JP3638650B2 - ダンパプーリ - Google Patents
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- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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- F16H55/00—Elements with teeth or friction surfaces for conveying motion; Worms, pulleys or sheaves for gearing mechanisms
- F16H55/32—Friction members
- F16H55/36—Pulleys
- F16H2055/366—Pulleys with means providing resilience or vibration damping
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、回転軸の捩じり振動を抑制するためのダンパプーリに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のダンパプーリの代表的構造を図5に示すと、金属板材よりなるプーリハブ1は、回転軸に装着される筒状部11と、その外方に同心状に設けた筒状の外周部12と、これらを連結する側壁13とからなる。上記外周部12の外方には、所定間隔をおいて金属製のリング状質量体3が配設されており、これらの間にリング状の弾性体2を圧入固定してある。
【0003】
上記弾性体2は、通常、天然ゴムとスチレン−ブタジエン共重合ゴムのブレンドゴム(NR/SBR)等のゴム材からなる。上記弾性体2と上記プーリハブ外周部12および質量体3との接合は、異種材間の接合であるため、従来よりその接着性を向上させるために種々の工夫がなされているが、一般には、溶剤型の接着剤を用い、金属面の表面処理後、金属となじみのよい下塗り接着剤を塗布、乾燥し、さらにゴムとなじみのよい上塗り接着剤の塗布、乾燥を行ない、上記弾性体2を配して熱硬化することにより接着している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の構成では、接着剤が2層構造であることに加え、これらをそれぞれ塗布、乾燥する手間を要するため、工程数が多く、コスト高の要因となっている。工程数を削減する手段としては、例えば、無溶剤型の接着剤を使用することが検討されており、乾燥工程が不要となるため大幅なコスト低減が可能になる。また、溶剤の揮発がなく作業環境が向上するといった利点がある。
【0005】
しかしながら、無溶剤型の接着剤は樹脂を主成分とするもので、一般に金属−樹脂間の接着において良好な接着性を示すことが知られているが、金属−ゴム間、特にゴムとの接着力がやや低い。このため、回転軸で発生する振動を常に受けるダンパプーリ用の接着剤として使用するには、接着強度が必ずしも十分とはいえなかった。
【0006】
しかして、本発明の目的は、無溶剤型の接着剤を使用したダンパプーリの、接合面の接着強度を向上させ、低コストかつ耐久性に優れたダンパプーリを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の構成を図1によって説明すると、ダンパプーリは、金属製プーリハブ1の外周に弾性体2を介してリング状の金属製質量体3を接合してなり、上記弾性体2は、ゴム材よりなる基材層21と、該基材層21の少なくとも上記プーリハブ1および質量体3との接合表面に形成した、樹脂材または構成分子中に官能基を導入したゴム材よりなる表皮層22で構成している。また上記弾性体2と上記プーリハブ1および上記質量体3とは無溶剤型接着剤にて接着してある(請求項1)。
【0008】
上記表皮層22は、膜厚を1mm以下とすることが好ましい(請求項2)。上記表皮層22を構成する樹脂材としてはポリアミド系樹脂が、官能基を導入したゴム材としては官能基としてエポキシ基、アミノ基、ヒドロキシル基、イソシアナト基またはカルボキシル基を導入したゴム材が挙げられ、無溶剤型接着剤としては、エポキシ系、ウレタン系またはフェノール系の無溶剤型接着剤が使用できる(請求項3)。
【0009】
【作用】
本発明の構成では、上記弾性体2の接合表面に表皮層22を設け、これを樹脂材または構成分子中に官能基を導入したゴム材で構成している。樹脂材は、無溶剤型接着剤の主成分と同素材であるので、接着剤となじみやすく、高い接合強度を実現する。ゴム材とした場合には導入された官能基が、極性を高めて、接着剤を構成する分子との分子間力を向上させる。かくして、接着剤との結合が強固になり、接着力が大きく向上する。なお、上記弾性体2は、基材層21を減衰力が大きく耐久性の良い通常のゴム材としており、ダンパプーリに要求される振動減衰特性を十分発揮することができる。特に、上記表皮層22を1mm以下の薄膜とすれば、ダンパプーリとしての上記性能を妨げるおそれを極く小さくできる。
【0010】
【実施例】
以下に本発明のダンパプーリの一実施例を図面に基づいて説明する。図1において、プーリハブ1は、図略の回転軸の端部に装着される筒状部11と、該筒状部11と同心状に設けた筒状の外周部12とを有し、これら筒状部11と外周部12とは円環状の側壁13にて連結されている。これら筒状部11、外周部12および側壁13は鋳造により一体成形される。
【0011】
上記外周部12の外方には、一定間隔をおいてリング状の質量体3が対向配設してある。上記質量体3は外周にベルト懸架用の溝を設けた鋳造品で、該質量体3と上記プーリハブ外周部12間には、リング状の弾性体2が圧入固定してある。上記弾性体2と上記質量体3、上記外周部12とは無溶剤型の接着剤により接合されている。
【0012】
上記弾性体2は、図2の如く、ゴム材よりなる基材層21と、その表面全面に形成した、樹脂材または官能基を導入したゴム材よりなる表皮層22とを有している。表皮層22は、ここでは基材層21の全面に形成したが、少なくとも、上記質量体3および上記外周部12との接合表面に形成されていればよい。
【0013】
基材層21を構成するゴム材としては、ダンパプーリとしての性能を発揮するために、減衰力が大きく、耐久性の良いゴム材が好ましく、具体的には、天然ゴムとスチレン−ブタジエン共重合ゴムのブレンドゴム(NR/SBR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、天然ゴム(NR)等が挙げられる。表皮層22は、弾性体2と金属面との接着性を高める作用を有し、これを構成する樹脂材としては、これらゴム材と相性のよいポリアミド系樹脂等が好適に使用され、基材層21と固着しやすく、耐久性を向上させる。また、官能基を導入したゴム材としては、エポキシ化ゴム(ENR)、あるいは上記基材層21を構成するゴム材、例えばNR/SBRに、エポキシ基、アミノ基、ヒドロキシル基、イソシアナト基またはカルボキシル基を導入したゴム材が好適に使用される。
【0014】
上記基材層21の表面に表皮層22を形成するには、表皮層22がゴム材であれば、例えば、2層押出しによって成形することができる。この場合には、図3のように、金属面と接触しない上記基材層21の一側面に表皮層22を有しない構成とすることも可能である。また、表皮層22となる樹脂またはゴム材に、基材層21となるゴム材をインサート成形する方法によってもよい。上記表皮層22が樹脂材である場合には、基材層21に樹脂材を溶着(ホットメルト等)する方法によって表皮層22を形成することもできる。具体的には、溶融樹脂に基材層21となるゴム材を通して表面に樹脂の薄膜を形成するか(ディップ塗布)、あるいはスプレーにより塗布してもよい。なお、表皮層22を樹脂材とした場合、ゴム材に予めハロゲン化処理またはコロナ処理(プラズマ処理)等の表面処理を施せば、上記基材層21と表皮層22の結合がより強固になる。
【0015】
上記基材層21のダンパプーリとしての特性を妨げないためには、上記表皮層22はできるだけ薄いのがよく、通常、1mm以下とすることが望ましい。上述した表皮層22の形成方法において、押出し成形を採用した場合には、一般に、膜厚は0.5〜1mm、インサート成形では0.2〜0.5mm、溶着では0.1mm以下となり、いずれも1mm以下とすることができる。
【0016】
上記弾性体2と上記プーリハブ1、質量体3との接着に使用される無溶剤型接着剤としては、例えば、エポキシ系、ウレタン系、フェノール系接着剤等、種々の接着剤が使用できる。具体的には、上記弾性体2の表皮層22をエポキシ化ゴムで構成した場合、これと同材質のエポキシ系接着剤を使用することで、より強固な接着を実現することができる。ここで、エポキシ系接着剤としては、例えば、スリーボンド社製の2002H(商品名、主成分:汎用エポキシEP828)を主剤とし、同社製の2105C(商品名、主成分:変性ポリアミドアミン)を硬化剤としたもの等が好適に使用される。
【0017】
上記構成のダンパプーリを製作する場合には、型内に上記プーリハブ1と質量体3を所定間隔をおいて配し、表面に上記無溶剤型接着剤を塗布した上記弾性体2を圧入する。その後、接着剤の硬化温度まで昇温し、接着剤が硬化するまで所定時間保持すればよく、かくして、弾性体2を上記プーリハブ1と質量体3間に強固に接着することができる。しかも、上記無溶剤型接着剤は、金属との接着性が良好であることから、金属面の表面処理や下塗り接着剤の塗布が不要で、さらに乾燥工程が省略できるので、工程数が大幅に削減可能である。また、上記無溶剤型接着剤の硬化温度は、一般に従来の溶剤型接着剤の硬化温度より低いので、昇温によりゴム材が再加硫される等のおそれはない。
【0018】
なお、接着剤は金属面に塗布してももちろんよいが、弾性体2側に塗布すれば圧入液を省略することが可能である。また、図4のように、プーリハブ1を金属板材で構成し、上記プーリハブ1と質量体3の間に上記弾性体2を配設した後、上記プーリハブ1の外周部12を拡径して固定してもよく、圧入時の接着剤の剥がれ等を防止できる。
【0019】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、無溶剤型の接着剤を使用したダンパプーリの、接合面の接着強度を大きく向上させることができる。従って、工程数削減による低コスト化、作業環境の向上といった無溶剤型の接着剤の利点に加えて、接着面の剥離等を防止して信頼性を高め、耐久性を向上させる等、優れた効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のダンパプーリの一例を示す全体断面図である。
【図2】弾性体の構造を示す断面図である。
【図3】弾性体の構造の他の例を示す断面図である。
【図4】本発明のダンパプーリの他の例を示す部分断面図である。
【図5】従来のダンパプーリの部分断面図である。
【符号の説明】
1 プーリハブ
11 筒状部
12 外周部
13 側壁
2 弾性体
21 基材層
22 表皮層
3 質量体
Claims (3)
- 金属製プーリハブの外周に弾性体を介してリング状の金属製質量体を接合してなるダンパプーリであって、上記弾性体を、ゴム材よりなる基材層と、該基材層の少なくとも上記プーリハブおよび質量体との接合表面に形成した、樹脂材または構成分子中に官能基を導入したゴム材よりなる表皮層とで構成し、かつこの弾性体と上記プーリハブおよび上記質量体とを無溶剤型接着剤にて接着したことを特徴とするダンパプーリ。
- 上記表皮層の膜厚が1mm以下である請求項1記載のダンパプーリ。
- 上記表皮層がポリアミド系樹脂材、または官能基としてエポキシ基、アミノ基、ヒドロキシル基、イソシアナト基またはカルボキシル基を導入したゴム材よりなり、無溶剤型接着剤がエポキシ系、ウレタン系またはフェノール系の無溶剤型接着剤である請求項1または2記載のダンパプーリ。
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Publications (2)
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1995
- 1995-02-03 JP JP03907495A patent/JP3638650B2/ja not_active Expired - Lifetime
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