JP3708163B2 - ロック保護装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は保護装置、特にロック装置のキー孔を閉鎖してロック装置の不正解錠又はいたずらを防止できるロック保護装置に関連する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特公昭58−21065号公報に示されるように、自動車のキー孔ロック装置は公知である。このロック装置は、自動車のドアキー又は始動キー孔内に係止突起を有する先端が閉状態で挿入可能でありかつ互いの先端が接離方向に開閉自在に設けられた2本の開閉部材を有する装置本体を備えている。2本の開閉部材の係止突起は、閉状態でキー孔の口端縁に内側から係止して抜け止めされ、ロック装置本体の開閉部材の先端開状態はロック手段により固定される。このロック装置をキー孔に固定すると、固定されたキー孔にキーを挿入できない利点があり、無断駐車を防止することができる。
【0003】
また、第3008407号登録実用新案公報に示されるように、車両に設けられたシリンダ錠の鍵孔に異物を挿入されることによって破壊又は盗難を防止するシリンダ錠保護装置は公知である。このシリンダ錠保護装置は、シリンダ錠のキーシリンダ内に挿入されるロックプレートとガイドプレートとを備えている。ロックプレートはキーの部分が所定のキープレートの板厚、板巾とも、それぞれほぼ半割り形状で、かつキーシリンダ内のタンブラの位置に凹部を有する。ロックプレートとガイドプレートとを重ね合わせて所定のキーシリンダの鍵穴に挿入した時に、キーシリンダ内で重ねたキー巾が変化するように摺動させるガイド機構が設けられ、ガイドプレートに形成された凸部はキーシリンダのタンブラ溝に係止され、所定の位置でロックされる。このように、シリンダ錠に保護装置を装着して、シリンダ錠の破壊又は盗難を防止することができる。
【0004】
【発明が達成しようとする課題】
ところで、前記シリンダ錠保護装置では、突起を備えたガイドプレートをシリンダ錠内に挿入したとき、突起によってシリンダ錠のタンブラが径方向に移動するため、ロックプレートに切欠部を形成しなければならない欠点がある。また、この保護装置では、シリンダ錠の内壁に係止される突起をロックプレート側に形成できず、ガイドプレートにのみ形成した突起をシリンダ錠の内壁に係止するため、鍵穴とガイドプレートとの間にガタが発生すると、保護装置がシリンダ錠から外れて、シリンダ錠保護装置がシリンダ錠から脱落する危険があり、シリンダ錠を保護する初期の目的を達成できない場合がある。
【0005】
この発明はロック装置のキー孔に確実に係止されるロック保護装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を達成するための手段】
この発明によるロック保護装置は、凹部及びカム壁部を有するケースと、ケース内に回転可能に配置されたロータと、ロータ内に滑動可能に配置されたマグネットタンブラと、マグネットタンブラをケースの凹部内に押圧するタンブラスプリングと、ロータ内に径方向に滑動可能に配置されかつ転動部材を介して又は直接カム壁部に当接するスライダと、スライダに取り付けられかつケースから外側に突出しかつロック装置のキー孔内に係合可能な係止部とを備えている。正規のキーをケースに接近させたとき、マグネットタンブラがケースの凹部から離間し、ケースの回転によりカム壁部がスライダ及び係止部を径方向に移動しキー孔から外れる。係止部は第1の爪部と、第1の爪部から軸方向に離間して形成された第2の爪部と、第1の爪部と第2の爪部との間に形成される切欠部とを備えている。
【0007】
この発明の実施例では、第1の爪部はロック装置のタンブラに係止され、第2の爪部はキーシリンダの壁部に係止される。スライダは、相対する方向でカム壁部に当接する一対のスライダから成り、各々に係止部が形成される。ロータは、ケース内に回転可能に配置されたスリーブ内に回転可能に配置され、マグネットタンブラは、スリーブ内に滑動可能に配置され、ケースを回転させたとき、マグネットタンブラによりケースとスリーブとがロータに対して相対的に回転される。正規のキーをケースに接近させたとき、マグネットタンブラがケースの凹部から離間し、ケースの回転によりケースのカム壁部が転動部材を介してスライダ及び係止部を径方向に移動し、ロック装置のキー孔から係止部を取り外すことができる。ロータに一体に形成された固定突起を係止部とほぼ並行にケースから外側に突出させ、係止部がロック装置のキー孔内に係合したとき、固定突起がキー孔内に挿入される。固定突起は中心軸に対して対称に一対形成される。
【0008】
【作用】
第1の爪部と第2の爪部から成る係止部をロック装置内に挿入し、ロック装置内のタンブラ及び壁部に係止することができる。特に、一対の係止部の各々に第1の爪部、第2の爪部及び切欠部を形成すると、各係止部がロック装置のタンブラ及び壁部に係止され、正規のキーを使用しないロック保護装置の取り外しを防止する。この場合、固定突起はロック装置のキー孔に嵌合され、ガタが生ずることなくロック装置に対してロック保護装置を確実に固定できる。正規のキーを使用して解錠すると、係止部を径方向内側に移動してロック装置からロック保護装置を円滑に除去する。
【0009】
【実施例】
以下、この発明によるロック保護装置の実施例を図1〜図15について説明する。
【0010】
図1〜図4に示すロック保護装置は前壁1a及び前壁1aに連結された側壁1bとを備えたケース1を有する。図1に示すように、ケース1の前壁1aには馬蹄形の窪み1cが形成される。ケース1の前壁1aの内面には複数の同一円周状にほぼ等角度間隔で形成された凹部10が形成される。ケース1の側壁1bの内面にはほぼV字断面のカム壁部11が形成される。カム壁部11はU字断面でもよい。ケース1内にはスリーブ7が回転可能に配置され、スリーブ7内には更にロータ2が回転可能に配置される。スリーブ7の保持孔13内にタンブラスプリング4と共に収容されたマグネットタンブラ3は、軸方向に滑動可能に配置される。スリーブ7の支持孔7a内にはボール又はローラ等の転動部材25が配置される。転動部材25はケース1のカム壁部11に当接すると共に、スライダ5に当接している。
【0011】
また、図10に示すように、ロータ2には径方向に形成されたスプリング孔26が形成され、スプリング孔26内にはボールスプリング27とボールスプリング27の両端部に隣接する一対のボール28が配置される。スリーブ7の内壁7aにはV字状の切欠部29が形成され、ボール28はボールスプリング27の弾力により切欠部29に対して押圧される。スプリング孔26を有底とし、その孔内にスプリング27を挿入して、一つのボール28で切欠部29を押圧してもよい。
【0012】
ロータ2に形成されたスライダ孔15内には一対のスライダ5が径方向に滑動可能に配置される。一対のスライダ5はスライダスプリング19により転動部材25に向かって径方向外側に押圧される。スライダ5に取り付けられた係止部6はケース1から外側に突出しかつシリンダ錠等のロック装置30に設けられたキー孔31内に挿入される。係止部6は第1の爪部6aと、第1の爪部6aから軸方向に離間して形成された第2の爪部6bと、第1の爪部6aと第2の爪部6bとの間に形成される切欠部6cとを備えている。金属製の係止部6に形成された孔6dには樹脂製のスライダ5の樹脂が部分的に固着され、係止部6はスライダ5に固定される。ケース1の前部にはケース1の一部を構成するワッシャ16及びリッド17がケース1に固定される。図示しないが、リッド17はケース1に対して加締めにより固定され、ロック装置30は例えばドアパネルに取り付けられる。
【0013】
図3に示すキー20にはケース1内のマグネットタンブラ3に対向して同一円周上に複数のマグネット21が設けられる。キー20の表面にはケース1の窪み1cに嵌合する突起22が形成され、キー20の裏面に形成された環状凹部24には金属材のプレート23が適宜の接着剤又は熱溶着等により接着される。キー20の裏面には突起22と同一形状の突起24が形成され、突起24をケース1の窪み1cに嵌合してキー20を携帯することができる。各マグネットタンブラ3に対向する各マグネット21はマグネットタンブラ3の極性と同極性を有し、キー20を接近させたとき、磁石の同極性によりタンブラスプリング4の弾力に抗してマグネットタンブラ3がマグネット21から離間する方向に移動される。このため、マグネットタンブラ3がケース1の凹部10から離脱して、ケース1をロータ2に対して相対的に回転可能な状態となる。
【0014】
図1に示す係止部6とほぼ並行にケース1から外側に突出する一対の固定突起50がロータ2に一体に形成される。ロータ2及びキーシリンダ33は例えば亜鉛ダイカストにより形成され、固定突起50はキー孔31の寸法に対して約100分の5ミリメートル以下の精度でかつ中心軸に対して対称に形成される。また、固定突起50は、係止部6とほぼ同一の幅を有し、固定突起50の側面は係止突起6の側面とほぼ同一の平面上にある。また、固定突起50の端面は係止部6の高さ方向の端面とほぼ同一の平面上にあるか又はやや高い。固定突起50はロック装置30と対向して配置されるケース1のワッシャ16の外側に突出する。従って、係止部6と共に固定突起50をロック装置30のキー孔31内に挿入したとき、固定突起50はロック保護装置とロック装置30との間のガタを減少する。このため、固定突起50は、ロック装置30に対してロック保護装置を確実に固定する。一度ロック保護装置をロック装置30に固定すると、正規のキーを使用せずにロック保護装置を除去することを防止することができる。また、固定突起50を1個のみ形成してもよい。
【0015】
上記の構成において、一対の係止部6をキー孔31内に挿入すると、係止部6はスライダスプリング19の弾力に抗して径方向内側に移動しながら、図1に示すように、キー孔31内に配置される。このとき、第1の爪部6aはタンブラ34に係止され、第2の爪部6bはキーシリンダ33の壁部32に係止される。また、係止部6と共に固定突起50をロック装置30のキー孔31内に挿入したとき、固定突起50はロック保護装置とロック装置30との間のガタを減少する。
【0016】
特に、一対の係止部6の各々に第1の爪部6a、第2の爪部6b及び切欠部6cを形成すると、各係止部6がロック装置30のタンブラ34及びキーシリンダ33の壁部32に係止され、正規のキーを使用しないロック保護装置の取り外しを防止することができる。この場合、固定突起50はロック装置30のキー孔31に嵌合され、ガタが生ずることなくロック装置30に対してロック保護装置を確実に固定できる。
【0017】
正規のキー20をケース1に接近させてキー20の突起22を窪み1cに嵌合すると、図3及び図4に示すように、マグネットタンブラ3がケース1の凹部10から離間して、ケース1とスリーブ7及びロータ2を相対的に回転できる状態となる。この状態で正規のキー20を回転してケース1を回転すると、図7に示すように、スリーブ7とロータ2はボール28により一体になっているため、ケース1がスリーブ7及びロータ2に対して相対的に回転する。従って、ケース1のカム壁部11の回転によって転動部材25を介してスライダ5及び係止部6が径方向に移動し、ロック装置30のキー孔31から係止部6を取り外すことができる。このように、正規のキー20を使用して解錠すると、係止部6を径方向内側に移動してロック装置30からロック保護装置を円滑に除去することができる。
【0018】
図11〜図15に示すように、異種のキーをケース1に接近させ又は正規のキーを使用せずに、ケース1を回転させると、マグネットタンブラ3がケース1の凹部10に係合した状態に保持されるため、図11に示すように、マグネットタンブラ3はケース1の凹部10に嵌合された状態のままであるため、この状態で、キーを回転させると、図12〜図15に示すように、マグネットタンブラ3によりケース1とスリーブ7とがロータ2に対して相対的に回転し、スライダ5及び係止部6を径方向に移動できない。このとき、図7に示すボール28は、図14に示すように、ボールスプリング27の弾力に抗して径方向内側に移動される。正規のキーを使用したときには、ボール28が切欠部29に嵌合することによりスリーブ7とロータ2が保持され、ボール28が移動できる正規の位置を検出することができるためである。
【0019】
この発明の実施態様は前記の実施例に限定されず、変更が可能である。例えば、ロータ2とスリーブ7とを一体に形成して、不正解錠時にケース1が自由回転を行わず、ロック装置30に固定されるように構成してもよい。この場合、転動部材を省略して、スライダの円形突起を直接カム壁部に当接させてもよい。
【0020】
【発明の効果】
前記のように、この発明によるロック保護装置は、係止部の第1の爪部をロック装置のタンブラに係止すると共に、第2の爪部をロック装置の壁部に係止できるので、ロック保護装置をロック装置に確実に固定することができる。このため、ロック装置の、破壊、不正解錠又はいたずらを確実に阻止して、盗難防止効果を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明によるロック保護装置をロック装置に装着した状態を示す断面図
【図2】 キーシリンダの平面図
【図3】 自由回転構造を有するロック保護装置の断面図
【図4】 ロック装置から外す状態を示す図3のロック保護装置の断面図
【図5】 図3のA−A線に沿う断面図
【図6】 図3のB−B線に沿う断面図
【図7】 図3のC−C線に沿う断面図
【図8】 図4のA−A線に沿う断面図
【図9】 図4のB−B線に沿う断面図
【図10】 図4のC−C線に沿う断面図
【図11】 異種キーを接近させた状態のロック保護装置の断面図
【図12】 異種キーを接近させかつ回転させた状態のロック保護装置の断面図
【図13】 図12のA−A線に沿う断面図
【図14】 図12のB−B線に沿う断面図
【図15】 図12のC−C線に沿う断面図
【符号の説明】
1・・ケース、 1a・・前壁、 1b・・側壁、 2・・ロータ、 3・・マグネットタンブラ、 4・・タンブラスプリング、 5・・スライダ、 6・・係止部、 6a・・第1の爪部、 6b・・第2の爪部、 6c・・切欠部、7・・スリーブ、 10・・凹部、 11・・カム壁部、 12・・ホルダ、 13・・保持孔、 14・・カバー、 15・・スライダ孔、 20・・キー、 25・・転動部材、 26・・スプリング孔、 27・・ボールスプリング、 28・・ボール、 29・・切欠部、 30・・ロック装置、 31・・キー孔、 33・・キーシリンダ、 32・・壁部、 50・・固定突起、
【産業上の利用分野】
この発明は保護装置、特にロック装置のキー孔を閉鎖してロック装置の不正解錠又はいたずらを防止できるロック保護装置に関連する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特公昭58−21065号公報に示されるように、自動車のキー孔ロック装置は公知である。このロック装置は、自動車のドアキー又は始動キー孔内に係止突起を有する先端が閉状態で挿入可能でありかつ互いの先端が接離方向に開閉自在に設けられた2本の開閉部材を有する装置本体を備えている。2本の開閉部材の係止突起は、閉状態でキー孔の口端縁に内側から係止して抜け止めされ、ロック装置本体の開閉部材の先端開状態はロック手段により固定される。このロック装置をキー孔に固定すると、固定されたキー孔にキーを挿入できない利点があり、無断駐車を防止することができる。
【0003】
また、第3008407号登録実用新案公報に示されるように、車両に設けられたシリンダ錠の鍵孔に異物を挿入されることによって破壊又は盗難を防止するシリンダ錠保護装置は公知である。このシリンダ錠保護装置は、シリンダ錠のキーシリンダ内に挿入されるロックプレートとガイドプレートとを備えている。ロックプレートはキーの部分が所定のキープレートの板厚、板巾とも、それぞれほぼ半割り形状で、かつキーシリンダ内のタンブラの位置に凹部を有する。ロックプレートとガイドプレートとを重ね合わせて所定のキーシリンダの鍵穴に挿入した時に、キーシリンダ内で重ねたキー巾が変化するように摺動させるガイド機構が設けられ、ガイドプレートに形成された凸部はキーシリンダのタンブラ溝に係止され、所定の位置でロックされる。このように、シリンダ錠に保護装置を装着して、シリンダ錠の破壊又は盗難を防止することができる。
【0004】
【発明が達成しようとする課題】
ところで、前記シリンダ錠保護装置では、突起を備えたガイドプレートをシリンダ錠内に挿入したとき、突起によってシリンダ錠のタンブラが径方向に移動するため、ロックプレートに切欠部を形成しなければならない欠点がある。また、この保護装置では、シリンダ錠の内壁に係止される突起をロックプレート側に形成できず、ガイドプレートにのみ形成した突起をシリンダ錠の内壁に係止するため、鍵穴とガイドプレートとの間にガタが発生すると、保護装置がシリンダ錠から外れて、シリンダ錠保護装置がシリンダ錠から脱落する危険があり、シリンダ錠を保護する初期の目的を達成できない場合がある。
【0005】
この発明はロック装置のキー孔に確実に係止されるロック保護装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を達成するための手段】
この発明によるロック保護装置は、凹部及びカム壁部を有するケースと、ケース内に回転可能に配置されたロータと、ロータ内に滑動可能に配置されたマグネットタンブラと、マグネットタンブラをケースの凹部内に押圧するタンブラスプリングと、ロータ内に径方向に滑動可能に配置されかつ転動部材を介して又は直接カム壁部に当接するスライダと、スライダに取り付けられかつケースから外側に突出しかつロック装置のキー孔内に係合可能な係止部とを備えている。正規のキーをケースに接近させたとき、マグネットタンブラがケースの凹部から離間し、ケースの回転によりカム壁部がスライダ及び係止部を径方向に移動しキー孔から外れる。係止部は第1の爪部と、第1の爪部から軸方向に離間して形成された第2の爪部と、第1の爪部と第2の爪部との間に形成される切欠部とを備えている。
【0007】
この発明の実施例では、第1の爪部はロック装置のタンブラに係止され、第2の爪部はキーシリンダの壁部に係止される。スライダは、相対する方向でカム壁部に当接する一対のスライダから成り、各々に係止部が形成される。ロータは、ケース内に回転可能に配置されたスリーブ内に回転可能に配置され、マグネットタンブラは、スリーブ内に滑動可能に配置され、ケースを回転させたとき、マグネットタンブラによりケースとスリーブとがロータに対して相対的に回転される。正規のキーをケースに接近させたとき、マグネットタンブラがケースの凹部から離間し、ケースの回転によりケースのカム壁部が転動部材を介してスライダ及び係止部を径方向に移動し、ロック装置のキー孔から係止部を取り外すことができる。ロータに一体に形成された固定突起を係止部とほぼ並行にケースから外側に突出させ、係止部がロック装置のキー孔内に係合したとき、固定突起がキー孔内に挿入される。固定突起は中心軸に対して対称に一対形成される。
【0008】
【作用】
第1の爪部と第2の爪部から成る係止部をロック装置内に挿入し、ロック装置内のタンブラ及び壁部に係止することができる。特に、一対の係止部の各々に第1の爪部、第2の爪部及び切欠部を形成すると、各係止部がロック装置のタンブラ及び壁部に係止され、正規のキーを使用しないロック保護装置の取り外しを防止する。この場合、固定突起はロック装置のキー孔に嵌合され、ガタが生ずることなくロック装置に対してロック保護装置を確実に固定できる。正規のキーを使用して解錠すると、係止部を径方向内側に移動してロック装置からロック保護装置を円滑に除去する。
【0009】
【実施例】
以下、この発明によるロック保護装置の実施例を図1〜図15について説明する。
【0010】
図1〜図4に示すロック保護装置は前壁1a及び前壁1aに連結された側壁1bとを備えたケース1を有する。図1に示すように、ケース1の前壁1aには馬蹄形の窪み1cが形成される。ケース1の前壁1aの内面には複数の同一円周状にほぼ等角度間隔で形成された凹部10が形成される。ケース1の側壁1bの内面にはほぼV字断面のカム壁部11が形成される。カム壁部11はU字断面でもよい。ケース1内にはスリーブ7が回転可能に配置され、スリーブ7内には更にロータ2が回転可能に配置される。スリーブ7の保持孔13内にタンブラスプリング4と共に収容されたマグネットタンブラ3は、軸方向に滑動可能に配置される。スリーブ7の支持孔7a内にはボール又はローラ等の転動部材25が配置される。転動部材25はケース1のカム壁部11に当接すると共に、スライダ5に当接している。
【0011】
また、図10に示すように、ロータ2には径方向に形成されたスプリング孔26が形成され、スプリング孔26内にはボールスプリング27とボールスプリング27の両端部に隣接する一対のボール28が配置される。スリーブ7の内壁7aにはV字状の切欠部29が形成され、ボール28はボールスプリング27の弾力により切欠部29に対して押圧される。スプリング孔26を有底とし、その孔内にスプリング27を挿入して、一つのボール28で切欠部29を押圧してもよい。
【0012】
ロータ2に形成されたスライダ孔15内には一対のスライダ5が径方向に滑動可能に配置される。一対のスライダ5はスライダスプリング19により転動部材25に向かって径方向外側に押圧される。スライダ5に取り付けられた係止部6はケース1から外側に突出しかつシリンダ錠等のロック装置30に設けられたキー孔31内に挿入される。係止部6は第1の爪部6aと、第1の爪部6aから軸方向に離間して形成された第2の爪部6bと、第1の爪部6aと第2の爪部6bとの間に形成される切欠部6cとを備えている。金属製の係止部6に形成された孔6dには樹脂製のスライダ5の樹脂が部分的に固着され、係止部6はスライダ5に固定される。ケース1の前部にはケース1の一部を構成するワッシャ16及びリッド17がケース1に固定される。図示しないが、リッド17はケース1に対して加締めにより固定され、ロック装置30は例えばドアパネルに取り付けられる。
【0013】
図3に示すキー20にはケース1内のマグネットタンブラ3に対向して同一円周上に複数のマグネット21が設けられる。キー20の表面にはケース1の窪み1cに嵌合する突起22が形成され、キー20の裏面に形成された環状凹部24には金属材のプレート23が適宜の接着剤又は熱溶着等により接着される。キー20の裏面には突起22と同一形状の突起24が形成され、突起24をケース1の窪み1cに嵌合してキー20を携帯することができる。各マグネットタンブラ3に対向する各マグネット21はマグネットタンブラ3の極性と同極性を有し、キー20を接近させたとき、磁石の同極性によりタンブラスプリング4の弾力に抗してマグネットタンブラ3がマグネット21から離間する方向に移動される。このため、マグネットタンブラ3がケース1の凹部10から離脱して、ケース1をロータ2に対して相対的に回転可能な状態となる。
【0014】
図1に示す係止部6とほぼ並行にケース1から外側に突出する一対の固定突起50がロータ2に一体に形成される。ロータ2及びキーシリンダ33は例えば亜鉛ダイカストにより形成され、固定突起50はキー孔31の寸法に対して約100分の5ミリメートル以下の精度でかつ中心軸に対して対称に形成される。また、固定突起50は、係止部6とほぼ同一の幅を有し、固定突起50の側面は係止突起6の側面とほぼ同一の平面上にある。また、固定突起50の端面は係止部6の高さ方向の端面とほぼ同一の平面上にあるか又はやや高い。固定突起50はロック装置30と対向して配置されるケース1のワッシャ16の外側に突出する。従って、係止部6と共に固定突起50をロック装置30のキー孔31内に挿入したとき、固定突起50はロック保護装置とロック装置30との間のガタを減少する。このため、固定突起50は、ロック装置30に対してロック保護装置を確実に固定する。一度ロック保護装置をロック装置30に固定すると、正規のキーを使用せずにロック保護装置を除去することを防止することができる。また、固定突起50を1個のみ形成してもよい。
【0015】
上記の構成において、一対の係止部6をキー孔31内に挿入すると、係止部6はスライダスプリング19の弾力に抗して径方向内側に移動しながら、図1に示すように、キー孔31内に配置される。このとき、第1の爪部6aはタンブラ34に係止され、第2の爪部6bはキーシリンダ33の壁部32に係止される。また、係止部6と共に固定突起50をロック装置30のキー孔31内に挿入したとき、固定突起50はロック保護装置とロック装置30との間のガタを減少する。
【0016】
特に、一対の係止部6の各々に第1の爪部6a、第2の爪部6b及び切欠部6cを形成すると、各係止部6がロック装置30のタンブラ34及びキーシリンダ33の壁部32に係止され、正規のキーを使用しないロック保護装置の取り外しを防止することができる。この場合、固定突起50はロック装置30のキー孔31に嵌合され、ガタが生ずることなくロック装置30に対してロック保護装置を確実に固定できる。
【0017】
正規のキー20をケース1に接近させてキー20の突起22を窪み1cに嵌合すると、図3及び図4に示すように、マグネットタンブラ3がケース1の凹部10から離間して、ケース1とスリーブ7及びロータ2を相対的に回転できる状態となる。この状態で正規のキー20を回転してケース1を回転すると、図7に示すように、スリーブ7とロータ2はボール28により一体になっているため、ケース1がスリーブ7及びロータ2に対して相対的に回転する。従って、ケース1のカム壁部11の回転によって転動部材25を介してスライダ5及び係止部6が径方向に移動し、ロック装置30のキー孔31から係止部6を取り外すことができる。このように、正規のキー20を使用して解錠すると、係止部6を径方向内側に移動してロック装置30からロック保護装置を円滑に除去することができる。
【0018】
図11〜図15に示すように、異種のキーをケース1に接近させ又は正規のキーを使用せずに、ケース1を回転させると、マグネットタンブラ3がケース1の凹部10に係合した状態に保持されるため、図11に示すように、マグネットタンブラ3はケース1の凹部10に嵌合された状態のままであるため、この状態で、キーを回転させると、図12〜図15に示すように、マグネットタンブラ3によりケース1とスリーブ7とがロータ2に対して相対的に回転し、スライダ5及び係止部6を径方向に移動できない。このとき、図7に示すボール28は、図14に示すように、ボールスプリング27の弾力に抗して径方向内側に移動される。正規のキーを使用したときには、ボール28が切欠部29に嵌合することによりスリーブ7とロータ2が保持され、ボール28が移動できる正規の位置を検出することができるためである。
【0019】
この発明の実施態様は前記の実施例に限定されず、変更が可能である。例えば、ロータ2とスリーブ7とを一体に形成して、不正解錠時にケース1が自由回転を行わず、ロック装置30に固定されるように構成してもよい。この場合、転動部材を省略して、スライダの円形突起を直接カム壁部に当接させてもよい。
【0020】
【発明の効果】
前記のように、この発明によるロック保護装置は、係止部の第1の爪部をロック装置のタンブラに係止すると共に、第2の爪部をロック装置の壁部に係止できるので、ロック保護装置をロック装置に確実に固定することができる。このため、ロック装置の、破壊、不正解錠又はいたずらを確実に阻止して、盗難防止効果を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明によるロック保護装置をロック装置に装着した状態を示す断面図
【図2】 キーシリンダの平面図
【図3】 自由回転構造を有するロック保護装置の断面図
【図4】 ロック装置から外す状態を示す図3のロック保護装置の断面図
【図5】 図3のA−A線に沿う断面図
【図6】 図3のB−B線に沿う断面図
【図7】 図3のC−C線に沿う断面図
【図8】 図4のA−A線に沿う断面図
【図9】 図4のB−B線に沿う断面図
【図10】 図4のC−C線に沿う断面図
【図11】 異種キーを接近させた状態のロック保護装置の断面図
【図12】 異種キーを接近させかつ回転させた状態のロック保護装置の断面図
【図13】 図12のA−A線に沿う断面図
【図14】 図12のB−B線に沿う断面図
【図15】 図12のC−C線に沿う断面図
【符号の説明】
1・・ケース、 1a・・前壁、 1b・・側壁、 2・・ロータ、 3・・マグネットタンブラ、 4・・タンブラスプリング、 5・・スライダ、 6・・係止部、 6a・・第1の爪部、 6b・・第2の爪部、 6c・・切欠部、7・・スリーブ、 10・・凹部、 11・・カム壁部、 12・・ホルダ、 13・・保持孔、 14・・カバー、 15・・スライダ孔、 20・・キー、 25・・転動部材、 26・・スプリング孔、 27・・ボールスプリング、 28・・ボール、 29・・切欠部、 30・・ロック装置、 31・・キー孔、 33・・キーシリンダ、 32・・壁部、 50・・固定突起、
Claims (6)
- 凹部及びカム壁部を有するケースと、ケース内に回転可能に配置されたロータと、ロータ内に滑動可能に配置されたマグネットタンブラと、マグネットタンブラをケースの凹部内に押圧するタンブラスプリングと、ロータ内に径方向に滑動可能に配置されかつ転動部材を介して又は直接カム壁部に当接するスライダと、スライダに取り付けられかつケースから外側に突出しかつロック装置のキー孔内に係合可能な係止部とを備え、
正規のキーをケースに接近させたとき、マグネットタンブラがケースの凹部から離間し、ケースの回転によりカム壁部がスライダ及び係止部を径方向に移動しキー孔から外れ、
係止部は第1の爪部と、第1の爪部から軸方向に離間して形成された第2の爪部と、第1の爪部と第2の爪部との間に形成される切欠部とを備えたことを特徴とするロック保護装置。 - 第1の爪部はロック装置のタンブラに係止され、第2の爪部はキーシリンダの壁部に係止される請求項1に記載のロック保護装置。
- スライダは、相対する方向でカム壁部に当接する一対のスライダから成り、各々に係止部が形成された請求項1に記載のロック保護装置。
- ロータは、ケース内に回転可能に配置されたスリーブ内に回転可能に配置され、マグネットタンブラは、スリーブ内に滑動可能に配置され、ケースを回転させたとき、マグネットタンブラによりケースとスリーブとがロータに対して相対的に回転し、
正規のキーをケースに接近させたとき、マグネットタンブラがケースの凹部から離間し、ケースの回転によりケースのカム壁部が転動部材を介してスライダ及び係止部を径方向に移動し、ロック装置のキー孔から係止部を取り外すことができる請求項1に記載のロック保護装置。 - ロータに一体に形成された固定突起を係止部とほぼ並行にケースから外側に突出させ、係止部がロック装置のキー孔内に係合したとき、固定突起がキー孔内に挿入される請求項1に記載のロック保護装置。
- 固定突起は中心軸に対して対称に一対形成される請求項1に記載のロック保護装置。
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JP10672595A Expired - Fee Related JP3708163B2 (ja) | 1995-04-28 | 1995-04-28 | ロック保護装置 |
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-
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- 1995-04-28 JP JP10672595A patent/JP3708163B2/ja not_active Expired - Fee Related
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