以下、各実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
まず、実施の形態1における画像形成装置100の構成について説明する。画像形成装置100はスキャナー装置10を備え、複合機(MFP:Multi-Functional Peripheral)、複写機、ファクシミリ、プリンターといったどのような形態で実装されてもよい。
図1は、実施の形態1における画像形成装置100を示す図である。図1(a)は、画像形成装置100の外観を示す図であり、図1(b)は、A-A線における断面図の模式図である。また、図2は、実施の形態1における画像形成装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。
図1および図2を参照して、画像形成装置100は、ここでは複合機であり、スキャナー装置10と、表示装置11と、画像処理装置12と、印刷装置13と、ネットワークインターフェース14と、人感センサー15と、開閉センサー16a,16b,16cと、ランプ17と、制御部18とを備え、各々は、バス19を通じて互いに接続されている。
スキャナー装置10は、画像形成装置100本体の上部に設けられている。スキャナー装置10は、自動原稿送り装置と一体となった原稿押さえカバー10a(図1(a)、図1(b)参照)と読取部10bとを含んでいる。スキャナー装置10は、自動原稿送り装置から送られてくる原稿、または、載置面20(図1(b)参照)に載置されている原稿の画像を読取部10bで読み取り、読み取った画像のデータを画像処理装置12などに送信する。
ここで、図1(b)を参照して、原稿押さえカバー10aについて説明する。原稿押さえカバー10aは、原稿を載置する載置面20に対して開閉自在となるように、画像表示装置100の本体に連結されている。原稿押さえカバー10aと画像形成装置100の本体との連結部分近傍かつ原稿押さえカバー10a側には、棒状の被検出体21が長手方向を鉛直向きに取り付けられている。被検出体21は、原稿押さえカバー10aの開閉角度と連動する深さで画像表示装置100の本体に対して鉛直方向に差し込まれる。なお、原稿押さえカバー10aは、自動原稿送り装置と一体となったものに限られず、原稿押さえカバーだけであってもよい。
表示装置11は、画像形成装置100本体の上部に設けられている。表示装置11は、タッチパネル式の操作パネル11a(図1(a)参照)を含んでいる。操作パネル11aは、操作画面などの各種情報を表示し、ユーザーによるタッチ操作を可能とする。
画像処理装置12は、画像形成装置100本体の内部に設けられている。画像処理装置12は、画像編集部12aと、画像記憶部12bとを含んでいる。画像編集部12aは、ユーザーにより行われた印刷の設定などに基づいて、読取部10bで読み取った画像のデータを編集する。画像記憶部12bは、たとえばハードディスク装置であり、読取部10bで読み取った画像のデータや、画像編集部12aで編集された画像のデータなどの各種情報を一時的に記憶する。
印刷装置13は、印刷部13aと、給紙カセット13b(図1(a)参照)と、ステープル部13c(図1(a)参照)とを含んでいる。印刷部13aは、画像形成装置100本体の内部に設けられており、画像編集部12aで編集された画像を給紙カセット13bに格納されている用紙に印刷する。ステープル部13cは、画像形成装置100本体の左側または右側(図1(a)中では左側)に設けられており、印刷部13aで印刷された用紙に対して、ステープルなどの後処理を施す。
ネットワークインターフェース14は、画像形成装置100本体の内部に設けられている。ネットワークインターフェース14は、画像形成装置100をネットワークに接続するためのインターフェースであり、有線のLANや無線LAN等である。ネットワークインターフェース14は、他の装置と接続され、他の装置から印刷のためのジョブデータを受信したり、他の装置へ読取部10bで読み取った画像を送信したりすることができる。
人感センサー15は、図1(b)に示すように、画像形成装置100本体の正面に設けられている。人感センサー15は、画像形成装置100に向かってくるユーザーを検知する。
開閉センサー16a,16b,16cは、図1(b)に示すように、画像形成装置100本体の内部に設けられ、原稿押さえカバー10aが載置面20に対し、どの程度開いているかを検出する。具体的には、載置面20の上辺と原稿押さえカバー10aの下辺との間の角度(以下、「開閉角度」と称す。また、図中のxは、「開閉角度」を指す。)を検出する。開閉センサー16a,16b,16cは、被検出体21が差し込まれる鉛直方向に並ぶように配列されており、各開閉センサー16a,16b,16cによる被検出体21の検出状況から原稿押さえカバー10aの開閉角度が特定される。たとえば、原稿押さえカバー10aが閉まっている場合の開閉角度は0度である。なお、図1(b)に示す画像形成装置100は、開閉センサーを3つ(開閉センサー16a,16b,16c)備えているが、開閉角度を検出できるものであれば、さらに数多くのセンサーを備えるものとしてもよい。あるいは、単一のセンサーで被検出体21の特定位置を検出することによって、開閉角度を検出するものとしてもよい。
ランプ17は、図1(b)に示すように、載置面20の下に設けられ、原稿読取り時やスキャナーの初期化処理時等に点灯する。ランプ17は、原稿に光を照射するための光源であればよく、たとえば、LED、白熱電球、蛍光灯等である。原稿押さえカバー10aが開いている場合にランプ17が点灯すると、直接、光(図1(b)に示す矢印)がユーザーの目に入るので、ユーザーは眩しいと感じてしまう。なお、ランプ17が点灯すると、原稿押さえカバー10aに反射した光等も発生するが、これは、拡散するため、直接光と比べ光量が大幅に落ち、あまり問題とはならない。
制御部18は、画像形成装置100本体の内部に設けられている。制御部18は、CPU(Central Processing Unit)18aと、ROM(Read Only Memory)18bと、RAM(Random Access Memory)18cなどを含んでいる。CPU18aは、画像形成装置100の各部の動作を総括的に制御する。ROM18bは、画像形成装置100の動作を制御する制御プログラムを格納する。RAM18cはCPU18aの作業用のメモリである。
画像形成装置100は、節電機能を備えており、原稿押さえカバー10aの開閉動作や操作パネル11aの操作など、画像形成装置100に対するユーザーの操作が一定時間、検出されない場合には、通常モードから通電を抑えた節電モードへと移行する。節電モードへと移行した後、人感センサー15によってユーザーが検知された場合に、節電モードから通常モードに復帰する処理が自動的に開始される。節電モードから通常モードに復帰する際にはスキャナー装置10の初期化処理が実行される。初期化処理では、通常モードに備えた調整を施すためにランプ17が点灯する。このため、原稿押さえカバー10aが大きく開いているにも関わらず、人感センサー15によってユーザーが検知されたことのみを条件として節電モードから通常モードへ復帰する処理を開始したのでは、ユーザーが眩しい思いをするおそれがある。
そこで、実施の形態1では、人感センサー15がユーザーを検知したときの状況に応じて、節電モードから通常モードに復帰するためにランプ17の点灯を行うか否かを決定する。具体的には、人感センサー15がユーザーを検知したときの原稿押さえカバー10aの開閉角度が所定角度以下であることを条件としてランプ17を点灯させ、節電モードから通常モードに復帰するための初期化処理を開始する。以下、図面を参照して、人感センサー15がユーザーを検知したときにランプ17を点灯させるか否かを決定する制御の詳細を説明する。なお、以下の説明において、このような制御を単に、ランプ17の点灯制御と称する。
まず、実施の形態1として、開閉角度に応じてランプ17を点灯させる制御について説明する。図3は、実施の形態1におけるランプの点灯制御の概要を示す図である。
図3は、ユーザーであるK氏が画像形成装置100に向かって歩いているところを示す。地点Pは人感センサー15がK氏を検知した地点を示す。「x=30」は、原稿押さえカバー10aの開閉角度である。また、「16度」は、ランプ17を点灯させるか否かを決定するために用いる原稿押さえカバー10aの開閉角度のしきい値である。図3の例では、原稿押さえカバー10aの開閉角度がしきい値以上の30度であるため、ランプ17は点灯しない。
図3が示すように、実施の形態1においては、人感センサー15がユーザーを検知したときの原稿押さえカバー10aの開閉角度が16度以下であれば、ランプ17が点灯する。しかしながら、しきい値となる角度は16度に限定されるものではない。しきい値は、たとえば、ユーザーの目にランプ17の光が直接に入らないものであれば、どのような角度に設定してもよい。一般に、原稿押さえカバー10aの開閉角度が大きい場合には、ユーザーの目にランプ光が入りやすくなるが、実施の形態1のような制御により、人感センサー15がユーザーを検知したときの原稿押さえカバー10aの開閉角度がしきい値を超えている場合にはランプ17が点灯しないため、ユーザーが眩しい思いをしなくてすむ。また、このような制御により、人感センサー15がユーザーを検知したときの原稿押さえカバー10aの開閉角度がしきい値以下であればランプ17が点灯し、通常モードへと復帰するための初期化処理が自動的に開始されるため、節電モードから通常モードへの復帰に伴うユーザーの待機時間を短縮することができる。
図4は、実施の形態1におけるランプの点灯処理を説明するフローチャートである。図4に示す処理はCPU18aにより実行される。
まず、CPU18aは、人感センサー15がユーザーを検知したか否かを判定する(S50)。CPU18aは、S50の判定処理を、人感センサー15がユーザーを検知したと判定するまで一定の間隔で繰り返し、人感センサー15がユーザーを検知したと判定した場合には(S50でYES)、S51へ処理を進める。たとえば、図3では、人感センサー15がK氏を地点Pにおいて検知しているので、その後の最初の判定処理において、CPU18aは、人感センサー15がユーザーを検知したと判定する。
S51では、CPU18aは、開閉センサー16a,16b,16cが検出した原稿押さえカバー10aの開閉角度を取得する。原稿押さえカバー10aの開閉角度は、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、開閉センサー16a,16b,16cにより検出される。開閉センサー16a,16b,16cは、CPU18aから原稿押さえカバー10aの開閉角度の取得要求を受信すると、検出した原稿押さえカバー10aの開閉角度をCPU18aへ送信する。たとえば、図3では、CPU18aは、原稿押さえカバー10aの開閉角度が30度であるという情報を取得する。
次いで、CPU18aは、取得した原稿押さえカバー10aの開閉角度が所定角度以下であるか否かを判定する(S52)。取得した原稿押さえカバー10aの開閉角度が所定角度以下である場合には(S52でYES)、CPU18aは、ランプ17を点灯させて(S53)、処理を終了する。一方、取得した原稿押さえカバー10aの開閉角度が所定角度以下でない場合には(S52でNO)、CPU18aは、ランプ17を点灯させることなく、処理を終了する。たとえば、図3では、所定角度が16度に設定されており、原稿押さえカバー10aの開閉角度が16度を超えているので、CPU18aは、ランプ17を点灯させることなく、処理を終了する。
CPU18aがS50~S53の処理を実行することにより、図3に示すような、人感センサー15がユーザーを検知したときの原稿押さえカバー10aの開閉角度が所定角度以下であることを条件にしてランプ17を点灯させ、節電モードから通常モードに復帰するための初期化処理を開始する制御が可能となる。
[実施の形態2]
次に、実施の形態2を説明する。実施の形態2は、人感センサー15がユーザーを検知したときのランプ17の点灯制御が実施の形態1と異なる。また、実施の形態1における人感センサー15は、画像形成装置100に向かってくるユーザーを検知するにすぎなかったのに対し、実施の形態2における人感センサー15は、ユーザーと画像形成装置100との離間距離を検出できる点で、実施の形態2は実施の形態1と異なる。その他の点では、画像形成装置100の構成を含めて、実施の形態2は実施の形態1と共通している。実施の形態1では、人感センサー15がユーザーを検知したときの原稿押さえカバー10aの開閉角度が所定角度以下であることを条件としてランプ17を点灯させ、節電モードから通常モードに復帰するための初期化処理を開始した。これに対して、実施の形態2では、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、原稿押さえカバー10aの開閉角度およびユーザーと画像形成装置100との離間距離に応じてランプ17を点灯させ、節電モードから通常モードに復帰するための初期化処理を開始する。
図5は、実施の形態2におけるランプの点灯制御の概要を示す図である。図5は、ユーザーであるK氏が画像形成装置100に向かって歩いているところを示す。地点Pは人感センサー15がK氏を検知し始めた地点を、地点QはK氏の現在地を示す。図5が示すように、地点Qと画像形成装置100との離間距離は、90センチメートルである。図5(a)が示すように、原稿押さえカバー10aの開閉角度xが12度より大きく16度以下であるときには、K氏と画像形成装置100との離間距離が70センチメートル以下になるとランプ17が点灯する。一方、図5(b)が示すように、原稿押さえカバー10aの開閉角度xが16度より大きく20度以下であるときには、K氏と画像形成装置100との離間距離が60センチメートル以下になるとランプ17が点灯する。
図5(a),図5(b)が示すように、実施の形態2においては、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、原稿押さえカバー10aの開閉角度が大きいときの方が原稿押さえカバー10aの開閉角度が小さいときよりもユーザーが画像形成装置100に近づくまでランプ17が点灯しない。一般に、原稿押さえカバー10aが大きく開いている場合には、ユーザーの目にランプ光が入りやすくなるので、そのような場合に長時間ランプ17が点灯していると、ユーザーが眩しい思いをする。しかしながら、実施の形態2のような制御により、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、原稿押さえカバー10aの開閉角度が大きいときの方が原稿押さえカバー10aの開閉角度が小さいときよりもランプ17の点灯を遅らせることができる。これにより、原稿押さえカバー10aが大きく開いている場合に、ユーザーが長時間にわたってランプ光を受ける状況を回避できるので、ユーザーが眩しい思いをしなくてすむ。また、このような制御により、原稿押さえカバー10aが大きく開いている場合でも、ユーザーが画像形成装置100に近づけばランプ17が点灯し、通常モードへと復帰するための初期化処理が自動的に開始されるため、節電モードから通常モードへの復帰に伴うユーザーの待機時間を短縮することができる。
図6は、実施の形態2におけるランプ点灯制御テーブル1を示す図である。ランプ点灯制御テーブル1はROM18bに格納される。ランプ点灯制御テーブル1には、原稿押さえカバー10aの開閉角度およびユーザーと画像形成装置100との離間距離に応じて、ランプ17の「点灯」または「消灯」が割り当てられている。開閉角度と離間距離との関係が、ランプ点灯制御テーブル1の「点灯」に対応する場合にはランプ17が点灯し、「消灯」に対応する場合にはランプ17が点灯しない。図5に示したランプの点灯制御は、CPU18aによるランプの点灯処理(図7)において、ランプ点灯制御テーブル1が参照されることで実現される。
ランプ点灯制御テーブル1では、ユーザーと画像形成装置100との離間距離が50センチメートル以下においては、原稿押さえカバー10aの開閉角度に関わらず「点灯」が割り当てられている。このような割り当てにより、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、ユーザーと画像形成装置100との離間距離が一定の距離以下(たとえば、図6では、50センチメートル以下)になると、原稿押さえカバー10aの開閉角度に関わらずランプ17が点灯し、通常モードへと復帰するための初期化処理が自動的に開始されるため、節電モードから通常モードへの復帰に伴うユーザーの待機時間を短縮することができる。
一方、ランプ点灯制御テーブル1では、ユーザーと画像形成装置100との離間距離が50センチメートルを超えている場合には、原稿押さえカバー10aの開閉角度およびユーザーと画像形成装置100との離間距離に応じて「点灯」が割り当てられている。具体的には、開閉角度が4度以下の場合には、離間距離が100センチメートル以下の場合に、開閉角度が8度以下の場合には、離間距離が90センチメートル以下の場合に、開閉角度が12度以下の場合には、離間距離が80センチメートル以下の場合に、開閉角度が16度以下の場合には、離間距離が70センチメートル以下の場合に、開閉角度が20度以下の場合には、離間距離が60センチメートル以下の場合に、「点灯」が割り当てられている。このような割り当てにより、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、原稿押さえカバー10aの開閉角度が大きいときの方が原稿押さえカバー10aの開閉角度が小さいときよりもユーザーが画像形成装置100に近づくまでランプ17が点灯しない。
一般に、原稿押さえカバー10aが大きく開いている場合には、ユーザーの目にランプ光が入りやすくなるので、そのような場合に長時間ランプ17が点灯していると、ユーザーが眩しい思いをする。しかしながら、このような割り当てにより、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、原稿押さえカバー10aの開閉角度が大きいときの方が原稿押さえカバー10aの開閉角度が小さいときよりもランプ17の点灯を遅らせることができる。これにより、原稿押さえカバー10aが大きく開いている場合に、ユーザーが長時間にわたってランプ光を受ける状況を回避できるので、ユーザーが眩しい思いをしなくてすむ。また、このような制御により、原稿押さえカバー10aが大きく開いている場合でも、ユーザーが画像形成装置100に近づけばランプ17が点灯し、通常モードへと復帰するための初期化処理が自動的に開始されるため、節電モードから通常モードへの復帰に伴うユーザーの待機時間を短縮することができる。
図7は、実施の形態2におけるランプの点灯処理を説明するフローチャートである。図7に示す処理はCPU18aにより実行される。
まず、CPU18aは、人感センサー15がユーザーを検知したか否かを判定する(S60)。CPU18aは、S60の判定処理を、人感センサー15がユーザーを検知したと判定するまで一定の間隔で繰り返し、人感センサー15がユーザーを検知したと判定した場合には(S60でYES)、S61へ処理を進める。S61では、CPU18aは、開閉センサー16a,16b,16cが検出した原稿押さえカバー10aの開閉角度を取得する。なお、S60とS61の処理は、図4に示すS50とS51の処理と同様である。
次いで、CPU18aは、人感センサー15により検出された、ユーザーと画像形成装置100との離間距離を取得する(S62)。ユーザーと画像形成装置100との離間距離は、人感センサー15により検出される。人感センサー15は、検出距離が異なる複数のセンサーを備えており、どのセンサーが稼働したかにより、ユーザーと画像形成装置100との離間距離を検出する。なお、人感センサー15はユーザーと画像形成装置100との離間距離を検出できるものであればよく、複数のセンサーを備えていなくともよい。人感センサー15は、CPU18aから離間距離の取得要求を受信すると、その時点におけるユーザーと画像形成装置100との離間距離を検出し、検出した離間距離をCPU18aへ送信する。たとえば、図5(a)では、CPU18aは、ユーザーと画像形成装置100との離間距離が90センチメートルであるという情報を取得する。
次いで、CPU18aは、ランプ点灯制御テーブルを参照して、S61で取得した原稿押さえカバー10aの開閉角度およびS62で取得したユーザーと画像形成装置100との離間距離の場合に、「点灯」が割り当てられているか否かを判定する(S63)。「点灯」が割り当てられている場合には(S63でYES)、CPU18aは、ランプ17を点灯させて(S64)、処理を終了する。一方、「消灯」が割り当てられている場合には(S63でNO)、CPU18aは、処理をS62に戻す。たとえば、ランプ点灯制御テーブル1を参照すると、原稿押さえカバー10aの開閉角度が12度より大きく16度以下の場合、かつ、ユーザーと画像形成装置100との離間距離が90センチメートルの場合には、「消灯」が割り当てられているので、CPU18aはランプ17を点灯させずに、処理をS62へ戻し、離間距離を取得し直す。図5(a)では、人感センサー15がK氏を検知した後も、K氏は画像形成装置100に向かって移動しているので、CPU18aが離間距離を取得し直すと、ユーザーと画像形成装置100との離間距離は短くなる。取得し直したユーザーと画像形成装置100との離間距離が70センチメートル以下であれば、ランプ点灯制御テーブル1を参照すると「点灯」が割り当てられているので、CPU18aはランプ17を点灯させ、処理を終了する。
CPU18aがS60~S64の処理を実行することにより、図5に示すような、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、原稿押さえカバー10aの開閉角度およびユーザーと画像形成装置100との離間距離に応じてランプ17を点灯させ、節電モードから通常モードに復帰するための初期化処理を開始する制御が可能となる。
[実施の形態3]
次に、実施の形態3を説明する。実施の形態3は、実施の形態2の変形例である。画像形成装置100の構成を含めて、実施の形態3は実施の形態2と共通している。実施の形態2では、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、原稿押さえカバー10aの開閉角度およびユーザーと画像形成装置100との離間距離に応じてランプ17を点灯させ、節電モードから通常モードに復帰するための初期化処理を開始した。実施の形態3においても、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、原稿押さえカバー10aの開閉角度およびユーザーと画像形成装置100との離間距離に応じてランプ17を点灯させ、節電モードから通常モードに復帰するための初期化処理を開始するのだが、ランプ17を点灯させる条件とする原稿押さえカバー10aの開閉角度やユーザーと画像形成装置100との離間距離を画像形成装置の高さに応じて設定する。つまり、実施の形態3では、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、原稿押さえカバー10aの開閉角度、ユーザーと画像形成装置100との離間距離、および画像形成装置の高さに応じてランプを点灯させ、節電モードから通常モードに復帰するための初期化処理を開始する。ここで、画像形成装置の高さとは、画像形成装置が設置されている床面から載置面20までの距離を指し、画像形成装置が設置台や机等の上に設置されている場合には、設置台や机等が設置されている床面から載置面20までの距離を指す。したがって、画像形成装置の高さは、筐体の大きさや、給紙カセットの段数、設置台や机の高さ等により変化する。なお、画像形成装置の高さは、必ずしも、床面から載置面20までの距離である必要はなく、床面からランプ17までの距離であってもよい。以下では、画像形成装置が設置されている床面から載置面までの距離を、「画像形成装置の高さ」と称す。
図8と図9は、実施の形態3におけるランプの点灯制御の概要を示す図である。図8は、ランプ17を点灯させる条件とするユーザーと画像形成装置100との離間距離を、画像形成装置の高さによって設定可能であることを示し、図9は、ランプ17を点灯させる条件とする原稿押さえカバー10aの開閉角度のしきい値を、画像形成装置の高さによって設定可能であることを示している。
図8は、ユーザーであるK氏が画像形成装置100に向かって歩いているところを示す。地点Pは人感センサー15がK氏を検知し始めた地点を、地点QはK氏の現在地を示す。図8が示すように、地点Qと画像形成装置100との離間距離は、90センチメートルである。また、図8が示すように、原稿押さえカバー10aの開閉角度xは、12度より大きく16度以下である。図8(a)が示すように、画像形成装置の高さが100センチメートルであるときには、ユーザーと画像形成装置100との離間距離が70センチメートル以下になるとランプ17が点灯する。一方、図8(b)が示すように、画像形成装置の高さが90センチメートルであるときには、ユーザーと画像形成装置100との離間距離が80センチメートル以下になるとランプ17が点灯する。
図8(a),図8(b)が示すように、実施の形態3においては、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、画像形成装置の高さが高いときの方が画像形成装置の高さが低いときよりもユーザーが画像形成装置100に近づくまでランプ17が点灯しない。一般に、画像形成装置の高さが高い場合には、ユーザーの目にランプ光が入りやすくなるので、そのような場合に長時間ランプ17が点灯していると、ユーザーが眩しい思いをする。しかしながら、実施の形態3のような制御により、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、画像形成装置の高さが高いときの方が画像形成装置の高さが低いときよりもランプ17の点灯を遅らせることができる。これにより、画像形成装置の高さが高い場合に、ユーザーが長時間にわたってランプ光を受ける状況を回避できるので、ユーザーが眩しい思いをしなくてすむ。また、このような制御により、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、画像形成装置の高さが高くても、ユーザーが画像形成装置100に近づけばランプ17が点灯し、通常モードへと復帰するための初期化処理が自動的に開始されるため、節電モードから通常モードへの復帰に伴うユーザーの待機時間を短縮することができる。
図9は、ユーザーであるK氏が画像形成装置100に向かって歩いているところを示す。地点Pは人感センサー15がK氏を検知し始めた地点を、地点QはK氏の現在地を示す。図9が示すように、地点Qと画像形成装置100との離間距離は、70センチメートルである。また、図9(a)に示される「16度」と図9(b)に示される「20度」は、ランプ17を点灯させるか否かを決定するために用いる原稿押さえカバー10aの開閉角度のしきい値である。図9(a)が示すように、画像形成装置の高さが100センチメートルであるときに、ランプ17が点灯するのは、原稿押さえカバー10aの開閉角度が16度以下の場合である。一方、図9(b)が示すように、画像形成装置の高さが90センチメートルの場合にランプ17が点灯するのは、原稿押さえカバー10aの開閉角度が20度以下の場合である。なお、しきい値となる角度は16度または20度に限定されるものではない。しきい値は、たとえば、ユーザーの目にランプ17の光が直接に入らないものであれば、どのような角度に設定してもよい。
図9(a),図9(b)が示すように、実施の形態3においては、画像形成装置の高さが高いときの方が画像形成装置の高さが低いときよりも、人感センサー15がユーザーを検知した場合にランプ17を点灯させるか否かを決定するために用いる原稿押さえカバー10aの開閉角度のしきい値が小さい。一般に、画像形成装置の高さが高い場合には、ユーザーの目にランプ光が入りやすくなるので、そのような場合に原稿押さえカバー10aが大きく開いていると、ユーザーが眩しい思いをする。しかしながら、実施の形態3のような制御により、画像形成装置の高さが高い場合にランプ17を点灯させても、原稿押さえカバー10aの開閉角度が小さいので、ユーザーが眩しい思いをしなくてすむ。また、このような制御により、画像形成装置の高さが高い場合でも、原稿押さえカバー10aの開閉角度が小さければランプ17が点灯し、通常モードへと復帰するための初期化処理が自動的に開始されるため、節電モードから通常モードへの復帰に伴うユーザーの待機時間を短縮することができる。
図10は、実施の形態3におけるランプ点灯制御テーブルを示す図である。図10(a)は、画像形成装置の高さが95センチメートル以上の場合に用いられるランプ点灯制御テーブル2を示し、図10(b)は、画像形成装置の高さが95センチメートル未満の場合に用いられるランプ点灯制御テーブル3を示す。これらのテーブルはROM18bに格納される。これらのテーブルには、原稿押さえカバー10aの開閉角度およびユーザーと画像形成装置100との離間距離に応じて、ランプ17の「点灯」または「消灯」が割り当てられている。開閉角度と離間距離との関係が、これらのテーブルの「点灯」に対応する場合にはランプ17が点灯し、「消灯」に対応する場合にはランプ17が点灯しない。図8や図9に示したランプの点灯制御は、CPU18aによるランプの点灯処理(図11)において、これらのテーブルが参照されることで実現される。
ランプ点灯制御テーブル2では、ユーザーと画像形成装置100との離間距離が50センチメートル以下においては、原稿押さえカバー10aの開閉角度に関わらず「点灯」が割り当てられている。一方、ユーザーと画像形成装置100との離間距離が50センチメートルを超えている場合には、原稿押さえカバー10aの開閉角度およびユーザーと画像形成装置100との離間距離に応じて「点灯」が割り当てられている。具体的には、開閉角度が4度以下の場合には、離間距離が100センチメートル以下の場合に、開閉角度が8度以下の場合には、離間距離が90センチメートル以下の場合に、開閉角度が12度以下の場合には、離間距離が80センチメートル以下の場合に、開閉角度が16度以下の場合には、離間距離が70センチメートル以下の場合に、開閉角度が20度以下の場合には、離間距離が60センチメートル以下の場合に、「点灯」が割り当てられている。
ランプ点灯制御テーブル3では、ユーザーと画像形成装置100との離間距離が60センチメートル以下においては、原稿押さえカバー10aの開閉角度に関わらず「点灯」が割り当てられている。一方、ユーザーと画像形成装置100との離間距離が60センチメートルを超えている場合には、原稿押さえカバー10aの開閉角度およびユーザーと画像形成装置100との離間距離に応じて「点灯」が割り当てられている。具体的には、開閉角度が8度以下の場合には、離間距離が100センチメートル以下の場合に、開閉角度が12度以下の場合には、離間距離が90センチメートル以下の場合に、開閉角度が16度以下の場合には、離間距離が80センチメートル以下の場合に、開閉角度が20度以下の場合には、離間距離が70センチメートル以下の場合に、「点灯」が割り当てられている。
このようなランプ点灯制御テーブル2とランプ点灯制御テーブル3による割り当てにより、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、画像形成装置の高さが高いときの方が画像形成装置の高さが低いときよりもユーザーが画像形成装置100に近づくまでランプ17が点灯しない。一般に、画像形成装置の高さが高い場合には、ユーザーの目にランプ光が入りやすくなるので、そのような場合に長時間ランプ17が点灯していると、ユーザーが眩しい思いをする。しかしながら、このような割り当てにより、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、画像形成装置の高さが高いときの方が画像形成装置の高さが低いときよりもランプ17の点灯を遅らせることができる。これにより、画像形成装置の高さが高い場合に、ユーザーが長時間にわたってランプ光を受ける状況を回避できるので、ユーザーが眩しい思いをしなくてすむ。また、このような制御により、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、画像形成装置の高さが高くても、ユーザーが画像形成装置100に近づけばランプ17が点灯し、通常モードへと復帰するための初期化処理が自動的に開始されるため、節電モードから通常モードへの復帰に伴うユーザーの待機時間を短縮することができる。
また、このようなランプ点灯制御テーブル2とランプ点灯制御テーブル3による割り当てにより、画像形成装置の高さが高いときの方が画像形成装置の高さが低いときよりも、人感センサー15がユーザーを検知した場合にランプ17を点灯させるか否かを決定するために用いる原稿押さえカバー10aの開閉角度のしきい値が小さい。一般に、画像形成装置の高さが高い場合には、ユーザーの目にランプ光が入りやすくなるので、そのような場合に原稿押さえカバー10aが大きく開いていると、ユーザーが眩しい思いをする。しかしながら、このような割り当てにより、画像形成装置の高さが高い場合にランプ17を点灯させても、原稿押さえカバー10aの開閉角度が小さいので、ユーザーが眩しい思いをしなくてすむ。また、このような制御により、画像形成装置の高さが高い場合でも、原稿押さえカバー10aの開閉角度が小さければランプ17が点灯し、通常モードへと復帰するための初期化処理が自動的に開始されるため、節電モードから通常モードへの復帰に伴うユーザーの待機時間を短縮することができる。
また、このようなランプ点灯制御テーブル2とランプ点灯制御テーブル3による割り当てにより、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、ユーザーと画像形成装置100との離間距離が一定の距離以下(たとえば、図10(a)では50センチメートル以下、図10(b)では60センチメートル以下)になると、原稿押さえカバー10aの開閉角度に関わらずランプ17が点灯し、通常モードへと復帰するための初期化処理が自動的に開始されるため、節電モードから通常モードへの復帰に伴うユーザーの待機時間を短縮することができる。
また、このようなランプ点灯制御テーブル2とランプ点灯制御テーブル3による割り当てにより、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、原稿押さえカバー10aの開閉角度が大きいときの方が原稿押さえカバー10aの開閉角度が小さいときよりもユーザーが画像形成装置100に近づくまでランプ17が点灯しない。一般に、原稿押さえカバー10aが大きく開いている場合には、ユーザーの目にランプ光が入りやすくなるので、そのような場合に長時間ランプ17が点灯していると、ユーザーが眩しい思いをする。しかしながら、このような割り当てにより、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、原稿押さえカバー10aの開閉角度が大きいときの方が原稿押さえカバー10aの開閉角度が小さいときよりもランプ17の点灯を遅らせることができる。これにより、原稿押さえカバー10aが大きく開いている場合に、ユーザーが長時間にわたってランプ光を受ける状況を回避できるので、ユーザーが眩しい思いをしなくてすむ。また、このような割り当てにより、原稿押さえカバー10aが大きく開いている場合でも、ユーザーが画像形成装置100に近づけばランプ17が点灯し、通常モードへと復帰するための初期化処理が自動的に開始されるため、節電モードから通常モードへの復帰に伴うユーザーの待機時間を短縮することができる。
図11は、実施の形態3におけるランプの点灯処理を説明するフローチャートである。図11に示す処理はCPU18aにより実行される。図11に示す処理のうちS71以外の処理は、図7に示すS60~S64の処理と同様のため、説明を省略する。
CPU18aは、S71の処理を、図7に示すS60の処理とS61の処理との間に行う。S71では、CPU18aは、設定されている画像形成装置の高さから、該当のランプ点灯制御テーブルを選択する。設定されている画像形成装置の高さとは、ユーザーによって画像形成装置100に予め設定される、画像形成装置の高さであり、ユーザーは、画像形成装置の高さを操作パネル11aから設定する。たとえば、ユーザーが画像形成装置の高さを90センチメートルと設定していた場合には、CPU18aは、図10(b)に示すランプ点灯制御テーブル3を選択する。
CPU18aがS70~S75の処理を実行することにより、図8や図9に示すような、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、原稿押さえカバー10aの開閉角度、ユーザーと画像形成装置100との離間距離、および画像形成装置の高さに応じてランプを点灯させ、節電モードから通常モードに復帰するための初期化処理を開始する制御が可能となる。
なお、CPU18aは、S72の処理後、S73の処理を行わずにS74に移行してもよい。S74においてYESの場合には、CPU18aは、ランプ17を点灯させ、S74においてNOの場合には、CPU18aは、ランプ17を点灯させることなく処理を終了する。このような処理により、ユーザーと画像形成装置100との離間距離に関わらず、原稿押さえカバー10aの開閉角度と画像形成装置の高さに応じてランプを点灯させる制御が可能となる。
[実施の形態4]
次に、実施の形態4を説明する。実施の形態4は、実施の形態2の変形例である。画像形成装置100の構成を含めて、実施の形態4は実施の形態2と共通している。実施の形態2では、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、原稿押さえカバー10aの開閉角度およびユーザーと画像形成装置100との離間距離に応じてランプ17を点灯させ、節電モードから通常モードに復帰するための初期化処理を開始した。実施の形態4においても、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、原稿押さえカバー10aの開閉角度およびユーザーと画像形成装置100との離間距離に応じてランプ17を点灯させ、節電モードから通常モードに復帰するための初期化処理を開始するのだが、ランプ17を点灯させる条件とする原稿押さえカバー10aの開閉角度やユーザーと画像形成装置100との離間距離をユーザーの身長に応じて設定する。つまり、実施の形態4では、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、原稿押さえカバー10aの開閉角度、ユーザーと画像形成装置100との離間距離、およびユーザーの身長に応じてランプを点灯させ、節電モードから通常モードに復帰するための初期化処理を開始する。ここで、ユーザーの身長とは、画像形成装置100を使用するユーザーの身長を指し、画像形成装置100を使用するユーザーが複数名の場合には、そのユーザーの平均身長でもよい。以下、画像形成装置100を使用するユーザーの身長を「ユーザーの身長」と称す。
図12と図13は、実施の形態4におけるランプの点灯制御の概要を示す図である。図12は、ランプ17を点灯させる条件とするユーザーと画像形成装置100との離間距離を、ユーザーの身長によって設定可能であることを示し、図13は、ランプ17を点灯させる条件とする原稿押さえカバー10aの開閉角度のしきい値を、ユーザーの身長によって設定可能であることを示している。
図12は、ユーザーであるK氏が画像形成装置100に向かって歩いているところを示す。地点Pは人感センサー15がK氏を検知し始めた地点を、地点QはK氏の現在地を示す。図12が示すように、地点Qと画像形成装置100との離間距離は、90センチメートルである。また、図12が示すように、原稿押さえカバー10aの開閉角度xは、12度より大きく16度以下である。図12(a)が示すように、ユーザーの身長が160センチメートルであるときには、ユーザーと画像形成装置100との離間距離が70センチメートル以下になるとランプ17が点灯する。一方、図12(b)が示すように、ユーザーの身長が170センチメートルであるときには、ユーザーと画像形成装置100との離間距離が80センチメートル以下になるとランプ17が点灯する。
図12(a),図12(b)が示すように、実施の形態4においては、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、ユーザーの身長が低いときの方がユーザーの身長が高いときよりもユーザーが画像形成装置100に近づくまでランプ17が点灯しない。一般に、ユーザーの身長が低い場合には、ユーザーの目にランプ光が入りやすくなるので、そのような場合に長時間ランプ17が点灯していると、ユーザーが眩しい思いをする。しかしながら、実施の形態4のような制御により、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、ユーザーの身長が低いときの方がユーザーの身長が高いときよりもランプ17の点灯を遅らせることができる。これにより、ユーザーの身長が低い場合に、ユーザーが長時間にわたってランプ光を受ける状況を回避できるので、ユーザーが眩しい思いをしなくてすむ。また、このような制御により、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、ユーザーの身長が低くても、ユーザーが画像形成装置100に近づけばランプ17が点灯し、通常モードへと復帰するための初期化処理が自動的に開始されるため、節電モードから通常モードへの復帰に伴うユーザーの待機時間を短縮することができる。
図13は、ユーザーであるK氏が画像形成装置100に向かって歩いているところを示す。地点Pは人感センサー15がK氏を検知し始めた地点を、地点QはK氏の現在地を示す。図13が示すように、地点Qと画像形成装置100との離間距離は、70センチメートルである。また、図13(a)に示される「16度」と図13(b)に示される「20度」は、ランプ17を点灯させるか否かを決定するために用いる原稿押さえカバー10aの開閉角度のしきい値である。図13(a)が示すように、ユーザーの身長が160センチメートルであるときに、ランプ17が点灯するのは、原稿押さえカバー10aの開閉角度が16度以下の場合である。一方、図13(b)が示すように、ユーザーの身長が170センチメートルの場合にランプ17が点灯するのは、原稿押さえカバー10aの開閉角度が20度以下の場合である。なお、しきい値となる角度は16度または20度に限定されるものではない。しきい値は、たとえば、ユーザーの目にランプ17の光が直接に入らないものであれば、どのような角度に設定してもよい。
図13(a),図13(b)が示すように、実施の形態4においては、ユーザーの身長が低いときの方がユーザーの身長が高いときよりも、人感センサー15がユーザーを検知した場合にランプ17を点灯させるか否かを決定するために用いる原稿押さえカバー10aの開閉角度のしきい値が小さい。一般に、ユーザーの身長が低い場合には、ユーザーの目にランプ光が入りやすくなるので、そのような場合に原稿押さえカバー10aが大きく開いていると、ユーザーが眩しい思いをする。しかしながら、実施の形態4のような制御により、ユーザーの身長が低い場合にランプ17を点灯させても、原稿押さえカバー10aの開閉角度が小さいので、ユーザーが眩しい思いをしなくてすむ。また、このような制御により、ユーザーの身長が低い場合でも、原稿押さえカバー10aの開閉角度が小さければランプ17が点灯し、通常モードへと復帰するための初期化処理が自動的に開始されるため、節電モードから通常モードへの復帰に伴うユーザーの待機時間を短縮することができる。
図14は、実施の形態4におけるランプ点灯制御テーブルを示す図である。図14(a)は、ユーザーの身長が165センチメートル未満の場合に用いられるランプ点灯制御テーブル4を示し、図14(b)は、ユーザーの身長が165センチメートル以上の場合に用いられるランプ点灯制御テーブル5を示す。これらのテーブルはROM18bに格納される。これらのテーブルには、原稿押さえカバー10aの開閉角度およびユーザーと画像形成装置100との離間距離に応じて、ランプ17の「点灯」または「消灯」が割り当てられている。開閉角度と離間距離との関係が、これらのテーブルの「点灯」に対応する場合にはランプ17が点灯し、「消灯」に対応する場合にはランプ17が点灯しない。図12や図13に示したランプの点灯制御は、CPU18aによるランプの点灯処理(図15)において、これらのテーブルが参照されることで実現される。
ランプ点灯制御テーブル4では、ユーザーと画像形成装置100との離間距離が50センチメートル以下においては、原稿押さえカバー10aの開閉角度に関わらず「点灯」が割り当てられている。一方、ユーザーと画像形成装置100との離間距離が50センチメートルを超えている場合には、原稿押さえカバー10aの開閉角度およびユーザーと画像形成装置100との離間距離に応じて「点灯」が割り当てられている。具体的には、開閉角度が4度以下の場合には、離間距離が100センチメートル以下の場合に、開閉角度が8度以下の場合には、離間距離が90センチメートル以下の場合に、開閉角度が12度以下の場合には、離間距離が80センチメートル以下の場合に、開閉角度が16度以下の場合には、離間距離が70センチメートル以下の場合に、開閉角度が20度以下の場合には、離間距離が60センチメートル以下の場合に、「点灯」が割り当てられている。
ランプ点灯制御テーブル5では、ユーザーと画像形成装置100との離間距離が60センチメートル以下においては、原稿押さえカバー10aの開閉角度に関わらず「点灯」が割り当てられている。一方、ユーザーと画像形成装置100との離間距離が60センチメートルを超えている場合には、原稿押さえカバー10aの開閉角度およびユーザーと画像形成装置100との離間距離に応じて「点灯」が割り当てられている。具体的には、開閉角度が8度以下の場合には、離間距離が100センチメートル以下の場合に、開閉角度が12度以下の場合には、離間距離が90センチメートル以下の場合に、開閉角度が16度以下の場合には、離間距離が80センチメートル以下の場合に、開閉角度が20度以下の場合には、離間距離が70センチメートル以下の場合に、「点灯」が割り当てられている。
このようなランプ点灯制御テーブル4とランプ点灯制御テーブル5による割り当てにより、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、ユーザーの身長が低いときの方がユーザーの身長が高いときよりもユーザーが画像形成装置100に近づくまでランプ17が点灯しない。一般に、ユーザーの身長が低い場合には、ユーザーの目にランプ光が入りやすくなるので、そのような場合に長時間ランプ17が点灯していると、ユーザーが眩しい思いをする。しかしながら、このような割り当てにより、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、ユーザーの身長が低いときの方がユーザーの身長が高いときよりもランプ17の点灯を遅らせることができる。これにより、ユーザーの身長が低い場合に、ユーザーが長時間にわたってランプ光を受ける状況を回避できるので、ユーザーが眩しい思いをしなくてすむ。また、このような制御により、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、ユーザーの身長が低くても、ユーザーが画像形成装置100に近づけばランプ17が点灯し、通常モードへと復帰するための初期化処理が自動的に開始されるため、節電モードから通常モードへの復帰に伴うユーザーの待機時間を短縮することができる。
また、このようなランプ点灯制御テーブル4とランプ点灯制御テーブル5による割り当てにより、ユーザーの身長が低いときの方がユーザーの身長が高いときよりも、人感センサー15がユーザーを検知した場合にランプ17を点灯させるか否かを決定するために用いる原稿押さえカバー10aの開閉角度のしきい値が小さい。一般に、ユーザーの身長が低い場合には、ユーザーの目にランプ光が入りやすくなるので、そのような場合に原稿押さえカバー10aが大きく開いていると、ユーザーが眩しい思いをする。しかしながら、このような割り当てにより、ユーザーの身長が低い場合にランプ17を点灯させても、原稿押さえカバー10aの開閉角度が小さいので、ユーザーが眩しい思いをしなくてすむ。また、このような制御により、ユーザーの身長が低い場合でも、原稿押さえカバー10aの開閉角度が小さければランプ17が点灯し、通常モードへと復帰するための初期化処理が自動的に開始されるため、節電モードから通常モードへの復帰に伴うユーザーの待機時間を短縮することができる。
また、このようなランプ点灯制御テーブル4とランプ点灯制御テーブル5による割り当てにより、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、ユーザーと画像形成装置100との離間距離が一定の距離以下(たとえば、図14(a)では50センチメートル以下、図14(b)では60センチメートル以下)になると、原稿押さえカバー10aの開閉角度に関わらずランプ17が点灯し、通常モードへと復帰するための初期化処理が自動的に開始されるため、節電モードから通常モードへの復帰に伴うユーザーの待機時間を短縮することができる。
また、このようなランプ点灯制御テーブル4とランプ点灯制御テーブル5による割り当てにより、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、原稿押さえカバー10aの開閉角度が大きいときの方が原稿押さえカバー10aの開閉角度が小さいときよりもユーザーが画像形成装置100に近づくまでランプ17が点灯しない。一般に、原稿押さえカバー10aが大きく開いている場合には、ユーザーの目にランプ光が入りやすくなるので、そのような場合に長時間ランプ17が点灯していると、ユーザーが眩しい思いをする。しかしながら、このような割り当てにより、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、原稿押さえカバー10aの開閉角度が大きいときの方が原稿押さえカバー10aの開閉角度が小さいときよりもランプ17の点灯を遅らせることができる。これにより、原稿押さえカバー10aが大きく開いている場合に、ユーザーが長時間にわたってランプ光を受ける状況を回避できるので、ユーザーが眩しい思いをしなくてすむ。また、このような割り当てにより、原稿押さえカバー10aが大きく開いている場合でも、ユーザーが画像形成装置100に近づけばランプ17が点灯し、通常モードへと復帰するための初期化処理が自動的に開始されるため、節電モードから通常モードへの復帰に伴うユーザーの待機時間を短縮することができる。
図15は、実施の形態4におけるランプの点灯処理を説明するフローチャートである。図15に示す処理はCPU18aにより実行される。図15に示す処理のうちS81以外の処理は、図7に示すS60~S64の処理と同様のため、説明を省略する。
CPU18aは、S81の処理を、図7に示すS60の処理とS61の処理との間に行う。S81では、CPU18aは、設定されているユーザーの身長から、該当のランプ点灯制御テーブルを選択する。設定されているユーザーの身長とは、ユーザーによって操作パネル11aから予め設定されるユーザーの身長である。たとえば、ユーザーがユーザーの身長を170センチメートルと設定していた場合には、CPU18aは、図14(b)に示すランプ点灯制御テーブル5を選択する。
CPU18aがS80~S85の処理を実行することにより、図12や図13に示すような、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、原稿押さえカバー10aの開閉角度、ユーザーと画像形成装置100との離間距離、およびユーザーの身長に応じてランプを点灯させ、節電モードから通常モードに復帰するための初期化処理を開始する制御が可能となる。
なお、CPU18aは、S82の処理後、S83の処理を行わずにS84に移行してもよい。S84においてYESの場合には、CPU18aは、ランプ17を点灯させ、S84においてNOの場合には、CPU18aは、ランプ17を点灯させることなく処理を終了する。このような処理により、ユーザーと画像形成装置100との離間距離に関わらず、原稿押さえカバー10aの開閉角度とユーザーの身長に応じてランプを点灯させる制御が可能となる。
[実施の形態5]
次に、実施の形態5を説明する。実施の形態5は、人感センサー15がユーザーを検知したときのランプ17の点灯制御が実施の形態1と異なる。その他の点では、画像形成装置100の構成を含めて、実施の形態5は実施の形態1と共通している。実施の形態1では、人感センサー15がユーザーを検知したときの原稿押さえカバー10aの開閉角度が所定角度以下であることを条件としてランプ17を点灯させ、節電モードから通常モードに復帰するための初期化処理を開始した。これに対して、実施の形態5では、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、原稿押さえカバー10aの開閉角度に応じた所定時間が経過した後にランプ17を点灯させ、節電モードから通常モードに復帰するための初期化処理を開始する。
図16は、実施の形態5におけるランプの点灯制御の概要を示す図である。図16は、ユーザーであるK氏が画像形成装置100に向かって歩いているところを示す。地点Qは人感センサー15がK氏を検知した地点を示す。また、図16(a)に示される「2.0秒後に点灯」は、人感センサー15がユーザーを検知してから2.0秒後にランプ17が点灯することを示し、図16(b)に示される「2.5秒後に点灯」は、人感センサー15がユーザーを検知してから2.5秒後にランプ17が点灯することを示す。図16(a)が示すように、原稿押さえカバー10aの開閉角度xが12度より大きく16度以下であるときには、人感センサー15がユーザーを検知してから2.0秒後にランプ17が点灯する。一方、図16(b)が示すように、原稿押さえカバー10aの開閉角度xが16度より大きく20度以下であるときには、人感センサー15がユーザーを検知してから2.5秒後にランプ17が点灯する。なお、人感センサー15がユーザーを検知してからランプ17が点灯するまでの時間は、ユーザーと画像形成装置100との離間距離およびユーザーの歩く速さによって設定されればよく、2.0秒や2.5秒に限定されるものではない。
図16(a),図16(b)が示すように、実施の形態5においては、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、原稿押さえカバー10aの開閉角度が大きいときの方が原稿押さえカバー10aの開閉角度が小さいときよりも、人感センサー15がユーザーを検知してからランプ17が点灯するまでの時間が長い。一般に、原稿押さえカバー10aが大きく開いている場合には、ユーザーの目にランプ光が入りやすくなるので、そのような場合に長時間ランプ17が点灯していると、ユーザーが眩しい思いをする。しかしながら、実施の形態5のような制御により、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、原稿押さえカバー10aの開閉角度が大きいときの方が原稿押さえカバー10aの開閉角度が小さいときよりもランプ17の点灯を遅らせることができる。これにより、原稿押さえカバー10aが大きく開いている場合に、ユーザーが長時間にわたってランプ光を受ける状況を回避できるので、ユーザーが眩しい思いをしなくてすむ。また、このような制御により、原稿押さえカバー10aが大きく開いている場合でも、所定時間が経過すればランプ17が点灯し、通常モードへと復帰するための初期化処理が自動的に開始されるため、節電モードから通常モードへの復帰に伴うユーザーの待機時間を短縮することができる。
図17は、実施の形態5におけるランプ点灯制御テーブル6を示す図である。ランプ点灯制御テーブル6はROM18bに格納される。ランプ点灯制御テーブル6には、原稿押さえカバー10aの開閉角度に応じて、「時間」が割り当てられている。「時間」は、人感センサー15がユーザーを検知してからランプ17が点灯するまでの時間を示す。図16に示したランプの点灯制御は、CPU18aによるランプの点灯処理(図18)において、ランプ点灯制御テーブル6が参照されることで実現される。
ランプ点灯制御テーブル6では、開閉角度が大きいほど、長い時間が割り当てられている。このような割り当てにより、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、原稿押さえカバー10aの開閉角度が大きいときの方が原稿押さえカバー10aの開閉角度が小さいときよりも、人感センサー15がユーザーを検知してからランプ17が点灯するまでの時間が長い。一般に、原稿押さえカバー10aが大きく開いている場合には、ユーザーの目にランプ光が入りやすくなるので、そのような場合に長時間ランプ17が点灯していると、ユーザーが眩しい思いをする。しかしながら、このような割り当てにより、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、原稿押さえカバー10aの開閉角度が大きいときの方が原稿押さえカバー10aの開閉角度が小さいときよりもランプ17の点灯を遅らせることができる。これにより、原稿押さえカバー10aが大きく開いている場合に、ユーザーが長時間にわたってランプ光を受ける状況を回避できるので、ユーザーが眩しい思いをしなくてすむ。また、このような制御により、原稿押さえカバー10aが大きく開いている場合でも、所定時間が経過すればランプ17が点灯し、通常モードへと復帰するための初期化処理が自動的に開始されるため、節電モードから通常モードへの復帰に伴うユーザーの待機時間を短縮することができる。
図18は、実施の形態5におけるランプの点灯処理を説明するフローチャートである。図18に示す処理はCPU18aにより実行される。
まず、CPU18aは、人感センサー15がユーザーを検知したか否かを判定する(S90)。CPU18aは、S90の判定処理を、人感センサー15がユーザーを検知したと判定するまで一定の間隔で繰り返し、人感センサー15がユーザーを検知したと判定した場合には(S90でYES)、S91へ処理を進める。S91では、CPU18aは、開閉センサー16a,16b,16cが検出した原稿押さえカバー10aの開閉角度を取得する。なお、S90とS91の処理は、図4に示すS50とS51の処理と同様である。
次いで、CPU18aは、ランプ点灯制御テーブルにおいて設定されている時間をタイマーに設定する(S92)。たとえば、S91で取得した原稿押さえカバー10aの開閉角度が12度より大きく16度以下の場合であれば、CPU18aは、タイマーに2.0秒と設定する。
次いで、CPU18aは、設定した時間が経過したか否かを判定する(S93)。設定した時間が経過した場合には(S93でYES)、CPU18aは、ランプ17を点灯させて(S94)、処理を終了する。一方、設定した時間がまだ経過していない場合には(S93でNO)、CPU18aは、設定した時間が経過するまでS93の処理を繰返す。たとえば、S92でタイマーに設定した2.0秒がまだ経過していない場合には、CPU18aは、ランプ17を点灯させることなく、2.0秒が経過したか否かの判定を繰り返し、2.0秒が経過したと判定した場合には、ランプ17を点灯させ、処理を終了する。
CPU18aがS90~S94の処理を実行することにより、図16に示すような、人感センサー15がユーザーを検知した場合に、原稿押さえカバー10aの開閉角度に応じた所定時間が経過した後にランプ17を点灯させ、節電モードから通常モードに復帰するための初期化処理を開始する制御が可能となる。
[実施の形態6]
次に、実施の形態6を説明する。実施の形態6は、人感センサー15がユーザーを検知したときのランプ17の点灯制御が実施の形態1と異なる。また、実施の形態1における人感センサー15は、画像形成装置100に向かってくるユーザーを検知するにすぎなかったのに対し、実施の形態6における人感センサー15は、高さ方向に分割された複数の検知エリア別にユーザーの顔を検知可能である点で、実施の形態6は実施の形態1と異なる。その他の点では、画像形成装置100の構成を含めて、実施の形態6は実施の形態1と共通している。実施の形態1では、人感センサー15がユーザーを検知したときの原稿押さえカバー10aの開閉角度が所定角度以下であることを条件としてランプ17を点灯させ、節電モードから通常モードに復帰するための初期化処理を開始した。これに対して、実施の形態6では、人感センサー15がユーザーを検知したときの原稿押さえカバー10aの開閉角度が、ユーザーの顔が検知されたエリアに対応して定めた角度以下であれば、ランプ17を点灯させ、節電モードから通常モードに復帰するための初期化処理を開始する。
図19は、実施の形態6におけるランプの点灯制御の概要を示す図である。図19は、ユーザーであるK氏が画像形成装置100に向かって歩いているところを示す。地点Pは人感センサー15がK氏を検知し始めた地点を、地点Q,地点RはK氏の現在地を示す。また、図19に示される「エリア1」,「エリア2」,「エリア3」は、人感センサー15がユーザーの顔を検知可能なエリアであり、高さ方向に分割されている。エリア1は最も上方、かつ画像形成装置100に最も近いエリアであり、エリア3は最も下方、かつ画像形成装置100に最も遠いエリアであり、エリア2はエリア1とエリア3の間のエリアである。また、図19に示される「点灯」は、そのエリアでユーザーの顔が検知された場合にランプ17が点灯することを示し、図19に示される「消灯」は、そのエリアでユーザーの顔が検知された場合でもランプ17が点灯しないことを示す。図19(a)が示すように、原稿押さえカバー10aの開閉角度xが12度より大きく16度以下であるときには、人感センサー15によりK氏の顔がエリア1またはエリア2において検知された場合にランプ17が点灯する。図19(a)では、現在、K氏の顔がエリア3で検知されているためランプ17は点灯せず、K氏が画像形成装置100に近づいていき、K氏の顔がエリア1またはエリア2において検知された場合にランプ17が点灯する。一方、図19(b)が示すように、原稿押さえカバー10aの開閉角度xが16度より大きく20度以下であるときには、人感センサー15によりK氏の顔がエリア1において検知された場合にランプ17が点灯する。図19(b)では、現在、K氏の顔がエリア2で検知されているためランプ17は点灯せず、K氏が画像形成装置100に近づいていき、K氏の顔がエリア1において検知された場合にランプ17が点灯する。なお、人感センサー15がユーザーの顔を検知可能なエリアは、ユーザーと画像形成装置100との離間距離を判別できるものであればよく、「エリア1」,「エリア2」,「エリア3」の3つに限定されるものではない。
図19(a),図19(b)が示すように、実施の形態6においては、人感センサー15がユーザーの顔を検知した場合に、原稿押さえカバー10aの開閉角度が大きいときの方が原稿押さえカバー10aの開閉角度が小さいときよりも、ユーザーの顔が画像形成装置100に近いエリアで検知されるまでランプ17が点灯しない。一般に、原稿押さえカバー10aが大きく開いている場合には、ユーザーの目にランプ光が入りやすくなるので、そのような場合に長時間ランプ17が点灯していると、ユーザーが眩しい思いをする。しかしながら、実施の形態6のような制御により、人感センサー15がユーザーの顔を検知した場合に、原稿押さえカバー10aの開閉角度が大きいときの方が原稿押さえカバー10aの開閉角度が小さいときよりもランプ17の点灯を遅らせることができる。これにより、原稿押さえカバー10aが大きく開いている場合に、ユーザーが長時間にわたってランプ光を受ける状況を回避できるので、ユーザーが眩しい思いをしなくてすむ。また、このような制御により、原稿押さえカバー10aが大きく開いている場合でも、ユーザーが画像形成装置100に近づけばランプ17が点灯し、通常モードへと復帰するための初期化処理が自動的に開始されるため、節電モードから通常モードへの復帰に伴うユーザーの待機時間を短縮することができる。
図20は、実施の形態6におけるランプ点灯制御テーブル7を示す図である。ランプ点灯制御テーブル7はROM18bに格納される。ランプ点灯制御テーブル7には、原稿押さえカバー10aの開閉角度およびユーザーの顔を検知するエリアに応じて、ランプ17の「点灯」または「消灯」が割り当てられている。開閉角度とユーザーの顔を検知するエリアとの関係が、ランプ点灯制御テーブル7の「点灯」に対応する場合にはランプ17が点灯し、「消灯」に対応する場合にはランプ17が点灯しない。図19に示したランプの点灯制御は、CPU18aによるランプの点灯処理(図21)において、ランプ点灯制御テーブル7が参照されることで実現される。
ランプ点灯制御テーブル7では、エリア1においては、開閉角度が20度以下の場合に、エリア2においては、開閉角度が16度以下の場合に、エリア3においては、開閉角度が12度以下の場合に、「点灯」が割り当てられている。このような割り当てにより、人感センサー15がユーザーの顔を検知した場合に、原稿押さえカバー10aの開閉角度が大きいときの方が原稿押さえカバー10aの開閉角度が小さいときよりも、ユーザーの顔が画像形成装置100に近いエリアで検知されるまでランプ17が点灯しない。一般に、原稿押さえカバー10aが大きく開いている場合には、ユーザーの目にランプ光が入りやすくなるので、そのような場合に長時間ランプ17が点灯していると、ユーザーが眩しい思いをする。しかしながら、このような割り当てにより、人感センサー15がユーザーの顔を検知した場合に、原稿押さえカバー10aの開閉角度が大きいときの方が原稿押さえカバー10aの開閉角度が小さいときよりもランプ17の点灯を遅らせることができる。これにより、原稿押さえカバー10aが大きく開いている場合に、ユーザーが長時間にわたってランプ光を受ける状況を回避できるので、ユーザーが眩しい思いをしなくてすむ。また、このような制御により、原稿押さえカバー10aが大きく開いている場合でも、ユーザーが画像形成装置100に近づけばランプ17が点灯し、通常モードへと復帰するための初期化処理が自動的に開始されるため、節電モードから通常モードへの復帰に伴うユーザーの待機時間を短縮することができる。
図21は、実施の形態6におけるランプの点灯処理を説明するフローチャートである。図21に示す処理はCPU18aにより実行される。
まず、CPU18aは、人感センサー15がユーザーを検知したか否かを判定する(S100)。CPU18aは、S100の判定処理を、人感センサー15がユーザーを検知したと判定するまで一定の間隔で繰り返し、人感センサー15がユーザーを検知したと判定した場合には(S100でYES)、S101へ処理を進める。S101では、CPU18aは、開閉センサー16a,16b,16cが検出した原稿押さえカバー10aの開閉角度を取得する。なお、S100とS101の処理は、図4に示すS50とS51の処理と同様である。
次いで、CPU18aは、ランプ点灯制御テーブルを参照して、取得した原稿押さえカバー10aの開閉角度からランプを点灯させるエリアを選択する(S102)。たとえば、S101で取得した原稿押さえカバー10aの開閉角度が15度であれば、CPU18aは、エリア1とエリア2を選択する。
次いで、CPU18aは、選択したエリアでユーザーの顔を検知したか否かを判定する(S103)。選択したエリアでユーザーの顔を検知した場合には(S103でYES)、CPU18aは、ランプ17を点灯させて(S104)、処理を終了する。一方、選択したエリアでユーザーの顔を検知していない場合には(S103でNO)、CPU18aは、選択したエリアでユーザーの顔を検知するまでS103の処理を繰返す。たとえば、CPU18aは、S102で選択したエリア1またはエリア2においてユーザーの顔を検知していない場合には、ランプ17を点灯させることなく、エリア1またはエリア2においてユーザーの顔を検知したか否かの判定を繰り返し、エリア1またはエリア2においてユーザーの顔を検知したと判定した場合には、ランプ17を点灯させ、処理を終了する。
CPU18aがS100~S104の処理を実行することにより、図19に示すような、人感センサー15がユーザーを検知したときの原稿押さえカバー10aの開閉角度が、ユーザーの顔が検知されたエリアに対応して定めた角度以下であれば、ランプ17を点灯させ、節電モードから通常モードに復帰するための初期化処理を開始する制御が可能となる。
[実施の形態7]
次に、実施の形態7を説明する。実施の形態7は、人感センサー15がユーザーを検知したときのランプ17の点灯制御が実施の形態1と異なる。その他の点では、画像形成装置100の構成を含めて、実施の形態7は実施の形態1と共通している。実施の形態1では、人感センサー15がユーザーを検知したときの原稿押さえカバー10aの開閉角度が所定角度以下であることを条件としてランプ17を点灯させ、節電モードから通常モードに復帰するための初期化処理を開始した。これに対して、実施の形態7では、人感センサー15がユーザーを検知したときの原稿押さえカバー10aの開閉角度が所定角度以下の場合、または、所定角度を超えている場合であっても載置面20に原稿が置かれている場合であれば、ランプ17を点灯させ、節電モードから通常モードに復帰するための初期化処理を開始する。
図22は、実施の形態7におけるランプの点灯処理を説明するフローチャートである。図22に示す処理はCPU18aにより実行される。
まず、CPU18aは、人感センサー15がユーザーを検知したか否かを判定する(S110)。CPU18aは、S110の判定処理を、人感センサー15がユーザーを検知したと判定するまで一定の間隔で繰り返し、人感センサー15がユーザーを検知したと判定した場合には(S110でYES)、S111へ処理を進める。S111では、CPU18aは、開閉センサー16a,16b,16cが検出した原稿押さえカバー10aの開閉角度を取得する。なお、S110とS111の処理は、図4に示すS50とS51の処理と同様である。
次いで、CPU18aは、取得した原稿押さえカバー10aの開閉角度が所定角度以下であるか否かを判定する(S112)。ここで、所定角度とは、ランプ17を点灯させるか否かを決定するために用いる原稿押さえカバー10aの開閉角度のしきい値となるものであり、ユーザーの目にランプ17の光が直接に入らないものであれば、どのような角度に設定してもよい。取得した原稿押さえカバー10aの開閉角度が所定角度以下である場合には(S112でYES)、CPU18aは、ランプ17を点灯させて(S113)、処理を終了する。一方、取得した原稿押さえカバー10aの開閉角度が所定角度以下でない場合には(S112でNO)、CPU18aは、S114へ移行する。
S114では、CPU18aは、載置面20に原稿が置かれているか否かを判定する。原稿が置かれている場合には(S114でYES)、CPU18aは、ランプ17を点灯させ(S113)、処理を終了する。一方、原稿が置かれていない場合には(S114でNO)、CPU18aは、ランプ17を点灯させることなく処理を終了する。
図22が示すように、実施の形態7では、人感センサー15がユーザーを検知したときの原稿押さえカバー10aの開閉角度が所定角度以下の場合(S112でYES)に加え、所定角度を超えている場合であっても載置面20に原稿が置かれている場合(S114でYES)であれば、ランプ17を点灯させ、節電モードから通常モードに復帰するための初期化処理を開始する。一般に、原稿押さえカバー10aが大きく開いている場合には、ユーザーの目にランプ光が入りやすくなる。しかしながら、実施の形態7のような制御により、人感センサー15がユーザーを検知したときの原稿押さえカバー10aの開閉角度が所定角度を超えている場合にランプ17を点灯させても、ランプ光が原稿によって遮られるので、ユーザーが眩しい思いをしなくてすむ。また、このような制御により、人感センサー15がユーザーを検知したときの原稿押さえカバー10aの開閉角度が所定角度以下の場合、または、所定角度を超えている場合であっても載置面20に原稿が置かれている場合であればランプ17が点灯し、通常モードへと復帰するための初期化処理が自動的に開始されるため、節電モードから通常モードへの復帰に伴うユーザーの待機時間を短縮することができる。
CPU18aがS110~S114の処理を実行することにより、人感センサー15がユーザーを検知したときの原稿押さえカバー10aの開閉角度が所定角度以下の場合、または、所定角度を超えている場合であっても載置面20に原稿が置かれている場合であれば、ランプ17を点灯させ、節電モードから通常モードに復帰するための初期化処理を開始する制御が可能となる。
[実施の形態8]
次に、実施の形態8を説明する。実施の形態8は、人感センサー15がユーザーを検知したときのランプ17の点灯制御が実施の形態1と異なる。その他の点では、画像形成装置100の構成を含めて、実施の形態8は実施の形態1と共通している。実施の形態1では、人感センサー15がユーザーを検知したときの原稿押さえカバー10aの開閉角度が所定角度以下であることを条件としてランプ17を点灯させ、節電モードから通常モードに復帰するための初期化処理を開始した。これに対して、実施の形態8では、人感センサー15がユーザーを検知したときの原稿押さえカバー10aの開閉角度が所定角度以下であることを条件としてランプ17を点灯させる設定と、人感センサー15がユーザーを検知したときの原稿押さえカバー10aの開閉角度に関わらずランプ17の点灯を優先させる設定とを切り替えることができる。
図23は、実施の形態8におけるランプの点灯処理を説明するフローチャートである。図23に示す処理はCPU18aにより実行される。
まず、CPU18aは、人感センサー15がユーザーを検知したか否かを判定する(S120)。CPU18aは、S120の判定処理を、人感センサー15がユーザーを検知したと判定するまで一定の間隔で繰り返し、人感センサー15がユーザーを検知したと判定した場合には(S120でYES)、S121へ処理を進める。なお、S120の処理は、図4に示すS50の処理と同様である。
S121では、CPU18aは、ランプ点灯優先の設定がなされているか否かを判定する。ランプ点灯優先の設定とは、ユーザーが操作パネル11aから行う。ランプ点灯優先の設定がなされていると判定した場合には(S121でYES)、CPU18aは、ランプ17を点灯させて(S124)、処理を終了する。一方、ランプ点灯優先の設定がなされていないと判定した場合には(S121でNO)、CPU18aは、原稿押さえカバー10aの開閉角度を取得し、原稿押さえカバー10aの開閉角度が所定角度以下であれば、ランプ17を点灯させ、原稿押さえカバー10aの開閉角度が所定角度を超えていれば、ランプ17を点灯させることなく処理を終了する(S122~S124)。なお、S122~S124の処理は、図4のS51~S53の処理と同様である。
図23が示すように、実施の形態8においては、ランプ点灯優先の設定がなされている場合(S121でYES)には、人感センサー15がユーザーを検知したときの原稿押さえカバー10aの開閉角度に関わらずランプ17が点灯し、ランプ点灯優先の設定がなされていない場合(S121でNO)には、実施の形態1のような、人感センサー15がユーザーを検知したときの原稿押さえカバー10aの開閉角度が所定角度以下であればランプ17が点灯する。このような制御により、画像形成装置100のユーザーが、節電モードから通常モードへの復帰に伴うユーザーの待機時間を短縮することに重きを置く場合には、人感センサー15がユーザーを検知したときの原稿押さえカバー10aの開閉角度に関わらずランプ17を点灯させ、節電モードから通常モードへの復帰に伴うユーザーの待機時間を短縮することができる。一方、画像形成装置100のユーザーが、眩しくないことに重きを置く場合には、人感センサー15がユーザーを検知したときの原稿押さえカバー10aの開閉角度が所定角度を超えている場合にはランプ17を点灯させないようにすることができるので、ユーザーが眩しい思いをしなくてすむ。
CPU18aがS120~S124の処理を実行することにより、人感センサー15がユーザーを検知したときの原稿押さえカバー10aの開閉角度が所定角度以下であることを条件としてランプ17を点灯させる設定と、人感センサー15がユーザーを検知したときの原稿押さえカバー10aの開閉角度に関わらずランプ17の点灯を優先させる設定とを切り替える制御が可能となる。
以上、各実施の形態を説明した。なお、上記実施の形態は任意に組み合わせてもよい。また、上記実施の形態において示した数値は一例であり、必ずしもその数値には限定されない。たとえば、人感センサー15がユーザーを検知した場合にランプ17を点灯させるか否かを決定するために用いる原稿押さえカバー10aの開閉角度は、ユーザーの目にランプ17の光が直接に入らないものであればよく、上記実施の形態において示した数値に限定されるものではない。また、原稿押さえカバー10aの開閉角度は4度刻みで、ユーザーと画像形成装置100との離間距離は10センチメートル刻みで「点灯」と「消灯」を割り当てたが、より細かく割り当ててもよいし、そうでなくともよい。また、画像形成装置100の高さは、95センチメートル以上の場合と95センチメートル未満の場合とに分けたが、90センチメートル未満の場合と90センチメートル以上95センチメートル未満の場合と95センチメートル以上の場合というように、より細かく分けてもよい。ユーザーの身長に関しても同様である。また、人感センサー15がユーザーを検知してからランプ17が点灯するまでの時間は、ユーザーと画像形成装置100との離間距離およびユーザーの歩く速さによって設定されればよく、上記実施の形態において示した数値に限定されるものではない。また、ユーザーの顔を検知するエリアも、ユーザーと画像形成装置100との離間距離を判別できるものであればよく、3つのエリアに限られない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。