JPH0449745Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は焦電素子のような熱線検出素子をプラ
スチツク・レンズまたは凹面反射鏡等の焦点に配
置して人体から発する熱線を検知することにより
不法侵入者等を発見して警報を発する検知器の試
験装置に関するものである。このような装置が正
常に動作しているか否かの試験を行うために、従
来は検知器の前面を実際に人が通過してみる必要
があつたから、特に多数の検知器が設置されてい
る場合等は多大の労力を要した。従つて本考案は
多数の検知器を１個所で集中管理している場合に
おいて、各検知器が正常に動作しているか否かを
極めて容易迅速に試験することのできる装置を提
供するものである。

本考案は複数個の検知器を１個所で集中管理す
る場合において、各検知器にそれぞれ特定の符号
を設定し、監視所から試験しようとする検知器に
対応する符号を例えば電源線に乗せて送出する
と、各検知器のうちその符号に対応するものが起
動して、例えば熱線検出素子の前面に設けた小型
電球を点灯する。この点灯によつて上記素子から
出力が送出されると、この出力の送出時点が上記
符号の検出時点と一致することを確認して所定の
符号を監視所に返送する。監視所においてはこの
返送符号を弁別して上記検知器が異状なく動作し
ていることを確認する。このように本考案の装置
は複数個の検知器を１個所で集中管理する場合に
おいて、各検知器の設置場所へ行つて入射熱線の
状態に変化を与える等の煩雑な操作を必要とする
ことなく、極めて簡易迅速に適格な試験を行い得
る作用効果がある。

図面は本考案の実施例で、第１図のように監視
所１には、複数個の熱線侵入者検知器２₁，２₂…
…２_oの各々に対応して定めた例えば２進符号の
任意のものを選択して電源線を兼ねた信号線３に
送出する符号送出器４と、信号線３によつて送ら
れて来る符号の検出器５および図示してないが侵
入者によつて任意の検知器から送られて来る信号
の受信回路等を設けてある。第２図は上記検知器
２₁，２₂……の各々の構成を示した図で、信号線
３に方向性結合器６を介して上記信号線から送ら
れて来る信号の増幅回路７を接続し、整形回路８
を介してその出力を符号弁別回路９に加えると共
に符号器１０は、この検知器に割当てられた例え
ば２進符号を常時弁別回路９および符号送出回路
１１に加えている。また検知器には焦電素子のよ
うな熱線検出素子１２の出力の増幅回路１３、と
その出力レベルの検出回路１４、および検出回路
１４が前記弁別回路９とほぼ同時に信号を送出し
たとき前記符号送出回路１１を動作さる同期検出
回路１５等を設けてある。更に熱線検出素子１２
には、これに入射する熱線量に変化を与えるため
の疑似信号発生手段として例えば小型の白熱ラン
プ１６を対設し、その電源１７を前記弁別回路９
の出力で短時間だけ起動するようにしてある。な
おレベル検出回路１４から得られる検出信号およ
び符号送出回路１１の出力は前記方向性結合器６
を介して信号線３に送り出される。第３図は熱線
検出素子１２と熱線集束鏡１８および前記ランプ
１６の配置の一例を示したもので、反射鏡１８は
これを薄いプラスチツク・レンズ等に置き替える
こと等もできる。

上述の装置において、例えば室内の警戒しよう
とする範囲の熱線が第３図に破線で示したように
熱線検出素子１２に入射するから、その範囲へ人
が侵入すると体温による熱線で素子１２の出力が
増大する。従つて第２図のレベル検出器１４から
侵入者検出信号が送出され、その信号は方向性結
合器６を介して信号線３に送り出される。この信
号が第１図の監視所１で検出されて警報が発せら
れる。次に各検知器２₁，２₂……が正常に動作し
ているか否かの試験を行う場合は監視所１におい
て符号送出器４により所望の検知器２_xに割当て
られた２進符号を送出する。この信号は各検知器
の結合器６、増幅回路７、および整形回路８を介
して弁別回路９に加わる。弁別回路９はその信号
が符号器１０から加えられている符号と一致した
ときだけ出力を送出して電源１７および同期検出
回路１５を短時間の間動作させる。従つてランプ
１６が点灯して熱線検出素子１２に人体から発す
る熱線と同等の熱線を入射させる。このため素子
１２から出力が送出されて、その出力は増幅回路
１３およびレベル検出回路１４を介して同期検出
回路１５に加わる。弁別回路９は前述のようにこ
のとき検出回路１５に信号を加えているからレベ
ル検出回路１４の出力がこの回路を通過して符号
送出回路１１に加わり、回路１１から前記符号器
１０に設定された符号が送出されて、その符号が
方向性結合器６を介して信号線３に送出される。
監視所１における符号検出器５はこの符号が前記
符号送出器４から送出した信号と同一であるとき
信号を送出して検知器２_xが異状なく動作してい
ることを表示する。このように本考案の装置は監
視所において試験しようとする検知器に対応した
符号を送出するだけで、その検知器が異状なく動
作しているか否かの試験を行うことができる。従
つて特に多数の検知器を１ケ所で集中管理してい
る場合等は、各検知器の異状を容易に発見して適
切な処置を施し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の構成を示した図、第２
図は第１図における一部の構成を示した図、また
第３図は更に第２図における一部の構成を示した
図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 侵入者の体温によつて発生する熱線を熱線検出
   素子で検知して警報を送出する複数個の侵入者検
   知器をそれぞれ所望の位置に設置してそれらの検
   出信号出力端を共通の信号線で監視所に接続し、
   任意の検知器に対応した符号を上記信号線に送出
   する符号送出器および信号線から送られて来る符
   号の検出器を上記監視所に設けると共に、各検知
   器に方向性結合器を介して上記信号線に接続され
   た符号弁別回路とこの弁別回路の出力信号によつ
   て熱線検出素子に疑似信号を加える手段と上記弁
   別回路の出力に同期して熱線検出素子が信号を送
   出したとき上記方向性結合器を介して所定の符号
   を前記信号線に送出する回路とを設けた熱線侵入
   者検知器試験装置。