例えば、演出樋として、「略水平時に、中央が両端よりも低い位置とされ、且つ、平面視で、特別役物の外周に略沿った形状」としても良い。これにより、演出樋に供給された遊技媒体が、演出樋の延びる方向に対して所定の運動ベクトルを有していても、遊技媒体が演出樋の端に向かって転動しようとすると、坂を登ることとなるので、遊技媒体の転動速度が減速する。そして、演出樋に供給される遊技媒体の初速度や、演出樋における中央と両端との高低差を適宜選択することで、演出樋を傾動させなくても、供給された遊技媒体を演出樋の延びる方向に揺動させることができる。従って、演出樋に供給された遊技媒体が直ちに放出されるのを防止することができ、演出樋上で充分に遊技媒体の動きを楽しませることができる。また、演出樋に対する遊技媒体の供給位置が限定されないので、特別役物を多様にデザインすることが可能となり、より興趣の高められるものとすることができる。また、演出樋の長さを可及的に長くすることができるので、遊技媒体の転動可能距離を長くすることができ、より長い間、演出樋上に遊技媒体を転動させて、演出樋上の遊技媒体の動きを楽しませることができる。
また、例えば、回転傾動手段として、「演出樋と一体回転すると共に演出樋の回転中心から所定距離の位置に係合部を有した第一伝達部材と、第一伝達部材の係合部と係合する被係合部を有し演出樋の軸芯方向と平行な方向に延びる軸周りに回転可能とされた第二伝達部材と、第二伝達部材を回転駆動させるモータ等からなる回転駆動手段とを備えたもの」とした場合、演出樋の回転中心から離れた位置にモータを配置することができるので、例えば、スペースの関係上、演出樋の後方にモータを配置することができない場合でも、演出樋に回転駆動を伝達させて回転傾動させることができる。なお、回転駆動手段での回転角度と、第二伝達部材及び第一伝達部材を介して回転する演出樋の回転角度とを、同じ回転角度となるようにしても良いし、異なる回転角度となるようにしても良く、例えば、モータの回転角度よりも演出樋の回転角度の方が小さくなるようにした場合は、モータでの回転が少なくなって演出樋に伝達されるので、演出樋の回転制御をより細かくすることが可能となり、演出樋上を転動する遊技媒体の動きの制御をより緻密にすることができる。
なお、遊技者の操作により遊技領域の上方に遊技媒体が打ち込まれるため、遊技領域の上方に受入口が配置されていると、その受入口に遊技媒体が受入れられると、遊技領域を流下する遊技媒体が早い段階で遊技領域から姿を消して外部へ排出されてしまうこととなるので、遊技媒体の動きを最後(遊技領域の下端に至る)まで見ることができず、遊技者によっては、損した気分となって興趣を低下させてしまう恐れがある。また、受入口を、遊技領域の中心よりも下側に配置した場合、特別役物における流通空間の上下方向の大きさは、蓋然的に遊技領域の半分よりも小さくなり、流通空間が狭くなるので、流通空間において遊技者の興趣が高められるような遊技媒体の動きをさせることが難しくなる恐れがある。
そこで、例えば、受入口を、「遊技領域の中心よりも上側に配置する」ようにしても良い。これにより、遊技領域に打ち込まれた遊技媒体が、早い段階で受入口に受入れられても、特別役物の流通空間内を流通することで、流通空間から排出されるまでその動きを見せて楽しませることができ、損した気分となって興趣が低下するのを抑制することができる。また、受入口が遊技領域の上方に配置されているので、流通空間の上下方向の落差を可及的に大きくすることができると共に、流通空間を広くすることができるので、流通空間内で遊技媒体に種々の動きをさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の高められるものとすることができる。
また、例えば、特別役物が特別役物移動手段によって移動させられるようにした場合、常時、流通空間に遊技媒体が進入可能とするためには、特別役物の流通空間に進入するための進入口が何れの位置にあっても、遊技媒体が進入するようにしなければならず、移動する特別役物の進入口へ遊技媒体を進入させるための機構が複雑なものとなり、コストが増加したり、不具合の原因となったりする恐れがある。
そこで、例えば、特別役物は、「特別役物移動手段によって流通空間が遊技者から視認可能な状態となると、流通空間内に遊技媒体が流通可能となる」ようにしても良い。これにより、流通空間が視認可能となった時のみ遊技媒体が流通可能となるので、流通空間内に遊技媒体を進入させるための機構を簡単なものとすることができ、コストの増加や不具合の発生を低減させることができる。
更に、回転する特別役物に発光手段やモータ等の電装部材を備えた場合、その電装部材に電気等を供給するための電気的な接続方向としては、役物にその回転軸を中心として円環状の導電体を同芯円状に複数備えると共に、役物の外部から各導電体と接触する導電ブラシを備えることで、回転する役物に対して電気的に接続するようにしていた。しかしながら、この場合、導電体と導電ブラシとが互いに摺動するように接触しているので、その摺動により導電体や導電ブラシが摩耗して、接触不良が発生したり、通電できなくなったりして役物内の電装部材が作動しなくなって、電装部材による演出などができなくなり遊技者の興趣を低下させてしまう恐れがある。また、導電体や導電ブラシが摩耗するので、耐久性が低いものとなっていた。
そこで、例えば、特別役物の回転軸線上において、支持部材に電気的な接続が可能な支持側接続部を備えると共に、役物回転体本体に支持側接続部と所定のハーネスを介して接続される役物側接続を対向配置するようにしても良く、これにより、支持側接続部と役物側接続部とが回転軸線上に対向配置されているので、電装部材を有した特別役物を回転移動させても、支持側接続部と役物側接続部とを接続するハーネスの動き(捩れ等)を最小限にすることが可能となり、ハーネスが断線したり、ハーネスと各接続部との接続が外れたりするのを防止することができ、特別役物に配置された電装部材を確実に作動させて、遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。また、支持部材と特別役物とがハーネスにより接続されているので、接続部分が摺動して摩耗することがなく、耐久性を向上させることができると共に、確実に電気的に接続することで電装部材を作動させることができ、電装部材による所望の演出を確実に行わせて、遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
手段11:手段10の構成において、
「前記カバーレンズは、
前記底部の前記役物回転体本体の中心側端部近傍の下側に配置される前記光入射部と、該光入射部から前記底部内に入射した光を前記カバー部と前記底部とが接する方向に反射誘導させる第一光誘導部、及び前記カバー部と前記底部とが接する位置に配置され前記第一光誘導部からの光を前記カバー部の上端面の方向に反射誘導させる第二光誘導部からなる前記光誘導部と、前記カバー部の上端面に配置され前記第二光誘導部からの光を前記カバー部の内側斜め上方で前記フィギュアに向けて外部に放射する前記光放射部とを更に備え、
前記特別役物内における前記発光手段の前記光軸が、前記カバーレンズの前記光入射部に向けて配置されている」ものであることを特徴とする。
手段11の構成によると、カバーレンズに、底部の中心側端部の下側に配置された光入射部と、その上側にカバー部と底部とが接する方向に光を反射させる第一光誘導部、及びカバー部と底部とが接する位置に第一光誘導部からの光をカバー部の上端側へ反射させる第二光誘導部からなる光誘導部と、カバー部の上端に配置され第二光誘導部からの光をフィギュアに向けて放射する光放射部とを備えたものである。
これにより、上方に向けられた発光手段からの光を、カバーレンズを介して役物回転体本体の外周側に誘導した上で、役物回転体本体の内側に向かって放射して、フィギュアの前側から照明することができるので、立体的に造形されたフィギュアの陰影を強調したり、フィギュアに着色された色彩を明瞭に見せることができる。
手段12:手段10又は手段11の構成において、
「前記遊技盤における前記遊技領域内に打ち込まれた遊技媒体を左右方向に転動可能なステージ、及び少なくとも前側全周に亘って配置される前記装飾体を有し、前記特別役物の一部を覆うように前記遊技盤の前面側に配置される枠状のセンター役物を更に具備し、
前記発光手段が、少なくとも前記特別役物の近傍で前記遊技盤の後方に配置されると共に、
前記導光手段が、前記センター役物と前記特別役物との間に配置され、該特別役物の外周を閉鎖して前記遊技領域と前記特別役物の前記流通空間との間で遊技媒体が流通するのを防止する閉鎖部材とされ、
該閉鎖部材によって、前記特別役物の近傍に配置された前記発光手段からの光を、少なくとも前記特別役物の直前に配置されるセンター役物の前記装飾体に誘導する」ものであることを特徴とする。
ここで、「閉鎖部材」としては、「特別役物の外周に略沿った円筒形状のもの」、「役物回転体本体の外周に略沿った部分円筒面形状の円筒部と、円筒部の周方向一端側に配置され左右方向外側に延びる平坦部と、平坦部とは反対側の円筒部の周方向他端側でセンター役物における装飾体の一部の後方に配置され前後方向外側に延びる延出部とを備えたもの」、「平板状のもの」、等が挙げられ、透明部材によって形成されたものとすることが望ましい。
手段12の構成によると、左右方向に遊技媒体が転動可能なステージ、及び少なくとも前側全周に亘って配置される装飾体を有し遊技盤の前面側で特別役物に一部がかかるように配置される枠状のセンター役物と、センター役物と特別役物との間に配置される閉鎖部材とを更に備え、発光手段を特別役物の近傍に配置すると共に、閉鎖部材を導光手段として、発光手段からの光をセンター役物の装飾体に導くようにしたものである。
これにより、センター役物の一部が特別役物の前側にかかって、その装飾体の直後に発光手段を配置することができないような場合でも、特別役物の近傍で遊技盤の後面側に発光手段を配置すると共に、特別役物とセンター役物との間に配置された閉鎖部材を導光手段として用いることで、発光手段からの光をセンター役物の装飾体に導くことが可能となり、センター役物の全周に配置された装飾体を良好に発光装飾させることができ、センター役物による装飾効果を高めて、遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
また、特別役物とセンター役物との間に閉鎖部材が配置されているので、遊技媒体が受入口以外から流通空間に進入したり、排出口以外から流通空間内の遊技媒体が排出されたりするのを防止することができる。
更に、センター役物に遊技媒体が転動可能なステージが備えられているので、従来の遊技機と同様の遊技をさせることが可能となり、従来の遊技機に慣れた遊技者に対して、違和感が生じるのを可及的に抑制して、本発明の遊技機を選択し易くすることができる。
手段13:手段12の構成において、
「前記閉鎖部材は、
前記役物回転体本体の外周に略沿った部分円筒面形状の円筒部と、該円筒部の周方向一端側に配置され左右方向外側に延びる平坦部と、該平坦部とは反対側の前記円筒部の周方向他端側で前記センター役物における前記装飾体の一部の後方に配置され前後方向外側に延びる延出部とを備えていると共に、
前記平坦部の後面側に配置される前記光入射部と、該光入射部から入射した光を前記円筒部の周方向に沿って誘導されるように反射誘導する第一光誘導部、及び該第一光誘導部から誘導された光を前記延出部の延びる方向に沿うように反射誘導させる第二光誘導部からなる前記光誘導部と、前記第二光誘導部から誘導された光を前記延出部内を介して前面側へ放射する前記光放射部とを更に備え、
前記特別役物の近傍に配置された前記発光手段の前記光軸が、前記閉鎖部材の前記光入射部に向けて配置されている」ものであることを特徴とする。
手段13の構成によると、閉鎖手段に、部分円筒形状の円筒部と、円筒部の一端側に配置され左右方向外側に延びる平坦部と、平坦部とは反対側に配置され前後方向外側に延びる延出部とを備えると共に、平坦部の後面側に光入射部を配置し、その前側に円筒部に沿って光を誘導反射させる第一光誘導部、及び円筒部と延出部との接する位置に配置され第一光誘導部により誘導された光を延出部の延びる方向へ反射誘導させる第二光誘導部からなる光誘導部と、延出部の前面に配置され第二光誘導部で誘導された光を前方のセンター役物における装飾体に向けて放射する光放射部とを備えたものである。
これにより、遊技盤の後面側に配置された発光手段からの光を、閉鎖手段を介して役物回転体本体の外周に略沿うように誘導した上で、その延出部から放射して特別役物の前側にかかるセンター役物の装飾体を後側から照明することができ、装飾体の特別役物にかかった部位を良好に発光装飾させることができる。
手段14:手段10から手段13までの何れか一つの構成において、
「前記特典付与手段は、
少なくとも前記受入検出手段による遊技媒体の検出に基づいて所定数の遊技媒体を払出す払出手段と、
前記抽選手段の前記抽選結果が所定条件を充足すると、所定のパターンで前記受入口が遊技媒体の受入可能と受入不能とを繰り返して遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段とを備え、
該有利遊技状態発生手段により有利遊技状態が発生する前記抽選結果に応じて、前記特別役物移動手段により前記特別役物の前記流通空間を視認可能とすると共に、前記演出樋により遊技媒体を所定の前記排出口へ振分ける」ものであることを特徴とする。
ここで、「有利遊技状態」とは、通常の遊技状態よりも遊技者に有利となる状態を意味するものであり、以下のような種々の状態を例示できる。
(1)パチンコ機等の遊技機において、開閉駆動される進入口(入賞口)を、所定回数繰返し開閉させたり、所定時間、あるいは遊技球が所定個数入賞するまで継続して開放させたりして、遊技媒体(遊技球)が多量に進入口に進入し易くした状態(所謂「大当り状態」)。
(2)パチンコ等の遊技機において、大当りに関する抽選の当選確率を通常よりも高確率として、大当り状態が発生する確率を通常よりも高確率とした状態、所謂「確率変動状態」。
(3)パチンコ機等の遊技機において、遊技媒体の進入(入賞)や通過により大当り状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選用の抽選始動装置を、通常よりも遊技媒体が進入し易い状態とし、大当りの抽選が通常よりも頻繁に行われるようにした状態、所謂「時間短縮状態」。
(4)パチスロ機等の遊技機において、所定ゲームの間、遊技媒体であるメダルの払出しを行う態様にてリールが停止され易くした状態、所謂「ボーナスゲーム状態」。
(5)パチスロ機等の遊技機において、次回以降のゲーム状態をボーナスゲーム状態にさせるための条件であるボーナス図柄にてリールを停止可能とした状態、所謂「ボーナス成立状態」。
(6)パチスロ機等の遊技機において、所定ゲーム数の間、役を成立させるためのリールの停止順序や図柄を案内する等して、役の成立を手助けする状態、所謂「アシストゲーム状態」。
(7)パチスロ機等の遊技機において、ボーナスゲーム状態、ボーナス成立状態、アシストゲーム状態等の特典状態が発生する確率を通常よりも高確率とした状態、所謂「確率変動状態」。
手段14の構成によると、特典付与手段に、少なくとも受入検出手段による遊技媒体の検出に基づいて遊技媒体を払出す払出手段と、抽選手段の抽選結果が所定条件を充足すると受入口を所定のパターンで開閉させて有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段とを備え、有利遊技状態が発生すると特別役物の流通空間が視認可能となるようにすると共に、その際に流通空間内に供給された遊技媒体を演出樋によって振分けるようにしたものである。
これにより、遊技媒体を受入口に受入れさせると、特別役物の流通空間内を流通する遊技媒体を視認させて遊技媒体の動きを楽しませるだけでなく、遊技媒体が払出されるので、受入口を狙った遊技媒体の打ち込み操作を積極的に行わせて興趣の高められるものとすることができる。
また、抽選結果が所定条件を充足(例えば、大当り、小当り等)すると、有利遊技状態が発生して受入口が所定のパターンで開閉動作を繰り返すので、抽選を開始させるために始動口を狙った遊技をさせることができると共に、受入口を大入賞口や役物入賞口としているので、有利遊技状態が発生することで、遊技媒体の打ち込み操作が大入賞口や役物入賞口等としての受入口を狙った単調な操作となって飽き易くなっても、受入口に受入れられた遊技媒体が特別役物の流通空間内で種々の動きをすることで遊技者を楽しませることができ、遊技に飽き難くして興趣が低下するのを防止することができる。
また、有利遊技状態が発生すると、特別役物の流通空間が遊技者から視認可能となるようにしているので、流通空間が視認可能となることで有利遊技状態が発生したことを認識させることができると共に、これまで視認不能であった流通空間が視認可能となることで、遊技者の関心を流通空間に向けさせることができ、流通空間内を流通する遊技媒体の動きを楽しませることができる。
更に、流通空間の演出樋(振分手段)によって振分けられる排出口によって、あたかも遊技制御に影響を与えいてるかのような遊技とすることができ、例えば、有利遊技状態の発生中のある段階で遊技媒体が所定の排出口に振分けられた場合は、あたかも有利遊技状態が延長されたように錯覚させたり、或いは、有利遊技状態の終了間直の段階で遊技媒体が所定の排出口に振分けられた場合は、あたかも抽選手段による所定条件を充足する抽選結果が抽選される確率を高確率に変更されるように錯覚させたりすることができ、有利遊技状態の発生中に流通空間への関心をより高められると共に、流通空間内での遊技媒体の動き、特に、演出樋により振分けられる動きによりハラハラ、ドキドキさせて興趣の高められるものとすることができる。
なお、図柄やキャラクタ等を用いた演出画像を表示可能な演出表示手段を備えて、演出画像によって抽選結果を遊技者に示唆する前に、図柄等を変動表示させて何れの抽選結果が示唆されるのかを期待させるようにしても良く、図柄等の変動によって遊技者をハラハラ、ドキドキさせて興趣の高められるものとすることができる。
手段15:遊技機において、
「遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域を有した遊技盤と、
該遊技盤における前記遊技領域内に配置される始動口と、
該始動口に遊技媒体が受入れられると、所定の抽選を行う抽選手段と、
該抽選手段による抽選結果に応じて遊技媒体の受入れが可能となり、前記遊技領域内で前記始動口とは異なる位置に配置された受入口と、
該受入口に受入れられた遊技媒体を検出する受入検出手段と、
少なくとも該受入検出手段による遊技媒体の検出に基づいて所定数の遊技媒体を払出す払出手段、前記抽選手段の前記抽選結果が所定条件を充足すると、前記受入口を所定のパターンで遊技媒体の受入可能と受入不能とを繰り返させて遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段とを備えた特典付与手段と、
上下方向に延びる軸芯周りに回転可能とされ周方向に分割する隔壁部を有した役物回転体本体、
該役物回転体本体の前記隔壁部によって周方向に分割された一方に配置され前記受入検出手段によって検出された遊技媒体が流通可能な流通空間、
該流通空間から遊技媒体を排出可能な少なくとも第一排出口及び第二排出口からなる排出口、
該排出口における前記第一排出口及び前記第二排出口の上流側に各端が位置し前記流通空間内に進入した遊技媒体が転動可能なシーソー状の演出樋、
該演出樋の一方又は他方の端が下方に位置することで遊技媒体が前記第一排出口又は前記第二排出口へ前記演出樋から流通するように前記抽選手段の抽選結果に応じて前記演出樋を所定軸芯周りに回転傾動させ前記隔壁部を挟んで前記流通空間とは反対側に少なくとも一部が配置される回転傾動手段、
前記流通空間内に配置される装飾体としてのフィギュア、
前記回転傾動手段における前記流通空間内に配置された部位の前記役物回転体本体における半径方向外側に配置され上下方向に延びる部分円筒形状のカバー部と、及び該カバー部の下端から前記役物回転体本体の回転中心に向かって略水平に延びる板状の底部とを有すると共に、該底部の前記役物回転体本体の中心側端部近傍の下側に配置される光入射部と、光入射部から前記底部内に入射した光を前記カバー部と前記底部とが接する方向に反射誘導させる第一光誘導部、及び前記カバー部と前記底部とが接する位置に配置され第一光誘導部からの光を前記カバー部の上端面の方向に反射誘導させる第二光誘導部からなる光誘導部と、前記カバー部の上端面に配置され第二光誘導部からの光を前記カバー部の内側斜め上方で前記フィギュアに向けて外部に放射する光放射部とを更に有したカバーレンズ、
該カバーレンズの前記光入射部に光軸を向けると共に前記役物回転体本体の下部に配置される発光手段、
を少なくとも有し、遊技制御に影響を与えることなく遊技媒体を流通させて前記遊技領域外へ排出する特別役物と、
該特別役物を、前記有利遊技状態発生手段により有利遊技状態が発生する前記抽選結果に応じて前記流通空間が遊技者から視認可能又は視認不能となるように回転移動させる特別役物移動手段と、
該特別役物移動手段及び前記特別役物を支持し、前記遊技盤の後面側に固定される支持部材と、
前記遊技盤における前記遊技領域内に打ち込まれた遊技媒体を左右方向に転動可能なステージ、及び少なくとも前側全周に亘って配置される前記装飾体を有し、前記特別役物の一部を覆うように前記遊技盤の前面側に配置される枠状のセンター役物と、
該センター役物と前記特別役物との間に配置され、該特別役物の外周を閉鎖して前記遊技領域と前記特別役物の前記流通空間との間で遊技媒体が流通するのを防止し、前記役物回転体本体の外周に略沿った部分円筒面形状の円筒部と、該円筒部の周方向一端側に配置され左右方向外側に延びる平坦部と、該平坦部とは反対側の前記円筒部の周方向他端側で前記センター役物における前記装飾体の一部の後方に配置され前後方向外側に延びる延出部とを有すると共に、前記平坦部の後面側に配置される前記光入射部と、光入射部から入射した光を前記円筒部の周方向に沿って誘導されるように反射誘導する第一光誘導部、及び第一光誘導部から誘導された光を前記延出部の延びる方向に沿うように反射誘導させる第二光誘導部からなる光誘導部と、第二光誘導部から誘導された光を前記延出部内を介して前面側へ放射する光放射部とを更に有した閉鎖部材と、
該閉鎖部材の光入射部に光軸を向けると共に前記特別役物の近傍で前記遊技盤の後方に配置され、前記特別役物の前記発光手段とは異なる発光手段と
を具備する」ものであることを特徴とする。
手段15の構成によると、遊技領域を有した遊技盤と、遊技領域内に配置された始動口と、始動口への遊技媒体の受入れにより所定の抽選結果を抽選する抽選手段と、抽選手段の抽選結果に応じて開閉する受入口と、受入口に受入れられた遊技媒体を検出する受入検出手段と、少なくとも受入検出手段による遊技媒体の検出及び始動口への遊技媒体の受入れにより所定数の遊技媒体を払出す払出手段、及び抽選結果が所定条件を充足すると受入口を所定のパターンで開閉させて有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段を有した特典付与手段と、上下方向に延びる軸芯周りに回転可能とされ周方向に分割する隔壁部を有した役物回転体本体、役物回転体本体の隔壁部によって分割され一方の空間に配置され受入検出手段に検出された遊技媒体が流通可能な流通空間、流通空間から遊技媒体を排出する第一排出口及び第二排出口からなる排出口、排出口の上流側で一端が第一排出口に他端が第二排出口に望むように配置されるシーソー状の演出樋、演出樋に供給された遊技媒体を抽選結果に応じて第一排出口又は第二排出口の何れかに振分けられるように演出樋を回転傾動させ隔壁部を挟んで流通空間とは反対側に一部が配置される回転傾動手段、流通空間内に配置される装飾体としてのフィギュア、上下方向に延びる部分円筒形状のカバー部と、及び略水平方向に延びる板状の底部とを有し、底部の中心側端部の下側に配置された光入射部と、その上側にカバー部と底部とが接する方向に光を反射させる第一光誘導部、及びカバー部と底部とが接する位置に第一光誘導部からの光をカバー部の上端側へ反射させる第二光誘導部からなる光誘導部と、カバー部の上端に配置され第二光誘導部からの光をフィギュアに向けて放射する光放射部とを更に有したカバーレンズ、カバーレンズの光入射部に光軸が向けられると共に役物回転体本体の下部に配置される発光手段、を有し遊技制御に影響を与えることなく遊技媒体を遊技領域外へ排出する特別役物と、少なくとも有利遊技状態の発生を契機として流通空間が視認不能の状態から視認可能の状態となるように特別役物を回転移動させる特別役物移動手段と、特別役物移動手段及び特別役物を遊技盤の後面側に支持する支持部材と、遊技媒体が転動可能なステージ及び全周に亘って配置される装飾体を有し一部が特別役物の前側にかかるように遊技盤の前面側に配置される枠状のセンター役物と、センター役物と特別役物との間に配置され、部分円筒形状の円筒部と、円筒部の一端側に配置され左右方向外側に延びる平坦部と、平坦部とは反対側に配置され前後方向外側に延びる延出部とを備えると共に、平坦部の後面側に光入射部を配置し、その前側に円筒部に沿って光を誘導反射させる第一光誘導部、及び円筒部と延出部との接する位置に配置され第一光誘導部により誘導された光を延出部の延びる方向へ反射誘導させる第二光誘導部からなる光誘導部と、延出部の前面に配置され第二光誘導部で誘導された光を前方のセンター役物における装飾体に向けて放射する光放射部とを備えた閉鎖手段と、閉鎖手段の光入射部に光軸が向けられると共に特別役物の近傍で遊技盤の後面側に配置され特別役物の発光手段とは異なる発光手段とを備えたものである。
これにより、発光手段の光軸が装飾体の方向に向いていなくても、導光手段によって発光手段からの光を装飾体に導くことができ、装飾体を発光装飾させることができる。つまり、装飾体の後側(直後)に発光手段を配置しなくても装飾体を発光装飾させることができるので、装飾体の後に発光手段を配置するスペースを確保することができなくても、装飾体を良好に発光装飾させることができ、装飾体の配置自由度を高くすることができる。従って、装飾体の配置によるデザインを多様化することができ、遊技者に対する訴求力の高いデザインとしたり、装飾効果の高いデザインとしたりすることができ、遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
また、カバーレンズを介して特別役物における流通空間内のフィギュアを照明することができるので、フィギュアを目立たせてフィギュアによる装飾効果を高めることができ、フィギュアに注目させて興趣が低下するのを防止することができる。また、フィギュアと共に演出樋等の流通空間内も照明することができるので、明るく照明された流通空間が視認可能となることで、遊技者の関心を流通空間に引き付けることが可能となり、照明によってフィギュアだけでなく流通空間内の遊技媒体も明瞭に認識させることができ、流通空間内のフィギュアや遊技媒体の動きを楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。
更に、特別役物において上方に向けられた発光手段からの光を、カバーレンズを介して役物回転体本体の外周側に誘導した上で、役物回転体本体の内側に向かって放射して、フィギュアの前側から照明することができるので、立体的に造形されたフィギュアの陰影を強調したり、フィギュアに着色された色彩を明瞭に見せることができる。
また、センター役物の一部が特別役物の前側にかかって、その装飾体の直後に発光手段を配置することができないような場合でも、特別役物の近傍で遊技盤の後面側に発光手段を配置すると共に、特別役物とセンター役物との間に配置された閉鎖部材を導光手段として用いることで、発光手段からの光をセンター役物の装飾体に導くことが可能となり、センター役物の全周に配置された装飾体を良好に発光装飾させることができ、センター役物による装飾効果を高めて、遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。また、特別役物とセンター役物との間に閉鎖部材が配置されているので、遊技媒体が受入口以外から流通空間に進入したり、排出口以外から流通空間内の遊技媒体が排出されたりするのを防止することができる。
更に、少なくとも有利遊技状態が発生すると、受入口が受入可能となると共に特別役物が移動してその流通空間が視認可能となり、その際に、遊技媒体を受入口に受入れさせると、所定数の遊技媒体が払い出されると共に受入れられた遊技媒体が特別役物の流通空間内に供給される。そして、流通空間内に供給された遊技媒体は、シーソー状の演出樋に供給され、その演出樋上を行ったり来たりして揺動させた上で、抽選結果に応じて何れかの排出口に振分けられて遊技領域外へ排出されるので、流通空間内の演出樋上を揺動する遊技媒体の動きを楽しませることができると共に、演出樋によって何れの排出口へ振分けられるかで興味を誘って遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
また、シーソー状の演出樋を備えており、演出樋をシーソーのように交互に傾動させることで、演出樋上に供給された遊技媒体が、演出樋の延びる方向に行ったり来たりして揺動することとなり、何れの端から遊技媒体が放出されるのか予見し難くすることができ、何れの排出口に振分けられるのかでハラハラ、ドキドキさせることができると共に、揺動する遊技媒体の動きを楽しませて、遊技者の興趣を高めることができる。
また、流通空間に供給された遊技媒体は、以後遊技制御に関わらない、所謂、「死球」となるので、演出樋により厳密な確率で遊技媒体を振分ける必要がなく、演出樋にかかるコストを低減させることができる。これにより、仮に、目的としない排出口へ振分けられても、流通空間に供給される前の受入検出手段による検出や抽選手段の抽選結果によって既に所定の特典が付与されるのが決定されているので、遊技者に不利な状況となることは無く、逆に目的と異なる排出口に振分けられて、意図しない特典が付与されることで、遊技者を驚かせて、興趣の高められる効果を期待することができる。
また、特別役物移動手段によって特別役物を回転させるだけで、容易に流通空間を視認可能としたり視認不能としたりすることができるので、特別役物の占める広さの領域のみで流通空間を出没させることが可能となり、特別役物の設置に係る領域を可及的に狭くすることができ、遊技機に備え易くすることができると共に、演出樋を回転傾動させる回転傾動手段の一部が隔壁部を挟んで反対側に配置されているので、流通空間側からは、回転傾動手段を目立ち難くして、相対的に流通空間内の演出樋等を目立たせて、演出樋への遊技者の関心を引き付けることができる。
また、役物回転体本体の隔壁部で分割された一方に流通空間が配置されており、流通空間が配置された側とは反対側を遊技者に向けると隔壁部によって流通空間を視認不能とすることができ、簡単な構成で流通空間を視認可能としたり視認不能としたりすることができると共に、特別役物を正面視した時の略全ての領域を流通空間とすることができ、流通空間を可及的に大きくして遊技媒体の動きをより楽しませられるものとすることができる。また、特別役物を軸方向、つまり、上下方向に延ばして流通空間を広くすることができるので、流通空間内での遊技媒体の落差を大きくすることができ、ステージによる左右方向の遊技媒体の動きとは大きく異なる上下方向の動きをさせることができ、従来の遊技機との差別化を計る事ができ、遊技者に対する訴求効果を高めることができる。
また、少なくとも始動口や受入口に遊技媒体が受入れられると、払出手段によって所定数の遊技媒体が払出されので、始動口や受入口を狙った遊技媒体の打ち込み操作を積極的に行わせて興趣の高められるものとすることができる。
更に、有利遊技状態が発生すると受入口が所定のパターンで受入可能と受入不能とを繰り返す、つまり、受入口を大入賞口や役物入賞口としているので、有利遊技状態が発生することで、遊技媒体の打ち込み操作が大入賞口や役物入賞口等としての受入口を狙った単調な操作となって飽き易くなっても、受入口に受入れられた遊技媒体が特別役物の流通空間内で種々の動きをすることで遊技者を楽しませることができ、遊技に飽き難くして興趣が低下するのを防止することができる。
また、少なくとも有利遊技状態が発生すると、特別役物の流通空間が遊技者から視認可能となるようにしているので、流通空間が視認可能となることで有利遊技状態が発生したことを認識させることができると共に、これまで視認不能であった流通空間が視認可能となることで、遊技者の関心を流通空間に向けさせることができ、流通空間内を流通する遊技媒体の動きを楽しませることができる。
更に、流通空間の演出樋によって振分けられる排出口によって、あたかも遊技制御に影響を与えいてるかのような遊技とすることができ、例えば、有利遊技状態の発生中のある段階で遊技媒体が所定の排出口に振分けられた場合は、あたかも有利遊技状態が延長されたように錯覚させたり、或いは、有利遊技状態の終了間直の段階で遊技媒体が所定の排出口に振分けられた場合は、あたかも抽選手段による所定条件を充足する抽選結果が抽選される確率を高確率に変更されるように錯覚させたりすることができ、有利遊技状態の発生中に流通空間への関心をより高められると共に、流通空間内での遊技媒体の動き、特に、演出樋により振分けられる動きによりハラハラ、ドキドキさせて興趣の高められるものとすることができる。
手段16:手段1から手段15までの何れか一つの遊技機において、
パチンコ機であることを特徴とする。
ここで、パチンコ機とは、遊技者が遊技機に投入する媒体である投入媒体と、遊技者が行う実質的な遊技に用いられる媒体である遊技媒体とを同一のものとした遊技機であり、投入された例えば遊技球等の媒体を用いて遊技が行われるタイプの遊技機の一種である。具体的には、「操作ハンドルの操作に対応して遊技球を発射する発射装置と、多数の障害釘、役物、表示手段等の適宜の機器が組み込まれたり、始動入賞口、大入賞口、通過口、到達口等の遊技球が入球する適宜の入球口が設けられた遊技領域と、発射装置から遊技領域に遊技球を導くレールと、遊技領域に導かれた遊技球の入球口への入球に応じたり、複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて、所定数の遊技球を賞球として払い出す払出手段とを具備するもの」である。
なお、パチンコ機としては、種々のタイプのものがあり、一般に「デジパチ機」と称されるものに代表される「入球口への入球状態を検出する入球状態検出手段(遊技状態検出手段として捉えることもできる)と、入球状態検出手段によって入球が検出されると所定の抽選を行う抽選手段と、抽選手段の抽選結果に応じて特別図柄を変動させると共に変動を停止させる特別図柄表示手段とを備えたもの」や「加えて、特別図柄の変動中に、複数の図柄からなる図柄列を変動表示し、図柄列にて図柄を停止表示させたり、キャラクタや種々の物品等の表示物を描写し、表示物を動作させたりする等によって適宜の演出表示を行う演出表示手段を更に具備するもの」、一般に「ハネモノ機」と称されるものに代表される「役物内での遊技球の振分けによって抽選を行う抽選手段を備えたもの」、一般に「アレパチ機」と称されるものに代表される「例えば16個等の所定個数の遊技球により1ゲームが行われ、1ゲームにおける複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて所定個数の遊技球の払出しを行うもの」等を例示することができる。
手段16の構成によると、パチンコ機において、上述した手段のいずれかの作用効果を奏することができる。
手段17:手段1から手段15までの何れか一つの遊技機において、
パチスロ機であることを特徴とする。
ここで、パチスロ機とは、投入媒体であるメダルを投入し、メダルの投入後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作によって、夫々複数の図柄が描かれた複数のリールを回転させる等して、各リール等によって構成された図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて各図柄列の変動表示を停止させる、といった遊技が遊技者によって行われるものである。換言すれば、停止操作機能付きのスロットマシーンとして捉えることができるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動表示を停止させるものであってもよい。そして、各図柄列の変動表示の停止時において、表示された単体の図柄が特定の図柄であったり、各図柄列にて表示された図柄の組合わせが特定の組合せであったりする等、特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができる遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
手段17の構成によると、パチスロ機において、上述した手段のいずれかの作用効果を奏することができる。
手段18:手段1から手段15までの何れか一つの遊技機において、
パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなることを特徴とする。
ここで、「パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機」とは、複数個(例えば5個)の遊技球を1単位の投入媒体とし、投入媒体を投入した後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動表示を停止させるものであってもよい。そして、各図柄列の変動表示の停止時において、表示された単体の図柄が特定の図柄であったり、各図柄列にて表示された図柄の組合わせが特定の組合せであったりする等、特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができる遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
手段18の構成によると、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機において、上述した手段のいずれかの作用効果を奏することができる。
このように、本発明によれば、遊技媒体の動きを楽しませることで、遊技に飽き難くして興趣が低下するのを防止することができる遊技機を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態である遊技機(以下、単に「パチンコ機」と称する。)について、各図を参照しつつ説明する。
[パチンコ機の全体構成について]図1および図2を参照しつつ説明する。
図1は、パチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれその本体枠の一側に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。図2は、パチンコ機の前側全体を示す正面図である。なお、図1および図2では、遊技領域における装飾部材を省略して図示している。
パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4および遊技盤5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の全面の片側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉自在に装着されている。なお、外枠2は、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成について]図2および図3を参照しつつ説明する。
図3は、パチンコ機の本体枠と遊技盤とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12および機構装着体13を合成樹脂等によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図1参照)の前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。前枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピンおよびヒンジ孔によって開閉回動自在に装着されている。即ち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピンおよびヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下部左側領域にはスピーカボックス部16が一体に形成され、そのスピーカボックス部16の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着板17が装着されている。そして、スピーカ装着板17にはスピーカ18が装着されている。
前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成について]図1および図2を参照しつつ説明する。
前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着されている。
前面枠4の略中央部には、遊技盤5の遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。前面枠4の後側には開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明板50が装着されている。前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が、それぞれ装着されている。
サイド装飾装置52は、ランプ駆動基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、この開口孔には、ランプ駆動基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている、音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカ57、スピーカカバー58およびリフレクタ体(図示せず)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。
また、上皿51の前面左側には、ボタン60が設けられている。このボタン60は、遊技者自身が押下可能に構成されている。遊技者がこのボタン60を押下すると、後述する演出表示装置115における演出表示に、遊技者の意思を反映することができる。なお、このボタン60に代えて、レバーまたはスイッチであってもよい。また、遊技者の音声を受け付ける音声入力手段であってもよい。即ち、遊技者の意思を反映できるものであれば良い。
[施錠装置の構成について]図1および図3を参照しつつ説明する。
前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置70が装着されている。
即ち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱自在に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱自在に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11および下部前面板30を貫通して露出されたシリンダー錠75と、を備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている。
[遊技盤装着枠の構成について]図1、図3および図4を参照しつつ説明する。
図4は、パチンコ機の後側全体を示す背面図である。図1および図3に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。
遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている(図11参照)。遊技盤5の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。
なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の間隙が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その間隙から排出され、下皿31に案内されるように構成されている。
また、遊技盤5の前面には、その案内レール78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。
一方、図4に示すように、遊技盤5の後側下部には、その中央部から下部にわたる部分において、各種入賞装置に流入した遊技球を受けかつその遊技球を所定位置まで導く集合樋としての機能とボックス装着部としての機能を兼ね備えたボックス装着台118が設けられている。
ボックス装着台118には、音声制御基板、ランプ制御基板等の副制御基板119が収納された副制御基板ボックス130が装着され、その副制御基板ボックス130の後側に重ね合わされた状態で、主制御基板131が収納された主制御基板ボックス132が装着されている。
さらに、遊技盤5の後側に対しボックス装着台118、副制御基板ボックス130および主制御基板ボックス132がそれぞれ装着された状態において、本体枠3の遊技盤装着枠12の前方から遊技盤5を嵌込んで装着できるように、遊技盤5の外郭より外側にはみ出すことなくボックス装着台118、副制御基板ボックス130および主制御基板ボックス132が配置されている。
[本体枠の機構装着体、球タンクおよびタンクレールの構成について]図7および図8を参照しつつ説明する。
図7は、パチンコ機の本体枠に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図8は、本体枠単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部133、レール装着部134および払出装置装着部135等がそれぞれ形成され、タンク装着部133には球タンク136が装着されている。
球タンク136は、透明な合成樹脂材よりなり、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク136の遊技球の貯留状態が球タンク136の後側壁を透して視認可能となっている。
また、球タンク136の底板部137の後側隅部には遊技球を放出する放出口138が形成されるとともに、底板部137は放出口138に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部133に下方に接近してレール装着部134が一体に形成され、そのレール装着部134にレール構成部材139が装着されることでタンクレール150が構成されるようになっている。即ち、この実施形態において、レール装着部134は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール150の前壁部151とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図8に向かって左側)から他端(図8に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚155が形成されている。そして、レール棚155の横方向に伸びる上向き面をレール受け部158としている。
レール装着部134に装着されてタンクレール150を構成するレール構成部材139は、レール装着部134の前壁部151との間にレール通路を構成する後壁部152と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示せず)とを一体に備えて形成されている。
レール構成部材139は、レール装着部134に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール150が構成されている。そして、球タンク136の放出口138から放出(自重によって落下)された遊技球がタンクレール150の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。
また、この実施形態において、レール構成部材139は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材139の後壁部152を透して視認可能となっている。
タンクレール150(レール装着部134)の前壁部151は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えばセンター役物300)における後部の上端部との干渉を避けるため第一空間部を隔てた状態で設けられている。
また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚155の後端と、タンクレール150の後壁部は、球タンク136の後側壁と略同一面をなしている。換言すれば、球タンク136の後壁部に対しタンクレール150の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール150が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール150の前壁部151との間にセンター役物300の後部との干渉を避けるための第一空間部が設けられるようになっている。
タンクレール150の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体156がその上部において軸157を中心として揺動可能に装着されている。この整流体156には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部および球払出装置の構成について]図7および図8を参照しつつ説明する。
本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)170に対応する縦長の払出装置装着部135が形成されている。払出装置装着部135は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。
また、払出装置装着部135の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置170の払出用モータ172(図3参照)が突出可能な開口部173が形成されている。
払出装置装着部135の凹部に球払出装置170が装着された状態において、遊技盤5との間には、第一空間部と前後方向に略同一レベルとなる第二空間部が設けられている。これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。
また、本体枠3の後端、即ち、払出装置装着部135の周壁部後端、レール棚155の後端、球タンク136、タンクレール150および球払出装置170のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関す各種部品が装着されることでユニット化されている。
なお、球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部の後方開口部から嵌め込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置170は、タンクレール150におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球および貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球および貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について]図3および図4を参照しつつ説明する。
本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図4に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを差動する発射モータ192等が取付基板193に組み付けられてユニット化された発射装置ユニット194が装着されている。
前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板195を収容する電源基板ボックス196が装着され、その電源基板ボックス196の後側に重ね合わされた状態で払出制御基板197を収容する払出制御基板ボックス198が装着されている。
払出制御基板197は、遊技球を払い出す数を記憶するRAMを備え、主制御基板131から送信される払出用信号に従って遊技球を払い出す制御信号を中継用回路基板(図示しない)に伝達して払出用モータ172を作動制御するようになっている。
[後カバー体の構成について]図4および図5を参照しつつ説明する。
図5はパチンコ機の後側全体を右上後方から示す斜視図である。
遊技盤5後面に配置された表示装置制御基板ボックス117(図9参照)および主制御基板ボックス132の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。
機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他端壁を構成する払出装置装着部135の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体210がカバーヒンジ機構211によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体210は、略四角形状の後壁部212と、その後壁部212の外周縁から前方に向けて突出された周壁部213とから一体に構成されている。後カバー体210の周壁部213のうち、一側の壁部213aには、機構装着体13の後壁部の上下および中間の計3箇所に形成されたヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌め込まれるヒンジピン215を下向きに有するヒンジ体216が一体に形成されている。
また、後カバー体210の周壁部213のうち、他側の壁部213bには、払出装置装着部135の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体217が一体に形成されている。
即ち、後カバー体210は、その上下および中間のヒンジ体216の各ヒンジピン215が機構装着体13の側壁部のヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌め込まれる。この状態で、ヒンジピン215を中心として後カバー体210が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体217を払出装置装着部135の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体210が閉じ状態で保持される。そして、後カバー体210によって、遊技盤5後面の表示装置制御基板ボックス117(図9参照)全体および主制御基板ボックス132の略中間部から上端にわたる部分が後カバー体210によって覆われるようになっている。これによって主制御基板ボックス132の上部に露出された主制御基板131の基板コネクタ(主として表示装置制御基板116と接続するための基板コネクタ)が後方から視認不能に隠蔽されている。
また、主制御基板ボックス132の略中間部から下端にわたる部分は後カバー体210によって覆われることなく露出されている。そして、主制御基板ボックス132の下部には、その主制御基板131上に配置された検査用コネクタ218が露出されており、後カバー体210が閉じられた状態で主制御基板131上の検査用コネクタ218に基板検査装置(図示しない)を接続して検査可能となっている。
後カバー体210には、多数の放熱孔230,231,232,233が貫設されており、これら多数の放熱孔230,231,232,233から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体210には、その周壁部213から後壁部212に延びる多数のスリット状の放熱孔230が貫設され、後壁部212の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔231が貫設され後壁部212の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔232と所定数の横長四角形状の放熱孔233が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔233は、主制御基板ボックス132の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部235の列の大きさおよび配設位置に対応する大きさおよび位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の複数の並列状の封印部235が放熱孔233の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の封印部235の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体210を安価に製作することができる。
後カバー体210の周壁部213のうち、上側壁部213cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体237が上方のタンクレール150の後壁面(レール構成部材139の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体237の先端部には、同コード保持体237を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板238の基板コネクタ239に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体210にコード保持体237を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機1を運搬・保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成について]図2および図6を参照しつつ説明する。
図6は、図5に示すパチンコ機の斜視図から後カバー体および各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体253が装着されている。この下皿用球誘導体253は、球払出装置170の賞球および貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体253の後壁外面には、インターフェース基板252を収納している基板ボックス254が装着されている。なお、インターフェース基板252は、パチンコ機1に隣接して設置される貸球機と払出制御基板197との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と払出制御基板197との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
[遊技盤の構成について]図10〜図36を参照しつつ説明する。
図10は、遊技領域を有した遊技盤の構成を示す拡大正面図である。図11は、遊技盤を斜め前方から示す斜視図である。図12は、遊技盤を主要な構成部品毎に分解して斜め前方から示す斜視図である。図13は、遊技盤を主要な構成部品毎に分解して斜め後方から示す斜視図である。
図10および図11に示すように、遊技盤5は、遊技領域37を形成する略円形の遊技領域形成壁80を有している。この遊技領域形成壁80の内側(遊技領域37側)であって且つ左側には、遊技球を遊技領域37に案内する外レール76および内レール77からなる案内レール78が設けられている。発射装置ユニット194(図7参照)から発射された遊技球は、案内レールに沿って遊技領域37に向けて打ち込まれる。
遊技領域37の中央部には、センター役物300が配置されている。このセンター役物300は、遊技領域37の幅方向のうち3分の2以上の幅を占める大きさである。センター役物300は略長方形の開口部301を有しており、この開口部301には演出表示装置115が配置されている。また、センター役物300は枠状装飾体370を有しており、この枠状装飾体370は、開口部301の開口縁に沿って設けられている。
センター役物300の下方には、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球を受入れ可能な第一始動口390が配置されている。第一始動口390の下方には、一対の可動片396を有する第三始動口394(第二始動口については後述する)が配置されている。第三始動口394は、一対の可動片396が閉状態であるときは遊技球を受入れることが不可能または受入れ困難となっており、この一対の可動片396が開状態であるときは、第一始動口390よりも遊技球の受入れが容易となる。
なお、本実施形態において、「下方」とは、遊技球の流下方向についての下流側を意味し、「上方」とは、遊技球の流下方向についての上流側を意味する。
第一始動口390の真上であって且つ枠状装飾体370の下枠370aには開口部372が形成されている。
センター役物300の上部には、第一開閉装置398が設けられている。この第一開閉装置398は、第一大入賞口398aと、この第一大入賞口398aに対応して設けられた第一大入賞口開閉扉398bとを有している。第一大入賞口398aは、遊技球の受入れが可能な開口部である。第一大入賞口開閉扉398bは、第一大入賞口398aを、遊技球の受入れが可能な開状態と遊技球の受入れが不可能または困難にする閉状態とに切り換えるための部材である。
なお、第一大入賞口開閉扉398bの構成は、第一大入賞口398aを開閉させることができればその態様は限定されないが、本実施形態では、遊技盤5の遊技領域37が形成された面を横切る方向(即ち前後方向)に出し入れ自在に構成されている。
また、本実施形態において、「前後方向」とは、遊技盤5の面に対して直交する方向、即ち、遊技者からみた前後方向を意味する。
第三始動口394の下方には、第二開閉装置400が設けられている。この第二開閉装置400は、第二大入賞口400aと、この第二大入賞口400aに対応して設けられた第二大入賞口開閉扉400bとを有している。第二大入賞口400aは、遊技球の受入れが可能な開口部である。第二大入賞口開閉扉400bは、第二大入賞口400aを、遊技球の受入れが可能な開状態と遊技球の受入れが不可能または困難にする閉状態とに切り換えるための部材である。
センター役物300の左側には、遊技球が通過可能な通過ゲート402が設けられており、センター役物300の左下方(第一始動口390および第三始動口394の左側)には、三つの一般入賞口404が設けられている。
また、本実施形態において、「左側」とは、遊技者からみた左側を意味する。
センター役物300の右下には、後述する第一特別図柄抽選手段700による抽選結果を表示する第一特別図柄表示器84、第二特別図柄抽選手段710による抽選結果を表示する第二特別図柄表示器86、第一特別図柄抽選手段700による抽選の保留数を表示する第一保留表示器88および第二特別図柄抽選手段710による抽選の保留数を表示する第二保留表示器90が設けられている。
これらの各表示器84,86,88,90は、例えばLEDで構成されており、このLEDの点灯態様によって、第一特別図柄抽選手段700による抽選結果、第二特別図柄抽選手段710による抽選結果、第一特別図柄抽選手段700による抽選の保留数および第二特別図柄抽選手段710による抽選の保留数が報知される。
本実施形態の遊技盤5は、主要な構成部品毎に分解すると、図12及び図13に示すように、前側から、案内レール78を備えた前構成部材79と、枠状のセンター役物300と、第二開閉装置400、第三始動口394、及び一般入賞口404を備えた入賞口ユニット260と、通過ゲート402を備えたサイド装飾部材262と、前側からセンター役物300、入賞口ユニット260、及びサイド装飾部材262を取付けるための適宜大きさの貫通孔264を複数有した板状の遊技盤ベース266と、遊技盤ベース266の後側に取付けられる枠状開口部を有した裏ユニット270と、裏ユニット270の開口部を後側から閉鎖するように裏ユニット270に固定される演出表示装置115と、裏ユニット270の下側に配置されると共に遊技盤ベース266の後面側に取付けられ、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132を支持し且つ遊技領域37に打ち込まれた遊技球を遊技盤5から排出するアウト口流路を有した基板ボックスホルダ268とを主に備えている。
(センター役物における第一、第二、及び第三ステージについて)
センター役物300は、図10及び図11に示すように、枠状装飾体370の下枠370a付近に、第一棚部(以下、「第一ステージ330」と称する。)と、遊技球の流下方向について第一ステージ330よりも下流側に配置された第二棚部(以下、「第二ステージ350」と称する。)とを有している。第二ステージ350が配置されている位置は、第一ステージ330に対して演出表示装置115の反対側(即ち前方(遊技者)側)である。
枠状装飾体370の左枠370bの上下方向の略中央付近(即ち枠状装飾体370の側方)には、流下する遊技球を、第一ステージ330まで誘導するための第一ステージ誘導路(以下、「第一ワープ316」と称する。)に受入れ可能な第一ワープ入口306が設けられている。
また、第一ワープ入口306の下方には第二ステージ誘導路(以下、「第二ワープ318」と称する。)に受入れ可能な第二ワープ入口308が、第一ワープ入口306と並設されている。
第一ワープ入口306および第二ワープ入口308の下方には、それぞれ、第一ワープ入口306に遊技球を誘導する第一ワープ誘導片(図示せず)および第二ワープ入口308に遊技球を誘導する第二ワープ誘導片310が設けられている。この第二ワープ誘導片310は、枠状装飾体370から左方(即ち、センター役物300から遊技領域37)に向けて突出している。これにより、第二ワープ入口308が第一ワープ入口306よりも遊技球が導かれ易くなっている。従って、遊技球が第一ワープ入口306に導かれなかった場合であっても、第二ワープ入口308に受入れられる期待感が高まり、興趣が高められる。
第一ステージ330には、第一ワープ出口側端部336から第一ワープ反出口側端部338にかけて波状に形成された曲面が形成されている。詳しくは、上方向に膨らんだ山部332が第一ステージ330の左右方向の略中央部に形成されており、この山部332の左右両側には、山部332と連続的に連なった谷部334が形成されている。
なお、山部332の高さは、第一ワープ出口側端部336および第一ワープ反出口側端部338よりも低い位置となっている。これにより、第一ワープ出口312から排出された遊技球は、山部332を乗り越えることができ、第一ワープ出口側端部336第一ワープ反出口側端部338との間を往復して転動することができる。
第二ステージ350の略中央部には、高台部352が形成されている。この高台部352は、第一ステージ330の山部332の前方に位置している。第二ステージ350は、高台部352の他、第二ワープ出口側端部356からこの高台部352にかけて曲面が形成された湾曲部354を有している。また、第二ワープ反出口側端部358から高台部352にかけて曲面が形成された湾曲部354を有している。これらの湾曲部354は、高台部352よりも下方に湾曲している。
なお、高台部352の高さは、第二ワープ出口側端部356および第二ワープ反出口側端部358よりも低い位置である。これにより、第二ワープ出口314から排出された遊技球は、高台部352を乗り越えることができ、第二ワープ出口側端部356から第二ワープ反出口側端部358との間を往復して転動することができる。
第一ワープ入口306および第二ワープ入口308に受入れられた遊技球は、それぞれ、第一ワープ出口312および第二ワープ出口314から排出されて、第一ステージ330および第二ステージ350に導かれる。
なお、第一ワープ316における遊技球の流下方向と第一ステージ330における遊技球の転動方向とが略同一線上にあるので、第一ワープ316を流下した遊技球は、運動エネルギーの損失が少ない。即ち、第一ワープ316を流下した遊技球がその進行方向を変えられると運動エネルギーが損失してしまう。従って、第一ワープ316を流下した遊技球は、第一ステージ330上を勢い良く転動する。同様に、第二ワープ318における遊技球の流下方向と第二ステージ350における遊技球の転動方向とが略同一線上にあるので、第二ワープ318を流下した遊技球も、運動エネルギーの損失が少ない。これにより、第一ステージ330に導かれた遊技球および第二ステージ350に導かれた遊技球は、いずれも、第一ステージ330上および第二ステージ350上を勢い良く転動し、各ステージ上330,350に滞在する時間が長くなり、その結果各ステージ330,350において遊技球が遊ぶこととなり、興趣が高められる。
また、本実施形態において、第一ステージ330および第二ステージ350には、センター役物300の右側からは遊技球が導かれない。即ち、第一ステージ330および第二ステージ350にはセンター役物300の左側からのみ遊技球が導かれるので、第一ステージ330上および第二ステージ350上を転動する遊技球が、反対方向から導かれた遊技球によって転動を阻害されることがない。これにより、各ステージ上330,350に滞在する時間が長くなり、その結果各ステージ330,350において遊技球が遊ぶこととなり、興趣が高められる。
枠状装飾体370の下枠370a付近であって且つ演出表示装置115と第一ステージ330との間には、演出表示装置115に隣接するセンター電飾部302が形成されている。このセンター電飾部302には、センター役物300の幅方向に沿って棚状の曲面が形成されており、この曲面には、複数のセンター装飾ランプ304が配置されている。
センター電飾部302の左右方向の略中央部であって且つ第一ステージ330の山部332に対応する位置には、遊技球を受入れ可能な第二始動口392が形成されている。即ち、第二始動口392は、遊技球の流下方向である第二ステージ350側ではなくその反対方向(第一ステージ330の後方側)に設けられている。これにより、遊技者から見て遊技球の第二始動口392への入賞を視認し易くなる。これは、第二ステージ350が第一ステージ330よりも下方に形成されており且つ第一ステージ330と第二ステージ350との間に後述するステージ仕切壁364が設けられているからである。
また、第一ステージ330の山部332には、第二始動口392に遊技球を導くための第二始動誘導口340が形成されている。この第二始動誘導口340は、山部332から第二始動口392にかけて下方に傾斜しており、これにより、第二始動口392に遊技球が導かれるようになっている。従って、第一ステージ330上を転動している遊技球が山部332付近で転動する勢いがなくなったとき、この第二始動誘導口340によって第二始動口392に導かれ易くなる。
なお、第二始動口392に入賞した遊技球は、遊技盤5の背後に連通する排出路(図示せず)を通って、遊技盤5の背後に排出される。
第一ステージ330の谷部334には、第二ステージ350に遊技球を流下させるための第一ステージ傾斜溝342が形成されている。この第一ステージ傾斜溝342は、谷部334から第二ステージ350にかけて(即ち、後方から前方に向けて)下方に傾斜しており、これにより、第二ステージ350に遊技球が導かれるようになっている。従って、第一ステージ330上を転動している遊技球が山部332を乗り越える勢いがなくなったとき、この第一ステージ傾斜溝342によって第二ステージ350に導かれ易くなる。第一ワープ出口側端部336と第一ワープ反出口側端部338との間を往復して転動するだけの勢いがなくなった遊技球は、山部332から第三始動口394に入賞する可能性よりも、谷部334から第二ステージ350に導かれる可能性の方が極めて高い。
第一ステージ330と第二ステージ350との間には、各ステージ330,350を仕切るための薄い板状のステージ仕切壁364が設けられている。このステージ仕切壁364は第一ステージ330上の面よりも上方向に突出するように配置されており、これにより、第一ステージ330上を転動する遊技球が第二ステージ350に流下しないようになっている。ただし、ステージ仕切壁364の第一ステージ330の谷部334に対応する位置には、第一ステージ330(具体的には谷部334)と第二ステージ350とが連通する連通部366が形成されている。連通部366付近で左右に転動する勢いがなくなった遊技球は、連通部366を通って第一ステージ330から第二ステージ350に流下する。
第二ステージ350の左右方向の略中央部(即ち、第一ステージ330の山部332に対応する部位)であって且つ高台部352に対応する位置には、第一始動口誘導路374を介して枠状装飾体370の下枠370aに形成された開口部372に連通する第一始動誘導口368が形成されている。即ち、第一始動誘導口368は、遊技球の流下方向側ではなくその反対方向(第二ステージ350の後方側)に設けられている。これにより、遊技者から見て遊技球が第一始動誘導口368に受入れられることを視認し易くなる。
第一始動誘導口368に導かれた遊技球は、第一始動口誘導路374を通って開口部372から遊技盤5上に排出される。ここで、第一始動口誘導路374は第一始動口390の真上方まで遊技球を導くように形成されているので、第一始動口誘導路374に導かれて遊技盤5面側に排出された遊技球が第一始動口390に入賞する期待感は非常に大きなものとなる。ただし、第一始動口390の真上には釘が配置(図示せず)されており、この釘によって第一始動口390への遊技球の入賞が阻害されることがある。従って、第一始動口誘導路374を通って開口部372から遊技盤5上に排出された遊技球が第一始動口390に入賞する確率は、概ね4分の1〜4分の3程度となる。
高台部352の左右方向の略中央部は第一始動誘導口368の位置に対応しており、高台部352の両端から略中央部にかけて(即ち、第一始動誘導口368側に向けて)下方に傾斜する傾斜部353を有している。また、高台部352の略中央部には、後述する第三棚部(以下、「第三ステージ376」と称する。)に遊技球を導くための前方傾斜溝360が形成されている。また、前方傾斜溝360の内側にはさらに、遊技球を第一始動誘導口368に導くための第一始動誘導口誘導溝362が形成されている。即ち、高台部352の略中央部には、後方から前方に向けて下方に傾斜する前方傾斜溝360が形成されていると共に、この前方傾斜溝360の内部にさらに、前方から後方にかけて下方に傾斜する第一始動誘導口誘導溝362が形成されていることとなる。これにより、前方傾斜溝360付近で左右に転動する勢いがなくなった遊技球は、第一始動誘導口誘導溝362に沿って第一始動誘導口368に導かれる場合と、前方傾斜溝360に沿って第三ステージ376に流下する場合とがある。
また、枠状装飾体370の下枠370aには、左右方向に円弧を描くように曲面が形成された第三ステージ376が形成されている。遊技球は、この第三ステージ376上を左右方向に転動可能となっている。第三ステージ376の左右方向の略中央部には、後方から前方にかけて下方に傾斜する前方誘導溝378が形成されている。この前方誘導溝378付近で左右に転動する勢いがなくなった遊技球は、前方誘導溝378に沿って遊技盤5上を流下する。
このように、高台部352の略中央部に第一始動誘導口誘導溝362が形成されているので、第一始動誘導口368に遊技球が導かれる期待感は、山部332から第二始動口392に入賞する期待感よりも極めて高くなる。また、第二始動口392には第一ワープ入口306からセンター役物300内に受入れられた遊技球のみが入賞可能である一方、第一始動口390には第一ワープ入口306または第二ワープ入口308からセンター役物300内に受入れられた遊技球のみでなく、センター役物300の左側を流下した遊技球が、釘によって誘導されて第一始動口390に入賞する場合もある。このように、第一始動口390に遊技球が入賞する確率は、第二始動口392に遊技球が入賞する確率よりも高いものとなる。
(センター役物における第一、第二ワープ、及び光透過部材について)
図14は、遊技盤を斜め前方から示す斜視図であって、装飾カバーを取り外すことによって第一ワープおよび第二ワープを視認可能とした斜視図である。図15は、第一ワープおよび第二ワープの周辺の構成を示す斜視図である。図16は、光透過部材と第一ワープおよび第二ワープとの位置関係を示した図である。図17は、図16とは異なる位置の光透過部材の構成を示す分解斜視図である。図18は、図17に係る光透過部材を含む断面図である。
図14に示すように、第一ワープ316および第二ワープ318は、互いに区画して形成されている。即ち、第一ワープ入口306から取り込まれた遊技球は第一ワープ316のみを流下し、第二ワープ入口308から取り込まれた遊技球は第二ワープ318のみを流下する。これにより、第一ワープ入口306から取り込まれた遊技球と第二ワープ入口308から取り込まれた遊技球とが互いに干渉することなく、それぞれ、第一ステージ330および第二ステージ350に導かれる。
また、第一ワープ316および第二ワープ318は、いずれも、内部を流下する遊技球を視認可能であるように透明部材で構成されている。これにより、第一ワープ入口306または第二ワープ入口308から受入れられた遊技球を視認できる。つまり、従来では遊技者は、センター役物300や演出表示装置115に注意を惹かれていることが多いため、第一ワープ入口306または第二ワープ入口308に遊技球が受入れられたことを見逃す場合が多く、これにより興趣が低下していた。そこで、第一ワープ316および第二ワープ318を透明部材とすることによって、第一ワープ入口306または第二ワープ入口308に遊技球が受入れられたことを見逃した場合であっても、第一ワープ316および第二ワープ318を流下する遊技球を視認できるので、興趣の低下を抑制できる。
さらに、第一ワープ316および第二ワープ318は、互いに前後方向に隣接してセンター役物300の開口部301に沿って配置されている。詳しくは、第一ワープ316が後方側、第二ワープ318が前方側となるように、互いに隣接すると共に、センター役物300の開口部301に沿って設けられている。これにより、狭いスペースであっても、両者を効率良く配置できる。
また、図15に示すように、第一ワープ316および第二ワープ318の後方には、演出用の光源380が配置される。光源380は、ベース382と複数個のLED384とを有しており、ベース382に複数個のLED384が配列されている。なお、光源380(ベース382およびLED384)、装飾カバー386および光透過部材388によって電飾部材379が構成される。
光源380から発光された光は、光透過部材388に入射し、平面部388aに沿って光透過部材388を透過して遊技盤5の前方に導かれる。光透過部材388は、湾曲された板状の部材であって、透明のプラスティック等の樹脂により構成されている。光透過部材388は平面部388aと、この平面部388aに交差する端部388bとを有している。光透過部材388は、この端部388bが前方側(遊技者側)となるように配置される。
第一ワープ316、第二ワープ318および光透過部材388は、着色された非透明の装飾カバー386によって被覆されている。光透過部材388を透過した光は、装飾カバー386まで導かれるので、装飾カバー386の前面部が発光する。このように、光透過部材388は、光源380から発光された光を前方に導いて線状に発光させることができる。しかも、この光透過部材388は平面部388aの幅方向長さ分だけ光を前方に導くことができるので、光源380を配置する位置の自由度が大きくなる。
また、装飾カバー386が着色されることによって、第一ワープ316および第二ワープ318が視認し難くなっている。従って、装飾カバー386の前面部には、第一ワープ316を流下する遊技球を視認できるように第一ワープ視認孔386aと、第二ワープ318を流下する遊技球を視認できるように第二ワープ視認孔386bとが形成されている。これにより、着色された光による演出を行うことができると共に、第一ワープ316および第二ワープ318を流下する遊技球を視認することができ、興趣が高められる。
更に、図16に示すように、第一ワープ316および第二ワープ318は、光透過部材388の平面部388aに沿って取り付けられる。ここで、光源380から発光された光は光透過部材388の端部388bから前方に導かれるので、遊技球が流下する経路を、光源380から発光された光によって容易に把握することができる。
また、第一ワープ316および第二ワープ318が互いに前後方向に隣接して配置されているので、第一ワープ316および第二ワープ318のそれぞれに光源380および光透過部材388を設けることなく、第一ワープ316および第二ワープ318のそれぞれを流下する遊技球を把握することができる。
また、光透過部材388を透過した光は端部388bから出射するので、線状に発光させることができる。これにより、センター役物300の周囲に沿う場所等、狭い場所であっても発光させることが可能になり、華やかな演出の実行が可能となる。さらに、センター役物300の開口部301に沿って発光させたい場合のように、枠状に発光させることも可能となる。
また、この光透過部材388の端部388bには、平面部388aが正面視となる方向から見て蒲鉾形に形成されている。これにより、平面部388aを透過した光が、直線的に前方に導き出されるのではなく端部388bの長手方向に沿う方向に分散されるので、発光領域が大きくなり、より華やかに見え、興趣が高められる。
本実施形態のセンター役物300における外周に配置された電飾部材379の内、センター役物300の正面視右下側の電飾部材379、つまり、各ステージ330,350,376よりも下方に延びだし、普通図柄表示器82、第一及び第二特別図柄表示器84,86、第一及び第二保留表示器88,90の近傍(左側)に配置された電飾部材379では、図17及び図18に示すような、形状に特徴のある光透過部材389が用いられている。
この光透過部材389は、上記の光透過部材388と同様に、所定厚さの透明板からなり、光源380のLED384からの光が直接照射される入射側端部389aと、入射側端部389aの反対側、つまり、装飾カバー386側に配置され、入射側端部389aから光透過部材389内に進入した光を外部へ放射する放射側端部389bとを備えている。この放射側端部389bの表面は、細かい凸状レンズが形成されており、放射される光が拡散するようになっている。
また、光透過部材389には、放射側端部389b側から、入射側端部389aに向かうV字形状の切欠き部389cが形成されており、この切欠き部389cにおける光透過部材389の長手方向先端部側(図中上側)の端面が第一光誘導部389dとされている。この第一光誘導部389dは、入射側端部389aから入射した光が、光透過部材389の長手方向に反射誘導するような面形状とされている。
この第一光誘導部389dによって、入射端部側389a側から入った光が光透過部材389の内部で第一光誘導部389dに到達すると、その光の一部が第一光誘導部389dで光透過部材389の長手方向に沿った方向に反射し、光透過部材389内部をその長手方向の先端部側に向かって光が進むこととなる。なお、第一光誘導部389dでは反射されずに、第一光誘導部389dから光透過部材389の外部へ放射される光があり、外部へ放射された光は、切欠き部389c前方の装飾カバー386を照射することとなる。
また、光透過部材389には、切欠き部389cにおける第一光誘導部389dが配置された側と同じ側の長手方向先端部(図中上側端部)には、光透過部材389の長手方向に沿ってその内を進んできた光を、放射側端部389b側に反射誘導させる第二光誘導部389eが形成されている。この第二光誘導部389eは、長手方向先端に向かう入射側端部389aの端面から鋭角となるような角度に形成された複数の傾斜面を有している。図示するように、これら傾斜面は夫々異なる角度とされており、本例では鋸形状とされている。この第二光誘導部389eによって、光透過部材389内を長手方向先端側に向かって進んできた光を放射側端部389bに向かって反射させて、放射側端部389bから放射できるようになっている。
本例の光透過部材389によると、所定位置に配置された光源380からの光を、入射側端部389aから内部に進入させた上で、第一光誘導部389dで反射させてその光軸をパチンコ機1の前後方向に対して略直角方向である光透過部材389の長手方向に向けさせて、第一光誘導部389dから所定距離離れた第二光誘導部389eへと送り、第二光誘導部389eでは長手方向に進んできた光を、パチンコ機1の前方向へ反射させることで第二光誘導部389eの前側にある放射側端部389bから放射して、その前方の装飾カバー386に照射することで、光装飾することができるようになっている。
つまり、本例の光透過部材389によると、装飾カバー386における光源380の真正面に配置されていない部位に対しても、光源380からの光を照射させることができるので、真後ろに光源380が配置できなくても装飾カバー386全体に光を照射して、装飾カバー386を良好に光装飾することができる。
(裏ユニットと演出表示装置との関係について)
図19は、裏ユニットと演出表示装置とを組付けた状態で前方から示す斜視図である。図20は、図19を後方から示す斜視図である。図21は、裏ユニットを後方から示す斜視図である。図22は、演出表示装置の背面図である。図23は、裏ユニットと演出表示装置等とを分解して前方から示す斜視図である。
図示するように、本例では、裏ユニット270の後側に、演出表示装置115が着脱可能に取付けられるようになっている。具体的には、図21に示すように、裏ユニット270には、裏箱410における略矩形状に形成された開口部412の内周で、上下に延びる一方側(背面視で左側)に上下に離反して形成される二つの着脱溝414と、着脱溝414とは左右方向反対側(背面視で右側)で裏箱410の後面に配置され着脱レバー416を有した着脱機構418とを備えている。
着脱機構416の着脱レバー416は、裏箱410における開口部412の中心を向く側が開放された上下方向に長い断面箱型形状とされると共に、裏箱410の後面に上下方向にスライドできるように保持されている。この着脱レバー416の後面側には、上下方向の略中央で後側に突出するツマミ部416aと、ツマミ部416a下側の後面が切り欠かれて後側に開放された開放部416bとを備えている。
一方、演出表示装置115は、図22に示すように、その外形が略矩形状に形成されており、左右一方の側面(背面視左側の側面)で上下方向に互いに離反した位置に形成され、外方に向かって突出する二つの着脱突起420と、着脱突起420が形成された側面とは反対側の他方の側面(背面視右側の側面)で上下方向の略中央に形成され、外方に向かって突出する着脱係止部422とを備えている。これら、着脱突起420及び着脱係止部422は、裏ユニット270の着脱溝414及び着脱機構418と対応するように形成されている。
裏ユニット270への演出表示装置115の取付けは、裏箱410における着脱機構418の着脱レバー416を上側にスライドさせた状態で、演出表示装置115の表示画面を前側に向けて裏ユニット270の後側に配置し、二つの着脱突起420を着脱溝414に挿入すると共に、着脱係止部422を着脱レバー416の開放部416bから着脱機構418内に挿入する。そして、着脱レバー416を下側にスライドさせることで、着脱係止部422の後側が着脱レバー416の後面に覆われて、着脱係止部422が係止され演出表示装置115が裏ユニット270へ取付けられることとなる。
なお、演出表示装置115が裏ユニット270へ取付けられることにより、裏箱410の開口部412が演出表示装置115によって閉鎖されと共に、裏箱410の剛性が高くなるようになっている。
また、裏ユニット270における着脱溝414は、裏箱410と、裏箱410の後側に固定された演出用役物裏球経路上部材424(詳細な構成及び作用は後述する)との協働によって形成されるようになっている。この演出用役物裏球経路上部材424は、後側から所定のビスによって裏箱410に固定されていると共に、裏ユニット270の裏箱410や、演出表示装置115とは明らかに異なる色に着色されており、それらと容易に識別できるようになっている(図20、図21等を参照)。
ところで、故障等により演出表示装置115を裏ユニット270からはずす場合、演出表示装置115を固定する着脱機構418においては着脱レバー416のツマミ部416aの存在により、そこに着脱するための着脱機構418があることを、容易に作業者に認識させることができる。しかしながら、着脱機構418で着脱係止部422の係止を解除しても、着脱突起420が着脱溝414に挿入嵌合されているので、演出表示装置115を後側へ引っ張っただけでは取り外すことができず、作業者に取り外し方法を考えさせてしまい作業にかかる時間が長くなったり、無理に取り外して破損したりする恐れがある。
しかしながら、本実施形態では、演出用役物裏球経路上部材424が、容易に識別できるようになっており、演出用役物裏球経路上部材424が別部材で取り外せることを即座に認識させることができるので、演出表示装置115を取り外す際に、演出用役物裏球経路上部材424を取り外させて、演出表示装置115の取り外しを容易に行わせることができ、取り外しにかかる時間を結果的に短くすることができると共に、無理な取り外しにより裏ユニット270等が破損するのを防止することができるようになっている。
(裏ユニットの全体構成について)
図24は、演出用役物を含む遊技盤の構成を示す正面図である。図25は、遊技盤の後方に取り付けられる裏ユニットを、正面上前方から示す斜視図である。図26は、遊技盤の正面図である。図27は、図26に示されるA−A線断面図である。図28は、裏ユニットを主要な部材毎に分解して前方から示す斜視図である。
図示するように、本実施形態のパチンコ機1には、遊技領域37に配置され、遊技球を用いた演出を行うことが可能な演出用役物430が備えられている。この演出用役物430は、センター役物300の内側であって且つ枠状装飾体370の右枠370cに隣接する部位に配置されており、第一大入賞口398aから受入れられた遊技球を用いて演出を行なうものである。
この演出用役物430は円筒状の役物回転体432を有しており、この役物回転体432の内部には、図24に示すようにフィギュア434が収容されている。この役物回転体432は、円周方向の一部が、内部を視認できる透明部材で構成されており、円周方向の一部とは異なる他の部が、内部を視認できない不透明部材で構成されている。ただし、透明部材に代えて開口部が形成されていても良い。内部に収容されたフィギュア434を視認できればその態様は限定されない。
この演出用役物430の役物回転体432は、長手方向に伸びる中心(即ち役物回転体432の長手方向を横切る断面の中心線)を回転中心として回転自在に構成されている。従って、その回転位置によって、遊技者からフィギュア434を視認できたりまたは視認できなかったりする。即ち、不透明部材が前方(遊技者側)となる場合にはフィギュア434を視認できず(図10参照)、透明部分が前方となる場合にはフィギュア434を視認することができるようになっている(図24参照)。
なお、「遊技盤5に対して回転自在」とは、遊技盤5に取り付けられていることを意味するのではなく、遊技盤5に取り付けられているか否かに拘わらず、遊技盤5に対して回転自在であれば良い。
このフィギュア434を視認できないとき、役物回転体432の前面には「歌姫伝説」の文字を視認することができる。詳細な構成は後述するが、この文字は光を透過可能な透明部材で構成されており、また、この文字の後方にはLED等の光源が配置されている。この光源から遊技盤5の前方に向けて発光させると、「歌姫伝説(装飾文字)」が点灯する。そして、光源の点灯態様を様々な態様とすることで、演出用役物430を装飾部材として用いることもできるようになっている。
つまり、この演出用役物430は、役物回転体432が、フィギュア434が視認できる演出位置と、フィギュア434が視認できず「歌姫伝説」の装飾文字が視認できる装飾位置との間を任意に回転可能な構成となっている。
従って、演出用役物430は、フィギュア434を視認できるとは演出用役物430として機能し、フィギュア434を視認できないとき(即ち装飾文字を視認できるとき)は装飾部材として機能するので、遊技盤5の領域を有効に活用できると共に、役物回転体432を回転させることによって遊技者に意外性を与えることができるので興趣が高められる。
また、図25及び図27に示すように、演出用役物430と第一開閉装置398との間には、第一大入賞口398aから受入れられた遊技球を演出用役物430に向けて導く役物誘導路436が設けられている。
この役物誘導路436は、第一開閉装置398から演出用役物430に向けて下方に傾斜している(図25参照)。これにより、第一大入賞口398aに受入れられた遊技球は、演出用役物430に向けて役物誘導路436上を転動する。また、役物誘導路436は透明な樹脂部材で構成されており、これにより、役物誘導路436上を転動する遊技球を視認することができるようになっている。
ここで、上述した演出用役物430、役物誘導路436等は、裏箱410に夫々支持されるようになっており、裏ユニット270を構成する構成部材とされている。つまり、裏ユニット270は、第一大入賞口398aを有した第一開閉装置398と、第一開閉装置398の第一大入賞口398aに受入れられた遊技球を誘導する役物誘導路436と、役物誘導路436によって誘導された遊技球が内部に進入することで遊技球を用いた演出を行うことができる演出用役物430と、第一開閉装置398、役物誘導路436、及び演出用役物430等を夫々所定位置に保持すると共に前後方向に貫通する矩形状の開口部412を有した裏箱410とを主に備えている。
また、裏ユニット270には、演出用役物430の上部に配置され役物誘導路436により誘導された遊技球を、演出用役物430内、又は外(演出用役物430内に進入させることなく外部へ排出する)の何れかに振分ける振分機構438と、振分機構438によって演出用役物430外へ振分けられた遊技球が流通する演出用役物裏球経路上部材424と、演出用役物裏球経路下部材426(図43参照)とを更に備えている。なお、図28中符号440は、後述のランプ駆動基板688を収容したランプ駆動基板ボックスである。
更に裏ユニット270には、上述したセンター役物300における枠状装飾体370を光装飾するための複数の光源380と、ステージ330,350,376近傍に配置されたセンター電飾部302の光源となるセンター装飾ランプ304等を有したセンター光源部442とを備えている(図25及び図28等を参照)。このセンター光源部442は、図示は省略するが、複数のLEDを有したベース基板と、ベース基板の上側に配置されLEDからの光を拡散させる拡散レンズとを備えており、センター電飾部302の他に、各ステージ330,350,376等を光装飾できるようになっている。
この裏ユニット270では、図示するように、上部に振分機構438が備えられた演出用役物430、役物誘導路436、各光源380、及びセンター光源部442等が、前側から裏箱410に取付けられるようになっている。また、第一開閉装置398、演出用役物裏球経路上部材424、演出用役物裏球経路下部材426、及びランプ駆動基板ボックス440等が、裏側から裏箱410に取付けられるようになっている。
(裏ユニットにおける演出用役物及び振分機構の構成について)
図29は、演出用役物に振分機構を備えた状態でフィギュアの正面から示す変則正面図である。図30は、演出用役物に振分機構を備えた状態で示す背面図である。図31は、図30における平面図である。図32は、図30における底面図である。図33は、演出用役物に振分機構を備えた状態で前方から示す斜視図である。図34は、演出用役物を主要な構成毎に分解して前方から示す斜視図である。図35は、役物回転体を示す斜視図である。図36は、役物回転体をフィギュアを正面として示す変則正面図である。図37は、役物回転体のフィギュア側を分解して示す斜視図である。図38は、役物回転体の装飾部材側を分解して示す斜視図である。図39は、役物回転体における第一演出樋の回動駆動機構を示す図である。図40は、図31におけるB−B断面図である。図41は、図31におけるC−C断面図である。図42は、図26におけるD−D断面図である。図43は、演出用役物における遊技球の排出経路を説明するための分解斜視図である。
図示するように、演出用役物430は、上下方向に延びる軸芯周りに回転可能とされた役物回転体432と、役物回転体432の周方向の所定範囲内が外部に露出するような開口部444を有した演出用役物ベース446と、演出用役物ベース446の下側に配置され役物回転体432を回転駆動させる回転駆動ユニット448と、演出用役物ベース446の開口部444を閉鎖し透明部材からなる第一閉鎖部材450、及び第二閉鎖部材452とを主に備えている(図34参照)。
また、演出用役物430には、透明な第二閉鎖部材452を介してセンター役物300における枠状装飾体370の所定範囲(具体的には、右枠370c)に光を照射するための光源454が備えられている。この光源454は、上記の光源380と同様に、複数のLED456と、LED456が取付けられる光源基板458とから構成されており、役物回転体432の長さ(上下方向の長さ)と略同じ長さの光源基板458に、LED456が列状に取付けられている(図34参照)。
この演出用役物430における役物回転体432は、フィギュア434等を保持する役物回転体本体460を備えている。この役物回転体本体460は、上下に配置された円盤状の天板部462及び底板部464と、天板部462と底板部464とで形成される円筒空間を、円周方向に分割して二つの空間(球流通空間460aと装飾空間460b)を形成する隔壁部466とを備えている(図37及び図38参照)。
この役物回転体本体460の天板部462には、その上面中心に軸受溝462aが形成されていると共に、上下方向に貫通し遊技球が通過可能な長孔462bが形成されている。この長孔462bは、隔壁部466によって区画された一方の空間(球流通空間460a)と連通するように形成されていると共に、球流通空間460aの周方向端部(図36において左側端部)近傍に配置されている。
一方、役物回転体本体460の底板部464には、その略中心に配置される開口464aと、球流通空間460a側に配置され円弧状に列設された複数の通孔464bとが備えられており、開口464a及び通孔464bは上下方向に貫通した形態とされている(図37及び図38参照)。
また、役物回転体432には、隔壁部466によって区画された球流通空間460a内に、所定のキャラクタを立体的にデフォルメして造形したフィギュア434と、フィギュア434の略中心に向けて長孔462bを通過した遊技球を役物回転体432内に放出する球放出部材468と、球放出部材468の下方に配置され左右方向に延びると共に左右方向の略中心で水平方向に延びる軸(後述する支持軸474)周りに回動可能とされた第一演出樋470と、第一演出樋470の下方に配置された第二演出樋472とを更に備えている。
これら球放出部材468、第一演出樋470および第二演出樋472は、いずれも、遊技球が転動する態様を視認できるように透明部材で構成されている。
このフィギュア434は、片手434aを前方向に差し出した態様で配置されている。また、フィギュア434には、片手434aの真上に支持軸474が支持されている。この支持軸474は、前後方向を長手方向とする軸である。即ち、片手434aと支持軸474とが略平行となる。第一演出樋470は、フィギュア434の片手434aに支えられるように片手434aに固定して配置されていると共に、支持軸474に支持されている。
この支持軸474は、フィギュア434の片手434aおよび第一演出樋470と一体的に構成されていると共に、所定の角度範囲内で回転自在に構成されている(詳細は後述する)。なお、支持軸474は、隔壁部466によって軸支されると共に、片手434a側とは反対側の端部が隔壁部466を貫通して装飾空間460b側へ延びだしている(図38参照)。
また、第一演出樋470の下方に配置された第二演出樋472は、一方の端(本実施形態では右端472a)から他方の端(本実施形態では左端472b)にかけて傾斜している。なお、第一演出樋470及び第二演出樋472は、平面視において役物回転体432の周方向に沿った円弧形状とされており、その外形が役物回転体本体460の円筒外周から突出しないような形態となっている(図35及び図42等を参照)。
また、役物回転体432には、球流通空間460a内に、支持軸474の下方であって且つ左側には第一の演出口476が、支持軸474の下方であって且つ右側には第二演出樋472に連通する第二演出樋誘導口478が、それぞれ形成されている。支持軸474が反時計回りの方向に回転限界まで回転したとき、第一演出樋470の左端470bが第一の演出口476の上方に位置する。一方、支持軸474が時計回りの方向に回転限界まで回転したとき、第一演出樋470の右端470aが第二演出樋誘導口478の上方に位置する。
なお、この第一演出樋470は、その両端の右端470aと左端470bとを同じ高さ(水平状態)となるようにすると、中心部分が右端470a及び左端470bよりも下方の位置となるような形状となっている。つまり、第一演出樋470は中央が下がった形状となっている。これにより、第一演出樋470が略水平状態の時に、球放出部材468から放出された遊技球が供給されると、第一演出樋470上を左右方向に揺動するような動きをさせることができるようになっている(図29参照)。
第一演出樋470での遊技球の動きを詳述すると、図29に示すように、第一演出樋470に供給される遊技球は、球放出部材468により右方向に向かう運動ベクトル(所定の初速度)を付与された上で第一演出樋470の略中央付近に落下供給されるため、第一演出樋470に供給された遊技球は、第一演出樋470の右端470aへ向かって転動することとなる。その際に、第一演出樋470は、左右両端470a,470bが中央よりも高くなっているので、右端470a向かって転動する遊技球は、坂を登るような状態となり重力の作用によって速度が徐々に減速し、遊技球の転動が停止すると今度は第一演出樋470の中央に向かって転動を開始して、左右よりも低い中央に遊技球が戻ってくる。なお、右方向の運動ベクトルが大きくて減速しきれずに遊技球が右端470aに到達した場合、第一演出樋470が略水平状態の時は、第一演出樋470の右端470aと第二演出樋誘導口478とが非連通状態となっているので、遊技球は第二演出樋誘導口478へと誘導されず隔壁部466に衝突して反射し、第一演出樋470の中央つまり左端470bに向かって転動することとなる。
そして、第一演出樋470の右端470a側から中央側に向かった遊技球は、坂を下るような状態となり、中央に向かうに従って転動速度が速くなるので、第一演出樋470の中央を通り過ぎて、今度は左端470bに向かって坂を登ることとなる。そして、中央から左端470bへ向かった遊技球は、重力の作用により転動速度が徐々に減速して停止すると、今度は左端470b側から中央側、つまり、右端470a側に向かって転動を開始する。なお、第一演出樋470が略水平状態の時は、第一演出樋470の左端470bと第一の演出口476とが非連通状態となっているので、遊技球は第一の演出口476へと誘導されず、遊技球の転動速度が速くて停止できず左端470まで到達した場合は、隔壁部466に衝突して反射し、第一演出樋470の中央つまり右端470aに向かって転動するようになる。
このように、遊技球が上記の動作を繰り返すことで、第一演出樋470上を左右方向に揺動するように転動することとなり、第一演出樋470の右端470aと左端470bとの間を遊技球が行ったり来たりすることで、遊技者に対して何れの端から遊技球が落下するのかをハラハラ・ドキドキさせることができ、興趣の高められる動きができるようになっている。
また、第二演出樋472の左端472bの下方には、第二の演出口480が形成されている。即ち、第一の演出口476と第二の演出口480とが上下に並んで形成されている。これら、第一の演出口476及び第二の演出口480は、隔壁部466を貫通して装飾空間460b側と連通しており、受入れた遊技球が装飾空間460b側へ送られるようになっている。なお、隔壁部466の装飾空間460b側には、第一の演出口476及び第二の演出口480に受入れられた遊技球を、役物回転体本体460の円筒外周まで誘導する第一誘導部466a及び第二誘導部466bが形成されている。
ここで、第一の演出口476は青色、第二演出樋誘導口478および第二の演出口480は赤色で構成されている。これにより、第一演出樋470による一球の遊技球を左右に振り分けつつ、当たりであるかハズレであるかについては、上下に並んで形成された各演出口への遊技球の受入れによって判断できるようになっている。
ところで、役物回転体本体460では、図40に示すように、天板部462における長孔462bの後端が、隔壁部466の一般形状に対して装飾空間460b側に食込んだ位置に配置されていると共に、長孔462bが球流通空間460aのみと連通するように、長孔462bの下方所定範囲(第一演出樋470の略回動上端まで)において、隔壁部466が装飾空間460b側に突き出すことで球流通空間460a側が窪んだ凹部466cが形成されている。
一方、球放出部材468は、天板部462の下側に配置される扇形状の装飾部468aと、装飾部468aの一方の端部(左端部)から下方に延び役物回転体本体460における隔壁部466の凹部466c前側上部を覆う被覆部468bと、被覆部468bの下方で凹部466cの底面と略連続し第一演出樋470の中央部上方付近に延び出す放出部468cとを備えている。
この球放出部材468が、役物回転体本体460に取付けられることで、後述する演出用役物ベース446の落下口536bに落下した遊技球が、長孔462b内の前側部分から進入し、被覆部468bにより凹部466cへと誘導される。その際に、被覆部468bの上方で遊技球の移動に沿うように長孔462bが形成されている、つまり、長孔462bにより被覆部468bの上側部分が高くなっているので、遊技球が天板部462の裏側と当接することなく凹部466cへ良好に誘導されるようになっている。
そして、被覆部468bと凹部466cとにより遊技球を凹部466cの底面まで降下させ、凹部466cの底面で遊技球をバウンドさせてその運動エネルギーを減衰させた上で、凹部466cの底面から放出部468cを介して第一演出樋470に供給させることができるようになっている(図40参照)。
この凹部466cで遊技球をバウンドさせることで、透明部材からなり強度の比較的弱放出部468cに直接遊技球が当たるのを防止して放出部468cが破損するのを防止している。また、バウンドにより運動エネルギーを減衰させてから、放出部468cを介して第一演出樋470に遊技球を供給するので、遊技球の供給による第一演出樋470への衝撃を緩和させると共に、第一演出樋470上を遊技球が良好に転動できるようになっている。
更に、役物回転体432には、球流通空間460a内に、第二演出樋472の下方の隔壁部466に取付けられ回転軸482が隔壁部466を貫通して装飾空間460b側に突出する球振分部モータ484と、球振分部モータ484を覆うように前側に配置され表面がメッキ装飾されたモータカバー486とが備えられている。このモータカバー486によって球振分部モータ484が、遊技者から見えないようになっている。なお、本例では、球振分部モータ484がステッピングモータとされている。
また、モータカバー486の前側には、透明部材からなるシャンデリア状の装飾レンズ488と、装飾レンズ488の前面を覆うと共に外面が役物回転体本体460の外周面と略一致するような部分円筒面形状とされた透明部材からなるカバーレンズ490とが備えている。モータカバー486のメッキ装飾と、透明な装飾レンズ488とによって、煌びやかでゴージャスな印象を与えられるようにしている。
このカバーレンズ490は、上下方向に延びる部分円筒形状のカバー部490aと、カバー部490aの下端から役物回転体本体460の回転中心に向かって略水平に延びる板状の底部490bとを備え、断面が略L字形状とされている(図41参照)。なお、図示は省略するが、カバーレンズ490のカバー部490aには、文字等を図案化した磨り装飾が施されている。
このカバーレンズ490は、カバーレンズ490における底部490bの外側端部近傍の下側に配置される光入射部490cと、光入射部490cから底部490b内に入射した光をカバー部490aと底部490bとが接する方向に反射誘導させる第一光誘導部490dと、カバー部490aと底部490bとが接する位置に配置され第一光誘導部490dからの光をカバー部490aの上端面の方向に反射誘導させる第二光誘導部490eと、カバー部490aの上端面に配置され第二光誘導部490eからの光をカバーレンズ490の内側斜め上方に向けて外部に放射する光放射部490fとを更に備えている。
このカバーレンズ490における第一光誘導部490dは、底部490bの外側端部(役物回転体本体460の中心に向かう側の端部)を、その上側が面取り(C面取り)状に切り欠かれるような形状とすることで形成されている。また、第二光誘導部490eは、カバー部490aと底部490bとが接する部分を、内外共に面取り(C面取り)された形状とすることで形成されている。更に、光放射部490fは、カバー部490aの上端を、カバーレンズ490の内側が低くなるようにして、その垂直線がフィギュア434の方向を向くような面取り(C面取り)形状とすることで形成されている。
このカバーレンズ490によると、光入射部490cから内部に入射された光をカバー部490a上端の光放射部490fまで導いて、その光放射部490fから放射させて、カバーレンズ490の上方に配置されたフィギュア434、第一演出樋470、及び第二演出樋472を下側から照明できるようになっている。
なお、カバーレンズ490の第一光誘導部490dに接するように、表面がメッキ処理されたモータカバー486の一部が配置されており、このモータカバー486においても光が反射することで第二光誘導部490e方向に反射される光を相対的に多くすることができるようになっている。
一方、図38に示すように、役物回転体432における隔壁部466によって区画された他方の空間、つまり、装飾空間460b内には、第一演出樋470を所定角度範囲内に回動させるための回動駆動機構492が備えられている。この回動駆動機構492は、第一演出樋470の支持軸474と一体回転する第一リンク部材494と、球振分部モータ484の回転軸482と一体回転する第二リンク部材496とを備えている。
この回動駆動機構492は、第一リンク部材494の先端側に形成されたスリット494a内に、第二リンク部材496の先端に突設されたピン496aを挿入することで第一リンク部材494と第二リンク部材496とが互いにリンクされて、球振分部モータ484の回転が第一演出樋470に伝達されるようになっている(図39参照)。詳述すると、球振分部モータ484の駆動により第二リンク部材496が回転すると、その先端のピン496aが、回転軸482を中心とした所定半径の円周上を移動することとなる。この移動するピン496aによって第一リンク部材494のスリット494aが内側から押されると共に、第一リンク部材494が支持軸474により回転以外の移動が規制されているので、スリット494a内でピン496aが摺動し、これにより、第一リンク部材494が支持軸474を中心として回動することとなる。
この回動駆動機構492は、図示するように、第一リンク部材494の長さが、第二リンク部材496の長さの約二倍の長さとされている。これにより、球振分部モータ484によって第二リンク部材496が所定角度回動させられると、第二リンク部材496及び第一リンク部材494を介して支持軸474が所定角度の約1/3の角度、回動するようになっている。つまり、球振分部モータ484の回転角度が約1/3になって、第一演出樋470を軸支する支持軸474に伝達されるので、球振分部モータ484の回転誤差に対して第一演出樋470の回転誤差が約半分となり、第一演出樋470の回動制御をより綿密に制御できると共に、第一演出樋470を滑らかに回動させることができるようになっている。
なお、回動駆動機構492には、球振分部モータ484の回転軸482に対して第二リンク部材496とは異なる方向に延出すると共に、第二リンク部材496と一体に構成された検知片498と、検知片498を検知可能とされ球振分部モータ484における回転軸482の近傍で隔壁部466に支持される球振分部モータセンサ500とが備えられている。
この検知片498と、球振分部モータセンサ500とによって、球振分部モータ484の回転位置を検出することができ、その検出によって球振分部モータ484の原点調整を行って、第一演出樋470の回動が良好な状態で行うことができるようになっている。
この検知片498は、図39(B)に示すように、第二リンク部材496の延びる方向に対して、180度反対側ではなく、左右方向(図中、斜め右上方向)に延びるように配置されており、回転駆動機構492の上下方向の長さが長くなるのを防止できるようになっている。また、検知片498には、第一リンク部材494と対向する側面に、湾曲形状の逃し部498aが形成されており、回転駆動機構492が可動した際に、第一リンク部材494と検知片498とが当接するのを防止できるようになっている。
また、役物回転体432には、装飾空間460b内に、「歌姫伝説」の文字を点灯・点滅する装飾部材502が備えられている。この装飾部材502は、役物回転体本体460における装飾空間460bの周方向全体ではなく、所定範囲内のみを覆う大きさとされている。詳しくは、装飾部材502の周方向の大きさが、隔壁部466から外周に向かって延びる第一誘導部466a及び第二誘導部466bが、役物回転体432の外側に露出するような大きさとされている(図35参照)。
この装飾部材502は、役物回転体本体460の円筒外周と略一致するような部分円筒面形状とされ「歌姫伝説」の文字を備え透光性を有する部材からなる装飾レンズ504と、装飾レンズ504の裏側に配置される板状の拡散レンズ506と、拡散レンズ506の裏側に配置され基板508の所定位置に複数のLED510が備えられた光源基板512とを備えている。
この装飾部材502の拡散レンズ506は、装飾レンズ504と対向する面で装飾レンズ504における「歌姫伝説」の装飾と対応する位置に配置され上下方向に延びる複数の帯状凸レンズからなる光放射部506aと、光放射部506aとは反対側の面に備えられ上下方向に対して直交する方向に延びる複数のV溝からなる光反射部506bと、光反射部506bのV溝が延びる方向に対して直角方向(上下方向)に位置する端部に形成された平坦面からなる光入射部506cとを備えている(図38及び図41参照)。
本例の拡散レンズ506は、上下方向の中間部で光放射部506aの形成された部位に貫通する所定幅の開口部506dが形成されており、この開口部506d内周の上面及び下面が夫々光入射部506cとされている。
また、装飾部材502の光源基板512は、図示するように、その基板508が拡散レンズ506の裏面と接するぐらいに接近した位置に配置されると共に、LED510からの光が拡散レンズ506の光入射部506cに照射されるように、LED510の発光部が上下方向を向くように基板508に取付けられている。つまり、LED510が、拡散レンズ506の上下端部及び開口部506dに形成された光入射部506cと夫々対面するように基板508に取付けられている。
この装飾部材502は、光源基板512のLED510によって上下方向に発せられた光が、拡散レンズ506の光放射部506aにより形成される面に対して直角方向に配置された光入射部506cに照射されると、その光入射部506cから拡散レンズ506内へと進入する。そして、拡散レンズ506内に進入した光のうち、装飾レンズ504が配置された側とは反対側(基板508が配置された側)に向かった光が、光反射部506bに到達してその複数のV溝により装飾レンズ504側(光放射部506a側)に反射して、光放射部506aから装飾レンズ504へと放射される。その際に、この光放射部506aには、上下方向に延びる複数の帯状凸レンズを備えているので、光放射部506aから放射される光が上下方向に対して直角方向に拡散するように放射される。
この装飾部材502によると、板状に形成された拡散レンズ506の端部に設けられた光入射部506cから光を入射させると、拡散レンズ506の一方の面に形成された複数のV溝からなる光反射部506bによって他方の面に形成された光放射部506a側に反射され、光放射部506a全体から光を放射することができ、装飾レンズ504全体を面状に光らせることができるようになっている。
ところで、装飾レンズの裏側に光源を配置した場合、光源と装飾レンズとの間が近すぎると、光源からの光が充分に拡散する前に装飾レンズに到達してしまい、光源が有るところと無いところで装飾レンズの光具合が異なって面状に発光しない問題がある。そのため、装飾レンズに対して光源を遠ざけることで、光を充分に拡散させて装飾レンズを面状に発光させるようにすることが考えられるが、この場合、装飾レンズと光源との距離が長くなるので、装飾部材全体の厚さが厚くなり、スペース等の関係により装飾レンズを面状に発光させることができなくなり、効果的な光装飾が行えない問題がある。
しかしながら、この装飾部材502によると、拡散レンズ506の面に沿うような方向から入射した光が、拡散レンズ506の面から面状に放射することができるので、拡散レンズ506の裏側にLED等の光源を配置する必要がなく、装飾部材502の厚さを可及的に薄くすることができ、装飾部材の設置スペースに関係なく装飾レンズ504を良好な状態で面状に発光させて、効果的な光装飾が行えるようになっている。
本例の役物回転体432には、図41に示すように、役物回転体本体460における天板部462と球放出部材468との間に配置される回転体上基板514が更に備えられいる。この回転体上基板514の下面には複数のLED516が取付けられており、このLED516の発光によって、球放出部材468を介してフィギュア434、第一演出樋470、及び第二演出樋472等を上から照明するようになっている。
また、役物回転体432には、役物回転体本体460における底板部464の下側に配置される回転体下基板518が更に備えられている。この回転体下基板518は、その上面側で底板部464における通孔464bと対応した位置に光源としてのLED520が複数取付けられていると共に、その下面側の中央には役物回転体432に備えられた球振分部モータ484、球振分部モータセンサ500、光源基板512、回転体上基板514、回転体下基板518、及び振分機構438を電気的に接続するための接続コネクタ522が複数(本例では三つ)備えられている。
なお、三つの接続コネクタ522のうち、役物回転体本体460の回転中心に位置する中央の接続コネクタ522は、球振分部モータ484や球振分部モータセンサ500等へ接続される回転体下基板518と接続しており、役物回転体432の回転に伴って接続コネクタ522が回転しても、接続コネクタ522と接続される接続プラグから延びる配線コードの捩れを可及的に少なくすることができ、捩れにより配線コードが断線するリスクを低減させることができるようになっている。
更に、役物回転体432には、回転体下基板518の下側に配置され回転駆動ユニット448からの回転駆動を役物回転体432に伝達させるための回転接続部材524が備えられている。この回転接続部材524を役物回転体本体460の底板部464に所定のビスを用いて固定することで、回転接続部材524と底板部464とにより回転体下基板518が挟持固定されるようになっている。
この回転接続部材524は、役物回転体本体460の軸芯と略同芯となり回転体下基板518に取付けられた複数の接続コネクタ522全体が下方から望める大きさの円形状に開口する開口部524aと、開口部524の周縁近傍から下方に延び出した円筒部524bと、円筒部524bの内周に配置され上下方向に延びる複数(本例では二つ)の突起524cとを備えている(図32及び図34参照)。この開口部524aは、その大きさが接続コネクタ522と接続する接続プラグ(図示しない)が通過可能な大きさとされ、開口部524aを通って回転する役物回転体432を電気的に接続できるようになっている。
本例の演出用役物430における回転駆動ユニット448は、役物回転体432を回転駆動させるための回転部モータ526と、回転部モータ526の回転軸に固定される第一ギア528と、第一ギア528と噛合する第二ギア530aを有し役物回転体432の回転接続部材524と接続すると共に役物回転体432を下側から支持する台座ギア530と、台座ギア530の回転位置を検出することで回転部モータ526の回転位置を検出する回転部モータセンサ532と、回転部モータ526、第一ギア528、台座ギア530、及び回転部モータセンサ532を所定位置に支持する回転駆動ユニットケーシング534とを備えている(図34参照)。
この回転駆動ユニット448における台座ギア530には、上下が開放され回転接続部材524の円筒部524b内に挿入可能な円筒状の台座円筒部530bと、台座円筒部530bの上端部で円筒部524b内の突起524cが嵌合可能な切欠き部530cと、台座円筒部530bの下部外周に形成され第一ギアと噛合し外形が第一ギア528の約二倍の径とされた第二ギア530aと、第二ギアの下側外周に形成され半径方向外側に突出する略扇形状の検出片530dとを主に備えている。
また、回転駆動ユニット448の回転駆動ユニットケーシング534には、台座ギア530の台座円筒部530bの内部と連通するような大きさで円形の開口部534aと、開口部534aの外側で周方向所定間隔に備えられ台座ギア530を回転可能に支持する複数(本例では三つ)の支持ローラ534bとが備えられている(図32参照)。複数の支持ローラ534b上に台座ギア530が載置されることで、台座ギア530が回転可能に支持されるようになっている。
この回転駆動ユニット448は、台座ギア530の台座円筒部530bを回転接続部材524の円筒部524b内に挿入すると共に、台座円筒部530bの切欠き部530cと円筒部524c内の突起524cとを互いに嵌合させることで、台座ギア530と回転接続部材524とを一体回転可能に接続することができ、回転部モータ526の駆動により役物回転体432を回転させることができるようになっている。
また、回転駆動ユニット448の台座ギア530により、役物回転体432の下側を回転可能に軸支するようになっている。なお、回転駆動ユニット448は、役物回転体432を回転駆動させるだけでなく、台座ギア530を介して回転駆動ユニットケーシング534の支持ローラ534bにより役物回転体432の重量も良好に支持できるようになっている。
この回転体駆動ユニット448における回転駆動ユニットケーシング534の開口部534a及び台座ギア530の台座円筒部530bとにより、役物回転体432下部に備えられた接続コネクタ522が下方から望めるようになっていると共に、図示しない接続プラグを回転体駆動ユニット448の下側から通過させて接続コネクタ522に接続できるようになっている(図32参照)。
なお、具体的な構成については図示を省略するが、役物回転体432下部の接続コネクタ522に接続される接続プラグは、裏箱410の演出用役物430が固定支持される部位の下方に形成された回転体中継基板固定部410a(図25及び図28参照)に取付けられる回転体中継基板(図示せず)から所定の弛みを持たせた長さの配線コード(ハーネス)を介して接続されている。この接続コネクタ522と回転体中継基板との距離は、回転する接続コネクタ522と裏箱410に固定される回転体中継基板との間を、不具合が発生することなく配線コードが捩れることのできる距離となっているので、回転する役物回転体432と良好な状態で電気的に接続することができると共に、配線コードが断線するリスクが可及的に低くなるようになっている。
演出用役物430における演出用役物ベース446は、上側に配置され略円盤形状のベース天板部536と、下側に配置されるベース底板部538と、ベース天板部536とベース底板部538との外周縁同士を連結すると共にパチンコ機1に対して前側が開放されたベース外周壁部540とを主に備えている(図34参照)。
この演出用役物ベース446におけるベース天板部536には、その上面に役物誘導路436から供給された遊技球を演出用役物ベース446の後側に誘導する上部球誘導路536aと、上部球誘導路536aから外れた位置にベース天板部536を貫通するように穿設され遊技球が通過可能な大きさで円形の落下口536bとが備えられている(図31参照)。この上部球誘導路536aは、役物誘導路436によりベース天板部536の図中左側から供給された遊技球を、ベース天板部536の中心に対して周方向に遊技球を誘導した上で演出用役物ベース446の後側に誘導するようになっている。
上部球誘導路536aは、役物誘導路436側から落下口536bの方向へ延びる導入部と、導入部から演出用役物ベース446の裏側へ延びる排出誘導部とを備えており、図34にその断面を拡大して示すように、上部球誘導路536aは、導入部から演出用役物ベース446の裏側へ向かって低くなるように傾斜させられており、上部球誘導路536aに供給された遊技球が、自然と演出用役物ベース446の裏側へ向かうようになっている。
ベース天板部536における落下口536cは、役物回転体432が、フィギュアが視認できる演出位置にある時に、役物回転体432における長孔462bの前端と略一致するような位置に配置されている。なお、ベース天板部536には、中心に役物回転体本体460の軸受溝462aよりも若干大きい径の通孔が備えられている(図34参照)。
演出用役物ベース466のベース底板部538には、その中心に役物回転体本体460の下側から下方に突出する回転接続部材524の円筒部524bが通過可能な通孔538aが形成されている(図34参照)。
本例の演出用役物ベース466におけるベース外周壁部540には、フィギュア434が視認可能となるように、役物回転体432が演出位置に位置した時に、役物回転体432の第一誘導部466a及び第二誘導部466bと対応する位置にベース外周壁部50を貫通するように第一排出受入口540a及び第二排出受入口540bが形成されており、役物回転体432の第一の演出口476又は第二の演出口480に受入れた遊技球が、第一誘導部466a又は第二誘導部466bに誘導されて第一排出受入口540a又は第二排出受入口540bを通ってベース外周壁部540の裏側、つまり、演出用役物430の後側に排出されるようになっている。
また、このベース外周壁部540は、図30に示すように、その後側に、べース天板部536の上部球誘導路536aと連通する球排出流路542と、球排出流路542とは分離した流路とされ第一排出受入口540a及び第二排出受入口540bと連通する演出球排出流路544とを備えている。これら球排出流路542及び演出球排出流路544は、後側が開放された溝状に形成されており、演出用役物430が裏箱410に取付けられることで、それらの後側が裏箱410により閉鎖され、球排出流路542及び演出球排出流路544内を遊技球が良好に流通できるようになっている。
この球排出流路542は、演出球排出流路544を挟むように球排出流路上542aと球排出流路下542bとに、上下に分割された構造となっており、図示は省略するが、裏箱410には、球排出流路上542aの下端と、球排出流路下542bの上端とに対応する位置に、遊技球が通過可能な通孔が形成されていると共に、裏箱410の裏側に配置される演出用役物裏球経路上部材424が、球排出流路上542aから裏箱410外へ排出された遊技球を球排出流路下542bへ戻すようになっている(図43参照)。なお、この球排出流路542には、流路内を通過する遊技球を検出するための球排出流路センサ546が備えられている。
また、演出球排出流路544は、図示するように、上下方向に異なる位置に配置された第一排出受入口540a、第二排出受入口540bを通過した遊技球が、流路内で合流して下方へ排出するような流路となっており、第一排出受入口540aからの遊技球のみが検出可能とされた第一演出球排出流路センサ548と、第一排出受入口540a及び第二排出受入口540bからの遊技球を検出可能とされた第二演出球排出流路センサ550とを備えている。
この第一演出球排出流路センサ548と第二演出球排出流路センサ550とによって、所定時間内に第一演出球排出流路センサ548と第二演出球排出流路センサ550とで遊技球の通過が検出され場合は、第一の演出口476に受入れられて第一排出受入口540aを通った遊技球であり、第二演出球排出流路センサ550のみ遊技球の通過が検出された場合は、第二の演出口480に受入れられて第二排出受入口540bを通った遊技球であることが判るようになっている。つまり、役物回転体432における第一演出樋470上に供給された遊技球が、第一演出樋470の回動により何れの側に振分けられたかが判るようになっている。
これら球排出流路542及び演出球排出流路544を流通した遊技球は、その下側に配置された演出用役物裏球経路下部材426へと流下し、この演出用役物裏球経路下部材426内で合流して、遊技盤5から外部へ排出されるようになっている(図43参照)。
また、ベース外周壁部540には、その右側端部内面に光源454を保持するための取付段部540cが備えられている。この取付段部540cに光源454が取付けられることで、光源454のLED456が発光部を略正面に向けた状態で上下方向に所定間隔で列設されるようになっている。
本例の演出用役物430における第一閉鎖部材450及び第二閉鎖部材452は、演出用役物ベース446の外周と略沿うように部分円筒面形状に形成されており、演出用役物ベース446の開放された前側を覆って閉鎖することで、役物回転体432の球流通空間460a内に進入した遊技球が、第一の演出口476及び第二の演出口480以外から排出されるのを防止するものである。
この第一閉鎖部材450は、その下部に切欠き部450aが形成されており、この切欠き部450aにより、役物回転体432の下側外周が表面に露出するようになっている。これによって、演出用役物430を裏箱410に取付けた状態でも、切欠き部450aを介して役物回転体432を外部から回転操作することができるようになっている(図19参照)。なお、この切欠き部450aは、図26に示すように、裏ユニット270の前側に配置されるセンター役物300によって隠蔽される位置に備えられており、センター役物300を遊技盤5から取り外さないと、切欠き部450aを介して役物回転体432を手動で回転操作できないようになっている。
また、第一閉鎖部材450には、役物回転体432内部で球詰まりした際に、細長い棒を差し込んで球詰まりを解消するためのスリット450bが備えられている。具体的には、後述する第一演出樋470及び第二演出樋472に夫々対応した位置にスリット450bが備えられており、第一演出樋470及び第二演出樋472で球詰まりが発生した場合に、細長い棒を差し込んで球詰まりを解消できるようになっている。
この第二閉鎖部材452は、部分円筒面形状の円筒部452aと、円筒部452aの周方向一端側に配置され左右方向外側に延びる平坦部452bと、平坦部452bとは反対側の円筒部452aの周方向他端側に配置され前後方向外側に延び正面視中央部が外側に湾曲した湾曲部452cとを備えている。
また、第二閉鎖部材452は、演出用役物430に備えられ遊技盤ベース266の裏側に配置された光源454からの光を、遊技盤5前面の所定位置に透過誘導させることのできる光透過部材としての機能が備えられている。詳述すると、この第二閉鎖部材452は、平坦部452bの後面側に配置され光源454からの光を内部に入射させる光入射部452dと、光入射部452dから入射した光を円筒部452aの周方向に沿って誘導されるように反射誘導する第一光誘導部452eと、第一光誘導部452eから誘導された光を湾曲部452cの延びる方向に沿うように反射誘導させる第二光誘導部452fと、第二光誘導部452fから誘導された光を湾曲部452c内を介して前面側へ放射する光放射部452gとを備えている(図42参照)。
この第二閉鎖部材452は、その光入射部452dが、円筒部452aと平坦部452bとが接する部位に配置されていると共に、光入射部452dの前側に第一光誘導部452eが配置されており、第一光誘導部452eは、湾曲部452cに向かうに従って円筒部452aの厚さが薄くなるように断面略直線状に形成された平面とされている。また、第二光誘導部452fは、円筒部452aと湾曲部452cとが接する後側の角部を断面略直線状のC面取り状に形成した曲面とされている。
この第二閉鎖部材452によると、光源454から発せられた光が、その内部を通って湾曲部452c前面の光放射部452gまで誘導されて光放射部452gの前側に放射すると共に、湾曲部452cの前方に配置された装飾カバー386(枠状装飾体370の右枠370c)を照射し、装飾カバー386を光装飾できるようになっている。
また、この第二閉鎖部材452によると、部分円筒面形状の円筒部452a内をその周方向に沿って光を誘導させて光放射部452gから放射させるようにしているので、光源454の光軸に対して光放射部452gから放射される光軸を所定方向にシフトさせたりずらしたりすることができ、光装飾したい装飾カバー386の直後に光源454を配置することができなくても装飾カバー386に良好に光を誘導して光装飾させることができるようになっている。
演出用役物ベース446の上部に取付けられる振分機構438は、図31に示すように、パチンコ機1に対して前後方向(図47に示すX方向およびY方向)に伸縮(移動)するプランジャー552aを有するソレノイド552と、第一開閉装置398(図47参照)から受入れられた遊技球を、一球のみ保持できる遊技球保持部材554と、プランジャー552aと遊技球保持部材554とを連結する連結部材556と、連結部材556を支持するピン558とを有している。
振分機構438における遊技球保持部材554には、ピン558を中心として半径方向外側に開放され遊技球が一つのみ収容可能なU字形状の収容凹部554aと、収容凹部554aの後側端部からピン558を中心とした周方向に後方へ延出する延出部554bとを備えている。この遊技球保持部材554における延出部554bの外周が、上部球誘導路536aの周壁の一部を構成するようになっている。
振分機構438は、ソレノイド552の駆動により、遊技球保持部材554をピン558周りに回動させることができ、詳しくは、遊技球保持部材554の収容凹部554aが役物誘導路436の誘導方向と略一致する収容位置と、収容凹部554aがベース天板部536の落下口536bと略一致する落下位置との間を回動させることができるようになっている。なお、遊技球保持部材554が収容位置にある時には、収容凹部554aと落下口336bとが一致せず、収容凹部554aに収容された遊技球が落下口336bに落下しないようになっている。また、遊技球保持部材554が落下位置にある時には、役物誘導路436からの遊技球は収容凹部554aに収容されないようになっている。
この振分部材438は、遊技球保持部材554が収容位置にある時に、役物誘導路436から遊技球が供給されると、一つの遊技球のみを収容し、収容凹部554aに遊技球が収容されると、他に供給された遊技球を上部球誘導路536aを介して演出用役物ベース446の後側へ排出誘導するようになっている。また、収容凹部554aに遊技球が収容された状態で、ソレノイド552を駆動して遊技球保持部材554を収容位置から落下位置に回動させると、収容凹部554aに収容された遊技球を落下口336b内に落下させることができるようになっている。
この振分機構438には、その下側に下方に突出する突出ピン560が備えられている。この突出ピン560は、振分機構438を演出用役物ベース446のベース天板部536に取付けることで、ベース天板部536の中心に穿設され通孔536cを貫通してベース天板部536の下側に延び出すようになっており、この突出ピン560がベース天板部536の下側、つまり、演出用役物ベース446内に配置された役物回転体432(役物回転体本体460)の軸受溝462a内に挿入されることで、役物回転体432の上側を回転可能に軸支することができるようになっている。
(裏ユニットにおける第一開閉装置について)
図44は、第一開閉装置を左前方から示す斜視図である。図45は、第一開閉装置を右前方から示す斜視図である。図46は、第一開閉装置を分解して示す分解斜視図である。
この第一開閉装置398は、第一大入賞口398aを有した下ケーシング562と、下ケーシング562の上側に組み付けられ第一大入賞口398aを開閉する第一大入賞口開閉扉398bを前後方向にスライド可能に保持する上ケーシング564と、上ケーシング564と下ケーシング562との協働により保持されると共に第一大入賞口開閉扉398bを開閉駆動させる開閉駆動機構566とを備えている。
下ケーシング562は、上側が開放された形態とされ、その底部に第一大入賞口398a内から遊技球を排出する排出口562aが形成されている。第一大入賞口開閉扉398bは、後方に延びる支持部398baを有し全体として平面視T字形状とされていると共に、支持部に開閉駆動機構566と連結するための連結口398bbが形成されている。
開閉駆動機構566は、上下方向に進退可能とされたプランジャー568aを有した第一大入賞口開閉ソレノイド568と、第一大入賞口開閉ソレノイド568により上下方向に駆動されるプランジャー568aの動きを前後方向の動きに変換して第一大入賞口開閉扉398bを前後方向にスライドさせる駆動伝達部材570とを備えている。なお、プランジャー568aは、第一大入賞口開閉ソレノイド568の下側から進退するように配置されている。
駆動伝達部材570は、詳述すると、第一大入賞口開閉ソレノイド568のプランジャー568a先端と係合されると共に略水平方向に延びプランジャー568aの進退方向及び第一大入賞口開閉扉398bのスライド方向の何れとも直交する支持軸570a周りに回転可能な第一片570bと、第一片570bと一体回転し支持軸570aから略上方に延びる先端が第一大入賞口開閉扉398bの連結口398bb内に挿入係合される第二片570cとを備えている。
また、第一開閉装置398には、下ケーシング562の排出口562aの下側に第一大入賞口カウントセンサ572が備えられており、この第一大入賞口カウントセンサ572によって、第一大入賞口398aに入賞した遊技球を検出できるようになっている。
この第一開閉装置398は、第一大入賞口開閉扉398bによって第一大入賞口398aの上側のみが閉鎖可能とされ、前側が常時開放された状態となっているが、第一開閉装置398の直前にパチンコ機1の窓枠39に装着されたガラス板が配置されるようになっており(図示は省略する)、開放された前側から第一大入賞口398a内へ遊技球が入らないようになっている。
また、第一開閉装置398は、第一大入賞口開閉扉398bを閉鎖位置にした時に、窓枠39のガラス板との間で遊技球を挟持して球詰まりが発生するのを防止できるように、その開閉力が弱くしてある。
(第一開閉装置から振分機構までの遊技球の流れについて)
図47は、第一開閉装置、役物誘導路、振分機構および演出用役物を左上方から見た斜視図である。図48〜図50は、役物誘導路、振分機構および演出用役物の平面図であって、遊技球が振分機構によって振り分けられる態様を示す図である。
本例では、第一開閉装置398から受入れられた遊技球は、演出用役物430の上方に設けられた振分機構438によって、演出用役物430に導かれる遊技球と遊技盤5の背後に排出される遊技球とに振り分けられるようになっている。なお、本例では第一開閉装置398に遊技球が受入可能となる前に、演出用役物430内部のフィギュア434が遊技者から視認できる演出位置に、役物回転体432が回転するようになっている。
まず、第一開閉装置398の第一大入賞口398aに遊技球が受入れられると、下ケーシング562の排出口562aから排出されると同時に第一大入賞口カウントセンサ572により検出されて入賞が確定し、ここから下流の遊技球は、遊技球の払い出しや、大当り遊技等の有利遊技状態の発生制御等の遊技者が有利となる遊技制御に関係しない遊技球(所謂、死球)となる。
第一大入賞口カウントセンサ572によって検出された遊技球は、役物誘導路436へと供給され、演出用役物430の方向へ誘導される。この役物誘導路436は、図示するように、第一開閉装置398からの遊技球を、左右方向右側へ所定距離誘導させた後に、略直角に後側へ所定距離遊技球を誘導させ、そして、再度遊技球の誘導方向を曲げることで斜め後方から演出用役物430の上部へ向けて遊技球を誘導するようになっている。
このように役物誘導路436には、複数の曲がり角が備えられているので、その角毎に遊技球の流通速度が減衰し、遊技球の流れる速度が速くなるのを防止することができるので、役物誘導路436を流通する遊技球を視認し易くすることができ、遊技球の動きを楽しませることができるようになっている。
そして、役物誘導路436によって誘導された遊技球は、まず、振分機構438に到達する。この振分機構438では、そのソレノイド552のプランジャー552aが、通常状態(即ち消磁状態)のときはX方向側(収容位置)に位置している。そして、役物誘導路436上を振分機構438に向けて転動してきた遊技球は、遊技球保持部材554の収容凹部544aに収容保持される(図48参照)。
遊技球保持部材554に一球の遊技球が保持されると、その後に役物誘導路436上を転動してきた遊技球は、遊技球保持部材554の収容凹部536bによって収容保持できないので、上部球誘導路536aを通って遊技盤5の後方側(図中のY方向側)に排出される(図49参照)。
ところで、上部球誘導路536aには、役物誘導路436によって斜め後方から前方に向けて遊技球が供給されるため、遊技球の慣性力が上部球誘導路536aの前方側、つまり、遊技球保持部材554の収容凹部544a側に向いており、遊技球が収容凹部554aに収容され易いようになっている。
この収容凹部544aに遊技球が収容された状態でソレノイド552が励磁されると、プランジャー552aがY方向に移動する。このとき、連結部材556がピン558を支点として反時計回り(図中のα方向)に回転する。遊技球保持部材554は、連結部材556の反時計回りへの回転に伴って反時計回りに回転する。演出用役物430の役物回転体432の上面には、遊技球が落下できる落下口536bが形成されている。ソレノイド552が励磁して遊技球保持部材554が連結部材556を支点として反時計周りに回転すると、遊技球保持部材554の収容凹部544aに収容保持されている遊技球は、落下口536bから役物回転体432内に落下する(図50参照)。
この落下口536bに落下した遊技球は、役物回転体432の球流通空間460a内へと進入することとなるが、この際に役物回転体432がフィギュア434を視認できる演出位置に回転させられていて、落下口536bと役物回転体432の長孔462bとが一致しているので、落下口536bから役物回転体432内へ進入できるようになっている。なお、役物回転体本体460における天板部462の長孔462bと、球放出部材468の被覆部468bとにより、落下口536bからの遊技球を一旦後側に送ってから第一演出樋470へ供給するようになっている(図40参照)。
なお、ソレノイド552が消磁状態であれば、遊技球保持部材554によって保持された遊技球が落下口536bとずれた位置で保持されるので、遊技球保持部材554によって保持された遊技球が役物回転体432内に落下することはない。
[主基板および周辺基板の制御的な構成について]
図51および図52に基づき説明する。図51は、制御構成を概略的に示すブロック図であって、主基板周辺の構成を主として示した図である。図52は、制御構成を概略的に示すブロック図であって、周辺基板周辺の構成を主として示した図である。なお、これらの図面において太線の矢印は電源の接続および方向を示し、細線の矢印は信号の接続および方向を示している。
本実施形態のパチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板600のグループ(図51に示す)と、周辺基板600のグループ(図52に示す)とで分担されている。主基板600のグループは遊技動作(入賞検出や当たり判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板600のグループは演出動作(発行装飾や音響出力、液晶表示および装飾体の動作等)を制御している。
図51に示すように、主基板600は、主制御基板131と払出制御基板197とから構成されている。主制御基板131は、中央演算装置としてのCPU602、読み出し専用メモリとしてのROM604および読み書き可能メモリとしてのRAM606を備えている。
CPU602は、ROM604に格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺基板600や払出制御基板197に出力するコマンド信号を作成したりする。
ROM604には、主制御基板131で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。
なお、主基板600は、電源中継端子板199を介して電源基板195に接続されており、電源基板195から作動用電力が供給されるようになっている。
この主制御基板131の入力インタフェースには、第一始動口390への入賞状態を検出する第一始動口センサ644、第二始動口392への入賞状態を検出する第二始動口センサ646、第三始動口394への入賞状態を検出する第三始動口センサ648および全ての入賞口に対する入賞数をカウントするための全入賞口入賞数検出センサ650が接続されている。
また、主制御基板131の入力インタフェースには、パネル中継端子板624を介して、通過ゲート402を遊技球が通過したことを検出するゲートセンサ630および一般入賞口404に遊技球が入賞したことを検出する一般入賞口センサ632が接続されている。
さらに、主制御基板131の入力インタフェースには、パネル中継端子板624に接続された第一大入賞口中継端子板626を介して第一大入賞口カウントセンサ572が接続され、パネル中継端子板624に接続された第二大入賞口中継端子板628を介して第二大入賞口カウントセンサ640が接続されている。
上記各センサからの検出信号は主制御基板131に入力されるようになっている。また、主制御基板131の入力インタフェースには、前枠体11の開放状態を検出する内枠開放スイッチ620および前面枠4の開放状態を検出する扉開放スイッチ622も接続されている。
一方、パネル中継端子板624の出力インタフェースには、図柄制限抵抗基板634を介して、普通図柄・特別図柄表示基板636が接続されており、主制御基板131から、普通図柄表示器82、第一特別図柄表示器84および第二特別図柄表示器86へ駆動信号を出力することが可能になっている。
また、第一大入賞口中継端子板626の出力インタフェースには、第一開閉装置398の第一大入賞口開閉扉398bを駆動する第一大入賞口開閉ソレノイド568が接続されており、主制御基板131から、これらの駆動信号が出力されるようになっている。
さらに、第二大入賞口中継端子板628の出力インタフェースには、第三始動口394の一対の可動片396を駆動する普通電動役物ソレノイド638および第二開閉装置400の第二大入賞口開閉扉400bを駆動する第二大入賞口開閉ソレノイド642が接続されており、主制御基板131から、これらの駆動信号が出力されるようになっている。
一方、払出制御基板197は、中央演算装置としてのCPU608、読み出し専用メモリとしてのROM610および読み書き可能メモリとしてのRAM612を備えている。
そして、払出制御基板197は、主制御基板131から入力したコマンド信号を処理し、球払出装置170や、発射制御基板616に接続された発射モータ192に対して、駆動信号を出力する。これにより、球払出装置170は、駆動信号に従って遊技球を払い出し、発射モータ192は駆動信号に従って遊技球を発射させることが可能になる。
なお、主制御基板131と払出制御基板197との間では、それぞれの入出力インタフェースを介して双方向通信が実施されており、たとえば主制御基板131が賞球コマンドを送信すると、これに応えて払出制御基板197から主制御基板131にACK信号が返される。
また、払出制御基板197には、下皿31に貯えられる遊技球が満タンになったことを検出する下皿満タンスイッチ614も接続されており、この検出に基づいて、「遊技球を下皿31から取り出して下さい」旨の報知がなされる。
また、主制御基板131および払出制御基板197には、外部端子板618が接続されており、各始動口390,392,394や各開閉装置398,400への入賞状態、普通図柄・特別図柄の変動状態および抽選結果に基づく遊技状態等の各種情報が、遊技施設に設けられたホールコンピュータ等へ出力されるようになっている。
一方、周辺基板600は、図52に示すように、周辺制御基板662と表示装置制御基板116とから構成されている。なお、上記の主制御基板131と周辺制御基板662との間では、それぞれの入出力インタフェースと入力インタフェースとの間で一方向だけの通信が行われており、主制御基板131から周辺制御基板662へのコマンド送信はあっても、その逆は行われない。また、周辺基板600に対しても電源中継端子板199を介して電源基板195から作動用電力が供給されるようになっている。
周辺制御基板662もまた、CPU664をはじめROM666やRAM668等の電子部品を有しており、これら電子部品によって所定の演出制御プログラムを実行することが可能となっている。
また、周辺制御基板662には、音声や音楽の基となる音源を記憶したROM672と、ROM672に記憶された音源を基に、演出内容等に応じた音声や音楽を出力する音源IC670とが設けられている。
なお、周辺制御基板662と表示装置制御基板116との間では、それぞれの入出力インタフェースとの間で双方向に通信が行われる。
一方、表示装置制御基板116には、演出表示装置115としての液晶表示器(LCD)が接続されており、表示装置制御基板116には、周辺制御基板662から送信されたコマンド信号を処理し、演出表示装置115に対して駆動信号を出力する。詳しく説明すると、表示装置制御基板116には、CPU678、RAM680、ROM682、VDP684および画像ROM686が備えられている。
CPU678は、周辺制御基板662から送られてきたコマンド信号を入出力インタフェースを介して受信するとともに、そのコマンドを基に演算処理を行って、VDP684の制御を行う。RAM680は、CPU678の作業領域を提供すると共に、表示コマンドに含まれる情報を一時的に記憶する。また、ROM682は、CPU678用(表示制御用)のプログラムを保持する。
VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)638は、演出表示装置115に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する描画回路である。VDP684の内部には、レジスタが設けられており、VDP684の動作モードや各種表示機能の設定情報等を保持しておくことが可能となっている。そして、このレジスタに保持される各種情報をCPU678が書き換えることにより、演出表示装置115における表示態様を種々変化させることが可能となる。画像ROM686は、各種の画像データを記憶する不揮発性メモリであり、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データおよび背景画像用のJPEG形式画像データ等が記憶されている。
また、周辺制御基板662には、ランプ駆動基板688および枠装飾中継端子板674が接続されている。さらに、ランプ駆動基板688には、中継端子板として、センター装飾駆動部中継端子板694が接続されている。さらに、センター装飾駆動部中継端子板694には、回転体下基板518が接続されている。
回転体下基板518の入力インタフェースには、演出に用いられた遊技球(即ち、第一演出樋470を転動した遊技球)が、第一の演出口476および第二の演出口480のいずれに受入れられたかを検出するための球振分部モータセンサ500が接続されている。また、回転体下基板518の出力インタフェースには、支持軸474を時計回りと反時計回りとに繰り返し回転させる球振分部モータ484および電飾としてLEDが配列された回転部LED基板696が接続されている。なお、回転部LED基板696とは、回転体上基板514及び光源基板512のことである。
また、ランプ駆動基板688の出力インタフェースには、パネル装飾ランプ690、センター装飾ランプ304、演出用役物430を回転させるための回転部モータ526および演出用役物430の回転位置を検出する回転部モータセンサ532が接続されている。これにより、ランプ駆動基板688は、これらの各ランプの点灯状態を切り替えることが可能であると共に、演出用役物430の回転動作および回転位置を検出可能となっている。さらに、ランプ駆動基板688の入力インタフェースには、遊技盤5の後方側に排出された遊技球を検出する排出口センサ692が接続されている。なお、排出口センサ692は、球排出流路センサ544、第一演出球排出流路センサ548及び第二演出球排出流路センサ550により構成されている。
また、周辺制御基板662に接続された枠装飾中継端子板674には、前面枠4に接続されたスピーカ18,57、ボタン60および枠装飾ランプ676等が接続されており、周辺制御基板662には、ボタン60の操作状態に基づいて演出表示装置115に出力される演出態様を切り替えると共に、スピーカ18,57や枠装飾ランプ676に対して駆動信号を出力する。
[主基板および周辺基板の機能的な構成について]
図53に基づき説明する。図53は、主基板による抽選および周辺基板による特別演出に拘わる機能的な構成を概略的に示す機能ブロック図である。
図53に示すように、主制御基板131は、第一特別図柄抽選手段700と、第二特別図柄抽選手段710と、普通図柄抽選手段720と、特別遊技状態発生手段730と、小当たり遊技実行手段732と、第三始動口開閉実行手段728と、第一大入賞口開閉実行手段734と、第二大入賞口開閉実行手段736と、コマンド送信手段740とを備えている。
第一特別図柄抽選手段700は、遊技球が第一始動口390に入賞して第一始動口センサ644により検出されると、第一特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702により乱数を抽出する。そして、この抽出した乱数値と主基板600のROM604に記憶された第一特別図柄当たり判定用テーブル706とに基づいて、第一当否決定手段704によって抽選結果を判定する。
第一特別図柄抽選手段710は、遊技球が第二始動口392または第三始動口394に入賞して第二始動口センサ646または第三始動口センサ648により検出されると、第二特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712により乱数を抽出する。そして、この抽出した乱数値と主基板600のROM604に記憶された第二特別図柄当たり判定用テーブル716とに基づいて、第二当否決定手段714によって抽選結果を判定する。
普通図柄抽選手段720は、遊技球が通過ゲート402を通過してゲートセンサ630により検出されると、普通図柄当たり判定用乱数抽出手段722により乱数を抽出する。そして、この抽出した乱数値と主基板600のROM604に記憶された普通図柄当たり判定用テーブル726とに基づいて、普通図柄当否決定手段724によって抽選結果を判定する。
第一特別図柄抽選手段700および第二特別図柄抽選手段710による抽選結果には、いずれも、15R大当たり、2R大当たり、小当たりおよびハズレが含まれている。また、普通図柄抽選手段720による抽選結果には、当たりおよびハズレが含まれている。
特別遊技状態発生手段730は、第一当否決定手段704または第二当否決定手段714によって判定された抽選結果が15R大当たりまたは2R大当たりであるときに、特別遊技状態を発生させる(以下、「15R大当たりおよび2R大当たり」を「特別当たり」と称する)。
具体的には、第一当否決定手段704または第二当否決定手段714により判定された抽選結果が15R大当たりであれば、2ラウンドまでを、第一大入賞口開閉実行手段734によって第一大入賞口開閉ソレノイド568を作動させて、第一開閉装置398の第一大入賞口開閉扉398bを開閉させる。そして、3ラウンドから15ラウンドまでを、第二大入賞口開閉実行手段736によって第二大入賞口開閉ソレノイド642を作動させて、第二開閉装置400の第二大入賞口開閉扉4002を開閉させる。一方、第一当否決定手段704および第二当否決定手段714により判定された抽選結果が2R大当たりであれば、第一大入賞口開閉実行手段734によって第一大入賞口開閉ソレノイド568を作動させて、第一開閉装置398の第一大入賞口開閉扉398bを開閉させる動作を、2ラウンドのみ行う。
第一大入賞口398aまたは第二大入賞口400aに遊技球が入賞すると、球払出装置170によって賞球として遊技球が払い出されると共に、第一大入賞口カウントセンサ572または第二大入賞口カウントセンサ640によって入賞球数がカウントされる。
小当たり遊技実行手段732は、第一当否決定手段704または第二当否決定手段714により判定された抽選結果が小当たりであれば、第二大入賞口開閉実行手段736によって第二大入賞口開閉ソレノイド642を作動させて、第二開閉装置400の第二大入賞口開閉扉400bを開閉させる動作を、2回行う。
ここで、「ラウンド」とは、第一当否決定手段704および第二当否決定手段714により判定された抽選結果が特別当たりであることに基づいて特別遊技状態が発生したときに、第一大入賞口開閉扉398bによる第一大入賞口398aの開閉動作または第二大入賞口開閉扉400bによる第二大入賞口400aの所定時間に亘る開閉動作の回数を表す単位である。従って、第一当否決定手段704および第二当否決定手段714により判定された抽選結果が小当たり(通常遊技状態における一態様)の場合には、「ラウンド」とは言わない。
なお、本実施形態では、第一当否決定手段704および第二当否決定手段714により判定された抽選結果が2R大当たりの場合と小当たりの場合とで、第一開閉装置398の開閉動作態様が同じである。ただし、2R大当たりの場合は特別遊技状態が終了したのちの遊技状態が、特別当たりへの当選確率が高くなる所謂「確変遊技状態」となるが、小当たりの場合は、特別遊技状態、確変遊技状態および所謂「時短遊技状態」のうちいずれの遊技状態でもない通常遊技状態のままである。従って、第一大入賞口開閉扉398bの開閉動作が2ラウンドまたは2回行われたとき、遊技者は、2R大当たりであるのか小当たりであるのかを判別することが困難であるものの、その後、第一特別図柄抽選手段700および第二特別図柄抽選手段710によって特別当たりに当選する確率が異なることとなる。これにより、遊技者は、遊技状態が確変遊技状態であるのか通常遊技状態であるのか判別できず、興趣が高められる。
第三始動口開閉実行手段728は、普通図柄当否決定手段724によって判定された抽選結果が当たりであるときに、普通電動役物ソレノイド638を作動させて一対の可動片396を開閉動作させる。一対の可動片396が開閉動作すると、第三始動口394に遊技球が入賞し易くなる。なお、一対の可動片396が閉状態であるときは、第三始動口394への遊技球の入賞が不可能であるか、または、第三始動口394への遊技球の入賞が第一始動口390および第二始動口392への遊技球への入賞よりも困難であるものの、一対の可動片396が開状態であるときは、第三始動口394への遊技球の入賞は、第一始動口390および第二始動口392への遊技球の入賞よりも容易となる。なお、本実施形態においては、第二始動口392への遊技球の入賞は、第一始動口390への遊技球の入賞よりも困難に構成されている。
コマンド送信手段740は、第一当否決定手段704または第二当否決定手段714による抽選結果およびこの抽選結果に拘わる情報を周辺基板660に送信する。「抽選結果に拘わる情報」とは、演出表示装置115において行われる演出時間等が相当する。
周辺基板660は、コマンド受信手段750と、演出抽選手段760と、演出役物動作実行手段762とを備えている。
コマンド受信手段750は、主制御基板131から送信された第一当否決定手段704または第二当否決定手段714による抽選結果およびこの抽選結果に拘わる情報を受信する。
演出抽選手段760は、演出用役物430による演出を行うか否かを抽選により決定する。演出抽選手段760による抽選の結果、演出用役物430による演出を行うと決定されると、演出抽選手段760は、ランプ駆動基板688およびセンター装飾駆動部中継端子板694を介して球振分部モータ484を作動させて、演出用役物430による演出を実行する。ただし、演出用役物430による演出は、第一開閉装置398(第一大入賞口3981)に入賞した遊技球を用いて行うため、第一開閉装置398に遊技球が入賞しなかった場合には、かかる演出は行われない。
[演出用役物の動作及び演出について]
図54(a)は、演出用役物の役物回転体の内部構成を示す正面図であって、第一演出樋が第一の演出口に向けて下方に傾斜していることを示す図である。図54(b)は、演出用役物の役物回転体の内部構成を示す正面図であって、第一演出樋が第二演出樋誘導口に向けて下方に傾斜していることを示す図である。図55は、演出用役物と関連した演出画像の一例を示す説明図である。
先ず、ランプ駆動基板688では、パチンコ機1の電源投入時や、リセット時において、演出用役物430の回転位置を検出する回転部モータセンサ532の検出信号の受信の有無を確認する。回転部モータセンサ532からの検出信号がなければ、演出用役物430の役物回転体432の内部を視認することができない位置(装飾位置)に、演出用役物430を回転駆動させる。これにより、図10に示すように、演出用役物430の正面には「歌姫伝説」が表れる。
その後、遊技状態の変化に伴って、周辺制御基板662からランプ駆動基板688へ、演出用役物430を回転駆動制御する旨の制御コマンドが送信されると、ランプ駆動基板688では、図24に示すように演出用役物430の役物回転体432の内部のフィギュア434を視認することができるように、回転部モータ526を駆動させ、演出用役物430を演出位置に回転駆動させる。これにより、遊技者は、演出用役物430の役物回転体432の内部に配置されたフィギュア434を視認することができる。また、第一開閉装置398から受入れられた遊技球が第一演出樋470に導かれた場合には、この遊技球を用いた演出を視認することができる。
ところで、本例の演出用役物430における、役物回転体432のフィギュア434側つまり球流通空間460a側と、装飾空間460bとの回転移動は、装飾空間460b側から球流通空間460a側へ視認可能となるように回転する方向が、平面視で反時計回りに回転するようになっている。これにより、演出表示装置115の右側に配置された演出用役物430が反時計回りに回転することで、遊技者からは、球流通空間460aが左側から順次広がるように見え、演出表示装置115の表示領域が右側に広がるように見せることができるようになっている。
なお、遊技球を用いた演出は、フィギュア434により演出駆動制御する旨の制御コマンドが周辺制御基板662からランプ駆動基板688へ送信されると、ランプ駆動基板688は、支持軸474を、β方向とγ方向とに繰り返し往復回転させる。
支持軸474がα方向とβ方向とに繰り返し往復回転されると、フィギュア434の片手434aは、支持軸474の回転に伴って、フィギュア434に対して支持軸474を回転中心として回転する。即ち、支持軸474が時計回り(図中のβ方向)に回転すると、これに伴って片手434aおよび第一演出樋470が、支持軸474を回転中心として、フィギュア434に対してβ方向に回転する。また、支持軸474が反時計回り(図中のγ方向)に回転すると、これに伴って片手434aおよび第一演出樋470が、支持軸474を回転中心として、フィギュア434に対してγ方向に回転する。これにより、図54(a)に示されるように第一演出樋470が第一の演出口476に向けて下方に傾斜した態様と、図54(b)に示されるように第一演出樋470が第二演出樋誘導口478に向けて下方に傾斜した態様とが繰り返される。
なお、第一大入賞口398aに入賞した遊技球が第一演出樋470上に存在していれば、支持軸474が時計回りおよび反時計回りに繰り返し往復回転することによって、かかる遊技球は、第一演出樋470上を左右方向に転動する。換言すれば、第一演出樋470の遊技球が第一の演出口476または第二演出樋誘導口478に導かれる前に、支持軸474がそれまでの回転方向とは異なる反対方向に回転することによって、遊技球が第一演出樋470上を左右方向に転動することとなる。そして、支持軸474がγ方向について回転限界まで回転して一定時間保持されると(図54(a)の態様で一定時間保持されると)、遊技球は第一の演出口476に導かれる。一方、支持軸474が時計回りの方向について回転限界まで回転して一定時間保持されると(図54(b)の態様で一定時間保持されると)、遊技球は第二演出樋誘導口478に導かれる。
第一演出樋470上を転動する遊技球が第一の演出口476に受入れられると、かかる遊技球は遊技盤5の背後に排出される。一方、第一演出樋470上を転動する遊技球が第二演出樋誘導口478に受入れられると、かかる遊技球は、第二演出樋472の右端472a上に落下し、右端472aから左端472bに向けて転動する。そして、右端472aから左端472bに向けて転動した遊技球は、第二の演出口480に受入れられる。
なお、遊技球を用いた演出用役物430による演出(即ち、遊技球が第一の演出口476に受入れられるかまたは第二の演出口480に受入れられるかといった演出)は、コマンド送信手段740から受信した第一当否決定手段704または第二当否決定手段714による抽選結果に基づいて行われる。
具体的には、演出用役物430による演出を行うとき、第一の演出口476および第二演出口480のうちいずれの演出口を当たりの演出口(またはハズレの演出口)とするのかを決定する。より具体的には、演出用役物430における第一の演出口476及び第二の演出口480は、夫々演出表示装置115と接する側に配置されており、図55に示すように、演出表示装置115において、第一の演出口476及び第二の演出口480の直ぐ隣(図中左側)に、例えば、「ハズレ」及び「当たり」の画像を表示させることで、いずれの演出口が当たりの演出口であるかを遊技者に認識できるようにしている。
そして、第一当否決定手段704または第二当否決定手段714による抽選結果の判定が2R大当たりまたは小当たりである場合には、第一演出樋470上を転動する遊技球が当たりの演出口と決定された側の演出口に導かれるように演出を行う。一方、第一当否決定手段704または第二当否決定手段714による抽選結果の判定がハズレである場合には、第一演出樋470上を転動する遊技球がハズレの演出口と決定された側の演出口に導かれるように演出を行う。このようにして、演出用役物430による演出毎に、当たりの演出口とハズレの演出口とを切り替える。これにより、単調な遊技を回避でき、演出用役物430による演出が行われる際に遊技者は、いずれの演出口が当たりであるのかに注意を惹かれ、興趣が高められるようになっている。
なお、「当たりの演出口」とは、抽選手段による抽選結果が遊技者に有利な結果である可能性があることを示す演出口のことであり、「ハズレの演出口」とは、抽選手段による抽選結果が遊技者に有利な結果よりも不利な結果であることを示す演出口のことである。ここで、「抽選手段による抽選結果が遊技者に有利な結果である可能性がある」とは、第一特別図柄抽選手段700または第二特別図柄抽選手段710による抽選結果が「2R大当たりおよび小当たり」を意味する。即ち、「可能性」とは、この抽選結果が2R大当たりであれば確変遊技状態が発生することから遊技者に有利な結果と言うことができ、小当たりであれば通常遊技状態が継続するので遊技者に有利な結果とは言えないことに基づくものである。
一方、演出表示装置115では、第一当否決定手段704または第二当否決定手段714による抽選結果の判定が2R大当たりまたは小当たりである場合に、特別演出が行われる。これにより、遊技者は、演出表示装置115において特別演出が行われると特別遊技状態が発生する期待感が高まり、興趣が高められるようになっている。
このように、第一当否決定手段704または第二当否決定手段714による抽選結果の判定に応じて、第一演出樋470上を転動する遊技球が第一の演出口476または第二の演出口480に導かれるように演出を行う。そして、演出表示装置115において特別演出が行われる場合には、第一演出樋470上を転動する遊技球を、当たりの演出口に誘導し、演出表示装置115において特別演出が行われない場合には、ハズレの演出口に誘導する。従って、演出用役物430による演出が行われているとき、遊技者は、当たりの演出口に遊技球が受入れられることに期待感を持って遊技を行うことになる。
しかも、本実施形態では、第一当否決定手段704または第二当否決定手段714による抽選結果の判定がたとえ2R大当たりまたは小当たりであったとしても、第一開閉装置398に遊技球が受入れられなかった場合には、遊技球を用いた演出が行われない。従って、遊技者は、第一開閉装置398の第一大入賞口398aが開状態となったときには、何としても遊技球を第一大入賞口398a内に入賞させようという意思が働く。これにより、パチンコ機1から一方的に行われる演出を単に見るだけではなく、遊技者自身が遊技に参加しているといった感情を持つことができ、興趣が高められる。さらに、役物誘導路436、第一演出樋470および第二演出樋472はいずれも、これらの上を転動する遊技球を視認できるように透明部材で構成されているので、遊技球が第一開閉装置398に入賞してから第一の演出口476または第二の演出口480に受入れられるまでの一連の動向を把握できるので、さらに興趣が高められるようになっている。
なお、本例における球払出装置170が、本発明における払出手段に相当している。また、本例の第一始動口390、第二始動口392、及び第三始動口394が、本発明の始動口に相当している。更に、本例の第一大入賞口398aが、本発明の受入口に相当している。
また、本例の裏箱410が本発明の支持部材に、本例の演出用役物430及び役物回転体432が本発明の特別役物に夫々相当している。また、本例の回転駆動ユニット448が本発明の特別役物移動手段に、本例の球流通空間460aが本発明の流通空間に、本例の回動駆動機構492が本発明の回転傾動手段に夫々相当している。更に、本例の第一の演出口476及び第二の演出口480が本発明の第一排出口及び第二排出口に夫々相当している。
また、本例の装飾カバー396及びフィギュア434が本発明の装飾体に、本例の光透過部材398、第二閉鎖部材452及びカバーレンズ490が本発明の導光部材に夫々相当している。また、本例のLED384,456,520が本発明の発光手段に相当している。
更に、本例の第一大入賞口カウントセンサ572が、本発明の受入検出手段に相当している。また、本例の第一特別図柄抽選手段700及び第二特別図柄抽選手段710が本発明の抽選手段に、本例の特別遊技状態発生手段730が本発明の有利遊技状態発生手段に夫々相当している。
このように本実施形態のパチンコ機1によると、LED384,456,520光軸が装飾カバー396やフィギュア434の方向に向いていなくても、光透過部材398、第二閉鎖部材398、及びカバーレンズ490等によってLED384,456,520からの光を装飾カバー396等に導くことができ、装飾カバー396等を発光装飾させることができる。つまり、装飾カバー396等の後側(直後)にLED384,456,520を配置しなくても装飾カバー396等を発光装飾させることができるので、装飾カバー396等の後にLED384,456,520を配置するスペースを確保することができなくても、装飾カバー396等を良好に発光装飾させることができ、装飾カバー396等の配置自由度を高くすることができる。従って、装飾カバー396等の配置によるデザインを多様化することができ、遊技者に対する訴求力の高いデザインとしたり、装飾効果の高いデザインとしたりすることができ、遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
また、カバーレンズ490を介して演出用役物430における球流通空間460a内のフィギュア434を照明することができるので、フィギュア434を目立たせてフィギュア434による装飾効果を高めることができ、フィギュア434に注目させて興趣が低下するのを防止することができる。また、フィギュア434と共に第一演出樋470等の球流通空間460a内も照明することができるので、明るく照明された球流通空間460aが視認可能となることで、遊技者の関心を球流通空間460aに引き付けることが可能となり、照明によってフィギュア434だけでなく球流通空間460a内の遊技球も明瞭に認識させることができ、球流通空間460a内のフィギュア434や遊技球の動きを楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。
更に、演出用役物430において上方に向けられたLED520からの光を、カバーレンズ490を介して役物回転体本体460の外周側に誘導した上で、役物回転体本体460の内側に向かって放射して、フィギュア434の前側から照明することができるので、立体的に造形されたフィギュア434の陰影を強調したり、フィギュア434に着色された色彩を明瞭に見せることができる。
また、センター役物300の一部が演出用役物430の前側にかかって、その装飾カバー396の直後にLEDを配置することができないような場合でも、演出用役物430の近傍で遊技盤5の後面側にLED456を配置すると共に、演出用役物430とセンター役物300との間に配置された第二閉鎖部材452を導光手段として用いることで、LED456からの光をセンター役物300の装飾カバー396に導くことが可能となり、センター役物300の全周に配置された装飾カバー396を良好に発光装飾させることができ、センター役物300による装飾効果を高めて、遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。また、演出用役物430とセンター役物300との間に第二閉鎖部材452が配置されているので、遊技球が第一大入賞口398a以外から球流通空間460aに進入したり、第一の演出口476及び第二の演出口480以外から球流通空間460a内の遊技球が排出されたりするのを防止することができる。
更に、裏箱410の回転体中継基板固定部410aに取付けられる回転体中継基板の接続コネクタ(支持側接続部)と役物回転体432下部の接続コネクタ522(役物側接続部)とが役物回転体432の回転軸線上に対向配置されているので、球振分部モータ484、LED510,516,520、及び球振分部モータセンサ500を有した演出用役物430を回転移動させても、支持側接続部と接続コネクタ522とを接続する配線コード(ハーネス)の動きを最小限にすることが可能となり、配線コードが断線したり、配線コードと各接続コネクタとの接続が外れたりするのを防止することができ、演出用役物430に配置された球振分部モータ484等を確実に作動させて、遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
また、役物回転体本体460の隔壁部466を挟んで一方に球流通空間460aを他方に装飾部材502を配置しているので、演出用役物430を回転させることで、遊技者に対して球流通空間460aを視認させたり、装飾部材502を視認させたりすることが可能となり、遊技状況に応じて球流通空間460aや装飾部材502を楽しませることができると共に、上述の通り球振分部モータ484やLED510,516,520に対して良好な状態で電気的に接続することができるので、球流通空間460a内の第一演出樋470や、装飾部材502を確実に作動させることができ、遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
更に、有利遊技状態として特別遊技状態が発生すると、第一開閉装置398の第一大入賞口398aが所定の開閉動作をすると共に演出用役物430が回転してその球流通空間460aが視認可能となり、その際に、遊技球を第一大入賞口398aに入賞させると、所定数の遊技球が払い出されると共に入賞した遊技球が演出用役物430の球流通空間460a内に供給される。そして、球流通空間460a内に供給された遊技球は、シーソー状の第一演出樋470に供給され、その第一演出樋470上を行ったり来たりして揺動させた上で、抽選結果に応じて第一の演出口476又は第二の演出口480の何れかに振分けられて遊技領域37外へ排出されるので、球流通空間460a内の第一演出樋470上を揺動する遊技球の動きを楽しませることができると共に、第一演出樋470によって何れの演出口476,480へ振分けられるかで興味を誘って遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
また、シーソー状の第一演出樋470を備えており、第一演出樋470をシーソーのように交互に傾動させることで、第一演出樋470上に供給された遊技球が、第一演出樋470の延びる方向に行ったり来たりして揺動することとなり、何れの端から遊技球が放出されるのか予見し難くすることができ、何れの演出口476,480に振分けられるのかでハラハラ、ドキドキさせることができると共に、揺動する遊技球の動きを楽しませて、遊技者の興趣を高めることができる。
また、回動駆動機構492に、第一演出樋470と一体回転しスリット494aを有した第一リンク部材494と、スリット494aと係合するピン496aを有し回転可能とされた第二リンク部材496と、第二リンク部材496を回転駆動する球振分部モータ484とを備えているので、これにより、球振分部モータ484からの回転駆動を第二リンク部材496及び第一リンク部材494を介して第一演出樋470へ伝達させて、第一演出樋470を良好に回転傾動させることができる。また、第一演出樋470の回転中心から離れた位置に球振分部モータ484を配置することができるので、例えば、スペースの関係上、第一演出樋470の後方に球振分部モータ484を配置することができない場合でも、第一演出樋470に回転駆動を伝達させて回転傾動させることができる。
更に、回動駆動機構492として、第一リンク部材494のスリット494aを半径方向に延びるようにすると共に、第二リンク部材496のピン496aをスリット494a内を摺動可能としているので、これにより、スリット494a内にピン496aを挿通させた上で第二リンク部材496を球振分部モータ484によって回転させることで、第二リンク部材496から第一リンク部材494へ回転駆動を伝達させることができると共に、係合部及び被係合部を夫々スリット494a及びピン496aとしているので、第一リンク部材494及び第二リンク部材496を棒状とすることができ、それらリンク部材494,496の大きさを可及的に小さくすることができる。また、第一リンク部材494及び第二リンク部材496の旋回範囲を、ギアを用いた場合よりも小さくすることができるので、回動駆動機構492の設置に係るスペースを少なくすることが可能となり、演出用役物430に良好に配設することができると共に、第一演出樋470の回転角度を可及的に大きくすることができ、第一演出樋470を充分に回転傾動させて、遊技球の揺動が大きくなるようにしてより遊技球の動きを楽しませられるものとすることができる。
また、第一リンク部材494の長さを第二リンク部材496の長さよりも長いものとしており、第一演出樋470の回転角度に対して、球振分部モータ484の回転角度を大きくする必要がある。換言すると、球振分部モータ484の回転が少なくなって第一演出樋470に伝達されるので、第一演出樋470の回転制御をより細やかにして、第一演出樋470を所望の通り回転させることができ、第一演出樋470上を転動する遊技球の動きを、より興趣の高められる動きとすることができる。また、球振分部モータ484の回転が少なくなって第一演出樋470に伝達されるので、球振分部モータ484での遊びや、回転誤差があっても、その差が小さくなって第一演出樋470に伝達され、球振分部モータ484での誤差等が第一演出樋470に現れ難くすることができ、第一演出樋470の回転制御に対する影響を低減させることができる。
更に、第一演出樋470の回転位置検知手段として、検知片498と、検知片498を検知する検知センサとしての球振分部モータセンサ500とを備えており、検知片498を球振分部モータセンサ500で検知するだけで第一演出樋470の回転位置を検知することができるので、回転位置検知手段にかかる構成を簡単なものとすることができる。また、検知片498を第二リンク部材496に備えるようにしており、第一リンク部材494よりも動きの大きな第二リンク部材496で回転位置を検知するので、第一演出樋470に対する回転位置の検知精度を蓋然的に高くなり、簡単な構成で検知精度を高めることができ、回転検知手段にかかるコストが増加するのを抑制することができる。更に、検知片498を、第二リンク部材496の延びる方向とは異なる方向に延びるようにしているので、第二リンク部材496の回転軸に対して第一リンク部材494とは反対側に延び出す量を可及的に少なくすることができ、回動駆動機構492全体が大きくなるのを抑制することができる。
また、回転位置検知手段における検知片498を、第一リンク部材494の旋回面と略同一面上に配置すると共に、第一リンク部材494との接触を回避する逃し部498aを備えているので、これにより、検知片498と第一リンク部材494とが接触するのを回避することができ、第二リンク部材496から第一リンク部材494へ回転駆動を伝達させて、第一演出樋470を良好に回転傾動させることができる。
また、球流通空間460aに供給された遊技球は、以後、遊技制御に関わらない、所謂、「死球」となるので、第一演出樋470により厳密な確率で遊技球を振分ける必要がなく、第一演出樋470や回転駆動機構492にかかるコストを低減させることができる。これにより、仮に、目的としない演出口476,480へ振分けられても、球流通空間460aに供給される前の各始動口センサ644,646,648による検出によって既に所定の特別遊技状態となるのが決定されているので、遊技者に不利な状況となることは無く、逆に目的と異なる演出口476,480に振分けられて、意図しない特別遊技状態となることで遊技者を驚かせて、興趣の高められる効果を期待することができる。
更に、球流通空間460aが視認可能な状態となると、球流通空間460a内に遊技球が流通可能となるようにしているので、球流通空間460aが視認可能となった時のみ遊技球が流通可能となり、球流通空間460a内に遊技球を進入させるための機構を簡単なものとすることができ、コストの増加や不具合の発生を低減させることができる。
また、回転駆動ユニット448によって演出用役物430の役物回転体432を回転させるだけで、容易に球流通空間460aを視認可能としたり視認不能としたりすることができるので、演出用役物430の占める広さの領域のみで球流通空間460aを出没させることが可能となり、演出用役物430の設置に係る領域を可及的に狭くすることができ、パチンコ機1に備え易くすることができると共に、第一演出樋470を回転傾動させる回動駆動機構492の一部が隔壁部466を挟んで反対側に配置されているので、球流通空間460a側からは、回動駆動機構492を目立ち難くして、相対的に球流通空間460a内の第一演出樋470等を目立たせて、第一演出樋470への遊技者の関心を引き付けることができる。
また、演出用役物430の役物回転体432における回転軸の軸芯を上下方向に延びるように配置しており、球流通空間460aの後側に役物回転体432と共に回転する隔壁部466を備えて、隔壁部466の前側を遊技者に向けると球流通空間460aが視認可能となって、回転させることで隔壁部466の後側を遊技者に向けると球流通空間460aが視認不能となるので、簡単な構成で球流通空間460aを視認可能としたり視認不能としたりすることができると共に、役物回転体432を正面視した時の略全ての領域を球流通空間460aとすることができ、球流通空間460aを可及的に大きくして遊技球の動きをより楽しませられるものとすることができる。また、役物回転体432を軸方向、つまり、上下方向に延ばして球流通空間460aを広くすることができるので、球流通空間460a内での遊技球の落差を大きくすることができ、ステージによる左右方向の遊技球の動きとは大きく異なる上下方向の動きをさせることができ、従来のパチンコ機との差別化を計る事ができ、遊技者に対する訴求効果を高めることができる。
更に、遊技領域37の中心よりも上側に第一開閉装置398つまり第一大入賞口398aを配置しており、遊技領域37に打ち込まれた遊技球が、早い段階で第一大入賞口398aに受入れられても、演出用役物430の球流通空間460a内を流通することで、球流通空間460aから排出されるまでその動きを見せて楽しませることができ、損した気分となって興趣が低下するのを抑制することができる。また、第一大入賞口398aが遊技領域37の上方に配置されているので、球流通空間460aの上下方向の落差を可及的に大きくすることができると共に、球流通空間460aを広くすることができるので、球流通空間460a内で遊技球に種々の動きをさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の高められるものとすることができる。
また、第一演出樋470に供給される遊技球の運動エネルギーを減衰させる隔壁部466の凹部466c等で減衰させるようにしており、第一演出樋470に供給される遊技球の運動エネルギーを小さくすることができるので、遊技球が第一演出樋470と接触しても、その衝撃を可及的に小さくすることができ、第一演出樋470が破損するのを防止することができる。また、遊技球の接触による衝撃を可及的に小さくすることができるので、第一演出樋470や第一演出樋470に遊技球を供給するための球放出部材468に強度の弱い透明なものを用いることが可能となり、第一演出樋470等の意匠性や装飾性をより高めて、遊技者の興趣を高められるものとすることができる。
また、少なくとも始動口や入賞口等に遊技球が受入れられると、球払出装置170によって所定数の遊技球が払出されので、始動口や入賞口等を狙った遊技球の打ち込み操作を積極的に行わせて興趣の高められるものとすることができる。
更に、特別遊技状態が発生すると第一大入賞口398aが所定のパターンで受入可能と受入不能とを繰り返すので、特別遊技状態が発生することで、遊技球の打ち込み操作が第一大入賞口398aを狙った単調な操作となって飽き易くなっても、第一大入賞口398aに受入れられた遊技球が演出用役物430の球流通空間460a内で種々の動きをすることで遊技者を楽しませることができ、遊技に飽き難くして興趣が低下するのを防止することができる。
また、特別遊技状態が発生すると、演出用役物430の球流通空間460aが遊技者から視認可能となるようにしているので、球流通空間460aが視認可能となることで特別遊技状態が発生したことを認識させることができると共に、これまで視認不能であった球流通空間460aが視認可能となることで、遊技者の関心を球流通空間460aに向けさせることができ、球流通空間460a内を流通する遊技球の動きを楽しませることができる。
更に、球流通空間460aの第一演出樋470によって振分けられる演出口476,480によって、あたかも遊技制御に影響を与えいてるかのような遊技とすることができ、例えば、例えば、特別遊技状態の発生中のある段階で遊技球が当たりの演出口(第一の演出口476又は第二の演出口480の何れかの演出口)に振分けられた場合は、あたかも特別遊技状態が延長されたように錯覚させたり、或いは、特別遊技状態の終了間直の段階で遊技球が当たりの演出口に振分けられた場合は、あたかも確変遊技状態が発生したかのように錯覚させたりすることができ、特別遊技状態の発生中に球流通空間460aへの関心をより高められると共に、球流通空間460a内での遊技球の動き、特に、第一演出樋470により振分けられる動きによりハラハラ、ドキドキさせて興趣の高められるものとすることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記の実施形態では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、スロットマシーンや、パチンコ機とスロットマシーンとを融合させてなる遊技機等であっても本発明を適用することができる。