JPH0684662A - モールドコイル - Google Patents
モールドコイルInfo
- Publication number
- JPH0684662A JPH0684662A JP4233284A JP23328492A JPH0684662A JP H0684662 A JPH0684662 A JP H0684662A JP 4233284 A JP4233284 A JP 4233284A JP 23328492 A JP23328492 A JP 23328492A JP H0684662 A JPH0684662 A JP H0684662A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coil
- conductor
- resin
- outer periphery
- glass tape
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Insulating Of Coils (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【構成】 裸導体部12aの外周に絶縁層12bを形成
し、更にその外周にカラステープ12cを巻回した絶縁
導体11を整列密着巻により巻回してコイル11を形成
する。このコイル11の外周部を充填剤入り樹脂でモー
ルドし樹脂層13を形成する。 【効果】 絶縁導体11と樹脂層13の間の接着強度が
向上する上、コイル11外周周辺の熱応力が緩和される
ので、熱応力に起因する剥離及びクラックの発生を防ぐ
ことができ、コイルの耐クラック性が向上する。また絶
縁導体11間の隙間にも樹脂が充填されるので、コイル
内部に空隙が発生せず、コイルの絶縁特性が向上する。
さらにコイル11の半径方向寸法が小さくなり、コイル
11の小型化が図れる。
し、更にその外周にカラステープ12cを巻回した絶縁
導体11を整列密着巻により巻回してコイル11を形成
する。このコイル11の外周部を充填剤入り樹脂でモー
ルドし樹脂層13を形成する。 【効果】 絶縁導体11と樹脂層13の間の接着強度が
向上する上、コイル11外周周辺の熱応力が緩和される
ので、熱応力に起因する剥離及びクラックの発生を防ぐ
ことができ、コイルの耐クラック性が向上する。また絶
縁導体11間の隙間にも樹脂が充填されるので、コイル
内部に空隙が発生せず、コイルの絶縁特性が向上する。
さらにコイル11の半径方向寸法が小さくなり、コイル
11の小型化が図れる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコイルの外周部を樹脂で
モールドしてなるモールドコイルに関する。
モールドしてなるモールドコイルに関する。
【0002】
【従来の技術】図3に従来のモールドコイルの縦断面図
の一例を示す。同図において、コイル1は線状もしくは
シート状の導体を巻回することにより形成され、その周
囲を樹脂2でモールドしてなる。図4及び図5に導体と
して丸線を用いたモールドコイルの縦断面図を示す。図
4は多重円筒形コイル3を用いたモールドコイルを示
し、図5は整列密着巻ブロックコイル4を用いたモール
ドコイルを示している。各コイル3,4の導体5はター
ン間絶縁のために裸導体部5aの外周を絶縁層5bで覆
う構成になっている。また多重円筒形コイル3では段間
での電圧が高くなるので、各段ごと絶縁物6を挿入して
いる。これらコイル3,4の外周部を樹脂によりモール
ドして樹脂層7を形成し、モールドコイルとしている。
の一例を示す。同図において、コイル1は線状もしくは
シート状の導体を巻回することにより形成され、その周
囲を樹脂2でモールドしてなる。図4及び図5に導体と
して丸線を用いたモールドコイルの縦断面図を示す。図
4は多重円筒形コイル3を用いたモールドコイルを示
し、図5は整列密着巻ブロックコイル4を用いたモール
ドコイルを示している。各コイル3,4の導体5はター
ン間絶縁のために裸導体部5aの外周を絶縁層5bで覆
う構成になっている。また多重円筒形コイル3では段間
での電圧が高くなるので、各段ごと絶縁物6を挿入して
いる。これらコイル3,4の外周部を樹脂によりモール
ドして樹脂層7を形成し、モールドコイルとしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上のような構成を用
いた場合、次のような問題が生じる。
いた場合、次のような問題が生じる。
【0004】(1)導体5と樹脂層7の線膨張率の差に
起因して、樹脂層7には熱応力が発生する。樹脂層7の
熱応力分布は一般的に図6(a),(b)のようにな
り、特に導体5と樹脂層7の接着界面付近で高くなる。
一方、導体5と樹脂層7の接着界面の接着強度は樹脂単
体の機械的強度よりも弱く、図7に示すように、熱応力
により剥離8や、剥離8に起因したクラック9の発生の
おそれがある。
起因して、樹脂層7には熱応力が発生する。樹脂層7の
熱応力分布は一般的に図6(a),(b)のようにな
り、特に導体5と樹脂層7の接着界面付近で高くなる。
一方、導体5と樹脂層7の接着界面の接着強度は樹脂単
体の機械的強度よりも弱く、図7に示すように、熱応力
により剥離8や、剥離8に起因したクラック9の発生の
おそれがある。
【0005】2)多重円筒形コイル3の場合、絶縁物6
がかさばり、床面積に影響する半径方向の寸法が大きく
なる傾向にある。一方、整列密着巻ブロックコイル4
は、図6に示すように、同じ巻数でも半径方向の寸法を
小さくすることができる。しかし、導体5間の密着度が
高く、モールド時の樹脂の粘度が高いと導体5間の隙間
10に樹脂が充填されにくい。その結果、コイル内部に
空隙が生じ、ターン間の絶縁特性が低下し、絶縁破壊を
引き起こすおそれがある。本発明の目的は、耐クラック
性が高く、絶縁特性に優れ、そのうえコンパクトなモー
ルドコイルを得ることにある。
がかさばり、床面積に影響する半径方向の寸法が大きく
なる傾向にある。一方、整列密着巻ブロックコイル4
は、図6に示すように、同じ巻数でも半径方向の寸法を
小さくすることができる。しかし、導体5間の密着度が
高く、モールド時の樹脂の粘度が高いと導体5間の隙間
10に樹脂が充填されにくい。その結果、コイル内部に
空隙が生じ、ターン間の絶縁特性が低下し、絶縁破壊を
引き起こすおそれがある。本発明の目的は、耐クラック
性が高く、絶縁特性に優れ、そのうえコンパクトなモー
ルドコイルを得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、導体を整列密着巻により巻回してコイルを
形成し、その外周部を充填剤入り樹脂でモールドしてな
るモールドコイルにおいて、前記導体として、裸導体部
の外周に絶縁層を形成し、更にその外周にガラステープ
を巻回した絶縁導体を用いたことを特徴とする。
するために、導体を整列密着巻により巻回してコイルを
形成し、その外周部を充填剤入り樹脂でモールドしてな
るモールドコイルにおいて、前記導体として、裸導体部
の外周に絶縁層を形成し、更にその外周にガラステープ
を巻回した絶縁導体を用いたことを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明によれば、絶縁導体を整列密着巻により
巻回してコイルを形成するので外形寸法を小さくでき、
しかも絶縁導体の外周にあるガラステープにより、絶縁
導体と樹脂層の間の接着強度が向上する。またガラステ
ープの毛細管現象により、樹脂がコイル内部まで充填さ
れる。このとき、樹脂に含まれる充填剤はガラステープ
により濾過され、その結果、コイル外周周辺の充填剤濃
度が高くなる。
巻回してコイルを形成するので外形寸法を小さくでき、
しかも絶縁導体の外周にあるガラステープにより、絶縁
導体と樹脂層の間の接着強度が向上する。またガラステ
ープの毛細管現象により、樹脂がコイル内部まで充填さ
れる。このとき、樹脂に含まれる充填剤はガラステープ
により濾過され、その結果、コイル外周周辺の充填剤濃
度が高くなる。
【0008】
【実施例】図1に本発明のモールドコイルの縦断面図を
示す。コイル11は裸導体部12aの外周に絶縁層12
b、更にその外周にガラステープ12cを巻回した絶縁
導体12を用いて、整列密着巻により巻回することによ
り形成する。このコイル11を充填剤入り樹脂でモール
ドし、コイル外周に樹脂層13を形成する。
示す。コイル11は裸導体部12aの外周に絶縁層12
b、更にその外周にガラステープ12cを巻回した絶縁
導体12を用いて、整列密着巻により巻回することによ
り形成する。このコイル11を充填剤入り樹脂でモール
ドし、コイル外周に樹脂層13を形成する。
【0009】このように構成することにより、絶縁導体
12外周のガラステープ12cと樹脂層13とが複雑に
入り組み、また樹脂がガラステープ12cのガラス繊維
内に浸透するので、ガラステープ12cと樹脂層13の
間の接着強度が向上する。その結果、剥離が発生しにく
くなり、剥離が起因したクラックの発生もなくなる。さ
らに樹脂でモールドしたときに、ガラス繊維の毛細管現
象により、樹脂がコイル11内部まで浸透し、絶縁導体
12間の隙間14にも充填される。従って、コイル11
内に空隙が発生せず、コイル11の絶縁特性が向上す
る。このとき、樹脂に含まれる充填剤はガラス繊維によ
り濾過されて、図2のようにコイル11外周周辺に密集
し、充填剤濃度の高い層13aを形成する。充填剤濃度
が高いと、線膨張率が低下するので、絶縁導体12と樹
脂層13との線膨張率の差が小さくなり、コイル12外
周周辺での発生熱応力を緩和する効果が生じ、より一層
剥離及びクラックが発生しにくくなる。またコイル12
は整列密着巻により形成するので、半径方向寸法が小さ
くなり、コイルの小型化が図れる。なお上記実施例で
は、導体として丸線を用いた場合について説明したが、
角線を用いた場合においても同様の効果が得られる。
12外周のガラステープ12cと樹脂層13とが複雑に
入り組み、また樹脂がガラステープ12cのガラス繊維
内に浸透するので、ガラステープ12cと樹脂層13の
間の接着強度が向上する。その結果、剥離が発生しにく
くなり、剥離が起因したクラックの発生もなくなる。さ
らに樹脂でモールドしたときに、ガラス繊維の毛細管現
象により、樹脂がコイル11内部まで浸透し、絶縁導体
12間の隙間14にも充填される。従って、コイル11
内に空隙が発生せず、コイル11の絶縁特性が向上す
る。このとき、樹脂に含まれる充填剤はガラス繊維によ
り濾過されて、図2のようにコイル11外周周辺に密集
し、充填剤濃度の高い層13aを形成する。充填剤濃度
が高いと、線膨張率が低下するので、絶縁導体12と樹
脂層13との線膨張率の差が小さくなり、コイル12外
周周辺での発生熱応力を緩和する効果が生じ、より一層
剥離及びクラックが発生しにくくなる。またコイル12
は整列密着巻により形成するので、半径方向寸法が小さ
くなり、コイルの小型化が図れる。なお上記実施例で
は、導体として丸線を用いた場合について説明したが、
角線を用いた場合においても同様の効果が得られる。
【0010】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のモールドコイルによれば、次のような効果が得られ
る。
のモールドコイルによれば、次のような効果が得られ
る。
【0011】(1)絶縁導体と樹脂層の間の接着強度が
向上する上、コイル外周周辺の熱応力が緩和されるの
で、熱応力に起因する剥離及びクラックの発生を防ぐこ
とができ、コイルの耐クラック性が向上する。 (2)絶縁導体間の隙間にも樹脂が充填されるので、コ
イル内部に空隙が発生せず、コイルの絶縁特性が向上す
る。 (3)コイルの半径方向寸法が小さくなり、コイルの小
型化が図れる。
向上する上、コイル外周周辺の熱応力が緩和されるの
で、熱応力に起因する剥離及びクラックの発生を防ぐこ
とができ、コイルの耐クラック性が向上する。 (2)絶縁導体間の隙間にも樹脂が充填されるので、コ
イル内部に空隙が発生せず、コイルの絶縁特性が向上す
る。 (3)コイルの半径方向寸法が小さくなり、コイルの小
型化が図れる。
【図1】本発明の一実施例におけるモールドコイルの要
部を示す断面図
部を示す断面図
【図2】図1の要部拡大断面図
【図3】一般的なモールドコイルを示す一部断面斜視図
【図4】従来のモールドコイルにおけるコイル部の一例
を示す断面図
を示す断面図
【図5】従来のモールドコイルにおけるコイル部の他の
例を示す断面図
例を示す断面図
【図6】モールドコイルの樹脂層の熱応力分布を説明す
る図
る図
【図7】モールドコイルの剥離及びクラックの発生状況
を説明する図
を説明する図
11はコイル、12は絶縁導体、12aは裸導体部、1
2bは絶縁層、12cはガラステープ、13は樹脂層を
示す。
2bは絶縁層、12cはガラステープ、13は樹脂層を
示す。
Claims (1)
- 【請求項1】 導体を整列密着巻により巻回してコイル
を形成し、その外周部を充填剤入り樹脂でモールドして
なるモールドコイルにおいて、前記導体として、裸導体
部の外周に絶縁層を形成し、更にその外周にカラステー
プを巻回した絶縁導体を用いたことを特徴とするモール
ドコイル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4233284A JPH0684662A (ja) | 1992-09-01 | 1992-09-01 | モールドコイル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4233284A JPH0684662A (ja) | 1992-09-01 | 1992-09-01 | モールドコイル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0684662A true JPH0684662A (ja) | 1994-03-25 |
Family
ID=16952690
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4233284A Pending JPH0684662A (ja) | 1992-09-01 | 1992-09-01 | モールドコイル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0684662A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020031128A (ja) * | 2018-08-22 | 2020-02-27 | 株式会社東芝 | 超電導コイルおよびその製造方法 |
-
1992
- 1992-09-01 JP JP4233284A patent/JPH0684662A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020031128A (ja) * | 2018-08-22 | 2020-02-27 | 株式会社東芝 | 超電導コイルおよびその製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |