JP3767591B2 - 赤外線検出器 - Google Patents

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Description

本発明は、自己診断機能を備えた赤外線検出器に関する。
従来の赤外線検出器としては、例えば特開平11−153490号公報に開示されているものがある。
この赤外線検出器は、半導体基板上に封止雰囲気に通じる空洞を形成するように肉薄のダイアフラムを備え、このダイアフラム上に赤外線吸収膜を有し、赤外線吸収膜に入射する赤外線強度に応じて出力電圧が変化する温度検出素子を有する。そして、半導体基板上には上記空洞を介してダイアフラムに対向する赤外線放射体を設けている。これにより、赤外線放射体に電圧を印加して赤外線を放射させ、温度検出素子の出力によって、自己診断を行うことができる。
その際、赤外線放射体は空洞を介して、ダイアフラムに赤外線を放射するので、ダイアフラムの表面は直接に加熱されることはなく、したがって、ダイアフラムの表面に設けられる絶縁膜や配線などに、加熱および冷却によるストレスが加わらないので、赤外線吸収膜や温度検出素子等の素子表面に劣化をもたらさない。
また、赤外線吸収膜の動作も関与して通常動作時と同じ熱伝導態様となるので、素子自体の劣化だけではなく、外来する赤外線が通過する封止雰囲気の異常についても、自己診断することが可能である。
特開平11−153490号公報
しかしながら、半導体基板上での赤外線放射体の形成は、通常、拡散抵抗の形成によって行われ、この拡散抵抗をダイアフラム内部に形成する場合には、作製上で困難を伴うだけでなく、拡散抵抗へ電圧印加するための通電線の形成も困難である。
その結果、赤外線放射体のない製品と比べると、歩留まりが低下するという問題があった。
また、拡散抵抗による赤外線放射体が半導体基板上に形成されるため、電圧印加によって発する熱が逃げやすく、さらに、赤外線吸収膜と赤外線放射体の発熱面とは直接対向しておらず、しかも空洞開口部を通過する赤外線は発熱面からの放射全体の極一部に限られるため、赤外線吸収膜への赤外線入射効率が低く、自己診断を行うには大きな電圧印加が必要となり消費電力が大きくなるという問題もあった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、自己診断時の消費電力が少なく、また作製時において歩留まりを向上させることが可能な赤外線検出器を提供することを目的としている。
このため、本発明は、赤外線の検出面に入射される赤外線の強度に応じて出力電圧が変化する赤外線検出素子と、赤外線検出素子の検出面に対向し、かつ計測領域から入射される赤外線を遮光しない位置に配置され、通電によって赤外線を放射する通電加熱式ゲッターと、真空又は不活性ガス雰囲気を有し、かつ内部に赤外線検出素子と通電加熱式ゲッターを備えたセンサパッケージと、通電加熱式ゲッターを通電して赤外線検出素子の検出面に自己診断用の赤外線を入射し、赤外線検出素子の出力電圧を検出することによって、自己診断を行う自己診断手段とを備えるものとした。
本発明によれば、自己診断用の赤外線を放射する通電加熱式ゲッターは、赤外線検出素子の検出面に対向して配置されるから、半導体基板上に設ける従来例より、作製プロセスにおける歩留まりが向上する。
さらに、赤外線検出素子は通電加熱式ゲッターの発熱に関与しないため、素子自体劣化することがない。
また、通電加熱式ゲッターは半導体基板上に形成されるのと比べると、より大きく形成することができるから、従来より赤外線検出素子への入射効率が向上し、低消費電力での自己診断が可能となる。
次に、発明の実施の形態を実施例により説明する。
図1は第1の実施例にかかる赤外線検出器におけるセンサパッケージの構成を示す図で、(a)は上面図、(b)は(a)におけるA−A断面図である。なお、図1の(a)では、簡単化のため、レンズ3および金属キャップ5を取り外し、通電加熱式ゲッター9は仮想線でその位置を示している。
センサパッケージ1は、複数の端子8と端子17を備えた金属ステム6上に、センサチップ2がダイボンドされて配置されている。
センサチップ2には、それぞれサーモパイルより構成される赤外線検出素子2aおよびゲッター温度検出素子10が形成されている。赤外線検出素子2aおよびゲッター温度検出素子10は、電気配線としてのワイヤーボンディング13でそれぞれ端子8と接続されており、該端子8によって外部へ温度の検出信号を出力するようになっている。
ゲッター温度検出素子10は、赤外線検出素子2aを囲んで4角形のセンサチップ2の各角部に設けられている。これらのゲッター温度検出素子10の信号は、それぞれ単独に個別の端子8から引き出してもよく、直列に接続されてあるいは並列に接続された状態で端子8から引き出してもよい。後者の場合は、端子8の数を減らすことができる。
センサチップ2の1辺部には、さらに温度測定素子11が形成されている。温度測定素子11は、赤外線検出素子2aおよびゲッター温度検出素子10を構成するサーモパイルの冷接点温度を測定するもので、サーミスタまたは熱電対あるいはダイオードなどで構成される。温度測定素子11も赤外線検出素子2aおよびゲッター温度検出素子10と同様に、端子8の1つに接続されている。
赤外線検出素子2aはサーモパイルが2次元に配置されたサーモパイルアレイを構成し、当該サーモパイルの熱接点に対応する位置に赤外線吸収膜を設けて形成されている。赤外線吸収膜は赤外線の吸収に伴って温度変化し、サーモパイルは赤外線吸収膜(熱接点)の温度とサーモパイルの冷接点温度とに応じた電圧信号を出力する。
センサチップ2の上方にリング状の通電加熱式ゲッター9が設けられ、通電加熱式ゲッター9は、ワイヤーボンディング12によって一端が端子17に、もう一端が金属ステム6に接続され固定される。
端子17および端子8は、ハーメチックシール7によって金属ステム6との間の電気的絶縁と気密封止を同時に満足するように取り付けられる。
金属ステム6に金属キャップ5が被せられ、金属キャップ5と金属ステム6とは周縁部において気密接合されている。
金属キャップ5には、計測領域からの赤外線をセンサチップ2に透過・集光するレンズ3が取り付けられている。レンズ3は低融点ガラスによって金属キャップ5に気密接合され、金属キャップ5と金属ステム6に囲まれた空間は、真空状態もしくは不活性ガスで満たされている。
レンズ3は、計測領域からの赤外線を図1の(a)に示す円形の領域14aに入射させるよう設定されている。これにより、計測領域からの赤外線は赤外線検出素子2aによってのみ検出され、ゲッター温度検出素子10には届かない。
一方、通電加熱式ゲッター9は、それから放射される赤外線がゲッター温度検出素子10および赤外線検出素子2aに届くようになっている。
この通電加熱式ゲッター9は、センサチップ2の表面の赤外線吸収膜と対向して配置されているので、レンズ3を通過して入射する計測領域からの赤外線を遮光しないようにする必要がある。このため、通電加熱式ゲッター9は、金属キャップ5やレンズ3に接触しない範囲でできるだけレンズ3側に近づけて配置される。
レンズ3に近づけて配置することによって、通電加熱式ゲッター9の内側のリング径を小さくすることができ、赤外線検出素子2aの中心部への赤外線の放射が増大し、より均一な赤外線を赤外線検出素子2a全体に照射できる。
計測領域からの赤外線は、レンズ3によって赤外線検出素子2aに結像され、赤外線検出素子2aを構成するサーモパイルの出力電圧より、計測領域の赤外線分布を計測することができる。
次に、上記センサパッケージ1の組立て工程の一例について図2〜図4に基づいて説明する。
ここで、センサチップ2上の素子形成や端子8、端子17のワイヤボンディングは済んでいるものとする。
最初に、図2に示すように、レンズ3を装着済みの金属キャップ5を冶具20に取り付け、センサチップ2がダイボンドされた金属ステム6を冶具19に取り付ける。このとき端子8および端子17は所定のソケットによって製造用制御回路40と接続される。
製造用制御回路40は、少なくとも、通電加熱式ゲッター9が接続される端子17と、図示しないサーモパイル出力選択用制御端、冷接点温度を測定する温度測定素子11、赤外線検出素子2aとゲッター温度検出素子10が接続された端子8と接続する。
次に、金属キャップ5と金属ステム6が取り付けられた治具20、19を図示しない真空溶接機チャンバー内の可動ステージにセットし、全体を排気する。そして約1.33×10−3Pa(≒10−5Torr)に到達したところで、端子17を通じて通電加熱式ゲッター9に通電する。図3はこの通電による通電加熱式ゲッター9の加熱状態を模式的に示している。
通電加熱式ゲッター9が450℃となるように制御して10分間加熱することにより、後述の活性化が行われる。
ゲッターの温度制御は、ゲッター温度検出素子10の出力を基に、通電加熱式ゲッター9への電流量を制御して行う。
このゲッター活性化の間は、通電加熱式ゲッター9からの赤外線放射は一定に保たれているので、通電加熱式ゲッター9の活性化中に赤外線検出素子2aの各サーモパイルの感度ばらつきや、欠陥素子のチェックを行っても良い。
ゲッター活性化工程後、図4に示すように、金属キャップ5を金属ステム6の下に移動させて、周縁部同士を合わせて密着させる。そして、シーム溶接もしくは電子ビーム溶接法を用いて真空溶接機チャンバー内で周縁を溶接して封止する。これにより、図1に示したセンサパッケージ1が完成する。
センサパッケージ組立時において、多量にガスが排気される初期排気の後の圧力は、ゆっくりと低下していくことが知られている。さらに、溶接後のパッケージ内のガス放出量は1/t(t:時間)に比例して低下していくことを考慮すると、溶接後のパッケージ内のガス放出量は微々たるものである。
つまり、センサパッケージ組立時におけるゲッターの活性化度合いは、溶接直後のセンサパッケージ内のガス吸着に必要な分だけで良い。そして、その後にセンサパッケージ内に発生する極微量なガスの吸着には、後述の再活性化に委ねることができる。
その結果、生産時間を短縮することが可能となり、センサ作製のコストを低減することができる。
図5は、赤外線検出器の構成を示す図である。
赤外線検出器は、図1に示したセンサパッケージ1に自己診断手段としての自己診断回路30を接続して構成される。
センサパッケージ1は、少なくとも、通電加熱式ゲッター9と接続される端子17と、赤外線検出素子2a、温度測定素子11、ゲッター温度検出素子10と個別に接続される複数の端子8とで、自己診断回路30に接続されている。
自己診断回路30より端子17に電流を与えることによって、通電加熱式ゲッター9に電流が流れる。これによってジュール熱が発生し、その発熱に応じた赤外線が自己診断用赤外線として使用される。
ところで、自己診断用赤外線が放射されている間(通電加熱式ゲッター9の温度が冷接点温度よりも高温の間)、赤外線検出素子2aを構成するサーモパイルからの出力は、計測領域からの赤外線の強度に応じた出力電圧V1と通電加熱式ゲッターの放射する赤外線の強度に応じた出力電圧V2との和となり、V1+V2となる。
一方、ゲッター温度検出素子10には、通電加熱式ゲッターからの自己診断用赤外線のみ入射しているので、自己診断用赤外線の強度に応じた電圧V2を出力している。
そこで、赤外線検出素子2aを構成するサーモパイルからの出力V1+V2からゲッター温度検出素子10の出力V2を差引くことで、自己診断用赤外線が放射されている間でも、赤外線検出領域の絶対温度を正確に検出することが可能となる。
また、赤外線検出素子2aとゲッター温度検出素子10を構成するサーモパイルに出力電圧にばらつきがある場合、および通電加熱式ゲッター9からの放射に分布を生じている場合は、その分布に応じた補正係数α(=V2/V2’、V2:通電加熱式ゲッター9からの放射による赤外線検出素子2aを構成するサーモパイル出力電圧、V2’:ゲッター温度検出素子出力電圧)を各サーモパイルに対し予め取得しておき、V1+V2−αV2’とすることで、赤外線検出領域の絶対温度を正確に検出することができる。
また、自己診断用赤外線による任意のサーモパイル出力が所定の電圧を出力しているか否かによって、センサパッケージ内の圧力の状態が分かる。さらには、赤外線検出素子2a全体とゲッター温度検出素子10に自己診断用赤外線を放射するので、赤外線検出素子2aおよびゲッター温度検出素子10を構成する全てのサーモパイルについて、個別の診断を行うこともできる。
次に、通電加熱式ゲッター9は、自己診断時に上記のように診断用の赤外線を出す一方、空間内の活性ガスを吸着し、真空状態の維持や不活性ガスの純度を保つ。
ここで、活性化しているゲッターは、ほとんどの種類の活性ガスをその表面に化学的に吸着する。窒素は窒化物、酸素は酸化物として、水分子はゲッターの表面で分解し不可逆に吸着されるため、一度吸着されたガスがゲッター材から放出されることはほとんどないと言われている。
このようにして吸着されたガス成分は、徐々に内部に拡散していくが、ゲッターを室温で使用する場合、拡散速度はゲッターが新たにガスを吸着する速度に比べ遅いので、やがてゲッター表面はガスの成分で飽和し、ゲッターのいわゆる排気速度が低くなる。
そこで、ゲッターを加熱して表面に吸着しているガス成分の内部拡散を促してやると、ゲッターの排気速度を回復させることが可能となる。この加熱プロセスのことを再活性化と呼ぶ。
一般的に、ゲッターの再活性化はゲッター活性化温度程度の高温(例えば450℃)または、それに近い温度で行うほうが、再活性化の効果は大きいが、ゲッターの温度が上昇すると水素に関しては例外的に、ゲッターがそれまで低い温度で吸収していた水素を放出してしまうことが知られている。高温再活性化によって放出された水素は、ゲッターの冷却とともに再びゲッターに吸着されるが、その間、赤外線検出センサ内の圧力が高まる。
本実施例における通電加熱式ゲッター9も上述と同様の性質を有する。そのため、自己診断用の赤外線を放射するために通電加熱式ゲッター9を加熱すると、ゲッターの再活性化も同時に行うこととなり、赤外線検出器としての感度を維持・回復させることができる。その結果、赤外線検出器の信頼性を高めることができる。
したがって、自己診断回路30は、自己診断に際して、通電加熱式ゲッター9を低温動作(例えば、サーモパイル冷接点温度25℃に対しゲッター温度50℃)とする一方、例外的に、ゲッターの再活性化を目的として通電加熱式ゲッター9を高温動作させる。この高温動作については、赤外線検出器を利用する測定システム終了時にのみ行うこととし、またパッケージ内のガス圧力が高まると赤外線検出の感度低下を招く恐れがあるので、例えばゲッター温度150℃程度とする。
通電加熱式ゲッターの高温動作を測定システム終了時に限定することで、ゲッター高温時に赤外線検出器の空間内に放出される水素ガスによる一時的な感度低下がシステム作動時に起き難くなり、さらには次回システム起動時までの間により多くの活性ガスを吸着できる。
図6は、測定システムにおける通電加熱式ゲッターの加熱要領を示す。
すなわち、時刻t1で測定システムが起動されると、通電加熱式ゲッター9へ通電が行われる。温度が50℃に達した時刻t2で自己診断を開始する。この加熱によって再活性化も同時に行われる。自己診断回路30は、ゲッター温度検出素子10の出力を基に、通電加熱式ゲッター9への電流量を制御して、通電加熱式ゲッター9の温度を一定に保つ。
そして時刻t3で診断が終了すると、測定プロセスが動作し始める。
測定プロセスが終了する時刻t4において、通電加熱式ゲッター9はより高い温度の150℃へ向けて加熱される。この高温加熱によって、より効果的な再活性化が行われるようになる。
150℃に達してから所定時間経過した時刻t5で、通電加熱式ゲッター9への通電が停止され、測定システムの作動も終了する。これに伴い、通電加熱式ゲッターの温度も低下する。
なお、図6に示していないが、測定システム作動中においても、50℃までの低温動作で適宜自己診断を実行することも可能である。
本実施例は以上のように構成され、赤外線検出素子2aの検出面に対向し、かつ計測領域から入射される赤外線を遮光しない位置に、通電によって赤外線を放射する通電加熱式ゲッター9を配置し、自己診断回路30により通電加熱式ゲッター9から赤外線検出素子2aの検出面に自己診断用の赤外線を入射させて、赤外線検出素子2aの出力電圧を検出することによって自己診断を行うようにした。
したがってまず、自己診断用の赤外線を放射する通電加熱式ゲッター1が赤外線検出素子2aの赤外線検出面に対向して配置されるから、半導体基板自体に形成するものに対して、半導体作製プロセスにおける歩留まりを高く維持することができる。そして、半導体基板上に形成されるのと比べると、より大きく形成することができるから、赤外線検出素子2aへの入射効率が向上し、低消費電力で済むという利点が得られる。
さらに、赤外線検出素子2aは通電加熱式ゲッター1の発熱に関与しないため、劣化することもない。また、従来のように発熱体の温度が下がるまで、検出領域の正確な温度測定ができないという問題も生じない。
また、自己診断用赤外線を放射するために加熱された通電加熱式ゲッター9は再活性化され、これにより、ゲッター表面に化学的に吸着されたガス成分のゲッター内部への拡散が促進され、新しいゲッター表面が現れることでガス吸着の速度を高めることができる。したがって、自己診断とともに、赤外線検出器としての感度を維持・回復させることができ、その信頼性が向上する。
とくに、自己診断回路は、測定システムの作動終了、すなわち赤外線検出素子2aによる赤外線測定終了後に限定して、測定開始時または測定途中よりも高い温度が発生するように通電加熱式ゲッター9に通電して効率的な再活性化を促進するので、一時的な感度低下が測定システム作動時には起き難くなり、さらには次回システム起動時までの間により多くの活性ガスを吸着できる。その結果、システム作動時における赤外線検出の感度を信頼性高く維持することができる。
また、通電加熱式ゲッター9の温度を測定するゲッター温度測定素子10を備え、自己診断回路30がその出力を基に通電加熱式ゲッター9への通電量を制御するので、通電加熱式ゲッター9の温度を一定に保つことができ、自己診断中の自己診断用赤外線放射を所定時間に一定に制御することができる。その結果、不要な通電を抑えるとともに、測定システムのシステム起動時・システム作動時・システム終了時の如何なる場合においても、赤外線検出領域の絶対温度を正確に検出することができ、より信頼性の高い自己診断が行える。
また、赤外線検出器のセンサパッケージの組立時に必要なゲッターの温度を計測する温度計測装置が不要となって、赤外線検出器のコストダウンに大きく貢献できる。
次に、第2の実施例について説明する。図7は第2の実施例におけるセンサパッケージを示す。
これは、自己診断用赤外線をより赤外線検出素子2aおよびゲッター温度検出素子10に集光できるようにしたものである。
センサパッケージ1’は、レンズ3部分の外側下方で、レンズ3を通して計測領域から入射される赤外線を遮光しない位置に、通電加熱式ゲッター9をカバーする反射ミラー4を備えている。反射ミラー4はレンズ3側の上部を小径、金属ステム6側の下部を大径としたリング状で、その下部の周縁部で金属ステム6に結合されている。
その他の構成は図示しない自己診断回路30との接続を含めて、第1の実施例と同じである。
本実施例によれば、通電加熱式ゲッター9を取り囲むリング状の反射ミラー4が、通電加熱式ゲッター9から赤外線検出素子2aおよびゲッター温度検出素子10以外の方向に放出される赤外線も赤外線検出素子2aおよびゲッター温度検出素子10の方向へ反射させるので、より多くの赤外線が赤外線検出素子2aおよびゲッター温度検出素子10に照射される。
これによって、自己診断時の通電を低電流にすることができ、より低消費電力化することが可能となる。
なお、反射ミラー4は金属ステム6に結合するかわりに、金属キャップ5に取り付けてもよい。
なお、各実施例において、温度測定素子11の出力とゲッター温度検出素子10の出力はそれぞれ個別の端子8を通じて取り出されるものとしたが、例えば、センサパッケージ1(または1’)内部に切替回路を設け、該切替回路の動作によって、赤外線検出素子2aを構成するサーモパイルの出力電圧と温度測定素子11とゲッター温度検出素子10からの出力電圧を、時系列的に切り替えて、同一の端子より各出力電圧を得られるようにしてもよい。
この場合、上記切替回路と接続する端子を自己診断回路30に接続し、自己診断回路30からの制御信号により切替回路を動作させる。
第1の実施例の赤外線検出器におけるセンサパッケージの構成を示す図である。 赤外線検出センサの組立て工程を示す図である。 赤外線検出センサの組立て工程を示す図である。 赤外線検出センサの組立て工程を示す図である。 赤外線検出器の構成を示す図である。 通電加熱式ゲッターの温度制御例を示す図である。 第2の実施例を示す図である。
符号の説明
1、1’ センサパッケージ
2 センサチップ
2a 赤外線検出素子
3 レンズ
4 ミラー
5 金属キャップ
6 金属ステム
8、17 端子
9 通電加熱式ゲッター(赤外線放射体)
10 ゲッター温度検出素子
11 温度測定素子
12、13 ワイヤーボンディング
30 自己診断回路(自己診断手段)
19、20 冶具
40 製造用制御回路

Claims (5)

  1. 赤外線の検出面に入射される赤外線の強度に応じて出力電圧が変化する赤外線検出素子と、
    前記赤外線検出素子の検出面に対向し、かつ計測領域から入射される赤外線を遮光しない位置に配置され、通電によって赤外線を放射する通電加熱式ゲッターと、
    真空又は不活性ガス雰囲気を有し、かつ内部に前記赤外線検出素子と前記通電加熱式ゲッターを備えたセンサパッケージと、
    前記通電加熱式ゲッターを通電して前記赤外線検出素子の検出面に自己診断用の赤外線を入射し、赤外線検出素子の出力電圧を検出することによって、自己診断を行う自己診断手段とを有することを特徴とする赤外線検出器。
  2. 前記計測領域から入射される赤外線を遮光しない位置に反射ミラーを設け、該反射ミラーは、前記通電加熱式ゲッターから前記検出面以外の方向に放射される赤外線を、検出面に反射するようにしたことを特徴とする請求項1記載の赤外線検出器。
  3. 前記自己診断手段は、前記通電加熱式ゲッターを通電することによって、自己診断用の赤外線を放射させるとともに、前記通電加熱式ゲッターを再活性化させることを特徴とする請求項1または2記載の赤外線検出器。
  4. 前記自己診断手段は、前記赤外線検出素子が赤外線測定終了後に、測定開始時または測定途中よりも高い温度が発生するように前記通電加熱式ゲッターを通電し、高温で再活性化させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載の赤外線検出器。
  5. 前記通電加熱式ゲッターの温度を測定するゲッター温度測定素子を設け、該ゲッター温度測定素子の出力をもとに、通電時の前記通電加熱式ゲッターの温度を制御可能とすることを特徴とする請求項1から4のいずれか1に記載の赤外線検出器。
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