JP3772298B2 - ダンパプーリ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハブとプーリとの間に形成される環状空間に加硫ゴム部材が単純圧入・固定されてなるダンパプーリに関する。
【0002】
また、以下の説明で、配合単位は、特に断らない限り、重量単位である。
【0003】
【従来の技術】
上記のタイプのハブとプーリとの間に形成される環状空間に単純圧入・固定される加硫ゴム部材は、従来、NR/SBR、SBR、塩素化IIR、NBR、水添NBR等のゴム材料で形成されていた(例えば、特開昭62−297557号公報等参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、昨今のエンジンルーム内の温度上昇に伴う耐熱性向上の要求には、これらのゴム材料で形成した加硫ゴム部材では、対応し難くなっている。
【0005】
そこで、該加硫ゴム部材の材料として、一般に耐熱性に優れたエチレンプロピレン系ゴム材料、即ち、エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム材料を使用することが考えられる。
【0006】
そして、ダンパのハブ及びプーリは、通常、金属製(鋳鉄、アルミニウム等の金属製)であり、エチレンプロピレン系ゴム(EOR系)材料等の非極性ゴム材料で形成した加硫ゴム部材では、所定の圧縮率で圧入した場合、十分な固着力(プーリ滑り初めトルク)を得難いことが分かった(特に、耐熱老化後において)。
【0007】
本発明は、上記にかんがみて、高温雰囲気下でも、単純圧入・固定タイプのダンパプーリにおいて、ハブ及び/またはプーリと加硫ゴム部材との間の結合性(粘着性)に問題が発生し難いダンパプーリを提供することにある。
【0008】
【発明の概要】
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意開発に努力をする過程で、加硫ゴム部材の表面に対金属粘着塗膜を形成することに思い付き、下記構成のダンパプーリに想到した。
【0009】
少なくともプーリ側が金属製であるハブとプーリとの間に形成される環状空間に加硫ゴム部材が単純圧入・固定されてなるダンパプーリにおいて、
加硫ゴム部材が非極性ゴムをベースとするゴム配合物の加硫物で形成され、該加硫物は、ゴム基材に加硫接着された、対金属粘着塗膜を有することを特徴とする。
【0010】
当該構成によれば、対金属粘着塗膜をゴム基材に加硫接着するため、加硫ゴム部材に対して塗膜が強固に加硫接着されることが期待できる。このため、ハブとプーリとの間に形成される環状空間に加硫ゴム部材を単純圧入・固定する際、対金属粘着塗膜が脱落するおそれがない。よって、本発明のダンパプーリは、ハブ及び/またはプーリと加硫ゴム部材との間の結合性(粘着性)に問題が発生し難い。
【0011】
なお、加硫工程を経た加硫物に対金属粘着塗膜を形成することも考えられる。この場合は、加硫工程を経た後であるので、本発明におけるようなゴム基材に対する接着性の良好な塗膜の形成が困難となる。
【0012】
上記構成において、対金属粘着塗膜は、通常、デッピング塗膜(浸漬塗膜)とする。押出物全周(全面)に均一な塗膜を容易に形成することができる。当該塗膜は、空気遮断層の機能を奏する。したがって、ゴム加硫物が過酸化物加硫系である場合においても、空気存在雰囲気下で連続加硫が可能となる。すなわち、加硫を空気遮断環境で行なえるLCM(金属塩)加硫等で行なう必要がなくなる。
【0013】
そして、ゴム加硫物を過酸化物加硫系のゴム配合物で形成することにより、ダンパプーリの加硫ゴム部材に適用した場合、ダンパプーリの耐久性(加硫ゴム部材の密着性(粘着性)の持続性も含めて)の更なる向上が期待できる。該過酸化物加硫系のゴム加硫物は硫黄加硫系のそれに比して耐圧縮永久歪み性に優れているためである。
【0014】
そして、非極性ゴムは、通常、エチレンプロピレン系ゴム(EOR)とする。
【0015】
また、対金属粘着塗膜は、極性基を導入したキノン誘導体を機能成分(対金属粘着付与剤)として含有するものが望ましい。キノン骨格がEOR(ゴムポリマー)と反応(架橋)して接着性(密着性)良好な塗膜を得やすく、且つ、極性基が耐金属親和性(濡れ性)を増大させることが期待できるためである。
【0016】
上記ダンパプーリの本発明及び各実施態様に対応する製造方法の発明及び実施態様は下記の如くになる。
【0017】
(1) 加硫ゴム部材を調製した後、該加硫ゴム部材を少なくともプーリ側が金属製であるハブとプーリとの間に形成される環状空間に単純圧入・固定してダンパプーリを製造する方法において、
加硫ゴム部材の調製を、非極性ゴムをベースとするゴム配合物の押出工程、対金属粘着塗料(密着性改善塗料)の塗布工程、及び、押出物の加硫工程を、それらの工程順に経て行なう。
【0018】
上記製造方法において、▲1▼塗布工程の塗布手段をデッピング(浸漬)塗布とする、▲2▼ゴム配合物を過酸化物加硫系とする、▲3▼非極性ゴムを、エチレンプロピレン系ゴムとする、▲4▼密着性改善塗料として、極性基を導入したキノン誘導体及びイオウを分散させたエマルションを使用することが、それぞれ望ましい。
【0019】
【発明の実施形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下の説明で配合部数を示す「部」は特に断らない限り「質量部」を意味する。
【0020】
本発明のダンパプーリ18は、前述の如く、ハブ12とプーリ14との間に形成される環状空間に加硫ゴム部材16が単純圧入・固定されてなるものである(図1参照)。
【0021】
ここで、ハブ12及びプーリ14は、通常、ともに金属製であるが、ハブ12は繊維強化プラスチック等で成形したものであってもよい。
【0022】
そして、加硫ゴム部材16は、非極性ゴムをベースとするゴム配合物で形成する。
【0023】
ここで非極性ゴムとしては、エチレンプロピレン系ゴム(EOR)が前述の如く、耐熱性等の見地から望ましいが、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、天然ゴム(NR)等であってもよい。
【0024】
特に、EOR系ゴムの内、本発明者らが先に提案した下記要件(1) 〜(3) を満たすポリマーアロイをベースポリマー(原料ゴム)として使用することが望ましい(特開平10−196719号公報参照)。
【0025】
(1) ポリマーアロイは、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴム(A):99〜60重量%と液状エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム(B):20〜40重量%からなる。
【0026】
(2) エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴムは、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンと非共役ジエンとからなり、かつ、エチレンとα−オレフィンとのモル比が60/40〜73/27であり、分子量分布指数(MW /Mn )が4未満であり、極限粘度[η]が2.7〜5.0dL/gであり、ヨウ素価が10〜40であり、非共役ジエンが5−エチリデン−2−ノルボルネンである。
【0027】
(3) 液状エチレン・α−オレフィン共重合体ゴムは、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとからなり、かつ、エチレンとα−オレフィンとのモル比が50/50〜78/22であり、極限粘度[η]が0.3〜0.5dL/gである。
【0028】
そして、加硫系は過酸化物加硫系、硫黄加硫系を問わないが、耐圧縮永久歪み性に優れている過酸化物加硫系をベースとすることが望ましい。
【0029】
上記ゴム配合物は、例えば、有機過酸化物加硫系のEOR系の場合、例えば、下記のような方法により調製する。
【0030】
すなわち、バンバリーミキサー等のミキサー類を用いて、上記EORおよび軟化剤(プロセスオイル)、加工助剤(ステアリン酸)を30〜170℃の温度で3〜10分間混練し、次いで、オーブンロール等のロール類を用いて、加硫剤(有機過酸化物又はイオウ)、カーボンブラック、必要に応じて加硫促進剤または加硫助剤、さらには、その他副資材(亜鉛華等)を追加混合し、ロール温度40〜80℃で5〜30分間混練した後、混練物を押出し、リボン状またはシート状の配合ゴムを調製する。
【0031】
本実施形態では、加硫ゴム部材16が非極性ゴムをベースとするゴム配合物の加硫物で形成された上記構成のダンパプーリ18において、加硫ゴム部材16を形成する加硫物が、ゴム基材15に加硫接着された対金属粘着塗膜17を有する。
【0032】
当該構成の加硫ゴム部材16を形成する加硫物Wの調製は、ゴム配合物の押出工程、粘着性付与塗料の塗布工程、及び、押出物の加硫工程を経て行なうことが生産性の見地から望ましい。
【0033】
すなわち、押出機20と熱空気加硫(HAV:Hot-Air-Vulcanization )のための熱空気加硫槽(熱風炉)24との間にディッピング槽(浸漬槽)22が配されている。通常、熱空気加硫槽24の先には引き取り機26が配されている。なお、熱風加硫以外に、マイクロ波加硫(UHF:Ultra-High-Frequency)及び流動床加硫(FB:Fludized- Bed )を、単独又は組み合わせてもよい。
【0034】
このとき加硫条件は、130〜270℃×1〜30分とする。この加硫条件は、通常、ゴム配合物の種類(特にゴムポリマー・加硫系等の)により異なる。
【0035】
押出機20から所定断面形状(図例では矩形)に押し出された押出物(ゴム部材)Wを、デッピング槽(浸漬槽)22を通過させて対金属粘着塗料を塗布後、熱空気加硫槽24を通過させて押出物(ゴム基材)の加硫とともに対金属粘着塗膜17をゴム基材に対して固化接着(加流接着)させる。
【0036】
このとき、対金属粘着塗料とは、押出物(ゴム基材)表面に塗布して接着(固化)させたときに、ゴム基材表面に対金属粘着性(化学結合によらない接着性;主として濡れ(吸着)作用による。)を付与する塗料のことである。
【0037】
そして、対金属粘着塗料は、通常、ゴム基材の表面の極性を増大させる塗膜を使用し、非極性ゴム基材に対して接着可能な塗料なら特に、塗料形態・塗膜形成薬剤は特に限定されない。例えば、塗料形態は、液状、粉状、ゾル状いずれも適用可能である。塗布性等の見地から通常、液状とする。液状塗料は、溶液、乳濁液(エマルション)、懸濁液のいずれも使用可能である。特に、作業環境の見地から、有機溶剤を使用しない、乳濁液(エマルション)が望ましい。
【0038】
そして、対金属粘着塗料には、少なくとも、機能成分として対金属粘着付与剤を含有する。該対金属粘着付与剤としては、極性基(特にハロゲン基:Cl,Br等)を導入したキノン誘導体を好適に使用できる。当該キノン誘導体としては、特に、クロラニル(化合物名:2,3,5,6−テトラクロロキノン)が好適に使用できる。
【0039】
極性基としては、上記の他に、アミノ基(NH2 )、水酸基(OH)、カルボキシル基(CO2 H)、ハロゲン化メチル基(CH2 X)、メルカプト基(SH)等でもよい。
【0040】
そして、これらの対金属粘着付与剤は、通常、非水溶性であるので、溶液とする場合は有機溶剤を使用する必要がある。しかし、有機溶剤は、作業環境及び未加硫のゴム押出物に悪影響を与えるおそれがあるため、水に分散させる形態(エマルション又はサスペンション)とすることが望ましい。
【0041】
通常、水に分散させる場合は、乳化剤として界面活性剤を使用し、さらに、揮発性を向上させるために(塗膜乾燥速度増大の見地)、アルコール性水溶液とすることが望ましい。
【0042】
ここで、界面活性剤としては、イオン性(カチオン系、アニオン系、両性系)、非イオン性のいずれでもよい。なお、塗膜中に対金属粘着性に悪影響を与える(低下させる)界面活性剤が残存している塗膜の場合は、後処理においてゴム部材圧入作業前に界面活性剤を、水洗除去しておくことが望ましい。
【0043】
また、アルコール性水溶液とする場合に添加するアルコールとしては、揮発性の良好な、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等を好適に使用可能である。
【0044】
上記対金属粘着塗料中の対金属粘着付与剤の濃度は、対金属粘着性付与の効果を奏する付着量が獲得できる量以上で、かつ、過剰付着しない量以下とする。例えば、クロラニルの場合、界面活性剤添加水系分散媒又はアルコール性分散媒100部に対して1〜25部、望ましくは5〜20部、さらに望ましくは7〜15部とする。
【0045】
さらに、本塗料には、塗膜との加硫接着力を増大させる見地からイオウを添加しておくことが望ましい。当該イオウの濃度は、分散媒100部に対して1〜25部、望ましくは5〜20部、さらに望ましくは7〜15部とする。
【0046】
なお、本塗料には、上記機能接着剤(対金属接着付与剤、イオウ)の他に、適宜、ポリマー等、他の薬剤も添加可能である。
【0047】
本実施形態によれば、加硫工程の前にゴム基材に対して塗料を浸漬塗布するため、ゴム基材が過酸化物加硫系であっても、本実施形態の如く、空気存在雰囲気下での連続加硫が可能となる。なお、ゴム基材がイオウ加硫系の如く、空気存在雰囲気下でも連続加硫が可能な場合は、必要部位のみ、すなわち、押出物両面のみ塗布してもよい。
【0048】
なお塗布方法は、浸漬塗布に限られず、スプレーコート・ローラコート・刷毛塗り・フローコート等特に限定されない。さらに、塗料を粉状とする場合は、流動塗装、噴射塗装、静電塗装等も可能である。押出直後のゴムは未加硫で流動ないし噴射塗装でも十分に膜厚を確保可能である。
【0049】
ここで、対金属付着塗膜の厚みは、0.5〜100μm、望ましくは1〜50μm、さらに望ましくは2〜20μmとする。厚みが薄すぎると、塗膜17に対金属粘着性を十分に得難く、逆に厚すぎると過剰品質であるとともに、塗膜17のゴム基材密着性が低下する。
【0050】
本発明に係る加硫ゴム部材を得るには、上記の如く連続加硫して得た加硫ゴム押出物を、ゴム部材の形状(長さ)に裁断すればよい。
【0051】
そして、上記加硫ゴム部材は、所定長、幅、厚みに調製(成形又は裁断により)して帯板状の加硫ゴム部材とし、通常、圧入液を塗布後、該加硫ゴム帯板(加硫ゴム部材)を、治具で固定したハブとプーリで形成される環状空間に圧入する。このときの圧縮率は、通常、20〜50%、望ましくは35〜45%、最も望ましくは38〜42%とする。
【0052】
このとき使用する圧入液としては、対金属粘着性(結合性)を阻害しないもの、例えば、パラフィンオイル等を使用する。
【0053】
【試験例】
以下、本発明の効果を確認するために行なった試験例について説明をする。
【0054】
A.各試験例に使用した基本配合処方は、下記の通りである。
【0055】
EOR配合処方 E0R(ポリマーアロイ) 147部
ステアリン酸 3部
亜鉛華 5部
カーボンブラック 80部
老化防止剤 2部
DCP(40%含有品) 8部
プロセスオイル 13部
なお、使用したポリマーアロイは、下記仕様の高分子量成分(A成分)100部に対して、下記仕様の低分子量成分(B成分)47部を配合したものである。
【0056】
<A成分仕様>
エチレン/α−オレフィン:68/32、分子量分布指数(MW /Mn ):3.7、極限粘度[ηC ]:4.0dL/g、ヨウ素価:22
<B成分仕様>
エチレン/α−オレフィン:68/32、極限粘度[ηC ]:0.37dL/g、ヨウ素価:0
上記基本配合処方において、比較例2の配合処方は、さらに、0.5 phrのクロラニルを配合させたものである。
【0057】
上記各処方のゴム配合物をバンバリーミキサーで混練して未加硫ゴム配合物を調製した。
【0058】
当該ゴム配合物を用いてそれぞれ下記方法に従って試験を行なった。
【0059】
(1) 粘着性(結合性)確認試験
前述の図2に示す加硫ゴム部材の製造方法において、押出物を▲1▼実施例はクロラニル含有水系分散液に浸漬(ディッピング)させた後、▲2▼比較例1・2は浸漬塗布せず、それぞれ連続加硫(熱風加硫:170℃×10min )して各加硫ゴム押出物を調製した。
【0060】
なお、クロラニル水系分散液は、水100部にクロラニル10部及びイオウ10部を添加したものに乳化剤(界面活性剤)を用いて調製したエマルション(乳濁液)を用いた。
【0061】
そして、各加硫物を裁断して試験片(16mmφ×10mmt)を調製した。
【0062】
各試験片について、鋼板(35mmφ×3.2mmt)の間に挟着後、25%圧縮した状態を保持しながら、熱雰囲気に放置した(120℃×60min )。
【0063】
そして、各試験片について、引張試験(JIS K 6301;引張速度25cm/s)で行なった。それらの結果を示す評価から本発明のダンパプーリは、ゴム部材の対金属粘着性の増大が期待できることが分かる。
【0064】
すなわち、クロラニル含有水系分散液で浸漬処理した実施例は、無処理品(比較例1)に対しては勿論、ゴム中にクロラニルを配合させた無処理品(比較例2)に比しても対金属粘着性(結合性)が増大していることが分かる。なお、結合力は比較例2の結合力:1.0とした場合の相対評価である。
【0065】
(2) 圧縮永久歪み
JIS K 6301に準拠して耐熱試験後(120℃×70h)の圧縮永久歪みを測定した。
【0066】
結果を示す表1からクロラニルを配合した比較例2は、クロラニル無配合の比較例1及び実施例に比して圧縮永久歪みが低下していることが分かる。
【0067】
【表1】
【0068】
【産業上の利用の可能性】
本発明の基本思想は、上記ダンパプーリばかりでなく、他の結合性を要求される押出連続加硫成形品、例えば、プライマー処理が要求されるウェザストリップゴム製品や金属スリーブ付き継手を組み付けるゴムホース等にも適用できるものである。
【0069】
すなわち、押出後加硫工程前のウェザストリップの活性処理部位にプライマー塗料を塗布したり、同じくゴムホース等の全長又は継手組み付け部位のみに間欠的に対金属粘着塗料を塗布したりして、本発明の基本思想を適用(応用)可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用するダンパプーリの一例を示す判断面図
【図2】本発明のダンパプーリに適用する加硫ゴム部材の調製方法の一例を示す工程図
【符号の説明】
12 ハブ
14 プーリ
15 ゴム基材
16 加硫ゴム部材
17 対金属粘着塗膜
18 ダンパプーリ
20 押出機
22 ディッピング槽(浸漬槽)
24 熱空気加硫槽(熱風炉)
Claims (1)
- 加硫ゴム部材を調製した後、該加硫ゴム部材を少なくともプーリ側が金属製であるハブとプーリとの間に形成される環状空間に単純圧入・固定してダンパプーリを製造する方法において、
前記加硫ゴム部材の調製を、非極性ゴムをベースとする過酸化物加硫系のゴム配合物の押出工程、対金属粘着塗膜用の塗料(以下「対金属粘着塗料」という)の塗布工程、及び、押出物の加硫工程を、それらの工程順に経て行ない、
前記対金属粘着塗料の塗布工程を、水にクロラニル及び硫黄を添加して界面活性剤を用いて調製したクロラニル含有水系分散液で浸漬処理して行なうことを特徴とするダンパプーリの製造方法。
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