JP3764846B2 - 磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

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    • G11B21/20Supporting the heads; Supporting the sockets for plug-in heads while the head is in operative position but stationary or permitting minor movements to follow irregularities in surface of record carrier
    • G11B21/21Supporting the heads; Supporting the sockets for plug-in heads while the head is in operative position but stationary or permitting minor movements to follow irregularities in surface of record carrier with provision for maintaining desired spacing of head from record carrier, e.g. fluid-dynamic spacing, slider

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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばハードディスク装置などに搭載されるスライダを備えた磁気ヘッド及びその製造方法に係り、特に前記磁気ヘッドが記録媒体上に浮上した状態で記録および/または再生動作を行なうときに、前記記録媒体の損傷を低減することのできる磁気ヘッド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図17は、ハードディスク装置などに搭載される従来の磁気ヘッドを記録媒体との対向面を上向きにして示した斜視図である。
【0003】
この磁気ヘッドでは、記録媒体の移動方向に対して上流側Aがリーディング側と呼ばれ、下流側Bが、トレーリング側と呼ばれている。
【0004】
図17に示す符号1はセラミック材料などにより形成されたスライダであり、前記スライダ1のトレーリング側端面Bには、磁気記録及び/又は再生用の薄膜素子部6が設けられている。
【0005】
前記スライダ1の記録媒体との対向面には、エアグルーブ2が形成され、前記エアグルーブ2を囲むようにしてABS面3が形成されている。このABS面3はクラウン形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで図17に示す従来の磁気ヘッドでは、スライダ1の記録媒体との対向面における角部1a,1aが角張っており、磁気ヘッドが記録媒体に接触した際などに、前記記録媒体が損傷を受け易いといった問題があった。このため、前記スライダ1の角部1a,1aを例えば機械加工などによって面取りしていた。
【0007】
従来、複数のスライダ1が一体になって形成された状態、つまりスライダバーの状態で前記角部1a,1aの面取り加工を行っていた。図18は、スライダバーの状態を示す部分斜視図である。
【0008】
図18に示すように、前記スライダバー7のトレーリング側端面Bには、複数の薄膜素子部6が形成されている。そして前記スライダバー7の記録媒体との対向面8には、エアグルーブ2及びABS面3の加工が施されており、さらに各薄膜素子部6間には、一定の深さを有する溝部9が形成されている。
【0009】
図19は、従来の面取り加工方法を示す正面図である。従来は、治具10に固定されたスライダバー7のエアグルーブ2及びABS面3の全面を、クッション材K上に設置された研磨用のラッピングテープRに一定の圧力をかけて当接させ、治具10をX方向及び/又はY方向に往復摺動させることにより、スライダバーの状態で前記角部1a,1aの面取り加工を行なう。
【0010】
しかし、上記面取り加工を行うときに面取り加工の加工寸法をどの範囲に設定すれば効果的に前記記録媒体の損傷を低減させることができるかということについて、従来ほとんど検討されていなかった。また、上述した従来の面取り加工方法を用いてスライダの面取り加工を行なうと、面取り加工の加工精度を一定にすることが困難になるという問題も生じていた。
【0011】
本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、前記スライダの記録媒体との対向面における前記角部の面取り加工寸法が、磁気ヘッドが記録媒体に接触したときなどにおける前記記録媒体の損傷を低減でき、かつ、面取り加工のバラつきを少なくすることのできる範囲にある磁気ヘッド及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
また、本発明は、記録媒体に対向する対向面、支持側となる支持面、トレーリング側とリーディング側の各端面を有するスライダと、前記スライダのトレーリング側に設けられた磁気記録および/または再生用の素子部とを有する磁気ヘッドの製造方法において、
(a)トレーリング側端面に複数の素子部が形成されたスライダバーを形成する工程と、
(b)前記スライダバーでの前記対向面のトレーリング側の角部を、研磨加工面に当てて、前記スライダバーの前記支持面と前記研磨加工面とのなす角度を5°以上14°以下の角度に設定し、前記スライダバーをその長手方向と平行な方向に往復摺動させて、前記トレーリング側の角部に傾斜面を形成する工程と、
(c)前記スライダバーを、各々が前記素子部を有する個々のスライダに分離する工程と、
を有することを特徴とするものである。
【0022】
なお、前記(b)の工程の後に、
(d)前記スライダバーでの前記対向面のリーディング側の角部を、研磨加工面に当てて、前記スライダバーの前記支持面と前記研磨加工面とのなす角度を5°以上14°以下の角度に設定し、前記スライダバーをその長手方向と平行な方向に往復摺動させて、前記リーディング側の角部に傾斜面を形成する工程を有してもよい。
【0023】
本発明では、前記スライダの前記トレーリング側及び/又は前記リーディング側の角部に平坦な傾斜面を形成するので、製造段階における前記傾斜面の傾斜角度や深さといった加工寸法のばらつきを抑えることが容易になる。
【0025】
前記スライダバーの支持面と前記研磨加工面とがなす角度を5°以上14°以下に固定して前記スライダバーの角部を研磨すると、完成したスライダのトレーリング側及び/又はリーディング側の角部に形成された傾斜面と前記対向面との間にある第1の境界線と、前記傾斜面と前記端面との間にある第2の境界線を含む仮想平面と前記スライダの支持面とがなす角の大きさが5°以上14°以下になる。従って、形成された磁気ヘッドが記録媒体に接触したときなどにおける前記記録媒体の損傷を低減することができ、かつ、面取り加工のバラつきを少なくすることができる。
【0026】
さらに、前記スライダバーの支持面と前記研磨加工面とがなす角度を5°以上8°以下に固定した状態で、前記スライダバーを往復摺動させると、完成したスライダのトレーリング側及び/又はリーディング側の角部に形成された傾斜面と前記対向面との間にある第1の境界線と、前記傾斜面と前記端面との間にある第2の境界線を含む仮想平面と前記スライダの支持面とがなす角の大きさも、5°以上8°以下になる。従って、形成された磁気ヘッドが記録媒体に接触したときなどにおける前記記録媒体の損傷を完全に防止することも可能になるので好ましい。
【0027】
また、前記スライダバーの支持面と研磨加工面とがなす角度を5°以上14°以下に固定して前記スライダバーを往復摺動させると、前記傾斜面を形成するための前記スライダバーの総往復摺動距離を低減させることができ、加工性が向上する。なお、前記スライダバーの支持面と前記研磨加工面とがなす角度を5°以上8°以下に固定した状態で、前記スライダバーを往復摺動させると加工性を一層向上させることができるので好ましい。
【0029】
記スライダバーを往復摺動させる方向を、前記スライダバーの長手方向に平行な方向とすると、完成したスライダのトレーリング側端部及び/又はリーディング側端部に形成された傾斜面と前記対向面との前記第1の境界線が、前記スライダの幅方向に向けて直線状または曲線状に延び、前記傾斜面の加工寸法のばらつきを抑えることが容易になるので好ましい。
【0030】
また、前記スライダバーの記録媒体との対向面の表面上に保護膜を形成した後に、前記(b)及び/又は()の工程に移行することが好ましい。
【0031】
従来の面取り加工方法では、スライダバー記録媒体との対向面の全面をラッピングテープに当接させていたので、記録媒体との対向面の表面に形成された保護膜も研磨されてしまうという問題が生じていた。
【0032】
本発明では、前記スライダバーのトレーリング側及び/又はリーディング側の角部のみを前記研磨加工面に当てて研磨するので、記録媒体との対向面の表面に形成された保護膜は、前記角部以外では研磨されることがない。
【0033】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態の磁気ヘッドを記録媒体との対向面を上向きにして示した斜視図である。
【0034】
この磁気ヘッドでは、記録媒体の移動方向に対して上流側Aがリーディング側と呼ばれ、下流側Bが、トレーリング側と呼ばれている。
【0035】
図1に示す符号11はセラミック材料などにより形成されたスライダであり、スライダ11のトレーリング側端面Tにはアルミナ層15が形成されており、アルミナ層15には磁気記録及び/又は再生用の素子部12が設けられている。この素子部12は、磁気抵抗効果素子を用いた再生部と、インダクティブ型の薄膜磁気ヘッドにより構成された記録部とが重ねられたものであり、スライダ11の記録媒体との対向面Fにギャップ部(記録および/または再生部)Gが現れている。なお、本実施の形態の磁気ヘッドのスライダ11では、記録媒体との対向面F上に、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)などの材料を用いて保護膜が形成されており、ギャップ部Gは前記保護膜に覆われている。図1では、図面を見やすくするために、前記保護膜の図示を省略しているが、後に説明する図4において保護膜16として図示されている。また、対向面Fの反対側の面が支持側となる支持面Sである。
【0036】
図1に示すように、記録媒体との対向面Fには段差が形成されて、前記段差を介して対向面F側において最も高い位置にある面が、記録媒体上の空気流からの浮上力を受けるABS面14であり、ABS面14に囲まれてエアグルーブ13が形成されている。なお、前記段差の高さは1.5mmである。
【0037】
図2に示されるように、図1のスライダ11を支持する支持体21は、ロードビーム22とフレキシャ23とで構成されている。ロードビーム22はステンレスなどの板ばね材料により形成されている。またロードビーム22の先端部付近には、図示下方向に突き出した球面状のピボット24が形成されており、このピボット24にフレキシャ23を介してスライダ11が当接される。
【0038】
フレキシャ23はステンレスなどの薄い板ばねにより形成されたものである。フレキシャ23は、固定部23aと舌片23bとで構成されており、舌片23bの下面に、スライダ11の支持側となる支持面Sが接着固定されている。
【0039】
舌片23bの上面はロードビーム22に形成されたピボット24に突き当てられ、舌片23bの下面に接着固定されたスライダ11が舌片23bの弾性により、ピボット24の頂点を支点として姿勢を自由に変えることができるようになっている。
【0040】
磁気ディスクD1(記録媒体)の起動時には、ディスクの移動方向に沿ってスライダ11と磁気ディスクD1表面の間に空気流が導かれ、スライダ11のABS面14が空気流による浮上力を受けて、磁気ディスクD1表面から短い距離δ1(スペーシング)だけ浮上する。
【0041】
浮上姿勢では、図2に示すように、スライダ11のリーディング側Aがトレーリング側Bよりも高く持ち上がる傾斜した浮上姿勢となる。この浮上姿勢にて、素子部12のMRヘッドによりディスクからの磁気信号が検出され、あるいはインダクティブヘッドにより前記磁気信号が書き込まれる。
【0042】
図1に示された本実施の形態のスライダ11では、記録媒体との対向面Fのトレーリング側端部に傾斜面11aが、また、リーディング側端部に傾斜面11bが形成されている。傾斜面11a、11bの表面は平坦面である。
【0043】
図3は、図1に示されたスライダ11を記録媒体との対向面F側からみた平面図、図4はスライダ11の側面図である。
【0044】
傾斜面11aの対向面Fとの境界線が第1の境界線11a1であり、傾斜面11aのトレーリング側端面Tとの境界線が第2の境界線11a2である。なお、本実施の形態では、第1の境界線11a1は傾斜面11aのABS面14との境界線を含む。第1の境界線11a1と第2の境界線11a2を含む仮想平面Cとスライダ11の支持面Sとがなす角の大きさをθ1とする。
【0045】
また、傾斜面11bの対向面Fとの境界線が第1の境界線11b1であり、傾斜面11bのリーディング側端面Lとの境界線が第2の境界線11b2である。第1の境界線11b1と第2の境界線11b2を含む仮想平面Dとスライダ11の支持面Sとがなす角の大きさをθ2とする。θ1及びθ2は、5°以上14°以下の範囲内にある。θ1とθ2の大きさは、異っていても等しくてもどちらでもよい。
【0046】
なお、記録媒体との対向面Fの前記トレーリング側端部及び/又はリーディング側端部には、傾斜面11a、11bの代りに曲面が形成されてもよい。この場合も、前記曲面の対向面Fとの間の第1の境界線と、前記曲面のトレーリング側端面Tとの間の第2の境界線を含む仮想平面とスライダの支持面Sとがなす角の大きさ、及び前記曲面の対向面Fとの間の第1の境界線と、前記曲面のリーディング側端面Lとの間の第2の境界線を含む仮想平面と、スライダの支持面Sとがなす角の大きさを、5°以上14°以下の範囲内にする。
【0047】
θ1及びθ2が5°以上14°以下の範囲内にあるようにすると、図2に示されるように、磁気ディスクD1(記録媒体)上を浮上走行しているスライダ11が、磁気ディスクD1に接触したときの磁気ディスクD1の損傷を低減できる。また、θ1及びθ2が5°以上8°以下の範囲内にあるようにすると、磁気ディスクD1の損傷を完全に防止することも可能になるので好ましい。
【0048】
θ1及びθ2が14°より大きいと、傾斜面11aの第1の境界線11a1を頂点とする角部の角度及び傾斜面11bの第1の境界線11b1を頂点とする角部の角度が直角に近づき、スライダ11が、磁気ディスクD1に接触したときの磁気ディスクD1の損傷を低減できなくなる。
【0049】
また、θ1及びθ2が5°未満であると、傾斜面11aの第2の境界線11a2を頂点とする角部の角度及び傾斜面11bの第2の境界線11b2を頂点とする角部の角度が直角に近づき、スライダ11が、磁気ディスクD1に接触したときの磁気ディスクD1の損傷を低減できなくなる。
【0050】
すなわち、θ1及びθ2が5°以上14°以下であると、傾斜面11aの第1の境界線11a1を頂点とする角部及び傾斜面11bの第1の境界線11b1を頂点とする角部、並びに傾斜面11aの第2の境界線11a2を頂点とする角部及び傾斜面11bの第1の境界線11b2を頂点とする角部の鋭角度が減少し、スライダ11が磁気ディスクD1に接触したときの磁気ディスクD1の損傷を低減できる。
【0051】
また、θ1及びθ2が5°以上であると、傾斜面11aの第1の境界線11a1からトレーリング側端面Tまでの距離L1及び傾斜面11bの第1の境界線11b1からリーディング側端面Lまでの距離L3の製品ごとのバラつきを許容範囲以内にでき、製品の品質を向上させることができる。
【0052】
また、図3に示されるように、対向面Fのトレーリング側端部に形成された傾斜面11aの第1の境界線11a1は、素子部12のギャップ部Gよりも、トレーリング側端面T側に形成されており、ギャップ部Gの損傷を防止することができるようになっている。第1の境界線11a1からギャップ部Gまでの距離L2は、例えば3〜5μmである。
【0053】
さらに、ギャップ部Gは、ABS面14の領域内に位置し、記録及び再生時に、素子部12を磁気ディスクD1に最も近づけることができるようになっている。ギャップ部Gは、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)などからなる保護膜(図3では図示せず)によって覆われている。ただし、ギャップ部Gが、ABS面14上に露出していてもよい。
【0054】
なお、ギャップ部Gは、必ずしもABS面の領域内に位置しなくともかまわない。例えば、エアーグルーブ13と連続する平面内に位置していてもかまわない。
【0055】
また、リーディング側の端部に形成された傾斜面11bの第1の境界線11b1は、ABS面14を形成する段差よりもリーディング側端面L側に位置しており、傾斜面11bがスライダ11の浮上特性に影響を与えることを避けることができる。
【0056】
図1から図4に示されたスライダ11は、トレーリング側端部及びリーディング側端部の両方に傾斜面11a、11bが形成され、角度θ1及びθ2が5°以上14°以下の範囲にある。
【0057】
ただし、図2に示されるように、浮上時のスライダ11は、トレーリング側端部が磁気ディスクD1に近づいた姿勢を取り、その結果、トレーリング側端部の方がリーディング側端部よりも磁気ディスクD1と接触しやすくなる。すなわち、トレーリング側端部の傾斜面11aのみが形成され、リーディング側端部の傾斜面11bが形成されなくとも、スライダ11の接触による磁気ディスクD1の損傷を低減することができる。また、トレーリング側端部及びリーディング側端部に傾斜面11a、11bが形成されている場合、角度θ1のみが5°以上14°以下の範囲にあり、角度θ2はこの範囲から外れた大きさであっても良い。
【0058】
図3に示されるように、対向面Fの前記トレーリング側端部及びリーディング側端部に形成された傾斜面11a、11bの第1の境界線11a1、11b1は、スライダ11の幅方向に向けて直線状に延びている。なお、傾斜面11a、11bの第1の境界線11a1、11b1は、スライダ11の幅方向に向けて曲線状に延びていることもある。
【0059】
さらに、スライダ11の記録媒体との対向面Fの表面上には、図4の斜線部で示される保護膜16が形成されている。保護膜16は、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)などの材料を用いて形成されている。この保護膜16は傾斜面11a、11bの表面上には形成されていない。なお、図1及び図3では、図を見やすくするために保護膜16の図示を省略している。
【0060】
また図1から図4に示されたスライダ11では、対向面Fの側縁部11c,11cは角部となっているが、この側縁部11c、11cに傾斜面又は曲面が形成されても良い。また、傾斜面11a及び11bと側縁部11c、11cとの交点を頂点とする角部11d,11d,11d,11dがなだらかなR面となっていてもよい。
【0061】
なお、また図1から図4に示されたスライダ11のABS面14は、なだらかな曲面状となり、いわゆるクラウンが形成されていてもよい。
【0062】
この磁気ヘッドは、いわゆるCSS(コンタクト・スタート・ストップ)方式、あるいはランプロード方式のハードディスク装置などに使用される。
【0063】
本発明は、ランプロード方式のハードディスク装置の磁気ヘッドに適用すると特に有用である。
【0064】
図5から図10は、ランプロード方式のハードディスク装置の動作を説明するための側面図及び平面図である。
【0065】
図6において、11はスライダ、22はロードビーム、34はロードバー、35はロードビーム22を支持するためのアーム、D1は磁気ディスク(記録媒体)である。
【0066】
ロードバー34は磁気ディスク(記録媒体)D1に対して平行な部分34−Hと傾斜を持つ部分34−Kを有する。図5及び図6に示すように、非動作時においては、磁気ディスクD1とスライダ11は非接触であり、スライダ11は磁気ティスクD1の半径方向の外側であって、スライダ11表面の存在する平面上より離れた空間上に配置される。この状態から、モータを回転させた後、アーム35をアームの支点を中心に回転させると、ロードビーム22は、ロードバー34の平行な部分34−Hを滑り、さらに傾斜部34−Kに達して傾斜に沿って滑って行く(図7、図8)。さらにアーム35が回転すると、ロードビーム22を支持していたロードバー34のロックが解け、スライダ11は磁気ディスクD1上に移動し浮上する(図9,図10)。スライダ11を磁気ディスクD1からアンロードするときには、図5から図10に示した一連の動作を逆順に行う。
【0067】
上述したランプロード方式では、スライダ11が磁気ディスクD1上に移動し浮上するとき(図9,図10)にスライダ11の姿勢が不安定になり、スライダ11の、記録媒体との対向面のトレーリング側端部及びリーディング側端部が磁気ディスクD1と接触しやすくなる。
【0068】
本発明では、スライダ11の、記録媒体との対向面のトレーリング側端部及びリーディング側端部に傾斜面または曲面が形成されているので、スライダ11が磁気ディスクD1と接触しやすくなった場合でも、磁気ディスクD1の損傷を低減できる。
【0069】
図11は、本発明の磁気ヘッドの製造方法の実施の形態を説明するための斜視図である。
【0070】
まずセラミックやアルミナチタンカーバイドなどからなる円形状の基板上に、複数の素子部41を形成した後、前記基板を直方形状に切断し、スライダバー42を形成する。このスライダバーのトレーリング側端面には、一列に並んで複数の素子部41が形成された状態となっている。
【0071】
そして、スライダバー42の記録媒体との対向面Fに、素子部41と同じ数だけのエアグルーブ及びABS面を形成する。また、スライダバーの対向面Fと反対側の面が支持側となる支持面である。
【0072】
次に、図11に示すように、スライダバー42の記録媒体との対向面Fのトレーリング側の角部42aを研磨加工面であるラッピングテープ43の表面に当てて、治具(図示せず)によってスライダバー42の支持面Sとラッピングテープ43表面とがなす角度θを5°以上14°以下に設定した状態で、スライダバー42の長手方向に平行な方向(図示Y方向;スライダバー42のトレーリング端面Tに平行な方向)に往復摺動させて、前記トレーリング側の角部42aに傾斜面を形成する。なお、スライダバー42をラッピングテープ43に力を加えて押付けることはせず、スライダバー42は、自重のみによってラッピングテープ43に押付けられている。スライダバー42の往復摺動は手動で行う。
【0073】
次に、スライダバー42の記録媒体との対向面Fのリーディング側の角部42bをラッピングテープ43の表面に当てて、スライダバー42の支持面Sとラッピングテープ43の表面とがなす角度を5°以上14°以下に設定した状態で、スライダバー42の横方向に平行な方向(図示Y方向;スライダバー42のトレーリング端面Tに平行な方向)に往復摺動させて、前記リーディング側の角部42bに傾斜面を形成する。ただし、スライダバー42の記録媒体との対向面Fのリーディング側の角部42bに傾斜面を形成する工程は省略してもよい。
【0074】
なお、ラッピングテープ43の下層にクッションを敷いてもよいし、敷かなくてもよい。
【0075】
その後に、スライダバー42の記録媒体との対向面F側に形成された溝部44においてスライダバー42を切断すると、図1から図4に示すような個々のスライダ11が得られる。
【0076】
本実施の形態では、スライダバー42のトレーリング側の角部42a及び/又は前記リーディング側の角部42bに平坦な傾斜面を形成するので、製造段階における前記傾斜面の傾斜角度や深さといった加工寸法のばらつきを抑えることが容易になる。
【0077】
すなわち、図1から図4に示される得られたスライダ11の傾斜面11aの第1の境界線11a1と第2の境界線11a2を通る仮想平面Cとスライダ11の支持面Sとがなす角の大きさθ1、及び傾斜面11bの第1の境界線11b1と第2の境界線11b2を通る仮想平面Dとスライダ11の支持面Sとがなす角の大きさθ2の製品ごとのバラつきを小さくでき、製品の品質を向上させることができる。
【0078】
さらに、得られたスライダ11の傾斜面11aの第1の境界線11a1からトレーリング端面Tまでの距離L1及び傾斜面11bの第1の境界線11b1からリーディング端面Lまでの距離L3の製品ごとのバラつきを小さくでき、製品の品質を向上されることができる。
【0079】
また、スライダバー42の支持面Sとラッピングテープ43表面とがなす角度を5°以上14°以下に設定した状態で、スライダバー42を往復摺動させると、傾斜面を形成するためのスライダバー42の総往復摺動距離を低減させることができ、加工性が向上する。なお、スライダバー42の支持面Sとラッピングテープ43表面とがなす角度を5°以上8°以下に設定した状態で、スライダバー42を往復摺動させると加工性を一層向上させることができるので好ましい。
【0080】
前記スライダバーの支持面Sとラッピングテープ表面とがなす角度を5°以上14°以下に設定して前記スライダバーの角部を研磨すると、完成したスライダのトレーリング側及び/又はリーディング側の角部に形成された傾斜面の前記第1の境界線と前記第2の境界線を通る仮想平面と前記スライダの支持面とがなす角の大きさθは5°≦θ≦14°の範囲内になる。従って、形成された磁気ヘッドが記録媒体に接触したときなどにおける前記記録媒体の損傷を低減することができ、かつ、面取り加工のバラつきを少なくすることができる。
【0081】
また、スライダバー42の支持面Sとラッピングテープ43表面とがなす角度を5°以上8°以下に設定した状態で、スライダバー42を往復摺動させると、完成したスライダのトレーリング側及び/又はリーディング側の角部に形成された傾斜面の前記第1の境界線と前記第2の境界線を通る仮想平面と前記スライダの支持面とがなす角の大きさθも5°以上8°以下の範囲内になる。従って、形成された磁気ヘッドが記録媒体に接触したときなどにおける前記記録媒体の損傷を完全に防止することも可能になるので好ましい。
【0082】
また、上記のように往復摺動させる方向を、スライダバー42の長手方向に平行な方向とすると、完成したスライダ11のトレーリング側端部に形成された傾斜面11aの第1の境界線11a1及びリーディング側端部に形成された傾斜面11bの第1の境界線11b1が、図3に示されるようにスライダ11の幅方向に延びる直線となり、傾斜面11a及び11bの加工寸法のばらつきを抑えることが容易になる。
【0083】
なお、傾斜面11aを形成するときには、図3に示されるように、トレーリング側端部に形成された傾斜面11aの第1の境界線11a1が、素子部12のギャップ部Gよりも、トレーリング側端面T側となるようにすると、ギャップ部Gの損傷を防止することができるので好ましい。
【0084】
また、傾斜面11bを形成するときには、リーディング側端部に形成された傾斜面11bの第1の境界線11b1が、ABS面を形成する段差よりもリーディング側端面L側に形成されるようにすると、傾斜面11bがスライダ11の浮上特性に影響を与えることを避けることができるので好ましい。
【0086】
ただし、スライダバー42の長手方向と直角方向(図示X方向;スライダバー42のトレーリング端面Tに垂直な方向)に往復摺動させて、前記トレーリング側の角部42a及び角部42bに傾斜面を形成すると、完成したスライダ51のトレーリング側端部に形成された傾斜面51aの第1の境界線51a1及びリーディング側端部に形成された傾斜面51bの第1の境界線51b1が、図13に示されるような波状或いはジグザグ状のガタつきのある曲線となり傾斜面51a及び51bの加工寸法のばらつきが生じやすくなる。
【0087】
また、スライダバー42の長手方向と直角方向(図示X方向)に往復摺動させて、前記トレーリング側の角部42a及び角部42bに傾斜面を形成する方法では、一つの角部を研磨するために必要なラッピングテープ43の面積は、図12に示されるように、W1×W2である。ただし、W1はスライダバー42をラッピングテープ43上で摺動させる距離、W2はスライダバー42の長手方向の長さである。
【0088】
一方、スライダバー42の長手方向に平行な方向(図示Y方向)に往復摺動させて、前記トレーリング側の角部42a及び角部42bに傾斜面を形成する方法では、一つの角部を研磨するために必要なラッピングテープ43の面積は、図11に示されるように、W3×W4である。ただし、W3は形成される傾斜面の第1の境界線から第2の境界線までの長さ、W4はスライダバー42をラッピングテープ43上で摺動させる距離である。
【0089】
通常、W1×W2>W3×W4である。すなわち、一つの角部を研磨するために必要なラッピングテープ43の面積は、スライダバー42の長手方向に平行な方向(図示Y方向)に往復摺動させる方法(図11)より、スライダバー42の長手方向と直角方向(図示Y方向)に往復摺動させる方法(図12)の方が大きい。
【0090】
一つのスライダに傾斜面を形成するために使用したラッピングテープ43上の部分(図11及び図12の斜線部分)は加工レートが落ちるので、再使用はされない。すなわち、一つのスライダ42の角部42a及び角部42bに傾斜面を形成した後ラッピングテープ43をマイクロメータなどを用いて微少送りし、異るスライダバーに傾斜面を形成するときは、ラッピングテープ43の使われていない部分を用いる。
【0091】
従って、図11に示されるスライダバー42の長手方向に平行な方向(図示Y方向)に往復摺動させる方法の方が、図12に示されるスライダバー42の長手方向と直角方向(図示Y方向)に往復摺動させる方法よりも、同じ面積のラッピングテープを用いたときに、より多くのスライダの角部を研磨することができる。
【0092】
また、スライダバー42の記録媒体との対向面Fの表面上にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)によって保護膜(図11及び図12では図示せず)が形成されている。
【0093】
従来の面取り加工方法では、スライダバー42の記録媒体との対向面Fの全面をラッピングテープ43に当接させていたので、記録媒体との対向面Fの表面に形成された保護膜も研磨され、記録媒体との対向面Fが損傷するという問題が生じていた。
【0094】
本実施の形態では、スライダバー42のトレーリング側の角部42a及び/又はリーディング側の角部42bのみをラッピングテープ43表面に当てて研磨するので、記録媒体との対向面Fの表面に形成された保護膜は、角部42a,42b以外では研磨されることがない。従って、完成したスライダは、例えば図4に示されるように、記録媒体との対向面Fの大部分が保護膜16で覆われたものとなる。また、記録媒体との対向面Fが損傷することも防止できる。
【0095】
【実施例】
図1から図4に示されたスライダ11と同じ形状で、トレーリング側端部の傾斜面11aの第1の境界線11a1と第2の境界線11a2を通る仮想平面Cとスライダ11の支持面Sとがなす角の大きさθ1と、リーディング側端部の傾斜面11bの第1の境界線11b1と第2の境界線11b2を通る仮想平面Dとスライダ11の支持面Sとがなす角の大きさθ2を様々に変化させた複数個のスライダを形成した。以下、θ1及びθ2を、それぞれ、傾斜面11a及び傾斜面11bの傾斜角という。なお、本実施例ではθ1=θ2=θとしている。
【0096】
また、傾斜面11aの第1の境界線11a1からトレーリング端面Tまでの距離L1を20μm、第1の境界線11a1からキャップGまでの距離L2を5μmとした。
【0097】
これらの複数個のスライダを図2及び図6に示されるように、フレキシャ23及びロードビーム22を介してアーム35に固定し、いわゆるランプロード方式のハードディスク装置を構成した。さらに、このハードディスク装置の起動・停止を繰り返し、磁気ディスクD1(記録媒体)の損傷発生試験を行った。
【0098】
図14は、傾斜面11a及び11bの傾斜角の大きさθ(=θ1=θ2)と磁気ディスクD1の損傷発生率との関係を示すグラフである。
【0099】
図14から、θ≦14°になると、磁気ディスクの損傷発生率が15%以下になり、5°≦θ≦8°の範囲で磁気ディスクの損傷発生率が0%になることがわかる。すなわち、磁気ディスクに損傷が発生する原因は、スライダ11の記録媒体との対向面Fのトレーリング側端部及びリーディング側端部が磁気ディスクD1と接触しやすくなることであり、対向面Fのトレーリング側端部及びリーディング側端部に適切な傾斜角を有する傾斜面を形成することで、磁気ディスクの損傷を低減させること、もしくは防止することができることがわかる。
【0100】
θ1及びθ2が14°以上であると、傾斜面11aの第1の境界線11a1を頂点とする角部の角度及び傾斜面11bの第1の境界線11b1を頂点とする角部の角度が直角に近くなり、スライダ11が、磁気ディスクD1に接触したときの磁気ディスクD1の損傷を低減できなくなる。
【0101】
次に、傾斜面11aの傾斜角の大きさθ(=θ1)を変化させたスライダを複数個ずつ形成し、傾斜面11aの第1の境界線11a1からトレーリング側端面Tまでの距離L1のばらつき(標準偏差σ)を測定した。傾斜面11aの第1の境界線11a1からトレーリング側端面Tまでの距離L1の目標値を20μm、第1の境界線11a1からキャップ部Gまでの距離L2の目標値を5μmとした。
【0102】
結果を図15に示す。図15から、θ<5°であると、傾斜面11aの第1の境界線11a1からトレーリング側端面Tまでの距離L1のばらつき(標準偏差σ)が2μmを越える。すなわち、3σ>6μmとなり、上述したように傾斜面11aの第1の境界線11a1からギャップ部Gまでの距離L2の目標値を5μmとしている場合に、第1の境界線11a1の位置がばらついて、ギャップ部Gの位置を越えてしまう確率が無視できない確率になる(約5%以上になる)。第1の境界線11a1の位置が、ギャップ部Gの位置を越えるということは、傾斜面11aの形成時にギャップ部Gも研磨されることを意味し、すなわち、素子部12の特性が変化してしまう。従って、θ≧5°であることが必要である。
【0103】
なお、リーディング側の傾斜面11bの傾斜角の大きさθ(=θ2)を変化させたスライダを複数個ずつ形成し、傾斜面11bの第1の境界線11b1からリーディング側端面Lまでの距離L3のばらつき(標準偏差σ)を測定した場合にも、図15のグラフに示された結果と同等の結果が得られた。
【0104】
さらに、傾斜面11aの傾斜角の大きさθ(=θ1)と、傾斜面11aを形成するときの加工性の関係を調べた。傾斜面11aを形成するときの加工性は、ある傾斜角の大きさθ(=θ1)を有する傾斜面11aを形成するために、スライダバーをラッピングテープ上で往復摺動させたときの総摺動距離Laによって表わすことができる。
【0105】
傾斜面11aは、図11に示されるスライダバー42を長手方向に平行な方向(図示Y方向)に往復摺動させる方法で形成した。なお、スライダバー42は、自重のみによってラッピングテープ43に押付けられ、スライダバー42の往復摺動は手動で行った。
【0106】
前記総摺動距離Laは、スライダバー42をラッピングテープ43上で摺動させる距離をW4、往復回数をNとすると、La=2×W4×Nで表わされる。
【0107】
図16は、傾斜面11aの傾斜角の大きさθ(=θ1)と、傾斜面11aを形成するときの総摺動距離Laとの関係を示すグラフである。
【0108】
図16から、θ>14°となると、総摺動距離Laが急激に増大し、加工性が著しく悪化することがわかる。また、5°≦θ≦8°の範囲では、総摺動距離Laは約30cm以下となり、非常に良好な加工性を示すことがわかる。
【0109】
なお、リーディング側の傾斜面11bの傾斜角の大きさθ(=θ2)と、傾斜面11bを形成するときの総摺動距離Laとの関係を調べた結果も、図16の結果と同様の結果であった。
【0110】
図14から図16の結果から、トレーリング側端部の傾斜面11aの第1の境界線11a1と第2の境界線11a2を通る仮想平面Cとスライダ11の支持面Sとがなす角の大きさθ1と、リーディング側端部の傾斜面11bの第1の境界線11b1と第2の境界線11b2を通る仮想平面Dとスライダ11の支持面Sとがなす角の大きさθ2は、5°≦θ1,θ2≦14°であることが必要であり、好ましくは5°≦θ1,θ2≦8°であることがわかった。
【0111】
【発明の効果】
以上、詳細に説明した本発明によれば、前記スライダに設けられた記録媒体との対向面の前記トレーリング側端部および/またはリーディング側端部に傾斜面又は曲面を形成し、前記傾斜面又は曲面の第1の境界線と第2の境界線を含む仮想平面と前記スライダの支持面とがなす角の大きさθが5°以上14°以下の範囲内にあるので、形成された磁気ヘッドが記録媒体に接触したときなどにおける前記記録媒体の損傷を低減でき、かつ、面取り加工のバラつきを少なくすることができる。
【0112】
また、前記傾斜面又は曲面の第1の境界線と第2の境界線を含む仮想平面と前記スライダの支持面とがなす角の大きさθを5°以上8°以下の範囲内にすることにより、磁気ヘッドが記録媒体に接触したときなどにおける前記記録媒体の損傷を完全に防止することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示す磁気ヘッドの斜視図、
【図2】 図1の磁気ヘッドがロードビームに取りつけられた状態で、記録媒体上を浮上している状態を示す側面図、
【図3】 図1の磁気ヘッドを記録媒体との対向面側からみた平面図、
【図4】 図1の磁気ヘッドの側面図、
【図5】 ランプロード方式のハードディスク装置の動作を説明するための側面図、
【図6】 ランプロード方式のハードディスク装置の動作を説明するための平面図、
【図7】 ランプロード方式のハードディスク装置の動作を説明するための側面図、
【図8】 ランプロード方式のハードディスク装置の動作を説明するための平面図、
【図9】 ランプロード方式のハードディスク装置の動作を説明するための側面図、
【図10】 ランプロード方式のハードディスク装置の動作を説明するための平面図、
【図11】 本発明の磁気ヘッドの製造方法を説明するための斜視図、
【図12】 本発明の磁気ヘッドの他の製造方法を説明するための斜視図、
【図13】 本発明の他の実施の形態を示す磁気ヘッドの平面図、
【図14】 スライダの傾斜面の傾斜角の大きさと磁気ディスクの損傷発生率との関係を示すグラフ、
【図15】 スライダの傾斜面の傾斜角の大きさと、傾斜面の第1の境界線からトレーリング側端面までの距離のばらつき(標準偏差σ)との関係を示すグラフ、
【図16】 スライダの傾斜面の傾斜角の大きさと、スライダバーの総摺動距離との関係を示すグラフ。
【図17】 従来の磁気ヘッドの斜視図、
【図18】 図17の磁気ヘッドを形成するためのスライダバーの斜視図、
【図19】 従来の磁気ヘッドの面取り加工方法を説明するための正面図、
【符号の説明】
11 スライダ
11a、11b 傾斜面
11a1、11b1 第1の境界線
11a2、11b2 第2の境界線
12 素子部
13 エアーグルーブ
14 ABS面
42 スライダバー
43 ラッピングテープ
T トレーリング側端面、
L リーディング側端面
G ギャップ部

Claims (3)

  1. 記録媒体に対向する対向面、支持側となる支持面、トレーリング側とリーディング側の各端面を有するスライダと、前記スライダのトレーリング側に設けられた磁気記録および/または再生用の素子部とを有する磁気ヘッドの製造方法において、
    (a)トレーリング側端面に複数の素子部が形成されたスライダバーを形成する工程と、
    (b)前記スライダバーでの前記対向面のトレーリング側の角部を、研磨加工面に当てて、前記スライダバーの前記支持面と前記研磨加工面とのなす角度を5°以上14°以下の角度に設定し、前記スライダバーをその長手方向と平行な方向に往復摺動させて、前記トレーリング側の角部に傾斜面を形成する工程と、
    (c)前記スライダバーを、各々が前記素子部を有する個々のスライダに分離する工程と、
    を有することを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  2. 前記(b)の工程の後に、
    (d)前記スライダバーでの前記対向面のリーディング側の角部を、研磨加工面に当てて、前記スライダバーの前記支持面と前記研磨加工面とのなす角度を5°以上14°以下の角度に設定し、前記スライダバーをその長手方向と平行な方向に往復摺動させて、前記リーディング側の角部に傾斜面を形成する工程を
    有する請求項記載の磁気ヘッドの製造方法。
  3. 前記スライダバーの記録媒体との対向面の表面上に保護膜を形成した後に、前記(b)及び/又は()の工程に移行する請求項1または2記載の磁気ヘッドの製造方法。
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