JP3770424B2 - あぶらとり紙の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に化粧前に女性が顔のあぶら分(皮脂)を吸収するのに用いるあぶらとり紙の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近では、顔のあぶら分(皮脂)を吸収するための、種々のあぶらとり紙が市販されている。特に、最高級品と言われるあぶらとり紙は、いわゆる「金箔打ち紙」を原料としたあぶらとり紙である。
なお、上記の「金箔打ち紙」とは、仏像等に使用する金箔を圧延して形成する際に用いる紙を言い、柿渋などで特殊加工された極上和紙の間に圧延した純金を挟み、この純金を挟んだ和紙を幾度も幾度も槌打ちして金箔を形成する際に用いる上記和紙を言う。
【0003】
現在、上記の金箔打ち紙を用いたあぶらとり紙や、他の製法で製造されたあぶらとり紙など、多種多様なあぶらとり紙が出回っている。そして、上記金箔打ち紙を用いたあぶらとり紙の品質に近づけるため、平滑性を付与する製法を用いている。
つまり、金箔打ち紙は何度も何度もたたいていることから平滑性が付与され、この平滑性が吸脂力を高めている。したがって、どの製品(あぶらとり紙)もこの吸脂力を高めているために、平滑性を付与する製法を用いているのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そして、平滑性が付与されたあぶらとり紙は、多数枚を積層した製本式や、バラ入れ式として1冊、あるいは1パックのあぶらとり紙として市販されている。ところが、あぶらとり紙に平滑性が付与されて吸脂力が向上したのは良いものの、風合いが硬く、また夏など多汗な季節では、肌にあぶらとり紙が密着してしまい、非常に使い心地が悪い状態となっている。
また、製本式やバラ入れ式ともに、あぶらとり紙自体は比較的薄く、且つ表面に平滑性を備えているので、互いに密着して1枚ずつの取り出しが困難であるという問題があった。
【0005】
本発明は上述の点に鑑みて提供したものであって、凹凸部による空間が存在することであぶらとり紙を1枚ずつ取り出しを容易にすると共に、該凹凸部の角部を利用することで、肌に汗をかいている場合でもあぶらとりをうまく行なうことができるとともに、吸脂力を向上させたあぶらとり紙の製造方法を提供することを目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のあぶらとり紙の製造方法では、一面に樹脂17を熱転写したあぶらとり紙素材13を手もみ加工し、その後、あぶらとり紙素材13のしわを延ばし、所定の期間の間、所定の重量の重さを有する重り44を載置し、これによりあぶらとり紙素材13の表面に略全面にわたって角部は丸みを帯びた凹凸部41を形成するようにしていることを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。まず、本発明のあぶらとり紙の製造するための構成及び製造方法について説明する。
【0008】
図4に示すように、あぶらとり紙の材料となる原紙1は、軸3により回動自在に軸支されている巻き出しローラー2により幾層にも連続して巻装されている。この原紙1は、20g/m2 前後の重さで、柔らかく比較的吸収性のある巻取和紙やレーヨン混抄紙、あるいはある程度平滑性があり厚さが均一の巻取洋紙を用いている。
なお、原紙1の重さとしては18〜30g/m2 の範囲のものが適用されるが、上記の20g/m2 の原紙1が好適例である。
【0009】
巻き出しローラー2からの送り出し側には、受けローラー4と加圧ローラー6とで構成されるプレス加工装置10が設けられている。受けローラー4は固定された軸5により回動自在に軸支されており、また、加圧ローラー6は軸7により回動自在に軸支されていると共に上下方向に移動自在となっている。更に加圧ローラー6はエアー等の加圧手段(図示せず)により白抜きの矢印の方向に付勢されて受けローラー4側を加圧するようになっている。なお、加圧ローラー6には該加圧ローラー6を加熱するための加熱手段(図示せず)が設けられている。
また、ローラー15には後述するコーティングフィルム14が巻装されている。
【0010】
プレス加工装置10の送り出し側には、加工により形成されたあぶらとり紙素材13aを巻き取る巻き取りローラー11が軸12により回動自在に配設されている。また、上記コーティングフィルム14の熱可塑性樹脂17(図5参照)を原紙1に熱転写して剥離したフィルム16を巻き取るローラー20が配設されている。なお、21,22はガイドローラーである。
【0011】
なお、プレス加工装置10において、受けローラー4及び加圧ローラー6の表面はそれぞれ滑らかになっており、原紙1及びコーティングフィルム14を熱加圧するものである。
【0012】
上記コーティングフィルム14は、図5に示すように極く薄いフィルム16の片面に主として水溶性の熱可塑性樹脂17をウエットコートして形成されており、このコーティングフィルム14の樹脂17面を原紙1の一面に熱加圧により熱転写するようにしたものである。
上記水溶性の熱可塑性樹脂17としては、塩化ビニル、アクリル等を用い、またフィルム16としては、厚さ12μm〜15μmのポリエステルフィルムやポリプロピレンフィルム等を用いている。また、水溶性の熱可塑性樹脂17をフィルム16にコーティングする場合には、5〜10g/m2 の範囲でウエットコートしている。
【0013】
次に、フィルム16、熱可塑性樹脂17、原紙1、ロールプレス加工における温度、速度、加工回数等を具体的に説明する。
(1) コーティングフィルム14を形成するための材質
フィルム16 :東洋紡社製ポリエステルフィルム 厚さ12μm
熱可塑性樹脂17:呉羽化学社製クレハロンDOA(登録商標)
グラビアコーターにより熱可塑性樹脂17のクレハロンDOA(45%)を、フィルム16のポリエステルフィルム(12μm)の片面にウエット(8g/m2 )コートして、巻き取る。このようにして形成されたのがコーティングフィルム14であり、コーティングフィルム14の拡大断面図を図5に示す。なお、この図5は図4のA部の拡大断面図である。
また、図4において上述のようにして巻き取ったコーティングフィルム14をローラー15からプレス加工装置10へ送り出すようにしている。
【0014】
(2) 原紙1としては以下のものが好適例である。
白川製紙社、大王製紙社製20g/m2 巻取色原紙
三和製紙社製20g/m2 細雪巻取原紙
【0015】
(3) プレス加工装置10での条件
温度:90℃〜150℃
速度:毎分4M〜6M(Mはメートル)
ロールプレス加工:1回
【0016】
次に製造方法について説明する。巻き出しローラー2及びローラー15から連続して原紙1及びコーティングフィルム14をプレス加工装置10へ送り出す。この時、ローラー15からのコーティングフィルム14は熱可塑性樹脂17を下面にして送り出し、原紙1の上面にコーティングフィルム14を沿わせながらプレス加工装置10にて上記の温度、速度の条件下でロールプレス加工を行なう。原紙1及びコーティングフィルム14はプレス加工装置10の受けローラー4と加圧ローラー6により熱加圧されて、原紙1の上面にコーティングフィルム14の熱可塑性樹脂17が熱転写される。
【0017】
この加圧ローラー6によるコーティングフィルム14の熱可塑性樹脂17の熱転写の際にコーティングフィルム14のフィルム16が剥離され、この剥離されたフィルム16はガイドローラー22を介してローラー20に巻き取られる。なお、フィルム16にコーティングする水溶性の熱可塑性樹脂17は、該フィルム16へはコートが可能で、且つ加圧ローラー6による熱転写の際には簡単に剥離できる材質を用いている。
このように、プレス加工装置10にて原紙1にコーティングフィルム14の熱可塑性樹脂17を熱転写し、剥離したフィルム16をローラー20にて巻き取っていき、フィルム16を剥離した原紙1はあぶらとり紙素材13aとして形成され、巻き取りローラー11にあぶらとり紙素材13aが連続して巻き取られていく。
【0018】
図1は本あぶらとり紙を製造するための最終工程を示し、図4の構成で製造されたあぶらとり紙素材13aの表面に凹凸部41を形成するようにしたものである。図1において、あぶらとり紙素材13aを巻き取った巻き取りローラー12の送り出し方向には、エンボス加工装置30が配設されている。
このエンボス加工装置30は、軸33により回動自在に軸支されている受けローラー31と、この受けローラー31の上方であって軸34により回動自在に軸支され、且つ上下方向に移動自在は加圧ローラー32とで構成されている。さらに、加圧ローラー32はエアー等の加圧手段(図示せず)により白抜きの矢印の方向に付勢されて、受けローラー31側を熱加圧するようになっている。なお、加圧ローラー32には該加圧ローラー32を加熱するための加熱手段(図示せず)が設けられている。
【0019】
また、上記エンボス加工装置30によりロールエンボス加工されたあぶらとり紙素材13を巻き取る巻き取りローラー35が軸36により回動自在に配設されている。
【0020】
ローラー11からのあぶらとり紙素材13aは原紙1側を上面にしてエンボス加工装置30に送られ、このエンボス加工装置30によりあぶらとり紙素材13aの表面にロールエンボス加工が施され、このロールエンボス加工によりあぶらとり紙素材13aの表面に角部は丸みを帯びた凹凸部41が形成されることになる。凹凸部41が形成されたあぶらとり紙素材13は巻き取りローラー35に巻き取られていく。ここで、エンボス加工装置30によるロールエンボス加工前のあぶらとり紙素材を13aとし、ロールエンボス加工後のあぶらとり紙素材を13と表現している。
【0021】
上記のエンボス加工装置30におけるロールエンボス加工の条件は以下の通りである。
温度 : 30℃〜80℃
速度 : 毎分10〜20メートル
また、エンボス加工装置30におけるエンボス柄は、どのような柄でも良く、任意の多様な柄を用いることができる。例えば、梨地、布目もみ、クレープ柄、ちりめん柄などである。
なお、上記エンボス加工装置30でのエンボス加工の回数は1回でも良く、また、複数回のエンボス加工を行なうようにしても良い。
【0022】
次に、巻き取りローラー35にて巻き取っているあぶらとり紙素材13をさらに所定の寸法(例えば、正方形や長方形、あるいは円形などの手のひらと同じくらいの大きさ)の大きさに裁断して、実際の製品の大きさにする。これにより図2に示すように、表面に凹凸部41を形成したあぶらとり紙40が形成されることになる。なお、図2では、あぶらとり紙40の凹凸部41は一部しか描かれていないが、実際にはあぶらとり紙40の全面にわたって凹凸部41が形成されている。また、このようにしてカットしたあぶらとり紙40を多数枚(例えば、40枚)を製本式やバラ入れの1パックに包装して、実際の製品が出来上がる。
図3はあぶらとり紙40の要部拡大断面図を示し、上面が原紙1側であり、下面が樹脂17面である。
【0023】
ところで、図6は原紙1に熱可塑性樹脂17を熱転写した場合のあぶらとり紙素材13(あぶらとり紙40)の拡大断面図(図4のB部の拡大断面図)を示しており、熱可塑性樹脂17の分子が原紙1の繊維の間に浸透し、従来の「金箔打ち紙」を用いていたあぶらとり紙と同様、あるいはそれ以上の平滑性、吸収力を得ることができている。また、上記平滑性は凹凸部41の形成により除去している。
【0024】
また、上記において、プレス加工装置10におけるロールプレス加工において、温度条件を90℃〜150℃にそれぞれ設定してあぶらとり紙を形成した場合について説明したが、温度条件の範囲を130℃〜150℃とした場合には、より品質の良いあぶらとり紙を形成することができる。
更に、原紙の一面に熱転写する樹脂として上記では熱可塑性樹脂としたが、熱可塑性樹脂に限定されるものではない。例えば、カゼイン、柿渋などの天然樹脂を原紙の一面に熱転写してあぶらとり紙を形成しても良い。
【0025】
そして、図1に示すエンボス加工装置30によりあぶらとり紙素材13の表面に凹凸部41を形成して、従来問題が生じていた平滑性を除去することで、あぶらとり紙40としての以下に示すような効果を得ることができた。
すなわち、あぶらとり紙40の表面の全体にわたって凹凸部41が形成されているので、しなやかな風合いとソフトな肌触りを得ることができた。また、図3に示すように、凹凸部41は多くの曲面状に形成されているため、角部分は尖らずに、いわゆるアールとなっているので、この部分により吸脂力が向上した。
【0026】
また、あぶらとり紙40の表面に凹凸部41を形成しているため、従来とは異なりあぶらとり紙40が肌に密着し過ぎず適度のすべり性があり、汗をかいていても肌のあぶらとりをうまく行なうことができる。
また、従来の無地の場合、1枚1枚取り出しにくいという問題があったが、あぶらとり紙40の表面に凹凸部41を形成しているので、隣接するあぶらとり紙40の間には凹凸部41による空間が存在することになり、そのため、1枚ずつのあぶらとり紙40の取り出しが容易となる。さらに、あぶらとり紙40の表面に凹凸部41により、見た目にボリューム感と高級感を醸しだすことができるようになった。
【0027】
また、原紙1の一面に熱可塑性樹脂17を熱転写されているので、あぶらとり紙素材13、つまりあぶらとり紙40の一面は熱可塑性樹脂17面となり、この熱可塑性樹脂17の面が光沢を放ち、あぶらとり紙40の吸収面と非吸収面とが肉眼的且つ感触的にハッキリ区別でき、使用者には非常に使い勝手が良いものである。またこの熱可塑性樹脂17面があぶらとり紙40の一面に全体にわたって形成されているので、あぶら分を吸収した場合には吸収面とは反対側への浸透が熱可塑性樹脂17により阻止されてあぶらが滲み出ることもない。そのため、手が汚れることもなく非常に使い勝手が良いものである。
【0028】
(第2の実施の形態)
図7はあぶらとり紙40の表面に凹凸部41を形成するための他の製造方法を示す図である。すなわち、図4で示す工程により製造されたあぶらとり紙素材13を一定の寸法にカット(例えば、400mm×400mm)し、このカットしたあぶらとり紙素材13を手もみし、その後、しわ延ばしを行なう。
そして、しわを延ばした多数枚のあぶらとり紙素材13をワーク台43の上面に載置し、その載置したあぶらとり紙素材13の上から500Kg程度の重り44を置く。この状態で1週間程度放置しておく。これによりあぶらとり紙素材13は徐々に延ばされて上記と同様なあぶらとり紙素材13の表面に凹凸部41が形成されることになる。
【0029】
上記の1週間経過後にあぶらとり紙素材13を実際の製品の大きさに細かくカットする。そして、上記と同様に多数枚のあぶらとり紙40を製本式としたり、バラ入れとすることで、先の場合と同様の効果を得ることができる。
【0030】
(第3の実施の形態)
図8は、図4で形成されたあぶらとり紙素材13aの樹脂17面側に有孔シート50を貼り付けてあぶらとり紙素材13を製造するようにした工程を示す図である。図9は図8の工程で製造された後に上記と同様に細かくカットしたあぶらとり紙40の分解斜視図を示し、図10はあぶらとり紙40の要部拡大断面図を示している。
図示する有孔シート50の形状は一例であり、この例では略格子状やメッシュ状の有孔シート50を用いている。この有孔シート50は図9及び図10に示すように、多数の孔51が形成されており、材質はレーヨン紙を用いている。
【0031】
有孔シート50は図8に示すように軸53により回動自在となっているローラー54に巻装されており、このローラー54からプレス加工装置56側へ送られるようになっている。このプレス加工装置56は受けローラー57と加圧ローラー58と構成されており、基本的には図4に示す装置と同じ構成である。すなわち、受けローラー57及び加圧ローラー58は軸59,60によりそれぞれ回動自在となっており、それぞれ駆動装置(図示せず)により回転駆動され、受けローラー57を加圧する加圧ローラー58は、上下動自在であり、加圧手段、加熱手段(ともに図示せず)を備えている。
また、プレス加工装置56の送り出し側には、軸61により回動自在としたローラー62が配設され、プレス加工装置56にてプレス加工されたあぶらとり紙素材13を巻き取るようになっている。
【0032】
巻き取りローラー11から樹脂17面を上面したあぶらとり紙素材13aはプレス加工装置56へ送られ、同時にローラー54から有孔シート50はプレス加工装置56へ送られる。そして、プレス加工装置56であぶらとり紙素材13aと有孔シート50を熱加圧してあぶらとり紙素材13aの樹脂17面に有孔シート50を圧着する。
プレス加工装置56で有孔シート50を貼り付けたあぶらとり紙素材13aはあぶらとり紙素材13としてローラー62に巻き取られる。
【0033】
この時のプレス加工装置56における条件は下記の通りである。
温度 : 120℃〜150℃
速度 : 毎分5〜10メートル
【0034】
このプレス加工装置56におけるプレス加工において、孔51以外の有孔シート50の部分が原紙1を加圧するので、有孔シート50に対応した原紙1への加圧力が高くなり、そのため、あぶらとり紙40(あぶらとり紙素材13)としての吸脂力が向上し、有孔シート50をあぶらとり紙40に貼り付けない場合と比べて、吸脂力がより向上した。
また、有孔シート50の原料であるレーヨン紙は水分を吸収する性質を有しているので、原紙1側はあぶら分を吸収する側とし、有孔シート50側は顔の汗を吸収する側として利用することも可能となる。もちろん、有孔シート50と原紙1との間には樹脂17が介在しているので、吸収したあぶら分や汗が他面に滲みでることはない。
【0035】
また、有孔シート50とあぶらとり紙素材13をプレス加工しているので、あぶらとり紙40の表面には有孔シート50の孔51により凹凸部41が形成されることになり、上記図1〜図3の場合と同様の効果を得ることができる。
なお、図10では、説明の便宜上フラットに記載しているが、実際は図3に示すようにあぶらとり紙40の全体はゆるやかな凹凸状態となっている。また、有孔シート50自体は薄いものであり、初めから孔51の内縁は丸みを帯びているものであり、しかも、プレス加工により更に凹凸部41の角部は丸みを帯びるものである。
【0036】
(第4の実施の形態)
図11及び図12は第4の実施の形態を示し、この実施の形態では、熱可塑性樹脂17を用いずに、第1の実施の形態で用いた原紙1に上記有孔シート50を熱加圧により圧着してあぶらとり紙40(あぶらとり紙素材13)を形成したものである。また、この実施の形態では、原紙1の重さを約14g/m2 のものを使用している。
【0037】
基本的な構成は図8の場合と同様であり、軸64により回動自在に軸支されているローラー65には、重さが14g/m2 の原紙1が巻装されており、このローラー65から原紙1がプレス加工装置56へ送られる。同時にローラー54から有孔シート50がプレス加工装置56へ送られる。原紙1と有孔シート50とがプレス加工装置56にてプレス加工されて、原紙1に有孔シート50が熱加圧により圧着される。
そして、プレス加工装置56にてプレス加工されてあぶらとり紙素材13となり、ローラー62に巻き取られる。このあぶらとり紙素材13を上記と同様に細かくカットしてあぶらとり紙40が形成されることになる。
【0038】
また、プレス加工装置56での加工条件は第3の実施の形態の場合と同じである。
【0039】
図12はあぶらとり紙40の要部拡大断面図であり、有孔シート50の孔51以外の部分で原紙1が加圧されるため、第3の実施の形態の場合と同様にあぶらとり紙40としての吸脂力が向上している。また、有孔シート50の孔51によりあぶらとり紙40の表面全体にわたって凹凸部41が形成され、上記と同様の効果を発揮している。
【0040】
(第5の実施の形態)
次に、第5の実施の形態について説明する。14g/m2 〜30g/m2 の間の原紙1を図8に示すプレス加工装置56にてロールプレス加工を行なう。この時のロールプレス加工の条件は以下の通りである。
温度:90℃〜150℃
速度:毎分4メートル〜6メートル
また、ロールプレス加工の回数は1回でも良く、また1回〜10回の間でも良い。
【0041】
さらに、このプレス加工装置56におけるロールプレス加工の前に、あるいはロールプレス加工の後に、図1に示すエンボス加工装置30により原紙1にエンボス加工を行なう。このエンボス加工装置30におけるエンボス加工は、ロールプレス加工の前後にそれぞれ行なっても良い。
また、ロールプレス加工を多数回行なう場合には、中間にエンボス加工を行なっても良い。更には、ロールプレス加工の前後、及び中間にそれぞれエンボス加工を行なうようにしても良い。
【0042】
上記のエンボス加工装置30におけるロールエンボス加工の条件は以下の通りである。
温度 : 30℃〜80℃
速度 : 毎分10〜20メートル
また、エンボス加工装置30におけるエンボス柄は、第1の実施の形態の場合と同様にどのような柄でも良い。
なお、この実施の形態における原紙1の材料としては、第1の実施の形態に使用している原紙1を用いている。
【0043】
樹脂を使用せずに、単に原紙1をロールプレス加工とエンボス加工とを行なって図1の場合と同様に凹凸部41が形成されることになる。この凹凸部41が形成されたあぶらとり紙40により樹脂を用いたことによる効果以外の効果を図1の場合と同様に得ることができる。
【0044】
なお、第1〜第3の実施の形態において、原紙1の坪重量を第4の実施の形態と同様に14g/m2 のものを用いてあぶらとり紙40を形成するようにしても良い。
また、各実施の形態において、原紙1に予め着色したものを用いても良い。例えば、薄い紫色や、ブルー、ピンクなどである。このように種々の色を着色したあぶらとり紙40を形成することで、需要者は好みに応じた色のあぶらとり紙40を購入することができる。
【0045】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載のあぶらとり紙の製造方法によれば、凹凸部の形成を手もみにより行なっているので、凹凸部を形成したあぶらとり紙は、非常に高級感を醸し出すことができる。また、この製造方法によって製造されたあぶらとり紙は、以下に示すような効果を奏するものである。
従来の無地のあぶらとり紙の場合、1枚1枚取り出しにくいという問題があったが、あぶらとり紙の表面に凹凸部を形成しているので、隣接するあぶらとり紙の間には凹凸部による空間が存在することになり、そのため、1枚ずつのあぶらとり紙の取り出しが容易となる。さらに、あぶらとり紙の表面に凹凸部により、見た目にボリューム感と高級感を醸しだすことができるようになった。
また、あぶらとり紙の表面の略全体にわたって凹凸部を形成しているので、この凹凸部により、しなやかな風合いとソフトな肌触りを得ることができ、また、凹凸部は角部は丸みを帯びているので、角部分は尖らずに、いわゆるアールとなっているので、この部分により吸脂力が向上するものである。また、あぶらとり紙の表面に凹凸部を形成しているため、従来とは異なりあぶらとり紙が肌に密着し過ぎず適度のすべり性があり、汗をかいていても肌のあぶらとりをうまく行なうことができる。
【0046】
また、原紙の一面に樹脂を熱転写されているので、あぶらとり紙素材、つまりあぶらとり紙の一面は樹脂面となり、この樹脂の面が光沢を放ち、あぶらとり紙の吸収面と非吸収面とが肉眼的且つ感触的にハッキリ区別でき、使用者には非常に使い勝手が良いものである。またこの樹脂面があぶらとり紙の一面に全体にわたって形成されているので、あぶら分を吸収した場合には吸収面とは反対側への浸透が樹脂により阻止されてあぶらが滲み出ることもない。そのため、手が汚れることもなく非常に使い勝手が良いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態のあぶらとり紙の表面にエンボス加工装置により凹凸部を形成するための製造方法を示す図である。
【図2】 本発明の実施の形態の表面に凹凸部を形成したあぶらとり紙の平面図である。
【図3】 本発明の実施の形態のあぶらとり紙の要部拡大断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態の原紙の一面に熱可塑性樹脂を熱転写したあぶらとり紙素材を形成するための製造方法を示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態の図4のA部の拡大断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態の図4のB部の拡大断面図である。
【図7】 本発明の第2の実施の形態のあぶらとり紙に凹凸部を形成するための製造方法を示す図である。
【図8】 本発明の第3の実施の形態のあぶらとり紙に凹凸部を形成するための製造方法を示す図である。
【図9】 本発明の第3の実施の形態のあぶらとり紙の分解斜視図である。
【図10】 本発明の第3の実施の形態のあぶらとり紙の要部拡大断面図である。
【図11】 本発明の第4の実施の形態のあぶらとり紙に凹凸部を形成するための製造方法を示す図である。
【図12】 本発明の第4の実施の形態のあぶらとり紙の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 原紙
13 あぶらとり紙素材
17 熱可塑性樹脂
30 エンボス加工装置
31 受けローラー
32 加圧ローラー
40 あぶらとり紙
41 凹凸部
44 重し
50 有孔シート
56 プレス加工装置
57 受けローラー
58 加圧ローラー
Claims (1)
- 一面に樹脂(17)を熱転写したあぶらとり紙素材(13)を手もみ加工し、その後、あぶらとり紙素材(13)のしわを延ばし、所定の期間の間、所定の重量の重さを有する重り(44)を載置し、これによりあぶらとり紙素材(13)の表面に略全面にわたって角部は丸みを帯びた凹凸部(41)を形成するようにしていることを特徴とするあぶらとり紙の製造方法。
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