JPS635880Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、光沢、色彩、量感などに差異のある
妙味ある陰陽模様を有する箔糸用シートに関す
る。

装飾性あるシート類としては、各種箔糸を織込
んだ織物が知られており、織物に変化をもたせる
ために、箔糸の製造に種々の工夫が試みられてい
る。また、通常の布帛、シート類にエンボス加工
をして凹凸模様を施すことも知られているが、い
ずれにしても肉厚感のある変化に富んだ製品は得
難く、更なる工夫が望まれる。

本考案は、箔片を利用して、新規な立体感ある
装飾性に富んだシートを提供する。

本考案のシートは、シート状基材表面に、厚さ
の異なる２種以上の箔片を部分的に重なり合うよ
うに貼着して、該基材表面に凹凸ある模様を形成
し、この模様上に合成樹脂保護膜を設け、その上
からローラで加熱加圧仕上げしたものである。

ここにシート状基材とは、織布、編布、不織
布、紙、各種フイルムなどシート状物質であれば
いずれでもよく、箔片としても金属箔、彩色紙、
布帛、糸、皮、合成皮革などの細片がいずれも使
用できる。箔片は色調、材質などの異なるものを
組合わせて使用するのがよい。

また、合成樹脂保護膜は、ポリエステル、ナイ
ロン、アクリル系樹脂、ポリオレフイン、ポリ塩
化ビニルなど一般的な皮膜形成能に優れた樹脂か
ら製造されればよく、接着剤によるフイルムの貼
着によつて製造されても、直接コーテイングによ
つて製造されてもよい。該保護膜は箔糸の滑性や
強度を増し、その編織を容易とする潤滑性塗膜と
しても働く。

次いで適用されるローラ仕上げは、カレンダー
ローラによるのが好ましいが、シボ模様など模様
のあるローラの使用でも妙味ある製品が得られ
る。このローラ仕上げにより、厚く突出した箔片
上面はローラ加圧の影響を強く受け、光沢に富
み、箔片の貼着しない基材表面又は低部の箔片上
面はローラ加工の影響が少ないため、光沢に乏し
い陰陽模様が得られる。

従つて、本考案では、箔片の散在による色調の
変化、凹凸模様及び上述の如き光沢の変化が組み
合わさつて、非常に装飾性に富んだ製品となる。
また、箔片が重なり合つて、十分基材に接着され
ていない場合であつても保護膜で覆いローラ加圧
されるので、物性の良い安定した製品となる。

本考案の一例を図面に示す。この例では紙製基
材１の片面に接着剤２を塗布し、その上に厚さの
異なる金銀紙箔片３Ａ，３Ｂ，３Ｃを接着剤２を
介し、部分的に重なり合うように、緻密又は斑に
散在させ、接着させた後、該箔片３Ａ，３Ｂ，３
Ｃ上に合成樹脂製の保護膜４を形成し、その上か
らカレンダーローラによる加熱加圧をしたもので
ある。

製品は、くすんだ色調の基材１上に、金属、色
調及び光沢の度合の異なる３種の箔片３Ａ，３
Ｂ，３Ｃが散在し、しかも箔片３Ｂ，３Ｃと箔片
３Ａの重なり合つた部分ａは重なり合つていない
部分ｂと異なる力でカレンダーローラの影響を受
けているため、これらは互いに金属光沢及び色調
の異なるものとなり、非常に妙味あるシートとな
つた。該シートはそのまま袋物などに縫製されて
も、細かく裁断して各種織布製造用の装飾糸に使
用されても効果あるものであつた。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一例を示す断面図である。 １……基材、２……接着剤、３Ａ，３Ｂ，３Ｃ
……箔片、４……保護膜。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シート状基材表面に２種以上の箔片を部分的に
   重なり合うように貼着して、上記基材表面に凹凸
   ある模様を形成し、該模様上に合成樹脂製保護膜
   を設け、その上からローラで加熱加圧仕上げした
   陰陽模様を有するシート。