JP3769723B2 - 免震化工法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、既存建物を免震化するための免震化工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
既存建物の耐震性能を向上させるために、積層ゴム等の免震装置を既存建物の基礎もしくは中間階に設置し、この設置した免震装置によってその上側部分を免震支持する免震化工法が検討されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記免震化工法を採用する際の条件として、免震装置を受ける部分つまり免震装置が組み込まれる箇所よりも下側の建物部分あるいは基礎部分は、免震装置を介してそれより上側の建物部分を支えるだけの十分な強度が必要になる。
しかしながら、構築後かなりな年数を経ている建物については、免震装置が組み込まれる箇所よりも下側の建物部分あるいは基礎部分が、免震化を行えるだけの強度を有しているかどうかの判断が難しく、また、十分な強度を有していない場合には既存建物の免震化が行えないという問題があった。
【0004】
一方、既存建物を撤去して同じ場所に建物を新築する場合であって、隣地境界までのクリアランスが小さい場合には、既存建物の地下外周部のみ残して全面的に解体し、改めて地下部から新築してゆくケースが圧倒的に多い。しかし、既存建物の地下部が強固な場合、強固な地下部を一度解体して埋め戻し、その部分に再度地下部を構築するのは、工期が長期化するとともにコストがアップする問題がある。このため、例えば、解体される既存建物の地下部が築後浅く、十分な強度を有している場合には、既存建物の地下部を再利用したいという要求があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、免震装置が組み込まれる箇所よりも下側の既存の建物部分あるいは基礎部分が、十分な強度を有しているかどうかを問わずに既存建物の免震化が行える免震化工法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため請求項1にかかる発明では、既存建物に免震装置を設置して免震化するための免震化工法であって、既存建物の免震化しようとする階よりも下側に柱及びつなぎ梁を備える新たな構造体を構築し、該新たに構築した構造体の上側に免震装置を介装して平面視格子状の支持盤を設け、該支持盤の交差部分を前記新たな構造物の前記柱で支持するとともに、前記支持盤の格子空間に前記既存建物の柱を配置させた状態で、前記支持盤によって、前記既存建物の免震化しようとする階よりも上側部分を支持することを特徴としている。
この発明によれば、既存建物内に新たに構造体を構築し、この構造体によって既存建物の免震化しようとする階よりも上側部分を支持するから、免震装置が組み込まれる箇所よりも下側の既存の建物部分あるいは基礎部分が、十分な強度を有しているかどうかを問わずに、既存建物の免震化が行える。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の免震化工法の実施の形態を説明する。
【0009】
図1〜図4は本発明の実施の形態を示している。図1において符号1は既存建物である。この既存建物1は地下部2と地上部3とを有し、それら地下部2および地上部3はともに柱5と梁(図示略)と床版6とこれらを囲む外壁7を備える。つまり、地下部2と地上部3はともに内部に居室となる空間8を有する。
【0010】
本発明の実施の形態では、上記構成の既存建物1に対し、既存建物1の免震化しようとする階、例えば2階よりも下側に新たに構造体10を構築する。つまり、この実施の形態では、図2に示すように既存建物1の地下部3について、新たに構造体10を構築する上で必要な部分、例えば、地下部の床版6や地下支持盤11の一部を解体し、この解体した部分に新たに構造体10を構築する。なお、このとき既存建物1について解体する部分は、該解体によって既存建物1の強度が所定量以上失われない箇所に限定される。
【0011】
新たな構造体10は、図示しない基礎と、基礎の上側に構築される柱12と、柱12同士をつなぐつなぎ梁13とを備え、それらは既存建物1の外壁7よりも内側に構築される。また、つなぎ梁13は既存建物1の地下支持盤11の上側に構築される。つなぎ梁13は、強度アップのため地下支持盤11と一体化してもあるいは強度計算の簡素化を図るため、別体のままにしてもよい。
【0012】
構造体10の各柱12の上端は地上部に突出しているが、これら柱12の地上突出部分に積層ゴム等の免震装置15を取り付け、さらに免震装置15によって上部の支持盤16を支持する(図3参照)。支持盤16は、図3(b)に示すように平面視格子状に形成されたものであって、既存建物1の免震化しようとする階の床版及び梁(ここでは、2階の床版6a及び梁)と一体化するように構築される。
つまり、図3に示す段階では、既存建物1の免震化しようとする階並びにそれよりも上側部分の荷重は、それより下側の既存建物1の構造体と新たな構造体10の双方によって支持されることとなる。
【0013】
その後、既存建物1の免震階となる1階の柱5を撤去し、既存建物1の免震化しようとする階並びにそれよりも上側部分Aの荷重を、支持盤16及び免震装置15を介して新たな構造体10に支持させる(図4参照)。
【0014】
上述した実施の形態の免震化工法によれば、既存建物1内に新たに構造体10を構築し、この構造体10によって既存建物1の免震化しようとする階よりも上側部分を免震装置15を介して支持するから、免震装置1が組み込まれる箇所よりも下側の既存建物部分あるいは基礎部分が、十分な強度を有しているかどうかを問わずに、既存建物1の免震化が行える。
【0015】
なお、上述の実施の形態では、2階以上を免震化する場合を例に挙げて説明したが、免震化する箇所は何ら2階以上に限られることなく、例えば1階以上であってもあるいは3階あるは5階以上であってもかまわない。
【0016】
図5〜図8は本発明の参考となる形態を示している。図5において符号20は既存建物である。この既存建物20は地下部22と地上部23とを有し、それら地下部22と地上部23はともに柱25と梁(図示略)と床版26とこれらを囲む外壁27を備える。つまり、地下部22と地上部23はともに内部に居室となる空間28を有する。
【0017】
本発明の参考となる形態では、上記構成の既存建物20に対し、その地上部23を全て解体する(図6参照)。
【0018】
次に、残存する既存建物20の地下部22に新たに基礎29およびその上側の地下躯体30を構築する。すなわち、既存建物20の地下部22について新たに基礎29及び地下躯体30を構築する上で必要な部分、例えば、地下部22の床版26や地下支持盤31の一部を解体し、この解体した部分に新たに基礎29および地下躯体30を構築する(図7参照)。
【0019】
地下躯体30は、柱30aとそれら柱30a同士をつなぐつなぎバリ30bから構成される。地下躯体30の各柱30aの上端は地上部に突出しているが、これら柱30aの地上突出部分に地上部の躯体である梁32を取り付ける。そして、この梁32の上部に積層ゴム等の免震装置35を取り付ける(図7参照)。
そして、免震装置35の上側に、新設建物36を該免震装置35で支持した状態で構築する(図8参照)。
【0020】
ここで、前記残存する既存建物20の地下部22の居室空間28のうち、新しく構築した地下躯体30の柱30aや梁30bが貫通せず、空間として再利用できる部分は、地上部分に新たに新設建物36を構築した後でも再利用することとする。
【0021】
上述した免震化工法によれば、既存建物20の地上部23を解体し、残存する既存建物20の地下部22に新たに基礎29およびその上側の地下躯体30を構築し、該地下躯体30の上側に免震装置35を介装して新設建物36を構築するので、既存建物20の地下部23を全て解体して埋め戻し、地下部から新規な建造物を構築する場合に比べて、地下部の解体作業が減少し、かつ、埋め戻し作業も無くなるため、工期が大幅に短縮し、かつコストも低減できる。
【0022】
【発明の効果】
請求項1にかかる発明によれば、既存建物内に新たに構造体を構築し、この構造体によって既存建物の免震化しようとする階よりも上側部分を支持するから、免震装置が組み込まれる箇所よりも下側の既存の建物部分あるいは基礎部分が、十分な強度を有しているかどうかを問わずに、既存建物の免震化が行える。
また、免震装置が組み込まれる箇所よりも下側の既存の建物部分あるいは基礎部分を全て解体し撤去した後、この撤去部分に新たに構造体を構築し、この構造体で既存建物の免震化部分を支持する場合に比べて、解体作業が少なくなるので、工期が大幅に短縮しかつコストも低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の免震化工法の実施の形態を示すもので、既存建物の現状を示す側断面図である。
【図2】 同実施の形態の免震化工法の工程を示す側断面図である。
【図3】 同実施の形態の免震化工法の工程を示すもので、(a)は側断面図、(b)はXーX線に沿う断面図ある。
【図4】 同実施の形態の免震化工法の工程を示す側断面図である。
【図5】 本発明の免震化工法の参考となる形態を示すもので、既存建物の現状を示す側断面図である。
【図6】 同形態の免震化工法の工程を示す側断面図である。
【図7】 同形態の免震化工法の工程を示す側断面図である。
【図8】 同形態の免震化工法の工程を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 既存建物
2 地下部
3 地上部
8 空間
10 構造体
11 地下支持盤
15 免震装置
16 支持盤
Claims (1)
- 既存建物に免震装置を設置して免震化するための免震化工法であって、
既存建物の免震化しようとする階よりも下側に柱及びつなぎ梁を備える新たな構造体を構築し、
該新たに構築した構造体の上側に免震装置を介装して平面視格子状の支持盤を設け、
該支持盤の交差部分を前記新たな構造物の前記柱で支持するとともに、前記支持盤の格子空間に前記既存建物の柱を配置させた状態で、前記支持盤によって、前記既存建物の免震化しようとする階よりも上側部分を支持することを特徴とする免震化工法。
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