JP2930273B2 - 電磁誘導機器巻線の製造方法 - Google Patents

電磁誘導機器巻線の製造方法

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JP2930273B2
JP2930273B2 JP5009628A JP962893A JP2930273B2 JP 2930273 B2 JP2930273 B2 JP 2930273B2 JP 5009628 A JP5009628 A JP 5009628A JP 962893 A JP962893 A JP 962893A JP 2930273 B2 JP2930273 B2 JP 2930273B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、変圧器等の静止誘導機
器に用いられる電磁誘導機器巻線の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、変圧器などに用いられるエポキシ
モールドコイルは、例えば、図4に示すように、導体1
に絶縁物2を被覆した素線3を使用し、この素線3を巻
形に巻回して巻線体4を形成し、しかる後にエポキシ樹
脂等により注型してモールドコイル5として形成するよ
うになっている。この場合、絶縁物2としては耐熱性に
も優れた合成絶縁紙を用いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な従来のような方法で製作されたモールドコイル5にお
いては、絶縁物2を被覆した素線3を巻回するため、図
4にも示すように、隣接する素線3間に楔状部分Aが発
生する。この楔状部分Aは電界が集中しやすく、絶縁破
壊電圧の低下を招きやすい。また、素線3内部において
も、絶縁物2として用いる合成絶縁紙と導体1との界面
部に微小なボイドが発生するのを完全に除去することが
できないため、絶縁性能を向上させるのには限界があっ
た。
【0004】この場合、従来方式によって製造されたモ
ールドコイルにおいては、変圧器に適用する場合に絶縁
性能に関して問題ないのは、例えば6.6kVクラス程
度までである。したがって、更に適用電圧クラスの高い
変圧器に適用する場合には、絶縁破壊強度に対する信頼
性が低下してしまうため、モールドコイル5の素線3間
やセクション間の電位傾度を低減させるような構造に変
更せざるを得ず、結果として、全体が大形化してしまう
状況にあった。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、電位傾度を高めた状態でも絶縁破壊に
対する信頼性を向上できる電磁誘導機器巻線の製造方法
を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の電磁誘導機器巻
線の製造方法は、裸導体とエラストマとを重ねた状態で
同時に巻回することによりそのエラストマを裸導体の外
周部に密着させた状態に巻線体を形成する第1の工程
と、この第1の工程により形成された巻線体を樹脂でモ
ールド成形する第2の工程とから構成したところに特徴
を有する。また、第1の工程で使用するエラストマを、
あらかじめ裸導体に対応した形状に形成すると良い。
【0007】
【作用】請求項1記載の電磁誘導機器巻線の製造方法に
よれば、第1の工程において、裸導体とエラストマを重
ねた状態で巻回すると、巻回するときにエラストマが変
形して裸導体と密着した状態で裸導体を包囲するように
巻線体が形成される。これにより、裸導体の端部にも絶
縁物としてのエラストマが充填されることになり、隣接
する裸導体との間に楔状部分が形成されることがなくな
る。この後、第2の工程において樹脂により巻線体をモ
ールド成形すると、裸導体を厚い絶縁被覆で密着性を高
くした状態で絶縁することができ、さらに、裸導体端部
の微小な空隙部分にも絶縁物が充填されるようになり、
全体として絶縁破壊電圧を向上させることができるよう
になる。
【0008】請求項2記載の電磁誘導機器巻線の製造方
法によれば、裸導体に重ねるエラストマの形状が裸導体
の形状に対応しているので、巻回するときに、さらに導
体とエラストマとの密着性を向上させることができ、絶
縁破壊電圧を向上させることができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明を変圧器のモールドコイルに適
用した場合の第1の実施例について図1および図2を参
照しながら説明する。
【0010】図1は、電磁誘導機器巻線としてのモール
ドコイル11の断面を示すもので、絶縁筒12に巻線体
13が巻回形成されている。この巻線体13を構成する
導体14は巻回時に外周に絶縁を施していない裸導体で
あり、その周囲には後述する絶縁性を有するエラストマ
15が導体14を包囲するようにして配設されている。
【0011】絶縁筒12に巻回された導体14の間に
は、その周方向に所定間隔を存してスペーサ16が配設
されており、最外周部には外側絶縁筒17が全体を覆う
ように配設されている。そして、絶縁筒12と外側絶縁
筒17とにより形成された内側の空間部にはエポキシ樹
脂18が充填されモールドコイル11が形成されてい
る。なお、図2は、スペーサ16がない部分の断面状態
を示している。
【0012】次に、モールドコイル11の製造方法につ
いて説明する。絶縁性を有すると共に弾性を有するエラ
ストマ15は、例えばポリオレフィン系の熱可塑性を有
するもので、導体14よりも幅広の帯状をなしている。
まず、第1の工程においては、エラストマ15を導体1
4に重ねた状態で同時に巻回することにより巻線体13
を形成する。この場合、エラストマ15は、導体14に
密着した状態で巻回されていくと、弾性変形により導体
14と接している部分は押し潰されてさらに密着するよ
うになり、また、導体14から外れた上下の部分におい
ては導体14を包囲するように変形する。
【0013】次に、第2の工程においては、形成された
巻線体13をエポキシなどの樹脂を注型することにより
モールド成形する。すなわち、絶縁筒12と外側絶縁筒
17との間の巻線体13が配設されている部分の隙間を
埋めるようにエポキシ樹脂を注型してモールド成形す
る。このとき、エラストマ15は、熱可塑性を有するこ
とから、注型されたエポキシ樹脂の熱硬化時に可塑性を
示し、導体14とさらに密着するようになる。
【0014】この結果、出来上がったモールドコイル1
1の導体14は、あたかも絶縁物で素線絶縁を行ったよ
うな状態に形成され、導体14の端部の微小な空隙部分
にも絶縁物が充填されるようになり、絶縁破壊電圧が向
上されるようになる。また、このとき、エラストマ15
は、導体14とエポキシ樹脂18との熱膨張の違いによ
り発生する応力を吸収する緩衝材としての効果を有する
ので、クラック発生防止の効果がある。
【0015】このような本実施例によれば、第1の工程
で、被覆がされていない裸の導体14をエラストマ15
と同時に巻回して巻線体13を形成することにより、エ
ラストマ15を変形させて導体14を包囲した状態で密
着させ、第2の工程で、モールド成形してモールドコイ
ル11を形成するようにしたので、導体14に対してエ
ラストマ15により厚く包囲して且つ密着性が高い状態
に絶縁層を形成でき、また、導体14端部の微小な空隙
部分にも絶縁物を充填することができて、全体として絶
縁破壊電圧を向上でき、さらに、エラストマ15によ
り、導体14とエポキシ樹脂18との間の熱膨張の違い
による応力を緩衝してクラックの発生を防止できる。
【0016】なお、エラストマ15としては、エポキシ
樹脂18の誘電率よりも高い材料で、且つエポキシ樹脂
18と密着性の高いものを用いると、より絶縁破壊電圧
を高くすることができる。
【0017】図3は本発明の第2の実施例を示すもの
で、以下、第1の実施例と異なる部分について説明す
る。すなわち、図3は導体14と同時に巻回するエラス
トマ19の形状を示している。エラストマ19は、あら
かじめ射出成形などにより導体14の形状にフィットす
るように形成されている。また、エラストマ19と導体
14を巻回する際に両者の密着性を向上させるために、
接着シート20を介在させた状態で行うものである。
【0018】この場合、接着シート20は、ポリオレフ
ィン系の材料からなるもので、エポキシ樹脂の注型後の
加熱硬化時などに加熱されると、エラストマ19と導体
14とを強固に接着するようになっている。そして、こ
のような第2の実施例においても、第1の実施例と同様
の効果が得られると共に、組み立て性が向上するように
なる。
【0019】尚、上記実施例においては、エラストマと
して、熱可塑性を有するポリオレフィン系のエラストマ
15を用いた場合について説明したが、これに限らず、
例えば、ポリエステル系のエラストマや、あるいは熱硬
化性を有するウレタン系のエラストマを用いても良い。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の電
磁誘導機器巻線の製造方法によれば、第1の工程におい
て、裸導体とエラストマとを重ねた状態で同時に巻回す
ることによりそのエラストマを裸導体の外周部に密着さ
せた状態に巻線体を形成し、続く第2の工程において、
その巻線体を樹脂でモールド成形するようにしたので、
巻回するときにエラストマが変形して裸導体と密着した
状態で裸導体を包囲するように巻線体を形成でき、さら
に、裸導体を厚い絶縁被覆で密着性を高くした状態で絶
縁することができると共に、裸導体端部の微小な空隙部
分にも絶縁物が充填されるようになり、全体として絶縁
破壊電圧を向上させることができるという優れた効果を
奏する。
【0021】請求項2記載の電磁誘導機器巻線の製造方
法によれば、エラストマを、あらかじめ裸導体に対応し
た形状に形成しておくので、巻回するときに、さらに導
体とエラストマとの密着性を向上させることができ、絶
縁破壊電圧を向上させることができるという優れた効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す縦断側面図
【図2】スペーサがない部分で切断した図1相当図
【図3】本発明の第2の実施例を示す導体とエラストマ
の斜視図
【図4】従来例を示す図1相当図
【符号の説明】
11はモールドコイル、12は絶縁筒、14は巻線体、
14は導体、15はエラストマ、16はスペーサ、17
は外側絶縁筒、18はエポキシ樹脂(絶縁物)、19は
エラストマ、20は接着シートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 21:00 B29L 31:34

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 裸導体とエラストマとを重ねた状態で同
    時に巻回することによりそのエラストマを裸導体の外周
    部に密着させた状態に巻線体を形成する第1の工程と、
    この第1の工程により形成された巻線体を樹脂でモール
    ド成形する第2の工程とからなる電磁誘導機器巻線の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 エラストマは、あらかじめ裸導体に対応
    した形状に形成されていることを特徴とする請求項1記
    載の電磁誘導機器巻線の製造方法。
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