JP3086406B2 - 受動型赤外線式人体検知装置 - Google Patents

受動型赤外線式人体検知装置

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JP3086406B2
JP3086406B2 JP28458795A JP28458795A JP3086406B2 JP 3086406 B2 JP3086406 B2 JP 3086406B2 JP 28458795 A JP28458795 A JP 28458795A JP 28458795 A JP28458795 A JP 28458795A JP 3086406 B2 JP3086406 B2 JP 3086406B2
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    • G08B13/19—Actuation by interference with heat, light, or radiation of shorter wavelength; Actuation by intruding sources of heat, light, or radiation of shorter wavelength using passive radiation detection systems using infrared-radiation detection systems
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    • Y10S—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S250/00—Radiant energy
    • Y10S250/01—Passive intrusion detectors

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学系の受光方向
により設定した検知エリア内における人体の存在の有無
を検知エリアからの放射赤外線エネルギの変化により非
接触で検知するものであって、たとえば、防犯警報装置
の作動を制御するための起動スイッチなどに用いられる
受動型赤外線式人体検知装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来から、所定の警戒エリア内に不法侵
入者が入り込んだのを検知して照明灯を点灯または点滅
したり、あるいは警報ブザーやサイレンを鳴らして警報
を発する防犯警報装置には、その起動スイッチとして受
動型赤外線式人体検知装置が用いられている。この種の
人体検知装置は、警戒すべき区域にレンズなどの光学系
により所定の検知エリアを設定し、この検知エリアから
放射される赤外線エネルギを光学系で集光して焦電素子
などの赤外線検出素子に入射し、赤外線検出素子により
入射赤外線エネルギをその変動量に応じた電気信号に変
換している（特開平６−５２４５０号参照）。この電気
信号のレベルにより検知エリア内から放射される赤外線
エネルギ量の変化を常時監視しており、検知エリア内に
人体が入り込むと、光学系を介して赤外線検出素子に入
射する赤外線エネルギ量は、検知エリア内の背景から放
射する赤外線エネルギ量に対し人体から放射する赤外線
エネルギ量分だけ増大または減少するよう変化するの
で、この赤外線エネルギ量の変化から、人体つまり不法
侵入者を検知するようになっている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記人体検
知装置は、上述のような防犯警報装置の起動スイッチに
用いられる場合、光学系の受光方向をほぼ水平方向に向
けた配置で建造物や家屋の壁面などに設置されるととも
に、一般に壁面から数メートル離れた区域に警戒すべき
検知エリアを設定するように赤外線エネルギの検出感度
を調整される。すなわち、背景と検知エリアとの温度差
を監視して、検知エリアの温度が高くなるよう変化した
ときに検知エリア内に人体が入り込んだと検知する。
【０００４】しかし、壁面などのように屋外に設置され
る場合には、検知エリアよりも遠方に大きな熱源となる
物体が存在したり、あるいは熱源となる物体が通過した
場合には、入射赤外線エネルギ量が検知エリア内に人体
が入り込んだ場合と同様に変動して、人体検知信号を誤
出力してしまう問題がある。たとえば、検知エリアより
も遠方にボイラのような高温発生源が存在していて、そ
のボイラと検知エリアとの間を物体が通過した場合や、
検知エリアよりも遠方をエンジンから熱を発生する自動
車やトラックなどが通過したような場合には、上記赤外
線式人体検知装置に入射する赤外線エネルギ量が大きく
変動するため、人体検知信号を誤出力してしまう。
【０００５】また、防犯警報装置は、一般に夜間のみ作
動状態として検知エリア内への不法侵入者を警戒するも
のであるが、たとえば、家屋を留守にするような場合に
は、昼間であっても防犯警報装置を作動状態として外出
することがある。このような場合、光学系の設置方向に
よっては太陽光が光学系に直射することがあり、太陽光
は幅広い波長を有して遠赤外線をも含んでいるため、上
記太陽光の直射により人体検知信号を誤出力することも
ある。このように、屋外に設置する場合には、警戒すべ
き区域、つまり所定の検知エリアよりもはるかに遠い場
所の環境条件などにより誤動作してしまうことがある。
【０００６】そこで、赤外線エネルギを集光するための
光学系の受光方向を、設定すべき検知エリアの地面に向
けた下向きに設定して、検知エリアから放射する赤外線
エネルギのみを入射させる構成とすることが考えられ
る。しかし、そのような構成とすると、庭に放し飼いに
されているペット、たとえば犬や猫などの小動物が検知
エリアに入り込むと、この小動物から放射する赤外線エ
ネルギによって入射赤外線エネルギ量が変動し、やはり
人体検知信号を誤出力してしまう。
【０００７】そこで、本発明は、検知エリアよりも遠方
に存在する熱源や直射日光あるいは検知エリアに入り込
んだ小動物などによる誤動作を確実に防止して、検知エ
リア内に入り込んだ人体のみを高精度に検出することの
できる受動型赤外線式人体検知装置を提供することを目
的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明の受動型赤外線式人体検知装置は、屋外
に設置される受動型赤外線式人体検知装置であって、受
光素子と光学系からなるセンサユニットを上下方向に二
つ備え、そのうち、上方の第１のセンサユニットが、検
知対象の人体の上半身に受光方向を向け、地面に達しな
い検知エリアを設定するように配置され、下方の第２の
センサユニットが、前記検知エリアの下方であって、自
身の設置位置から所定の検知距離だけ離れた地面に向か
う検知エリアを設定するよう配置されている。この人体
検知装置は、さらに、前記両センサユニットの受光素子
からの出力電気信号が所定レベルを超えたときに検出信
号を出力するレベル検出回路と、前記両レベル検出回路
から検出信号が出力されたときに人体検知信号を出力す
る人体検知回路とを備えている。
【０００９】この人体検知装置では、検知エリアより遠
方に存在する大きな熱源からの放射赤外線エネルギが変
化したり、あるいは太陽光が直射したりした場合、これ
らの赤外線エネルギは受光方向を下方に向けて配置され
た第２のセンサユニットに殆ど入光しない。したがっ
て、受光方向をほぼ水平に向けた第１のセンサユニット
の受光素子の電気信号が所定レベルを超えるだけであ
り、人体検知信号を誤出力することがない。また、犬や
猫などの小動物が検知エリア内に入り込んだ場合、この
小動物から放射する赤外線エネルギは第１のセンサユニ
ットには殆ど入光しないので、第２のセンサユニットの
受光素子の電気信号のみが所定レベルを超えるだけであ
り、この場合も人体検知信号を誤出力することがない。
【００１０】一方、人体が検知エリアに入り込んだ場合
には、この人体の上半身および下半身から放射する赤外
線エネルギがそれぞれ第１および第２のセンサユニット
の光学系を介して各受光素子に入射し、各受光素子の電
気信号が共に所定レベルを超える。それにより検知エリ
ア内の人体の存在を検知して、人体検知信号を出力す
る。このように、検知エリアよりも遠方に存在する熱源
や直射日光あるいは検知エリアに入り込んだ小動物など
による誤動作を確実に防止しながら、検知エリア内に入
り込んだ人体を高精度に検出することができる。
【００１１】また、第２の前記センサユニットが、第１
の検知エリアの下方であって、自身の設置位置から所定
の検知距離だけ離れた地面に向かう検知エリアを設定さ
れているので、人体を検知する区域を設置位置から所定
の検知距離までの範囲に限定することができる。それに
より、人体の存在の検知が不要な区域に入り込んだ人体
を誤検知して警報を出すといったトラブルを確実に防止
できる。
【００１２】さらに、前記レベル検出回路は２値信号で
ある検出信号と非検出信号を出力し、前記人体検知回路
は前記２値信号を受けて作動するアンド回路である構成
とすれば、上記受動形赤外線式人体検知装置を簡単な構
成で容易に実用化できる。
【００１３】また、第２のセンサユニットは、その検知
エリアが上下に変更可能に構成されるのが好ましい。こ
の第２のセンサユニットを調整することにより、検知距
離を適宜変更できる。ここで、第２のセンサユニット
は、その光学系が両センサユニットを収納するハウジン
グに固定されており、その受光素子を前記光学系に対し
て上下方向に移動自在に設定しておけば、光学系を移動
させることなく検知距離を変更できる。このように、光
学系を移動させる必要がなくなるので、光学系を外部に
露出させてセンサユニットのカバーの一部を兼ねる構成
とすることができ、人体検知装置の構造の簡略化が可能
となる。
【００１４】さらに、第１および第２のセンサユニット
は、その検知エリアが左右に変更可能に構成されるのが
好ましい。これにより、前記検知距離だけでなく、検知
エリアの左右の位置も適宜変更できる。
【００１５】検知距離および検知エリアの変更を可能に
する構造としては、第１および第２のセンサユニットの
光学系がハウジングに固定され、第１のセンサの受光素
子を固定的に保持し、第２のセンサの受光素子を上下方
向に移動自在に保持する保持部材と、前記ハウジングに
取り付けられて前記保持部材を回転自在に支持する回転
支持部材とを有するものが好ましい。これにより、簡単
な構造で検知距離および検知エリアの変更が実現され
る。
【００１６】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
について図面を参照しながら詳述する。図１は防犯警報
装置の起動スイッチに適用した場合の本発明の一実施形
態を示すブロック構成図である。同図において、家屋に
おける外側の壁面２０に取り付けられるハウジング２１
には、受光素子１と光学系３、および受光素子２と光学
系４の各組からなる第１および第２の２組のセンサユニ
ット５，６が、上下に位置して収納されている。受光素
子１，２は焦電素子、サーミスタ・ボロメータまたは熱
電堆のような赤外線検出素子からなり、入射した赤外線
エネルギの変動量に比例した電気信号を出力する。光学
系３，４は、この実施形態ではフレネルレンズを用いた
場合について説明するが、受光素子１，２に赤外線エネ
ルギを集光して入射させるものであればよく、たとえ
ば、プリズムまたはミラーなどを用いることもできる。
【００１７】前記両センサユニット５，６の受光素子
１，２から出力される電気信号は、個々の増幅回路８，
９でそれぞれ増幅され、この増幅信号の信号強度、すな
わち赤外線光束の変動量が比較回路からなるレベル検出
回路１０，１１で常時監視されている。すなわち、レベ
ル検出回路１０，１１は、入力する電気信号の信号レベ
ルを検出レベル設定部１２，１３に設定された所定の検
出レベルと常時比較しており、電気信号が検出レベルを
超える変動を検知したときに、ハイレベルの検出信号を
出力する。つまり、レベル検出回路１０，１１は、ハイ
レベルの検出信号とローレベルの非検出信号からなる２
値信号を出力する。
【００１８】アンド回路からなる人体検知回路１４は、
両レベル検出回路１０，１１からハイレベルの検出信号
が出力されたとき、人体検知回路１４から人体検知信号
ａを出力する。警報信号発生回路１７は、人体検知信号
ａの入力により作動して照明灯、ブザーまたはサイレン
などの警報発生機器を作動させるための警報信号ｂを発
生する。また、この警報信号ｂによりスピーカ１８が駆
動されて、予め用意された不法侵入者を威嚇するための
合成音声を出力する。
【００１９】図２は切断左側面図、図３は一部破断正面
図、図４は図２のＩＶ−ＩＶ線断面図である。図２に示
すように、上記のハウジンク２１は、樹脂製のカバー２
２とベース２３とにより構成されており、カバー２２の
上部の係止突部２４をベース２３の係合段部２７に係合
させるとともに、カバー２２の下部から固定ねじ２８を
ねじ込んでカバー２２とベース２３とが結合されてい
る。カバー２２には、半周の円弧形に成形された窓枠状
のレンズホルダ２９が取り付けられ、このレンズホルダ
２９の上下に設けられたレンズ保持部に嵌め込み固定さ
れた前記レンズ３，４が、カバー２２の前壁の一部を形
成するように露出している。
【００２０】前記受光素子１，２は、個々のプリント基
板３０，３１に実装されて、ほぼ円筒形の保持部材３３
の内部に収納されている。この保持部材３３は、二つ割
りされた前部３３ａと後部３３ｂとがねじ体４８により
結合されている。前部３３ａには各レンズ３，４からの
光をそれぞれ入射させるための光入射窓３４，３７が形
成されており、上部のプリント基板３０には、受光素子
１が光入射窓３４を通してレンズ３に対向した位置に固
定されている。一方、下部のプリント基板３１には、受
光素子２が光入射窓３７を通してレンズ３に対向するよ
うに固定されるとともに、前記保持部材３３内で上下動
自在に保持されている。
【００２１】前記第２のセンサユニット６のレンズ４を
搭載した下部のプリント基板３１は、以下の構造により
上下動可能となっている。すなわち、下部のプリント基
板３１は、軟質合成樹脂により形成されて弾性を有する
支持フレーム３８に固定されるとともに、図４に示すよ
うに、保持部材３３の後部３３ｂの左右において上下に
２個ずつ形成された側面ガイド６１と、棚状に上下に延
びる左右一対の後面ガイド６２とにスライドしながら上
下動できるようになっている。支持フレーム３８には、
図２に示すように、前面側に操作つまみ部３８ａが突出
されており、操作つまみ部３８ａの右側部に三角形状の
係止突起３８ｃが形成されている。一方、保持部材３３
の前部３３ａには、上記操作つまみ部３８ａを挿通させ
て上下方向に摺動自在にガイドする長孔形状のガイド孔
４５と、上下方向に４個形成されて係止突起３８ｃが択
一的に係合される係合凹部４１ａ〜４１ｂが形成されて
いる。
【００２２】第２のセンサユニット６の受光素子２をレ
ンズ４に対して上下方向に移動させる場合、操作つまみ
部３８ａを後方（図２の左方向）に押圧すると、弾性を
有する支持フレーム３８が撓んで係止突起３８ｃが係合
凹部４１ａから離脱する。したがって、プリント基板３
１が上下動可能状態となるので、操作つまみ部３８ａを
ガイド孔４５に沿って上下動させると、プリント基板３
１が側面ガイド６１および後面ガイド６２に沿って上下
動する。操作つまみ部３８ａの押圧力を所望の位置で解
除すると、係止突起３８ａが対応する係合凹部４１ａ〜
４１ｄに係合して位置決めされる。これにより、後述す
る下方の検知エリアが適宜変更される。なお、図３に示
すように、操作つまみ部３８ａの係止位置には、図示し
ていないが、矢印４３を付して、その頂面に受光素子２
の位置により設定した検知距離が記入されている。
【００２３】また、保持部材３３はその上部で、回転支
持部材４４の本体４４ａとこれにねじ体４７で固定され
たキャップ４４ｂとの間に挟まれて回転支持部材４４に
対して回転自在に支持され、保持部材３３の中央部の後
面が保持部材４４に設けた支持突起４４ｃに支持され
て、後側への倒れを防止している。こうして、保持部材
３３は、手動操作により上下軸の回りに回転して、両セ
ンサユニット５，６の検知エリアＡ１，Ａ２を左右の任
意の方向に変更できるようになっている。さらに、保持
部材３３の上部の後面には上下に延びる複数の位置決め
孔５０が、周方向に一定間隔で形成されており、これら
位置決め孔５０のいずれかに、回転保持部材４４の本体
４４ａに突設された係止ピン５１が嵌まり込んで、段階
的に回転方向位置の位置決めがなされる。
【００２４】前記保持部材３３には、両センサユニット
５，６にそれぞれ対応して、図４に明示するように、光
を入射させる左右の角度を制限するための視野規制板５
２が一体形成されている。また、ベース２３と回転支持
部材４４との間にプリント基板からなるメイン基板５５
が固定されており、このメイン基板５５と第１および第
２の配線基板３０，３１とが図示しない電線で接続され
ている。ベース２３の後面には、断面コ字状の固定プレ
ート５３が図示しないねじ体により取り付けられてお
り、この固定プレート５３を介して壁面２０に取り付け
られる。この固定プレート５３は外部との電気的接続の
ための電線５４のガイドにも兼用されており、メイン基
板５５の上部に固定された端子６０に接続された電線５
４を固定プレート５３を通って一旦下方に導いたのち
に、固定プレート５３の側方から上方に引き出してい
る。
【００２５】本発明の人体検知装置は、図１の壁面２０
における成人のほぼ腰に相当する高さ位置に取り付けら
れる。前記の各センサユニット５，６は、図１に２点鎖
線で示した不法侵入者を警戒すべき所定の区域Ｚ内にお
いて、上下に離れた互いに異なる領域からそれぞれ放射
される赤外線エネルギを個々に集光する向きに配置され
ている。すなわち、上方の第１センサユニット５は、検
知対象の人体の上半身に向けて受光方向がほぼ水平に配
置されて、上記警戒区域Ｚ内の上方の空間に、地面Ｇに
達しない第１の検知エリアＡ１を設定している。下方の
第２センサユニット６は、壁面２０から所定の検知距離
Ｌだけ離れた地面Ｇに受光方向を向けて配置されてお
り、警戒区域Ｚ内の下方空間に第２の検知エリアＡ２を
設定している。
【００２６】ここで、前記検知距離Ｌは、壁面２０か
ら、ほぼ、第２センサユニット６により設定した第２の
検知エリアＡ２の中心線Ｃと地面Ｇとが交わる位置まで
の距離であり、この検知距離Ｌ、第１の検知エリアＡ１
の高さ、第１および第２の検知エリアＡ１，Ａ２の幅
（図１の紙面に直交する方向の寸法）とから、前記警戒
区域Ｚが定まる。
【００２７】つぎに、上記受動型赤外線式人体検知装置
の作用について説明する。この人体検知装置は、両受光
素子１，２からの電気信号の信号レベルが同時に検出レ
ベルを超えた場合のみ、人体検知信号ａを出力する。た
とえば、第１の検知エリアＡ１の遠方にボイラのような
高温発生源が存在して、この高温発生源の前を物体が通
過したり、第１の検知エリアＡ１の遠方の道路を自動車
やトラックが通過した場合、これらから放射される赤外
線エネルギが上方の第１センサユニット５のレンズ３を
通じて受光素子１に入射する。受光素子１は入射赤外線
エネルギ量の大きな変動に応じた信号レベルの電気信号
を出力し、これを検出したレベル検出回路１０から検出
信号が出力される。しかし、下方の第２センサユニット
６のレンズ４には、これの受光方向が下方を向いている
ことから、上記の大きく変動する赤外線エネルギが殆ど
入光しない。したがって、下方の受光素子２からの電気
信号の信号レベルは殆ど変化せず、レベル検出回路１１
の出力はローレベルを保持する。その結果、人体検知回
路１４は人体検知信号ａを誤出力することがない。
【００２８】また、昼間において太陽光が直射した場合
も、上記と同様に上方の第１センサユニット５の受光素
子１からの電気信号の信号レベルが高くなるように変化
するだけであり、やはり人体検知信号ａは出力されな
い。一方、犬や猫などの小動物Ｍが警戒区域Ｚ内に入り
込んだ場合、この小動物Ｍから放射する赤外線エネルギ
は、下方の第２センサユニット６のレンズ４を介して受
光素子２に入射するが、受光方向をほぼ水平に向けて配
置された上方の第１センサユニット５には殆ど入光しな
い。したがって、下方の受光素子２からの電気信号のみ
が所定レベルを超えるだけであるから、この場合も人体
検知信号ａが誤出力することがない。
【００２９】一方、人体Ｈが警戒区域Ｚに入り込んだ場
合には、両検知エリアＡ１，Ａ２を共に遮るので、この
人体Ｈから放射する赤外線エネルギが確実に上下のセン
サユニット５，６のレンズ３，４を介して各受光素子
１，２に入射し、各受光素子１，２の電気信号が共に所
定レベルを超えて両レベル検出回路１０，１１から共に
検出信号が出力される。それにより、両検知エリアＡ
１，Ａ２の設定された警戒区域Ｚ内に入り込んだ人体Ｈ
を確実に検知して、人体検知信号ａを出力できる。しか
も、下方のレンズ４の受光方向を検知距離Ｌにある地面
に向くよう設定しているので、人体Ｈを検知できる区域
は、壁面２０から検知距離Ｌまでの範囲であって両検知
エリアＡ１，Ａ２の設定された空間内に限定することが
できる。したがって、検知エリアＡ１，Ａ２を外れた区
域に存在する人体Ｈの誤検知を確実に防止できる。それ
により、人体Ｈの存在の検知が不要な区域に入り込んだ
人を誤検知して警報を出すといったトラブルを確実に防
止できる。
【００３０】前記検知距離Ｌは、つぎのように変更する
ことにより適宜設定される。すなわち、図２のハウジン
グ２１のカバー２２をベース２３から取り外した状態
で、操作つまみ部３８ａを上述のようにして手動操作で
上下動させることにより、第２のセンサユニット６の受
光素子２の位置を、４１ａ〜４１ｄの位置に相当する４
段階で上下させる。これにより、図５に示すように、レ
ンズ４の中心４０と受光素子２の中心とを結ぶ直線によ
り決まる第２の検知エリアＡ２の中心線Ｃが、上下に振
れるので、第２の検知エリアＡ２が、θで示す角度範囲
内で上下に変更され、図１の検知距離Ｌが変わる。こう
して第２のセンサユニット６の検知エリアＡ２を上下に
変更するとともに、図２の保持部材３３を水平面方向に
回転させて、両センサユニット５，６の左右の向きを設
定する。これらの設定は、人体検知装置の設置時に、設
置箇所の設置条件などに基づいて、適宜行われる。
【００３１】ここで、第２のセンサユニット６は、その
レンズ４がハウジング２１のカバー２２に固定されて外
部に露出し、カバー２２の一部を兼ねる構造となってい
る。したがって、ハウジング２１の前面を開口なく覆う
カバーを設けて、その内方に別体のレンズを収納する場
合と比較して、構造が簡略化される。その反面、レンズ
は移動不能になるが、この装置では、その受光素子２の
方を前記レンズ４に対して上下方向に移動自在に設定し
ているから、レンズ４を移動させることなく検知エリア
Ａ２を変更できる。
【００３２】
【発明の効果】以上のように本発明の受動型赤外線式人
体検知装置によれば、光学系と受光素子との組み合わせ
を２組備えて、所定の検知エリアを設定する区域におけ
る上下の領域の放射赤外線エネルギがともに所定レベル
を超える変動をしたときのみ人体検知信号を出力するよ
うにしたので、検知エリアよりも遠方に存在する熱源や
直射日光あるいは検知エリアに入り込んだ小動物などに
よる誤動作を確実に防止できるとともに、検知エリア内
に入り込んだ人体を高精度に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態に係る受動型赤外線式人体
検知装置を示すブロック構成図である。
【図２】同装置の縦断面図である。
【図３】同装置の一部破断した正面図である。
【図４】図２のIV−IV線断面図てある。
【図５】同装置における検知エリアの変更方法を説明す
る概略側面図である。
【符号の説明】
１，２…受光素子、３，４…光学系、５…第１のセンサ
ユニット、６…第２のセンサユニット、１０，１１…レ
ベル検出回路、１４…人体検知回路、１８…スピーカ、
２１…ハウジング、３３…カバー、２３…ベース、３３
…保持部材、４４…回転支持部材、ａ…人体検知信号、
Ａ１…上方の検知エリア、Ａ２…下方の検知エリア、Ｇ
…地面、Ｈ…人体、Ｌ…検知距離、Ｚ…警戒区域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) G01V 8/12 G01J 1/42 G08B 13/19

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 屋外に設置される受動型赤外線式人体検
    知装置であって、 入射赤外線エネルギをその変動量に応じた電気信号に変
    換する受光素子と、赤外線を集光して前記受光素子に入
    射させる光学系とを有し、前記光学系の受光方向により
    所定の検知エリアを設定して、前記受光素子により、前
    記検知エリア内から放射される赤外線エネルギをその変
    動量に応じた電気信号に変化するセンサユニットを、上
    下方向に二つ備え、上方の 第１のセンサユニットが、検知対象の人体の上半
    身に受光方向を向け、地面に達しない検知エリアを設定
    するように配置され、下方の第２のセンサユニットが、
    前記検知エリアの下方であって、自身の設置位置から所
    定の検知距離だけ離れた地面に向かう検知エリアを設定
    するよう配置され、 さらに、前記両センサユニットの受光素子からの出力電
    気信号が所定レベルを超えたときに検出信号を出力する
    レベル検出回路と、前記両レベル検出回路から検出信号
    が出力されたときに人体検知信号を出力する人体検知回
    路とを備えた受動型赤外線式人体検知装置。
  2. 【請求項２】 請求項１において、前記レベル検出回路
    は２値信号である検出信号と非検出信号を出力し、前記
    人体検知回路は前記２値信号を受けて作動するアンド回
    路である受動型赤外線式人体検知装置。
  3. 【請求項３】 請求項１または２において、前記第２の
    センサユニットは、その検知エリアが上下に変更可能に
    構成されている受動型赤外線式人体検知装置。
  4. 【請求項４】 請求項３において、前記第２のセンサユ
    ニットは、その光学系が両センサユニットを収納するハ
    ウジングに固定されており、その受光素子が前記光学系
    に対して上下方向に移動自在に設定されている受動型赤
    外線式人体検知装置。
  5. 【請求項５】 請求項１ないし４のいずれかにおいて、
    第１および第２のセンサユニットは、その検知エリアが
    左右に変更可能に構成されている受動型赤外線式人体検
    知装置。
  6. 【請求項６】 請求項４において、前記第１のセンサユ
    ニットの光学系が前記ハウジングに固定されており、 さらに、第１のセンサの受光素子を固定的に保持し、第
    ２のセンサの受光素子を上下方向に移動自在に保持する
    保持部材と、 前記ハウジングに取り付けられて前記保持部材を回転自
    在に支持する回転支持部材とを有している受動型赤外線
    式人体検知装置。
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