JP2017053382A - センサホルダ部を有する保護カバー、及び前記保護カバーを備えた軸受装置、並びにセンサホルダ部を有する保護カバーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】温度環境の変化により発生するプラスチック部品の破壊に対して耐性が高く、長期間にわたって高い信頼性を維持できるセンサホルダ部を有する保護カバーを提供する。【解決手段】軸受の外輪13に圧入されるキャップ部1Aと、磁気センサCを保持するセンサホルダ部8との間に反応性ホットメルト接着剤を介在させる。キャップ部1Aに反応性ホットメルト接着剤を塗布し、前記接着剤を、前記接着剤の融点以上の温度になるように熱処理を行って溶融させた後、前記接着剤を、前記接着剤の融点未満、かつ架橋反応開始温度未満の温度環境で冷却固化させた状態で射出成形を行う。反応性ホットメルト接着剤では粒子化された接着剤成分の重ね合わせにより、接着層の厚みを厚くできるので、接着剤と被着剤との線膨張係数の違いにより発生する熱応力劣化に対する耐性が高くなる。【選択図】図1
Description
本発明は、軸受の外輪に圧入されて磁気エンコーダを被う、前記磁気エンコーダに対向する磁気センサを保持するセンサホルダ部を有する保護カバーに関する。
自動車に広く普及している、車輪のロックを無くして効率良く安全に制動するアンチロックブレーキシステムは、例えば、回転速度検出装置(車輪速センサ)により各車輪の回転速度を検出し、制御装置により加速度及び減速度を演算するとともに車体速度とスリップ率を推定し、その結果に基づいてアクチュエータを駆動してブレーキ液圧の制御を行うものである。
このような回転速度検出装置を自動車のホイール支持用の転がり軸受(ハブベアリング)に備えた軸受装置も広く用いられており、N極とS極を一定間隔で周方向に交互に並べた磁気エンコーダを軸受の内輪に取り付け、前記磁気エンコーダの回転を検知するための磁気センサを前記磁気エンコーダに対向させて軸受の外輪に取り付けるとともに、前記磁気エンコーダを保護するように前記磁気エンコーダをインナー側から被う保護カバーを前記外輪のインナー側の端部に圧入したものがある(例えば、特許文献1参照)。
前記保護カバーにより、前記磁気エンコーダに小石や泥水等が当たらないことから前記磁気エンコーダの破損を防止できるとともに、前記磁気エンコーダのアウター側のシール部材が不要になることから摺動抵抗の低減により前記軸受装置の回転トルクを低減できる。
このような回転速度検出装置を自動車のホイール支持用の転がり軸受(ハブベアリング)に備えた軸受装置も広く用いられており、N極とS極を一定間隔で周方向に交互に並べた磁気エンコーダを軸受の内輪に取り付け、前記磁気エンコーダの回転を検知するための磁気センサを前記磁気エンコーダに対向させて軸受の外輪に取り付けるとともに、前記磁気エンコーダを保護するように前記磁気エンコーダをインナー側から被う保護カバーを前記外輪のインナー側の端部に圧入したものがある(例えば、特許文献1参照)。
前記保護カバーにより、前記磁気エンコーダに小石や泥水等が当たらないことから前記磁気エンコーダの破損を防止できるとともに、前記磁気エンコーダのアウター側のシール部材が不要になることから摺動抵抗の低減により前記軸受装置の回転トルクを低減できる。
また、前記磁気エンコーダと前記磁気センサとのエアギャップ調整作業の煩雑さを解消するために、前記磁気センサを保持するセンサホルダ部を有する前記保護カバーとして、非磁性体の鋼板をプレス加工によりカップ状に形成したキャップの底部の一部に合成樹脂からなるボス部を一体に接合し、このボス部に前記磁気センサを固定するナットを一体に接合したものがある(例えば、特許文献2参照)。
さらに、前記センサホルダ部を有する前記保護カバーとして、金属製筒部材と合成樹脂部材とを接着剤により接合することによりカップ状に形成したものがあるがある(例えば、特許文献3参照)。
さらに、前記センサホルダ部を有する前記保護カバーとして、金属製筒部材と合成樹脂部材とを接着剤により接合することによりカップ状に形成したものがあるがある(例えば、特許文献3参照)。
特許文献2及び3のようなセンサホルダ部を有する保護カバーは、金属部品とプラスチック部品とからなり、これらの接合は熱硬化性樹脂接着剤による接着によるのが一般的である。
金属部品に塗布される熱硬化性樹脂接着剤の適正な厚みについて、特許文献3の保護カバーでは、接着力およびインサート成形時の前記接着剤の脱着や流出の観点から、1〜40μmに規定している。
金属部品に塗布される熱硬化性樹脂接着剤の適正な厚みについて、特許文献3の保護カバーでは、接着力およびインサート成形時の前記接着剤の脱着や流出の観点から、1〜40μmに規定している。
ハブベアリングに保護カバーを取り付けた軸受装置は、低温〜高温(例えば、−40℃〜120℃)の広い温度雰囲気で使用される。このような温度環境下では、保護カバーを構成する金属部品とプラスチック部品の間で線膨張係数の違いによる伸縮差が発生し、その歪みによりプラスチック部品の破壊が起こる場合がある。
ここで、両部品の間に十分な厚みの接着層があれば、前記伸縮差を吸収・緩和することができる。
しかしながら、従来技術では接着層が薄く(特許文献3の規定では1〜40μmであり、特許文献3の実施の形態では5〜6μm)、温度環境の変化により発生するプラスチック部品の破壊に対して耐性が低い。
ここで、両部品の間に十分な厚みの接着層があれば、前記伸縮差を吸収・緩和することができる。
しかしながら、従来技術では接着層が薄く(特許文献3の規定では1〜40μmであり、特許文献3の実施の形態では5〜6μm)、温度環境の変化により発生するプラスチック部品の破壊に対して耐性が低い。
特許文献3には、接着剤成分の濃度、塗布方法、塗布回数を調整することにより所望の接着層厚みを得ることが可能であるという記載があるが、従来技術の熱硬化性樹脂接着剤(例えばフェノール樹脂系接着剤を溶剤で希釈したもの)で成分濃度を上げると接着剤の粘度が高くなり、一部に液溜りが生じ塗布ムラが発生する。また、塗布方法を変更して塗布厚みを厚くしようとすると、液垂れによる塗布ムラが発生し、接着層の品質低下が起こる。
ここで接着剤の塗布厚みを大幅に厚くしようと接着剤成分の濃度、塗布方法を極端な設定にすると、接着層の品質低下が顕著に現れ接着層の不良が発生する。同様に塗布回数を増やして接着層を厚くしようとした場合でも、塗布回数増加に伴い接着層の品質低下が増大され、接着層の不良が発生する。
ここで接着剤の塗布厚みを大幅に厚くしようと接着剤成分の濃度、塗布方法を極端な設定にすると、接着層の品質低下が顕著に現れ接着層の不良が発生する。同様に塗布回数を増やして接着層を厚くしようとした場合でも、塗布回数増加に伴い接着層の品質低下が増大され、接着層の不良が発生する。
そこで本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、保護カバーを構成する金属部品とプラスチック部品の間に介在する接着剤の厚みを大きくでき、温度環境の変化により発生するプラスチック部品の破壊に対して耐性が高く、長期間にわたって高い信頼性を維持できるセンサホルダ部を有する保護カバーを提供する点にある。
本発明に係るセンサホルダ部を有する保護カバーは、前記課題解決のために、外周面に内輪軌道面が形成された内輪、及び内周面に外輪軌道面が形成された外輪、並びに、前記内輪軌道面及び前記外輪軌道面間を転動する転動体を有する軸受、前記軸受の軸方向の一端部に位置して前記内輪に固定された、N極とS極を一定間隔で周方向に交互に並べてなる磁気エンコーダ、並びに、前記磁気エンコーダの磁極に対向して前記磁気エンコーダの回転を検知するための磁気センサを備えた軸受装置において、前記外輪に圧入される金属部品と、前記磁気センサを保持するセンサホルダ部を成すプラスチック部品とを有する保護カバーであって、前記金属部品と前記プラスチック部品との間に介在する接着剤が反応性ホットメルト接着剤であることを特徴とする。
このような構成において、金属部品に塗布する反応性ホットメルト接着剤では接着剤成分が粒子化されており、後記する溶融、冷却固化による接着層生成の際に、接着剤成分の重ね合わせを行うことができる。例えば大径粒子から成る接着剤成分を用いることで、1回の処理で、熱硬化性樹脂接着剤(例えばフェノール樹脂系接着剤を溶剤で希釈したもの)と比較して大幅に厚い接着層を確保できる。この為十分な厚みの接着層を確保するまでの処理回数が減少し、塗布ムラの少ない良好な厚膜接着層を生成できる。
よって、接着剤と被着剤(金属部品及びプラスチック部品)との線膨張係数の違いにより発生する熱応力(熱衝撃)劣化に対する耐性を高くすることができるため、長期間にわたって高い信頼性を維持できる。
よって、接着剤と被着剤(金属部品及びプラスチック部品)との線膨張係数の違いにより発生する熱応力(熱衝撃)劣化に対する耐性を高くすることができるため、長期間にわたって高い信頼性を維持できる。
ここで、前記プラスチック部品がポリアミド系樹脂であるとともに、前記反応性ホットメルト接着剤がポリアミド系樹脂接着剤であるのが好適である。
このような構成によれば、プラスチック部品と接着剤の分子構造が類似していることから分子間力が高まるので、接触している界面で分子同士が混ざり合って接合強度が向上する。
このような構成によれば、プラスチック部品と接着剤の分子構造が類似していることから分子間力が高まるので、接触している界面で分子同士が混ざり合って接合強度が向上する。
本発明に係る軸受装置は、前記保護カバーを備えたものである。
また、本発明に係るセンサホルダ部を有する保護カバーの製造方法は、前記課題解決のために、外周面に内輪軌道面が形成された内輪、及び内周面に外輪軌道面が形成された外輪、並びに、前記内輪軌道面及び前記外輪軌道面間を転動する転動体を有する軸受、前記軸受の軸方向の一端部に位置して前記内輪に固定された、N極とS極を一定間隔で周方向に交互に並べてなる磁気エンコーダ、並びに、前記磁気エンコーダの磁極に対向して前記磁気エンコーダの回転を検知するための磁気センサを備えた軸受装置において、前記外輪に圧入される金属部品と、前記磁気センサを保持するセンサホルダ部を成すプラスチック部品とを有する保護カバーの製造方法であって、前記金属部品の前記プラスチック部品との接合面を含む表面に反応性ホットメルト接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、前記接着剤を、前記接着剤の融点以上の温度になるように熱処理を行って溶融させる溶融工程と、前記接着剤を、前記接着剤の融点未満、かつ前記接着剤が架橋反応を開始する温度未満の温度環境で冷却固化させる冷却固化工程と、前記冷却固化工程を経た前記金属部品をインサート品として射出成形用金型内に配置した状態で、溶融した前記プラスチック部品の材料をゲートから前記金型のキャビティ内に注入する射出成形工程と、前記接着剤が架橋反応を開始する温度以上で熱硬化処理を行う熱硬化処理工程と、を含むことを特徴とする。
このような製造方法において、金属部品に塗布する反応性ホットメルト接着剤では接着剤成分が粒子化されており、溶融、冷却固化による接着層生成の際に、接着剤成分の重ね合わせを行うことができる。例えば大径粒子から成る接着剤成分を用いることで、1回の処理で、熱硬化性樹脂接着剤(例えばフェノール樹脂系接着剤を溶剤で希釈したもの)と比較して大幅に厚い接着層を確保できる。この為十分な厚みの接着層を確保するまでの処理回数が減少し、塗布ムラの少ない良好な厚膜接着層を生成できる。
よって、接着剤と被着剤(金属部品及びプラスチック部品)との線膨張係数の違いにより発生する熱応力(熱衝撃)劣化に対する耐性を高くすることができるため、長期間にわたって高い信頼性を維持できる。
よって、接着剤と被着剤(金属部品及びプラスチック部品)との線膨張係数の違いにより発生する熱応力(熱衝撃)劣化に対する耐性を高くすることができるため、長期間にわたって高い信頼性を維持できる。
ここで、前記プラスチック部品がポリアミド系樹脂であるとともに、前記反応性ホットメルト接着剤がポリアミド系樹脂接着剤であるのが好適である。
このような製造方法によれば、プラスチック部品と接着剤の分子構造が類似していることから分子間力が高まるので、接触している界面で分子同士が混ざり合って接合強度が向上する。
このような製造方法によれば、プラスチック部品と接着剤の分子構造が類似していることから分子間力が高まるので、接触している界面で分子同士が混ざり合って接合強度が向上する。
以上のような本発明に係るセンサホルダ部を有する保護カバー、及び前記保護カバーを備えた軸受装置、並びにセンサホルダ部を有する保護カバーの製造方法によれば、保護カバーを構成する金属部品とプラスチック部品との間に介在する接着剤が反応性ホットメルト接着剤であることから、接着層の厚みを大幅に厚くできるので、接着剤と被着材(金属部品及びプラスチック部品)との線膨張係数の違いにより発生する熱応力(熱衝撃)劣化に対する耐性を高くすることができるため、長期間にわたって高い信頼性を維持できる。
次に本発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明するが、本発明は、添付図面に示された形態に限定されず特許請求の範囲に記載の要件を満たす実施形態の全てを含むものである。
<軸受装置>
図1の部分縦断面図に示す軸受装置11は、外輪13に対して内輪12が回転する軸受の他に、前記軸受の軸方向の一端部に配置した、磁気エンコーダ16、保護カバー1、及び磁気センサC、並びに前記軸受の軸方向の他端部に配置したシール部材15等を備える。
前記軸受は、外周面に内輪軌道面12Aが形成された内輪12、及び内周面に外輪軌道面13Aが形成された外輪13、並びに、内輪軌道面12A及び外輪軌道面13A間を転動する転動体14,14,…等を有する。
磁気エンコーダ16は、N極とS極を一定間隔で周方向に交互に並べたものであり、前記軸受の軸方向の一端部に位置する支持部材17により内輪12に固定される。
保護カバー1は、前記軸受の軸方向の一端部を密封するように外輪13に取り付けられ、磁気センサCを保持するセンサホルダ部8を有する。
センサホルダ部8は、ナット10を保持する基部8A、及び段部Dを被う段部被い部8Bを有する。
保護カバー1のセンサホルダ部8に装着された磁気センサCは、磁気エンコーダ16に対向し、磁気エンコーダ16の回転を検知する。
図1の部分縦断面図に示す軸受装置11は、外輪13に対して内輪12が回転する軸受の他に、前記軸受の軸方向の一端部に配置した、磁気エンコーダ16、保護カバー1、及び磁気センサC、並びに前記軸受の軸方向の他端部に配置したシール部材15等を備える。
前記軸受は、外周面に内輪軌道面12Aが形成された内輪12、及び内周面に外輪軌道面13Aが形成された外輪13、並びに、内輪軌道面12A及び外輪軌道面13A間を転動する転動体14,14,…等を有する。
磁気エンコーダ16は、N極とS極を一定間隔で周方向に交互に並べたものであり、前記軸受の軸方向の一端部に位置する支持部材17により内輪12に固定される。
保護カバー1は、前記軸受の軸方向の一端部を密封するように外輪13に取り付けられ、磁気センサCを保持するセンサホルダ部8を有する。
センサホルダ部8は、ナット10を保持する基部8A、及び段部Dを被う段部被い部8Bを有する。
保護カバー1のセンサホルダ部8に装着された磁気センサCは、磁気エンコーダ16に対向し、磁気エンコーダ16の回転を検知する。
図1に示す軸受装置11において、内輪12に磁気エンコーダ16が固定された軸受の外輪13に保護カバー1を圧入することにより、磁気エンコーダ16に対して保護カバー1が軸方向に位置決めされるとともに、保護カバー1のセンサホルダ部8により磁気センサCが保護カバー1に対して軸方向に位置決めされた状態で保持されるので、磁気エンコーダ16に対する磁気センサCのエアギャップ調整が完了する。
よって、磁気エンコーダ16と磁気センサCとのエアギャップ調整作業の煩雑さを解消できる。
よって、磁気エンコーダ16と磁気センサCとのエアギャップ調整作業の煩雑さを解消できる。
<保護カバー>
図1の部分縦断面図、図2の縦断面斜視図に示すように、保護カバー1は、金属部品であるキャップ部1A及びナット10、弾性部品であるシール体7、並びにプラスチック部品であるセンサホルダ部8を有するものであり、キャップ部1Aとセンサホルダ部8との間には接着剤が介在する。
また、保護カバー1は、キャップ部1A及びナット10をインサート品として成形されたインサート成形品である。
よって、センサホルダ部8は、インサート成形によりキャップ部1A及びナット10と一体化される。
図1の部分縦断面図、図2の縦断面斜視図に示すように、保護カバー1は、金属部品であるキャップ部1A及びナット10、弾性部品であるシール体7、並びにプラスチック部品であるセンサホルダ部8を有するものであり、キャップ部1Aとセンサホルダ部8との間には接着剤が介在する。
また、保護カバー1は、キャップ部1A及びナット10をインサート品として成形されたインサート成形品である。
よって、センサホルダ部8は、インサート成形によりキャップ部1A及びナット10と一体化される。
キャップ部1Aは、非磁性体の鋼板をプレス加工によりカップ状に成形した金属部品であり、前記軸受の軸方向の一端部に位置して外輪13に圧入される。
また、キャップ部1Aは、外輪13に圧入される第1円筒部2、第1円筒部2よりも縮径して第1円筒部2の端縁に繋がり、外周面にシール体7が加硫接着された第2円筒部3、第2円筒部3の端縁に繋がって径方向内方へ延びる円環部4、円環部4の内径側端縁に繋がって軸方向に延びる第3円筒部5、及び第3円筒部5の端縁に繋がる円盤部6からなる。
ここで、円盤部6がキャップ部1Aの最底部であり、円盤部6及び円盤部6の外周縁から軸方向に延びる第3円筒部5により段部Dが形成される。
また、キャップ部1Aは、外輪13に圧入される第1円筒部2、第1円筒部2よりも縮径して第1円筒部2の端縁に繋がり、外周面にシール体7が加硫接着された第2円筒部3、第2円筒部3の端縁に繋がって径方向内方へ延びる円環部4、円環部4の内径側端縁に繋がって軸方向に延びる第3円筒部5、及び第3円筒部5の端縁に繋がる円盤部6からなる。
ここで、円盤部6がキャップ部1Aの最底部であり、円盤部6及び円盤部6の外周縁から軸方向に延びる第3円筒部5により段部Dが形成される。
シール体7は、合成ゴム等からなる弾性部品であり、シール体7を形成する合成ゴムは、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、アクリルゴム(ACM)、エチレン・アクリルゴム(AEM)、フッ素ゴム(FKM、FPM)、シリコーンゴム(VQM)等のゴムから、1種、あるいは2種以上のゴムを適当にブレンドして使用することができる。
センサホルダ部8は、磁気センサCを取り付けるための取付ボルトBが螺合するナット10を保持するプラスチック部品である。
センサホルダ部8を形成するプラスチックは、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド610及びポリアミド612等の脂肪族ポリアミド樹脂、又は、ポリアミド9T、ポリアミド6T及びポリアミドMXD6等の芳香族ポリアミド樹脂等のポリアミド系樹脂が望ましい。
センサホルダ部8を形成するプラスチックは、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド610及びポリアミド612等の脂肪族ポリアミド樹脂、又は、ポリアミド9T、ポリアミド6T及びポリアミドMXD6等の芳香族ポリアミド樹脂等のポリアミド系樹脂が望ましい。
キャップ部1Aとセンサホルダ部8との間に介在する接着剤は、反応性ホットメルト接着剤であり、本発明で使用する反応性ホットメルト接着剤は、熱可塑性樹脂をベースにし、硬化性を付与したホットメルト接着剤であり、熱可塑性樹脂とその他の化学物質との混合物で構成され、特にポリアミドをベースとしたものが好ましく用いられる。
融点については特に制限がないが、金属部品であるキャップ部1Aに塗布し易いものが好ましく、その観点から、融点として150℃以下、より好ましくは130℃以下のものが好ましい。
一方、キャップ部1Aに塗布された反応性ホットメルト接着剤の上に、センサホルダ部8をオーバーモールドすることで更なる複合化を行うことから、オーバーモールドの際に塗布した反応性ホットメルト接着剤が流去しない方が良く、融点として100℃以上のもの、又は新たな熱処理により増粘、若しくは架橋するものが好ましく用いられる。
反応性ホットメルト接着剤としての形態には制限がなく、粉体の他、シート状又はスティック状等であってもよいが、キャップ部1Aに塗布するという観点から、特に粉体のものが好ましく、平均粒径として直径10μm〜150μmのものがより好ましい。
融点については特に制限がないが、金属部品であるキャップ部1Aに塗布し易いものが好ましく、その観点から、融点として150℃以下、より好ましくは130℃以下のものが好ましい。
一方、キャップ部1Aに塗布された反応性ホットメルト接着剤の上に、センサホルダ部8をオーバーモールドすることで更なる複合化を行うことから、オーバーモールドの際に塗布した反応性ホットメルト接着剤が流去しない方が良く、融点として100℃以上のもの、又は新たな熱処理により増粘、若しくは架橋するものが好ましく用いられる。
反応性ホットメルト接着剤としての形態には制限がなく、粉体の他、シート状又はスティック状等であってもよいが、キャップ部1Aに塗布するという観点から、特に粉体のものが好ましく、平均粒径として直径10μm〜150μmのものがより好ましい。
例えば、ダイセル・エボニック株式会社製の反応性ホットメルト接着剤(VESTAMELT(登録商標) X1333P1/VESTAMELT(登録商標) Hylink)では、接着剤成分が粒子化され、かつ粒子の平均粒径が直径50〜60μm程度と大きく、接着剤の塗布厚みを厚くできる。
後述する接着剤塗布工程における塗布方法の1つである静電塗装による方法で試験片を1回処理した結果では、大径粒子の重ね合わせにより塗布厚みを確保でき、熱処理後の冷却固化状態でも接着層の厚みが180μm〜190μm程度となった。
後述する射出成形工程を行う際の樹脂圧により圧縮されることから、接着層の厚みは成形前の厚みより薄くなるが、それでも160μm程度の接着層の厚みを確保できる。
よって、接着剤と被着材(キャップ部1A及びセンサホルダ部8)との線膨張係数の違いにより発生する熱応力(熱衝撃)劣化に対する耐性が高くなる。
後述する接着剤塗布工程における塗布方法の1つである静電塗装による方法で試験片を1回処理した結果では、大径粒子の重ね合わせにより塗布厚みを確保でき、熱処理後の冷却固化状態でも接着層の厚みが180μm〜190μm程度となった。
後述する射出成形工程を行う際の樹脂圧により圧縮されることから、接着層の厚みは成形前の厚みより薄くなるが、それでも160μm程度の接着層の厚みを確保できる。
よって、接着剤と被着材(キャップ部1A及びセンサホルダ部8)との線膨張係数の違いにより発生する熱応力(熱衝撃)劣化に対する耐性が高くなる。
<センサホルダ部を有する保護カバーの製造方法>
本発明の実施の形態に係るセンサホルダ部を有する保護カバーの製造方法は、図1に示す軸受装置11において、外輪13に圧入される金属部品であるキャップ部1Aと、磁気センサCを保持するセンサホルダ部8を成すプラスチック部品とを有する保護カバー1の製造方法であって、
前記金属部品(キャップ部1A)の前記プラスチック部品(センサホルダ部8)との接合面を含む表面に反応性ホットメルト接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
前記接着剤を、前記接着剤の融点以上の温度になるように熱処理を行って溶融させる溶融工程と、
前記接着剤を、前記接着剤の融点未満、かつ前記接着剤が架橋反応を開始する温度未満の温度環境で冷却固化させる冷却固化工程と、
前記冷却固化工程を経た前記金属部品をインサート品として射出成形用金型内に配置した状態で、溶融した前記プラスチック部品の材料をゲートから前記金型のキャビティ内に注入する射出成形工程と、
前記接着剤が架橋反応を開始する温度以上で熱硬化処理を行う熱硬化処理工程と、
を含む。
本発明の実施の形態に係るセンサホルダ部を有する保護カバーの製造方法は、図1に示す軸受装置11において、外輪13に圧入される金属部品であるキャップ部1Aと、磁気センサCを保持するセンサホルダ部8を成すプラスチック部品とを有する保護カバー1の製造方法であって、
前記金属部品(キャップ部1A)の前記プラスチック部品(センサホルダ部8)との接合面を含む表面に反応性ホットメルト接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
前記接着剤を、前記接着剤の融点以上の温度になるように熱処理を行って溶融させる溶融工程と、
前記接着剤を、前記接着剤の融点未満、かつ前記接着剤が架橋反応を開始する温度未満の温度環境で冷却固化させる冷却固化工程と、
前記冷却固化工程を経た前記金属部品をインサート品として射出成形用金型内に配置した状態で、溶融した前記プラスチック部品の材料をゲートから前記金型のキャビティ内に注入する射出成形工程と、
前記接着剤が架橋反応を開始する温度以上で熱硬化処理を行う熱硬化処理工程と、
を含む。
(接着剤塗布工程)
本工程では、図3の縦断面図に示すように、第2円筒部3の外周面にシール体7が加硫接着されたキャップ部1Aに対し、図2に示すセンサホルダ部8との接合面を含む表面に、反応性ホットメルト接着剤Aを塗布する。
キャップ部1Aのセンサホルダ8との接合面を含む表面への接着剤Aの塗布方法としては、静電塗装による方法や流動浸漬による方法等がある。
本工程では、図3の縦断面図に示すように、第2円筒部3の外周面にシール体7が加硫接着されたキャップ部1Aに対し、図2に示すセンサホルダ部8との接合面を含む表面に、反応性ホットメルト接着剤Aを塗布する。
キャップ部1Aのセンサホルダ8との接合面を含む表面への接着剤Aの塗布方法としては、静電塗装による方法や流動浸漬による方法等がある。
ここで、静電塗装による方法は、被塗物であるキャップ部1Aをアースし、反応性ホットメルト接着剤Aの粒子を吹き付けるスプレーガンのニードル先端に設けた電極に負の高電圧を印加してキャップ部1Aに対して電界を形成し、前記電極のコロナ放電によって周囲の空気をイオン化し、この圏域を通過する接着剤Aの粒子を負に帯電させ、高電圧によって形成された電界に沿って前記粒子をキャップ部1Aに付着させるものである。
また、流動浸漬による方法は、多孔板を底板とする流動槽に接着剤Aの粉体を入れ、圧縮空気または不活性ガスを圧送することにより多孔板を通じて前記粉体を舞い上げて流動状態にし、この流動層に、接着剤Aの溶融温度以上に予熱した被塗物であるキャップ部1Aを浸漬することにより、キャップ部1Aの表面に接触した前記粉体を半溶融状態又は溶融状態で付着させるものである。
また、流動浸漬による方法は、多孔板を底板とする流動槽に接着剤Aの粉体を入れ、圧縮空気または不活性ガスを圧送することにより多孔板を通じて前記粉体を舞い上げて流動状態にし、この流動層に、接着剤Aの溶融温度以上に予熱した被塗物であるキャップ部1Aを浸漬することにより、キャップ部1Aの表面に接触した前記粉体を半溶融状態又は溶融状態で付着させるものである。
接着剤Aを塗布するキャップ部1Aの表面には、接着剤Aに対するアンカー効果を向上させる観点から、粗面化処理又はプライマー処理を施すことが好ましい。
粗面化処理としては、ブラスト処理、ケミカルエッチング処理、化成処理、ヘアーライン処理等が挙げられる。
粗面化処理を施した場合のキャップ部1Aの塗布面面粗さとしては、Ra0.5〜2μmの範囲が好ましい。
なお、塗布面面粗さは、JIS B0601−1994に基づいて測定することができる。
また、プライマーとしては、シラン系プライマー、フェノール系プライマー、エポキシ系プライマー等が挙げられる。
粗面化処理としては、ブラスト処理、ケミカルエッチング処理、化成処理、ヘアーライン処理等が挙げられる。
粗面化処理を施した場合のキャップ部1Aの塗布面面粗さとしては、Ra0.5〜2μmの範囲が好ましい。
なお、塗布面面粗さは、JIS B0601−1994に基づいて測定することができる。
また、プライマーとしては、シラン系プライマー、フェノール系プライマー、エポキシ系プライマー等が挙げられる。
(溶融工程)
本工程では、反応性ホットメルト接着剤Aがその融点以上の温度になるように熱処理を行って接着剤Aを溶融させる。例えば、接着剤Aの融点以上の温度で熱処理(例えば、200℃で5分)を行う。
それにより、接着剤Aは固体から液体に変化し、粉体から膜状になる。
なお、前記接着剤塗布工程を前記流動浸漬による方法により行う場合は、キャップ部1Aの表面に接触した接着剤Aの粉体が溶融しているので、前記接着剤塗布工程が本溶融工程を含んでいる。
本工程では、反応性ホットメルト接着剤Aがその融点以上の温度になるように熱処理を行って接着剤Aを溶融させる。例えば、接着剤Aの融点以上の温度で熱処理(例えば、200℃で5分)を行う。
それにより、接着剤Aは固体から液体に変化し、粉体から膜状になる。
なお、前記接着剤塗布工程を前記流動浸漬による方法により行う場合は、キャップ部1Aの表面に接触した接着剤Aの粉体が溶融しているので、前記接着剤塗布工程が本溶融工程を含んでいる。
(冷却固化工程)
本工程では、キャップ部1Aに塗布されて溶融した反応性ホットメルト接着剤Aを、接着剤Aの融点未満、かつ接着剤Aが架橋反応を開始する温度未満の温度環境で冷却固化させる。例えば、キャップ部1Aに塗布されて溶融した反応性ホットメルト接着剤Aを、常温で放置又は空冷して冷却固化させる。
冷却固化後の接着剤Aの厚みは、40〜200μmの範囲であるのが好ましく、50〜150μmの範囲であるのがさらに好ましい。
本工程では、キャップ部1Aに塗布されて溶融した反応性ホットメルト接着剤Aを、接着剤Aの融点未満、かつ接着剤Aが架橋反応を開始する温度未満の温度環境で冷却固化させる。例えば、キャップ部1Aに塗布されて溶融した反応性ホットメルト接着剤Aを、常温で放置又は空冷して冷却固化させる。
冷却固化後の接着剤Aの厚みは、40〜200μmの範囲であるのが好ましく、50〜150μmの範囲であるのがさらに好ましい。
(射出成形工程)
前記接着剤塗布工程、前記溶融工程、及び前記冷却固化工程を経たインサート品であるキャップ部1Aを用いる。
本工程では、図4の縦断面図に示すように、固定型18の支持軸21にインサート品であるナット10をセットするとともに、インサート品であるキャップ部1Aを可動型19にセットする。
前記接着剤塗布工程、前記溶融工程、及び前記冷却固化工程を経たインサート品であるキャップ部1Aを用いる。
本工程では、図4の縦断面図に示すように、固定型18の支持軸21にインサート品であるナット10をセットするとともに、インサート品であるキャップ部1Aを可動型19にセットする。
次に、射出成形機に取り付けられた固定型18及び可動型19を型締めした状態で、センサホルダ8を形成する溶融プラスチック材料をスプルーから注入してゲート20から固定型18及び可動型19間のキャビティ内に充填する。
次に、溶融プラスチック材料を冷却・固化させた後、可動型19を開いて保護カバー1を取り出す。
このようにインサート成形された保護カバー1(図1及び図2参照)は、ナット10の周溝10Aに合成樹脂が入り込んでいるので、ナット10の抜け止めがされる。
次に、溶融プラスチック材料を冷却・固化させた後、可動型19を開いて保護カバー1を取り出す。
このようにインサート成形された保護カバー1(図1及び図2参照)は、ナット10の周溝10Aに合成樹脂が入り込んでいるので、ナット10の抜け止めがされる。
(熱硬化処理工程)
本工程では、前記射出成形工程で得られた保護カバー1に対し、反応性ホットメルト接着剤Aの熱硬化性成分が架橋反応を開始する温度以上で熱硬化処理を行う。
前記架橋反応を開始する温度以上の温度は、例えば110〜180℃の範囲である。
前記熱硬化処理は、段階的に温度を上昇させて行ってもよい。例えば、一段目の温度を110〜140℃、二段目の温度を140〜180℃の範囲に調整することが挙げられる。なお、前記架橋反応を開始する温度以上の温度の上限は、処理時間を短縮する観点から、180℃を超える温度にしてもよい
例えば、150℃で60分、又は200℃で30分等の条件で熱硬化処理を行うことができる。
本工程では、前記射出成形工程で得られた保護カバー1に対し、反応性ホットメルト接着剤Aの熱硬化性成分が架橋反応を開始する温度以上で熱硬化処理を行う。
前記架橋反応を開始する温度以上の温度は、例えば110〜180℃の範囲である。
前記熱硬化処理は、段階的に温度を上昇させて行ってもよい。例えば、一段目の温度を110〜140℃、二段目の温度を140〜180℃の範囲に調整することが挙げられる。なお、前記架橋反応を開始する温度以上の温度の上限は、処理時間を短縮する観点から、180℃を超える温度にしてもよい
例えば、150℃で60分、又は200℃で30分等の条件で熱硬化処理を行うことができる。
以上の工程を経ることにより、保護カバー1の完成品が得られる。
以上の説明における図1の部分縦断面図、図2の縦断面斜視図のような保護カバー1において、図5の部分縦断面図に示すように、キャップ部1Aの第3円筒部5の外周面に凹部9,9,…を形成してもよい。
キャップ部1Aをこのような形状にすることにより、センサホルダ部8の段部被い部8Bのプラスチックが凹部9,9,…内に入り込むことから、キャップ部1Aとセンサホルダ部8が機械的に結合するので、金属部品であるキャップ部1Aとプラスチック部品であるセンサホルダ部8の結合強度が向上する。
キャップ部1Aをこのような形状にすることにより、センサホルダ部8の段部被い部8Bのプラスチックが凹部9,9,…内に入り込むことから、キャップ部1Aとセンサホルダ部8が機械的に結合するので、金属部品であるキャップ部1Aとプラスチック部品であるセンサホルダ部8の結合強度が向上する。
また、図2の縦断面斜視図におけるキャップ部1Aの段部D、及びセンサホルダ部8の段部被い部8Bを無くした図6の縦断面斜視図に示すような保護カバー1としてもよく、金属部品をキャップ部1Aではなく筒部1Bとした図7の縦断面斜視図に示すような保護カバー1としてもよい。
さらに、図2の縦断面斜視図における円盤部6に図8の縦断面斜視図のように通孔6Aを形成し、あるいは図6の縦断面斜視図における円盤部6に図9の縦断面斜視図のように通孔6Aを形成し、円盤部6の通孔6Aを通ってカップ状本体部1Aの内面側で径方向外方へ延びる回り込み部8Cをセンサホルダ部8に形成してなる保護カバー1としてもよい。
ここで、図8及び図9の保護カバー1には、通孔6Aの周囲でカップ状本体部1A及びセンサホルダ部8間に無端状のシール体Eを介在させているが、シール体Eを無くしてもよい。
ただし、いずれの保護カバー1においても、金属部品であるキャップ部1A、又は金属部品である筒部1Bと、プラスチック部品であるセンサホルダ部8との間には、反応性ホットメルト接着剤が介在する。
さらに、図2の縦断面斜視図における円盤部6に図8の縦断面斜視図のように通孔6Aを形成し、あるいは図6の縦断面斜視図における円盤部6に図9の縦断面斜視図のように通孔6Aを形成し、円盤部6の通孔6Aを通ってカップ状本体部1Aの内面側で径方向外方へ延びる回り込み部8Cをセンサホルダ部8に形成してなる保護カバー1としてもよい。
ここで、図8及び図9の保護カバー1には、通孔6Aの周囲でカップ状本体部1A及びセンサホルダ部8間に無端状のシール体Eを介在させているが、シール体Eを無くしてもよい。
ただし、いずれの保護カバー1においても、金属部品であるキャップ部1A、又は金属部品である筒部1Bと、プラスチック部品であるセンサホルダ部8との間には、反応性ホットメルト接着剤が介在する。
このようなセンサホルダ部8を有する保護カバー1の製造方法において、キャップ部1Aとセンサホルダ部8との間に介在する反応性ホットメルト接着剤では接着剤成分が粒子化されており、溶融、冷却固化による接着層生成の際に、接着剤成分の重ね合わせを行うことができる。例えば大径粒子から成る接着剤成分を用いることで、1回の処理で、熱硬化性樹脂接着剤(例えばフェノール樹脂系接着剤を溶剤で希釈したもの)と比較して大幅に厚い接着層を確保できる。この為十分な厚みの接着層を確保するまでの処理回数が減少し、塗布ムラの少ない良好な厚膜接着層を生成できる。
よって、接着剤と被着剤(キャップ部1A及びセンサホルダ部8)との線膨張係数の違いにより発生する熱応力(熱衝撃)劣化に対する耐性を高くすることができるため、長期間にわたって高い信頼性を維持できる。
また、センサホルダ部8をポリアミド系樹脂とし、反応性ホットメルト接着剤Aをポリアミド系樹脂接着剤とすることにより、センサホルダ部8と接着剤Aの分子構造が酷似していることから分子間力が高まるので、接触している界面で分子同士が混ざり合って接合強度が向上する。
よって、接着剤と被着剤(キャップ部1A及びセンサホルダ部8)との線膨張係数の違いにより発生する熱応力(熱衝撃)劣化に対する耐性を高くすることができるため、長期間にわたって高い信頼性を維持できる。
また、センサホルダ部8をポリアミド系樹脂とし、反応性ホットメルト接着剤Aをポリアミド系樹脂接着剤とすることにより、センサホルダ部8と接着剤Aの分子構造が酷似していることから分子間力が高まるので、接触している界面で分子同士が混ざり合って接合強度が向上する。
1 保護カバー
1A キャップ部(金属部品)
1B 筒部(金属部品)
2 第1円筒部
3 第2円筒部
4 円環部
5 第3円筒部
6 円盤部
6A 通孔
7 シール体(弾性部品)
8 センサホルダ部(プラスチック部品)
8A 基部
8B 段部被い部
8C 回り込み部
9 凹部
10 ナット
10A 周溝
11 軸受装置
12 内輪
12A 内輪軌道面
13 外輪
13A 外輪駆動面
14 転動体
15 シール部材
16 磁気エンコーダ
17 支持部材
18 固定型
19 可動型
20 ゲート
21 支持軸
A 反応性ホットメルト接着剤
B 取付ボルト
C 磁気センサ
D 段部
E シール体
1A キャップ部(金属部品)
1B 筒部(金属部品)
2 第1円筒部
3 第2円筒部
4 円環部
5 第3円筒部
6 円盤部
6A 通孔
7 シール体(弾性部品)
8 センサホルダ部(プラスチック部品)
8A 基部
8B 段部被い部
8C 回り込み部
9 凹部
10 ナット
10A 周溝
11 軸受装置
12 内輪
12A 内輪軌道面
13 外輪
13A 外輪駆動面
14 転動体
15 シール部材
16 磁気エンコーダ
17 支持部材
18 固定型
19 可動型
20 ゲート
21 支持軸
A 反応性ホットメルト接着剤
B 取付ボルト
C 磁気センサ
D 段部
E シール体
Claims (5)
- 外周面に内輪軌道面が形成された内輪、及び内周面に外輪軌道面が形成された外輪、並びに、前記内輪軌道面及び前記外輪軌道面間を転動する転動体を有する軸受、前記軸受の軸方向の一端部に位置して前記内輪に固定された、N極とS極を一定間隔で周方向に交互に並べてなる磁気エンコーダ、並びに、前記磁気エンコーダの磁極に対向して前記磁気エンコーダの回転を検知するための磁気センサを備えた軸受装置において、前記外輪に圧入される金属部品と、前記磁気センサを保持するセンサホルダ部を成すプラスチック部品とを有する保護カバーであって、
前記金属部品と前記プラスチック部品との間に介在する接着剤が反応性ホットメルト接着剤であることを特徴とするセンサホルダ部を有する保護カバー。 - 前記プラスチック部品がポリアミド系樹脂であるとともに、前記反応性ホットメルト接着剤がポリアミド系樹脂接着剤である請求項1記載のセンサホルダ部を有する保護カバー。
- 請求項1又は2記載のセンサホルダ部を有する保護カバーを備えた軸受装置。
- 外周面に内輪軌道面が形成された内輪、及び内周面に外輪軌道面が形成された外輪、並びに、前記内輪軌道面及び前記外輪軌道面間を転動する転動体を有する軸受、前記軸受の軸方向の一端部に位置して前記内輪に固定された、N極とS極を一定間隔で周方向に交互に並べてなる磁気エンコーダ、並びに、前記磁気エンコーダの磁極に対向して前記磁気エンコーダの回転を検知するための磁気センサを備えた軸受装置において、前記外輪に圧入される金属部品と、前記磁気センサを保持するセンサホルダ部を成すプラスチック部品とを有する保護カバーの製造方法であって、
前記金属部品の前記プラスチック部品との接合面を含む表面に反応性ホットメルト接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
前記接着剤を、前記接着剤の融点以上の温度になるように熱処理を行って溶融させる溶融工程と、
前記接着剤を、前記接着剤の融点未満、かつ前記接着剤が架橋反応を開始する温度未満の温度環境で冷却固化させる冷却固化工程と、
前記冷却固化工程を経た前記金属部品をインサート品として射出成形用金型内に配置した状態で、溶融した前記プラスチック部品の材料をゲートから前記金型のキャビティ内に注入する射出成形工程と、
前記接着剤が架橋反応を開始する温度以上で熱硬化処理を行う熱硬化処理工程と、
を含むことを特徴とするセンサホルダ部を有する保護カバーの製造方法。 - 前記プラスチック部品がポリアミド系樹脂であるとともに、前記反応性ホットメルト接着剤がポリアミド系樹脂接着剤である請求項4記載のセンサホルダ部を有する保護カバーの製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2015176076A JP2017053382A (ja) | 2015-09-07 | 2015-09-07 | センサホルダ部を有する保護カバー、及び前記保護カバーを備えた軸受装置、並びにセンサホルダ部を有する保護カバーの製造方法 |
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Country Status (1)
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JP (1) | JP2017053382A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3546774A1 (en) * | 2018-03-26 | 2019-10-02 | Nakanishi Metal Works Co., Ltd. | Protective cover having sensor holder part, bearing device including the protective cover, and method for manufacturing the protective cover having the sensor holder part |
CN110360226A (zh) * | 2018-03-26 | 2019-10-22 | 中西金属工业株式会社 | 具有传感器支架部的保护罩及其制造方法以及具备上述保护罩的轴承装置 |
US11105376B2 (en) * | 2017-09-11 | 2021-08-31 | Nec Corporation | Bearing with measurement function |
US20220364602A1 (en) * | 2021-05-17 | 2022-11-17 | Aktiebolaget Skf | Sensor bearing assembly |
-
2015
- 2015-09-07 JP JP2015176076A patent/JP2017053382A/ja active Pending
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US11105376B2 (en) * | 2017-09-11 | 2021-08-31 | Nec Corporation | Bearing with measurement function |
EP3546774A1 (en) * | 2018-03-26 | 2019-10-02 | Nakanishi Metal Works Co., Ltd. | Protective cover having sensor holder part, bearing device including the protective cover, and method for manufacturing the protective cover having the sensor holder part |
CN110360226A (zh) * | 2018-03-26 | 2019-10-22 | 中西金属工业株式会社 | 具有传感器支架部的保护罩及其制造方法以及具备上述保护罩的轴承装置 |
US20220364602A1 (en) * | 2021-05-17 | 2022-11-17 | Aktiebolaget Skf | Sensor bearing assembly |
US11703089B2 (en) * | 2021-05-17 | 2023-07-18 | Aktiebolaget Skf | Sensor bearing assembly |
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