JP2007033455A - 磁気エンコーダおよびこれを具備する車輪用軸受 - Google Patents

磁気エンコーダおよびこれを具備する車輪用軸受 Download PDF

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Abstract

【課題】 車輪用軸受における回転検出用等として、耐摩耗性に優れ、生産性にも優れた磁気エンコーダを提供する。
【解決手段】 この磁気エンコーダ10は、金属製の環状部材11と、この環状部材11の表面に周方向に沿って設けられた磁性部材14とを備える。この磁性部材14を、熱可塑性樹脂にフェライト系の磁性粉体を混入したものとする。磁性部材14は周方向に多極に磁化し、交互に磁極N,Sが形成されたものとする。磁気エンコーダ10は、例えば車輪用軸受におけるスリンガ等を兼ねるものとする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、相対回転する軸受部の回転検出装置等に用いられる磁気エンコーダ、およびこれを具備する車輪用軸受に関し、例えば自動車のアンチロックブレーキシステムにおける前後の車輪回転数を検出する回転検出装置に装着されるベアリングシールの構成部品とされる磁気エンコーダに関する。
従来、自動車のスキッドを防止するためのアンチスキッド用回転検出装置として、次のような構造が多く用いられている。すなわち、前記回転検出装置は歯付ローターと感知センサからなっており、その際、軸受を密封するシール装置よりそれぞれ離間させて配置し、一つの独立した回転検出装置を構成しているものが一般的である。
このような従来例は、回転軸に嵌合された歯付ローターをナックルに取付られた回転検出センサで感知検出する構造を持ち、使われている軸受にはその側部に独立して設けられたシール装置によって水分あるいは異物の侵入から守られる。
その他の例として特許文献1には、回転検出装置の装着スペースを削減せしめ感知性能を飛躍的に向上させることを目的として、車輪回転検出のための回転検出装置を有したベアリングシールにおいて、そこに使用するスリンガーの径方向に磁性粉体の混入された弾性部材を周状に加硫成形接着し、そこに交互に磁極を配設した構造が示されている。
また、特許文献2には、軸方向の寸法を小さくし、回転部材と固定部材との間の密閉度を良好にし、容易に取り付け可能にすることを目的として、回転部材と固定部材との間がシールされ、この回転部材に回転ディスクが取り付けられ、その回転ディスクに多極化されたコーダが取り付けられたコーダ内蔵密閉構造としたものが示されている。使用するコーダは、磁性粒子を添加したエラストマーからなるものが用いられ、このコーダの側面を固定部材の側面とほぼ同一平面としたシール手段とされている。
特許第2816783号公報 特開平6−281018号公報
しかしながら、上記従来例のうち、特許文献1や特許文献2に示されるベアリングシールにおいては、そこに使用するスリンガーの径方向に磁性粉体の混入された弾性部材を周状に加硫成形接着したり、または多極化されたコーダが取り付けられたコーダ内蔵密閉構造としてそのコーダを磁性粒子が添加したエラストマーにしようとすると、磁性粉体や磁性粒子を保持するためのバインダとなるエラストマーや弾性部材成分が必要になる。しかしエラストマーや弾性部材成分をバインダーに用いる場合、コーダ形状に賦形前に必ず磁性粉体や磁性粒子とエラストマーや弾性部材の混練による分散工程が必要になるが、この工程ではコーダ中のバインダー成分に対する磁性粉体や磁性粒子の相対含有率(体積分率)が上げにくいため、磁気センサに安定してセンシングされる磁力を得ようとするにはコーダの厚み寸法を厚くする必要があった。
また、 磁性粉体や磁性粒子の含有する弾性部材やエラストマー製のコーダの成形は、 射出成形や圧縮成形等のように製品形状に適応した金型を使用して賦形し、また加硫工程が必要な場合は金型内に必要とされる加硫時間だけ、加圧しながら保持しなければならず生産上多くの工程を必要とした。
さらに磁性粉体や磁性粒子の含有する弾性部材やエラストマー製のコーダは、例えば車輪回転検出のための回転検出装置を有したベアリングシールにおいて、回転検出装置の装着スペースを削減せしめ、かつ感知性能を飛躍的に向上させるために、そこに使用するスリンガーの軸方向で近接かつ相対した部位に感知センサを配置しなければならない。しかしこの場合、車両走行中に回転側のベアリングシール表面と固定側の感知センサ表面の間隙に、砂粒などの異物粒子が侵入し噛み込まれると、弾性部材やエラストマー製のコーダ表面は摩耗などによる激しい損傷が認められることがあった。
この発明の目的は、耐摩耗性に優れ、生産性にも優れた磁気エンコーダを提供することである。
この発明の他の目的は、部品点数を増やすことなく、コンパクトな構成で回転検出が行え、かつ回転検出のための磁気エンコーダの耐久性に優れた車輪用軸受を提供することである。
この発明の磁気エンコーダは、金属製の環状部材と、この環状部材に周方向に沿って設けられかつ周方向に多極に磁化した磁性部材とを備えた磁気エンコーダにおいて、前記磁性部材が、熱可塑性樹脂にフェライト系の磁性粉体を混入したものであることを特徴とする。
この構成の磁気エンコーダは、磁性部材に磁気センサを対面させて回転検出に使用される。この磁気エンコーダを回転させると、磁性部材の多極に磁化された各磁極の通過が磁気センサで検出され、パルスのかたちで回転が検出される。
この磁気エンコーダは、磁性部材が、熱可塑性樹脂に磁性粉体を混入したものであるため、この磁性部材の表面硬度は、従来の磁性粉体を含有する弾性部材やエラストマー製のコーダに比べて硬い。そのため、車輪回転検出のための回転検出装置に応用した場合に、車両走行中に回転側の磁性部材の表面と固定側の磁気センサの表面の間隙に、砂粒などの粒子が噛み込まれても、磁性部材の摩耗損傷が生じ難く、従来の弾性体製としたものに比べて、摩耗の大幅な低減効果がある。また、この磁性粉体の含有する磁性部材の製造では、エラストマーとは全く別の高分子物質に分類される合成樹脂(プラストマー) をバインダーとするため、加熱・加圧保持する加硫工程が不必要になる。このためエラストマーをバインダーに利用する場合に比べ、圧倒的に生産工程が簡略化でき、生産性に優れる。
磁性粉体を含有する熱可塑性樹脂製の磁気エンコーダは、射出成形のように、製品形状に適応した金型を使用して賦形したり、つまり金型どおりの形に成形し、その後、金属製の環状部材上に接着剤などで接着固定し製作してもよい。またこの場合、インサート成形のようにあらかじめ金型内に金属製の環状部材を組込んでおき、その後、溶融樹脂を流し入れて接着工程を同時加工して製作してもよい。
この発明の車輪用軸受は、内方部材および外方部材と、これら内外の部材間に収容される複列の転動体と、前記内外の部材間の端部環状空間を密封するシール装置とを備える車輪用軸受において、この発明の磁気エンコーダが、前記シール装置の構成要素となるものである。
この構成の車輪用軸受によると、シール装置の構成要素を磁気エンコーダとしたため、部品点数を増やすことなく、車輪の回転を検出することができる。車輪用軸受は、一般に路面の環境下にさらされた状態となり、磁気エンコーダとこれに対面させる磁気センサとの間に砂粒等の粒子が噛み込むことがあるが、この噛み込みに対して、次のように保護される。
すなわち、上記のようにこの熱可塑性樹脂性の磁気エンコーダの表面硬度は、従来の弾性部材製のコーダに比べて硬い。そのため、車輪回転検出のための磁気エンコーダを有した軸受シール装置において、車両走行中に回転側の軸受シール装置の表面と固定側の磁気センサの表面との間隙に、砂粒などの粒子が噛み込まれても、磁性部材表面の摩耗損傷に大幅な低減効果がある。
この発明の磁気エンコーダは、金属製の環状部材と、この環状部材に周方向に沿って設けられかつ周方向に多極に磁化した磁性部材とを備えた磁気エンコーダにおいて、前記磁性部材が、熱可塑性樹脂にフェライト系の磁性粉体を混入したものであるため、耐摩耗性に優れ、生産性にも優れる。
この発明の車輪用軸受は、内方部材および外方部材と、これら内外の部材間に収容される複列の転動体と、前記内外の部材間の端部環状空間を密封するシール装置とを備える車輪用軸受において、この発明の磁気エンコーダを前記シール装置の構成要素としたため、部品点数を増やすことなく、コンパクトな構成で回転検出が行え、しかも回転検出のための磁気エンコーダの耐久性に優れたものとなる。
この発明の一実施形態を図1ないし図3と共に説明する。図1に示すように、この磁気エンコーダ10は、金属製の環状部材11と、この環状部材11の表面に周方向に沿って設けられ磁性部材14とを備える。磁性部材14は周方向に多極に磁化され、交互に磁極N,Sが形成されている。磁極N,Sは、ピッチ円直径PCD(図2)において、所定のピッチpとなるように形成されている。この磁気エンコーダ10は、回転部材(図示せず)に取付けられ、図3に示すように磁性部材14に磁気センサ15を対面させて回転検出に使用されるものであり、磁気エンコーダ10と磁気センサ15とで回転検出装置20が構成される。同図は、磁気エンコーダ10を軸受(図示せず)のシール装置5の構成要素とした応用例を示し、磁気エンコーダ10は、軸受の回転側の軌道輪に取付けられる。シール装置5は、磁気エンコーダ10と、固定側のシール部材9とで構成される。シール装置5の具体構成については後に説明する。
この磁気エンコーダ10は、磁性部材14を磁性粉体の混入した合成樹脂塗料としたものである。磁極N,Sは、上記合成樹脂塗料の塗膜の形成後に着磁される。磁性部材14の合成樹脂塗料は、塗膜形成主要素と、溶剤または希釈剤とを含むものであっても良い。一般的な塗料は、塗膜形成主要素と、溶剤または希釈剤とを含むものである。また、磁性部材14の合成樹脂塗料は、少なくとも塗膜形成主要素が粉体であっても良い。
この明細書で言う「塗料」およびその成分について用語を説明する。
塗料は、塗膜形成要素と、塗膜形成助要素からなる。塗膜形成要素は、塗膜形成主要素と、これに必要に応じて設けられる塗膜形成副要素、および顔料とを含む。
塗膜形成主要素は、塗膜の主体となる成分であり、多くの場合、有機高分子である。
塗膜形成副要素は、塗膜の形成を助け、性能を向上させる目的で加える物質を言う。これには、可塑剤、乾燥剤、硬化剤、分散剤、皮張り防止剤、増粘剤、平坦化剤、たれ防止剤、防黴剤、紫外線吸収剤などがある。
顔料は、塗膜を着色し不透明性を与え、塗膜の機械的な性質を補強するために用いる。 塗膜生成助要素は、溶剤や希釈剤等の揮発成分を言う。
この磁性部材14の合成樹脂塗料における塗膜形成主要素としての合成樹脂には、ビニル樹脂塗料(塩化ビニル樹脂塗料、ブチラール樹脂塗料、スチレン・ブタジエン樹脂塗料、ビニルゾル樹脂塗料)、アクリル樹脂塗料(熱可塑性アクリル樹脂塗料) 、シリコーン樹脂塗料(純シリコーン樹脂塗料、アルキド変性シリコーン樹脂塗料、ポリエステル変性シリコーン樹脂塗料、アクリル変性シリコーン樹脂塗料、フッ素樹脂塗料などが使用できる。
また、磁性部材14の合成樹脂塗料として、熱可塑性の粉体塗料なども使用できる。熱可塑性粉体塗料としては、ポリエチレン系、塩化ビニル、ナイロンなどの熱可塑性樹脂を用いてもよい。
粉体塗料は、塗膜形成助用途としての溶剤を含まない塗料のことである。粉体塗料は、より詳しくは、塗膜形成主要素、塗膜形成副要素、および顔料のいずれもが粉体で溶剤や希釈剤などの揮発成分としての塗膜成形助要素を含まない塗料のことである。
なお、「無溶剤塗料」と呼ばれるものもあり、これは塗膜形成主要素自体が液状で、溶剤を必要としない塗料のことである。磁性部材14の合成樹脂塗料として、無溶剤塗料を使用しても良いが、これは上記の粉体塗料とは異なる。
磁性部材14の合成樹脂塗料に混入する磁性粉体としては、バリウム系フェライト、ストロンチウム系フェライトなどのフェライト系磁性材料を用いることができる。
環状部材11の材質となる金属は、磁性体、特に強磁性体となる金属が好ましく、例えば磁性体でかつ防錆性を有する鋼板が用いられる。このような鋼板として、フェライト系のステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)や、防錆処理された圧延鋼板等を用いることができる。
環状部材11の形状は、種々の円環状の形状とできるが、磁性部材14を内部に形成する溝部11bを有する形状が好ましい。環状部材11は、例えば図1に示すように、円筒部11aとその一端から外径側へ延びる立板部11bとでなる断面L字状の円環状とする。円筒部11aと立板部11bとは、一体にプレス成形されたものである。立板部11bは、溝形に形成されており、その溝部11ba内に磁性部材14が形成されている。溝部11baは外向きとされている。
環状部材11に対する磁性部材14の形成は、塗布等による塗工および焼き付けにより行い、その後に着磁を行う。例えば、磁性部材14の形成は、環状部材11の溝部11baに磁性粉体とソルベントを含む合成樹脂塗料を塗り付け、ソルベント風乾後、焼き付けて塗料被膜製の磁性部材14とする。なお、試作によると、磁性粉体を含む合成樹脂塗料を塗り付け、風乾.焼き付けて形成した塗料被膜製の磁性部材14の表面は、一般的な塗膜状となり自由表面を有する非常に平滑な面が形成された。
磁性部材14の形成は、上記の方法の他に、環状部材11の溝部分11baに磁性粉体と合成樹脂からなる粉体塗料を盛り込み、その後、焼き付けて塗料被膜製の磁性部材14としても良い。試作により、磁性粉体と合成樹脂からなる粉体塗料を盛り込み、その後、焼き付けて形成した塗料被膜製の磁性部材14の表面も、一般的な塗膜状となり自由表面を有する非常に平滑な面が形成された。
この構成の磁気エンコーダ10は、図3と共に前述したように、磁性部材14に磁気センサ15を対面させて回転検出に使用される。磁気エンコーダ10を回転させると、磁性部材14の多極に磁化された各磁極N,Sの通過が磁気センサ15で検出され、パルスのかたちで回転が検出される。磁極N,Sのピッチp(図2)は細かく設定でき、例えばピッチpが1.5mm、ピッチ相互差±3%という精度を得ることもでき、これにより精度の高い回転検出が行える。磁気エンコーダ10が図3のように軸受のシール装置5に応用されたものである場合、磁気エンコーダ10の取付けられた軸受の回転が検出されることになる。
磁性部材14は、磁性粉体の混入した合成樹脂塗料からなるため、次に示すように、安定したセンシングの得られる磁力を確保しながら薄肉化できて、磁気エンコーダ10のコンパクト化が図れるうえ、耐摩耗性に優れ、また生産性にも優れたものとなる。
すなわち、合成樹脂成分をバインダーとして磁性粉体を混入した塗料は、その樹脂成分の粉体と磁性粉体の組成比を調整しながらソルベント中で分散させたり、または粉体同士の乾式混合分散ができるため、塗料被膜中の磁性粉体や磁性粒子の相対的な含有率(体積分率)を上げられる。このため、磁気センサ15に安定してセンシングされる磁力が容易に得られ、磁性部材14の磁性被膜厚を厚くする必要がない。
また、磁性粉体や磁性粒子の含有する塗料被膜製の磁性部材14の製造では、たとえば岩波理化学辞典・第4版((株)岩波書店刊行)に記載されているように、明らかにエラストマーとは全く別の高分子物質に分類される合成樹脂(プラストマー) をバインダーとするため、加熱・加圧保持する加硫工程が不必要になる。このためエラストマーをバインダーに利用する場合に比べて、圧倒的に生産工程が簡略化できる。磁性部材14となる塗料被膜の形成は一般的な塗工方法でよく、エラストマーやプラストマーでの賦形のための射出成形や圧縮成形等で用いる金型は不要になり、型などの摩耗による損傷問題や成形上の負荷の問題は完全に回避できる。
さらに磁性粉体や磁性粒子を高含有した塗料被膜製の磁性部材14の表面硬度は、従来の磁性粉体や磁性粒子の含有する弾性部材やエラストマー製のコーダに比べて硬い。そのため、車輪回転検出のための回転検出装置20に応用した場合に、車両走行中に回転側の磁性部材14の表面と固定側の磁気センサ15の表面の間隙に、砂粒などの粒子が噛み込まれても、磁性部材14の摩耗損傷が生じ難く、従来の弾性体製としたものに比べて、摩耗の大幅な低減効果がある。
つぎに、この磁気エンコーダ10を具備する車輪用軸受の一例、およびそのシール装置5の例を、図4,図5と共に説明する。図5に示すように、この車輪用軸受は、内方部材1および外方部材2と、これら内外の部材1,2間に収容される複数の転動体3と、内外の部材1,2間の端部環状空間を密封するシール装置5,13とを備える。一端のシール装置5は、磁気エンコーダ10付きのものである。内方部材1および外方部材2は、転動体3の軌道面1a,2aを有しており、各軌道面1a,2aは溝状に形成されている。内方部材1および外方部材2は、各々転動体3を介して互いに回転自在となった内周側の部材および外周側の部材のことであり、軸受内輪および軸受外輪の単独であっても、これら軸受内輪や軸受外輪と別の部品とが組合わさった組立部材であっても良い。また、内方部材1は、軸であっても良い。転動体3は、ボールまたはころからなり、この例ではボールが用いられている。
この車輪用軸受は、複列の転がり軸受、詳しくは複列のアンギュラ玉軸受とされていて、その軸受内輪は、各転動体列の軌道面1a,1aがそれぞれ形成された一対の分割型の内輪18,19からなる。これら内輪18,19は、ハブ輪6の軸部の外周に嵌合し、ハブ輪6と共に上記内方部材1を構成する。なお、内方部材1は、上記のようにハブ輪6および一対の分割型の内輪18,19からなる3部品の組立部品とする代わりに、ハブ輪6および片方の内輪18が一体化された軌道面付きのハブ輪と、もう片方の内輪19とで構成される2部品からなるものとしても良い。
ハブ輪6には、等速自在継手7の一端(例えば外輪)が連結され、ハブ輪6のフランジ部6aに車輪(図示せず)がボルト8で取付けられる。等速自在継手7は、その他端(例えば内輪)が駆動軸に連結される。
外方部材2は、軸受外輪からなり、懸架装置におけるナックル等からなるハウジング(図示せず)に取付けられる。転動体3は各列毎に保持器4で保持されている。
図4は、磁気エンコーダ付きのシール装置5を拡大して示す。このシール装置5は、磁気エンコーダ10がスリンガとなり、内方部材1および外方部材2のうちの回転側の部材に取付けられる。この例では、回転側の部材は内方部材1であるため、磁気エンコーダ10は内方部材1に取付けられる。
シール装置5の詳細を説明すると、内方部材1と外方部材2に各々取付けられた第1および第2の金属板製の環状部材11,12を有する。これら環状部材11,12は、各々内方部材1および外方部材2に圧入状態に嵌合させることで取付けられている。両環状部材11,12は、各々円筒部11a,12aと立板部11b,12bとでなる断面L字状に形成されて互いに対向する。
第1の環状部材11は、内方部材1および外方部材2のうちの回転側の部材である内方部材1に嵌合され、スリンガとなる。第1の環状部材11は、磁気エンコーダ10における環状部材である。この磁気エンコーダ10における磁性部材14に対面して、同図のように磁気センサ15を配置することにより、車輪回転速度の検出用の回転検出装置20が構成される。
第2の環状部材12は、上記シール部材9(図3)を構成する部材であり、第1の環状部材11の立板部11bに摺接するサイドリップ16aと円筒部11aに摺接するラジアルリップ16b,16cとを一体に有する。これらリップ16a〜16cは、第2の環状部材12に加硫接着された弾性部材16の一部として設けられている。これらリップ16a〜16cの枚数は任意で良いが、図4の例では、1枚のサイドリップ16aと、軸方向の内外に位置する2枚のラジアルリップ16c,16bとを設けている。第2の環状部材12は、固定側部材である外方部材2との嵌合部に弾性部材16を抱持したものとしてある。すなわち、弾性部材16は、円筒部12aの内径面から先端部外径までを覆う先端覆い部16dを有するものとし、この先端覆い部16dが、第2の環状部材12と外方部材2との嵌合部に介在する。
第2の環状部材12の円筒部12aと第1の環状部材11の立板部11bの先端とは僅かな径方向隙間をもって対峙させ、その隙間でラビリンスシール17を構成している。
この構成の車輪用軸受によると、車輪と共に回転する内方部材1の回転が、この内方部材1に取付けられた磁気エンコーダ10を介して、磁気センサ15で検出され、車輪回転速度が検出される。
磁気エンコーダ10は、シール装置5の構成要素としたため、部品点数を増やすことなく、車輪の回転を検出することができる。車輪用軸受は、一般に路面の環境下にさらされた状態となり、磁気エンコーダ10とこれに対面させる磁気センサとの間に砂粒等の粒子が噛み込むことがあるが、上記のように磁気エンコーダ10の磁性部材14は合成樹脂塗料からなるものであって硬質であるため、磁性部材14の表面の摩耗損傷は従来の弾性体性のものに比べて大幅に低減される。また、車輪用軸受5における軸受端部の空間は、周辺に等速ジョイント7や軸受支持部材(図示せず)があって限られた狭い空間となるが、磁気エンコーダ10の磁性部材14が上記のように薄肉化できるため、回転検出装置20の配置が容易になる。
内外の部材1,2間のシールについては、第2の環状部材12に設けられた各シールリップ16a〜16cの摺接と、第2の環状部材12の円筒部12aに第1の環状部材11の立板部11bの先端が僅かな径方向隙間で対峙することで構成されるラビリンスシール17とで得られる。
なお、上記実施形態において、磁気エンコーダ10の環状部材11は、鋼板プレス成形品製としたが、図6に示すように、磁気エンコーダ10の環状部材11は、鋼材等の削り出し品からなるものとしても良い。同図の例の環状部材11は立板部11bの溝部11baを切削加工溝としている。
また、磁気エンコーダ10を軸受のシール装置5の構成要素とする場合等において、磁性部材14を、前記各実施形態とは逆に軸受に対して内向きに設けても良い。その場合、環状部材11は非磁性体製のものとすることが好ましい。
さらに、磁気エンコーダ10は、前記各実施形態のように磁性部材14を軸方向に向けたものに限らず、例えば図7に示すように、径方向に向けて設けても良い。同図の例は、シール装置5のスリンガとなる環状部材11から軸方向の外側へ延びる第2の円筒部11cを設け、第2の円筒部11cの外周に磁性部材14を設けている。この場合、磁気センサ15は、磁性部材14に対して径方向に対面配置する。
また、この発明の磁気エンコーダは、軸受のシール装置5の構成部品とするものに限らず、単独で回転検出に利用することができる。例えば、図1の実施形態における磁気エンコーダ10を、シール装置5は別に軸受に設けても良く、また図8に示すように、磁性部材14が径方向に向く磁気エンコーダ10を、円筒状の環状部材11の外径面に磁性部材14を設けた構成のものとし、車輪用軸受における外方部材2Aの外径面に嵌合させて設けても良い。同図の車輪用軸受は、内方部材1Aおよび外方部材2Aのうちの外方部材2Aを回転側の部材とし、外方部材2Aに車輪取付フランジ26を設けたものである。シール装置14は、磁気エンコーダ10とは別に軸受に設けられる。外方部材2Aは一対の分割内輪18A,19Aからなる。
この発明の一実施形態にかかる磁気エンコーダの部分斜視図である。 同磁気エンコーダを正面から示す磁極の説明図である。 同磁気エンコーダを備えたシール装置と磁気センサとを示す部分破断正面図である。 同シール装置を備えた車輪用軸受の部分断面図である。 同車輪用軸受の全体の断面図である。 この発明の他の実施形態にかかる磁気エンコーダの部分斜視図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる磁気エンコーダを備えた車輪用軸受の部分断面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる磁気エンコーダを備えた車輪用軸受の部分断面図である。
符号の説明
1…内方部材
2…外方部材
1A…内方部材
2A…外方部材
3…転動体
5…シール装置
10…磁気エンコーダ
11…環状部材
14…磁性部材
15…磁気センサ
20…回転検出装置

Claims (2)

  1. 金属製の環状部材と、この環状部材に周方向に沿って設けられかつ周方向に多極に磁化した磁性部材とを備えた磁気エンコーダにおいて、
    前記磁性部材が、熱可塑性樹脂にフェライト系の磁性粉体を混入したものであることを特徴とする磁気エンコーダ。
  2. 内方部材および外方部材と、これら内外の部材間に収容される複列の転動体と、前記内外の部材間の端部環状空間を密封するシール装置とを備える車輪用軸受において、請求項1に記載の磁気エンコーダが、前記シール装置の構成要素となるものとした車輪用軸受。
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