JP3770319B2 - 車両用シリンダ錠の保護装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、二輪自動車等の車両においてシリンダ錠の破壊等を防止し得る車両用シリンダ錠の保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、第三者によるハサミ等のキー孔への異物の差し込みで自動二輪車等のシリンダ錠が破壊されるのを防止するために、例えば特開平9−53348号公報に開示のシリンダ錠が提案されている。このシリンダ錠は、その頭部の外周面に記号が表示された複数のリングからなるカバーを被せ、各リングの記号が予め定められた位置に設定されない場合は、カバーがロック状態となりシリンダ錠からの取り外しが防止されてシリンダ錠の保護が図れ、また各リングの記号が予め定められた位置に設定された場合は、カバーがアンロック状態となってシリンダ錠の頭部から取り外されるように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このシリンダ錠においては、シリンダ錠とは別体の複数個のリングで形成されたカバーをシリンダ錠の頭部に脱着可能に被冠する構造であるため、自動二輪車の走行時にはカバーをシリンダ錠から取り外し、ポケットや袋等に保管しておく必要があって、カバーが紛失し易くその保管に気を配る必要がある等、使い勝手が劣ると共に、カバーの取り外し時に各リングを一々回転させて記号を所定位置に設定する必要があるため、操作性が劣るという不都合があった。
【0004】
そこで、当出願人は、これらの不都合を解決するシリンダ錠として、特願平9−218190号を出願した。このシリンダ錠は、図10及び図11に示すように、シリンダ錠51の外部から突起部52aを手動操作することによりシリンダ錠51の頭部内のセット位置とリセット位置との間を移動してロータ上面のイグニッションキー孔53を開閉するシャッター52と、このシャッター52をセット位置に保持しイグニッションキー孔53をシャッター52で閉塞して施錠する磁石からなるマグネット錠54と、イグニッションキー孔53に挿抜されると共にそのつまみ部に設けられた磁石からなるマグネットキー56の磁気によって、マグネット錠54を解錠しイグニッションキー孔53を開放するイグニッションキー55とを具備するようにしたものである。
【0005】
しかしながら、このシリンダ錠51にあっては、車両走行(リセット)時にシャッター52の突起部52aがシリンダ錠51のシリンダボディ57の外側に所定寸法突出するため、自動二輪車等の車両ボディに対するシリンダ錠51のレイアウトや装着スペースに制約を受け易い等、設計上の自由度が劣るという問題点が新たに明らかとなった。また、シャッター52を開く際の操作が、図11に示すようにマグネットキー56をマグネット錠54にセットする操作と、このセット状態でマグネットキー56とは別位置に設けられているシャッター52の突起部52aを、矢印イの如く(図10参照)シリンダ錠51の頭部内に軽く押し込む操作の、連続しない2モーション操作が必要となるため、操作性の面において十分でないという問題点も明らかとなった。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、請求項1記載の発明の目的は、使い勝手と操作性を向上させると共に、レイアウトや装着スペースに制約を受けることがなく設計上の自由度を高め得る車両用シリンダ錠の保護装置を提供することにある。また、請求項2記載の発明の目的は、請求項1記載の発明の目的に加え、マグネットキーのセットを容易にして操作性をより向上させ得る車両用シリンダ錠の保護装置を提供することにある。
【0007】
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、シリンダ錠の頭部内に配設され、セット位置とリセット位置間を回動してロータ上面のイグニッションキー孔を開閉し得るシャッターと、該シャッターをセット位置に保持することにより施錠して前記イグニッションキー孔をシャッターで閉塞するマグネット錠と、該マグネット錠を解錠し得る磁石からなるマグネットキーと、
を備え、前記シャッターがマグネットキー嵌合凹部を有するとともに、前記マグネットキーの外形形状を当該マグネットキー嵌合凹部に方向性を有して略合致させ、マグネットキーとシャッターとを係合させつつセットして回動させることにより、前記マグネット錠を解錠すると共にシャッターをリセット位置に保持してイグニッションキー孔を開放させることを特徴とする。
【0008】
このように構成することにより、シリンダ錠の頭部内に回動可能に設けられたシャッターは、マグネット錠の施錠でセット位置に保持されることによって、イグニッションキー孔を閉塞する。このマグネット錠の施錠状態において、ロータ上面のイグニッションキー孔はシャッターで閉塞されており、イグニッションキー孔内へのハサミ等の異物の挿入が困難となって、異物挿入等によるシリンダ錠の破壊が防止される。一方、マグネット錠の解錠操作(シャッターのセット位置からリセット位置への回動操作)は、マグネットキーを、シャッターに係合させつつセットして回動させることにより行われる。
また、マグネット錠の解錠操作時、マグネットキーの外形形状がマグネットキー嵌合凹部に方向性を有して略合致するため、マグネットキーをマグネットキー嵌合凹部に嵌合してセットするだけで両者が位置決めされてマグネット錠が解錠される。そして、この状態でマグネットキーを回動させることにより、シャッターがリセット位置まで回動してイグニッションキー孔が開放される。
【0011】
請求項2記載の発明は、前記マグネットキーとシャッターのマグネットキー嵌合凹部とに、互いに所定の方向性を有して係合し得る凹凸部が設けられていることを特徴とする。このように構成することにより、マグネットキーの外形形状とシャッターのマグネットキー嵌合凹部との嵌合及び凹凸部の係合で、マグネットキーがシャッターのマグネットキー嵌合凹部に方向性を有して位置決めされることになり、マグネットキーのセット(位置決め)が容易になる等、マグネットキーの操作性がより向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図8は、本発明に係わる保護装置を使用した車両用シリンダ錠の一実施例を示し、図1がその平面図、図2が図1のA−A線断面図(但し、イグニッションキーをイグニッションキー孔にセットした状態を示す)、図3が図2のB−B線断面図(但し、シャッターのセット状態を示す)、図4がその要部断面図、図5がシャッターのリセット状態を示す断面図、図6がその要部断面図、図7がイグニッションキーの斜視図、図8がその側面図である。
【0013】
図1及び図2において、シリンダ錠1は、上端側と下端側がそれぞれ開口するシリンダボディ2を有し、このシリンダボディ2の上端開口部内には、略円筒形状のロータ3が回転可能に配設されている。ロータ3は、その上面から中心軸に沿って、イグニッションキー4が挿抜されるイグニッションキー孔5が形成され、その下面中心部の嵌合凹部にはカム6の上端部の嵌合凸部が嵌合している。
【0014】
カム6は、そのカム軸6aにロックバースライダー7の後端側が係止され、ロックバースライダー7の前端側には、ロックバー8が係止されている。このロックバー8はシリンダボディ2の角孔9に進退可能に配設され、ロータ3の回転によるカム軸6aの回転によって、角孔9から外部に突出してステアリングをロックする。また、カム6の下端の嵌合部6bには接点盤10が嵌合し、嵌合部6bの回転で接点盤10が回動することにより、所定の接点が開閉される。
【0015】
そして、シリンダ錠1の頭部1aであるシリンダボディ2の上部外周面には、カバー13で覆われた略キャップ形状のケース12が固定されている。ケース12は非磁性材料で形成され、図3〜図6に示すように、その上面にイグニッションキー4が挿抜される孔14が形成されると共に、この孔14の外周部にはマグネット錠15が配設されている。マグネット錠15は、正方形位置に配置された4個の磁石16a〜16dを有し、この磁石16a〜16dが、ケース12の外周部に形成した座部17上面の凹部18内に、スプリング19を介して上下動可能にそれぞれ嵌挿されている。この4個の磁石16a〜16dの上面側の磁極は、N極とS極が適宜の組み合わせとなるように設定されている。
【0016】
前記ケース12の上部でカバー13との間には、Oリング20を介してシャッター21が配設されている。このシャッター21は、非磁性材料によって形成され、ケース12の孔14を閉塞するシャッタ部21aと、ケース12の座部17に上面から嵌合する嵌合部21bを有し、嵌合部21bの裏面には、前記マグネット錠15の磁石16a〜16dの上部がそれぞれ係合する4個の係合凹部22が形成されている。
【0017】
また、シャッター21の嵌合部21bの上面には、外周に8つの面を有する平面視変則八角形のマグネットキー嵌合凹部23が形成されると共に、このマグネットキー嵌合凹部23の略中心位置には、切欠24aを有する略円柱状の係合凸部24が一体的に形成されている。さらに、シャッター21のシャッター部21aと嵌合部21bの連結部分の裏面には、所定の間隔を有して一対の凹部25a、25bが形成され、この凹部25a、25bには、図示しないスプリングを介してケース12上面に支持されたボール26が係合する如く構成されている。
【0018】
すなわち、シャッター21がイグニッションキー孔5を閉塞する図3に示すセット位置においては、ボール26が一方の凹部25aに係合し、シャッター21が回動してイグニッションキー孔5を開放する図5に示すリセット位置においては、ボール26が他方の凹部25bに係合する。このボール26が凹部25a、25bに択一的に係合することにより、シャッター21がセット位置もしくはリセット位置に保持されると共に、シャッター21がケース12上に弾性支持され、例えば車両の走行中の位置となるリセット位置におけるシャッター21のがたつき等が防止される。
【0019】
前記カバー13は、非磁性材料で形成され、シャッター21の上部を覆いかつケース12の上端開口の外周部に嵌合する状態で配設され、図示しないピン、ネジ等によってケース12に固定されている。このカバー13には、図1及び図2に示すように、イグニッションキー4が挿脱される孔28が形成されると共に、シャッター21のマグネットキー嵌合凹部23に対応して円形の孔29が形成されている。
【0020】
一方、前記マグネット錠15を施錠もしくは解錠させ得るマグネットキー30は、図7及び図8に示すように、イグニッションキー4の差し込み部4aの後方側に形成されたつまみ部4bに一体的に設けられている。すなわち、マグネットキー30は、つまみ部4bの後面に、前記磁石16a〜16dに対応して正方形位置に内蔵配置された4個の磁石31a〜31dを有すると共に、その端部30aの外形形状が、シャッター21のマグネットキー嵌合凹部23に対応した8つの面を有する変則八角形に形成されている。また、マグネットキー30の端部30aで4個の磁石31a〜31dの内側には、前記係合凸部24に対応した切欠32aを有する係合凹部32が形成されている。
【0021】
なお、マグネットキー30の磁石31a〜31dは、例えばイグニッションキー4の金属製の差し込み部4aにつまみ部4bを樹脂成形する際に同時にインサート成形され、磁石31a〜31dの外面は所定の厚さの樹脂で覆われ、磁石31a〜31dの存在が外部から容易に把握されないように形成されている。また、マグネットキー30の磁石31a〜31dの磁極は、マグネットキー30をシャッター21のマグネットキー嵌合凹部23に嵌合してセットした際に、マグネットキー30の4個の磁石31a〜31dの外面側の磁気と、マグネット錠15の4個の磁石16a〜16dの外面側(上面側)の磁気とが相反発する磁極となるように設定されている。
【0022】
次に、上記シリンダ錠1の動作について説明する。先ず、例えば自動二輪車を駐車させる場合等のように、運転者が自動二輪車から離れる場合は、シリンダ錠1の第三者による破壊等を防止するために、マグネット錠15を施錠してシャッター21をセット状態とする。このセット状態は、シャッター21がリセット位置の状態で、ロータ3のイグニッションキー孔5から抜き取ったイグニッションキー4のマグネットキー30を、カバー13の孔29からシャッター21のマグネットキー嵌合凹部23に上方から挿入して嵌合させる。
【0023】
このマグネットキー30のマグネットキー嵌合凹部23への嵌合は、図6に示すように、マグネットキー30の端部30aの8つの面とマグネットキー嵌合凹部の8つの面を位置合わせすると共に、マグネットキー30の端部30aの係合凹部32をシャッター21の係合凸部24に係合させることによって、一定の方向性を持って行う。そして、マグネットキー30をシャッター21のマグネットキー嵌合凹部23に嵌合させた状態で、マグネットキー30をセット方向(図1のSHUT方向)に回転させる。
【0024】
なお、シャッター21は、リセット状態においてマグネット錠15の磁石16a〜16dの上面がシャッター21裏面に接触してスプリング19の付勢力に抗して下方に下がった状態に位置し、シャッター21裏面の凹部25bにはボール26が係合している。そしてこのボール26は、マグネットキー30から所定の回転力が作用することにより、凹部25bから外れてシャッター21の裏面に接触し、この状態でシャッター21が座部17を中心にして回動することになる。
【0025】
シャッター21の回動により、そのシャッター部21aがケース12の孔14を閉塞し、ロータ3のイグニッションキー孔5がシャッター21で閉塞される。また、シャッター21でイグニッションキー孔5が閉塞されると同時に、マグネット錠15の4個の磁石16a〜16dとシャッター21の4個の係合凹部22が上下方向において対向するので、この状態でマグネットキー30をマグネットキー嵌合凹部23から取り外せば、各磁石16a〜16dがスプリング19の付勢力を受けて上昇して、図4に示すように各係合凹部22にそれぞれ係合して、マグネット錠15が施錠される。
【0026】
このマグネット錠15の施錠により、シャッター21が回転不能となってセット位置に保持される。この状態において、イグニッションキー孔5がシャッター21で完全に閉塞され、第三者がイグニッションキー孔5内にハサミ等の異物を挿入させようとしても挿入させることができず、シリンダ錠1の破壊が防止されることになる。
【0027】
また一方、自動二輪車を走行させるためにマグネット錠15の施錠状態を解除する場合、すなわちシャッター21のセット位置からリセット位置への移行は、イグニッションキー孔5から抜いてあるイグニッションキー4のマグネットキー30を、カバー13の孔29からシャッター21のマグネットキー嵌合凹部23に嵌合してセットする。この嵌合も、セット時と同様にマグネットキー30の方向性を特定化して行う。
【0028】
そして、マグネットキー30がシャッター21のマグネットキー嵌合凹部23にセットされると、マグネットキー30のN極の磁石31a、31cとマグネット錠15のN極の磁石16a、16cとが相互に反発し、またS極の磁石31b、31dとS極の磁石16b、16dとが相互に反発し、これらの反発力によって磁石16a〜16dが、バネ19の付勢力に抗して凹部18内をそれぞれ下方に押し下げられる。これにより、図6に示すように、磁石16a〜16dの上部がシャッター21の係合凹部22からそれぞれ外れてマグネット錠15が解錠され、シャッター21が回転可能な状態になる。
【0029】
この状態で、マグネットキー30をリセット方向(図1のOPEN方向)に回動操作すると、シャッター21の凹部25aに係合しているボール26が凹部25aから外れてシャッター21裏面に接触しつつ、シャッター21がリセット位置まで回動し、ボール26が係合凹部25bに係合した位置で停止する。これにより、図5に示すように、シャッター21によるケース12の孔14(イグニッションキー孔5)の閉塞状態が解除される。
【0030】
そしてこの状態で、マグネットキー30をシャッター21のマグネットキー嵌合凹部23から外し、イグニッションキー4の差し込み部4aを、図2に示すように、カバー13、シャッター21及びケース12の孔からロータ3のイグニッションキー孔5に挿入することにより、車両走行が可能な状態になる。
【0031】
なお、マグネットキー30の磁石31a〜31dをシャッター21のマグネットキー嵌合凹部23に嵌合してセットした場合、ケース12、カバー13、シャッター21が非磁性材料で形成されているため、マグネットキー30の磁石31a〜31dによる磁気でこれらが磁化されることもなく、マグネットキー30のマグネットキー嵌合凹部23へのセット操作及び磁石16a〜16dの反発上下動がスムーズに行える。
【0032】
このように上記実施例のシリンダ錠1によれば、ロータ3のイグニッションキー孔5の開口部上面のカバー13内にシャッター21を回動可能に配設し、そのセット状態において、イグニッションキー孔5をシャッター21により完全に閉塞することができるため、イグニッションキー孔5への第三者による異物の挿入等を防ぐことができ、シリンダ錠1の破壊が防止されると共に自動二輪車の盗難防止が図れる。
【0033】
特に、ロータ3のイグニッションキー孔5の開口部分がケース12やカバー13で覆われるため、このケース12及びカバー13が補強部材として機能すると共に、マグネット錠15の磁石16a〜16dが4個設けられ、この磁石16a〜16dが施錠時にシャッター21の4個の係合凹部22にそれぞれ係合するため、セット状態においてシャッター21のリセット位置への移動が確実に阻止されて、マグネット錠15のマグネットキー30以外の解錠が困難となる等、シリンダ錠1の頭部1aの破壊防止効果が一層高められる。
【0034】
また、シャッター21とマグネット錠15が予めケース12に設けられ、このケース12をシリンダボディ2の上部外周面にピン等で固定することによって、シリンダ錠1の頭部1aに一体的に組み込まれるため、従来の脱着可能なカバーのようなシリンダボティ2とは別体の部品を必要とせず、シャッター21やマグネット錠15を使用しない場合の持ち運びや保管等に何ら気を使う必要がなくなると共に、その紛失もなくなり使い勝手を向上させることができる。
【0035】
さらに、シャッター21がシリンダ錠1の頭部1aに設けたカバー13内を回動する構造であるため、シリンダボディ2から外部に突出する部分がなくなり、車両ボディに対するレイアウトや装着スペース等において制約を受けることがなくなり、既存のシリンダ錠と同様に車両に装着することができると共に、シャッター21やマグネット錠15を、既存のシリンダ錠にその主要部分の構造を何ら変更することなく容易に対応することができる。その結果、シリンダ錠1の設計上の自由度を高めることができると共に、設計変更に伴うコストの増加を最小限に抑えることができる。
【0036】
また、マグネット錠15を解錠するためのマグネットキー30が、シリンダ錠1のイグニッションキー4のつまみ部4bに一体的に設けられているため、別体のマグネットキーを必要とせず、車両の走行に必要不可欠なイグニッションキー4を有効利用することができると共に、イグニッションキー4に設けられたマグネットキー30をシャッター21のマグネットキー嵌合凹部23にセットして回動させるという、連続した1アクションの操作によってマグネット錠15を施錠したり解錠することができる。
【0037】
また、マグネットキー30の外形形状とシャッター21のマグネットキー嵌合凹部23の形状が8つの面を有する変則八角形に形成されて方向性を有しているため、マグネットキー30をマグネットキー嵌合凹部23に嵌合させるだけで、マグネット錠15の4個の磁石16a〜16dと、マグネットキー30の4個の磁石31a〜31dを、その磁気が互いに反発するように自動的に対向する(位置合わせする)ことができる。
【0038】
ところで上記実施例における、シャッター21のマグネットキー嵌合凹部23とマグネットキー30の外形形状は一例であって、例えば図9(a)〜(d)に示すように形成することもできる。すなわち、(a)に示すマグネットキー嵌合凹部23(マグネットキー30の端部30aの外形形状も略同形状)を図において上下方向に対称形状とし、(b)に示すマグネットキー嵌合凹部23は、上記実施例のマグネットキー嵌合凹部23と左右方向において逆形状とする。
【0039】
また、(c)に示すマグネットキー嵌合凹部23は、上記実施例のマグネットキー嵌合凹部23の係合凸部24(係合凹部22)の切欠24a(切欠22a)を逆位置とし、(d)に示すマグネットキー嵌合凹部23は、(b)に示すマグネットキー嵌合凹部23の係合凸部24の切欠24aを逆位置に形成したものである。このように形成しても、マグネットキー30を略同形状のマグネットキー嵌合凹部23に嵌合させるだけで、両部材の位置決めが自動的に行われることになり、上記実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0040】
また、上記実施例においては、マグネット錠15に4個の磁石16a〜16dを設けマグネットキー30に4個の磁石31a〜31dを設ける場合について説明したが、これらの磁石の数は適宜に増減し得るし、その極性も上記実施例に限定されるものでもない。さらに、上記実施例におけるシャッター21自体及びマグネットキー嵌合凹部23の形状、ケース12やカバー13の構造、シリンダ錠1の形態、イグニッションキー4自体の形態及びマグネットキー30の配設位置やその外形形状等も一例であって、本発明に係わる各発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることはいうまでもない。
【0041】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の発明によれば、シャッター及びマグネット錠をシリンダ錠の頭部内に一体的に組み付けることにより、イグニッションキー孔への異物の挿入を確実に防止すると共に、別体のカバー等を不要として使い勝手と操作性を向上させることができ、かつ、シリンダボディから外側への突出部をなくして、レイアウトや装着スペースに制約を受けることがなく設計上の自由度を高めることができる。加えて、マグネットキーをシャッターに係合させつつセットして回動させるという、連続した1アクションの操作によってマグネット錠を施錠したり解錠することができる。
加えて、マグネットキーの外形形状とシャッターのマグネットキー嵌合凹部の形状が方向性を有しているため、マグネットキーをマグネットキー嵌合凹部に嵌合させるだけで、マグネット錠と、マグネットキーの磁石を、その磁気が互いに反発するように自動的に対向する(位置合わせする)ことができる。
【0043】
更に、請求項2記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明の効果に加え、マグネットキーとシャッターのマグネットキー嵌合凹部が凹凸部によって係合するため、マグネットキーのセット(位置決め)が容易となって、その操作性をより向上させることができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる保護装置を使用した車両用シリンダ錠の一実施例を示す平面図
【図2】同図1のA−A線断面図(但し、イグニッションキーをイグニッションキー孔にセットした状態を示す)
【図3】同図2のB−B線断面図(但し、シャッターのセット状態を示す)
【図4】同その要部断面図
【図5】同シャッターのリセット状態を示す断面図
【図6】同その要部断面図
【図7】同イグニッションキーの一例を示す斜視図
【図8】同その側面図
【図9】同マグネット錠の変形例を示す平面図
【図10】従来のシリンダ錠の改良品を示す平面図
【図11】同その動作説明図
【符号の説明】
1・・・・・・・・・シリンダ錠
1a・・・・・・・・頭部
2・・・・・・・・・シリンダボディ
3・・・・・・・・・ロータ
4・・・・・・・・・イグニッションキー
4b・・・・・・・・つまみ部
5・・・・・・・・・イグニッションキー孔
12・・・・・・・・ケース
13・・・・・・・・カバー
15・・・・・・・・マグネット錠
16a〜16d・・・磁石
20・・・・・・・・Oリング
21・・・・・・・・シャッター
22・・・・・・・・係合凹部
23・・・・・・・・マグネットキー嵌合凹部
24・・・・・・・・係合凸部
30・・・・・・・・マグネットキー
31a〜31d・・・磁石
32・・・・・・・・係合凹部
Claims (2)
- シリンダ錠の頭部内に配設され、セット位置とリセット位置間を回動してロータ上面のイグニッションキー孔を開閉し得るシャッターと、
該シャッターをセット位置に保持することにより施錠して前記イグニッションキー孔をシャッターで閉塞するマグネット錠と、
該マグネット錠を解錠し得る磁石からなるマグネットキーと、
を備え、
前記シャッターがマグネットキー嵌合凹部を有するとともに、前記マグネットキーの外形形状を当該マグネットキー嵌合凹部に方向性を有して略合致させ、マグネットキーとシャッターとを係合させつつセットして回動させることにより、前記マグネット錠を解錠すると共にシャッターをリセット位置に保持してイグニッションキー孔を開放させることを特徴とする車両用シリンダ錠の保護装置。 - 前記マグネットキーとシャッターのマグネットキー嵌合凹部とに、互いに所定の方向性を有して係合し得る凹凸部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の車両用シリンダ錠の保護装置。
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