JPH1143955A - 既存建物の地下室構築方法 - Google Patents
既存建物の地下室構築方法Info
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- JPH1143955A JPH1143955A JP9201670A JP20167097A JPH1143955A JP H1143955 A JPH1143955 A JP H1143955A JP 9201670 A JP9201670 A JP 9201670A JP 20167097 A JP20167097 A JP 20167097A JP H1143955 A JPH1143955 A JP H1143955A
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- Japan
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- basement
- building
- constructing
- wall
- existing building
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- Underground Structures, Protecting, Testing And Restoring Foundations (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 狭い敷地でも、既存の建物に住みながら短い
工期で容易かつ確実に地下室を構築することができる既
存建物の地下室構築方法を提供すること。 【解決手段】 既存の建物1の周囲の地盤に、杭2を所
定間隔で設置し、該建物1に横梁4をほぼ水平に渡し、
ジャッキ5によって建物1を杭2を支点として地盤から
上昇させ、次いで、建物直下の地盤を掘削しつつ、杭間
にハーフプレキャスト版7を矢板として架設し、次い
で、該ハーフプレキャスト版7の内側に、コンクリート
を打設して一体化することによって地下室の壁12を構
築し、次いで、ジャッキ5を縮小して、前記建物1を地
下室の壁12に設置することによって、狭い敷地内にお
いても、既設の建物の直下に、該既存の建物に住みなが
ら短い工期で容易かつ確実にしかも低コストで地下室を
構築する。
工期で容易かつ確実に地下室を構築することができる既
存建物の地下室構築方法を提供すること。 【解決手段】 既存の建物1の周囲の地盤に、杭2を所
定間隔で設置し、該建物1に横梁4をほぼ水平に渡し、
ジャッキ5によって建物1を杭2を支点として地盤から
上昇させ、次いで、建物直下の地盤を掘削しつつ、杭間
にハーフプレキャスト版7を矢板として架設し、次い
で、該ハーフプレキャスト版7の内側に、コンクリート
を打設して一体化することによって地下室の壁12を構
築し、次いで、ジャッキ5を縮小して、前記建物1を地
下室の壁12に設置することによって、狭い敷地内にお
いても、既設の建物の直下に、該既存の建物に住みなが
ら短い工期で容易かつ確実にしかも低コストで地下室を
構築する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、既存の住宅や低層
ビル等の建物の直下に地下室を構築する方法に関するも
のである。
ビル等の建物の直下に地下室を構築する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】住宅等の既存の建物の地下に、新たに地
下室を構築しようとする場合、例えば、該既存の建物を
クレーン等によって吊り上げて、別の場所に移動させて
仮設置しておき、その間に、移動前の建物が設置されて
いた地盤を掘削し、この掘削凹部内に、鉄筋コンクリー
ト造りにより地下室を構築し、その後、この地下室の上
に前記仮設置していた場所から建物を吊り上げ移動させ
て再び設置するようにしている。
下室を構築しようとする場合、例えば、該既存の建物を
クレーン等によって吊り上げて、別の場所に移動させて
仮設置しておき、その間に、移動前の建物が設置されて
いた地盤を掘削し、この掘削凹部内に、鉄筋コンクリー
ト造りにより地下室を構築し、その後、この地下室の上
に前記仮設置していた場所から建物を吊り上げ移動させ
て再び設置するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な地下室の構築方法では、以下のような問題点がある。
すなわち、まず既存の建物をクレーン等によって吊り上
げなければならないので、都市部など建物の周囲にクレ
ーンを設置するのに十分な余裕がない場合、地下室を構
築することができない。また、建物の周囲にクレーンを
設置するのに十分な余裕があっても、地下室構築中に
は、建物内に住むことができない。
な地下室の構築方法では、以下のような問題点がある。
すなわち、まず既存の建物をクレーン等によって吊り上
げなければならないので、都市部など建物の周囲にクレ
ーンを設置するのに十分な余裕がない場合、地下室を構
築することができない。また、建物の周囲にクレーンを
設置するのに十分な余裕があっても、地下室構築中に
は、建物内に住むことができない。
【0004】また、地下室を構築するために地盤を掘削
する場合、山留めのための杭や矢板を必要とするが、こ
れら杭や矢板は地下室を構築した後は、撤去しなければ
ならないので、この撤去作業に手間がかかる。
する場合、山留めのための杭や矢板を必要とするが、こ
れら杭や矢板は地下室を構築した後は、撤去しなければ
ならないので、この撤去作業に手間がかかる。
【0005】さらに、地盤を掘削した後、現場での配筋
・型枠工事に手間がかかり、そのため工期がながくなっ
てしまう。また、現場での配筋・型枠工事を少なくする
ために、例えば、地下室の壁等を鉄筋コンクリート製の
プレキャスト版を使用して形成することが考えられる
が、このプレキャスト版は、土圧を受けるため、平面視
L型状にする必要があり、その製作に手間・コストがか
かるとともに、該L型のプレキャスト版は比較的大きな
ものであるため、都市部など建物の周囲にクレーンを設
置するのに十分な余裕がない場合、地下室を構築するこ
とができない。
・型枠工事に手間がかかり、そのため工期がながくなっ
てしまう。また、現場での配筋・型枠工事を少なくする
ために、例えば、地下室の壁等を鉄筋コンクリート製の
プレキャスト版を使用して形成することが考えられる
が、このプレキャスト版は、土圧を受けるため、平面視
L型状にする必要があり、その製作に手間・コストがか
かるとともに、該L型のプレキャスト版は比較的大きな
ものであるため、都市部など建物の周囲にクレーンを設
置するのに十分な余裕がない場合、地下室を構築するこ
とができない。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、狭い敷地でも既設の建物の直下に、該既存の建物に
住みながら短い工期で容易かつ確実に地下室を構築する
ことができる、既存建物の地下室構築方法を提供するこ
とを目的としている。
で、狭い敷地でも既設の建物の直下に、該既存の建物に
住みながら短い工期で容易かつ確実に地下室を構築する
ことができる、既存建物の地下室構築方法を提供するこ
とを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の既存建物の地下室構築方法は、
既存の建物の周囲の地盤に、複数の杭を所定間隔で設置
し、次いで、前記建物に横梁をほぼ水平に渡した後、こ
の横梁と前記杭との間にジャッキを設置して、該ジャッ
キを伸張させることで、建物を地盤から上昇させ、次い
で、前記建物直下の地盤を掘削しつつ、前記杭間に鉄筋
コンクリート製のハーフプレキャスト版を矢板として架
設し、次いで、前記ハーフプレキャスト版の内側に、コ
ンクリートを打設して、該コンクリートと前記ハーフプ
レキャスト版とを一体化することによって地下室の壁を
構築し、次いで、前記ジャッキを縮小することで、前記
建物を前記構築された地下室の壁に設置することを特徴
としている。
に、本発明の請求項1の既存建物の地下室構築方法は、
既存の建物の周囲の地盤に、複数の杭を所定間隔で設置
し、次いで、前記建物に横梁をほぼ水平に渡した後、こ
の横梁と前記杭との間にジャッキを設置して、該ジャッ
キを伸張させることで、建物を地盤から上昇させ、次い
で、前記建物直下の地盤を掘削しつつ、前記杭間に鉄筋
コンクリート製のハーフプレキャスト版を矢板として架
設し、次いで、前記ハーフプレキャスト版の内側に、コ
ンクリートを打設して、該コンクリートと前記ハーフプ
レキャスト版とを一体化することによって地下室の壁を
構築し、次いで、前記ジャッキを縮小することで、前記
建物を前記構築された地下室の壁に設置することを特徴
としている。
【0008】前記既存の建物の周囲の地盤に杭を設置す
る場合、例えば、ボーリングマシンによって地盤に孔を
掘削し、この孔に杭を挿入することで、杭設置の際に騒
音が少なくて済み、また、狭い敷地での施工が可能とな
る。前記建物に横梁を水平に渡す場合、例えば、該建物
の基礎に穴をあけ、この穴に横梁を挿通することで行え
ばよく、また、基礎に形成された換気口を利用して横梁
を挿通しもよい。
る場合、例えば、ボーリングマシンによって地盤に孔を
掘削し、この孔に杭を挿入することで、杭設置の際に騒
音が少なくて済み、また、狭い敷地での施工が可能とな
る。前記建物に横梁を水平に渡す場合、例えば、該建物
の基礎に穴をあけ、この穴に横梁を挿通することで行え
ばよく、また、基礎に形成された換気口を利用して横梁
を挿通しもよい。
【0009】また、横梁は複数本用意し、これら横梁を
平面視において、所定ピッチで格子状に配置するのが望
ましく、さらに、建物の床を補強する必要がある場合に
は、前記横梁に鋼製の補強根太を仮固定し、この補強根
太によって、床下の大引きや根太を支えている束を下方
から支持するか、あるいは、前記補強根太に鋼製の補強
束を立設し、この補強束によって、床下の大引きや根太
を支持すればよい。なお、前記横梁としては、例えばH
形鋼を使用すればよいが、これに限るものではなく、廃
材となった鉄道のレールを使用してもよい。
平面視において、所定ピッチで格子状に配置するのが望
ましく、さらに、建物の床を補強する必要がある場合に
は、前記横梁に鋼製の補強根太を仮固定し、この補強根
太によって、床下の大引きや根太を支えている束を下方
から支持するか、あるいは、前記補強根太に鋼製の補強
束を立設し、この補強束によって、床下の大引きや根太
を支持すればよい。なお、前記横梁としては、例えばH
形鋼を使用すればよいが、これに限るものではなく、廃
材となった鉄道のレールを使用してもよい。
【0010】前記ハーフプレキャスト版は、工場等で予
め製作された鉄筋コンクリート製の平板状のもので、現
場打ちのコンクリートと一体化されることで、床や壁を
構成するものである。したがって、該ハーフプレキャス
ト版には、オムニア板のように、その表面から鉄筋が突
出しており、この突出している鉄筋に、現場で鉄筋を組
み付け、コンクリートを打設することで、該ハーフプレ
キャスト版と現場打ちのコンクリートが一体化されるよ
うになっている。
め製作された鉄筋コンクリート製の平板状のもので、現
場打ちのコンクリートと一体化されることで、床や壁を
構成するものである。したがって、該ハーフプレキャス
ト版には、オムニア板のように、その表面から鉄筋が突
出しており、この突出している鉄筋に、現場で鉄筋を組
み付け、コンクリートを打設することで、該ハーフプレ
キャスト版と現場打ちのコンクリートが一体化されるよ
うになっている。
【0011】さらに、地下室の床は、前記ハーフプレキ
ャスト版と現場打ちの鉄筋コンクリートとによって構築
された地下室の壁の内側底部において、鉄筋コンクリー
ト製の床版を現場施工で構築すればよい。また、地下室
の天井は、完全プレキャスト版を前記壁の上端部に設置
することで構築しもよいし、後述するように、壁の上端
部にハーフプレキャスト版を架設し、該ハーフプレキャ
スト版の上側にコンクリートを打設して、該コンクリー
トと前記ハーフプレキャスト版とを一体化することによ
って構築してもよい。
ャスト版と現場打ちの鉄筋コンクリートとによって構築
された地下室の壁の内側底部において、鉄筋コンクリー
ト製の床版を現場施工で構築すればよい。また、地下室
の天井は、完全プレキャスト版を前記壁の上端部に設置
することで構築しもよいし、後述するように、壁の上端
部にハーフプレキャスト版を架設し、該ハーフプレキャ
スト版の上側にコンクリートを打設して、該コンクリー
トと前記ハーフプレキャスト版とを一体化することによ
って構築してもよい。
【0012】また、前記地下室の壁の上端部は、地盤面
から所定高さ(例えば1メートル程度)突出するように
して構築するのが望ましい。このように、壁の上端部を
地盤面から突出させれば、この突出した部分に窓を設け
ることで、地下室に採光、換気を容易に施すことができ
る。
から所定高さ(例えば1メートル程度)突出するように
して構築するのが望ましい。このように、壁の上端部を
地盤面から突出させれば、この突出した部分に窓を設け
ることで、地下室に採光、換気を容易に施すことができ
る。
【0013】請求項1の既存建物の地下室構築方法にお
いては、前記ジャッキを伸張させることで、建物の周囲
の地盤に設置された杭を支点として、建物が地盤から上
昇するので、該建物直下の地盤を掘削することで、地下
室構築用の凹部を容易に掘削することができる。そし
て、前記建物直下の地盤を掘削しつつ、前記杭間に鉄筋
コンクリート製のハーフプレキャスト版を矢板として架
設することで、容易に山留めを行うことができ、さら
に、前記ハーフプレキャスト版の内側に、コンクリート
を打設して、該コンクリートと前記ハーフプレキャスト
版とを一体化することによって地下室の壁を容易に構築
することができる。
いては、前記ジャッキを伸張させることで、建物の周囲
の地盤に設置された杭を支点として、建物が地盤から上
昇するので、該建物直下の地盤を掘削することで、地下
室構築用の凹部を容易に掘削することができる。そし
て、前記建物直下の地盤を掘削しつつ、前記杭間に鉄筋
コンクリート製のハーフプレキャスト版を矢板として架
設することで、容易に山留めを行うことができ、さら
に、前記ハーフプレキャスト版の内側に、コンクリート
を打設して、該コンクリートと前記ハーフプレキャスト
版とを一体化することによって地下室の壁を容易に構築
することができる。
【0014】そして、前記ジャッキを縮小して、前記建
物を前記構築された地下室の壁に設置することで、既存
建物の地下室を容易に構築することができる。つまり、
クレーン等の大型の揚重機等用いなくても、言い換えれ
ば、狭い敷地内においても、既設の建物の直下に、短い
工期で容易かつ確実に地下室を構築することができる。
また、地下室を構築している間は、前記建物が横梁、ジ
ャッキを介して杭に支持されているので、地下室構築中
でも建物に住むことが可能となる。
物を前記構築された地下室の壁に設置することで、既存
建物の地下室を容易に構築することができる。つまり、
クレーン等の大型の揚重機等用いなくても、言い換えれ
ば、狭い敷地内においても、既設の建物の直下に、短い
工期で容易かつ確実に地下室を構築することができる。
また、地下室を構築している間は、前記建物が横梁、ジ
ャッキを介して杭に支持されているので、地下室構築中
でも建物に住むことが可能となる。
【0015】請求項2の既存建物の地下室構築方法は、
請求項1において、前記地下室の壁を構築した後に、該
壁の上端部にハーフプレキャスト版を架設し、該ハーフ
プレキャスト版の上側にコンクリートを打設して、該コ
ンクリートと前記ハーフプレキャスト版とを一体化する
ことによって地下室の天井を構築することを特徴として
いる。
請求項1において、前記地下室の壁を構築した後に、該
壁の上端部にハーフプレキャスト版を架設し、該ハーフ
プレキャスト版の上側にコンクリートを打設して、該コ
ンクリートと前記ハーフプレキャスト版とを一体化する
ことによって地下室の天井を構築することを特徴として
いる。
【0016】請求項2の既存建物の地下室構築方法にお
いては、請求項1と同様に、既設の建物の直下に、短い
工期で容易かつ確実に地下室を構築することができるの
は勿論のこと、地下室の天井を容易に構築することがで
き、さらに、この天井は鉄筋コンクリート製であり、か
つ前記壁に支持されているので、該天井に建物を設置す
ることができる。
いては、請求項1と同様に、既設の建物の直下に、短い
工期で容易かつ確実に地下室を構築することができるの
は勿論のこと、地下室の天井を容易に構築することがで
き、さらに、この天井は鉄筋コンクリート製であり、か
つ前記壁に支持されているので、該天井に建物を設置す
ることができる。
【0017】請求項3の既存建物の地下室構築方法は、
請求項1または2において、前記杭として、廃材となっ
た鉄道のレールを使用することを特徴としている。した
がって、請求項3の既存建物の地下室構築方法において
は、杭としてH形鋼等を使用する場合に比べて、杭の設
置が容易でありしかも経済的である。
請求項1または2において、前記杭として、廃材となっ
た鉄道のレールを使用することを特徴としている。した
がって、請求項3の既存建物の地下室構築方法において
は、杭としてH形鋼等を使用する場合に比べて、杭の設
置が容易でありしかも経済的である。
【0018】請求項4の既存建物の地下室構築方法は、
請求項1〜3のいずれかにおいて、前記ジャッキによっ
て上昇された建物と地下室との間に、免震装置を配設し
た後、前記ジャッキを縮小することで、前記建物を前記
構築された地下室の壁または天井に前記免震装置を介し
て設置することを特徴としている。
請求項1〜3のいずれかにおいて、前記ジャッキによっ
て上昇された建物と地下室との間に、免震装置を配設し
た後、前記ジャッキを縮小することで、前記建物を前記
構築された地下室の壁または天井に前記免震装置を介し
て設置することを特徴としている。
【0019】前記免震装置としては、例えば、複数のゴ
ム弾性板と複数の金属板とを交互に積層して形成された
積層ゴム支承を使用すればよい。この積層ゴム支承で
は、建物を支えている部分の剛性を低くして建物の固有
周期を地震動の振動周期より十分大きくすることによ
り、地震時に建物が受ける地震力を緩和するようになっ
ている。なお、免震装置としては、前記積層ゴム支承の
他に、滑り支承や転がり支承を使用してもよい。
ム弾性板と複数の金属板とを交互に積層して形成された
積層ゴム支承を使用すればよい。この積層ゴム支承で
は、建物を支えている部分の剛性を低くして建物の固有
周期を地震動の振動周期より十分大きくすることによ
り、地震時に建物が受ける地震力を緩和するようになっ
ている。なお、免震装置としては、前記積層ゴム支承の
他に、滑り支承や転がり支承を使用してもよい。
【0020】請求項4の既存建物の地下室構築方法にお
いては、建物をジャッキによって杭を支点として上昇さ
せた後、建物直下に地下室を構築するので、ジャッキを
縮小する前に、該地下室と建物との間に免震装置を容易
に設置することができる。
いては、建物をジャッキによって杭を支点として上昇さ
せた後、建物直下に地下室を構築するので、ジャッキを
縮小する前に、該地下室と建物との間に免震装置を容易
に設置することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の既
存建物の地下室構築方法の実施の形態の一例について説
明する。まず、図1および図2に示すように、既存の建
物1の周囲の地盤に多数の杭2…を所定間隔で、前記建
物1を囲むようにして設置する。前記杭2は、廃材とな
った鉄道のレールであり、該杭2を地盤に設置する場合
ボーリングマシン3によって地盤に孔を掘削し、この孔
に杭2を挿入することで、杭設置の際に騒音が少なくて
済み、また、狭い敷地での施工が可能となる。
存建物の地下室構築方法の実施の形態の一例について説
明する。まず、図1および図2に示すように、既存の建
物1の周囲の地盤に多数の杭2…を所定間隔で、前記建
物1を囲むようにして設置する。前記杭2は、廃材とな
った鉄道のレールであり、該杭2を地盤に設置する場合
ボーリングマシン3によって地盤に孔を掘削し、この孔
に杭2を挿入することで、杭設置の際に騒音が少なくて
済み、また、狭い敷地での施工が可能となる。
【0022】次に、図3および図4に示すように、前記
建物1に横梁4…を水平に渡す。該横梁4…を建物1に
水平に渡す場合、建物1の基礎1aに複数の穴をあけ、
これら穴に横梁4…を挿通することで行えばよい。ま
た、前記横梁4…はそれぞれH形鋼で形成されたもの
で、複数本用意され、平面視において格子状に配置され
ている。なお、図示は省略するが、前記横梁4…には鋼
製の補強根太が固定されており、この補強根太によっ
て、床下の大引きや根太を支えている束が下方から支持
され、これによって、建物1の床が抜け落ちないように
補強されている。
建物1に横梁4…を水平に渡す。該横梁4…を建物1に
水平に渡す場合、建物1の基礎1aに複数の穴をあけ、
これら穴に横梁4…を挿通することで行えばよい。ま
た、前記横梁4…はそれぞれH形鋼で形成されたもの
で、複数本用意され、平面視において格子状に配置され
ている。なお、図示は省略するが、前記横梁4…には鋼
製の補強根太が固定されており、この補強根太によっ
て、床下の大引きや根太を支えている束が下方から支持
され、これによって、建物1の床が抜け落ちないように
補強されている。
【0023】次に、図5に示すように、前記横梁4の端
部と、前記杭2の上端部との間に、ジャッキ5を設置し
て、該ジャッキ5を伸張させることで、建物1を基礎1
aごと杭2を支点として地盤から上昇させる。一方、こ
の建物1内の配管と、地中に埋設された各種設備配管と
をフレキシブルホース6によって接続する。このよう
に、建物1は、横梁4…、ジャッキ5…を介して杭2…
に支持されおり、かつフレキシブルホース6によって外
部の各種設備配管と接続されているので、後述する地下
室構築中でも建物に住むことができる。
部と、前記杭2の上端部との間に、ジャッキ5を設置し
て、該ジャッキ5を伸張させることで、建物1を基礎1
aごと杭2を支点として地盤から上昇させる。一方、こ
の建物1内の配管と、地中に埋設された各種設備配管と
をフレキシブルホース6によって接続する。このよう
に、建物1は、横梁4…、ジャッキ5…を介して杭2…
に支持されおり、かつフレキシブルホース6によって外
部の各種設備配管と接続されているので、後述する地下
室構築中でも建物に住むことができる。
【0024】次に、図6および図7に示すように、建物
直下の地盤をバックホウ等によって掘削しつつ、前記杭
2,2間にハーフプレキャスト版7…を矢板として架設
する。なお、前記建物1の基礎1aは前記横梁4より下
方に位置する部分を切り離しておく。前記ハーフプレキ
ャスト版7は、工場等で予め製作された鉄筋コンクリー
ト製の平板状のもので、その表面からは図示しない鉄筋
が突出している。
直下の地盤をバックホウ等によって掘削しつつ、前記杭
2,2間にハーフプレキャスト版7…を矢板として架設
する。なお、前記建物1の基礎1aは前記横梁4より下
方に位置する部分を切り離しておく。前記ハーフプレキ
ャスト版7は、工場等で予め製作された鉄筋コンクリー
ト製の平板状のもので、その表面からは図示しない鉄筋
が突出している。
【0025】そして、前記ハーフプレキャスト版7…に
よって山留めを行いながら、掘削凹部8の掘削が終了し
たならば、図8および図9に示すように、掘削凹部8の
底部に在来工法によって現場で鉄筋コンクリート製の底
版10を構築する。次に、前記ハーフプレキャスト版7
…より内側に鉄筋を配置するとともに、該鉄筋を前記ハ
ーフプレキャスト版7…の表面から突出している鉄筋に
結束することで配筋工事を行い、さらに、前記ハーフプ
レキャスト版7…を外型枠として、該外型枠に対向して
内型枠を配設する。
よって山留めを行いながら、掘削凹部8の掘削が終了し
たならば、図8および図9に示すように、掘削凹部8の
底部に在来工法によって現場で鉄筋コンクリート製の底
版10を構築する。次に、前記ハーフプレキャスト版7
…より内側に鉄筋を配置するとともに、該鉄筋を前記ハ
ーフプレキャスト版7…の表面から突出している鉄筋に
結束することで配筋工事を行い、さらに、前記ハーフプ
レキャスト版7…を外型枠として、該外型枠に対向して
内型枠を配設する。
【0026】そして、これら外型枠と内型枠との間にコ
ンクリートを打設することで、現場打ちの鉄筋コンクリ
ート壁11…を構築するとともに、該現場打ちの鉄筋コ
ンクリート壁11…と前記ハーフプレキャスト版7…を
一体化し、これによって、地下室の壁12を構築する。
なお、前記地下室の壁12の上端部は、地盤面から所定
高さ(例えば1メートル程度)突出するようにして構築
する。このように、壁12の上端部を地盤面から突出さ
せれば、この突出した部分に窓を設けることで、地下室
に採光、換気を容易に施すことができる。
ンクリートを打設することで、現場打ちの鉄筋コンクリ
ート壁11…を構築するとともに、該現場打ちの鉄筋コ
ンクリート壁11…と前記ハーフプレキャスト版7…を
一体化し、これによって、地下室の壁12を構築する。
なお、前記地下室の壁12の上端部は、地盤面から所定
高さ(例えば1メートル程度)突出するようにして構築
する。このように、壁12の上端部を地盤面から突出さ
せれば、この突出した部分に窓を設けることで、地下室
に採光、換気を容易に施すことができる。
【0027】次に、前記地下室の壁12の上端部に、図
8に示すように、ハーフプレキャスト版13を架設し、
該ハーフプレキャスト版13の上側に、現場で配筋を施
し、コンクリートを打設することで、現場打ちの鉄筋コ
ンクリート版14を構築するとともに、該鉄筋コンクリ
ート版14と前記ハーフプレキャスト版13を一体化
し、これによって、地下室の天井15を構築する。な
お、この天井15には、図示は省略するが、地下室内に
出入りするための開口部が形成されている。
8に示すように、ハーフプレキャスト版13を架設し、
該ハーフプレキャスト版13の上側に、現場で配筋を施
し、コンクリートを打設することで、現場打ちの鉄筋コ
ンクリート版14を構築するとともに、該鉄筋コンクリ
ート版14と前記ハーフプレキャスト版13を一体化
し、これによって、地下室の天井15を構築する。な
お、この天井15には、図示は省略するが、地下室内に
出入りするための開口部が形成されている。
【0028】次に、図10に示すように、前記地下室の
天井15の上面に、所定間隔で複数の免震装置(例え
ば、複数のゴム弾性板と複数の金属板とを交互に積層し
て形成された積層ゴム支承)16…を設置し、次いで、
前記ジャッキ5…を縮小することで、前記建物1を前記
免震装置16…を介して前記天井15に設置するととも
に、該ジャッキ5…および前記横梁4…を撤去すること
で、既存建物の地下室の構築を終了する。
天井15の上面に、所定間隔で複数の免震装置(例え
ば、複数のゴム弾性板と複数の金属板とを交互に積層し
て形成された積層ゴム支承)16…を設置し、次いで、
前記ジャッキ5…を縮小することで、前記建物1を前記
免震装置16…を介して前記天井15に設置するととも
に、該ジャッキ5…および前記横梁4…を撤去すること
で、既存建物の地下室の構築を終了する。
【0029】このように、本例の既存建物の地下室構築
方法によれば、建物1の周囲の地盤に、杭2…を所定間
隔で設置し、該建物1に横梁4…をほぼ水平に渡した
後、前記ジャッキ5…によって建物1を杭2…を支点と
して地盤から上昇させ、次いで、前記建物直下の地盤を
掘削しつつ、前記杭2…間にハーフプレキャスト版7…
を矢板として架設し、次いで、該ハーフプレキャスト版
7…の内側に、配筋した後にコンクリートを打設して一
体化することによって地下室の壁12を構築し、さら
に、この壁12の上端部にハーフプレキャスト版13…
を架設して、このハーフプレキャスト版13の上側にコ
ンクリートを打設して一体化することによって地下室の
天井15を構築し、最後に、前記ジャッキ5…を縮小し
て、前記建物1を天井15に設置するので、狭い敷地内
においても、既設の建物1の直下に、短い工期で容易か
つ確実に地下室を構築することができる。
方法によれば、建物1の周囲の地盤に、杭2…を所定間
隔で設置し、該建物1に横梁4…をほぼ水平に渡した
後、前記ジャッキ5…によって建物1を杭2…を支点と
して地盤から上昇させ、次いで、前記建物直下の地盤を
掘削しつつ、前記杭2…間にハーフプレキャスト版7…
を矢板として架設し、次いで、該ハーフプレキャスト版
7…の内側に、配筋した後にコンクリートを打設して一
体化することによって地下室の壁12を構築し、さら
に、この壁12の上端部にハーフプレキャスト版13…
を架設して、このハーフプレキャスト版13の上側にコ
ンクリートを打設して一体化することによって地下室の
天井15を構築し、最後に、前記ジャッキ5…を縮小し
て、前記建物1を天井15に設置するので、狭い敷地内
においても、既設の建物1の直下に、短い工期で容易か
つ確実に地下室を構築することができる。
【0030】また、前記天井15は鉄筋コンクリート製
であり、かつ前記壁12に支持されているので、該天井
15に建物1を設置することで、該建物1を確実に支持
することができるとともに、天井15の上面の所望の位
置に建物1を設置することができる。さらに、前記地下
室の躯体は、天井15と底板10と壁12とによって、
ロ型のラーメン構造となって強固となり、土圧に十分に
耐え得るものとなる。
であり、かつ前記壁12に支持されているので、該天井
15に建物1を設置することで、該建物1を確実に支持
することができるとともに、天井15の上面の所望の位
置に建物1を設置することができる。さらに、前記地下
室の躯体は、天井15と底板10と壁12とによって、
ロ型のラーメン構造となって強固となり、土圧に十分に
耐え得るものとなる。
【0031】また、建物1をジャッキ5…によって上昇
させているので、このジャッキ5…を縮小する前に、前
記地下室の天井15の上面に免震装置16…を設置し、
その後、ジャッキ5…を縮小して建物1を天井15に設
置することで、建物1と地下室の天井15との間に容易
に免震装置16…を設置することができる。さらに、前
記杭2として、廃材となった鉄道のレールを使用してい
るので、杭としてH形鋼等を使用する場合に比べて、杭
2の設置が容易でありしかも経済的である。加えて、地
盤に杭2を設置するのに、ボーリングマシンを使用して
いるので、杭設置の際に騒音が少なくて済み、また、狭
い敷地での施工が可能となる。
させているので、このジャッキ5…を縮小する前に、前
記地下室の天井15の上面に免震装置16…を設置し、
その後、ジャッキ5…を縮小して建物1を天井15に設
置することで、建物1と地下室の天井15との間に容易
に免震装置16…を設置することができる。さらに、前
記杭2として、廃材となった鉄道のレールを使用してい
るので、杭としてH形鋼等を使用する場合に比べて、杭
2の設置が容易でありしかも経済的である。加えて、地
盤に杭2を設置するのに、ボーリングマシンを使用して
いるので、杭設置の際に騒音が少なくて済み、また、狭
い敷地での施工が可能となる。
【0032】なお、上記の例では、建物1と地下室の天
井15との間に、免震装置16を設置したが、本発明に
おいては、免震装置16は設置しなくてもよい。また、
上記の例では、地下室の壁12の上端部に天井15を構
築したが、前記壁12は杭2…によって土圧に十分に耐
え得るものであるので、前記のような強固な天井15は
構築しなくてもよく、風雨を凌げる屋根兼天井を構築す
ればよい。このような場合、前記建物1は前記地下室の
壁12を基礎として、該壁12上に設置すればよい。
井15との間に、免震装置16を設置したが、本発明に
おいては、免震装置16は設置しなくてもよい。また、
上記の例では、地下室の壁12の上端部に天井15を構
築したが、前記壁12は杭2…によって土圧に十分に耐
え得るものであるので、前記のような強固な天井15は
構築しなくてもよく、風雨を凌げる屋根兼天井を構築す
ればよい。このような場合、前記建物1は前記地下室の
壁12を基礎として、該壁12上に設置すればよい。
【0033】さらに、前記地下室内に、鉄筋コンクリー
ト製のフルプレキャスト版を構造壁として前記壁12に
直交させて設置し、該プレキャスト版によって、地下室
の壁12を土圧にさらに十分に耐え得るように補強して
もよい。このような場合、前記建物1は、前記地下室の
壁12および前記構造壁であるプレキャスト版上に設置
すればよい。
ト製のフルプレキャスト版を構造壁として前記壁12に
直交させて設置し、該プレキャスト版によって、地下室
の壁12を土圧にさらに十分に耐え得るように補強して
もよい。このような場合、前記建物1は、前記地下室の
壁12および前記構造壁であるプレキャスト版上に設置
すればよい。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
の既存建物の地下室構築方法によれば、既存の建物の周
囲の地盤に、杭を所定間隔で設置し、該建物に横梁をほ
ぼ水平に渡した後、該横梁と杭との間にジャッキを設置
し、該ジャッキによって建物を杭を支点として地盤から
上昇させ、次いで、前記建物直下の地盤を掘削しつつ、
前記杭間にハーフプレキャスト版を矢板として架設し、
次いで、該ハーフプレキャスト版の内側に、コンクリー
トを打設して一体化することによって地下室の壁を構築
し、次いで、ジャッキを縮小して、前記建物を地下室の
壁に設置するので、狭い敷地内においても、既設の建物
の直下に、短い工期で容易かつ確実にしかも低コストで
地下室を構築することができる。
の既存建物の地下室構築方法によれば、既存の建物の周
囲の地盤に、杭を所定間隔で設置し、該建物に横梁をほ
ぼ水平に渡した後、該横梁と杭との間にジャッキを設置
し、該ジャッキによって建物を杭を支点として地盤から
上昇させ、次いで、前記建物直下の地盤を掘削しつつ、
前記杭間にハーフプレキャスト版を矢板として架設し、
次いで、該ハーフプレキャスト版の内側に、コンクリー
トを打設して一体化することによって地下室の壁を構築
し、次いで、ジャッキを縮小して、前記建物を地下室の
壁に設置するので、狭い敷地内においても、既設の建物
の直下に、短い工期で容易かつ確実にしかも低コストで
地下室を構築することができる。
【0035】また、地下室の壁を構築するのに、ハーフ
プレキャスト版を使用しているので、現場打ちの鉄筋コ
ンクリート造りのみで壁を構築する場合に比して、配筋
・型枠工事が省力化できる。さらに、平板状のハーフプ
レキャスト版を使用するので、L型のハーフプレキャス
ト版を使用する場合に比して、製作に要する手間やコス
トを軽減することができる。
プレキャスト版を使用しているので、現場打ちの鉄筋コ
ンクリート造りのみで壁を構築する場合に比して、配筋
・型枠工事が省力化できる。さらに、平板状のハーフプ
レキャスト版を使用するので、L型のハーフプレキャス
ト版を使用する場合に比して、製作に要する手間やコス
トを軽減することができる。
【0036】また、前記地下室の壁は、前記杭の一部が
埋設されて補強されているので、該壁は機械的強度に優
れたものとなるとともに土圧に十分耐えることができ、
さらには、前記杭は地下階の柱材として利用することが
できる。さらに、地下室を構築している間は、前記建物
が横梁、ジャッキを介して杭に支持されているので、地
下室構築中でも建物に住むことができる。
埋設されて補強されているので、該壁は機械的強度に優
れたものとなるとともに土圧に十分耐えることができ、
さらには、前記杭は地下階の柱材として利用することが
できる。さらに、地下室を構築している間は、前記建物
が横梁、ジャッキを介して杭に支持されているので、地
下室構築中でも建物に住むことができる。
【0037】請求項2の既存建物の地下室構築方法によ
れば、請求項1と同様に、短い工期で容易かつ確実に地
下室を構築することができるのは勿論のこと、請求項1
において、前記地下室の壁を構築した後に、該壁の上端
部にハーフプレキャスト版を架設し、該ハーフプレキャ
スト版の上側にコンクリートを打設して、該コンクリー
トと前記ハーフプレキャスト版とを一体化することによ
って地下室の天井を容易に構築することができる。
れば、請求項1と同様に、短い工期で容易かつ確実に地
下室を構築することができるのは勿論のこと、請求項1
において、前記地下室の壁を構築した後に、該壁の上端
部にハーフプレキャスト版を架設し、該ハーフプレキャ
スト版の上側にコンクリートを打設して、該コンクリー
トと前記ハーフプレキャスト版とを一体化することによ
って地下室の天井を容易に構築することができる。
【0038】また、前記天井は鉄筋コンクリート製であ
り、かつ前記壁に支持されているので、該天井に建物を
設置することで、該建物を確実に支持することができる
とともに、天井の上面の所望の位置に建物を設置するこ
とができる。また、前記地下室の壁は杭によって補強さ
れ、さらに、地下室の躯体は、天井と壁とによって、門
型のラーメン構造となって強固となっているので、土圧
に十分に耐え得るものとなる。
り、かつ前記壁に支持されているので、該天井に建物を
設置することで、該建物を確実に支持することができる
とともに、天井の上面の所望の位置に建物を設置するこ
とができる。また、前記地下室の壁は杭によって補強さ
れ、さらに、地下室の躯体は、天井と壁とによって、門
型のラーメン構造となって強固となっているので、土圧
に十分に耐え得るものとなる。
【0039】請求項3の既存建物の地下室構築方法によ
れば、請求項1または2と同様の効果を得ることができ
るのは勿論のこと、前記杭として、廃材となった鉄道の
レールを使用しているので、杭としてH形鋼等を使用す
る場合に比べて、杭の設置が容易でありしかも経済的で
あり、よってさらに低コストで地下室を構築することが
できる。
れば、請求項1または2と同様の効果を得ることができ
るのは勿論のこと、前記杭として、廃材となった鉄道の
レールを使用しているので、杭としてH形鋼等を使用す
る場合に比べて、杭の設置が容易でありしかも経済的で
あり、よってさらに低コストで地下室を構築することが
できる。
【0040】請求項4の既存建物の地下室構築方法によ
れば、請求項1〜3のいずれかと同様の効果を得ること
ができるのは勿論のこと、前記ジャッキによって上昇さ
れた建物と地下室との間に、免震装置を配設した後、前
記ジャッキを縮小することで、前記建物を前記構築され
た地下室の壁または天井に免震装置を介して設置するの
で、地下室と建物との間に免震装置を容易に設置するこ
とができる。
れば、請求項1〜3のいずれかと同様の効果を得ること
ができるのは勿論のこと、前記ジャッキによって上昇さ
れた建物と地下室との間に、免震装置を配設した後、前
記ジャッキを縮小することで、前記建物を前記構築され
た地下室の壁または天井に免震装置を介して設置するの
で、地下室と建物との間に免震装置を容易に設置するこ
とができる。
【図1】本発明の既存建物の地下室構築方法の一例を説
明するためのもので、既存の建物の周囲の地盤に杭を設
置している状態を示す概略縦断面図である。
明するためのもので、既存の建物の周囲の地盤に杭を設
置している状態を示す概略縦断面図である。
【図2】同、既存の建物の周囲の地盤に杭を設置してい
る状態を示す概略平面図である。
る状態を示す概略平面図である。
【図3】同、既存の建物に横梁を渡した状態を示す概略
縦断面図である。
縦断面図である。
【図4】同、既存の建物に横梁を渡した状態を示す概略
平面図である。
平面図である。
【図5】同、既存の建物をジャッキアップした状態を示
す概略縦断面図である。
す概略縦断面図である。
【図6】同、既存の建物直下の地盤を掘削しつつ矢板を
架設している状態を示す概略縦断面図である。
架設している状態を示す概略縦断面図である。
【図7】同、既存の建物直下の地盤を掘削しつつ矢板を
架設している状態を示す概略平面図である。
架設している状態を示す概略平面図である。
【図8】同、地下室の壁、天井、床を施工した状態を示
す概略縦断面図である。
す概略縦断面図である。
【図9】同、地下室の壁、天井、床を構築した状態を示
す概略平面図である。
す概略平面図である。
【図10】同、構築された地下室を建物とともに示す概
略縦断面図である。
略縦断面図である。
1 既存の建物 2 杭(レール) 4 横梁 5 ジャッキ 7 ハーフプレキャスト版 11 鉄筋コンクリート壁 12 地下室の壁 13 ハーフプレキャスト版 14 鉄筋コンクリート版 15 地下室の天井 16 免震装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉野 茂 東京都千代田区富士見二丁目10番26号 前 田建設工業株式会社内 (72)発明者 中 克己 東京都千代田区富士見二丁目10番26号 前 田建設工業株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 既存の建物の地下に地下室を構築する方
法であって、 前記建物の周囲の地盤に、複数の杭を所定間隔で設置
し、 次いで、前記建物に横梁をほぼ水平に渡した後、この横
梁と前記杭との間にジャッキを設置して、該ジャッキを
伸張させることで、建物を地盤から上昇させ、 次いで、前記建物直下の地盤を掘削しつつ、前記杭間に
鉄筋コンクリート製のハーフプレキャスト版を矢板とし
て架設し、 次いで、前記ハーフプレキャスト版の内側に、コンクリ
ートを打設して、該コンクリートと前記ハーフプレキャ
スト版とを一体化することによって地下室の壁を構築
し、 次いで、前記ジャッキを縮小することで、前記建物を前
記構築された地下室の壁に設置することを特徴とする既
存建物の地下室構築方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の既存建物の地下室構築方
法において、 前記地下室の壁を構築した後に、該壁の上端部にハーフ
プレキャスト版を架設し、該ハーフプレキャスト版の上
側にコンクリートを打設して、該コンクリートと前記ハ
ーフプレキャスト版とを一体化することによって地下室
の天井を構築することを特徴とする既存建物の地下室構
築方法。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の既存建物の地下
室構築方法において、 前記杭として、廃材となった鉄道のレールを使用するこ
とを特徴とする既存建物の地下室構築方法。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の既存建
物の地下室構築方法において、 前記ジャッキによって上昇された建物と地下室との間
に、免震装置を配設した後、前記ジャッキを縮小するこ
とで、前記建物を前記構築された地下室の壁または天井
に前記免震装置を介して設置することを特徴とする既存
建物の地下室構築方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9201670A JPH1143955A (ja) | 1997-07-28 | 1997-07-28 | 既存建物の地下室構築方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9201670A JPH1143955A (ja) | 1997-07-28 | 1997-07-28 | 既存建物の地下室構築方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1143955A true JPH1143955A (ja) | 1999-02-16 |
Family
ID=16444961
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9201670A Pending JPH1143955A (ja) | 1997-07-28 | 1997-07-28 | 既存建物の地下室構築方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1143955A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102561391A (zh) * | 2010-12-16 | 2012-07-11 | 株式会社高丽工程及咨询 | 已竣工建筑物的地下室的施工方法 |
JP2013204396A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Sumitomo Forestry Co Ltd | 地下空間構造 |
JP2014101647A (ja) * | 2012-11-19 | 2014-06-05 | Yamada Co Ltd | 鋼製杭及び鋼製杭の使用方法 |
CN110185289A (zh) * | 2019-07-10 | 2019-08-30 | 谢成取 | 一种适用于规划在悬崖上的酒店建筑物及其建造方法 |
-
1997
- 1997-07-28 JP JP9201670A patent/JPH1143955A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102561391A (zh) * | 2010-12-16 | 2012-07-11 | 株式会社高丽工程及咨询 | 已竣工建筑物的地下室的施工方法 |
JP2013204396A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Sumitomo Forestry Co Ltd | 地下空間構造 |
JP2014101647A (ja) * | 2012-11-19 | 2014-06-05 | Yamada Co Ltd | 鋼製杭及び鋼製杭の使用方法 |
CN110185289A (zh) * | 2019-07-10 | 2019-08-30 | 谢成取 | 一种适用于规划在悬崖上的酒店建筑物及其建造方法 |
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