JP7458627B2 - 磁気エンコーダの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気エンコーダの製造方法関する。
従来、回転検出等に用いられる磁気エンコーダは、回転体に嵌合される固定部材に磁石部を固着して構成され、固定部材の磁石部との固着面に液状の接着剤を塗布して磁石部を接着したり、固定部材をそのまま接着剤に浸して全体に接着剤を行き渡らせて磁石部を接着する等される。
また下記特許文献1には、接着剤を半硬化状態で焼き付けた固定部材をコアにして磁石部をインサート成形し、二次加熱によって、接着剤を硬化させる磁気エンコーダの製造方法が開示されている。
さらに下記特許文献2には、スリンガと多極磁石との接着部をシランカップリング剤により処理したことが開示されている。
特開2006-47268号公報 特開2009-97992号公報
しかしながら従来の接着剤を固定部材に塗布したり、浸したりする方法では、接着剤の濃度管理を要する上、接着層の厚みを一定にすることが難しく、接着状態にばらつきが生じてしまう。
また特許文献1及び特許文献2に記載のものは、いずれも固定部材に接着剤を塗布する工程があり、上記課題を解決できるものとはいえない。
本発明は、前記実情に鑑みなされたもので、接着剤の塗布工程を不要とし簡易に磁石部を固定部材に固着できる磁気エンコーダの製造方法提供することを目的としている。
本発明に係る磁気エンコーダの製造方法は、回転体に取り付けられる固定部材と、該固定部材に取り付けられるとともに着磁された磁石部と、を備えた磁気エンコーダの製造方法において、前記磁石部が固着される前記固定部材の固着面に、接着シートを配置し貼り付ける貼付工程と、前記磁石部を成形するとともに、前記接着シートを硬化反応させ前記磁石部を前記固定部材に固着させる固着工程と、前記磁石部を着磁する着磁工程と、を備えており、前記固定部材は、前記回転体に嵌合される円筒部と、該円筒部の一端部から径方向に延びる円板部とを有する芯体であり、
前記接着シートは、前記円板部の一側面全体を覆う環状体に形成され、前記接着シートの内周側端部及び外周側端部のそれぞれが前記固着面の縁部から折り曲げられた状態で前記固定部材に貼り付けられることを特徴とする。
また、本発明に係る磁気エンコーダの製造方法は、回転体に取り付けられる固定部材と、該固定部材に取り付けられるとともに着磁された磁石部と、を備えた磁気エンコーダの製造方法において、前記磁石部が固着される前記固定部材の固着面に、接着シートを配置し貼り付ける貼付工程と、前記磁石部を成形するとともに、前記接着シートを硬化反応させ前記磁石部を前記固定部材に固着させる固着工程と、
前記磁石部を着磁する着磁工程と、を備えており、前記固定部材は、前記回転体に嵌合される円筒部と、該円筒部の一端部から径方向に延びる円板部とを有する芯体であり、前記接着シートは、前記固着面となる前記円筒部の一側面全体を覆う筒状体に形成され、前記接着シートの第1端部及び第2端部のそれぞれが前記固着面の縁部から折り曲げられた状態で前記固定部材に貼り付けられることを特徴とする。
また、本発明に係る磁気エンコーダの製造方法は、回転体に取り付けられる固定部材と、該固定部材に取り付けられるとともに着磁された磁石部と、を備えた磁気エンコーダの製造方法において、前記磁石部が固着される前記固定部材の固着面に、接着シートを配置し貼り付ける貼付工程と、前記磁石部を成形するとともに、前記接着シートを硬化反応させ前記磁石部を前記固定部材に固着させる固着工程と、前記磁石部を着磁する着磁工程と、を備えており、前記接着シートは、加熱された前記磁石部が接触すると溶融するとともに、常温では固化する熱硬化性樹脂から構成されていることを特徴とする。
本発明に係る磁気エンコーダの製造方法によれば、上述の構成としたことで、磁石部を接着シートによって固定部材に固着させることができる。したがって、液状の接着剤を固定部材に塗布するための設備を準備する場合に比べて、設備を簡素化することができる。また、接着シートの厚みを選定するだけで磁石部と固定部材との間に介在する接着層の厚みを設定できるため、接着層の厚みを適切に管理し易くなり、固定部材に対する磁石部の接着不良を低減することができる。
本発明の一実施形態に係る磁気エンコーダの製造方法のフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る磁気エンコーダの製造方法の一部の工程を示しており、(a)は芯体加工工程を示す模式的概略縦断面図、(b)は貼付工程を示す模式的概略縦断面図である。 成形工程を示す成型装置の模式的概略縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係る磁気エンコーダを備える密封装置が適用される軸受装置の一例を示す模式的概略縦断面図である。 図4のX部の拡大図である。 (a)(b)は、本発明の第2実施形態に係る磁気エンコーダの製造方法の一部の工程を示しており、(c)は、本発明の第2実施形態に係る磁気エンコーダの模式的概略縦断面図である。(a)は芯体加工工程を示す模式的概略縦断面図、(b)は貼付工程を示す模式的概略縦断面図である。 成形工程の変形例を示す成型装置の模式的概略縦断面図である。
以下に、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。なお、一部の図には、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
本発明は、回転体に取り付けられる固定部材と、固定部材に取り付けられるとともに着磁された磁石部12と、を備えた磁気エンコーダ10の製造方法に関する。磁気エンコーダ10の製造方法は、磁石部12を固着する固定部材の固着面に接着シート20を配置し貼り付ける貼付工程S103と、磁石部12を成形するとともに、接着シート20を硬化反応させ磁石部12を固定部材に固着させる固着工程S106と、磁石部12を着磁する着磁工程S107と、を備えている。
以下、詳しく説明する。
<第1実施形態>
図1~図5を参照しながら、第1実施形態に係る磁気エンコーダ10の製造方法及び磁気エンコーダ10が適用された例について説明する。以下では固定部材を芯体11とした例について説明する。
<芯体加工工程>
まず、図1に示す芯体加工工程S101では、プレス装置にSPCC等の鋼板を供給して、金属板の一方の板面から他方の板面に向けて屈曲するように金属板のプレス加工を行い、図2(a)に示す円筒部111と円板部112とを有する芯体11を形成する。プレス装置は、打抜部を有する上下型からなり、上下型を互いにかみ合うように接近させ、上下型間に供給された金属板を円環状に打ち抜くとともに、プレス加工を施して芯体11を形成する。
<粗面加工工程>
次に粗面加工工程S102では、図2(a)に示すように、芯体11の円板部112の一側面112a(円筒部111が形成されていない側の板面)全体にショットブラスト装置(不図示)によって微小粒子pを吹き付ける。そして芯体11の円板部112の一側面112aに微小粒子pが衝突することで、一側面112a全面に無数の微小凹凸による粗面が形成され、この一側面112aが後述する磁石部12を固着する固着面となる。このように円板部112の一側面112a全体を粗面とすることで、後述する貼付工程S103において、接着シート20を強固に貼り付けできるとともに、接着シート20が円板部112の径方向にずれることを抑制できる。また、後述する固着工程S106において、円板部112の一側面112a全体が粗面となっているので、円板部112の一側面112aと接着層との剥離が生じ難く、磁石部12を強固に固着することができる。
<貼付工程>
続いて図1に示す貼付工程S103では、図2(b)に示すように、芯体11に接着シート20を貼り付ける。接着シート20は、可撓性及び熱接着性を有している熱硬化性樹脂から構成されていることが望ましい。つまり、接着シート20は、加熱前においては可撓性を有し、固形状態を維持する一方、加熱されると溶融し、その後、固化する材質より構成されている。接着シート20は芯体11に貼り付けられる部位に応じて形成される。本実施形態では、接着シート20は、磁石部12を固着する固着面となる芯体11の円板部112の一側面112a全体を覆うように環状体に形成されている(図2(b)の2点鎖線参照)。具体的には、接着シート20は、その内径が円板部112の一側面112aの内径よりも小さく、その外径が円板部112の一側面112aの外径よりも大きく形成されている。そして、接着シート20は、その内周側端部20aが一側面112aの内縁部から折り曲げられ、その外周側端部20bが一側面112aの外縁部から折り曲げられた状態で芯体11に貼り付けられる。接着シート20の内周側端部20aは、芯体11の円筒部111の内周面111bの一部に接する。
そして接着シート20の内周側端部20a及び外周側端部20bが芯体11に垂れた状態で配置されるため、接着シート20が芯体11の円板部112の一側面112aの径方向にずれることを抑制できる。そのため、後述する磁石部12の固定部材への接着不良を未然に抑制できる。
<仮止め工程>
仮止め工程S104は、貼付工程S103と成形工程S105との間に行われる。仮止め工程S104は、固定部材である芯体11に接着シート20を貼り付けた後、磁石部12を芯体11に固定する前に、接着シート20を加熱して、接着シート20を芯体11に予備的に溶着させる。このとき、接着シート20は、収縮し、その外周側端部20bが芯体11の円板部112の外径側端部112bを回り込み、芯体11の円板部112の他側面112cの一部にまで到達する。この状態においては、接着シート20は、硬化反応が未完全な状態であり、さらに加熱されると硬化反応が進む余地が残っている。仮止め工程S104を行うことによって、磁石部12が芯体11に固着されるまでに接着シート20が芯体11に対してずれることを抑制できる。したがって、仮止め工程S104を行うことによって、芯体11に対する磁石部12の接着不良を未然に抑制できる。
<成形工程>
次に成形工程S105では、図3に示すように接着シート20が貼り付けられた芯体11を射出成型装置である成型装置200の下型203側のキャビティ201B内に配置し、上型202を下型203に接近させて型締めする。そして、溶融されたプラスチック磁石材料Mを成型装置200の上型202側のキャビティ201A内に注入する。このとき、プラスチック磁石材料Mは、芯体11の円板部112の一側面112a及び外径側端部112bに行き渡るように注入される。プラスチック磁石材料Mは、熱によって溶融された状態でキャビティ201A内に注入されるので、接着シート20はプラスチック磁石材料Mが接触すると溶融する。そして後に常温まで冷却されると固化する。このように接着シート20として熱硬化性樹脂で構成されたものを用いた場合は、一度固化すると再加熱されても溶融することはなく、磁石部12を芯体11に固着する強度を高めることができる。磁石部12は、成型装置200の上型202側のキャビティ201Aを形取った形状に成形される。なお、磁石部12を構成するプラスチック磁石材料Mは、磁性粉(例えば、フェライト粉末、希土類粉末等)と熱可塑性樹脂組成物とからなる。熱可塑性樹脂組成物は、母材である熱可塑性樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ABS樹脂等)の他に、各種添加剤が配合されてなる。
以上の仮止め工程S104と成形工程S105によって、磁石部12が成形されるとともに、熱硬化性樹脂から構成されている接着シート20の固化による硬化反応によって、磁石部12が固定部材である芯体11に固着され、固着工程S106が完了する。円板部112の一側面112a全体が粗面となっているので、磁石部12は、円板部112の一側面112aに強固に固着される。
<着磁工程>
次に着磁工程S107では、成形された磁石部12が多数のN極及びS極が周方向に交互に繰り返すように着磁装置(不図示)によって着磁される。以上により、芯体11と、磁石部12とを備えた磁気エンコーダ10を得ることができる。
以上によれば、磁石部12を接着シート20によって断面略L字状の芯体11に強固に固着させることができる。したがって、芯体11に液状の接着剤を塗布するための設備を準備する場合に比べて、加熱される前までは固形である接着シート20を用いることによって、設備を簡素化することができる。例えば径の大きい芯体11に磁石部12を固着する場合でも、液状の接着剤を塗布する場合と比べてメリットがある。またこの磁気エンコーダ10は、図2(b)に示すように芯体11に部分的に配置した接着シート20によって磁石部12が固着されているため、芯体11全体に接着剤を塗布する場合と比べて接着剤の使用量が低減される。また、接着シート20の厚みに応じて接着層の厚みも設定されるため、磁石部12と芯体11との間に介在する接着層の厚みを適切に管理しやすくなり、磁気エンコーダ10は、芯体11に対する磁石部12の接着不良を低減できる。
<適用例>
次に本実施形態における磁気エンコーダ10が適用される一例として、密封装置7が装着される軸受装置1について、図4、図5を参照して説明する。以下では回転体を内輪部材4とし、この内輪部材4に芯体11が取り付けられる例について説明する。
図4は、上述の製造方法によって得られた磁気エンコーダ10が適用された密封装置7が車体側(図4において左側)に装着された軸受装置1を示す。軸受装置1は、自動車の車輪(不図示)を軸回転可能に支持し、大略的に、非回転体である外輪2と、回転体に相当する内輪5と、外輪2と内輪5との間に介装される2列の転動体(ボール)6…とを含んで構成される。内輪5は、ハブ輪3と内輪部材4とで構成され、内輪部材4はハブ輪3の車体側に嵌合一体とされる。そして、上述の製造方法によって形成された磁気エンコーダ10を構成する芯体11は内輪部材4に嵌合され、磁気エンコーダ10は軸受装置1の車体側に装着される。磁気エンコーダ10は、密封装置7を構成する一部材となる。
図5に示すように密封装置7は、磁気エンコーダ10と、シール部材13とを備える。
磁気エンコーダ10は、上述のとおり、芯体11と磁石部12とを備え、芯体11は、内輪部材4の外周面4aに嵌合(外嵌)される円筒部111と、円筒部111の一端部111a(車体側端部)から径方向外側に延びる円板部112とを有する。円板部112の一側面112aには、磁石部12が硬化反応を発現する接着シート20を介して固着されている。磁気エンコーダ10の車体側には、磁気センサ8が磁石部12と対峙するように固定配備され、この磁気センサ8により軸L回りの磁気エンコーダ10の回転に伴う磁石部12の磁気変化が検出される。そして、磁気エンコーダ10と磁気センサ8とにより、車輪(不図示)の回転速度や回転角度等の検出を行うことができる。
シール部材13は、外輪2に取り付けられる芯金14と、芯金14に固着され芯体11に弾性的に摺接するシール部15とを備えている。芯金14は、芯体11と同様にSPCC等の鋼板をプレス加工して形成される。芯金14は、外輪2の内周面2bに嵌合(内嵌)される円筒部141と、円筒部141の一端部(車輪側端部)141aから径方向内側に延びる円板部142とを有する。シール部15は、ゴム材の加硫成型により、シールリップ基部150を介して芯金14に固着一体とされ、複数のシールリップ151,152,153を有する。そして、これらシールリップ151,152,153が回転する芯体11に摺接することで、環状の軸受空間Sを密封している。
このような軸受装置1に設けられる密封装置7は泥水、塵埃、高圧洗浄、温度変化、長期間の使用等に耐えられるものであることが求められる。上述の製造方法で製造される磁気エンコーダ10であれば、過酷な環境下での使用でも磁石部12のクラックや剥がれが生じにくく、強固な固着性及び良好な磁気特性を有するので、好適である。また芯体11のシールリップ151,152,153が摺接する面(円板部112の他側面112c及び円筒部111の一側面111c)に接着剤層が形成されることがないため、回転トルクの制御がしやすくなる。例えば回転トルク低減のために芯体11のシールリップ151,152,153が摺接する面を粗面加工することがあるが、このときに接着剤層が形成されると回転トルクの低減効果が薄れてしまう場合がある。上述の製造方法によれば、シールリップ151,152,153が摺接する面に接着剤層を形成することなく、磁石部12を芯体11に固着できるので、このようなことがない。
<第2実施形態>
次に、図6に示す第2実施形態に係る磁気エンコーダ10Aの製造方法について説明する。なお、上述した第1実施形態の磁気エンコーダ10と共通する部分の構成及び作用・効果等の説明は省略する。
第2実施形態の磁気エンコーダ10Aは、円板部112の一側面112aではなく円筒部111の一側面111cに磁石部12を備えている点で、第1実施形態の製造方法で得られる磁気エンコーダ10と異なる。
図6(a)に示す芯体11Aは、回転体に嵌合(外嵌)される円筒部111と、円筒部111の一端部111aから径方向内側に延びる円板部112とを備え、筒状体に形成されている。よって、円筒部111の一側面(外周面)111cに磁石部12が固着される。
製造工程は基本的に図1に示すとおりである。
<芯体加工工程>
まず芯体加工工程S101では、プレス装置に金属板を供給し、金属板の一方の板面から他方の板面に向けて屈曲するようにプレス加工を行うことで、円筒部111と円板部112とを有する筒状体の芯体11Aを形成する。
<粗面加工工程>
図6(a)に示す粗面加工工程S102では、一方の方向から不図示のショットブラスト装置によって微小粒子pを芯体11Aの円筒部111の一側面111c(外周面)に吹き付ける。そして、芯体11Aを軸L’に沿って回転させながら、微小粒子pを芯体11Aの円筒部111の一側面111cに衝突させることによって、円筒部111の一側面111c全体に粗面が形成される。
<貼付工程>
図6(b)に示す接着シート20Aは、その材質が第1実施形態の接着シート20と同様に熱接着性を有する熱硬化性樹脂から構成されている。ここに示す接着シート20Aは、芯体11Aの固着面となる円筒部111の一側面111c全体を覆うように筒状体に形成されている。つまり、接着シート20Aは、その軸方向寸法が、円筒部111の軸方向寸法より大きくなるように形成されている。接着シート20Aは、第1端部20Aaが芯体11Aの一方の縁部から折り曲げられる一方、第2端部20Abが芯体11Aの他方の縁部から折り曲げられた状態で、芯体11Aに貼り付けられる。
接着シート20Aの第1端部20Aa及び第2端部20Abが固定部材である芯体11に垂れた状態で配置される構成となるため、接着シート20Aが軸方向に移動しようとして接着シート20Aの第1端部20Aa又は第2端部20Abが芯体11に引っ掛かり、接着シート20Aが軸方向にずれることを抑制できる。したがって、本実施形態においても、芯体11Aに対する磁石部12の接着不良を未然に抑制できるという効果を奏する。
<仮止め工程~着磁工程>
上述のようにして、芯体11Aに接着シート20Aが貼り付けられた後、第1実施形態のように仮止め工程S104が実施されると接着シート20Aは収縮する。そして接着シート20Aの第1端部20Aaは、芯体11Aの円筒部111の一端部111aと円板部112の一側面(外側面)112aとを回り込んで円板部112の内側端部112dに到達する。また、接着シート20Aの第2端部20Abは、芯体11Aの円筒部111の他端部111dを回り込んで円筒部111の内周面111bの一部に到達する。そして、成形工程S105からなる固着工程S106によって芯体11Aの固着面である円筒部111の一側面111cに磁石部12が固着される。そして、着磁工程S107によって、磁石部12は多数のN極及びS極が周方向に交互に繰り返すように着磁装置によって着磁される。以上の工程により、芯体11と、磁石部12とを備えた磁気エンコーダ10Aを得ることができる。
以上によれば、磁石部12を接着シート20Aによって筒状の芯体11に強固に固着させることができる。また上述の製造方法によれば、本実施形態のように芯体11の形状が液状の接着剤を塗布しにくい形状であっても、簡易に実施できる。この他、液状の接着剤を芯体11に塗布するための設備を準備する場合に比べて、設備を簡素化することができる点、径の大きい芯体11に磁石部12を固着する場合にメリットがある点、接着剤の使用量が低減される点、接着層の厚みを適切に管理しやすくなる等の効果は第1実施形態と同様である。
上記第1及び第2実施形態に係る磁気エンコーダ10,10Aの製造方法は図例や上述したものに限定されることはない。例えば、芯体加工工程S101では、金属板である芯体11,11Aをプレス加工によって加工した例を説明したが、これに限定されることはない。また、芯体11,11Aの材質は金属材料に限定されることはなく、樹脂材料で構成されてもよい。その場合は、例えば、射出成型装置によって芯体11,11Aが構成されてもよい。上述した磁気エンコーダ10,10Aの製造方法では、固着工程S106は仮止め工程S104と成形工程S105とで構成されているが、これに限定されることはない。例えば固着工程S106は仮止め工程を行わず成形工程S105のみの構成であってもよい。
接着シート20,20Aは、熱硬化性樹脂から構成されているが、熱可塑性樹脂から構成されているものでもよい。接着シート20の具体的な例としては、フェノール樹脂系接着シートやエポキシ樹脂系接着シート、シリコン樹脂系接着シート、酢酸ビニル樹脂系接着シート、シアノアクリレート系接着シート、ポリウレタン系接着シート、反応性アクリル樹脂系接着シート、変性アクリル樹脂系接着シート、ホットメルト系接着シート、合成ゴム系接着シート等が挙げられる。また接着シート20として、芯体11と色相が異なるものを用いてもよい。例えば接着シート20が赤く着色されたものとすれば、どの範囲に接着シート20が配されているか一目瞭然となり、後の加工がやりやすくなる。また接着剤として有機溶剤を用いる場合は使用に際して申請、管理が必要になるが、接着シート20の場合は、申請、管理が不要であるので、取扱いしやすいメリットがある。
また、接着シート20,20Aは、熱接着性を有しているものに限定されることはなく、紫外線や他の硬化剤に化学反応して硬化する化学反応型の接着シートによって磁石部12を固着させるものでもよい。その場合において仮止め工程S104を行う場合には、加熱以外の方法で固定部材である芯体11,11Aに予備的に接着シート20,20Aを接着させてもよい。また、磁石部12は、母材が熱可塑性樹脂組成物からなるプラスチック磁石材料に限定されることはなく、熱硬化性樹脂組成物からなるプラスチック磁石材料でもよい。この場合、接着シート20,20Aも熱硬化性樹脂から構成されていれば、プラスチック磁石材料の母材と接着シート20,20Aの材料とが同じ材質になるため、接着の相性がよくなり、芯体11,11Aに対する磁石部12の接着不良をより抑制できる。また、磁石部12は、磁性粉とゴム組成物とからなるゴム磁石材料でもよい。この場合、例えば、図3に示すような射出成型に限定されず、図7に示すような成型装置200Aを用いてもよい。その場合には、仮止め工程S104まで第1実施形態と同様に実施し、成形工程では、成型装置200Aの下型203側のキャビティ201B内に接着シート20が貼り付けられた芯体11を配置した後、接着シート20の上に環状のゴム磁石材料GMを配置する。そして、ゴム磁石材料GMを成型装置200Aの上型202Aにより加熱圧縮して、上型202Aに設けられたキャビティ201Aを形取った形状の磁石部12を成形する。このとき、接着シート20は、ゴム磁石材料GMを介して加熱圧縮されるため溶融する。その後、接着シート20は、常温まで冷却されると固化し、磁石部12が固定部材である芯体11に固着される。なお、この場合、接着シート20が合成ゴム系接着シートであれば、磁石部12の材質と同質となるため、より好ましい。さらに磁気エンコーダ10が適用されるものは、上述したような構成の密封装置7に限定されることはなく、他の構成による密封装置に適用されてもよい。また、磁気エンコーダ10が適用されるものは密封装置7に限らず、磁気エンコーダ10が用いられる回転体4を備えた種々の機械装置に取り付けて使用することができる。
1 軸受装置
4 内輪部材(回転体)
7 密封装置
10,10A 磁気エンコーダ
11,11A 芯体(固定部材)
111 円筒部
111a 一端部
111c 一側面
112 円板部
112a 一側面
12 磁石部
20 接着シート
20a 内周側端部
20b 外周側端部
20A 接着シート
20Aa 第1端部
20Ab 第2端部
M プラスチック磁石材料
S103 貼付工程
S106 固着工程
S107 着磁工程

Claims (6)

  1. 回転体に取り付けられる固定部材と、該固定部材に取り付けられるとともに着磁された磁石部と、を備えた磁気エンコーダの製造方法において、
    前記磁石部が固着される前記固定部材の固着面に、接着シートを配置し貼り付ける貼付工程と、
    前記磁石部を成形するとともに、前記接着シートを硬化反応させ前記磁石部を前記固定部材に固着させる固着工程と、
    前記磁石部を着磁する着磁工程と、を備えており、
    前記固定部材は、前記回転体に嵌合される円筒部と、該円筒部の一端部から径方向に延びる円板部とを有する芯体であり、
    前記接着シートは、前記円板部の一側面全体を覆う環状体に形成され、
    前記接着シートの内周側端部及び外周側端部のそれぞれが前記固着面の縁部から折り曲げられた状態で前記固定部材に貼り付けられることを特徴とする磁気エンコーダの製造方法。
  2. 回転体に取り付けられる固定部材と、該固定部材に取り付けられるとともに着磁された磁石部と、を備えた磁気エンコーダの製造方法において、
    前記磁石部が固着される前記固定部材の固着面に、接着シートを配置し貼り付ける貼付工程と、
    前記磁石部を成形するとともに、前記接着シートを硬化反応させ前記磁石部を前記固定部材に固着させる固着工程と、
    前記磁石部を着磁する着磁工程と、を備えており、
    前記固定部材は、前記回転体に嵌合される円筒部と、該円筒部の一端部から径方向に延びる円板部とを有する芯体であり、
    前記接着シートは、前記固着面となる前記円筒部の一側面全体を覆う筒状体に形成され、
    前記接着シートの第1端部及び第2端部のそれぞれが前記固着面の縁部から折り曲げられた状態で前記固定部材に貼り付けられることを特徴とする磁気エンコーダの製造方法。
  3. 回転体に取り付けられる固定部材と、該固定部材に取り付けられるとともに着磁された磁石部と、を備えた磁気エンコーダの製造方法において、
    前記磁石部が固着される前記固定部材の固着面に、接着シートを配置し貼り付ける貼付工程と、
    前記磁石部を成形するとともに、前記接着シートを硬化反応させ前記磁石部を前記固定部材に固着させる固着工程と、
    前記磁石部を着磁する着磁工程と、を備えており、
    前記接着シートは、加熱された前記磁石部が接触すると溶融するとともに、常温では固化する熱硬化性樹脂から構成されていることを特徴とする磁気エンコーダの製造方法。
  4. 請求項1~請求項3のいずれか一項において、
    前記接着シートは熱接着性を有しており、
    前記固定部材に前記接着シートを貼り付けた後、前記磁石部を前記固定部材に固定する前に、前記接着シートを加熱して、前記固定部材に予備的に溶着させることを特徴とする磁気エンコーダの製造方法。
  5. 請求項1~請求項4のいずれか一項において、
    前記磁石部は、磁性粉と熱可塑性樹脂組成物とからなるプラスチック磁石材料とされ、
    前記プラスチック磁石材料を溶融して射出し、前記固定部材に固着させることを特徴とする磁気エンコーダの製造方法。
  6. 請求項1~請求項4のいずれか一項において、
    前記磁石部は、磁性粉とゴム組成物とからなるゴム磁石材料とされ、
    前記ゴム磁石材料を前記接着シート上に配置した後に圧縮して、前記固定部材に固着させることを特徴とする磁気エンコーダの製造方法。
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