JP5061652B2 - 着磁パルサリング、及びこれを用いたセンサ付き転がり軸受装置 - Google Patents

着磁パルサリング、及びこれを用いたセンサ付き転がり軸受装置 Download PDF

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本発明は、回転体の回転数などの検出に用いられる着磁パルサリング、及びこの着磁パルサリングを用いたセンサ付き転がり軸受装置に関する。
自動車などの車輪を支持する転がり軸受装置には、アンチロックブレーキシステム等を制御するために、当該車輪の回転速度を検出するためのセンサ装置が組み込まれたものがある。このような従来のセンサ付きの転がり軸受装置は、例えば下記特許文献1に記載されているように、内軸(回転輪)側に設置された着磁パルサリングと、この着磁パルサリングに対向する磁気センサとを有している。上記着磁パルサリングは、ゴム等からなる弾性部材にフェライト等の磁性粉末を混入するとともに、その弾性部材を内外輪間の環状開口部を密封する密封装置の回転輪側の部材(スリンガ)の軸方向外側面に加硫接着することで当該回転輪側に一体回転可能に取り付けられている。また、この着磁パルサリングには、複数のN・S極が周方向周りに交互に配設されている。一方、磁気センサは、磁気検出素子を備えたものであり、その検出面が着磁パルサリングの被検出面に対向するように回転輪の軸方向外側に配置されている。そして、磁気センサが、回転輪の回転に応じた着磁パルサリングからの磁界の変化を検出することにより、回転輪の回転速度を検出するように構成されている。
特開2006−220270号公報(図1,図2)
上記従来例のセンサ付き転がり軸受装置において、着磁パルサリングは、ゴム等の弾性体を用いた磁性材料によって形成されているために強度的に弱く、外部から侵入する塵埃等によってその着磁面に損傷や磨耗が生じ、磁気特性が劣化する場合があった。
このため、例えば、ゴム等の弾性体を用いた磁性材料に代えて、耐傷性や耐磨耗性に優れたプラスチック磁石を用いることが考えられる。このプラスチック磁石を用いることで、損傷や磨耗による磁気特性の劣化は抑制することができる。
その一方、プラスチック磁石は、フェライト等の磁性粉末と樹脂とを混合して形成されたものであり、当該着磁パルサリングが固定される金属製の回転輪側の部材との間においては、その熱膨張係数が大きく異なる。また、このプラスチック磁石は、ゴム等の弾性体と比較して耐傷性や耐磨耗性に優れる反面、脆性が高く変形によって破損を生じやすい。
このため、プラスチック磁石からなる着磁パルサリングを前記回転輪側の部材に接着あるいは圧入固定した場合、温度変化等に起因して、着磁パルサリングと回転輪側の部材との間の変形量に差が生じ、着磁パルサリングに過大な変形応力が作用すると、当該着磁パルサリングに破損が生じるおそれがあった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、温度変化による破損を防止しつつ、着磁面の磨耗等による磁気特性の劣化を抑制することができる着磁パルサリング、及びこれを用いたセンサ付き転がり軸受装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、回転体の被固定面に固定されるとともに、多数の磁極が周方向に所定間隔で配列されたリング本体よりなる着磁パルサリングにおいて、前記リング本体は、プラスチック磁石により形成されるとともに、前記被固定面との間に介在する弾性体からなる緩衝部材を有しており、前記リング本体には、前記被固定面に形成された凹部に嵌め込まれて、前記リング本体と前記回転体との相対回転を防止する回り止め部が形成されており、前記回り止め部は、前記リング本体の周面に形成されるとともに、径方向に突出しかつ軸方向に対して斜め方向に延びる凸条であることを特徴としている。
上記のように構成された着磁パルサリングによれば、リング本体をプラスチック磁石によって形成したので、例えば上記従来例のようにゴム等の弾性体からなる磁性材料を用いた場合と比較して、耐傷性や耐磨耗性を向上させることができる。このため、損傷や磨耗による磁気特性の劣化を抑制することができる。さらに、回転体の被固定面との間に介在する緩衝部材を有しているので、回転体及びリング本体が温度変化に伴って膨張収縮変形したとしても、両者の間に生じる変形量の差をこの緩衝部材によって許容することができる。よって、リング本体に過大な変形応力が作用するのを抑制することができ、この結果、比較的脆いプラスチック磁石によって形成されたリング本体からなる着磁パルサリングが破損するのを防止できる。
また、上記着磁パルサリングでは、前記リング本体には、前記被固定面に形成された凹部に嵌め込まれて、前記リング本体と前記回転体との相対回転を防止する回り止め部が形成されているので、回り止め部によって、リング本体と回転体との相対回転を防止でき、着磁パルサリングを被固定面に対して確実に一体回転可能に固定することができる。従って、上記のようにリング本体と被固定面との間に緩衝部材を介在させたとしても、リング本体を回転体に対して確実に一体回転可能に固定することができる。
またさらに、例えば、リング本体を回転体に対して圧入固定する場合においても、高い圧入しろをもって強固に固定せずとも、着磁パルサリングを被固定面に対して確実に一体回転可能に固定することができる。このため、圧入に伴ってリング本体に作用する応力を抑制でき、着磁パルサリングに過大な変形応力が作用するのをより効果的に防止することができる。
また、上記着磁パルサリングでは、前記回り止め部は、前記リング本体の周面に形成されるとともに、径方向に突出しかつ軸方向に対して斜め方向に延びる凸条であるので、リング本体と回転体との相対回転を防止することに加えて、リング本体が軸方向に移動するのを防止することができる。
また本発明は、固固定輪及び回転輪と、これらの間に転動自在に配置された転動体と、前記回転輪に固定された固定部材に固定された着磁パルサリングと、前記着磁パルサリングの磁気を検出することによって前記回転輪の回転状態を検出する磁気センサと、を備えているセンサ付き転がり軸受装置において、前記着磁パルサリングは、請求項1に記載の着磁パルサリングであることを特徴としている。
上記のように構成されたセンサ付き転がり軸受装置によれば、上述のように、着磁パルサリングが損傷や磨耗することによって磁気特性が劣化するのを抑制することができる。さらに、緩衝部材によってリング本体に過大な変形応力が作用するのを抑制できるので、着磁パルサリングが破損するのを防止することができる。
本発明の着磁パルサリング、及びこれを用いたセンサ付き転がり軸受装置によれば、着磁パルサリングの破損を防止しつつ、当該着磁パルサリングの損傷や磨耗による磁気特性の劣化を抑制することができる。
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明の第一の実施形態に係る着磁パルサリングを備えたセンサ付き転がり軸受装置の構成を示す断面図である。このセンサ付き転がり軸受装置1は、自動車などの車両の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持するものである。
図1において、センサ付き転がり軸受装置1は、複列のアンギュラ玉軸受を構成しており、一端部に図示しない車輪が取り付けられるフランジ部2aを有する内軸2と、内軸2の外周側に同心に配置された外輪3と、内軸2と外輪3の間に介在した転動体としての複数の玉4と、これら玉4を周方向に等配に保持する保持器5とを備えている。また、このセンサ付き転がり軸受装置1は、さらに、軸方向一端側の内軸2と外輪3との間の環状隙間を密封するシール6と、軸方向他端側の環状隙間を密封するシールとしての機能を備えたセンサ部7とを備えている。
外輪3は、車両側に固定される固定輪であり、外周面には車両の懸架装置に取り付けるための取付フランジ3aが形成されている。また、その内周面には玉4が転動する第一及び第二の外輪軌道3b,3cが形成されている。
内軸2は、前記車輪が取り付けられる車軸であるとともに、当該センサ付き転がり軸受装置1の回転輪を構成している。この内軸2の一端部に形成されたフランジ部2aには、前記車輪を当該フランジ部2aに固定するための複数のハブボルト2a1が固定されている。また、内軸2の外周面には、第一の外輪軌道3bに対向する第一の内輪軌道2bが形成されている。内軸2の他端部には、内軸2の外周面より小径の小径部8が形成されており、この小径部8には、第二の外輪軌道3cに対向する第二の内輪軌道2cが外周面に形成された円環状の内輪部材9が外嵌されている。
第一の内輪軌道2bと、第一の外輪軌道3bとの間、及び、第二の内輪軌道2cと、第二の外輪軌道3cとの間には、それぞれ上述の複数の玉4が転動自在に配置されている。
上記構成によって、センサ付き転がり軸受装置1は、内軸2を外輪3に対して回転自在に支持しており、内軸2に固定される車輪を回転自在に支持する。
内軸2と外輪3との間の環状隙間を密封しているセンサ部7は、内輪部材9の外周面に外嵌固定された円環状のスリンガ10と、このスリンガ10に一体回転可能に固定された円環状の着磁パルサリング11と、外輪3の他端部側の内周面3dに内嵌固定されるとともに磁気センサ13を備えた本体部12とを有している。
本体部12は、樹脂等によって円環状に形成されるとともに内部に磁気センサ13が埋包されている円環部12aと、円環部12aに固定された円環状の芯金14と、円環部12aから径外方向に突出して形成されたコネクタ12bとを有している。このコネクタ12bには、当該センサ付き転がり軸受装置1が搭載される車両の制御装置からのハーネスが接続され、磁気センサ13の検出信号を前記制御装置に出力することができるように構成されている。
また、円環部12aには、その内径端部の周縁に沿って軸方向一端側に突出した突出部12a1が形成されており、この突出部12a1の内外周面及び端面に沿うように芯金14が固定されている。
芯金14は、SPCC,SPCD,SPCE等の冷延鋼板をプレス加工することによって形成されており、その内周端部には、スリンガ10と本体部12との間をシールするためのシール部材15が加硫接着等によって固定されている。
また、本体部12の突出部12a1の内部には、上述の磁気センサ13が埋包配置されている。この磁気センサ13は、後述する着磁パルサリング11が内軸2とともに一体回転することにより生じる磁極の変化を検知しその検知信号を出力する。
スリンガ10は、内輪部材9に外嵌された断面L型に形成された本体部16と、この本体部16の外周面に外嵌固定されるとともにその外周側で着磁パルサリング11を支持している円環状の支持部材17を有している。
図2は、着磁パルサリング11及び支持部材17のみを拡大して示した断面図である。支持部材17は、芯金14の内周側に配置されるように本体部16に固定されており(図1)、本体部16の外周面に外嵌された内筒部17aと、この内筒部17aの外周側に配置された外筒部17bと、これら両筒部17a,17bの軸方向一方側を繋ぐ円環部17cとを有することで断面U型に形成されている。
なお、スリンガ10の本体部16及び支持部材17は、芯金14と同様、SPCC,SPCD,SPCE等の冷延鋼板をプレス加工することによって形成されている。
支持部材17の外周面17b1に固定されている着磁パルサリング11は、プラスチック磁石を用いて円環状に形成されたリング本体11aよりなり、このリング本体11aは、支持部材17の外筒部17bの外周面側に配置された筒部11bと、この筒部11bの端部から径内方向に円環部17cに沿うように延びる縁部11cとを有している。リング本体11aは、外筒部17bの外周面17b1に後述の緩衝部材20を介して圧入されている。また、リング本体11aは、縁部11cが支持部材17の円環部17cと当接した状態で圧入されており、これによって、リング本体11aの支持部材17に対する軸方向に位置決めされている。
リング本体11aを構成しているプラスチック磁石は、例えば、磁性粉末としてのフェライト粉末を、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂やポリアミド(PA)樹脂等の樹脂材料に混合した後、所定の形状に形成することによって得られる。このようにプラスチック磁石は上記の樹脂等をバインダとしているので、ゴム等の弾性部材をバインダとした磁性材料と比較して、耐傷性や耐磨耗性に優れたものとなる。
また本実施形態の着磁パルサリング11を構成するプラスチック磁石に含まれる磁性粉末は、所定の方向に磁場配向した状態としてもよく、この場合、より良好な磁気特性を得ることができる。
筒部11bの外周面は、多数の磁極が周方向に所定間隔で配列されている。すなわち、筒部11bの外周面は、N極とS極とが交互に所定間隔で配列されるように着磁されることで、着磁面Tを構成している。また、筒部11bは、芯金14の内周面に対して僅かな隙間を置いて対向するように配置されており、本体部12の突出部12a1に埋包されている磁気センサ13の内方側に配置されている(図1参照)。このため、内軸2と一体回転する着磁パルサリング11は、磁気センサ13に対して、内軸2の回転に応じて磁極を変化させることができる。磁気センサ13は、内軸2の回転に応じて変化する着磁面Tの磁極の変化を検出し、その検出信号を前記車両の制御装置に出力する。前記制御装置は、磁気センサ13の検出信号に基づいて、内輪2の回転速度を認識し、車両のアンチロックブレーキシステム等の制御に反映する。
図3(a)は、図2中、III−III線矢視断面図であり、図3(b)は、着磁パルサリング11の内周面を正面視したときの外観図である。図において、筒部11bの内周面11b1には、径内方向に突出した複数の凸条18が形成されている。この凸条18は、断面ほぼ楔型で、図3(b)中において軸方向を示す矢印Bに対して斜め方向に延びるように形成されており、周方向に所定の間隔で配置されている。
また、外筒部17bの外周面17b1には、凸条18が嵌め込まれている凹部としての溝部19が形成されている。
このように、リング本体11aに形成された凸条18は、外周面17b1に形成された溝部19に嵌め込まれることで、リング本体11aと、内軸2と一体回転する支持部材17との相対回転を防止する回り止め部を構成している。
また、凸条18は、筒部11bの内周面11b1に形成されるとともに、軸方向に対して斜め方向に延びるように形成されているので、リング本体11aが支持部材17に対して軸方向に相対移動するのも防止することができる。
また、図3(a)に示すように、リング本体11aは、被固定面である外筒部17bの外周面17b1との間に、ゴム等の弾性体からなる緩衝部材20を介在して固定されている。この緩衝部材20は、筒部11の内周面11b1に沿うように両者間に介在している。このため、凸条18と溝部19との間にも緩衝部材20は介在している。
また、リング本体11aは、上述のように、緩衝部材20を介在した状態で、外筒部17bの外周面17b1に圧入固定されているが、凸条18を軸方向に対して斜め方向に形成しているので、リング本体11aを外周面17b1に圧入するときは、凸条18と溝部19とを一致させるように、リング本体11aを外筒部17bに対してねじ込むことで、圧入することができる。
なお、上記のように圧入固定されているリング本体11aは、凸条18が形成されているので、当該リング本体11aを外周面17b1に対して大きい圧入しろをもって強固に固定せずとも、互いの相対回転を防止でき、リング本体11aを支持部材17に対して確実に一体回転可能に固定することができる。
上記のように構成された本実施形態の着磁パルサリング11において、鋼板からなるスリンガ10側の支持部材17と、樹脂をバインダとしたプラスチック磁石からなる着磁パルサリング11との間には、熱膨張係数が大きく異なる場合がある。これらが温度変化に伴って膨張収縮変形したときに、支持部材17と、これに圧入された着磁パルサリング11との間には変形量の差が生じるが、本実施形態の着磁パルサリング11によれば、外周面17b1との間に介在する緩衝部材20を有しているので、支持部材17及びリング本体11aが温度変化に伴って膨張収縮変形したとしても、両者の間に生じる変形量の差をこの緩衝部材20によって許容することができる。従って、リング本体11aに過大な変形応力が作用するのを抑制することができ、比較的脆いプラスチック磁石により形成されたリング本体11aからなる着磁パルサリング11が、温度変化等に起因する変形応力によって破損するのを防止することができる。
また、熱膨張係数の差によって支持部材17と着磁パルサリング11とが、互いに離間する方向に変形した場合にも、磁気エンコーダ11と支持部材17との間に介在した緩衝部材20によって、両者の間に隙間が生じるのを防止でき、両者間に異物が侵入するのを防止することができる。この結果、着磁パルサリング11の劣化等を防止できる。
また、本実施形態の着磁パルサリング11では、リング本体11aをプラスチック磁石によって形成したので、例えばゴム等の弾性体からなる磁性材料を用いた場合と比較して、耐傷性や耐磨耗性を向上させることができる。このため、当該着磁パルサリング11の損傷や磨耗による磁気特性の劣化を抑制することができる。
以上のように、本実施形態の着磁パルサリング11は、温度変化等に起因する変形応力によって破損するのを防止しつつ、着磁面の磨耗等による磁気特性の劣化を抑制することができる。
また、上記構成のセンサ付き転がり軸受装置1によれば、着磁パルサリング11が温度変化等に起因する変形応力によって破損するのを防止しつつ、当該着磁パルサリング11の着磁面の磨耗等による磁気特性の劣化を抑制することができる。
また、上記実施形態において、支持部材17に圧入固定されているリング本体11aには、当該リング本体11aを支持部材17に対して確実に一体回転可能に固定することができる凸条18が形成されているので、当該リング本体11aを外周面17b1に対して大きい圧入しろをもって強固に固定する必要がない。このため、圧入に伴ってリング本体に作用する応力を抑制でき、着磁パルサリングに過大な変形応力が作用するのをより効果的に防止することができる。
なお、上記実施形態では、着磁パルサリング11を、支持部材17の外周面17b1との間に緩衝部材20を介在した状態で圧入し固定したが、支持部材17と緩衝部材20との間、及び、緩衝部材20と着磁パルサリング11との間を接着剤等で接着することで固定することもできる。
また、上記実施形態では、凸条18と溝部19との間にも緩衝部材20を介在させたが、例えば、緩衝部材20の凸条18及び溝部19が位置する部分にスリット等を設けて、両者の間に緩衝部材20が介在しないようにしてもよい。
また、上記実施形態では、筒部11bに凸部18を形成し、外筒部17bに凸部18が嵌め込まれる溝部19を形成したが、例えば、外筒部17bに凸部を形成し、筒部11bに前記凸部に嵌め込まれる溝部を形成してもよい。
また、例えば、図4に示すように、着磁パルサリング11のリング本体11aの形状を、支持部材17の外筒部17bの端部を覆う断面U型状とし、外筒部17bの内周側に位置するように筒部11bに一体に設けられた内筒部11dを、支持部材17の外筒部17bの内周面17b2に圧入する構成とすることもできる。
図5は、図4中、V−V線矢視断面図である。この場合、凸条18は、内筒部11dの外周面11d1に径外方向に突出するようにかつ、上記図2,図3で示したものと同様、軸方向に対して斜め方向に延びるように設けられている。溝部19は、外筒部17bの内周面17b2に形成されている。緩衝部材20は、筒部11bの内周面11b1、及び内筒部11dの外周面11d1に沿うように配置され、リング本体11aと外筒部17bとの間に介在している。
このように、支持部材17の内周面17b2側にリング本体11aを圧入する構成とした場合にも、支持部材17及びリング本体11aの間に生じる変形量の差を許容することができる。
図6は、本発明の第二の実施形態に係る着磁パルサリング11の断面図である。本実施形態と第一の実施形態との主な相違点は、リング本体11aが支持部材17を覆うような形状でインサート成形されたものである点、及び、このリング本体11aには、上記凸条に代えて軸方向に突出するとともに支持部材17に対する相対回転を防止るための突出部21が設けられている点である。その他の構成については、第一の実施形態と同一であるので説明を省略する。
本実施形態のリング本体11aは、上述のように、いわゆるインサート成形によって支持部材17の外筒部17bを覆うように断面U型に形成されており、支持部材17の外筒部17bの外周面側に位置する筒部11bと、この筒部11bの一端部から円環部17cに沿って径内方向に延びる縁部11cと、外筒部17bの内周側に位置する内筒部11dと、この内筒部11dの端面及び筒部11bの他端面を繋ぐ連結部11eとを有している。筒部11bの両端に設けられた縁部11c及び連結部11eは、それぞれ、円環部17c及び外筒部17bの端面に当接するように形成されることで、リング本体11aの軸方向への移動を規制している。
連結部11eの内側面11e1には、上述の突出部21が、内側面11e1に対して軸方向に突出して設けられている。図7(a)は、図6中、VII−VII線矢視断面図であり、図7(b)は、支持部材17の一部を示した部分外観図である。
外筒部17bの端面には、図7(b)に示すように、周方向に所定の間隔をおいて軸方向に切り欠いた切り欠き部22が形成されている。
突出部21は、図7(a)に示すように、外筒部17bの切り欠き部22に嵌め込まれた状態となるように軸方向に突出しており、切り欠き部22の壁部22aに当接している。このように、壁部22aに当接した突出部21を設けることで、着磁パルサリング11と、支持部材17とが径方向に相対移動するのを防止することができる。
また、本実施形態においても、緩衝部材20は、リング本体11aと、支持部材17との間に介在して配置されている。なお、本実施形態では、リング本体11aは、インサート成形されているので、緩衝部材20を、リング本体11aと、支持部材17との間に配置するには、以下のような方法を採る必要がある。すなわち、まず、支持部材17の外筒部17b外面の所定位置に緩衝部材20を配置し、その後リング本体11aのインサート成形を行う。このようにすることで、インサート成形されたリング本体11aと支持部材17との間に、緩衝部材20を介在させることができる。
以上のように、本実施形態の着磁パルサリング11においても、リング本体11aにプラスチック磁石を用いるとともに、リング本体11aと支持部材17との間に緩衝部材20を介在配置したので、温度変化等に起因する変形応力によって破損するのを防止しつつ、着磁面の磨耗等による磁気特性の劣化を抑制することができる。
さらに、本実施形態の着磁パルサリング11のリング本体11aはインサート成形により形成したので、リング本体11aを支持部材17に圧入する工程を必要とせず、コストの低減化を図ることができる。
また、上記実施形態では、リング本体11aの支持部材17に対する相対回転を防止するために、切り欠き部22に嵌め込まれる突出部21をリング本体11aに設けたが、例えば、これに代えて、図8(a),(b)に示すように、筒部11bの内周面11b1に平らに形成された平面部23を設けてもよい。この平面部23は、支持部材17の外筒部17bの外周面に形成された平面部24と一致するように形成されており、突出部21と同様、リング本体11aの支持部材17に対する相対回転を防止することができる。
また、この平面部23に対応して支持部材17に形成される平面部24は、図6、図7で示した切り欠き部22と比較して形状が簡易であり、その加工等が容易となる。
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では、着磁パルサリング11の着磁面が周面に配置され磁気センサがラジアル方向に配置されるものについて例示したが、例えば、図9(a)及び(b)に示すような、着磁面がスリンガの端面側に配置されスラスト方向に磁気センサ13が配置されるものについても、本発明は適用することができる。
図9(a)に示す着磁パルサリング11は、断面L型で環状に形成され軸方向端面に着磁面Tを有するリング本体11aよりなり、シール部材15を有する芯金14とともに密封装置を構成しているスリンガ10の外周面10aに緩衝部材20を介在して外嵌固定されている。また、図9(b)に示す着磁パルサリング11は、断面矩形で環状に形成され軸方向端面に着磁面Tを有するリング本体11aよりなり、スリンガ10に設けられた環状突起10bの内周面10b1に緩衝部材20を介在して内嵌固定されている。このように、スラスト方向に磁気センサが配置される着磁パルサリングについても、回転体としてのスリンガとの間に緩衝部材20を介在して配置することができる。
また、上記各実施形態では、リング本体11aを構成するプラスチック磁石に用いる磁性粉末として、フェライト粉末を用いた場合を例示したが、ネオジウムやサマリウム等の希土類系の磁性粉末を用いることもでき、この場合、当該磁気エンコーダにより高い磁力を付与することができる。
また、上記各実施形態では、回り止め部として、凸条や、突起部や、平面部を例示的に示したが、これらに限定されるものではない。
本発明の第一の実施形態に係る着磁パルサリングを備えたセンサ付き転がり軸受装置の構成を示す断面図である。 着磁パルサリング及び支持部材のみを拡大して示した断面図である。 (a)は、図2中、III−III線矢視断面図であり、(b)は、着磁パルサリングの内周面を正面視したときの外観図である。 着磁パルサリングにおいて、リング本体を支持部材に圧入固定したときの別の態様を示した断面図である。 図4中、V−V線矢視断面図である。 本発明の第二の実施形態に係る着磁パルサリングの断面図である。 (a)は、図6中、VII−VII線矢視断面図であり、(b)は、支持部材の一部を示した部分外観図である。 (a)は着磁パルサリングにおいて、リング本体を支持部材にインサート成形したときの別の態様を示した断面図であり、(b)は、(a)中、C−C線矢視断面図である。 (a)スラスト方向に磁気センサが配置される着磁パルサリングに本発明を適用した態様を示す断面図であり、(b)は、(a)とは別の態様を示す断面図である。
符号の説明
1 センサ付き転がり軸受装置
2 内軸(回転輪)
3 外輪(固定輪)
4 玉(転動体)
10 スリンガ(固定部材)
11 着磁パルサリング
11a リング本体
13 磁気センサ
17b1 外周面(被固定面)
18 凸条(回り止め部)
19 溝部(凹部)
20 緩衝部材
21 突出部(回り止め部)
22 切り欠き部(凹部)
23 平面部(回り止め部)
24 平面部(凹部)

Claims (2)

  1. 回転体の被固定面に固定されるとともに、多数の磁極が周方向に所定間隔で配列されたリング本体よりなる着磁パルサリングにおいて、
    前記リング本体は、プラスチック磁石により形成されるとともに、前記被固定面との間に介在する弾性体からなる緩衝部材を有しており、
    前記リング本体には、前記被固定面に形成された凹部に嵌め込まれて、前記リング本体と前記回転体との相対回転を防止する回り止め部が形成されており、
    前記回り止め部は、前記リング本体の周面に形成されるとともに、径方向に突出しかつ軸方向に対して斜め方向に延びる凸条であることを特徴とする着磁パルサリング。
  2. 固定輪及び回転輪と、
    これらの間に転動自在に配置された転動体と、
    前記回転輪に固定された固定部材に固定された着磁パルサリングと、
    前記着磁パルサリングの磁気を検出することによって前記回転輪の回転状態を検出する磁気センサと、を備えているセンサ付き転がり軸受装置において、
    前記着磁パルサリングは、請求項1に記載の着磁パルサリングであることを特徴するセンサ付き転がり軸受装置。
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