JP2005233321A - エンコーダ装置及び当該エンコーダ装置を備えた転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エンコーダと取り付け部材との接着強度を向上させて、エンコーダが取り付け部材から脱落することを防止すると共に、エンコーダと取り付け部材との接着面から余剰な接着剤が溢れ出ることを防止して、軸受に錆が発生することを抑制し、これにより信頼性に優れるエンコーダ装置及び当該エンコーダ装置を備えた転がり軸受を提供する。
【解決手段】 外輪11と、内輪12と、外輪11及び内輪12により画成された環状隙間に転動自在に配置され且つ保持器14により円周方向に等間隔に保持された複数の玉13と、前記環状隙間の開口端部に配設された密封装置とを備える転がり軸受10に取り付けられた円環状のエンコーダ21は、前記密封装置のスリンガ18を取り付け部材として、回転体である内輪12に固定されている。エンコーダ21はスリンガ18のフランジ部19に接着されており、エンコーダ21のフランジ部19との接着面に凹凸部が形成されており、且つ両側の周縁部に全周に亙って溝23,23が形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、回転体の回転数(回転速度)を検出するために用いられるエンコーダ装置及び当該エンコーダ装置を備えた転がり軸受に関する。
従来、自動車のスキッド(車輪が略停止状態で滑る現象)を防止するためのアンチスキッド、または有効に駆動力を路面に伝えるためのトラクションコントロール(発進や加速時に生じやすい駆動輪の不要な空転の制御)などに用いられる車輪回転数検出装置としては、N極とS極とを円周方向に交互に着磁された円環状のエンコーダと、該エンコーダの近傍における磁場の変化を検出するセンサとを有し、車輪を支持する軸受を密封するための密封装置に前記エンコーダを併設して配置することにより車輪の回転と共に前記エンコーダを回転せしめ、車輪の回転に同期した磁場の変化を前記センサにより検出するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−255337号公報(第2〜3頁、第2図)
特許文献1に開示されている車輪回転数検出装置は、図11に示すように、外輪1aに取り付けられたシール部材2と、内輪1bに嵌合されたスリンガ3と、スリンガ3の端面に取り付けられて内輪1bと共に回転するエンコーダ4と、エンコーダ4に近接して配置されたセンサ5とから構成されており、シール部材2とスリンガ3とにより、埃等の異物が軸受内部に進入することを防止し、軸受内部に充填された潤滑剤が軸受外部に漏洩することを防止している。そして、エンコーダ4は接着剤を塗布されてスリンガ3の前記端面に圧着して接合されている。エンコーダ4は、内輪1bが1回転する間に、極数に対応した数の磁気パルスを発生させ、この磁気パルスをセンサ5により検出することで内輪1bの回転数を検出している。そして、エンコーダ4には、磁性粉としてフェライトを含有したゴム磁石が一般的に用いられていた。
近年、車輪の回転数をより高精度に検出するために、フェライトよりも磁気特性に優れる希土類磁性粉を含有することができるプラスチック磁石が用いられるようになっている。しかし、プラスチック材料は、金属材料やゴム材料に比べて、一般に接着剤との接着強度が低く、上記の車輪回転数検出装置は泥水、塩水、高温、低温等の過酷な条件下で使用されるため、エンコーダが接着層から剥離して取り付け部材から脱落する可能性があった。また、過剰な接着剤の使用によりエンコーダと取り付け部材との接着面から溢れ出た接着剤が、アウトガス(物質中に含まれる分子状の汚染物質)を発生させ、さらに、軸受内部に充填された潤滑油と化学反応を起こし、軸受に錆を発生させる虞があった。
本発明は前述した事情に鑑みなされたものであり、エンコーダと取り付け部材との接着強度を向上させて、エンコーダが取り付け部材から脱落することを防止すると共に、エンコーダと取り付け部材との接合面から余剰な接着剤が溢れ出ることを防止して、軸受に錆が発生することを抑制し、これにより信頼性に優れるエンコーダ装置及び当該エンコーダ装置を備えた転がり軸受を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するために、本発明に係るエンコーダ装置は、下記の(1)〜(3)を特徴としている。
(1) 円環状に形成され且つ円周方向に多極に着磁された磁石からなるエンコーダと、前記エンコーダに接着され且つ回転体に固定される取り付け部材と、を備え、前記エンコーダが、前記取り付け部材との接着面に溝を有すること。
(2) 円環状に形成され且つ円周方向に多極に着磁された磁石からなるエンコーダと、前記エンコーダに接着され且つ回転体に固定される取り付け部材と、を備え、前記エンコーダの前記取り付け部材との接着面に、凹凸部が形成されていること。
(3) 上記(1)または(2)記載のエンコーダ装置であって、前記エンコーダが、磁性粉を含有したプラスチック材料から形成されていること。
(1)記載のエンコーダ装置によれば、エンコーダの取り付け部材との接着面に溝を設けたので、エンコーダと接着剤との接触面積を拡大させることができ、エンコーダと接着剤との接着強度を向上させ、ひいてはエンコーダと取り付け部材との接着強度を向上させることができる。また、前記溝は接着剤溜まりとしても機能し、余剰な接着剤は前記溝に流れ込んで溜まるので、接着剤がエンコーダと取り付け部材との接着面から外部に溢れ出ることを防止することができる。
尚、前記溝は、前記接着面全域に均一に設けられる。好ましくは、前記溝は、エンコーダの取り付け部材との接着面において、円周方向に設けられる。このとき、前記溝は必ずしも円周方向に閉じている必要はなく、例えば螺旋状に形成されてもよい。さらに好ましくは、前記溝は、前記接着面の両側の周縁部に全周に亙って設けられる。この場合、前記接着面において、両側の周縁部に設けられた溝と溝との中間部分のみに接着剤を塗布することにより、余剰な接着剤が外部に溢れ出ることを確実に防止することができる。
(2)記載のエンコーダ装置によれば、エンコーダの取り付け部材との接着面に凹凸部を形成したので、余剰な接着剤が凹部に溜まり、接着剤が前記接着面から外部に溢れ出ることを防止することができる。また、エンコーダと接着剤との接触面積を拡大させることができ、エンコーダと接着剤との接着強度を向上させ、ひいてはエンコーダと取り付け部材との接着強度を向上させることができる。
好ましくは、前記接着面に形成される凹凸部とは、表面粗さが0.8〜5.0μmRaとされた部分である。表面粗さが0.8μmRa未満の場合は、接着面の表面積を充分に拡大させるに至らず、エンコーダと接着剤との接着強度を向上させる効果が薄いため好ましくない。また、表面粗さが5.0μmRaを越える場合は、接着層が厚くなりすぎ、エンコーダとセンサとの平行度を確保することが困難となると共に、接着剤のコストも増加するため好ましくない。
尚、(1)または(2)記載のエンコーダに含有される磁性粉としては、ストロンチウムフェライトやバリウムフェライト等のフェライト磁性粉の他に、ネオジウム−鉄−ボロン,サマリウム−コバルト,サマリウム−鉄等の希土類磁性粉が好適に用いられる。また、前記磁性粉のバインダとして用いられるプラスチック材料には、射出成形を可能とする熱可塑性樹脂を好適に用いることができ、例えばポリアミド6,ポリアミド12,ポリアミド612,ポリアミド11,ポリフェニレンサルファイド(PPS)等が挙げられる。
そして、エンコーダは前記磁性粉と前記バインダとを混合した磁石材料を射出成形することにより形成され、前記エンコーダの接着面に設けられる前記溝または凹凸(即ち、表面粗さ)は、射出成形時に使用される金型を加工することにより形成される。特に、表面粗さを形成するための金型の加工については、酸を用いてエッチング処理する、所謂シボ加工が好適に用いられるが、特に限定されるものではない。
また、エンコーダと取り付け部材との接着に用いられる接着剤としては、エポキシ系またはアクリル系の接着剤が好適に用いられるが、特に限定されるものではない。
尚、プラスチック材料は、金属材料やゴム材料に比べて、一般に接着剤との接着強度が低く、プラスチック材料から形成されるエンコーダの接着面に前記溝または前記凹凸部を設けることは、エンコーダと接着剤との接着強度を向上させ、ひいてはエンコーダと取り付け部材との接着強度を向上させることに特に有効であり、もちろん、エンコーダの接着面および取り付け部材の接着面に、前記溝または前記凹凸部をそれぞれ設けてもよい。
また、(1)記載のエンコーダの接着面に溝を設けること、または(2)記載のエンコーダの接着面に凹凸部を形成することは、それぞれ単独で実施された場合にも、前述した目的を達成することができるが、両者を併せて実施してもよく、この場合には、余剰な接着剤が前記接着面から外部に溢れ出ることをより確実に防止し、エンコーダと接着剤との接着強度をさらに向上させることができる。
本発明によれば、エンコーダと取り付け部材との接着強度を向上させることができるので、エンコーダが取り付け部材から脱落することを防止することができる。また、エンコーダと取り付け部材との接着面から余剰な接着剤が溢れ出ることがないので、軸受に錆が発生することを抑制することができる。これにより、エンコーダ装置及び当該エンコーダ装置を備えた転がり軸受の信頼性を向上させることができるという効果が得られる。
以下、本発明に係る好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る第1実施形態であるエンコーダ装置を組み付けられた転がり軸受の断面図、図2は図1に示すエンコーダの斜視図であり且つエンコーダの着磁パターンを示す模式図、図3は図2とは別角度から見たエンコーダの斜視図、図4は図3におけるIV−IV矢視断面図、図5は図1に示すエンコーダの変形例を示す斜視図、図6は本発明に係る第2実施形態であるエンコーダ装置を組み付けられたハブユニットの断面図、図7は本発明の第3実施形態であるエンコーダ装置を組み付けられた主軸装置の断面図、図8は図7に示すエンコーダの斜視図であり且つエンコーダの着磁パターンを示す模式図、図9は図8におけるIX−IX矢視断面図、図10はエンコーダの接着面の表面粗さとエンコーダおよび接着剤の引張強度との関係を示すグラフである。
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明の第1実施形態であるエンコーダを組み付けられた転がり軸受10は、外輪11と、回転体である内輪12と、外輪11及び内輪12により画成された環状隙間に転動自在に配置され且つ保持器14により円周方向に等間隔に保持された複数の玉13と、前記環状隙間の開口端部に配設された密封装置と、内輪12の回転数を検出するためのエンコーダ21とを備えている。前記密封装置は、外輪11の内周面に固定されたシール部材15と、シール部材15よりも開口端部外側に配置され且つ内輪12の外周面に固定されたスリンガ18とを有しており、シール部材15とスリンガ18とによって前記環状隙間の開口端部を塞ぎ、埃等の異物が軸受内部に進入することを防止すると共に軸受内部に充填された潤滑剤が軸受外部に漏洩することを防止している。
スリンガ18は磁性金属材料を断面L字形の円環状に形成したものであり、内輪12の外周面に外嵌する略円筒状の嵌合部20と、嵌合部20の前記開口端部側の一端から半径方向に伸びる略円盤状のフランジ部19とを有している。軸受外方に面するフランジ部19の端面には、内輪12の回転に同期して近傍の磁場(例えば、磁束密度等)を変化させるエンコーダ21が接着されている。尚、エンコーダ21の取り付け部材であるスリンガ18を磁性材料から形成することにより、エンコーダ21の磁気特性が低下することを防止することができ、これにより、内輪12の回転数の検出精度を向上させることができる。
さらに図2〜図4を参照して、エンコーダ21は断面略矩形の円環状に射出成形されたプラスチック磁石であり、エンコーダ21の軸方向の片側端面(以後、着磁面と称する。)は、円周方向に等間隔にS極とN極とが交互に(即ち、多極に)着磁されている。エンコーダ21の前記着磁面とは他方の軸方向端面には、スリンガ18のフランジ部19と接着される接着面22と、接着工程において接着面22に塗布された接着剤が外部に溢れ出すことを防止する溝23,23とが設けられている。尚、射出成形時に、エンコーダ21の軸方向に磁場をかけるようにする(即ち、磁場配向する)と、磁性粉の配向度を高め、エンコーダ21の磁気特性を向上させることができ、これにより、内輪12の回転数の検出精度を向上させることができる。
エンコーダ21の溝23,23は、接着面22の外径側および内径側の周縁部において、それぞれ全周に亙って断面略台形の円環状に形成されている。また、接着面22は0.8〜5.0μmRaの範囲において適宜な表面粗さを有するように、全面に凹凸部を形成されている。接着面22の溝23,23の中間部(即ち、接着面22の径方向中央部における円周)には接着剤が塗布されており、接着面22とフランジ部19の前記端面とが接着されている。従って、エンコーダ21は、前記着磁面を軸受外方に向けた状態でスリンガ18に固定され、内輪12と共に回転する。内輪12が一回転する間に、エンコーダ21近傍の一点における磁束密度は、エンコーダ21の極数に対応したピーク数を有して周期的に変化する。そして、エンコーダ21の前記着磁面に対向して配置された不図示のセンサにより磁束密度の変化を検出して内輪12の回転数を検出する。
シール部材15は、図1に示すように、断面略L字形の円環状に形成された芯金16により、同じく断面略L字形の円環状に形成されたシールリップ17を補強して構成されており、外輪11に内嵌して固定されている。シールリップ17の先端部は複数の摺接部に分岐しており、該複数の摺接部は、スリンガ18のフランジ部19の内方端面または嵌合部20の外周面に、全周に亙ってそれぞれ摺接している。これにより高い密封力を得ることができる。
尚、前述した第1施形態において、エンコーダ21は、接着面22を0.8〜5.0μmRaの範囲において適宜な表面粗さに形成されていると共に、接着面22の内径側および外径側の周縁部にそれぞれ溝23,23が形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、溝23を設けずに、接着面22を0.8〜5.0μmRaの範囲において適宜な表面粗さに形成するのみでもよく、若しくは、接着面22を平滑な面(通常の金型面仕上げにより達成される0.4μmRa程度)として、接着面22の内径および外径周縁部にそれぞれ溝23,23を形成するのみでもよい。また、図5に示すように、溝23を螺旋状に形成して、1本の溝23により接着面22全域をカバーするようにしてもよい。また、接着面22に形成される凹凸部は、好ましくは接着面22の全面に形成されるが、接着面22の少なくとも一部に形成されていればよい。例えば、接着面22全域に均一に点在するように形成してもよいし、接着面22の内径側および/または外径側の周縁部に全周に亙って形成されてもよい。
(第2実施形態)
次に、図6を参照して、本発明の第2実施形態であるエンコーダを組み込んだハブユニットを説明する。尚、前述の転がり軸受10と共通する構成部分の説明は同一符号を付すことで簡略化あるいは省略する。
ハブユニット100は、ハブ107の取り付けフランジ112に固定された不図示の車輪を回転自在に支持するものである。外輪105の内周面には、互いに平行な2列の外輪軌道110a,110bが形成されており、また回転体であるハブ107及び内輪部材106の外周面には、外輪軌道110a,110bにそれぞれ対向する内輪軌道114a,114bが形成されている。外輪軌道110aと内輪軌道114aとの隙間、および外輪軌道110bと内輪軌道114bとの隙間には、保持器118,118によって円周方向に等間隔に保持された複数の玉117,117がそれぞれ転動自在に配置されている。外輪105の内周面と内輪部材106との隙間において、転動体117に関して車輪側とは反対側(即ち、車両側)の開口端部には密封装置が組み付けられている。密封装置のスリンガ18にはエンコーダ21が接着されている。そして、エンコーダ21の軸受外方に面する前記着磁面に対向してセンサ109が配置されており、センサ109により磁束密度の変化を検出することにより車輪の回転数を検出している。
尚、前述した第2実施形態において、エンコーダ21は、互いに平行な2列の内輪軌道114aと114bとの間に配置され、取り付け部材を介して回転体に固定されてもよい。この場合、センサ109は、エンコーダ21の外周面と対向するように配置され、外輪105に保持される。
(第3実施形態)
次に、図7を参照して、本発明の第3実施形態であるエンコーダを組み込んだ主軸装置を説明する。尚、前述の転がり軸受10と共通する構成部分の説明は同一符号を付すことで簡略化あるいは省略する。
主軸装置200は、ハウジング216の内部に、回転体である主軸215を収容しており、主軸215は、ハウジング216と主軸215との隙間において軸方向に互いに平行に配置された転がり軸受210,210とにより回転自在に支持されている。転がり軸受210は、外輪211と、内輪212と、外輪211及び内輪212により画成された環状隙間に転動自在に配置された複数の玉213と、前記環状隙間の軸方向両側の開口端部を塞ぐシール部材214,214とにより、それぞれ構成されている。主軸215の基端部は転がり軸受210から軸方向に突出するように形成されており、その突端にはエンコーダ221を主軸215に固定するための取り付け部材220が設けられている。取り付け部材220は主軸215と一体に略円柱状に形成されてもよく、また、主軸215とは別個の部材として円環状に形成されて主軸215に外嵌して固定されてもよい。そして、取り付け部材220の外周面には、主軸215の回転に同期して近傍の磁場(例えば、磁束密度等)を変化させる円環状に形成されたエンコーダ221が外嵌して接着されている。
さらに図8および図9を参照して、エンコーダ221は断面略矩形の円環状に射出成形されたプラスチック磁石であり、エンコーダ221の外周面は円周方向に等間隔にS極とN極とが交互に(即ち、多極に)着磁されている。エンコーダ221の内周面には、取り付け部材220の外周面と接着される接着面222と、接着工程において接着面222に塗布された接着剤が外部に溢れ出すことを防止する溝223,223とが設けられている。そして、エンコーダ221の溝223,223は、接着面222の軸方向両端の周縁部において、それぞれ全周に亙って、断面略台形の円環状に形成されている。また、接着面222は0.8〜5.0μmRaの範囲において適宜な表面粗さに形成されている。接着面222の溝223,223の中間部全体には接着剤が塗布され、取り付け部材220の外周面と接着面222とが接着されている。これにより、エンコーダ221は取り付け部材220に固定され、主軸215と共に回転する。
そして、センサ227は、エンコーダ221の径方向外方の延長上に設けられたハウジング216の貫通孔217に、保持部材218を介して保持されており、その先端に設けられたホール素子228をエンコーダ221の外周面に僅かな隙間をおいて対向するように配置されている。センサ227により磁束密度の変化を検出することにより主軸215の回転数を検出している。
尚、前述した第3実施形態において、取り付け部材220およびエンコーダ221は互いに平行に配置された転がり軸受210,210の間に配置されて、主軸215に固定されてもよい。
次に、本発明に基づいて製作したエンコーダを説明する。磁性粉としてストロンチウムフェライトと、バインダとしてポリアミド12とを含有し、前記磁性粉の含有量が70体積%である磁石材料をヘンシェルミキサで攪拌し、2軸押出し機で混練りして作成した原料ペレットから、内径60mm,外径70mm,厚さ0.9mmのエンコーダを射出成形した。成形条件は、樹脂の加熱温度270℃、射出時間1.5秒である。
(実施例1)
第1の実施例におけるエンコーダは、その軸方向の片側端面(即ち、接着面)の外径側および内径側の周縁部に、それぞれ全周に亙って、断面略台形の円環状の溝を形成した。
また、前記接着面の表面粗さは、射出成形に使用する金型にシボ加工を施すことにより、0.8μmRaとされている。
(比較例1)
第1の比較例におけるエンコーダは、実施例1のエンコーダと同一寸法に形成されたものであり、前記接着面に溝は形成されていない。また、前記接着面の表面粗さは、通常の金型面仕上げにより達成される0.4μmRaである。
実施例1のエンコーダにおいて、前記接着面の径方向中央部の円周上(即ち、2本の溝の中間部)に接着剤を均一に塗布し、所定の圧力をかけて取り付け部材に接着した。また比較例1のエンコーダにおいても、実施例1と同一箇所に同量の接着剤を均一に塗布し、所定の圧力をかけて取り付け部材に接着した。比較例1のエンコーダにおいては、内径側および外径側のいずれにおいても前記接着面から外部に余剰な接着剤が溢れ出した。一方、実施例1のエンコーダにおいては、前記接着面から外部に溢れ出す接着剤は認められず、また、前記溝を越えた接着面(即ち、外径側の周縁部においては、前記溝に半径方向外側に隣接して設けられた平面部であり、内径側の周縁部においては、前記溝に半径方向内側に隣接して設けられた平面部)にも毛細管現象により接着剤が浸透していた。
次に、エンコーダの接着面の表面粗さによるエンコーダと接着剤との接着強度を評価した。前記原料ペレットから、幅24mm、長さ100mm、厚さ3mmの試験片を射出成形した。幅方向および長さ方向により規定される平面(即ち、接着面)の表面粗さを、射出成形に使用する金型にシボ加工を施すことにより、試験片毎に変化させた。アクリル系接着剤(ヘンケル社製ロックタイト648)を前記接着面に均一に塗布し、取り付け部材であるSUS430の平板に所定の圧力をかけて接着した。その後、前記接着面に垂直な引張荷重をかけ、引張速度5mm/minで引張強度を測定した。その結果を表1に示す。尚、比較例2は通常の金型面仕上げ品であり、その表面粗さは0.4μmRaである。また、各試験片の引張強度は、比較例2の引張強度を100とした場合の相対的な数値である。表1に示す結果をグラフにしたものを図10に示す。
Figure 2005233321
表1および図10によれば、試験片の表面粗さの増大に伴って引張強度が向上しているが、試験片の接着面の表面粗さが0.8μmRa未満となると急激に引張強度が低下していることが判る。従って、エンコーダの接着面の表面粗さは0.8μmRa以上が好ましい。
本発明に係る第1実施形態であるエンコーダ装置を組み付けられた転がり軸受の断面図である。 図1に示すエンコーダの斜視図であり且つエンコーダの着磁パターンを示す模式図である。 図2とは別角度から見たエンコーダの斜視図である。 図3におけるIV−IV矢視断面図である。 図1に示すエンコーダの変形例を示す斜視図である。 本発明に係る第2実施形態であるエンコーダ装置を組み付けられたハブユニットの断面図である。 本発明の第3実施形態であるエンコーダ装置を組み付けられた主軸装置の断面図である。 図7に示すエンコーダの斜視図であり且つエンコーダの着磁パターンを示す模式図である。 図8におけるIX−IX矢視断面図である。 エンコーダの接着面の表面粗さとエンコーダおよび接着剤の引張強度との関係を示すグラフである。 従来の車輪回転数検出装置の断面図である。
符号の説明
10 転がり軸受
11 外輪
12 内輪(回転体)
13 玉
14 保持器
15 シール部材
18 スリンガ(取り付け部材)
19 フランジ部
21 エンコーダ

Claims (4)

  1. 円環状に形成され且つ円周方向に多極に着磁された磁石からなるエンコーダと、
    前記エンコーダに接着され且つ回転体に固定される取り付け部材と、
    を備え、
    前記エンコーダが、前記取り付け部材との接着面に溝を有することを特徴とするエンコーダ装置。
  2. 円環状に形成され且つ円周方向に多極に着磁された磁石からなるエンコーダと、
    前記エンコーダに接着され且つ回転体に固定される取り付け部材と、
    を備え、
    前記エンコーダの前記取り付け部材との接着面に、凹凸部が形成されていることを特徴とするエンコーダ装置。
  3. 前記エンコーダが、磁性粉を含有したプラスチック材料から形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエンコーダ装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のエンコーダ装置を備えた転がり軸受。
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