JP3765374B2 - 貫通形変流器 - Google Patents
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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、密閉型ガス絶縁開閉装置(以下GISと称する)に取り付けられる 貫通形変流器(以下CTと称する)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のCTとして、特開平8-64443号公報に記載されたCTがある。これは、 環状鉄心に複数層巻回された巻線の層間および巻線の最外部表面に、両面に熱硬化性樹脂の層が形成された絶縁テープを順に重複させながら巻き付けた後、樹脂層を加熱硬化させることで、巻線の層間に連続した絶縁層を形成するとともに、最外部表面に遮蔽層を形成したものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところでGISに取り付けられるCTは、その中心に、超高圧GIS母線を貫通させて装着されるので、SF6ガス等の絶縁ガスを介在しているとはいえ電界緩和の観点から表面、特に内周面から側面にかけては平滑であることが要求されている。しかしながら、上述したCTは、加熱硬化の工程で、表面の絶縁テープの樹脂が溶けて流れる場合があり、その場合、流れた樹脂により、凸部やエッジが形成されてしまうことがあった。そのため、加熱硬化工程の後に、表面を切削加工して平滑に仕上げる工程が必要であった。
また、CTの表面には引出し線が配設されているが、運搬時やGISへの装着時に、引出し線に過大な荷重がかかり、引出し線に接する部分の遮蔽層を破断して、CTの密閉性を損なう場合があった。
そこで、本発明は、CTの製造時において、加熱硬化工程の後の表面仕上げ工程を不要にするとともに、引出し線の支持部分を外力に対して強固にしたCTを提案することを課題とした。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、環状鉄心に複数層巻回される巻線の層間および最外部の巻線の表面に、両面に熱硬化性樹脂層が形成された絶縁テープを順に重複させながら巻き付けた後、絶縁テープを加熱硬化させて、巻線の層間に連続した層間絶縁層を形成するとともに、最外部の巻線の表面に連続した遮蔽層を形成する貫通形変流器において、最外部の巻線を遮蔽層で覆う前に、最外部巻線の周囲を内・外および両側面の4方向から絶縁板で覆い、その絶縁板の周囲に前記熱硬化性樹脂に対して吸収性を有する材質からなる締め付けテープを順に重複させながら巻き付けて緩衝層を形成したことを特徴とする。
【0005】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、表面に複数の平行な溝を形成した固定板を、溝方向を周方向と平行にして前記緩衝層内に埋設するとともに、固定板の各溝に各引出し線を配設しその端部を遮蔽層の外部に取り出したことを特徴とする。
【0006】
なお、請求項2の発明の固定板は、その断面形状を波形またはジグザグ形とすることが可能である。
【0007】
また、巻線に接続される引出し線には、架橋ポリエチレン絶縁被覆電線を用いることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明にかかるCTの斜視図であり、図2は図1の断面図であり、図3はCTの内部の構成を示すため破断して示した説明図である。図示されるように、このCTは、内側の鉄心1の周囲が1組の絶縁板2で覆われ、その外側は絶縁板2を締め付けるように絶縁テープ3が巻き付けられている。さらにその外側は、巻線4と絶縁テープ5が交互に巻き付けられている。なお、図2,図3では巻線4を1層しか巻回していないが実際は2層以上巻回しているものとする。また、図2中の拡大図のハッチング部分は層間に形成される絶縁層をあらわしている。
【0009】
また、絶縁テープ5は、図4に示されるように、本体部分がテトロンクロス51からなり両面に熱硬化性樹脂であるセミキュアエポキシ樹脂の層52が形成されたものである。絶縁テープ5は巻線4の上を順に重複するように巻き付けられ、所定の層数の巻線4が巻き付けられると、その外側を同様に絶縁テープ6を重複させながら巻き付けた後、その周囲の内・外および両側面を1組の絶縁板7で覆う。すなわち、両側面をリング状の絶縁板7で覆い、内周面および外周面を帯状の絶縁板7で1回または2回以上巻回する。ここで用いられる絶縁板としては、デュポン社製ノーメックス紙(ボード原紙)や、ワニスガラスクロス、変圧器用電気絶縁紙であるプレスボードが好適である。
【0010】
次に、この絶縁板7の外周を、セミキュアエポキシ樹脂を吸収する性質を備えた締め付けテープ8を用いて、締め付けるように巻き付ける。締め付けテープ8の材質としては、綿、ポリエステル繊維、ワニスガラスが適当である。これら絶縁板7と締め付けテープ8により、緩衝層Kが形成される。
次いで、さらに締め付けテープ8の外側を絶縁テープ9により、順に重複するように巻き付けて、CTの全表面を覆う遮蔽層Sを形成する。この絶縁テープ9も、テトロンクロスからなり両面にセミキュアエポキシ樹脂の層が形成されている。
【0011】
次に、上述したCTを、加熱装置に入れて所定の加熱処理をすることで、絶縁テープ5,6,9のセミキュアエポキシ樹脂が硬化する。このとき、緩衝層Kの締め付けテープ8と接する遮蔽層Sの絶縁テープ9のセミキュアエポキシ樹脂は加熱されたことにより、硬化する前に一度液状化するが、液状化した樹脂は締め付けテープ8に吸収されるため、液状化した状態で遮蔽層Sの表面から樹脂が垂れることが防止される。
【0012】
その結果、遮蔽層Sは表面全体が平滑になった後に硬化される。すなわち、従来方法では加熱硬化の際の樹脂の液状化のために凸部やエッジが発生していたが、本発明ではそれらが発生することなくなり表面が平滑に形成される。なお、絶縁テープ5,6は、加熱されたことで、重複するテープ部分が連続した一体構造となり、層間を気密に保持することになる。図5は巻線4と絶縁テープ5の断面を示し、図(a)が加熱前を、図(b)が加熱後を示し、加熱後は、重複された絶縁テープ5が互いに一体化されて、巻線4の層間に気密層を形成する。以上が請求項1の発明についての構成であり、次に請求項2の発明の実施形態について説明する。
【0013】
請求項2の発明は、上述した工程の中で、所定の層数の巻線が巻き付けられて絶縁テープ6が巻き付けられた後に、表面に引出し線11,12を取り付けるための複数の平行な溝13,14を形成した固定板15(図1、図2参照)を取り付けたものである。この引出し線11,12には、架橋ポリエチレン絶縁被覆電線を用いる。この固定板15は、溝13,14が鉄心1の周方向と平行になるよう配置される。巻線4の両端と圧着スリーブにより接続された引出し線11,12を溝13,14に挿入して、パテにより目止めをする。
【0014】
次いで、固定板15の上に前述の緩衝層Kおよび遮蔽層Sを形成し、緩衝層Kおよび遮蔽層Sの一部を貫通して引出し線11,12を外部へ取り出す。
その後、加熱硬化工程を経て、固定板15を緩衝層Kおよび遮蔽層Sと一体化する。このようにして引出し線11,12が遮蔽層S内の固定板15に溝13,14を介して支持されたことで、引出し線11,12の外力に対する強度が増して、遮蔽層Sが外力により破断されるおそれが少なくなる。
【0015】
なお、上記固定板15は、ポリプロピレン等の耐熱プラスチックからなる成形品により作成したものであり、他の形状として図6に示すように溝13,14をV字形とすることも可能である。
また、樹脂成形品に代えて、汎用成形品やプレスボード品を用いることも可能であり、図7はそれらにより形成した断面ジグザグ形の固定板16を示し、図8は同じく断面波形に形成した固定板17を示す。
【0016】
この実施形態では、上述のごとくテトロンクロスの両面にセミキュアエポキシ樹脂を形成した絶縁テープ5,6,9を重ね巻きし、さらに加熱時に液状化した遮蔽層Sの樹脂を緩衝層Kに吸収させて両者を一体化すること、固定板15と引出し線11,12が強固に支持されるようにしたものである。その結果、CTの運搬時やGISへの装着時に、引出し線に通常の程度の荷重が発生しても、引出し線の位置ずれの発生や、気密層の破断によるCT内部に空隙の発生することがなくなり、CT本体の遮蔽性能が確実に保たれる。
【0017】
なお、実施形態では、引出し線として、CT製作時の加熱に耐え、SF6ガス等の絶縁ガスに対して分解反応のおこりにくい架橋ポリエチレン絶縁被覆電線を使用したが、これらの条件に適えば、他にフッ素樹脂絶縁被覆電線を用いることも可能である。
【0018】
【発明の効果】
以上述べたように請求項1の発明によれば、最外部の巻線と遮蔽層との間に、絶縁板と熱硬化性樹脂に対して吸収性を有する締め付けテープとからなる緩衝層を形成したことで、遮蔽層を加熱硬化させる工程では液状化した樹脂が締め付けテープに吸収されて遮蔽層表面が平滑に仕上げられる。その結果、従来必要であった遮蔽層についての仕上げ工程が不要となる。
【0019】
請求項2の発明によれば、緩衝層内に固定板を設置して引出し線を支持するようにしたことで、引出し線の外力に対する強度が増して、遮蔽層が破断されるおそれが少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るCTの斜視図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】CTの内部を破断して示した説明図である。
【図4】絶縁テープの構成を示す拡大断面図である。
【図5】絶縁テープの加熱による変化を示す説明図である。
【図6】固定板の斜視図である。
【図7】固定板の斜視図である。
【図8】固定板の斜視図である。
【符号の説明】
1 鉄心
2 絶縁板
3 絶縁テープ
4 巻線
5,6 絶縁テープ
7 絶縁板
8 締め付けテープ
9 絶縁テープ
11,12 引出し線
13,14 溝
15〜17 固定板
51 テトロンクロス
52 セミキュアエポキシ樹脂層
K 緩衝層
S 遮蔽層
【発明の属する技術分野】
本発明は、密閉型ガス絶縁開閉装置(以下GISと称する)に取り付けられる 貫通形変流器(以下CTと称する)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のCTとして、特開平8-64443号公報に記載されたCTがある。これは、 環状鉄心に複数層巻回された巻線の層間および巻線の最外部表面に、両面に熱硬化性樹脂の層が形成された絶縁テープを順に重複させながら巻き付けた後、樹脂層を加熱硬化させることで、巻線の層間に連続した絶縁層を形成するとともに、最外部表面に遮蔽層を形成したものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところでGISに取り付けられるCTは、その中心に、超高圧GIS母線を貫通させて装着されるので、SF6ガス等の絶縁ガスを介在しているとはいえ電界緩和の観点から表面、特に内周面から側面にかけては平滑であることが要求されている。しかしながら、上述したCTは、加熱硬化の工程で、表面の絶縁テープの樹脂が溶けて流れる場合があり、その場合、流れた樹脂により、凸部やエッジが形成されてしまうことがあった。そのため、加熱硬化工程の後に、表面を切削加工して平滑に仕上げる工程が必要であった。
また、CTの表面には引出し線が配設されているが、運搬時やGISへの装着時に、引出し線に過大な荷重がかかり、引出し線に接する部分の遮蔽層を破断して、CTの密閉性を損なう場合があった。
そこで、本発明は、CTの製造時において、加熱硬化工程の後の表面仕上げ工程を不要にするとともに、引出し線の支持部分を外力に対して強固にしたCTを提案することを課題とした。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、環状鉄心に複数層巻回される巻線の層間および最外部の巻線の表面に、両面に熱硬化性樹脂層が形成された絶縁テープを順に重複させながら巻き付けた後、絶縁テープを加熱硬化させて、巻線の層間に連続した層間絶縁層を形成するとともに、最外部の巻線の表面に連続した遮蔽層を形成する貫通形変流器において、最外部の巻線を遮蔽層で覆う前に、最外部巻線の周囲を内・外および両側面の4方向から絶縁板で覆い、その絶縁板の周囲に前記熱硬化性樹脂に対して吸収性を有する材質からなる締め付けテープを順に重複させながら巻き付けて緩衝層を形成したことを特徴とする。
【0005】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、表面に複数の平行な溝を形成した固定板を、溝方向を周方向と平行にして前記緩衝層内に埋設するとともに、固定板の各溝に各引出し線を配設しその端部を遮蔽層の外部に取り出したことを特徴とする。
【0006】
なお、請求項2の発明の固定板は、その断面形状を波形またはジグザグ形とすることが可能である。
【0007】
また、巻線に接続される引出し線には、架橋ポリエチレン絶縁被覆電線を用いることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明にかかるCTの斜視図であり、図2は図1の断面図であり、図3はCTの内部の構成を示すため破断して示した説明図である。図示されるように、このCTは、内側の鉄心1の周囲が1組の絶縁板2で覆われ、その外側は絶縁板2を締め付けるように絶縁テープ3が巻き付けられている。さらにその外側は、巻線4と絶縁テープ5が交互に巻き付けられている。なお、図2,図3では巻線4を1層しか巻回していないが実際は2層以上巻回しているものとする。また、図2中の拡大図のハッチング部分は層間に形成される絶縁層をあらわしている。
【0009】
また、絶縁テープ5は、図4に示されるように、本体部分がテトロンクロス51からなり両面に熱硬化性樹脂であるセミキュアエポキシ樹脂の層52が形成されたものである。絶縁テープ5は巻線4の上を順に重複するように巻き付けられ、所定の層数の巻線4が巻き付けられると、その外側を同様に絶縁テープ6を重複させながら巻き付けた後、その周囲の内・外および両側面を1組の絶縁板7で覆う。すなわち、両側面をリング状の絶縁板7で覆い、内周面および外周面を帯状の絶縁板7で1回または2回以上巻回する。ここで用いられる絶縁板としては、デュポン社製ノーメックス紙(ボード原紙)や、ワニスガラスクロス、変圧器用電気絶縁紙であるプレスボードが好適である。
【0010】
次に、この絶縁板7の外周を、セミキュアエポキシ樹脂を吸収する性質を備えた締め付けテープ8を用いて、締め付けるように巻き付ける。締め付けテープ8の材質としては、綿、ポリエステル繊維、ワニスガラスが適当である。これら絶縁板7と締め付けテープ8により、緩衝層Kが形成される。
次いで、さらに締め付けテープ8の外側を絶縁テープ9により、順に重複するように巻き付けて、CTの全表面を覆う遮蔽層Sを形成する。この絶縁テープ9も、テトロンクロスからなり両面にセミキュアエポキシ樹脂の層が形成されている。
【0011】
次に、上述したCTを、加熱装置に入れて所定の加熱処理をすることで、絶縁テープ5,6,9のセミキュアエポキシ樹脂が硬化する。このとき、緩衝層Kの締め付けテープ8と接する遮蔽層Sの絶縁テープ9のセミキュアエポキシ樹脂は加熱されたことにより、硬化する前に一度液状化するが、液状化した樹脂は締め付けテープ8に吸収されるため、液状化した状態で遮蔽層Sの表面から樹脂が垂れることが防止される。
【0012】
その結果、遮蔽層Sは表面全体が平滑になった後に硬化される。すなわち、従来方法では加熱硬化の際の樹脂の液状化のために凸部やエッジが発生していたが、本発明ではそれらが発生することなくなり表面が平滑に形成される。なお、絶縁テープ5,6は、加熱されたことで、重複するテープ部分が連続した一体構造となり、層間を気密に保持することになる。図5は巻線4と絶縁テープ5の断面を示し、図(a)が加熱前を、図(b)が加熱後を示し、加熱後は、重複された絶縁テープ5が互いに一体化されて、巻線4の層間に気密層を形成する。以上が請求項1の発明についての構成であり、次に請求項2の発明の実施形態について説明する。
【0013】
請求項2の発明は、上述した工程の中で、所定の層数の巻線が巻き付けられて絶縁テープ6が巻き付けられた後に、表面に引出し線11,12を取り付けるための複数の平行な溝13,14を形成した固定板15(図1、図2参照)を取り付けたものである。この引出し線11,12には、架橋ポリエチレン絶縁被覆電線を用いる。この固定板15は、溝13,14が鉄心1の周方向と平行になるよう配置される。巻線4の両端と圧着スリーブにより接続された引出し線11,12を溝13,14に挿入して、パテにより目止めをする。
【0014】
次いで、固定板15の上に前述の緩衝層Kおよび遮蔽層Sを形成し、緩衝層Kおよび遮蔽層Sの一部を貫通して引出し線11,12を外部へ取り出す。
その後、加熱硬化工程を経て、固定板15を緩衝層Kおよび遮蔽層Sと一体化する。このようにして引出し線11,12が遮蔽層S内の固定板15に溝13,14を介して支持されたことで、引出し線11,12の外力に対する強度が増して、遮蔽層Sが外力により破断されるおそれが少なくなる。
【0015】
なお、上記固定板15は、ポリプロピレン等の耐熱プラスチックからなる成形品により作成したものであり、他の形状として図6に示すように溝13,14をV字形とすることも可能である。
また、樹脂成形品に代えて、汎用成形品やプレスボード品を用いることも可能であり、図7はそれらにより形成した断面ジグザグ形の固定板16を示し、図8は同じく断面波形に形成した固定板17を示す。
【0016】
この実施形態では、上述のごとくテトロンクロスの両面にセミキュアエポキシ樹脂を形成した絶縁テープ5,6,9を重ね巻きし、さらに加熱時に液状化した遮蔽層Sの樹脂を緩衝層Kに吸収させて両者を一体化すること、固定板15と引出し線11,12が強固に支持されるようにしたものである。その結果、CTの運搬時やGISへの装着時に、引出し線に通常の程度の荷重が発生しても、引出し線の位置ずれの発生や、気密層の破断によるCT内部に空隙の発生することがなくなり、CT本体の遮蔽性能が確実に保たれる。
【0017】
なお、実施形態では、引出し線として、CT製作時の加熱に耐え、SF6ガス等の絶縁ガスに対して分解反応のおこりにくい架橋ポリエチレン絶縁被覆電線を使用したが、これらの条件に適えば、他にフッ素樹脂絶縁被覆電線を用いることも可能である。
【0018】
【発明の効果】
以上述べたように請求項1の発明によれば、最外部の巻線と遮蔽層との間に、絶縁板と熱硬化性樹脂に対して吸収性を有する締め付けテープとからなる緩衝層を形成したことで、遮蔽層を加熱硬化させる工程では液状化した樹脂が締め付けテープに吸収されて遮蔽層表面が平滑に仕上げられる。その結果、従来必要であった遮蔽層についての仕上げ工程が不要となる。
【0019】
請求項2の発明によれば、緩衝層内に固定板を設置して引出し線を支持するようにしたことで、引出し線の外力に対する強度が増して、遮蔽層が破断されるおそれが少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るCTの斜視図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】CTの内部を破断して示した説明図である。
【図4】絶縁テープの構成を示す拡大断面図である。
【図5】絶縁テープの加熱による変化を示す説明図である。
【図6】固定板の斜視図である。
【図7】固定板の斜視図である。
【図8】固定板の斜視図である。
【符号の説明】
1 鉄心
2 絶縁板
3 絶縁テープ
4 巻線
5,6 絶縁テープ
7 絶縁板
8 締め付けテープ
9 絶縁テープ
11,12 引出し線
13,14 溝
15〜17 固定板
51 テトロンクロス
52 セミキュアエポキシ樹脂層
K 緩衝層
S 遮蔽層
Claims (4)
- 環状鉄心に複数層巻回される巻線の層間および最外部の巻線の表面に、両面に熱硬化性樹脂層が形成された絶縁テープを順に重複させながら巻き付けた後、絶縁テープを加熱硬化させて、巻線の層間に連続した層間絶縁層を形成するとともに、最外部の巻線の表面に連続した遮蔽層を形成する貫通形変流器において、
最外部の巻線を遮蔽層で覆う前に、最外部巻線の周囲を内・外および両側面の4方向から絶縁板で覆い、その絶縁板の周囲に前記熱硬化性樹脂に対して吸収性を有する材質からなる締め付けテープを順に重複させながら巻き付けて緩衝層を形成したことを特徴とする貫通形変流器。 - 請求項1記載の貫通形変流器において、
表面に複数の平行な溝を形成した固定板を、溝方向を周方向と平行にして前記緩衝層内に埋設するとともに、固定板の各溝に各引出し線を配設しその端部を遮蔽層の外部に取り出したことを特徴とする貫通形変流器。 - 請求項2記載の貫通形変流器において、
固定板の断面形状を波形またはジグザグ形とした貫通形変流器。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の貫通形変流器において、
巻線に接続される引出し線として架橋ポリエチレン絶縁被覆電線を用いた貫通形変流器。
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JP35715299A JP3765374B2 (ja) | 1999-12-16 | 1999-12-16 | 貫通形変流器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP35715299A JP3765374B2 (ja) | 1999-12-16 | 1999-12-16 | 貫通形変流器 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2001176740A JP2001176740A (ja) | 2001-06-29 |
JP3765374B2 true JP3765374B2 (ja) | 2006-04-12 |
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ID=18452653
Family Applications (1)
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JP35715299A Expired - Fee Related JP3765374B2 (ja) | 1999-12-16 | 1999-12-16 | 貫通形変流器 |
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CN112198357A (zh) * | 2020-07-21 | 2021-01-08 | 华北电力大学 | 具有带状缠绕式屏蔽外壳的电流传感器 |
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1999
- 1999-12-16 JP JP35715299A patent/JP3765374B2/ja not_active Expired - Fee Related
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